説明

差圧力測定のためのセンサシステム

【課題】製造容易で耐環境性を有する燃焼機関排気管の圧力センサシステムを提供する。
【解決手段】当該センサシステムは、電子部品モジュールアッセンブリ5と、電子部品モジュールアッセンブリ5を収容するハウジングアッセンブリとを含む。電子部品モジュールアッセンブリ5は、感知素子10を有する感知素子キャリア要素8と、電子部品を搭載する電子部品モジュールキャリア要素7であって、電気的接続7aが電子部品モジュールキャリア要素7と感知素子キャリア要素8との間に設けられる、電子部品モジュールキャリア要素7と、感知素子キャリア要素8および電子部品モジュールキャリア要素7を支持する主キャリア要素6とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃エンジンの排気管の圧力を測定するセンサシステムに関し、当該センサシステムは、電子モジュールアッセンブリと当該電子モジュールアッセンブリを収容するハウジングアッセンブリを含む。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、圧力測定装置を開示する。この装置には、2つのハウジング部が設けられ、その1つは、カバー部材として利用することが可能である。(圧力)感知素子が位置決めされ、かつ電子部品もまた位置決めされる単一のキャリアが設けられる。ハウジングは、内部に、3つのハウジング空間を含み、それらは、シールを用いて互いに分離される。第1および第3のハウジング空間は、感知素子の正面および背面にそれぞれ連通する。第2のハウジング空間は、単一のキャリアから、ハウジングに一体化されたコネクタの接点部品までのボンディングワイヤを収容する。
【0003】
特許文献2は、媒体の圧力を測定する圧力センサを開示し、圧力センサは、センサハウジングと、感知素子およびさらなる電子部品が位置決めされる支持部材を含む。感知素子の正面(前方)および背面(後方)は、保護部材のようなゲルを用いて、環境(すなわち、媒体)から保護される。保護部材は、支持部材に取付けられたバリアを用いて、感知素子を取り囲むエリア内にのみ設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願EP−A1 521 952
【特許文献2】欧州特許出願EP−A2 184 594
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、改善されたセンサシステムを提供するものであり、特に、排ガス測定のような自動車のアプリケーションに適したセンサシステムを提供する。
【0006】
本発明によれば、上記に規定された前提によるセンサシステムが設けられ、電子部品モジュールアッセンブリは、感知素子を有する感知素子キャリア(搭載)要素と、電子部品を搭載する電子部品モジュールキャリア(搭載)要素であって、電気的接続が電子部品モジュールキャリア要素と感知素子キャリア要素との間に設けられる、電子部品モジュールキャリア要素と、感知素子キャリア要素および電子部品モジュールキャリア要素を支持する主キャリア(搭載)要素とを含む。これらの3つの要素を使用することにより、非常に効率的な生産および組立が成し遂げられ、堅牢で信頼性のあるセンサシステムを生じさせ、特に、感知素子が差圧力センサであるとき、センサシステムは、感知素子の正面側と裏面側の双方に効率的かつ信頼性のあるアクセスを可能にする。
【0007】
さらなる実施例では、感知素子キャリア要素は、セラミック基板を含み、かつ/または、電子部品モジュールキャリア要素はプリント回路板である。さらに、感知素子キャリア要素および電子部品モジュールキャリア要素は、ワイヤボンディングを用いて接続され得る。これは、もっとも効果的な関連する技術を用いて、別々の部品としてこれらの要素の効果的な生産を可能にする。
【0008】
ある実施例では、主キャリア要素は、感知素子キャリア要素および電子部品モジュールキャリア要素を支持しかつ相互に位置決めする。また、主キャリア要素は、電子部品モジュールアッセンブリをハウジングアッセンブリ内に位置決めするように構成され得る。
【0009】
ある実施例では、センサシステムはさらに、感知素子キャリア要素に取付けられ、かつ感知素子の表面側を取り囲む正面側バリアを含み、感知素子キャリア要素は、導電トラックを含み、正面側バリアによって規定された空間内の導電トラックは金から構成される。これは、できるだけ小さな面積に対しコストの高い材料の使用の制限を可能にする。さらに、正面側バリアは、動作中に、感知素子を例えば排気ガスからシールドする、ジェルのような保護部材を収容するために使用することができる。さらに、主キャリア要素は、感知素子を被覆する保護部材のため裏面側バリアとして配置される。
