説明

帯電装置及びそれを備える画像形成装置

【課題】静電潜像担持体を帯電させるときに発生するオゾン、NOx等を原因とする帯電装置及び当該帯電装置周辺等の部品の劣化を抑制し、さらに、放電電極への異物の付着の抑制することで、安定した帯電特性を得ることが可能な画像形成装置用の帯電装置を提供する。
【解決手段】本発明の帯電装置1は、放電電極2と、上記放電電極2を格納する筐体3とを備えており、上記筐体3には、第1の開口部10が設けられており、上記第1位の開口部10の開口面の面積は、上記放電電極2を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体3の断面の面積より小さく、上記筐体3には、上記第1の開口部10とは異なる位置に、第2の開口部11がさらに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置及びそれを画像形成装置に関するものである。さらに詳しくは、電子写真方式の画像形成を行なうために、静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電装置及びそれを備える画像形成装置に関するものである
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム等の静電潜像担持体の帯電装置として、コロナ帯電器が広く利用されてきた。コロナ帯電器としては、放電電極、ケース、及びグリッド電極から構成されるスコロトロン方式のコロナ帯電器(以下、「スコロトロン帯電器」と表記する)が最も一般的である。一般に用いられているスコロトロン帯電器は、その放電開口部にグリッド電極を有しており、当該グリッド電極を挟んで当該放電開口部が静電潜像担持体に対向するように、当該スコロトロン帯電器を非接触に配設することで、放電開口部から放出されるイオンを静電潜像担持体の表面に供給して、当該表面を所定の極性・電位に一様に帯電させるものである。また、スコロトロン帯電器では、放電電極として、直径φ30〜100μmのタングステンワイヤー電極又は針状の電極を複数個配列したノコ歯電極が用いられている。
【0003】
しかし、スコロトロン帯電器は、高圧電源によるコロナ放電を原理とするため、多量のオゾン及びNOxが発生するという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1では画像形成部から発生したオゾン、NOxを回収する画像形成装置が開示されている。
【0005】
図9は特許文献1に記載の画像形成装置の構造を模式的に示す斜視図であり、図10は特許文献1に記載の画像形成装置の排気系による空気の流れを示す図である。
【0006】
図9に示すように、特許文献1に係る画像形成装置201は、帯電器202・・・の周囲に排気ダクト203・203が配置されている。排気ダクト203・203は、フィルタ204及び排気ファン205を備えている。また、図10に示すように、排気ダクト203には、開口206が設けられている。
【0007】
帯電器202から放出されたオゾンやNOxは、排気ファン205の吸引力により、開口206を介して排気ダクト203内に導かれる。排気ダクト203内に導かれたオゾンやNOxは、排気ファン205によりフィルタ204を介して排出される。フィルタ204としては、オゾン分解フィルタやNOx分解フィルタが用いられており、これにより画像形成装置外にオゾンやNOxが放出されることを防ぐ。
【特許文献1】特開平8−171317号公報(1994年12月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、帯電装置、及び、帯電装置の周辺に配置された部品が、放電電極周辺で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスによって劣化するという問題や、放電電極に異物が付着しやすいという問題を生じる。
【0009】
特許文献1に係る画像形成装置201では、帯電器202内部で大量に発生したオゾン及びNOxのうち、帯電器202の外部に出たものを吸引することで回収している。
【0010】
これでは、帯電器202周辺に設置されている部品がオゾンやNOxに曝露される。例えば、感光体が酸化性の高いオゾン及び/又はNOxに曝露されることで、感光体ドラムの表面が酸化して、メモリー特性が悪化する。
【0011】
さらに、NOxは大気中の水分と反応して硝酸となるため、帯電器202を構成する部品であるグリッド電極(図示せず)等の金属材料が当該硝酸によって腐食される。この腐食を抑制する対策として、金属材料を腐食抑制材料でコーティングすることも考えられるが、高コストとなる。
【0012】
また、図10に示すように、帯電器202の開口部は広く形成されている。これでは、シリカ等の、画像形成装置内に浮遊する異物が放電電極等に付着しやすくなる。そのため、帯電斑や帯電速度の減少等が生じ、帯電特性が悪化する。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電潜像担持体を帯電させるときに放電電極の周辺で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスによる帯電装置及び当該帯電装置周辺等の部品の劣化を抑制し、さらに、放電電極への異物の付着の抑制することで、安定した帯電特性を得ることが可能な画像形成装置用の帯電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る帯電装置は、上記課題を解決するために、放電電極と、上記放電電極を格納する筐体とを備えており、上記筐体には、第1の開口部が設けられており、上記第1の開口部の開口面の面積は、上記放電電極を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体の断面の面積より小さく、上記筐体には、上記第1の開口部とは異なる位置に、第2の開口部がさらに設けられていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、上記筐体に設けられた上記第1の開口部から、上記放電電極によって生じる電荷が放出されるため、静電潜像担持体を帯電させるために必要な電荷を上記第1の開口部から抽出することができる。一方、上記第1の開口部の開口面の面積が、放電電極の周囲の筐体の断面の面積より小さくなるように構成されている。これにより、上記筐体は、上記放電電極の周囲に形成される、オゾン、NOx等の汚染ガスの発生領域を囲うように、上記放電電極の周囲に存在する。従って、当該発生領域から発生する汚染ガスを筐体内に閉じ込めることができる。また、上記第1の開口部の開口面の面積が小さいことにより、上記放電電極周辺で発生するイオン風の流れが遮られ、汚染ガスがイオン風によって第1の開口部から漏れることを防ぐことができる。従って、帯電装置の第1の開口部の外に配置されるグリッド電極等の部品や、帯電装置の周辺に配置される部品が汚染ガスにより劣化することを防ぐことができる。
【0016】
