説明

巻尺ケースの制動構造

【課題】小型の巻尺であっても適度な制動力を得ることができると共に、製品間において制動力のばらつきがなく、テープを引き出しやすい暗巻尺の制動構造を提供する。
【解決手段】巻き取られた巻尺テープを収納する巻尺ケースと、上記巻尺ケース内に厚さ方向に沿って突設された軸部に回転可能に装着され、上記巻尺テープが巻装されるドラムとを備え、上記テープが巻尺ケースから引き出される際に、上記ドラムを上記巻尺ケースの内側面部に圧接させて制動力を得るように構成された巻尺ケースの制動構造において、上記ドラムの周縁部を部分的に巻尺ケースの内側面部に圧接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻尺ケースの制動構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、金属製の巻尺テープを側面円形状であって合成樹脂製等のケース内に収納できる、いわゆる「密閉型」の巻尺が広く使用されている。
このような密閉型の巻尺にあっては、金属製のテープを引き出した場合には、引き出されるテープに所定の重量があることから、テープ自体の慣性力によって巻尺テープが巻装されているドラムが回ってしまい巻尺テープがケースから大量に出てしまう場合や、巻尺テープがケース内に広がってケース内周面部に巻尺テープが張り付いてしまい、ドラムが空転してしまうことからテープをなかなか引き出せない場合がある。
【0003】
このような密閉型の巻尺の一例を示すと、図8(1)に示すように、巻尺80aは、合成樹脂製であって、所定の厚さ寸法を有する円盤状に形成されたケース81と、上記ケース81の中央部に形成された軸部82に回転可能に装着され、一側面部に形成された開口部83に配置され、テープが巻装される合成樹脂製のドラム84とを備えている。
【0004】
そして、上記軸部82の基端部には板バネ85が内装され、板バネ85の付勢力によりドラム84を上記軸部82の反基端部側のケース内側周面部86に圧接させるか、又は、図8(2)に示すように、ドラム84と上記ケース内側周面部86との間に金属製のリング部材87を配置することによりドラム84の回転に対する制動力を得るようにした巻尺80bがあった。
【0005】
しかしながら、このように構成された巻尺80a,80bにあっては、常時、ドラム84の回転に対する制動力が作用することから、テープを引き出す場合に、引き出すために所定の力が必要とされるためテープを引き出しにくく、また、上記板バネ85や上記リング部材87が必要となることから部品点数が増加すると共に、製作コストが嵩む、という不具合があった。
【0006】
このような不具合を解消するために、図9(1)及び図9(2)に示すように、本件特許出願人によって、従来、上記ドラム84が摺接する上記ケース内側面部と対向するドラム84の基端部88に斜板カム従動部89を設けると共に、軸部82の周囲に、上記斜板カム従動部89に対向して配置される斜板カム部90を設け、上記ドラム84がテープを開放する方向へ回転する場合には
図9(2)に示すように、上記斜板カム従動部89が斜板カム部90の登り方向へ回転動して上記ドラム84の開口側周縁部91が上記ケースの内側周面部86に圧接して制動力を発生すると共に、上記ドラム84がテープを巻き取る方向へ回転する場合には、図9(1)に示すように、上記斜板カム部90の降り方向へ回転動して上記ドラム84の開口側周縁部91が上記ケースの内側周面部86から離間して制動力が解消されるように構成された巻尺の制動構造が提案されている(特許文献1)。
【0007】
しかしながら、このような従来の巻尺の制動構造にあっては、上記ドラム84の回転により斜板カム従動部89が上記斜板カム部90の登り方向へ回転動し上記ドラム84の開口側周縁部91が上記ケースの内側周面部86に圧接する際には、上記ドラム84の開口側周縁部91の全周縁部が上記ケース内側周面部86に圧接することとなる。
その結果、図10に示すように、作業者がテープを引き出している際に、ドラム84の周縁部全体がケース81の内側周縁部86に圧接し、その結果、突然に大きな制動力が発生してテープを引き出している手に大きなショックが伝わることから、余り使いやすくない、という不具合があった。
【0008】
このような事情は、特に、小型の巻尺の場合に顕著であり、小型の巻尺にあってはテープの長さも短い(20m〜30m)ことから非常に大きな制動力が瞬時に発生し、制動が効きすぎ、却ってテープを引き出しにくい、という不具合があった。
【0009】
