説明

巻き取り装置

【課題】 本発明は、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができる巻き取り装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 巻き取り駆動軸101に形成された貫通穴101dに巻き取り駆動軸101の直径よりも長い回転止めピン116をゆるみばめにて貫通させると共に、内径が回転止めピン116よりも大きい抜け止めリング118を巻き取り駆動軸101に環装する。トルクリミッタ112を巻き取り駆動軸101に環装し、トルクリミッタ112の内輪を、回転止め溝112aに巻き取り駆動軸101から突出している回転止めピン116を嵌装させながら、巻き取り駆動軸101と抜け止めリング118との間隙に挿入することで、軸受け106とトルクリミッタ112とによって挟持させて抜け止めリング118を貫通穴101dに対向する位置に位置決めさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状台紙を巻き取る巻き取り装置に関し、特に帯状台紙に仮着されているラベルを剥離して被着体に貼付するラベル貼付装置に用いられ、ラベルが剥離された帯状台紙を巻き取る巻き取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状台紙に仮着されているラベルを剥離して被着体に貼付するラベル貼付装置には、被着体に貼付するラベルを繰り出すために、帯状台紙に複数のラベルが間隔を置いて仮着されているラベル連続体を移送する移送手段と、巻き取りリールを備えた巻き取り装置とが設けられており、ラベルが剥離された帯状台紙は、移送手段によって巻き取り装置まで移送され、巻き取りリールに巻き取られるように構成されている。
【0003】
巻き取りリールに帯状台紙を巻き取るに際し、巻き取りリールに巻き取られた帯状台紙の巻き径の変化に伴い、移送手段による帯状台紙の移送速度と、巻き取り装置による帯状台紙の巻き取り速度とに速度差が生じるため、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構が必要となる。
【0004】
移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構としては、駆動源から巻き取りリールに回転駆動力を伝達する輪列の1つにトルクリミッタを介在させることで、巻き取りトルクを一定にさせ、帯状台紙を弛ませずに巻く機構が一般的であり(例えば、特許文献1参照)、トルクリミッタの回転軸への取り付けは、回転軸にピンなどを圧入し、圧入したピンを回転止めとして使用している。
【0005】
しかしながら、圧入したピンをトルクリミッタの回転止めとして使用しているため、トルクリミッタの寿命や不具合が生じた時には、圧入したピンを抜き取り、トルクリミッタ交換時に再度ピンを圧に有する必要があり、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを容易に交換することができないと共に、トルクリミッタの交換に特別な工具が必要となるという問題点があった。
【特許文献1】特開平5−96802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができる巻き取り装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、帯状台紙に複数のラベルが間隔を置いて仮着されているラベル連続体を移送し、前記ラベルを前記帯状台紙から剥離して被着体に貼付するラベル貼付装置に用いられ、回転駆動される巻き取り駆動軸を巻き取り方向に回転させることによって前記ラベルが剥離された前記帯状台紙を巻き取る巻き取り装置であって、前記巻き取り駆動軸は、トルクリミッタを介して回転駆動され、前記トルクリミッタは、前記巻き取り駆動軸に形成された貫通穴にゆるみばめにて貫通された回転止めピンによって回転止めされ、前記回転止めピンは、前記巻き取り駆動軸に環装された部品に挟持されて前記貫通穴に対向する位置に位置決めされた抜け止めリングによって抜け止めされていることを特徴とする巻き取り装置に存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記回転止めピンは、前記巻き取り駆動軸の直径よりも長く、前記抜け止めリングの内径は、前記回転止めピンの長さよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の巻き取り装置に存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