さらに、上記第1の開口部とは別に、上記第2の開口部を設けることにより、上記第2の開口部から、上記筐体内で発生する汚染ガスを回収することができる。これにより、上記第1の開口部から汚染ガスが漏れることを、さらに効果的に防ぐことができる。また、上記放電電極を長時間使用し続け、上記筐体内に閉じ込めることが不可能な量の汚染ガスが発生した場合でも、上記第2の開口部から汚染ガスを回収できる。よって、長時間安定した帯電特性を得ることができる。
【0017】
また、上記放電電極は上記筐体によって囲われているため、上記帯電装置周辺に浮遊する異物が上記放電電極に付着することを防ぐことができる。
【0018】
よって、上記放電電極周辺で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスを上記筐体内に閉じ込めて、帯電装置及び帯電装置周辺に配置された部品が汚染ガスにより劣化することを防ぎ、さらに、放電電極に異物が付着することを抑制して長期間安定した帯電特性を得ることができる帯電装置を提供することができるという効果を奏する。
【0019】
本発明に係る帯電装置では、上記第1の開口部の開口面の面積は、上記開口面に平行な方向の、上記放電電極の断面の面積より小さいことがより好ましい。
【0020】
上記第1の開口部の開口面の面積が微小であることにより、汚染ガスが第1の開口部から漏れることを、さらに効果的に防ぐことができるというさらなる効果を奏する。
【0021】
また、オゾンは、上記放電電極の周囲で発生するため、そのオゾン発生領域の開口面に平行な方向の断面積は、上記放電電極の断面積よりも大きい。そのため、上記第1の開口部の開口面の面積が、上記放電電極の断面積よりも小さいものであれば、上記放電電極から上記第1の開口部の方向のオゾンの流れを制約して遮ることができ、第1の開口部から漏れ出すオゾンの量を抑制することができる。
【0022】
本発明に係る帯電装置は、上記第1の開口部はスリット状に形成されており、上記放電電極は線状に形成され、上記放電電極の長さ方向が、上記第1の開口部の長さ方向に平行になるように、上記筐体内に格納されていることがより好ましい。
【0023】
上記放電電極の長さ方向が、上記第1の開口部の長さ方向に平行であることにより、上記第1の開口部から、その長さ方向に均一に電荷が放出される。よって、帯電電位の均一性を向上させることができるというさらなる効果を奏する。
【0024】
本発明に係る帯電装置では、上記第1の開口部は、上記第2の開口部より流路抵抗が大きいことがより好ましい。
【0025】
上記第1の開口部は、上記第2の開口部より流路抵抗が大きいことにより、上記放電電極周辺で発生する汚染ガスは、上記第2の開口部に向けて流れる。よって、さらに効果的に上記第2の開口部による汚染ガスを回収することができるというさらなる効果を奏する。
【0026】
本発明に係る帯電装置では、さらに、上記第2の開口部には管部が連結されており、上記管部には、上記筐体内で汚染ガスが発生して、上記第2の開口部及び上記管部を介して当該汚染ガスが搬送されたときに、当該汚染ガスを処理するためのガス処理手段が連結されていることがより好ましい。
【0027】
上記ガス処理手段によって汚染ガスを無害化して、帯電装置外に放出することができるというさらなる効果を奏する。
【0028】
特に、オゾンは人体に対して有害であるため、画像形成装置では、その発生量をできるだけ低減しなければならない。例えば、ドイツの環境保護を目的としたエコラベルBlue Angel Markが付された製品では、オゾン発生量が定量的に制限されている。
【0029】
上記の構成に係る帯電装置を採用して画像形成装置を製造することで、このような問題を解決した、オゾン等の汚染ガスの排出量が少ない画像形成装置を提供することができるというさらなる効果を奏する。
【0030】
本発明に係る帯電装置では、上記第2の開口部を介して上記汚染ガスを吸引するガス吸引手段をさらに備えることがより好ましい。
【0031】
上記ガス吸引手段が、上記筐体内の気体を吸引することで、さらに効果的に上記第2の開口部による汚染ガスを回収することができるというさらなる効果を奏する。
【0032】
また、上記筐体内の気体が吸引されることで、オゾン、NOxの発生源である酸素の量が低下する。よって、オゾン、NOxの発生を予め抑制することができるというさらなる効果を奏する。
【0033】
また、上記筐体内の気体が吸引されて、上記筐体内の気圧が下がる。一般に低圧下では、安定した放電状態を維持できるため、さらに長時間安定した帯電特性を得ることができる帯電装置を提供することができるというさらなる効果を奏する。
【0034】
本発明に係る帯電装置では、上記汚染ガスに対して反応性を有する反応性ガスを混合する反応性ガス混合手段をさらに備え、上記ガス処理手段は、上記汚染ガスと上記反応性ガスとを反応させることにより、上記汚染ガスを処理する手段であることとがより好ましい。
【0035】
上記反応性ガスと汚染ガスとを反応させることで、汚染ガスを分解して除去することができるというさらなる効果を奏する
特に、上記反応性ガスとして、当該帯電装置を採用した画像形成装置内で発生する揮発性有機化合物(以下「VOC」と表記する)を用いることで、VOCと、オゾンやNOxとが反応して二酸化炭素及び窒素が生成される。これにより、帯電装置で発生するオゾンやNOxを無害化するのみでなく、当該帯電装置を備えた画像形成装置内で発生するVOCも除去することができるというさらなる効果を奏する。
【0036】
本発明に係る帯電装置では、上記筐体の内壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されていることがより好ましい。
【0037】
上記筐体内において放電が起こる領域が、上記導電材料と上記放電電極との間の領域周辺に限られる。よって、汚染ガスが発生する領域も限定され、より効果的に上記筐体内に汚染ガスを閉じ込めることができるというさらなる効果を奏する。
【0038】
また、放電電極に対して、対向電極(導電材料)が近い位置に設けられることになるため、放電に必要な電圧を低下させることができ、上記放電電極が長寿命となる。よって、さらに長期間安定した帯電特性を得ることができるというさらなる効果を奏する。
【0039】
本発明に係る帯電装置では、上記筐体の内壁の少なくとも一部は、半導電材料で形成されていることがより好ましい。
【0040】
半導電材料を用いることによって、当該半導電材料に付着した電荷によって反発電界が生じる。そして、当該反発電界によって、さらに電荷が筐体の内壁に付着することを防ぐことができ、第1の開口部から電荷を供給する効率をさらに向上させることができるというさらなる効果を奏する。
【0041】
また、上記筐体内において放電が起こる領域が、上記半導電材料と上記放電電極との間の領域周辺に限られる。よって、汚染ガスが発生する領域も限定され、より効果的に上記筐体内に汚染ガスを閉じ込めることができるというさらなる効果を奏する。
【0042】
本発明に係る帯電装置では、上記筐体の外壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されていることがより好ましい。
【0043】
上記導電材料に電圧を印加することにより、上記筐体の外壁で非定常的に発生する微弱放電を防止することができるというさらなる効果を奏する。