また、上記ドラム84の開口側周縁部89と上記ケース内側周面部86とが、設計誤差又は取り付け誤差等により面部全体が均一に当接しないような場合には、僅かな誤差であっても、双方の面部が均一に当接しない場合には、結果的に、余り大きな制動力を発揮することができない。
従って、製造誤差又は取り付け誤差により製品個々によって大きな制動力を奏する場合とそうではない場合とが生じ、製品間でのばらつきが発生する場合があった。
【0010】
【特許文献1】特開平9‐287901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本願発明は、小型の巻尺であっても適度な制動力を得ることができると共に、製品間において制動力のばらつきがなく、テープを引き出しやすい巻尺の制動構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題解決のため、請求項1記載の発明にあっては、巻き取られた巻尺テープを収納する巻尺ケースと、上記巻尺ケース内に厚さ方向に沿って突設された軸部に回転可能に装着され、上記巻尺テープが巻装されるドラムとを備え、上記テープが巻尺ケースから引き出される際に、上記ドラムを上記巻尺ケースの内側面部に圧接させて制動力を得るように構成された巻尺ケースの制動構造において、上記ドラムの周縁部を部分的に巻尺ケースの内側面部に圧接させることを特徴とする。
従って、上記ドラムを上記巻尺ケースの内側面部に圧接させて制動力を得る場合であっても、上記ドラムの全周縁部が巻尺ケースの内側面部に圧接するという事態はない。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、上記巻尺ケースは内部に巻尺テープを収納しうる厚さ寸法を有する全体円盤状に形成されると共に、上記ドラムの周縁部には上記巻尺ケースの内側面部に圧接しうる制動部が互いに間隔を置いて設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明にあっては、上記制動部は、巻尺ケース内側面部に対して弾性的に圧接しうるように構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明にあっては、上記巻尺ケースは、厚さ方向の一側面部には円形開口部を有し、上記ドラムは、上記円形開口部に配置される本体部と、上記本体部に連設され、上記テープが巻装される巻取り部とを有し、上記本体部の周縁には上記開口部の内方周縁部に圧接しうる制動部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明にあっては、上記制動部は、上記本体部の周縁に所定間隔をおいて複数形成された基部と、上記基部から軸方向に突出形成された突部とを有することを特徴とする。
請求項6記載の発明にあっては、上記基部は、上記ドラムの外周面部に固定された脚部と、上記脚部から上記外周面部から離間して配置され、上記突部が形成された支持部とを備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明にあっては、上記基部は平面コ字状に形成され、支持部の両端に設けられた一対の脚部を有し、上記突部は上記支持部の長さ方向中央部に形成され、ドラムの軸方向に沿って、上記支持部の弾性変形により可撓するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び2記載の発明にあっては、従来のように、上記ドラムを上記巻尺ケースの内側面部に圧接させて制動力を得る場合であっても、上記ドラムの全周縁部が巻尺ケースの内側面部に圧接しないことから、瞬時に大きな制動力が作用し、使用者の手に負担を掛け、取り扱いにくいという事態を防止することができる。
【0018】
その結果、小型の巻尺の場合であってテープの長さが短い場合であっても、非常に大きな制動力が瞬時に発生し、制動が効きすぎ、却ってテープを引き出しにくい、という不具合を解消することができる。
【0019】
また、請求項3〜7記載の発明にあっては、上記制動部は、巻尺ケース内側面部に対して弾性的に圧接しうるように構成されていることから、請求項1及び2記載の発明の効果に加えて、より円滑に制動部が巻尺ケース内側面部に当接することができ、除々に摩擦力を発生させることができる。また、巻尺ケース側やドラム側に製造誤差や取り付け誤差があり、本来想定する当接状態に反する事態があった場合であっても、容易に上記の誤差を吸収することができ、従来のような製造誤差又は取り付け誤差により、発生する制動力に相違がある、という事態を有効に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る巻尺ケースの制動構造を、図面に基づき詳細に説明する。
