説明

希土類金属錯体並びにそれを用いたインク組成物及び蛍光標識剤。

【課題】同じ配位子で、赤、緑、青の光の3原色である蛍光色を出すことが可能な種々の金属イオンの錯体が形成しうる希土類金属系の発光材料の提供。
【解決手段】エチレンジアミン四酢酸と5−ホルミルサリチル酸が配位した、下記反応式により得られる一般式(1)で表される希土類金属錯体。


(Lnは、イットリウム及びランタノイド金属を示し、Mは一価の陽イオンを示す。Xは、酢酸イオン等である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類金属錯体に関するものであり、特にその金属錯体の有機配位子は同じであるにもかかわらず、中心金属イオンの種類を変えるだけで、光の3原色をはじめとした種々の蛍光色を出すことが可能な希土類金属錯体並びにそれを用いたインク組成物及び蛍光標識剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からある種の希土類金属錯体は、光を照射することにより蛍光を発生することが知られており、様々な分野において使用されている。
たとえば、印刷分野においては、金券やプリペイドカードなどの有価証券類や又は秘密保持が必要な書類など、偽造や複写を防止することが必要とされている印刷物に、通常の可視光下で肉眼では視認しがたいが、紫外線や赤外線を照射することにより可視領域の蛍光を発する、いわゆる隠し印刷用のインクに希土類金属錯体が用いられている。そして、近年では、希土類金属錯体を蛍光着色剤として含有する無色の水性インクジェット用インクも提案されており、例えば、特許文献1では、配位子として、少なくとも1個のUV吸収性二重結合を含む負に帯電した配位子と、窒素含有UV吸収性配位子を有する、ランタニド錯体を用いることが記載されている。
【0003】
一方、こうした偽造防止技術の分野においては、紫外線の励起特性の異なる三つ以上の発光体を混合して作った多色発光インク組成物(特許文献2参照)は、簡易的な官能検査(色相評価)においては、偽造者は真偽判定に使用されている波長領域をあらかじめ絞ることが不可能であることから、偽造牽制・抑止力の向上に極めて有効であり、また、機械検査においても、真偽判別に使用される紫外線波長域が制限されず、200nmから400nmの紫外線全領域で連続して発光を取得し、すべての発光を判定要素とすることが可能である点で期待されている。しかしながら、特許文献2に記載された多色発光インク組成物に用いられているものは、無機系蛍光体又は無機系蛍光体と有機系蛍光体の組み合わせであって、希土類金属錯体を用いたものではない。
【0004】
本発明者は、該課題を解決すべく検討を重ね、特定の三脚型の希土類金属錯体が、励起光を照射することにより、優れた蛍光を発生しうる発光材料であり、しかも、同一構造で、赤、緑、青の光の3原色を発光しうることを見いだしている(特許文献3)。
しかしながら、該希土類金属錯体は、有機溶剤との相溶性が高く、樹脂中での分散性が非常に良好であるものの、水溶性ではないために、水性のインクジェット用インクには適していない。
【0005】
また、生体試料中の被分析物を定性的又は定量的に測定する分野においては、蛍光物質を標識剤として使用する測定法が用いられている。この測定法は、ある励起光の照射によりある化合物がその化合物の電子準位に基づく固有の放射光を発する現象を利用した方法であって、標識剤に用いられる希土類金属錯体は、タンパク質などの標識される物質と結合しうる基を有しているものが用いられている(特許文献4〜6等参照)
【特許文献1】特開2005−518472号公報
【特許文献2】特開2006−274097号公報
【特許文献3】特開2008−19374号公報
【特許文献4】特開2000−111480号公報
【特許文献5】特開2001−356128号公報
【特許文献6】特開2004−279429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のとおり、水溶性の蛍光性希土類金属錯体は、隠し印刷用のインクジェット用インク等に用いることは知られているが、同一構造で、多色が可能な蛍光性金属錯体、特に赤、緑、青の光の3原色を示す蛍光性金属錯体を用いることが可能となれば、フルカラーの隠し印刷が可能となる。また、生体成分分析において標識剤として用いられている蛍光性の希土類金属錯体においても、同一構造で、多色の蛍光性金属錯体が可能となれば、多色測定が可能となり、分析効率の向上が期待される。
しかしながら、前述のとおり、従来の水溶性の希土類金属錯体においては、同一の配位子を有しながら、赤、緑、青を示す蛍光性金属錯体は知られていない。
また、固体状態では蛍光を示しても、水溶液中では水分子の配位により、蛍光の失活が起こりやすいという問題もある。
さらに、標識剤に用いられる希土類金属錯体は、タンパク質などの標識される物質と結合しうる基を有していることが必要であるが、従来、隠し印刷インクや樹脂の着色等に用いられている希土類金属錯体は、標識される物質と結合しうる基を有していないために、そのままでは標識剤としては用いることができない。
【0007】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、同じ配位子で、赤、緑、青の光の3原色である蛍光色を出すことが可能な種々の金属イオンの錯体が形成しうる希土類金属系の発光材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は、水溶液中でも、蛍光の失活が生じることなく、そのまま水溶性インク組成物とすることができるばかりでなく、標識剤としても使用することができる希土類金属系の発光材料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンジアミン四酢酸と5−ホルミルサリチル酸が配位した希土類金属錯体が、優れた蛍光強度を有する発光材料であり、しかもその希土類金属を代えるだけで、多色化が可能となるという知見を得た。また、該希土類金属錯体は、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水に極めて溶けやすく、しかも、水溶液中での失活が起こらないことが判明した。
【0009】
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1]下記の一般式(1)
【化1】