【0044】
本発明に係る帯電装置では、上記筐体内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段をさらに備えることがより好ましい。
【0045】
上記筐体内壁に水蒸気が付着することで、上記筐体内壁が導電化する。これにより放電状態が安定する。また、NOxは水に可溶であるため、上記筐体内のNOxを水分に溶解させて液体にすることができる。液体は気体よりも回収が容易であるため、より効率よく上記筐体内のNOxを回収することができるというさらなる効果を奏する。
【0046】
本発明に係る帯電装置では、上記筐体の外壁に付着した汚れを除去するための汚れ除去手段を備えることがより好ましい。
【0047】
上記汚れ除去手段により上記筐体の外壁に付着した汚れを除去することができる。よって、長期間安定した帯電特性を得ることができるというさらなる効果を奏する。
【0048】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記の本発明に係る帯電装置を備えることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、本発明に係る帯電装置を備えているため、静電潜像担持体等の上記帯電装置周辺に配置された部品が、上記帯電装置内で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスにより劣化することを抑制することができる。
【0050】
よって、長期間、安定した帯電特性を得ることができる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【0051】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、放電電極と、上記放電電極を格納する筐体とを備えており、上記筐体には、第1の開口部が設けられており、上記第1の開口部の開口面の面積は、上記放電電極を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体の断面の面積より小さく、上記筐体には、上記第1の開口部とは異なる位置に、第2の開口部がさらに設けられており、上記筐体の外壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されている帯電装置を備え、さらに上記導電材料に電圧を印加する電圧供給手段と、当該導電材料に印加される電圧を制御する電圧制御手段を備えることを特徴としている。
【0052】
上記の構成によれば、本発明に係る帯電装置を備えているため、静電潜像担持体等の上記帯電装置周辺に配置された部品が、上記帯電装置内で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスにより劣化することを抑制することができる。
【0053】
さらに、上記筐体の外壁に電圧を印加して、さらに当該電圧を制御することで、上記筐体内の電界を制御することができる。これにより、上記第1の開口部から上記静電潜像担持体に供給される電荷の量を高精度に制御することができる。
【0054】
よって、長期間、安定した帯電特性を得ることができ、さらに、静電潜像担持体の帯電電位を高精度に制御可能な画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0055】
本発明に係る帯電装置は、以上のように、放電電極と、上記放電電極を格納する筐体とを備えており、上記筐体には、第1の開口部が設けられており、上記第1の開口部の開口面の面積は、上記放電電極を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体の断面の面積より小さく、上記筐体には、上記第1の開口部とは異なる位置に、第2の開口部がさらに設けられているので、静電潜像担持体を帯電させるときに発生するオゾン、NOx等の汚染ガスを帯電装置が備える筐体内に閉じ込めて、帯電装置及び帯電装置周辺に配置された部品が汚染ガスにより劣化することを防ぎ、さらに、放電電極に異物が付着することを抑制して長期間安定した帯電特性を得ることができる帯電装置を提供することができるという効果を奏する。ひいては、長期間、安定した帯電特性を得ることができる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の他の形態について図1〜3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0057】
まず、後述する帯電装置1を備えた画像形成装置の構造について説明する。図1は本実施の形態に係る画像形成装置100の構造を模式的に示す断面図である。
【0058】
本実施の形態の画像形成装置100は、図1に示すように、原稿読取部110、画像形成部120、後処理装置160、及び給紙部170を備えている。
【0059】
原稿読取部110は、透明ガラスからなる原稿台111、原稿読取部110の上方に配置される自動原稿搬送装置112、及び原稿台111に載置された原稿の画像を読み取る光学系ユニットを備えている。自動原稿搬送装置112には、ジョブの入力や画像形成内容の設定等のユーザから入力操作を受け付ける操作パネルが配置されている。
【0060】
上記光学系ユニットは、原稿台111の下方に配置されており、第1の走査ユニット113、第2の走査ユニット114、光学レンズ115、及び光電変換素子であるCCDラインセンサ116を備えている。また、第1の走査ユニット113は露光ランプユニット及び第1ミラーにより構成されている。第2の走査ユニット114は第2ミラー及び第3ミラーにより構成されている。
【0061】
画像形成部120は、画像形成ユニット、スイッチバック路121、定着ユニット123、及び排紙ローラ124を備えている。上記画像形成ユニットは、後で詳述する帯電装置1、像担持体としての感光体ドラム15、露光装置としての光書込装置127、感光体ドラム15上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像ユニット122、感光体ドラム15表面に形成されたトナー像を用紙に転写するチャージャ方式の転写器125、用紙を除電して感光体ドラム15から剥離し易くする除電器128、余分なトナーを回収するクリーニング器126を備えている。
【0062】
後処理装置160は画像形成部120の側面に連結されている。また、後処理装置160には、トレイ161が設けられている。
【0063】
給紙部170は、画像形成部120の下方に設けられている。給紙部170は用紙カセット151・152・153、手差しトレイ154、及び両面ユニット155から構成されている。
【0064】
次に画像形成装置100の動作について説明する。
【0065】
まず、自動原稿搬送装置112が、原稿セットトレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿台111上へ給送する。なお、自動原稿搬送装置112は、原稿カバーとしても機能する。
【0066】