本形態に係る巻尺ケースの制動構造が適用される巻尺10は、図1及び図2に示すように、内部に巻き取られた金属製の巻尺テープ11を収納する、所定の厚さ寸法を有し全体略円盤状に形成さ.れた合成樹脂製の巻尺ケース12からなる。
【0021】
図2に示すように、この巻尺ケース12は、上記巻尺ケース12内に厚さ方向に沿って突設された軸部13に回転可能に装着され、上記巻尺テープ11が巻装される合成樹脂製のドラム14を備えている。
上記巻尺ケース12は、厚さ方向の一側面部には円形開口部15を有してお
り、上記ドラム14は合成樹脂による一体成型であって、上記円形開口部15
に配置される本体部16と、上記本体部16に連設され、上記テープ11が巻
装される巻取り部17とを有している。
【0022】
そして、上記ドラム14の基端部23には斜板カム従動部24が設けられて
いると共に、巻尺ケース12側には、軸部13の周囲に、上記斜板カム従動部24に対向して配置される斜板カム部25が設けられている。
従って、上記ドラム14が巻尺テープ11を開放する方向へ回転する場合には上記斜板カム従動部24が斜板カム部25の登り方向へ回転動して上記ドラム14の開口側周縁部26が上記ケース内側面部27に圧接して制動力を発生し、また、上記ドラム14が巻尺テープ11を巻き取る方向へ回転する場合には上記斜板カム部25の降り方向へ回転動して上記ドラム14の開口側周縁部26が上記ケース内側面部27から離間して上記制動力が解消されるように構成されている。
【0023】
そして、図2〜図5に示すように、上記本体部16の周縁には上記円形開口部15の内方周縁部19に圧接しうる制動部18が設けられている。
上記円形開口部15は、本実施の形態にあっては、上記巻尺ケース12の厚さ方向一側面部17の略全域に亘って形成されており、上記円形開口部15の周縁には、上記ドラム14の本体部16の制動部18が当接する内方周縁部19が形成されると共に、上記内方周縁部19から略直角に連設され、上記制動部18の側面部20が摺接する平面円形状の突条部28が全周に亘って形成されている。
【0024】
図3に示すように、本実施の形態にあっては、上記制動部18は、上記本体部16の周縁部に、互いに所定間隔を置いて8個形成されている。上記制動部18は、図2〜図4に示すように、全体側面略コ字状に形成され、上記本体部16の周縁に所定間隔をおいて複数形成された基部21と、上記基部21から軸方向(本体部16の厚さ方向)に突出形成された突部22とを有している。
【0025】
上記基部21は、上記ドラムの外周面部31に固定された一対の脚部29,29と、上記一対の脚部29,29の間に形成され、上記外周面部31から離間して配置され、上記突部22が形成された支持部30とを備えている。
上記一対の脚部29,29は、夫々、略直方体形状に形成され、上記支持部30は、上記脚部29,29の上端部において掛け渡されるようにして設けられている。基部21は、上記本体部16の曲率と同一の曲率に形成されている。
【0026】
上記突部22は上記支持部30の長さ方向中央部において、支持部30の幅寸法と同一の幅寸法であって上記支持部30の1/3の長さ寸法の略直方体形状に形成され、上面部が当接面部32として形成されている。
【0027】
以下に、本実施の形態に係る巻尺ケースの制動構造の作用について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る巻尺ケース10から金属製の巻尺テープ11を先端部のリング部材31を介して引き出した場合には、ドラム14に固定された上記斜板カム従動部24が巻尺ケース12側に設けられた斜板カム部25の登り方向へ回転動することにより、斜板カム従動部24がドラム14を軸方向に沿って円形開口部15側へ押すこととなり、その結果、上記制動部18は巻尺ケース12の内方周縁部19へ圧接する。
【0028】
この場合、図6(1)及び(2)に示すように、上記制動部18を構成する突部22の当接面部32が上記内方周縁部19へ摺接し始め、その後、さらに上記斜板カム従動部24によって内方周縁部19方向へ押しつけられる場合には、上記突部22は上記支持部30の厚さ方向に沿って押されることとなる。この場合、図6(3)に示すように、支持部30は一対の脚部29,29の間に掛け渡されるように一体形成されていることから、上記支持部30はドラム14の軸方向に沿って弾性変形して撓む。