【0010】
さらなる実施例のグループでは、ハウジングアッセンブリは、高い圧力接続と低い圧力接続をハウジングアッセンブリの底面側に含み、電子部品モジュールアッセンブリは、正面側バリアの接着性の結合材を介して高い圧力接続に接続され、かつ主キャリア要素の接着性の結合材を介して低い圧力接続に接続される。接着性の結合材は、シールとして機能することができ、接着性の結合材は、感知素子キャリア要素に取付けらかつ感知素子の表面側を取り囲む正面側バリア上と、主キャリア要素上に設けられる。
【0011】
高い圧力接続から感知素子の正面側までの高い圧力チャンネル、および低い圧力接続から感知素子の裏面側までの低い圧力チャンネルには、内部の丸められた端部(エッジ)を設けらことができ、例えば湿気の形成により目詰まり等のリスクなしに感知素子への制限のないアクセスを保証する。この効果をさらに増強するため、高い圧力接続から感知素子の正面側までの高い圧力チャンネル、および低い圧力接続から感知素子の裏面側までの低い圧力チャンネルが設けられ、これらチャンネルは、ハウジングアッセンブリの底面側に向かう傾斜を有する傾斜する壁を含む。さらなる実施例では、センサシステム内で形成する湿気がセンサシステムから排出されることを可能にするため、感知素子は、ハウジングアッセンブリの表面部分に位置決めされ、高い圧力接続および低い圧力チャンネル接続から離間される。また、主キャリア要素には、同様の効果のため傾斜する壁を設けることができる。
【0012】
さらなる実施例では、電子部品モジュールアッセンブリはさらに、感知素子キャリア要素に取付けられ、かつ感知素子の正面側を取り囲む正面側バリアを含み、正面側バリアには、封止するリムと排水エッジが正面側バリアの底部分に設けられる。再び、このことは、自動車のアプリケーションにおいて遭遇するような過酷な環境に耐えるように感知素子の適切な保護を可能にする。
【0013】
ハウジングアッセンブリは、ハウジングアッセンブリ本体、第1のカバー、および第2のカバーを含み、第1および第2のカバーは、ハウジングアッセンブリ本体の第1おおび第2の側をそれぞれ閉じる。これは、例えば周知でありかつコスト効果的な射出成型技術を用いてハウジングアッセンブリ本体の生産を可能にし、また、他の要素を付加しかつ第1および第2のカバーを用いてハウジングアッセンブリ本体を閉じることによって、センサシステムの簡易な組立を可能にする。第1のカバーには、組立てられたときに低い圧力チャンネルの一部を形成する傾斜する壁を設けらことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、いくつかの実施例を用い、添付図面を参照して、下記により詳細に説明される。
【図1】図1は、本発明の実施例によるセンサシステムの部品の分解された斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例に係るセンサシステムに使用されるような電子部品モジュールアッセンブリの上方からの斜視図である。
【図3】図3は、図2の電子部品モジュールアッセンブリの裏面からの斜視図である。
【図4】図4は、図2、図3の電子部品モジュールアッセンブリに使用される感知素子キャリア要素の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施例によるセンサシステムの断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例によるセンサシステムの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
差圧力センサのような圧力センサは、自動車のアプリケーションのような広いレンジのアプリケーションにおいて広く使用されている。本発明の実施例は、そのようなセンサシステムに関し、燃焼機関の排気管の圧力を測定するのに有効に使用され得る。
【0016】