(式中、Lnは、イットリウム及びランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を示し、Mは一価の陽イオンを示す。)で表される希土類金属錯体。
[2][1]の希土類金属錯体を有効成分とする蛍光発光材料。
[3]少なくとも、[1]の希土類金属錯体と、該希土類金属錯体を溶解する溶剤を含有することを特徴とするインク組成物。
[4][1]の希土類金属錯体を有効成分とする蛍光標識剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の希土類金属錯体は、優れた蛍光強度を有する発光材料であり、しかもその希土類金属を代えるだけで、多色化が可能となる。また、本発明の該希土類金属錯体は、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水に極めて溶けやすく、しかも、水溶液中での失活が起こらないために、そのまま蛍光インクとして使用可能であり、さらに、配位子にホルミル基を有しているので、タンパク質のアミノ基とシッフ塩基を形成することが可能であることから、タンパク質の蛍光標識剤として用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の希土類金属錯体は、下記の一般式(I)
【化1】

前記一般式(I)において、Lnは、その中心金属元素である希土類金属を表し、Mはナトリウムイオンなどの一価の陽イオンを表す。希土類金属元素Lnについては、特に制限されず、イットリウム及びランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属元素であって、例えば、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等が挙げられ、好ましくは錯体が赤色の蛍光を示すユウロピウムや、錯体が緑色の蛍光を示すテルビウムや、錯体が青色の蛍光を示すイットリウム、ランタン、ルテチウムなどが用いられる。
【0012】
本発明の蛍光希土類金属錯体は、以下のようにして容易に製造することができる。
すなわち、一般式(2)で示される希土類金属塩と一般式(3)で示されるエチレンジアミン四酢酸或いはそのアルカリ金属塩と一般式(4)で示される5−ホルミルサリチル酸或いはそのアルカリ金属塩とを、アルカリ条件下で化学当量比或いはその近くで反応させればよい。
【0013】
【化2】

【0014】
このような反応に用いられるLnXとしては、イットリウムトリフラート、ユウロピウムトリフラート、テルビウムトリフラート等の希土類金属トリフラート、Ln(CHCOO)で表される希土類金属酢酸塩等が挙げられる。
また、LnXに代えて他の希土類金属塩、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いることができる。
【0015】
前記一般式(I)で表される希土類金属錯体は、それ自体無色に近い薄いクリーム色であり、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水に極めて溶けやすく、しかも、水溶液中での失活が起こらないために、そのまま蛍光インクとして使用可能である。すなわち、本発明の希土類金属錯体を有効成分とする蛍光体を用いてインク組成物を製造した場合は、透明性が高く、しかも印刷後の画像はほとんど無色であって、インクジェットプリンター用の蛍光インク組成物として良好なものが得られる。さらに、該希土類金属錯体は、配位子にホルミル基を有しているので、タンパク質のアミノ基とシッフ塩基を形成することが可能であることから、タンパク質の蛍光標識剤として用いることができる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
〈ユウロピウム錯体の合成及びその蛍光特性1〉
酢酸ユウロピウム四水和物(Eu(CHCOO)・4HO)2.01g(5mmol)を純水35mlに溶かした。この溶液に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物1.87g(5mmol)に純水34mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、10分間、加熱攪拌した。次に、5−ホルミルサリチル酸0.84g(5mmol)に純水17mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、さらに10分間、加熱攪拌した。この溶液を約10mlまで濃縮した後、50度に加熱したエタノール80mlに、攪拌しながらゆっくり滴下したところ、沈殿物が生成した。沈殿物をろ別し、冷メタノールで洗浄したのち、乾燥した。
このようにして、下記のユウロピウム錯体(C181612EuNa・0.5COH・HO)3.12gを得た。収率は88%であった。
【0017】
【化3】