【0029】
その結果、この支持部30の弾性変形により、上記斜板カム従動部24による内方周縁部19への圧接力は吸収されることから、従来におけるように、ドラム14の周縁部全体が内方周縁部全体に剛的に圧接する場合とは異なり、発生する摩擦力を柔軟に低減することができる。
【0030】
その結果、図6(1)〜(3)及び図7に示すように、非接触の状態から上記突部22が内側周縁部19に圧接し始め、さらに完全に押し付けられることになるが、上記のように圧接力を上記支持部30の弾性変形により吸収するため、摩擦力を除々に発生させることができる。
その結果、本実施の形態に係る巻尺ケースの制動構造にあっては、従来のようなドラム14の周縁部全体がケースの内側周縁部全体に圧接するように構成された場合とは異なり、制動部18を構成する突起部22のみがケースの内側周縁部19に圧接するように構成されていることから、ドラム14のケースの内側周縁部19への当接面積が減少するため、発生する摩擦力を従来よりも低減することができる。
【0031】
さらに、上記のように制動部18を構成する突部22が形成された支持部30が一対の脚部29,29の間に形成され、内側周縁部19へ突部22が圧接する際には軸部13の軸方向に沿って弾性変形して撓むように構成されていることから、適宜、発生する過剰な摩擦力を吸収しながら制動力を発生させることができ、従来のような、巻尺テープ11を引き出した場合に、突然に大きな制動力が発生する、という事態を防止することができる。
【0032】
その結果、使用者が巻尺テープ11を引き出す際に、手に突然に衝撃を与えることのない、使いやすい巻尺を提供することができる。
また、本実施の形態に係る巻尺ケースの制動構造にあっては、上記制動部18は、上記本体部16の周縁部に、互いに所定間隔を置いて8個形成され、上記制動部18は、図2〜5に示すように、全体略コ字状に形成され、上記本体部16の周縁に所定間隔をおいて複数形成された基部21と、上記基部21から軸方向(本体部16の厚さ方向)に突出形成された突部22とを有するように構成されていることから、巻尺テープ11の長さによって巻尺テープ11の重量が異なり、引き出した場合に巻尺テープ11に作用する慣性力も異なるが、巻尺テープ11の長さに応じて、例えば、突部22の大きさ、突部22の当接面部32の表面積、及び上記突部22が形成された支持部30の幅寸法、および材質を適宜変更することにより、突部22が巻尺ケース12の内側周面部19に圧接した場合の弾性力を調節することができ、最も適切な制動力を有する巻尺を作製することができる。その結果、製品の種類に応じた適切な制動力を有する多種類の巻尺を提供することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態にあっては、制動部18が全体として8個設けられている場合を例に説明したが、制動部18の個数に関しては上記実施の形態に限定されない。また、制動部18の具体的構造に関しても上記実施の形態に限定されない。
【0034】
また、本実施の形態にあっては、巻尺テープ11が金属製の場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、合成樹脂製の巻尺テープからなる巻尺に関しても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、広く、密閉型の巻尺のケースに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、図1の2−2線断面図であって、制動部を一部拡大して示す図である。
【図3】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、巻尺テープが巻装されるドラムを構成する本体部を示す平面図である。
【図4】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、巻尺テープが巻装されるドラムを構成する本体部を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、巻尺テープが巻装されるドラムを構成する本体部に設けられた制動部を独立して示す斜視図である。
【図6】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、巻尺テープが巻装されるドラムを構成する本体部に設けられた制動部の突部と、上記突部の巻尺ケースの内方周面部への圧接の状態を部分的に拡大して示す説明断面図である。
