説明

工業的なトマトの処理方法及びその得られた生成物

【課題】トマト濃縮物を得るための方法を提供し、かつ、用途の広いトマト成分であるトマトパルプを得る方法を提供する。
【解決手段】トマトパルプ組成物に関し、粒径は、2.5以下であり、トマトからの種子又は皮を含まず、上記パルプが含まれるトマトのリコピン濃度の5〜15倍高いリコピン濃度を有する組成物を得る。トマトジュースからトマトパルプ及びトマト濃縮物を工業的に得、また、トマト濃縮物又は変性トマトジュースの粘度及びリコピン濃度を制御し、さらにトマトジュースからのトマトパルプの一部を分離。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、トマトの処理及びその生成物に関する。具体的には、本発明は、トマトパルプ及びトマト濃縮物を得る方法に関する。
(本発明の背景)
トマト処理工業の主な生成物の一つは、トマト濃縮物である。トマト濃縮物は、同一性の基準(Standard of Identity)を有する。観察され、また制御されるトマト濃縮物の二つの顕著な特徴は、a)濃縮物のブリックスであり、ここでブリックスは、濃度の基準である。「全可溶性固体」として表現され、ブリックスの単位での濃度で表現される濃度は、液相の可溶性固体の百分比率、又はより正確には、屈折計によって測定されそれらがスクロースかのように示される全可溶性固体の基準として定義される。b)粘度。この粘度は、Bostowick稠度計によって測定され得る。Tanglertpaibul and Rao(Journal of Food Science (1987) Vol 52, No. 2)は、濃縮物の流動性及び粘度に与えるパルプ含有量の影響を教示する。トマトジュース及びそれから得られるトマト濃縮物の粘度は、「熱ブレイク(hot break)」法又は「冷ブレイク(cold break)」法が、トマトジュースの調製方法に使用されるか否かにも依存する。トマトの処理において、圧潰(crushing)及び細断(macerating)によって、トマト内のペクチン分解性酵素が、果実細胞から放出され、トマト内のペクチンと接触し、ペクチンを破壊する。ペクチンは、トマトジュースの稠度の原因となるので、ペクチンの破壊によって生成するトマトジュースの粘度が低する。「熱ブレイク」法において、細断されたトマトは、ペクチン分解酵素を失活させる温度まで加熱され、これによってペクチンの機能停止を防ぐ。「熱ブレイク」法により調製されるトマトジュースは、より高い粘度を示し、上記ジュース及びその調製されたトマト濃縮物が、「冷ブレイク」法から調製された同一生成物より優れた性能を有することが一般的に許容されている。
【0002】
濃縮物の調製は、トマトジュースからの水を蒸発することによって一般的に行われている。Gould(Tomato Producton Processing & Technology, third edition, p.201-217, CTI Publications Inc. )は、新鮮なトマトを分類し、かつトリミングして、トマトの葉柄又は未熟部分を除去したり、細断及び圧潰したり、加熱及び抽出する工程を含むトマトジュースの標準的な調製方法を記載している。Gouldによって使用されるような「抽出」の用語は、「仕上げ」として工業界において知られている(Tanglertpaibul 及び Raoを参照のこと。)。抽出又は仕上げは、細目スクリーンに圧潰されたトマトを通過させる工程を含む。次いで、得られたトマトジュースは、ブリックス(Brix)で示された所望の濃度に到達するまで、トマトジュースから水を蒸発させることにより濃縮される。濃縮物のブリックス値を、蒸発する水の量で制御する。しかし、先行技術のトマト濃縮物の調製方法によれば、トマト濃縮物の粘度は、ブリックス値で示される可溶性固体濃縮物の関数である。従って、この濃縮物のブリックスの制御は、粘度にも影響を与えるであろう。Tanglertpaibul 及び Raoは、粘度は、トマト濃縮物に濃縮された血清(serum)又はパルプを添加することによって、トマト濃縮物中のパルプ及び血清含有量を変化させることによって制御され得ることを教示する。しかし、パルプ及び血清源を必要とするので、その両方は、容易に入手出来ない他のトマト生成物の高価な成分であり、かつそれらの方法は、経済的に健全でないので、工業規模での実施に実用的ではない。さらに、工業規模におけるトマト濃縮物への血清又はパルプの混合は、濃縮物の粘度のために、技術的困難性を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、トマト濃縮物の調製における工業規模の方法に対する長期的な要望があり、上記濃縮物の粘度が、制御され得る。