本発明の実施例によるセンサシステムの部品の分解された斜視図である図1に示されるように、センサシステム1は、電子部品モジュールアッセンブリ(EMA)5と、電子部品モジュールアッセンブリを収容するハウジングアッセンブリ2−4とを含む。ハウジングアッセンブリは、ハウジングアッセンブリ本体2と、ハウジングアッセンブリ本体2の第1の側を覆う第1のカバー3と、ハウジングアッセンブリ本体2の第2の側を覆う第2のカバー4とを含む。センサアッセンブリにはさらに、高い圧力接続19と、低い圧力接続20とが設けられる。センサアッセンブリ1の種々の部品は、第1のカバー3とハウジングアッセンブリ本体2間のシール21、ハウジングアッセンブリ本体2と電子部品モジュールアッセンブリ5間のシール22、電子部品モジュールアッセンブリ5と第2のカバー4間のシール23のような、シールで互いに取付けられる。第2のカバー4はさらに、外側のシール24を用いてハウジングアッセンブリ本体2に取付けられる。
【0017】
第1および第2のカバー3、4によって閉じられる2つの対向する開口面を有するハウジングアッセンブリ本体2の使用は、効果的に内部の特徴を用いてハウジングアッセンブリ本体の製造を可能にする。
【0018】
図2および図3は、本発明による実施例のセンサシステムで使用されるような、電子部品モジュールアッセンブリ5の上方および下方からの斜視図である。電子部品モジュールアッセンブリ5は、例えばMEMS圧力トランスデューサのような感知素子10を有する感知素子キャリア要素8(例えば、セラミック板)を含む。さらに、電子部品を搭載する電子部品モジュールキャリア要素7が設けられる。電気的接続7aは、電子部品モジュールキャリア要素7と感知素子キャリア要素8の間に設けられる。主キャリア要素6は、感知素子キャリア要素8および電子部品モジュールキャリア要素7を支持するために設けられる。さらなる実施例では、感知素子キャリア要素8は、セラミック基板を含み、かつ/または電子部品モジュールキャリア要素7はプリント回路板である。主キャリア要素6、電子部品モジュールキャリア要素7および感知素子キャリア要素8の組合せは、一緒にEMA5を形成し、この組合せはまた、単体のユニットとしてEMAを取り扱うことを可能にし、例えば、生産中にEMA5のレベルでキャリブレーションを可能にする。
【0019】
従来の圧力センサ(特許文献2を参照)の実際の感知素子を保持する単一片の支持要素を、組合せの幾つかの要素により置換することは、よりコスト効果的なセンサを得ようとする場合に、直感で分かるものではない。しかしながら、環境に合うようにEMA5の構成部品の材料の選択を最適化することによって、本発明の設計に露出された構成部品は、従来の圧力センサと比べて大きなコスト上の利益を成し遂げる。例えば、感知素子キャリア要素8は、感知システム1の圧力チャンバーに必要とされるエリアにのみ延在するようにできるだけ小さく形成されることができ、感知素子の寸法が小さければ小さいほど、製造コストはより低くなる。
【0020】
感知素子キャリア要素8には、開口14が設けられ、差圧力感知素子10の使用を可能にする。感知素子10は、開口14の正面に位置決めされ、他方、十分な封止を設けることで、感知素子10の正面から裏面へのリークが生じないことを保証する。主キャリア要素6との組合せにおいて、感知素子キャリア要素8の開口14は、一体化された裏面のジェルダムをもつことを可能にし、感知素子10の裏面に加えられるジェルのより大きな体積を可能にする(排気ガスに対する保護のため)。
【0021】
さらなる実施例において、感知素子キャリア要素8には、当該感知素子キャリア要素8に取付けられた正面側バリア9が設けられ、感知素子10の表側を取り囲む。これは、感知素子10の頂部にジェルまたは他の保護部材を提供することを可能にし、感知素子を環境(例えば、ディーゼル排気ガス)から保護する。さらに、主キャリア要素6は、感知素子10を他方の側で覆う保護部材のための裏面側バリアとして配置される。
【0022】
図4の斜視図に示されるように、感知素子キャリア要素8は、導電トラック17、18を有する。正面側バリア9によって規定される空間の内側である導電トラック17は、金から構成され、これは、その空間で起こり得る活動的な環境に耐えることができる。さらなるトラック18は、正面側バリア9の外側を走り、例えばAgPdのような、より耐久性の少ない材料から構成することができる。トラック17のための高価なAuの材料をできるだけ少なく使用することにより(少なくとも、正面側バリア9の内側の部分のみ)、コストはさらに低減され得る。
【0023】