【0018】
ユウロピウム錯体の元素分析結果は、計算値(C:32.08%、H:2.98%、N:3.94%)に対して、測定値(C:31.95%、H:3.20%、N:3.85%)であった。
ユウロピウム錯体の赤外線吸収スペクトルの主なピークは、1599.66、1494.56、1433.82、1411.64、1342.21、1303.64、1261.22、1198.54、1138.76、1099.23、923.736、845.633、818.634、711.604cm−1に観測された。
ユウロピウム錯体の固体サンプルの蛍光量子収率を積分球付の分光蛍光光度計で測定したところ、0.034という値を示した。固体サンプルで測定した蛍光寿命は、0.54msであった。
ユウロピウム錯体の固体の蛍光スペクトルは、図1に示した通りであり、316nmで励起したときに、蛍光スペクトルのピークは617nmに観測された。
ユウロピウム錯体は、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水への溶解性が極めて高く、水溶性のインクジェット用のインクとして用いることが可能である。また、水溶性であることから、生体成分の蛍光標識剤としても有用であることがわかった。
【0019】
(実施例2)
〈ユウロピウム錯体の合成及びその蛍光特性2〉
ユウロピウムトリフラート(Eu(CFSO)3.01g(5mmol)に純水35mlを加えて加熱攪拌した。この溶液に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物1.87g(5mmol)に純水25mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、10分間、加熱攪拌した。次に、5−ホルミルサリチル酸0.84g(5mmol)に純水20mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、さらに10分間、加熱攪拌した。この溶液を約10mlまで濃縮した後、50度に加熱したエタノール80mlに、攪拌しながらゆっくり滴下したところ、沈殿物が生成した。沈殿物をろ別し、冷メタノールで洗浄したのち、乾燥した。
このようにして、ユウロピウム錯体(C181612EuNa・0.5COH・HO)3.40gを得た。収率は96%であった。
【0020】
ユウロピウム錯体の赤外線吸収スペクトルの主なピークは、1599.66、1494.56、1433.83、1414.32、1343.18、1305.57、1262.18、1200.47、1143.93、1100.19、924.700、845.597、819.598、712.560cm−1に観測され、実施例1のユウロピウム錯体と同一の化合物であることがわかった。
また、ユウロピウム錯体の蛍光特性は、実施例1のユウロピウム錯体と同じであった。
【0021】
(実施例3)
〈テルビウム錯体の合成及びその蛍光特性1〉
酢酸テルビウム四水和物(Tb(CHCOO)・4HO)2.05g(5mmol)を純水35mlに溶かした。この溶液に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物1.87g(5mmol)に純水23mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、10分間、加熱攪拌した。次に、5−ホルミルサリチル酸0.84g(5mmol)に純水17mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、さらに10分間、加熱攪拌した。この溶液を約10mlまで濃縮した後、50度に加熱したエタノール80mlに、攪拌しながらゆっくり滴下したところ、沈殿物が生成した。沈殿物をろ別し、冷メタノールで洗浄したのち、乾燥した。
このようにして、下記のテルビウム錯体(C181612TbNa・0.5COH・HO)3.14gを得た。収率は87%であった。
【0022】
【化4】