原稿台111上に載置された原稿の画像は、光学系ユニットによって走査して読み取られる。つまり、第1の走査ユニット113を構成する上記露光ランプユニットから原稿に対して光が照射され、原稿から反射された光が第1ミラーによって第2の走査ユニット114に導かれる。第2の走査ユニット114では、上記第1ミラーから導かれた反射光を上記第2ミラー及び第3ミラーによってCCDラインセンサ116に導く。当該反射光は、光学レンズ115によってCCDラインセンサ116上に結像される。CCDラインセンサ116は当該反射光を光電変換して画像データを生成する。なお、この画像データは、図示しない画像処理部を介して、画像形成部120に出力される。
【0067】
一方、給紙部170では、用紙カセット151〜153、及び手差しトレイ154の内いずれかに格納された用紙が、上述の操作パネルに入力された指示に基づいて、搬送ユニット150を介して画像形成部120に搬送される。
【0068】
画像形成部120では、上記画像データに基づいて、帯電装置1、光書込装置127、現像ユニット122、転写器125、除電器128、及びクリーニング器126によって、それぞれ、帯電処理、露光処理、現像処理、転写処理、除電処理、及び清掃処理が行われる。なお、画像形成処理時には、感光体ドラム15は周速170mm/sで回転駆動される。
【0069】
ここで、上記帯電処理は、後述する帯電装置1により行なわれるため、感光体ドラム15等の帯電装置1周辺に配置されている各部品は、帯電装置1内で発生するオゾン、NOx等の汚染ガスに曝露されることが無い。よって、汚染ガスによって劣化することなく、長期間安定した品質で画像形成を行なうことができる。
【0070】
また、上記転写処理によって、上記画像データに基づいた未定着の現像剤像が、用紙の表面に転写される。当該用紙は上述のように給紙部170から搬送されたものである。
【0071】
その後、現像剤像が転写された用紙は、用紙搬送路における画像形成位置の下流側に配置されている定着ユニット123に導かれ、定着ユニット123によって、用紙上の未定着の現像剤像が加熱及び加圧され用紙に定着する。
【0072】
なお、現像剤像が定着された用紙の裏面にさらに画像形成を行なう場合は、スイッチバック路121によって当該用紙の前後が反転され、両面ユニット155によって、裏表が反転された後、再度画像形成部120に搬送される。
【0073】
画像が形成された用紙には、上記操作パネルに入力された指示に応じて、適宜後処理装置160でステープル処理等の後処理が行なわれ、その後、トレイ161上に当該用紙が排出される。
【0074】
なお、本実施の形態では、本発明に係る画像形成装置として、電子写真方式のディジタル複写機について説明したが、本発明に係る画像形成装置は必ずしもこれに限らず、例えば、電子写真方式であればプリンタやファクシミリについても適用が可能である。
【0075】
(帯電装置1の構造)
次に、図2を用いて、本発明に係る画像形成装置の中で、本発明の最も特徴的な要素である帯電装置1の構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る帯電装置1の概略構成を示す断面図であり、帯電させる対象である感光体ドラム15も示している。
【0076】
図2に示すように、帯電装置1は、放電電極2、筐体3、排気管4(管部)、ガスフィルタ7(ガス処理手段)、排気ファン8(ガス吸引手段)、グリッド電極16を備えている。
【0077】
放電電極2は、筐体3内に格納されている。放電電極2の、電荷を放出する側の先端9とは逆側の先端は、フック状に形成されている。そして、当該フック状の領域が、筐体3の、後述する排気口11(第2の開口部)にひっかかるように配置されており、排気口11に連結している後述のジョイント部5の内壁面と、筐体3の外壁面との間に挟まれて固定されている。また、放電電極2は、高圧電源12に電気的に接続されている。
【0078】
本実施の形態では、放電電極2としてワイヤー状(線状)の部材を用いた場合について説明するが、鋸歯状等であってもよく、特に限定されるものではない。また、放電電極2の材質は、先端が導電性材料で形成されていればよく、特に限定されるものではないが、金、白金等の耐酸化性の強い材料であることが好ましい。放電電極2周辺でオゾンやNOx等の酸化性の強い汚染ガスが大量に発生するためである。本実施の形態では、放電電極2の材質として金を用いた場合について説明する。
【0079】
また、放電電極2として、先端9の形状が曲率半径25μmで先鋭のものを使用する場合について説明する。放電電極の先端の形状はこれに限定されるものではないが、曲率半径が0.5μm以上500μm以下であり、先鋭のものが好ましい。
【0080】
筐体3は、円柱状構造に円錐状構造が連結した形状をしている。上記円柱状構造は放電電極2を囲うように形成されている。上記円錐状構造は上記円柱状構造より感光体ドラム15に近い側に位置しており、当該円錐状構造の先端が感光体ドラム15に近い側に位置するように形成されている。
【0081】
また、筐体3には、上記放電電極2で生成された電荷を感光体ドラム15に対して供給するための電荷供給口10(第1の開口部)、及び、筐体3内で発生する汚染ガスを筐体3外に排気するための排気口11が形成されている。電荷供給口10は、筐体3の、放電電極2と後述するグリッド電極16との間の位置に形成されている。具体的には、電荷供給口10は上記円錐状構造の先端に形成されている。つまり、電荷供給口10は、放電電極2から放出される電荷が感光体ドラム15に照射されるように、その開口面が感光体ドラム15の表面に対向するように形成されている。また、排気口11は、放電電極2からグリッド電極までの電荷の通る経路を遮らない位置に設けている。つまり、電荷の放電電極2と後述するグリッド電極16との間に位置しない箇所、換言すれば、放電電極2の先端から見てグリッド電極16とは反対の位置に形成されている。このような電荷供給口10と排気口11との位置関係により、電荷は電荷供給口10のみから供給され、排気口11から電荷が漏れることなく汚染ガスを回収できるため、効率よく汚染ガスを排気口11から回収することができる。
【0082】
電荷供給口10の開口面の面積は、当該開口面に平行な方向であって放電電極2を通る筐体3の断面積より小さく形成されている。これにより放電電極2周辺で生成したガスが電荷供給口10から漏れることを防ぐことができる。具体的には、上記筐体の円柱状構造部分の断面は、直径0.8mmの円形であり、当該断面の面積は、0.16πmmとなる。後述の通り、電荷供給口10の開口面は、直径1μmの円形であるため、当該断面の面積に比べて極めて小さく形成されている。なお、図2に示すように、放電電極2の先端9を含む領域の一部は、上記円錐状構造にも囲われているが、当該領域はわずかであり、電荷供給口10の開口面の面積は、先端9を通り電荷供給口10の開口面に平行な筐体3の断面積よりも充分小さく形成されている。
【0083】
電荷供給口10の開口面は直径を1μmの円形である。本発明に係る帯電装置が有する電荷供給口の開口面の形状は、これに限定されるものではないが、排気口11の開口面の面積より小さいことが好ましい。その形状は円形に限られるものではなくスリット状等でもよい。また、当該開口面の面積は、当該開口面に平行な方向であって放電電極2を通る筐体3の断面積より小さい限り限定されるものではないが、開口面に平行な方向の、放電電極2の断面の面積より小さいことが好ましい。また、当該開口面は、直径0.5μm以上500μm以下の円形であることが好ましい。
