説明

工作機械用主軸装置

【課題】良好な排油性を有し、軸受に対する潤滑油過多や軸受の異常発熱を抑制することができる工作機械用主軸装置を提供する。
【解決手段】工作機械用主軸装置20では、軸受60,70,80の外輪61,71,81に、その内周面に開口する排油穴61a,61b,71a,71b,81a,81bが径方向に亘って形成されている。排油穴61a,61b,71a,71b,81a,81b内の潤滑油は、負圧発生装置103の吸引力によって、吸引される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械用主軸装置に関し、より詳細には、多軸制御の工作機械等に適用され、外部から潤滑油が供給される、高速回転可能な工作機械用主軸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、5軸加工機や複合加工工作機械のような多軸制御される工作機械では、工具が取り付けられる回転軸が、水平位置と垂直位置との間、或いは、360度全域に亘って旋回可能な、チルトタイプの主軸装置が使用されている。
【0003】
このような主軸装置では、内部に配置された軸受を潤滑する方式として、エアを利用して、外部から軸受内部に微量の潤滑油を供給するオイルエア潤滑方式やオイルミスト潤滑方式、また、潤滑油を軸受内部に間欠的に高速度で直接噴射する直接噴射方式が採用されている。
【0004】
例えば、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑では、図8に示すように、ノズル501から軸受500に潤滑油を供給するとともに、外輪500aや間座502に形成された排油穴503aや排油溝503bからハウジング504の排油通路505を経て外部に排出される構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭63−139324号公報(第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の工作機械用主軸装置では、重力作用により潤滑油をハウジング504の排油通路505を介して自然に排油するものであるが、軸受内部やその周辺に潤滑のために使用された潤滑油が排出しきれない可能性がある。特に、dm・N50万以上、さらに効果が期待できるdm・N100万以上で高速回転可能な主軸装置においては、潤滑油過多や攪拌抵抗によって異常発熱を生じる可能性がある。また、チルトタイプの主軸装置に適用した場合には、主軸装置の姿勢変化により、一端排油穴503aや排油溝503b内に排出された潤滑油が軸受内部に戻り、潤滑油過多や攪拌抵抗によって異常発熱を生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な排油性を有し、軸受に対する潤滑油過多や軸受の異常発熱を抑制することができる工作機械用主軸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)工具を取り付け可能な回転軸と、
該回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
を備え、該軸受がオイル潤滑される工作機械用主軸装置であって、
前記軸受の外輪には、その内周面に開口する排油穴が貫通形成されており、
該排油穴内の潤滑油は、負圧発生装置の吸引力によって、吸引されることを特徴とする工作機械用主軸装置。
(2)前記外輪に隣接する外輪間座には、その内周面に開口する排油穴又は排油溝が径方向に亘って形成され、
前記外輪間座の前記排油穴又は排油溝内の潤滑油は、負圧発生装置の吸引力によって、吸引されることを特徴とする(1)に記載の工作機械用主軸装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、軸受の外輪に形成される排油穴内の潤滑油が、負圧発生装置の吸引力によって、吸引されるので、軸受内部の余分な潤滑油を速やかに排出することができる。特に、チルトタイプの主軸装置では、その姿勢が変化した場合であっても、排出されるはずの潤滑油が軌道面に戻ることが防止され、潤滑油過多や異常発熱を抑制することができる。
【0009】
また、外輪に隣接する外輪間座に形成される排油穴又は排油溝からも軸受内部の潤滑油が、負圧発生装置の吸引力によって吸引されるので、軸受内部の余分な潤滑油をより効果的に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る工作機械用主軸装置について図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の工作機械用主軸装置が組み込まれる、複合加工工作機械としての門形マシニングセンタを示す。門形マシニングセンタ1では、ベッド2の上にテーブル3がX軸方向へ移動可能に支持されており、ベッド2の両側には一対のコラム4が立設されている。コラム4の上端にはクロスレール5が架設されており、クロスレール5には、サドル6がY軸方向へ移動可能に設けられる。また、サドル6には、Z軸方向に昇降可能なラム7が支持されており、ラム7の下端には、本実施形態の主軸装置20をY軸回り及びZ軸回りに回転割出し駆動可能に保持する主軸ヘッド8が装着されている。
【0012】