従って、本発明の目的は、トマト濃縮物を得るための方法を提供することであり、この方法の間、トマト濃縮物の粘度は、制御され得る。
本発明の別の目的は、用途の広いトマト成分であるトマトパルプを得る方法を提供することであり、上記トマトパルプは、改良された特性を有する。本発明の更なる目的は、トマト濃縮物及びトマトジュースの粘度の制御方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、粘度に作用せずにより多くのトマト風味を有する30°ブリックスのトマト濃縮物の調製方法を提供することである。
先行技術の方法の欠点を克服することが、本発明のさらなる目的である。
本発明の他の目的は、以下の記載が進むに従って明らかとなるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(本発明の概要)
本発明は、トマトジュースから得られるトマトパルプ及びトマト濃縮物を得るための工業的方法を提供し、上記方法は、以下の工程、
a)トマトジュースを二つの部分に分ける工程、
b)全トマトジュースの20%まで含む第一部をパルプと血清に分ける工程、及び
c)工程b)から得られた血清を前記ジュースの第二部に添加し、さらに濃縮してトマト濃縮物を得る工程、
を含む。
本発明はさらに、トマト濃縮物又はトマトジュースの粘度及びリコピン含有量の制御方法であって、トマトジュースからパルプ部分を除去することを特徴とする方法を提供する。トマト濃縮物が、この方法によって得られ、ジュースから分離されるパルプの一部は、トマトジュースをトマト濃縮物に濃縮する前に分離される。
さらに、1.5mm以下の粒径のトマトパルプ(パルプ組成物とも呼ばれる)が提供され、これは種子又は皮を含まず、上記パルプが得られるトマトのリコピン濃度より5〜15倍のリコピン濃度を有し、乾燥時において、上記パルプは、より高い水分吸収能力比を有する。乾燥パルプ:水の比は、1:13より大きく、1:25まで届き得る。
本発明の更なる特徴に従うと、高濃度のリコピン及び非常に弱いトマト味を有する本発明の組成物は、着色剤、特に食品及び食用製品の着色剤として使用され得る。
本発明の更なる特徴は、トマトオレオレジン及びリコピンを得るための出発材料としてパルプ組成物の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】トマト濃縮物及びトマトパルプを得るための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(本発明の好ましい態様の詳細な説明)
以下の記載は、本発明の説明的な態様である。以下の記載は、制限的なものとして解釈されないが、当業者であれば、多くの明らかな改良を本発明に実行し得ることが理解されるだろう。
明細書全体を通して、特に異なる記載がない限り、成分の比率は、質量に基づき、単位は、メートル法である。「トマトパルプ」の用語は、水不溶性トマト固体(トマト質量の約1%)を含むトマトの一部を意味し、上記パルプは、約92-75%血清を含む。血清は、トマトの水溶性成分のほとんどを含むトマトの液体部分である。
連続的方法として記載される本発明の方法は、バッチ方法として処理されてもよい。
トマト濃縮物の既知の調製方法は、トマトジュースからの水の蒸発による。トマトジュースは、約75%〜95%の血清を含む約10%のパルプを含む。トマトジュースの濃縮前にトマトジュースから全パルプの約20%まで除去することは、それによって得られるトマト濃縮物の特性又は変性トマトジュースの特性に悪影響を及ぼさず、除去されたパルプの比率は、この方法で使用される原料トマトの性質及び組成によって決まることが今や驚くことに分かる。さらに、トマトジュースから得たパルプが、改良された特性を有し、その特性が、乾燥パルプの水吸収能力に関することが、発見された。