【0084】
また、排気口11の開口面は直径0.8mmの円形とした。このように本発明に係る帯電装置が有する排気口の開口面の面積は、電荷供給口の開口面の面積より大きくなるように形成することが好ましく、具体的には10倍以上10000倍以下の面積とすることが好ましい。
【0085】
また、筐体3の材質は、オゾンやNOxに対して劣化しない材料であれば限定されるものではない。例えば、金、白金等の耐酸化性の金属、或いは、シリカ、アルミナ成分を含む酸化物等の材料が好適に用いられ、本実施の形態では筐体3の材質としてシリカを採用している。
【0086】
排気管4は、ジョイント部5及び配管6から構成されている。そしてジョイント部5は排気口11に連結している。配管6は、その流路の途中でガスフィルタ7と接続しており、さらに末端で排気ファン8と接続している。
【0087】
ガスフィルタ7は、二酸化マンガンを主成分とする触媒から形成されたフィルタ及び酸化チタンを主成分とする触媒から形成されたフィルタの2種類のフィルタによって形成されている。二酸化マンガンを主成分とする触媒はオゾンを分解することができ、酸化チタンを主成分とする触媒はNOxを分解することができる。なお、オゾンを分解する触媒、及び、NOxを分解する触媒としては、これらに限られるものではなく、従来公知の触媒を用いればよい。
【0088】
帯電装置1は、さらに、電荷供給口10と感光体ドラム15との間に、電位制御用電極としてグリッド電極16を備えている。グリッド電極16によって、電荷供給口10から放出される電荷を所望の位置に導いて供給することができる。換言すれば、グリッド電極16によって、電荷供給口10から電荷を抽出することができる。グリッド電極16の代わりに、従来公知の電位制御用電極を用いでもよいが、本実施の形態では、材質をステンレスとし、80%以上99.5%以下の開口率で開口孔が形成されたグリッド電極を用いている。なお、グリッド電極16は高圧電源17に電気的に接続されている。
【0089】
(帯電装置1による感光体ドラム15の帯電)
次に、帯電装置1の動作について説明する。
【0090】
まず、高圧電源12から負の電圧(例えば−5kV)を印加すると、放電電極2の先端9に電界が集中して放電が生じる。そして、先端9の周辺には、先端9の形状に応じた広さでオゾン発生領域13及びイオン化領域14が形成され、オゾン発生領域13ではオゾンが発生し、イオン化領域14では気体イオン(電荷)が発生する。なお、大気中の電離エネルギーが12.2eV、オゾンの解離エネルギーが6eVであるため、先端9として曲率半径が0.5μm以上500μm以下のものを用いた場合には、先端9の周辺に半径0.6mm以下の範囲でオゾン発生領域13が形成され、半径0.2mm以下の範囲でイオン化領域14が形成される。なお、オゾン発生領域13とほぼ同じ範囲の領域でNOx等の汚染ガスも発生する。
【0091】
イオン化領域14で生成された電荷は、筐体3内で形成される電界の力を受けながら移動する。電界は、放電電極2とグリッド電極16との間の電位差により形成される。そのため、電荷は感光体ドラム15の方向に、当該感光体ドラム15の表面に対して垂直方向に移動する。なお、グリッド電極16には、放電電極2に印加された負の電圧より弱い負の電圧(例えば−650V)を印加する。
【0092】
放電電極2から感光体ドラム15の表面に向けて移動する電荷は、電荷供給口10から放出され、グリッド電極16に供給されるが、大半の電荷はグリッド電極16を通過して、感光体ドラム15の表面に付着する。これにより感光体ドラム15の表面が帯電する。なお、感光体ドラム15の表面における帯電電位の上限値は、グリッド電極16に印加した電圧となる。そのため、グリッド電極16に印加する電圧を調整することで、感光体ドラム15の表面を所望の帯電電位に帯電させることができる。
【0093】
(帯電装置1による汚染ガスの処理)
次に、放電電極2周辺で発生するオゾンやNOx等の汚染ガスの処理について説明する。
【0094】
上述のようにオゾン発生領域13は、放電電極2の先端9周辺に半径0.6mm以下の範囲で形成される。そして、オゾン発生領域13で発生する汚染ガスは電荷を保有していないため、上述した筐体3内の電界による影響を受けることが無い。そして、電荷供給口10の開口面の面積を微小に形成しているため、電荷供給口10から汚染ガスは極めて漏れにくい構造となっている。そのため、ここで発生した汚染ガスは、全て筐体3内に閉じ込められる。
【0095】
筐体3内の汚染ガスの流れは、筐体3内の空間における流路抵抗に応じて、形成されることとなる。ここで、上述のように、電荷供給口10の開口面の面積は、排気口11の開口面の面積より小さい。つまり、電荷供給口10の開口面は、排気口11の開口面より流路抵抗が大きい。そのため、筐体3内における汚染ガスの流れは、放電電極2から排気口11の方向に形成される。よって、筐体3で閉じ込めることが可能な量より、多い量の汚染ガスが発生しても電荷供給口10から漏れることを抑制できる。なお、放電電極2から電荷供給口10の方向にイオン風が発生する。しかし、上述のように電荷供給口10の開口面の直径を0.5μmと極めて微小にしているため、イオン風の速度は極めて微弱なものとなる。よって、イオン風に流されて電荷供給口10から漏れる汚染ガスは極めて微量であり周辺の部品に影響を及ぼす量ではない。
【0096】
さらに、帯電装置1は排気ファン8によって、筐体3内の気体を吸引するため、汚染ガスが電荷供給口10から漏れることをより効果的に抑制している。同時に、オゾンやNOxの発生源となる酸素を吸引して筐体3内から排除することができるため、オゾンやNOxの発生量自体を抑制することができる。さらに、筐体3内の気体が吸引されるため、筐体3内の気圧が下がる。一般に低圧下では、安定した放電状態を維持できるため、感光体ドラム15の帯電をより安定に行なうことができる。
【0097】
また、帯電装置1は、筐体3内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段をさらに備えてもよい。NOxは水に可溶であるため、筐体3内のNOxを水分に溶解させた上で、排気ファン8によって吸引させることにより、さらに効率よく筐体3内のNOxを除去することが可能となる。上記水蒸気供給手段としては、従来公知の方法、装置を用いて水蒸気を導入すればよいが、例えば、超音波霧化器、加熱水蒸気器等の装置を用いることができる。
【0098】
ここで、帯電装置1、及び、筐体3を用いなかった以外は帯電装置1と同様の構成を有する帯電装置(以下、単に「比較例」と標記する)の、オゾンの放出量を比較した。結果を図3に示す。図3は、帯電装置1及び比較例のオゾンの放出量を比較した結果を示す図であり、横軸は放電電極2に対して電圧の印加始めた後から経過した時間(min)を示し、縦軸に測定されたオゾン濃度(ppm)を示す。オゾンの測定は密閉された容積が約1m3のチャンバ内部で発生させ、その中に大気流入口と流出口を設け、ガス流出口にサーモエレクトロン製のオゾン濃度測定装置MODEL49Cで吸引しながらオゾン濃度を測定した。