図2、図3に示される実施例では、センサシステム1に必要とされる、調整する電子部品は、標準の製造技術を用いて、電子部品モジュールキャリア要素(例えば、PCB)7上に簡単に一体化することができる。ある実施例では、感知素子キャリア要素8と電子部品モジュールキャリア要素7は、ワイヤボンディングを用いて接続され、すなわち、電気的な接続7aは、感知素子キャリア要素8と電子部品モジュールキャリア要素7の各々に設けられたボンディングパッド間のワイヤボンドによって提供される。この技術は、広く利用されており、非常に効率的に適用することができる。
【0024】
さらなる実施例では、主キャリア要素6とハウジングアッセンブリ5は、自動車のアプリケーションに適したプラスチック材料から構成される。主キャリア要素6は、例えば、ガイドするリムまたは他の延長を用いて、感知素子キャリア要素8と電子部品モジュールキャリア要素7を支持しかつ相互に位置決めする。さらに、主キャリア要素6は、電子部品モジュールアッセンブリ5をハウジングアッセンブリ2内に位置決めする。
【0025】
図5は、本発明の実施例によるセンサシステム1の断面図である。センサハウジングが3つの部材、すなわち、センサハウジング本体2、第1のカバー3および第2のカバー4を有することが明瞭に示されている。第1および第2のカバー3、4は、ハウジングアッセンブリ本体2の対向する開口空間を閉じる。図5に示されるように、種々の部品には、舌と溝の特徴が設けられ、種々の部品の非常に良好な封止を可能にしている(シール21−23を使用、上記した図1を参照、および主キャリア要素6とセンサハウジング本体2間のシール31)。このような舌と溝の封止の使用で、封止剤の位置決めおよび量は、非常に良好に制御することができる。こうした舌と溝の封止のようなスタンドオフ(支持棒)や突起部は、ワイヤボンド相互接続7aを有する電子部品モジュールアッセンブリ5の堅牢性のための接着剤の厚さの変動を最小化しかつ制御するうえも有利である。第2のカバー4をハウジングアッセンブリ本体2に取付けるための環境シール24もまた明瞭に示されている。図5では、第1のカバー3が所定の位置で示され、すなわち、ハウジングアッセンブリ本体2と接触するがシール21が存在しない(図1)。
【0026】
こうして、具体的な実施例では、電子部品モジュールアッセンブリ5は、正面側バリア9(シール32およびリム9)と主キャリア要素6(シール23、31および関連する主キャリア要素6の突起部)上の接着性のある結合(または封止剤)を介して、高い圧力の接続19および低い圧力の接続20に接続される。
【0027】
EMA5は、感知素子キャリア要素8が主キャリア要素6に取付けられたところ、すなわち、感知素子10が開口14の正面に位置決めされたところの図5の断面図に示され、こうして、EMA5は、高い圧力チャンバー25(チャンネル25)および低い圧力チャンバー(チャンネル)26に連通される。図6は、本発明の実施例によるセンサシステム1の一部の側面図であり、高い圧力チャンバー25が高い圧力接続19に連通され、低い圧力チャンバー26が低い圧力接続20に連通されることが示される(図1もまた参照)。
【0028】
従来の圧力センサ、特に排気ガスを含む自動車のアプリケーションの圧力センサは、圧力センサの内側の凝縮する流体の起こり得る増加に対して敏感になる傾向がある。これは、例えば、短絡、腐食、目詰まり(例えば、ある状態で氷の増加)の結果により、センサアッセンブリ1の異常の原因となり得る。本発明の実施例によれば、このような問題を高度に取り除くいくつかの技術的な特徴が提供される。排液処理の改善を解決するべくここに記載された特徴は、重力に関連する特徴に関するものであることに留意すべきであり、すなわち、センサシステム1の内部に形成された凝縮液は、重力だけの作用でパワーダウンの後にセンサシステム1から流れ出すことができる。この特徴は、単独でも適用することができ、すなわち、センサシステム1には、請求項8−15に記載された特徴が設けられることができる。
【0029】
パワーダウン後に、流体がセンサシステムから迅速に流れ出すことができるようなセンサシステムの能力は、寒冷の状態で、例えば、圧力チューブおよびチャンバー25、26をブロックする氷により、センサ(圧力)信号の損失を避けるうえで重要である。さらに、酸性の排気ガスの環境に対するセンサシステム1の堅牢性が改善される。エンジンのパワーダウン後に排気ガスの凝縮液に含まれる水が蒸発するとき、pH値は、急速に極度の低い値に下がる。センサシステム1の自己排液は、凝縮液が起こり得る前でも、凝縮液の除去を管理する。
【0030】