図1に関連して記載される本発明の特別な態様によれば、公知技術に既知の方法によって得られるトマトジュースが、二つの部分に分離される[図1(I)]。全トマトジュースの20%以下、好ましくは15%以下である一部分は、パルプ[図1(III)]及び血清[図1(IV)]に分離される[図1(II)]。上記分離は、好ましくはここで参考として組み込まれる米国特許第5,837,311号明細書に記載される方法に従って実施される。米国特許第5,837,311号明細書は、血清とパルプに分離されるべきトマトからトマトオレオレジンを得る方法を記載する。当業者に理解されるように分離の他の標準的な方法は、本発明の目的、例えばデカンテーションに好適であり得る。次いで、血清は、トマトジュースの第二部に添加されて[図1(V)]、変性トマトジュースを得、これは、水を蒸発させることによって濃縮され[図1(VI)]、トマト濃縮物が提供される[図1(VII)]。予想外にも、変性ジュースを濃縮する前にジュースに血清を添加すると、濃縮段階が促進されることが分かった。さらにこれによって、先行技術で実施されるようにトマト濃縮物に血清又はパルプとを混合することに関連する技術的困難性が克服でき、エネルギー効率の点で有利である。
【0007】
本方法の特別な態様に従って、変性トマトジュースは、トマトジュースの基準に合う最終生成物である。本方法に従って得られる変性トマトジュース及びトマト濃縮物の両方は、先行技術の方法により得られるトマトジュース又は濃縮物より強いトマト風味を得るだろう。
トマトジュースから分離されるパルプの量は、所望の粘度及びリコピン濃度に関して決定され、リコピン濃度は、ハンター(Hunter)三刺激比色計により試験されるようにa/b比に影響を与え得、最終生成物、すなわちトマト濃縮物又は変性トマトジュースの色値を示す。ジュースから除去されたパルプの量は、この方法に使用されるトマトの性質及び組成における差によって変化する。これは、この方法に使用される生トマトの特性(組成)に従って、経験的に決定されなくてはならない。従って、最終生成物のサンプルの粘度が、試験される。粘度が、所望の値より高い場合、除去されるパルプの比率は、増加されるだろう。万一、粘度が所望の値より低いという場合には、除去されたパルプの比率は、減少されるべきである。除去されるパルプの量は、トマトジュース又はトマト濃縮物の基準が保持されるように常に持続される。
リコピンがトマトのパルプ部分に優勢に存在するので、最終トマト生成物、すなわちトマト濃縮物又はトマトジュースのリコピン濃度は、トマトジュースから除去されたパルプの量に直接比例する。従って、トマト生成物の粘度及びリコピン濃度は、トマトジュースから分離されるパルプの量によって決まる。
本発明の好ましい態様に従えば、この方法に使用されるトマトジュースは、熱ブレイク段階で使用される方法から調製されるトマトジュースである。ここで意味される熱ブレイク段階は、トマト内のペクチンの分解の原因となるトマト内のペクチン分解酵素を不活性化するため、トマトジュースが、原料トマトの洗浄、選別、及び圧潰の後、約95℃にまで加熱される段階である。ペクチンの機能停止は、トマトジュースの粘度を減少させる。
トマト生成物、すなわちトマトジュース及びトマト濃縮物の粘度及びリコピン濃度を制御する本発明に従えば、トマトジュースからのパルプが除去される。トマトジュースから分離されるパルプの量の制御によって、得られるトマト生成物の粘度及びリコピン含有量の制御を可能にし、これは、ハンター三刺激比色計により試験されるようにa/b比に効果をもたらし得、トマト濃縮物の色値を示す。従って、トマト生成物の粘度及びリコピン含有量は、除去されたパルプの量として減少する。
【0008】
特定のブリックス、色及び粘度を要求するトマト濃縮物及びトマトジュースに対する基準から逸脱しないように、全パルプの15%以下が、ジュースから除去されることが好ましい。
本発明の更なる特徴に従えば、本方法によって得られるパルプ(以下パルプ組成物という)、粒径が1.5mmより大きくなく、好ましくは0.8mmであり及びハンター三刺激比色計によって試験されるようにa/b比に影響を与え、トマト濃縮物色値を示すパルプ(前記パルプは75%-92%の水分を含む。)中のリコピン濃度は、得られる上記組成物からのトマト中の5〜15倍の値である。この組成物は、さらにいかなる種子又は皮も含まない。これは、本発明の方法に対する出発物質であるトマトジュースの調製方法における仕上げ段階の結果である。仕上げ段階は、仕上げスクリーンの穴より大きい種子、皮及び他の粒子を有効に除去する。皮又は種子のいくつかの断片は、スクリーンを通過し得るが、この量は、非常に少ないので、全ての実際的な目的において、量は、無視できる。本発明のパルプの相対的に小さい粒径は、例えばEP0608027に従って得られるパルプに比較して、本発明のパルプのより迅速な乾燥、例えばスプレー乾燥を可能にする。他のタイプのパルプ、例えば上記EPに従って得られるパルプにおいては不可能である。このパルプの乾燥は、パルプ中に含まれる血清の一部である水の90%以上を除去する。本発明のこのパルプ組成物は、乾燥後、他の方法によって得られるパルプより大きい水吸収能力(water absorbency capacity)を有する。