【0099】
図3に示すように、本実施の形態に係る帯電装置1では放出されるオゾンの量を大幅に低減できることが示された。これは上述のように、発生したオゾンを筐体3が閉じ込めるためである。
【0100】
なお、帯電装置1は、筐体3で放電電極2を囲っているため、帯電装置1周辺に浮遊している、例えばトナー材料の微粒子等の異物が、放電電極2に付着することを防ぐことができる。放電電極2に異物が付着することを抑制することで、放電特性の悪化を防ぐことができ、長時間安定しで感光体ドラム15に電荷を供給することが可能となる。従来の帯電装置では、放電電極2に付着した異物を除去するために、クリーニング機構を設けることを必要としていた。このような従来のクリーニング機構は、帯電装置の放電電極に直接接触して異物を除去するものである。しかし、本実施の形態に係る帯電装置1では、このようなクリーニング機構を省くことができる。つまり、放電電極に接触して異物を除去する構成を省くことで、放電電極の形状を小さくすることが可能となる。放電電極の形状を小さくすると、放電安定性を高めることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、排気ファン8が帯電装置1の一部材である場合について説明したが、本発明に係る帯電装置を備えた画像形成装置内に、別途排気ファンが設けられているときは、当該帯電装置に設けた排気管を、この別途設けられている排気ファンに接続してもよい。
【0102】
以上述べたように、本実施の形態に係る帯電装置1では、放電電極2周辺で発生する電荷と、オゾン、NOx等の汚染ガスとを、筐体3内に閉じ込めた上で、電界を利用して電荷だけを電荷供給口より抽出して、感光体ドラムを帯電することができる。さらに、流路抵抗差を利用して汚染ガスだけを排気口11から排出した上で除去することで、オゾン、NOxの排出量を低減させた上で帯電を行なうことができる。
【0103】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとする。
【0104】
本実施の形態に係る帯電装置は、ガス混合管18(反応性ガス混合手段)を備え、ガスフィルタ7の代わりにガス加熱部19(ガス処理手段)を採用した以外は、実施の形態1で説明した帯電装置1と同じ構成である。そこで、図4を用いて、本実施の形態に係る帯電装置が備えるガス加熱部19周辺の構造及び機能について説明する。図4は、本実施の形態に係る帯電装置が備えるガス加熱部19周辺の構造を模式的に示した図である。
【0105】
図4に示すように本実施の形態に係る帯電装置は、排気管4内を流れる汚染ガスに、複写機の現像層又は紙搬送部等で発生したVOCを混合するためのガス混合管18が、排気管4に連結されている。
【0106】
また、排気管4は、ガス混合管18より下流で、ガス加熱部19に接続し、さらに下流で排気ファン8に接続している。
【0107】
本実施の形態に係る帯電装置の放電電極で発生したオゾン、NOx等の汚染ガスは、ガス混合管18から供給されるVOCと混合された上で、ガス加熱部19に供給される。VOCは、オゾン、NOx等の放電電極周辺で発生する汚染ガスに対して反応性を有しているため、ガス加熱部19にて加熱されることで、VOCと、上記汚染ガスとが反応して二酸化炭素及び窒素が生成される。なお、加熱の温度は、VOCと汚染ガスとが反応する温度である限り限定されるものではなく、汚染ガス及びVOCの種類や濃度等に応じて適宜設定すればよいが、80℃以上150℃以下であることが好ましい。この範囲であれば、効率よく反応が進み、画像形成装置内の他の部品に熱による影響を与えることがなく、また、画像形成装置を接続する一般の電源で発生させうる温度である。
【0108】
これにより、帯電装置で発生する上記汚染ガスを無害化するのみでなく、当該帯電装置を備えた画像形成装置内で発生するVOCも除去することができる。
【0109】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の他の形態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとする。図5は、本実施の形態に係る帯電装置20の構造を模式的に示す断面図である。
【0110】
本実施の形態に係る帯電装置20は、上記実施の形態1に係る帯電装置1が備える放電電極2及び筐体3を複数備えている。また、帯電装置20は、排気管21(管部)、ガスフィルタ7、排気ファン8を備えている。
【0111】
それぞれの筐体3には、一個ずつ放電電極2が格納されている。
【0112】
排気管21はジョイント部22及び配管23で構成されている。配管23には、筐体3の数と同じ数の細管が、等間隔に、かつ、同じ向きに形成されて、分岐している。そして、それぞれの上記細管の先端にジョイント部22が形成されている。各ジョイント部22は、それぞれ筐体3の排気口と連結している。これにより、各筐体3の電荷供給口は、その開口面が全て感光体ドラムの表面に対して対向するように、等間隔で、かつ感光体ドラム15の回転軸方向に平行な直線上に一列となるように、配置される。
【0113】
また、全ての筐体3・・・は、外部の衝撃から保護するための保護ケース24によって囲われている。
【0114】
帯電装置20は図5に示すように筐体3及び放電電極2を12個備えているが、筐体3及び放電電極2の数は、感光体ドラム15の大きさや、形成する画像の大きさに応じて適宜設定すればよい。例えば、感光体ドラム15の回転軸方向の有効長が300mmの場合、放電電極2及び筐体3を30個用いて、電荷供給口が10mm間隔で一列に並ぶように配置すればよい。これにより、当該感光体ドラム15に対する帯電の均一性が極めて良好となる。
【0115】
なお、本実施の形態では、放電電極2及び筐体3を一列に配置する場合について説明したが、本発明に係る帯電装置において、放電電極及び筐体を複数用いる場合の、その配置方法は、一列に限定されるものではない。例えば、放電電極及び筐体を、複数列で千鳥状に配置してもよい。これにより、放電電極及び筐体を一列に配置する場合に比べて、多数の放電電極及び筐体を配置することできる。よって、さらに、感光体ドラム表面に対する帯電の均一性を向上させることが可能となり、帯電ムラをより一層低減させることができる。
【0116】
〔実施の形態4〕
本発明の実施の他の形態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとする。図6は、本実施の形態に係る帯電装置30の構造を模式的に示す斜視図である。
【0117】
帯電装置30は、放電電極31、筐体32を備えている。筐体32には電荷供給口33(第1の開口部)、排気口34(第2の開口部)が形成されている。また、筐体32の内壁面には、電荷供給口33と重複しない位置に金製の電極35が設けられている。
【0118】
放電電極31は、図6に示すように感光体ドラム15の回転軸に平行な方向に伸びる線分状に、一本の金製のワイヤーで形成されている。そして、放電電極31は、その長さ方向が後述する電荷供給口33の長さ方向に平行になるように筐体32内に格納されている。
【0119】