主軸ヘッド8には、主軸装置20のブラケット21を挟むように一対の支持アーム9が設けられており、一対の支持アーム9は、ブラケット21の両側面に固定された図示しない一対の旋回シャフトを回転可能に支持する。これにより、主軸装置20は、主軸ヘッド8側に設けられた図示しない駆動機構によって一対の支持アーム9に対してY軸回りに旋回可能であり、水平位置と垂直位置との間、或いは、360度全域に亘って取付姿勢を変化することができるチルトタイプを構成する。
【0013】
図2に示すように、主軸装置20は、モータビルトイン方式であり、その軸方向中心部には、中空状の回転軸22が設けられ、回転軸22の軸芯には、ドローバ23が摺動自在に挿嵌されている。ドローバ23は、工具ホルダ24に取付けられたプルスタッド25を、クランプボール26を介して、皿ばね27の力によって反工具側方向(図の右方向)に付勢しており、工具ホルダ24は、回転軸22のテーパ面28と嵌合する。工具ホルダ24には図示しない工具が取り付けられており、この結果、回転軸22は、一端(図の左側)に工具をクランプして、工具を取り付け可能としている。
【0014】
また、回転軸22は、その工具側を支承する2列の前側軸受60,70と、反工具側を支承する1列の後側軸受80とによって、ブラケット21(図1参照。)に固定されたハウジングHを構成する外筒29に回転自在に支持されている。
【0015】
前側軸受60,70と後側軸受80間における回転軸22の外周面には、ロータ30が焼き嵌めされたロータスリーブ31が外嵌されている。また、ロータ30の周囲に配置されるステータ32は、ステータ32に焼き嵌めされた冷却ジャケット33を外筒29に内嵌することで、外筒29に固定される。従って、ロータ30とステータ32はモータを構成し、ステータ32に電力を供給することでロータ30に回転力を発生させ、回転軸22を回転させる。
【0016】
また、外筒29と反工具側で固定されたハウジングHを構成する後蓋34には、工具アンクランプピストン35を摺動自在に内嵌したハウジングHを構成する工具アンクランプシリンダ36が固定されている。よって、工具を交換する際には、油路37から油圧室38に作動油を導き、工具アンクランプピストン35を工具側(図の左側)へ前進させることにより、ドローバ23を工具側(図の左側)へ前進させて、工具をアンクランプする。
【0017】
前側軸受60,70は、外輪61,71と、内輪62,72と、接触角を持って配置される転動体としての玉63,73と、図示しない保持器と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、背面組み合わせとなるように配置されている。後側軸受80は、外輪81と、内輪82と、転動体としての円筒ころ83と、図示しない保持器と、を有する円筒ころ軸受である。
【0018】
前側軸受60,70の外輪61,71は外筒29に内嵌されており、且つ外筒29にボルト締結された前側軸受外輪押え39によってノズル付き外輪間座40を介して外筒29に対し軸方向に固定されている。また、前側軸受60,70の内輪62,72は、回転軸22に外嵌されており、且つ回転軸22に締結されたナット41によって内輪間座42を介して回転軸22に対し軸方向に固定されている。
【0019】
後側軸受80の外輪81は後蓋34に内嵌されており、且つ後蓋34にボルト締結された後側軸受外輪押え43によって後蓋34に固定されている。後側軸受80の内輪82は、回転軸22に形成されたテーパ面44とテーパ嵌合されており、回転軸22に締結された他のナット45によって、内輪間座46及び速度センサ47の被検出部48を介して位置決めされている。
【0020】
なお、後側軸受外輪押え43の反工具側には、被検出部48と径方向に対向する位置に速度センサ47の検出部49が固定されており、回転軸22の回転速度を検出する。また、前側軸受外輪押え39の工具側端面には、フロントカバー50がボルト固定されている。
【0021】
ここで、図2〜図4に示すように、ハウジングHを構成する外筒29、後蓋34、工具アンクランプシリンダ36には、前側軸受60,70及び後側軸受80をそれぞれ潤滑するための複数の給油通路(ハウジングHの給油用穴)90,91,92が形成されており、これら通路90,91,92の一端側には、潤滑油を送り込む潤滑装置93が図示しない配管を介してそれぞれ取り付けられている。なお、潤滑装置によって供給される潤滑方式は、オイル潤滑であればよく、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑、直噴潤滑等のいずれであってもよい。
【0022】
給油通路90,91,92の他端側は、外輪間座40に形成されたノズル40a(図2参照。),40b(図3参照。)、後側軸受外輪押え43に形成されたノズル43a(図4参照。)と連通しており、潤滑装置93によって送られた潤滑油を各軸受60,70,80の側方から軸受空間内に供給する。
【0023】
また、ハウジングHには、各軸受60,70,80を潤滑した潤滑油をそれぞれ排出する複数の排油通路(ハウジングHの排油用穴)100(図2参照。),101(図3参照。),102(図4参照。)が形成されており、これら通路100,101,102の一端側には、潤滑油を吸引するための負圧発生装置103がそれぞれ図示しない配管を介して接続されている。
【0024】