【図7】本発明に係る巻尺ケースの制動構造の一実施の形態を示し、巻尺テープが巻装されるドラムを構成する本体部に設けられた制動部の突部と、巻尺ケースの内方周面部への圧接の状態を部分的に拡大して示す説明断面図及び、非接触の状態から接触後の状態の間における制動部とケースの内方周縁部との関係を横軸にし、摩擦力の大きさを縦軸にしたグラフである。
【図8】従来の巻尺ケースの制動構造を一般的に示す断面図である。
【図9】従来の巻尺ケースの制動構造の改良例を示し、斜板カム部及び斜板カム従動部を設けた場合を示す断面図である。
【図10】従来の巻尺ケースの制動構造におけるドラムの周縁部とケースの内側周面部との圧接の状態を部分的に拡大して示す説明断面図及び、非接触の状態から接触後の状態の間におけるドラムの周縁部とケースの内方周縁部との関係を横軸にし、摩擦力の大きさを縦軸にして表現したグラフである。
【符号の説明】
【0037】
10 巻尺
11 巻尺テープ
12 巻尺ケース
13 軸部
14 ドラム
15 円形開口部
16 本体部
17 巻き取り部
18 制動部
19 内方周縁部
20 側面部
21 基部
22 突部
23 基端部
24 斜板カム従動部
25 斜板カム部
26 開口側周縁部
27 ケース内側面部
28 突条部
29 脚部
30 支持部
31 外周面部
80 巻尺
81 ケース
82 軸部
83 開口部
84 ドラム
85 板バネ
86 内側周面部
87 リング部材
88 基端部
89 斜板カム従動部
90 斜板カム部
91 開口周縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取られた巻尺テープを収納する巻尺ケースと、上記巻尺ケース内に厚さ方向に沿って突設された軸部に回転可能に装着され、上記巻尺テープが巻装されるドラムとを備え、上記テープが巻尺ケースから引き出される際に、上記ドラムを上記巻尺ケースの内側面部に圧接させて制動力を得るように構成された巻尺ケースの制動構造において、
上記ドラムの周縁部を部分的に巻尺ケースの内側面部に圧接させることを特徴とする巻尺ケースの制動構造。
【請求項2】
上記巻尺ケースは、内部に巻尺テープを収納しうる厚さ寸法を有する全体円盤状に形成されると共に、上記ドラムの周縁部には上記巻尺ケースの内側面部に圧接しうる制動部が互いに間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項1記載の巻尺ケースの制動構造。
【請求項3】
上記制動部は、巻尺ケース内側面部に対して弾性的に圧接しうるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の巻尺ケースの制動構造。
【請求項4】
上記巻尺ケースは、厚さ方向の一側面部には円形開口部を有し、上記ドラムは、上記円形開口部に配置される本体部と、上記本体部に連設され、上記テープが巻装される巻取り部とを有し、上記本体部の周縁には上記開口部の内方周縁部に圧接しうる制動部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載の巻尺ケースの制動構造。
【請求項5】
上記制動部は、上記本体部の周縁に所定間隔をおいて複数形成された基部と、
上記基部から軸方向に突出形成された突部とを有することを特徴とする請求項4記載の巻尺ケースの制動構造。
【請求項6】
上記基部は、上記ドラムの外周面部に固定された脚部と、上記脚部に連設されると共に上記外周面部から離間して配置され、上記突部が形成された支持部とを備えていることを特徴とする請求項5記載の巻尺ケースの制動構造。
【請求項7】
上記基部は平面略コ字状に形成され、上記脚部は一対に設けられると共に上記支持部は上記一対の脚部の間に設けられ、
上記突部は上記支持部の長さ方向中央部に形成され、ドラムの軸方向に沿って、上記支持部の弾性変形により可撓するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の巻尺ケースの制動構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−156559(P2010−156559A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333599(P2008−333599)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000114961)ヤマヨ測定機株式会社 (3)
【Fターム(参考)】