筐体32は、放電電極31を囲うように円柱状構造を有している。電荷供給口33は当該円柱状構造の側面にスリット状に形成されており、その開口面はグリッド電極16と対向している。
【0120】
より具体的には、電荷供給口33のスリット幅は500μmであり、長さが330mmであるので、電荷供給口の開口面の面積は165mmとなる。当該開口面に平行で放電電極31を通る筐体の断面は8mm×330mmの長方形であり、面積は2640mmとなるので、当該開口面の面積は、当該断面の面積より充分小さく形成されている。なお、電荷供給口33の長さ方向が、感光体ドラム15の回転軸方向に平行になるように、帯電装置30は配置される。
【0121】
また、排気口34(第2の開口部)は、筐体32の両端の円形面を開放することで形成されている。上記両端の円形面を覆うように排気管(管部(図示せず))が接続されており、排気管の先にはガスフィルタ(図示せず)及び排気ファン(図示せず)が設けられている。これにより、筐体32内で発生するオゾンやNOx等の汚染ガスは、当該排気ファンによって吸引されることで、排気口34及び当該排気管を介して、当該ガスフィルタによって無害化される。
【0122】
放電電極31により放電が行なわれると、感光体ドラム15に対して、電荷供給口33から電荷が供給される。電荷供給口33は上述のようにスリット状であり、当該スリットの長さ方向に平行に、放電電極31は格納されている。そのため、電荷供給口33から供給される電荷は、当該スリットの長さ方向に均一である。さらに当該スリットの長さ方向は、感光体ドラム15の回転軸方向に平行であるため、感光体ドラム15の回転軸に平行方向に均一に電荷を供給することができる。そのため、高い均一性で、感光体ドラム15を帯電させることができる。
【0123】
さらに、筐体32の内壁に設けられた電極35により、筐体32内で生じる放電は、放電電極31と電極35との間の領域に限定される。そのため、オゾン、NOx等の汚染ガスの発生領域も、放電電極31と電極35との間の領域に限定され、発生した汚染ガスが筐体32内で分散することがない。電極35は電荷供給口33とは異なる位置に設けられており、上述のように発生した汚染ガスは筐体32内で分散しないため、電荷供給口33から汚染ガスが漏れることを抑制することができる。よって、汚染ガスを効率よく排気口34から回収することができる。なお、このとき電極35には、放電電極31に印加される電圧に比べて、小さな電圧を印加すればよい。例えば、放電電極31に−5kVの電圧を印加するときは、電極35には−1kVの電圧を印加すればよい。
【0124】
本実施の形態では、筐体32の内壁の一部に導電材料を用いて、これに電圧を印加して電極35を形成した場合について説明したが、電圧を印加せずに、単に導電材料を筐体32の内壁の一部とするだけでも略同様の効果を得ることができる。
【0125】
また、筐体の内壁は、上述の導電材料の代わりに、一部を表面抵抗1×10Ω/sq以上1×1010Ω/sq以下の半導電材料で形成してもよい。半導電材料でも上述の導電材料を用いた場合と略同様の効果が得られる。また、当該半導電材料に付着した電荷によって生じる反発電界によって、さらに電荷が筐体の内壁に付着することを防ぐことができ、電荷供給口から電荷を供給する効率を向上させることができる。このような半導電材料としては、例えば、半導電性セラミックスを用いればよい。
【0126】
なお、内壁の一部に用いる上述の導電材料や半導電材料は、銅線等により接地させておけばよい。
【0127】
〔実施の形態5〕
本発明の実施の他の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとする。図7は、本実施の形態に係る帯電装置40の構造を模式的に示す断面図である。
【0128】
図7に示すように、帯電装置40は、放電電極41、筐体42を備えている。
【0129】
放電電極41は一本の金製のワイヤーにより形成されている。つまり、図7は帯電装置40を当該ワイヤーの長さ方向に垂直な方向に切断した断面図である。
【0130】
筐体42は直方体形状をしており、放電電極41を囲っている。筐体42には電荷供給口43(第1の開口部)、排気口44(第2の開口部)が形成されている。また、筐体42を形成する面のうち、電荷供給口43及び排気口44が形成されている面はステンレスで形成されており、それぞれの面に電気的に接続された電源45、46によって電圧を印加して、かつ当該電圧によって生じる電流を制御することが可能である。
【0131】
筐体42のうち放電電極41と感光体ドラム15との間にある面であって、感光体ドラム15の表面に平行な面には、複数の微小孔が形成されている。当該微小孔が電荷供給口43である。
【0132】
なお、当該微小孔(電荷供給口43)は一辺10〜50μmの四角形である。放電電極41を通り、電荷供給口43の開口面に平行な筐体42の断面は、15mm×330mmの長方形であり、面積は4950mmとなるので、当該微小孔の面積は、当該断面の面積より充分小さく形成されている。このように、本実施の形態のような構成にするときには、電荷供給口として、100〜2500μmの孔を多数設けることが好ましい。
【0133】
また、筐体42のうち電荷供給口43が形成された面に対向する面には複数の孔が形成されている。当該孔が排気口44である。なお、当該孔は一辺1mm角の四角形である。
【0134】
個々の電荷供給口43は、排気口44より小さいため、流路抵抗は排気口44より大きくなる。そのため、放電電極41周辺で発生したオゾンやNOx等の汚染ガスは、排気口44の方向に流れる。そして排気口44に連結された排気管(管部(図示せず))を介して、当該排気管に設けられたガスフィルタによって無害化される。
【0135】
上述のように電荷供給口43及び排気口44が形成された面はステンレスで形成されており、当該面に電圧を印加して、当該面に流れる電流を制御することが可能である。そのため、筐体42内に生じるイオン風の方向を制御することが可能となる。つまり、排気口44が形成された面に流れる電流を、電荷供給口43が形成された面に流れる電流より大きくすることで、イオン風を感光体ドラム15が配置された方向とは逆向きにすることができる。そのため汚染ガスの回収効率をさらに向上させることができる。
【0136】
また、電源46によって、電荷供給口43が形成された面に印加される電圧と、グリッド電極16に印加される電圧とを、等しい値の電圧、又は、近い値の電圧とすることで、電荷供給口43とグリッド電極16との間に、電荷供給口43から感光体ドラム15への方向のイオン風が生じることを防ぐことができる。さらに、電荷供給口43周辺の電圧と、グリッド電極16に印加される電圧とを逆の電位差とすることで、グリッド電極16から電荷供給口43方向のイオン風を生じさせることができる。そのため、電荷供給口43から汚染ガスが漏れることを、さらに効果的に防ぐことができ、筐体42内部に汚染ガスを閉じ込める効果をより向上させることができる。
【0137】
なお、本実施の形態では、筐体42の内壁の材料としてステンレスを用いた場合について説明した。このように、筐体内に生じるイオン風を制御するために用いる筐体の内壁の材料としては、ステンレスに限られるものではなく、従来公知の導電性材料を用いればよい。