具体的に、図5に拡大して示すように、前側軸受60,70の外輪61,71には、カウンターボア側、及び反カウンターボア側の内周面で玉63,73が通過する外輪軌道面71cの近傍に開口して、且つ、径方向に貫通する排油穴61a,61b,71a,71bが周方向に略等間隔で複数本ずつ形成されている。また、これら排油穴61a,61b,71a,71bの外周側開口と対向する外筒29の内周面には、環状溝100a,100b,101a,101bが形成されている。これら環状溝100a,100b,101a,101bは、それぞれ排油通路100,101と連通している。なお、図5は、図2及び図3に示すように、異なる位相の前側軸受60,70の排油通路100,101を同じ断面に示している。
【0025】
また、図4に示すように、後側軸受80も、前側軸受60,70と同様、外輪81の軸方向両側の内周面で、円筒ころ83が通過する外輪軌道面81cの近傍に、径方向に貫通する排油穴81a,81bが周方向に略等間隔で複数本ずつ形成されている。そして、これら排油穴81a,81bの外周側開口と対向する後蓋34の内周面には、排油通路102と連通する環状溝102a,102bが形成されている。
【0026】
従って、各軸受60,70,80を潤滑した潤滑油を、排油穴61a、61b,71a,71b,81a,81bと、環状溝100a、100b、101a,101b,102a,102bとを介して、各排油通路100,101,102から外部へ排出する際、潤滑油は、負圧発生装置103の吸引力によって強制的に吸引される。
【0027】
これにより、各軸受60,70,80の外輪軌道面61c,71c,81cの近傍に設けられた排油穴61a,71a,81aから余分な潤滑油を速やかに排出することができる。特に、本実施形態のようなチルトタイプの主軸装置20において、その姿勢が変化した場合であっても、排出されるはずの潤滑油が軸受内部に戻ること、特に、排油穴61a,71a,81aに存在する潤滑油が外輪軌道面61c,71c,81cに戻ることが防止され、潤滑油過多や攪拌抵抗による異常発熱を抑制することができる。
【0028】
また、本実施形態では、排油通路100,101,102は、各軸受60,70,80毎に形成されているので、負圧発生装置103の吸引能力条件を変化させることで、各軸受60,70,80の吸引効率を最適化することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る工作機械用主軸装置について、図6を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
【0030】
図6に示すように、本実施形態の工作機械用主軸装置20aでは、各軸受60,70,80の環状溝100a、100b、101a,101b,102a,102bが、ハウジングHに形成された単一の排油通路110と連通しており、この排油通路110は、負圧発生装置103に図示しない配管を介して接続されている。
【0031】
このため、各軸受60,70,80を潤滑した潤滑油は、負圧発生装置103の吸引力によって強制的に吸引されながら、排油穴61a、61b,71a,71b,81a,81bと、環状溝100a、100b、101a,101b,102a,102bとを介して、単一の排油通路110から外部へ排出される。
【0032】
これにより、各軸受60,70,80の外輪軌道面61c,71c,81cの近傍に設けられた排油穴61a,71a,81aから余分な潤滑油を速やかに排出することができる。特に、本実施形態のようなチルトタイプの主軸装置20において、その姿勢が変化した場合であっても、排出されるはずの潤滑油が軸受内部に戻ること、特に、排油穴61a,71a,81aに存在する潤滑油が外輪軌道面61c,71c,81cに戻ることが防止され、潤滑油過多や異常発熱を抑制することができる。
【0033】
また、このように構成される工作機械用主軸装置20aは、第1実施形態と比べて、ハウジングHに穴加工する排油通路の数を少なくすることができ、加工コストを低減することができる。
【0034】
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。なお、図6では、異なる位相の前側軸受60,70のノズル40a,40bと、後側軸受90のノズル43aとを同じ断面に示している。
【0035】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る工作機械用主軸装置について、図7を参照して詳細に説明する。なお、第1及び第2実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
【0036】
図7に示すように、本実施形態の工作機械用主軸装置20bでは、前側軸受60の外輪61と軸方向に対向する前側軸受外輪押え39の軸方向端面に切欠き39aが形成される。また、前側軸受60,70の外輪61,71と軸方向に対向するノズル付き外輪間座40の軸方向両端面には、その内周面に開口する排油溝である切欠き40d,40eが径方向に亘って形成されている。また、前側軸受70の外輪71と軸方向に対向する外筒29の段部近傍には、内周面に開口し、排油通路120と連通する排出穴29aが形成されている。また、これらの切欠き39a,40d,40eは、排油通路120に形成された排油穴29b,29c,29dとそれぞれ同位相となるように配置されている。なお、図7では、排油穴29a,29b,29c,29dを有する排油通路120は、第1実施形態の排油通路100,101,102と別に形成されているが、排油穴29a,29b,29c,29dは、排油通路100,101,102のいずれかに形成されてもよく、或いは、第2実施形態のように単一の排油通路110に形成されてもよい。