、複数個の前記トルクリミッタは、前記巻き取り駆動軸に環装されていることを特徴とする請求項1又は2記載の巻き取り装置に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の巻き取り装置は、トルクリミッタを巻き取り駆動軸に形成された貫通穴にゆるみばめにて貫通された回転止めピンによって回転止めすると共に、回転止めピンを巻き取り駆動軸に環装された部品に挟持されて貫通穴に対向する位置に位置決めされた抜け止めリングによって抜け止めするように構成することにより、巻き取り駆動軸に環装された部品を取り外すだけで、回転止めピンを抜き取ることができるため、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができるという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明の巻き取り装置は、トルクリミッタを巻き取り駆動軸に形成された貫通穴にゆるみばめにて貫通された回転止めピンによって回転止めすると共に、回転止めピンを巻き取り駆動軸に環装された部品に挟持されて貫通穴に対向する位置に位置決めされた抜け止めリングによって抜け止めするように構成することにより、複数個のトルクリミッタを巻き取り駆動軸に環装させても、各トルクリミッタをゆるみばめにて貫通された回転止めピンによって回転止めすることができ、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る巻き取り装置の実施の形態が用いられるラベル貼付装置の構成を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る巻き取り装置の実施の形態が用いられるラベル貼付装置の構成を示す概略側面図であり、図3は、本発明に係る巻き取り装置の実施の形態の外観構成を示す斜視図である。
【0012】
本実施の形態の巻き取り装置1は、図1および図2に示すラベル貼付装置2に用いられ、ラベル3が剥離された帯状台紙4を巻き取る装置である。
【0013】
ラベル貼付装置2は、コンベア5の上方に配置されると共に、帯状台紙4に仮着されているラベル3を剥離して、コンベア5上を搬送される被着体6に貼付する装置であり、図1および図2を参照すると、本体フレーム21の上部にラベル供給部22が設けられている。ラベル供給部22は、帯状台紙4に複数のラベル3が間隔を置いて仮着されているラベル連続体7がロール状に巻き回された状態で装着される供給リール221と、供給リール221に装着されたラベル連続体7の両端面をそれぞれガイドするガイド板222、223とからなり、ロール状に巻き回されたラベル連続体7は、供給リール221に回転自在に保持されている。
【0014】
供給リール221から繰り出されるラベル連続体7は、移送部23の上面側を通って剥離板24に移送される。なお、図1および図2に示す符号25は、ラベル連続体7に加わるテンションの変化を吸収するテンションローラであり、供給リール221から移送部23までの移送路中に配置されている。
【0015】
剥離板24は、先端部が鋭角に形成されており、帯状台紙4を転向させると共に、帯状台紙4より剛性の高いラベル3を帯状台紙4から剥離し、剥離されたラベル3は、剥離板24から前方に繰り出される。剥離板24から繰り出されたラベル3は、剥離板24のラベル繰り出し方向の前方に設けられた貼付ローラ26によって、コンベア5によって搬送されてきた被着体6の上面に押圧され、被着体6の上面の所定位置に貼着される。
【0016】
また、剥離板24のラベル連続体7の移送方向上流側には、ラベル3の先端を検出するラベル検出センサ27が配置されており、ラベル検出センサ27によってラベル3の先端を把握することにより、剥離板24から繰り出すラベル3の先端が被着体6の上面の所定位置に貼着されるように制御される。
【0017】
一方、ラベル3が剥離された帯状台紙4は、移送部23の下面側を通って巻き取り装置1に移送されて巻き取られる。なお、図1および図2に示す符号28は、帯状台紙4に加わるテンションの変化を吸収するテンションローラであり、移送部23から巻き取り装置1までの移送路中に配置されている。
【0018】
移送部23は、図示しない駆動モータによって回転駆動される移送ローラ231と、第1のニップローラ232と、第2のニップローラ233とを備え、移送ローラ231と第1のニップローラ232とによって挟持移送して供給リール221から繰り出されるラベル連続体7を剥離板24に移送すると共に、移送ローラ231と第2のニップローラ233とによって挟持移送して剥離板24で転向された帯状台紙4を巻き取り装置1に移送する。