ある実施例では、ハウジングアッセンブリは、高い圧力接続19と低い圧力接続20をハウジングアッセンブリ本体2の裏面側に含み、高い圧力接続19と低い圧力接続20は、例えば、少なくとも5mmの十分に大きな内径を有する。また、ハウジングアッセンブリ(ハウジングアッセンブリ本体2、第1のカバー3および第2のカバー4)の内部で、高圧および低圧のチャンネル(高圧および低圧チャンバー25、26のそれぞれの一部または端部)はまた、できるだけ広く、例えば、最小の断面部の寸法として例えば例えば5mmを有する。具体的な例では、ハウジングアッセンブリ2−4は、組立てられたとき、感知素子10の正面および裏面側で少なくとも5mmの空間を提供する。
【0031】
さらなる実施例では、高い圧力接続19から感知素子10の正面側までの高い圧力チャンバー25、および低い圧力接続20から感知素子10の裏面側までの低い圧力チャンバー26には、内部の丸められたエッジが提供され、例えば、少なくとも1mmの半径の曲率を有する。また、ハウジングアッセンブリ本体2の内側の高圧および低圧のチャンバー25、26には、傾斜する壁27−29を設けることができ、ハウジングアッセンブリ本体2の底面側に向かう傾斜を有する。傾斜する壁27、28は、高い圧力のチャンバー25内にあり、傾斜する壁29と、丸められた傾斜する壁30(これは、第2のカバー4の一部)は、低い圧力チャンバー26の一部である。さらなる実施例では、主キャリア要素6にもまた、低い圧力チャンバー26の一部として傾斜する壁12(図3を参照)を設けることができ、凝縮液を低い圧力接続20へ向けて効率よく導く。切り離されたまたは組み合わされたこうした特徴は、接続19、20を介してセンサシステム1から離れるように凝縮液のための効果的な通路を提供し、センサシステム1内部の凝縮液の形成または蓄積を効果的に抑制する。また、凝縮液が、長くされた期間、蓄積したり滞在する、鋭利な端部の空間または小さな通路が存在しない。
【0032】
図1−6に示される実施例では、感知素子10はさらにハウジングアッセンブリ本体2の表側の部分に位置決めされ、高い圧力接続19および低い圧力接続20から離れている。これは、感知素子10の感度が良い表面から湿気や凝縮液を近づけないようにするのと効果的に助ける。
【0033】
図5の断面図に示されるように、EMA5はさらに、感知素子キャリア要素8に取付けられかつ感知素子10の表側を取り囲む正面側バリア9を含む。正面側バリア9には、封止するリム11(図2もまた参照)とその底部に排水するエッジ11aとが設けられ、すなわち、正面側バリア9は非対称である。これは、ハウジングアッセンブリ本体2から感知素子キャリア要素8に向かう高い圧力チャンバー25内の幅d1を有する上向きのエッジとなり、感知素子10の感度の良い表面付近で増加する湿気/凝縮液に対する抵抗を再度増加し、高い圧力接続19に向かう凝縮液のための簡易な通路となる。
【0034】
本発明の実施例は、図に示される幾つかの例示を参照して記載された。幾つかの部品や要素の修正または変更の実施は可能であり、かつそれらは、請求項に規定された保護範囲に含まれる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼機関の排気管の圧力を測定するセンサシステムであって、
当該センサシステムは、電子部品モジュールアッセンブリ(5)と、電子部品モジュールアッセンブリ(5)を収容するハウジングアッセンブリ(2−4)とを含み、
電子部品モジュールアッセンブリ(5)は、
感知素子(10)を有する感知素子キャリア要素(8)と、
電子部品を搭載する電子部品モジュールキャリア要素(7)であって、電気的接続が電子部品モジュールキャリア要素(7)と感知素子キャリア要素(8)との間に設けられる、電子部品モジュールキャリア要素(7)と、
感知素子キャリア要素(8)および電子部品モジュールキャリア要素(7)を支持する主キャリア要素(6)とを含む、センサシステム。
【請求項2】
感知素子キャリア要素(8)は、セラミック基板を含む、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
電子部品モジュールキャリア要素(7)は、プリント回路板である、請求項1または2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
感知素子キャリア要素(8)および電子部品モジュールキャリア要素(7)は、ワイヤボンディング(7a)を用いて接続される、請求項1ないし3いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項5】