【0009】
本発明の更なる特徴において、ここで記載される組成物は、その強い赤色着色剤特性のため、着色剤として使用され得る。この組成物は、たとえあったとしても、ほんの少量のトマト風味しか有さない。従って、食品の着色剤としての用途に特に好適である。
それは、安全な天然着色料である。この乾燥されたパルプ組成物は、着色剤としても使用され得る。
さらに本発明の態様に従えば、トマトオレオレジン及びリコピンが、例えば、米国特許第5,837,311号明細書に記載される方法に従い、本発明のパルプ組成物から得られ得る。従って、本発明は、トマトオレオレジン及びリコピンを得るための出発物質として、パルプ組成物の使用をさらに提供する。
本発明は、以下の有利点を示す。
1.トマト濃縮物又はトマトジュース、及びトマトパルプは、同一のトマトジュース源から単一の方法により得られ得る。
2.トマト濃縮物の粘度及びリコピン濃度は、パルプ又は血清の外部資源への必要性なしに、この方法において制御され得る。従って、トマト濃縮物特性のより良好な制御を可能にする。
3.工業的トマトの特性は、自然に変動する。このトマトペーストは、規定された可溶性固体含有量における粘度及び色の一定値を有することが要求される工業的生成物である。本方法は、トマト処理に工業的方法を与え、この方法を制御し、種々の原材料から所望の特性を伴う濃縮物又はジュースを提供する。
4.本発明は、安価なパルプ源を提供する。
5.本発明は、より強いトマト風味を有するトマト生成物を提供する。
6.改良された水吸収能力、弱いトマト風味及び強い着色剤特性を有する乾燥パルプ。
7.健康上の利益も有する天然源から得られる安全な着色剤。
【実施例1】
【0010】
トマト濃縮物を得るための方法-コントロール
本実施例は、既知の工業的方法に従う方法を記載する。
30トン/時でトマトを供給する(BetHashita 農場から得たブリゲイド(Brigade)種、5°ブリックス 及び 約10 ppmリコピン)。洗浄、選別、圧潰、95℃までの熱ブレイク加熱及びRossi & Catelli 0.8 mm スクリーンを通る仕上げの後、エバポレーターに供給した。蒸発の後得られた生成物は、30°ブリックス及びボストウィック(Bostwick)値5.0を有する。ボストウィックは、ボストウィック法に従う粘度の基準である。この生成物は、8°ブリックスに希釈され、風味は参考として試験される。最終生成物のリコピン含有量は、410ppmであり、a/b値は、ハンター三刺激比色計によって試験されるように2.0であった。
【実施例2】
【0011】
トマトジュースからトマトパルプ及びトマト濃縮物を得る方法
30トン/時でトマトを供給する(BetHashita 農場から得たブリゲイド種、5°ブリックス 及び 120 ppmリコピン)。洗浄、選別、圧潰、95℃までの熱ブレイク加熱及びRossi & Catelli 0.8 mm スクリーンを通る仕上げの後、二つの流れに分けた。流れ1、7トン/時が、デカンターに供給され(遠心分離セパレーター)、トマトジュースを91%の水分含量を有する0.8トンのトマトパルプに分離する。前記パルプの除去は、リコピン含有量と相関するa/b色比及び最終トマト濃縮物の色に影響を与え得る。その後6.2トン/時で血清を、流れ2に添加する。
流れ2:流れ1から23トン/時で得られるトマトジュース及び6.2トン/時で得られる血清をエバポレーターに供給する。30°ブリックスの生成物は、実施例1で記載のトマト濃縮物及びボストウィックの5.5(12°ブリックスで測定される)及びa/b値=1.98と同一の構成を有する。
このトマト濃縮物は、8°ブリックス、7°ブリックス、6°ブリックスに希釈され、実施例1から参考として比較されるトマト風味に対して試験される。実施例2から得られる7°ブリックスは、実施例1から得る8°ブリックス濃縮物に等しい風味を有することが分かる。
このパルプは、(-18)℃で貯蔵され、その後噴霧乾燥した。35トンのパルプ供給は、4%水分(96%乾燥回収)を伴って3.3トンの乾燥パルプを提供する。トマト繊維としても意味する、乾燥されたパルプは、1:25と見られる水吸収能力に対して試験される。
【実施例3】
【0012】
トマト濃縮物の調製-比較例
流れ1-7トン/時でトマトを供給する(BetHashita 農場から得たブリゲイド種、5°ブリックス)-洗浄、選別、圧潰、外気温度でRossi & Catelli 0.8 mm スクリーンを通る仕上げ及び90℃までの加熱の後、デカンターに供給し、トマトジュースを81%水分含有する0.4トンのトマトパルプと6.6トン/時で血清に分けた。