【0023】
テルビウム錯体の元素分析結果は、計算値(C:31.64%、H:2.94%、N:3.88%)に対して、測定値(C:31.63%、H:3.05%、N:3.88%)であった。
テルビウム錯体の赤外線吸収スペクトルの主なピークは、1602.56、1494.56、1434.78、1408.75、1340.28、1303.64、1261.22、1198.54、1139.72、1101.15、925.664、845.633、819.598、712.569cm−1に観測された。
テルビウム錯体の固体サンプルの蛍光量子収率を積分球付の分光蛍光光度計で測定したところ、0.416という値を示し、強蛍光体であることが判明した。固体サンプルで測定した蛍光寿命は、1.25msであった。
テルビウム錯体の固体の蛍光スペクトルは、図2に示した通りであり、366nmで励起したときに、蛍光スペクトルのピークは545nmに観測された。
テルビウム錯体は、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水への溶解性が極めて高く、水溶性のインクジェット用のインクとして用いることが可能である。また、水溶性であることから、生体成分の蛍光標識剤としても有用であることがわかった。
【0024】
(実施例4)
〈テルビウム錯体の合成及びその蛍光特性2〉
テルビウムトリフラート(Tb(CFSO)3.04g(5mmol)に純水35mlを加えて加熱攪拌した。この溶液に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物1.87g(5mmol)に純水25mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、10分間、加熱攪拌した。次に、5−ホルミルサリチル酸0.84g(5mmol)に純水20mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、さらに10分間、加熱攪拌した。この溶液を約10mlまで濃縮した後、50度に加熱したエタノール80mlに、攪拌しながらゆっくり滴下したところ、沈殿物が生成した。沈殿物をろ別し、冷メタノールで洗浄したのち、乾燥した。
このようにして、ユウロピウム錯体(C181612EuNa・0.5COH・HO)3.25gを得た。収率は90%であった。
【0025】
テルビウム錯体の赤外線吸収スペクトルの主なピークは、1600.63、1494.56、1434.78、1408.75、1340.28、1304.61、1262.18、1199.51、1140.69、1101.15、925.664、846.597、822.606、712.569cm−1に観測され、実施例3のテルビウム錯体と同一の化合物であることがわかった。
また、テルビウム錯体の蛍光特性は、実施例3のテルビウム錯体と同じであった。
【0026】
(実施例5)
〈イットリウム錯体の合成及びその蛍光特性〉
イットリウムトリフラート(Y(CFSO)2.67g(5mmol)に純水35mlを加えて加熱攪拌した。この溶液に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物1.86g(5mmol)に純水25mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、10分間、加熱攪拌した。次に、5−ホルミルサリチル酸0.83g(5mmol)に純水20mlと1Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて溶かした溶液を加えて、さらに10分間、加熱攪拌した。この溶液を約10mlまで濃縮した後、50度に加熱したエタノール80mlに、攪拌しながらゆっくり滴下したところ、沈殿物が生成した。沈殿物をろ別し、冷メタノールで洗浄したのち、乾燥した。
このようにして、下記のイットリウム錯体(C181612YNa・2HO)2.80gを得た。収率は87%であった。
【0027】
【化5】

【0028】
イットリウム錯体の元素分析結果は、計算値(C:33.45%、H:3.12%、N:4.34%)に対して、測定値(C:33.62%、H:3.06%、N:4.22%)であった。
イットリウム錯体の赤外線吸収スペクトルの主なピークは、1604.48、1492.63、1436.71、1402.96、1335.46、1295.93、1262.18、1201.43、1145.56、1104.05、932.414、848.525、713.533cm−1に観測された。
イットリウム錯体の固体の蛍光スペクトルは、図3に示した通りであり、320nmで励起したときに、蛍光スペクトルのピークは464nmに観測された。
イットリウム錯体は、3−という高い電荷を有していることから、極性溶媒である水への溶解性が極めて高く、水溶性のインクジェット用のインクとして用いることが可能である。また、水溶性であることから、生体成分の蛍光標識剤としても有用であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ユウロピウム錯体の固体の蛍光スペクトルを示す図。
【図2】テルビウム錯体の固体の蛍光スペクトルを示す図。
【図3】イットリウム錯体の固体の蛍光スペクトルを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)
【化1】

(式中、Lnは、イットリウム及びランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を示し、Mは一価の陽イオンを示す。)で表される希土類金属錯体。
【請求項2】
請求項1に記載された希土類金属錯体を含有する蛍光発光材料。
【請求項3】
請求項1に記載の希土類金属錯体と該希土類金属錯体を溶解する溶剤を含有するインク組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の希土類金属錯体を含有する蛍光標識剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−292748(P2009−292748A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145924(P2008−145924)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】