主キャリア要素(6)は、感知素子キャリア要素(8)および電子部品モジュールキャリア要素(7)を支持しかつ相互に位置決めする、請求項1ないし4いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項6】
センサシステムはさらに、感知素子キャリア要素(8)に取付けられ、かつ感知素子(10)の表面側を取り囲む正面側バリア(9)を含み、
感知素子キャリア要素(8)は、導電トラック(17、18)を含み、正面側バリア(9)によって規定された空間内の導電トラック(17)は金から構成される、請求項1ないし5いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項7】
主キャリア要素(6)は、感知素子(10)を被覆する保護部材のため、裏面側バリアとして配置される、請求項1ないし6いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項8】
ハウジングアッセンブリ(2−4)は、高い圧力接続(19)と低い圧力接続(20)をハウジングアッセンブリ(2−4)の底面側に含み、
電子部品モジュールアッセンブリ(5)は、感知素子キャリア要素(8)に取付けられた正面側バリア(9)の接着性の結合材を介して高い圧力接続(19)に接続され、かつ主キャリア要素(6)の接着性の結合材を介して低い圧力接続(20)に接続される、請求項1ないし7いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項9】
高い圧力接続(19)から感知素子(10)の正面側までの高い圧力チャンネル(25)、および低い圧力接続(20)から感知素子(10)の裏面側までの低い圧力チャンネル(26)には、内部の丸められた端部が設けられる、請求項8に記載のセンサシステム。
【請求項10】
高い圧力接続(19)から感知素子(10)の正面側までの高い圧力チャンネル(25)、および低い圧力接続(20)から感知素子(10)の裏面側までの低い圧力チャンネル(26)が設けられ、これらチャンネルは、ハウジングアッセンブリ(2−4)の底面側に向かう傾斜を有する傾斜する壁(27−29)を含む、請求項8または9に記載のセンサシステム。
【請求項11】
感知素子(10)は、ハウジングアッセンブリ(2−4)の表面部分に位置決めされ、高い圧力接続(19)および低い圧力接続(20)から離間される、請求項8、9または10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
主キャリア要素には、傾斜する壁が設けられる、請求項8ないし11いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項13】
電子部品モジュールアッセンブリ(5)はさらに、感知素子キャリア要素(8)に取付けられ、かつ感知素子(10)の正面側を取り囲む正面側バリア(9)を含み、正面側バリア(9)には、封止するリム(11)と排水エッジ(11a)が正面側バリア(9)の底部分に設けられる、請求項8ないし12いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項14】
ハウジングアッセンブリ(2−4)は、ハウジングアッセンブリ本体(2)、第1のカバー(3)、および第2のカバー(4)を含み、第1および第2のカバー(3、4)は、ハウジングアッセンブリ本体(2)の第1おおび第2の側をそれぞれ閉じる、請求項1ないし13いずれか1つに記載のセンサシステム。
【請求項15】
第1のカバー(3)には、組立てられたときに低い圧力チャンネル(26)の一部を形成する傾斜する壁(30)が設けられる、請求項14に記載のセンサシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−33038(P2013−33038A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163272(P2012−163272)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【出願人】(506154029)センサータ テクノロジーズ インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】