流れ2-25トン/時でトマトを供給する(BetHashita 農場から得たブリゲイド種、5°ブリックス及び 約120 ppmリコピン)-洗浄、選別、圧潰、95℃までの熱ブレイク加熱及びRossi & Catelli 0.8 mm スクリーンを通る仕上げの後、6.6トン/時で流れ1からの血清と混合し、トマトをエバポレーターに供給した。得られたトマト濃縮物は、9.5ボストウィックの低粘度を有する30°ブリックスである。このトマト濃縮物は、通常のトマト濃縮物の適用には好適でない。
【実施例4】
【0013】
着色剤としての乾燥したパルプ組成物
0.12%のリコピンを含有する従来のトマト粉末2.5グラムを100グラムのヨーグルトに添加した。1%リコピンを含有する本発明(リコマト(Lycomato)繊維)の乾燥パルプ組成物の300mgは、同一の色値に達した。トマト粉末を添加したヨーグルトは、明白なトマト風味を有し、一方リコマト繊維が添加されたサンプルは、トマト風味が無かった。
本発明の態様が、例図によって説明される一方、本発明の意図から離れず、本特許請求の範囲を超えずに、本発明が多くの改良、変化及び適応を伴って実施されることが明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トマトジュースからトマトパルプ及びトマト濃縮物を得る工業的な方法であって、以下の工程、
a)トマトジュースを第一の部分及び第二の部分に分け、前記第一の部分が全トマトジュースの20%まで含む工程、
b)工程a)で得られた第一の部分をパルプと血清に分け、これにより血清とパルプ組成物を得る工程、
c)工程b)から得られた血清を工程a)で得られた第二の部分に添加して、それにより変性されたトマトジュースを得る工程、及び
d)変性されたトマトジュースを濃縮して、トマト濃縮物を得る工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
工程b)から得られるパルプを乾燥させる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
トマトジュース中のトマトパルプの15%までが分離される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
トマトジュースからのパルプの分離が、遠心分離法によって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トマトジュースの第二の部分中に存在するパルプの量を増加させ又は削減し、工程c)で得られる変性されたトマトジュース及び/又は工程d)で得られるトマト濃縮物の粘度及びリコピン濃度を低下させ又は上昇させることにより、前記方法で得られたトマト濃縮物及び/又は変性されたトマトジュースの粘度及びリコピン濃度を制御する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
トマトパルプを含むパルプ組成物であって、粒径が、2.5mm以下であり、トマトからの種子又は皮を含まず、前記パルプが得られるトマト中のリコピン濃度より5〜15倍高いリコピン濃度を有することを特徴とする組成物。
【請求項7】
前記パルプが、乾燥された請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、乾燥したパルプ:水の1:13〜1:25の比率により定義される水吸収能力を有する請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の組成物の着色剤としての使用。
【請求項10】
トマトオレオレジン及びリコピンを得るための出発材料としての請求項6又は7の組成物の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2010−246554(P2010−246554A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131208(P2010−131208)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【分割の表示】特願2004−528795(P2004−528795)の分割
【原出願日】平成15年8月17日(2003.8.17)
【出願人】(505061931)ライコレッド ナチュラル プロダクツ インダストリーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】