【0019】
巻き取り装置1は、図1および図3を参照すると、本体フレーム21から張り出した巻き取り装置支持フレーム211から突出している巻き取り駆動軸101に巻き取りリール102が環装されており、巻き取り駆動軸101の回転に追従させて巻き取りリール102を回転させ、巻き取りリール102に、剥離板24で転向された帯状台紙4を巻き取る構成になっている。
【0020】
巻き取り駆動軸101と巻き取りリール102とは、図4および図5を参照すると、巻き取り駆動軸101に環装されたカップリング104およびガイド板103を介し、回転方向に所定の遊び角度を持って取り付けられており、以下、巻き取り駆動軸101への巻き取りリール102の取り付け構成について詳細に説明する。
図4は、図3に示す巻き取り駆動軸への巻き取りリールの取り付け構成を示す分解斜視図であり、図5は、巻き取り駆動軸と巻き取りリールとの回転動作を説明するための説明図である。
【0021】
巻き取りリール102のガイド板103に対向する端面には、固定突起102aが形成されていると共に、ガイド板103には、固定突起102aが嵌装される固定穴103aが形成されており、巻き取り駆動軸101に形成されたリブ101aを挟んで、固定突起102aを固定穴103aに嵌装させ、図示しないビス等の固定手段によって巻き取りリール102とガイド板103とを固定することにより、巻き取りリール102とガイド板103とが固定されていると共に、巻き取りリール102およびガイド板103の巻き取り駆動軸101の軸方向における位置が固定されている。
【0022】
カップリング104のガイド板103に対向する端面には、遊嵌突起104aが形成されていると共に、ガイド板103には、遊嵌突起104aが遊嵌される遊嵌溝103bが形成されており、カップリング104は、遊嵌突起104aを遊嵌溝103bに遊嵌させた状態で、図示しないビス等の固定手段によって巻き取り駆動軸101に固定されている。遊嵌溝103bは、図4に示すように、円弧状に形成されており、遊嵌突起104aは、遊嵌溝103bに沿って巻き取り駆動軸101の同心円上を移動可能になっている。
【0023】
また、ガイド板103とカップリング104との間には、ねじりバネ105が巻き取り駆動軸101に環装されており、ねじりバネ105の一端部であるカップリング固定端105aが、カップリング104のガイド板103に対向する端面に形成されたバネ固定溝104bに係止されていると共に、ねじりバネ105の他端部であるリール固定端105bがガイド板103の固定穴103aを介して巻き取りリール102の固定突起102aに係止されている。なお、ねじりバネ105は、カップリング104に対してガイド板103を巻き取り方向に回転させる方向に付勢している。
【0024】
従って、巻き取り駆動軸101が回転駆動されない状態では、ねじりバネ105の付勢力によって巻き取りリール102およびガイド板103がカップリング104に対して巻き取り方向に回転され、図5(a)に示すように、カップリング104の遊嵌突起104aは、遊嵌溝103bの巻き取り方向における後端側に位置することになる。
【0025】
巻き取り駆動軸101が巻き取り方向に回転駆動されると、巻き取りリール102に巻き取られる帯状台紙4のテンションによって、巻き取りリール102およびガイド板103を巻き取り方向に対して反対方向に回転させる力が作用し、ねじりバネ105の付勢力に抗して巻き取りリール102およびガイド板103がカップリング104に対して巻き取り方向の反対方向に回転され、図5(b)に示すように、カップリング104の遊嵌突起104aは、遊嵌溝103bの巻き取り方向における先端側に位置することになる。
【0026】
カップリング104の遊嵌突起104aが図5(b)に示す位置にある時に、巻き取り駆動軸101の回転駆動が停止されると、巻き取りリール102への帯状台紙4の巻き取りが停止されるため、巻き取りリール102およびガイド板103を巻き取り方向に対して反対方向に回転させる力が作用しなくなり、図5(c)に示すように、カップリング104の遊嵌突起104aが遊嵌溝103bの巻き取り方向における後端側に位置するまで、ねじりバネ105の付勢力によって巻き取りリール102およびガイド板103がカップリング104に対して巻き取り方向に回転される。従って、巻き取り駆動軸101の回転駆動が停止後に、ねじりバネ105の付勢力によって巻き取りリール102が巻き取り方向に回転した分だけ、帯状台紙4が巻き取りリール102に巻き取られることになり、帯状台紙4の弛みを防止することができる。
【0027】