【0037】
従って、本実施形態は、各軸受60,70を潤滑した潤滑油を、外輪61,71の排油穴61a、61b,71a,71bに加えて、これら切欠き39a,40d,40e、及び排油穴29aから排油通路120へと排出される。
【0038】
また、排油通路120には、負圧発生装置103によって接続される潤滑油排出口120aの他に、前側軸受外輪押え39に形成された潤滑油排出口120bが外部に開口している。この潤滑油排出口120bからも図示しない負圧発生装置によって吸引させることが可能であり、潤滑油排出口120a,120bの両方またはどちらか片方からの吸引は、潤滑条件やスピンドルの姿勢変化の条件により最適方法を選択できる。なお、片方からの吸引の場合には、他方の排出口はプラグにより塞がれるか、形成しなければよい。
【0039】
このため、通常、排油は自重または送油時に使用したエアの流れに沿って排油通路120を通って外部に排出されるが、本実施形態のようなチルトタイプの主軸装置では、姿勢変化により外部へ良好に排出されない場合がある。そのような場合に、負圧発生装置103によって強制的に潤滑油を吸引することで、外部への排出を補助することができる。特に、軸受60,70に隣接する外輪間座40に形成される切欠き40d,40eからも軸受内部の潤滑油が、負圧発生装置103の吸引力によって吸引されるので、軸受内部の余分な潤滑油をより効果的に排出することができる。
【0040】
その他の構成及び作用については、第1及び第2実施形態のものと同様である。なお、本実施形態において、ノズル付き外輪間座40には、その軸方向両端面に切欠き40d,40eを設ける代わりに、その内周面に開口する排油穴が径方向に亘って貫通形成されてもよい。
【0041】
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本実施形態では、前側軸受60,70を2列のアンギュラ玉軸受,後側軸受90を円筒ころ軸受としたが、各軸受の種類や列数は任意に設定可能である。
また、本実施形態では、排油穴61a、61b,71a,71b,81a,81bは、周方向に複数本ずつ形成されているが、周方向に少なくとも一本形成されればよい。
【0042】
さらに、本実施形態では、軸受60,70,80毎に複数の給油通路90,91,92が設けられているが、これら給油通路90,91,92を単一の給油通路として、主軸装置20内で分岐して供給するようにしてもよく、潤滑方式や潤滑条件により複数の軸受毎に別通路とするか単一の共有通路とするかは最適方式を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の主軸装置が適用される門形マシニングセンタの概略図である。
【図2】第1実施形態の主軸装置において、一方の前側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。
【図3】主軸装置において、他方の前側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。
【図4】主軸装置において、後側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。
【図5】主軸装置の前側軸受部分の拡大断面図である。
【図6】第2実施形態の主軸装置における断面図である。
【図7】第3実施形態の主軸装置における断面図である。
【図8】従来の主軸装置における断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 門形マシニングセンタ(複合加工工作機械)
20,20a,20b 主軸装置
22 回転軸
30 ロータ
32 ステータ
40 外輪間座
40d,40e 切欠き
60,70 前側軸受
61,71,81 外輪
61a,61b,71a,71b,81a,81b 排油穴
80 後側軸受
100,101,102,110,120 排油通路
103 負圧発生装置
H ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を取り付け可能な回転軸と、
該回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
を備え、該軸受がオイル潤滑される工作機械用主軸装置であって、
前記軸受の外輪には、その内周面に開口する排油穴が貫通形成されており、
該排油穴内の潤滑油は、負圧発生装置の吸引力によって、吸引されることを特徴とする工作機械用主軸装置。
【請求項2】
前記外輪に隣接する外輪間座には、その内周面に開口する排油穴又は排油溝が径方向に亘って形成され、
前記外輪間座の前記排油穴又は排油溝内の潤滑油は、負圧発生装置の吸引力によって、吸引されることを特徴とする請求項1に記載の工作機械用主軸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−184062(P2009−184062A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25899(P2008−25899)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】