次に、巻き取り駆動軸101の駆動機構について図6および図7を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明に係る巻き取り装置の実施の形態における巻き取り駆動軸の駆動機構の構成を示す斜視図であり、図7は、図6に示すトルクリミッタの耐久試験結果を示す図である。
【0028】
巻き取り駆動軸101は、図6を参照すると、軸受け106および107によって、巻き取り装置支持フレーム211および支持板212(巻き取り装置支持フレーム211に対して固定されている)にそれぞれ回動自在に軸支されていると共に、支持板212に固定されたワンウェイヒンジ108に貫装されている。
【0029】
ワンウェイヒンジ108は、ワンウェイクラッチとトルクリミッタの機能を兼ね備えたヒンジであり、巻き取り駆動軸101の巻き取り方向の回転には、トルクを発生することなく空転状態となり、巻き取り駆動軸101の巻き取り方向に対する逆方向の回転には、トルクを発生する。従って、ワンウェイヒンジ108は、巻き取り駆動軸101の逆転防止手段として機能し、移送部23の移送ローラ231と同期して巻き取り駆動軸101が停止した際に、巻き取り駆動軸101が巻き取り方向に対して逆方向に回転することを防止する。
【0030】
巻き取り駆動軸101は、移送部23の移送ローラ231を駆動する図示しない駆動モータを駆動源として回転駆動され、駆動モータからの回転駆動力は、ギア109およびギア110を介して巻き取り駆動軸101に環装された最終ギア111に伝達される。最終ギア111は、巻き取り駆動軸101に対して遊転し、最終ギア111に伝達された回転駆動力は、最終ギア111の両側で巻き取り駆動軸101にそれぞれ環装され、最終ギア111と回転方向において固定されたトルクリミッタ112およびトルクリミッタ113を介して巻き取り駆動軸101を回転駆動させる。
【0031】
トルクリミッタ112およびトルクリミッタ113におけるそれぞれの設定トルクは、巻き取り駆動軸101の回転に必要なトルク(以下、必要トルクと称す)を均等に割り振った値になっており、例えば、必要トルクが392mN・mである場合には、トルクリミッタ112およびトルクリミッタ113におけるそれぞれの設定トルクは、196mN・mになっている。
【0032】
図7には、設定トルクが196mN・mのトルクリミッタ112およびトルクリミッタ113を用いた耐久試験の結果が示されている。なお、耐久試験にあたっては、1巻きが300mの帯状台紙4を用い、走行させた巻き数毎にトルクリミッタ112およびトルクリミッタ113によって巻き取り駆動軸101に付与されるトルクを測定した。また、対比例として、設定トルクが392mN・mの1個のトルクリミッタを用いた耐久試験も行った。
【0033】
その結果、設定トルクが392mN・mの1個のトルクリミッタを用いた場合には、4巻き分(1.2km)帯状台紙4を走行させると、トルク測定値が340mN・m以下になって破損してしまうのに対し、設定トルクが196mN・mのトルクリミッタ112およびトルクリミッタ113を用いた場合には、3300巻き分(990km)帯状台紙4させてもトルク測定値が360mN・m以上に維持され、優れた耐久性を有していることがわかる。
【0034】
次に、巻き取りリール102、ガイド板103およびカップリング104が取り付けられた巻き取り駆動軸101への最終ギア111、トルクリミッタ112およびトルクリミッタ113の取り付け構成について図8を参照して詳細に説明する。
図8は、図3に示す巻き取り駆動軸への最終ギアおよびトルクリミッタの取り付け構成を示す分解斜視図である。
【0035】
まず、止め輪114を巻き取り駆動軸101に形成された位置決め溝101bに嵌め込み、巻き取り駆動軸101に環装した軸受け106の軸方向での位置決めを行った後、軸受け106を巻き取り装置支持フレーム211の図示しない開口に嵌装させ、巻き取り装置支持フレーム211に巻き取り駆動軸101を軸支させる。
【0036】
次に、巻き取り駆動軸101に形成された貫通穴101dに巻き取り駆動軸101の直径よりも長い回転止めピン116をゆるみばめにて貫通させると共に、内径が回転止めピン116よりも大きい抜け止めリング118を巻き取り駆動軸101に環装し、抜け止めリング118を軸受け106に当接させる。抜け止めリング118が軸受け106に当接した状態では、抜け止めリング118は、貫通穴101dに対向する位置に配置され、抜け止めリング118によって抜け止めリング118の脱落が防止される。
【0037】
次に、トルクリミッタ112を巻き取り駆動軸101に環装し、トルクリミッタ112の内輪を、トルクリミッタ112の内輪に形成された回転止め溝112aに巻き取り駆動軸101から突出している回転止めピン116を嵌装させながら、巻き取り駆動軸101と抜け止めリング118との間隙に挿入することで、軸受け106とトルクリミッタ112とによって挟持させて抜け止めリング118を貫通穴101dに対向する位置に位置決めさせると共に、トルクリミッタ112の内輪と巻き取り駆動軸101とを回転方向において固定させる。
【0038】
次に、最終ギア111を巻き取り駆動軸101に環装し、トルクリミッタ112の外輪輪に形成された固定突起112bを最終ギア111に形成された固定穴(図示せず)に嵌装させることで、最終ギア111とトルクリミッタ112の外輪とを回転方向において固定させる。
【0039】
次に、トルクリミッタ113を巻き取り駆動軸101に環装し、トルクリミッタ112の外輪輪に形成された固定突起113bを最終ギア111に形成された固定穴111aに嵌装させることで、最終ギア111とトルクリミッタ113の外輪とを回転方向において固定させる。
【0040】
次に、巻き取り駆動軸101に形成された貫通穴101eとトルクリミッタ113の内輪に形成された回転止め溝113aとを対向させた状態で、巻き取り駆動軸101の直径よりも長い回転止めピン117を貫通穴101eにゆるみばめにて貫通させると共に、巻き取り駆動軸101から突出している回転止めピン117を回転止め溝113aに嵌装させることで、トルクリミッタ113の内輪と巻き取り駆動軸101とを回転方向において固定させる。
【0041】
次に、内径が回転止めピン117よりも大きい抜け止めリング119を巻き取り駆動軸101に環装し、抜け止めリング119をトルクリミッタ113の内輪に環装させることで、回転止めピン117の脱落を防止させる。
【0042】
次に、支持板212の図示しない開口に嵌装させた軸受け107を巻き取り駆動軸101に環装し、支持板212に巻き取り駆動軸101を軸支させると共に、軸受け107とトルクリミッタ113とによって挟持させて抜け止めリング119を貫通穴101eに対向する位置に位置決めさせると共に、止め輪115を巻き取り駆動軸101に形成された位置決め溝101cに嵌め込み、巻き取り駆動軸101に環装した軸受け107の軸方向での位置決めを行う。
【0043】
次に、ワンウェイヒンジ108を巻き取り駆動軸101に環装し、ワンウェイヒンジ108をビス等の固定手段によって支持板212に固定する。
【0044】
なお、巻き取り駆動軸101に取り付けた最終ギア111、トルクリミッタ112およびトルクリミッタ113を取り外す場合には、上述した手順を反対から行うことで、簡単に取り外すことができ、トルクリミッタ112およびトルクリミッタ113の交換を容易に行うことができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、トルクリミッタ112、113を巻き取り駆動軸101に形成された貫通穴101d、101eにゆるみばめにて貫通された回転止めピン116、117によって回転止めすると共に、回転止めピン116、117を巻き取り駆動軸101に環装された部品に挟持されて貫通穴に対向する位置に位置決めされた抜け止めリング118、119によって抜け止めするように構成することにより、巻き取り駆動軸101に環装された部品を取り外すだけで、回転止めピン116、117を抜き取ることができるため、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタを112、113、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができるという効果を奏する。
【0046】
さらに、本実施の形態によれば、トルクリミッタ112、113を巻き取り駆動軸101に形成された貫通穴101d、101eにゆるみばめにて貫通された回転止めピン116、117によって回転止めすると共に、回転止めピン116、117を巻き取り駆動軸101に環装された部品に挟持されて貫通穴101d、101eに対向する位置に位置決めされた抜け止めリング116、117によって抜け止めするように構成することにより、複数個のトルクリミッタ112、113を巻き取り駆動軸101に環装させても、各トルクリミッタ112、113をゆるみばめにて貫通された回転止めピン116、117によって回転止めすることができ、移送速度と巻き取り速度との速度差を吸収する機構として用いるトルクリミッタ112、113を、特別な工具を用いることなく、容易に交換することができるという効果を奏する。
【0047】
なお、本実施の形態では、最終ギア111の両側で巻き取り駆動軸101にそれぞれ環装された2個のトルクリミッタ112およびトルクリミッタ113を介して巻き取り駆動軸101を回転駆動させるように構成したが、偶数個(4個以上)のトルクリミッタを用い、最終ギア111の両側にそれぞれ同数のトルクリミッタを巻き取り駆動軸101に環装させ、偶数個(4個以上)のトルクリミッタを介して巻き取り駆動軸101を回転駆動させるようにしても良い。なお、偶数個(4個以上)のトルクリミッタにおけるそれぞれの設定トルクは、必要トルクを均等に割り振った値とする。
【0048】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る巻き取り装置の実施の形態が用いられるラベル貼付装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る巻き取り装置の実施の形態が用いられるラベル貼付装置の構成を示す概略側面図である。
【図3】本発明に係る巻き取り装置の実施の形態の外観構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示す巻き取り駆動軸への巻き取りリールの取り付け構成を示す分解斜視図である。
【図5】巻き取り駆動軸と巻き取りリールとの回転動作を説明するための説明図である。
【図6】本発明に係る巻き取り装置の実施の形態における巻き取り駆動軸の駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図7】図6に示すトルクリミッタの耐久試験結果を示す図である。
【図8】図3に示す巻き取り駆動軸への最終ギアおよびトルクリミッタの取り付け構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 巻き取り装置
2 ラベル貼付装置
3 ラベル
4 帯状台紙
5 コンベア
6 被着体
7 ラベル連続体
21 本体フレーム
22 ラベル供給部
23 移送部
24 剥離板
25 テンションローラ
26 貼付ローラ
27 ラベル検出センサ
28 テンションローラ
101 巻き取り駆動軸
101a リブ
101b、 101c 位置決め溝
101d、101e 貫通穴
102 巻き取りリール
102a 固定突起
103 ガイド板
103a 固定穴
103b 遊嵌溝
104 カップリング
104a 遊嵌突起
104b バネ固定溝
105 ねじりバネ
105a カップリング固定端
105b リール固定端
106、107 軸受け
108 ワンウェイヒンジ
109、110 ギア
111 最終ギア
111a 固定穴
112 トルクリミッタ
112a 回転止め溝
112b 固定突起
113 トルクリミッタ
113a 回転止め溝
113b 固定突起
114、115 止め輪
116、117 回転止めピン
118、119 抜け止めリング
211 巻き取り装置支持フレーム
212 支持板
221 供給リール
222、223 ガイド板
231 移送ローラ
232 第1のニップローラ
233 第2のニップローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送手段によって帯状台紙に複数のラベルが間隔を置いて仮着されているラベル連続体を移送し、前記ラベルを前記帯状台紙から剥離して被着体に貼付するラベル貼付装置に用いられ、回転駆動される巻き取り駆動軸を巻き取り方向に回転させることによって前記ラベルが剥離された前記帯状台紙を巻き取る巻き取り装置であって、
前記巻き取り駆動軸は、トルクリミッタを介して回転駆動され、
前記トルクリミッタは、前記巻き取り駆動軸に形成された貫通穴にゆるみばめにて貫通された回転止めピンによって回転止めされ、
前記回転止めピンは、前記巻き取り駆動軸に環装された部品に挟持されて前記貫通穴に対向する位置に位置決めされた抜け止めリングによって抜け止めされていることを特徴とする巻き取り装置。
【請求項2】
前記回転止めピンは、前記巻き取り駆動軸の直径よりも長く、
前記抜け止めリングの内径は、前記回転止めピンの長さよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の巻き取り装置。
【請求項3】
複数個の前記トルクリミッタは、前記巻き取り駆動軸に環装されていることを特徴とする請求項1又は2記載の巻き取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−182499(P2006−182499A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377637(P2004−377637)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】