【0138】
〔実施の形態6〕
本発明の実施の他の形態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとする。図8は、本実施の形態に係る帯電装置50の構造を模式的に示す断面図である。
【0139】
図8に示すように、帯電装置50は、放電電極51、筐体52、クリーニング部材55(汚れ除去手段)を備えている。
【0140】
放電電極51は一本のワイヤーにより形成されている。つまり、図7は、帯電装置50を当該ワイヤーの長さ方向に平行な方向に切断した断面図である。
【0141】
筐体52は直方体形状をしており、放電電極51を囲っている。筐体52には電荷供給口53(第1の開口部)、排気口54(第2の開口部)が形成されている。また、筐体52の外壁面はステンレスで形成されており、電源56(電圧供給手段)に電気的に接続されている。電源56から印加される電圧は電圧制御部57(電圧制御手段)によって調整される。
【0142】
筐体52のうち放電電極51と感光体ドラム15との間にある面であって、感光体ドラム15の表面に平行な面には、複数の微小孔が形成されている。当該微小孔が電荷供給口53である。
【0143】
なお、当該微小孔(電荷供給口53)は一辺10〜50μmの四角形である。放電電極51を通り、電荷供給口53の開口面に平行な筐体52の断面は、330mm×15mmの長方形であり、面積は4950mmとなるので、当該微小孔の面積は、当該断面の面積より充分小さく形成されている。このように、本実施の形態のような構成にするときには、電荷供給口として、100〜2500μmの孔を多数設けることが好ましい。
【0144】
また、筐体52のうち電荷供給口53が形成された面に対向する面には複数の孔が形成されている。当該孔が排気口54である。なお、当該孔は一辺1mm角の四角形である。
【0145】
個々の電荷供給口53は、排気口54より小さいため、流路抵抗は排気口54より大きくなる。そのため、放電電極51周辺で発生したオゾン、NOx等の汚染ガスは、排気口54の方向に流れる。そして排気口54に連結された排気管(管部(図示せず))を介して、当該排気管に設けられたガスフィルタによって無害化される。
【0146】
クリーニング部材55は、筐体52の電荷供給口53が設けられた面に沿った方向(図8の矢印方向)に可動なように設けられている。また、クリーニング部材55は硬質スポンジで形成されている。なお、クリーニング部材55の材質としては、電荷供給口53に対して摩擦を与えて異物等の汚れを除去することが可能な物質であれば限定されるものではない。
【0147】
クリーニング部材55は、定期的に電荷供給口53が形成された面上を走査するように制御されている。これにより当該面上に付着した汚れを除去することができるため、長時間安定した帯電特性を得ることができる。

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明に係る帯電装置は、静電潜像担持体を帯電させるときに生じるオゾン等の汚染ガスによる、帯電装置及び帯電装置周辺に配置された部品の劣化を抑制することができるため、例えば電子写真方式の画像形成装置等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る帯電装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る帯電装置、及び、比較例に係る帯電装置の、オゾンの放出量を比較した結果を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る帯電装置が備えるガス加熱部周辺の構造を模式的に示した図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る帯電装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る帯電装置の構造を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る帯電装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る帯電装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図9】従来例に係る画像形成装置の構造を模式的に示す斜視図である。
【図10】従来例に係る画像形成装置の排気系による空気の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0150】
1、20、30、40、50 帯電装置
2、31、41、51 放電電極
3、32、42、52 筐体
4、21 排気管(管部)
5 ジョイント部
6 配管
7 ガスフィルタ(ガス処理手段)
8 排気ファン
10、33、43、53 電荷供給口(第1の開口部)
11、34、44、54 排気口(第2の開口部)
15 感光体ドラム
16 グリッド電極
18 ガス混合管(反応性ガス混合手段)
19 ガス加熱部(ガス処理手段)
55 クリーニング部材(汚れ除去手段)
56 電源(電圧供給手段)
57 電圧制御部(電圧制御手段)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と、上記放電電極を格納する筐体とを備えており、
上記筐体には、第1の開口部が設けられており、
上記第1の開口部の開口面の面積は、上記放電電極を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体の断面の面積より小さく、
上記筐体には、上記第1の開口部とは異なる位置に、第2の開口部がさらに設けられていることを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
上記第1の開口部の開口面の面積は、上記開口面に平行な方向の、上記放電電極の断面の面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
上記第1の開口部はスリット状に形成されており、
上記放電電極は線状に形成され、上記放電電極の長さ方向が、上記第1の開口部の長さ方向に平行になるように、上記筐体内に格納されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項4】
上記第1の開口部は、上記第2の開口部より流路抵抗が大きいことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項5】
さらに、上記第2の開口部には管部が連結されており、
上記管部には、上記筐体内で汚染ガスが発生して上記第2の開口部及び上記管部を介して当該汚染ガスが搬送されたときに、当該汚染ガスを処理するためのガス処理手段が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項6】
上記第2の開口部を介して上記汚染ガスを吸引する、ガス吸引手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の帯電装置。
【請求項7】
上記汚染ガスに対して反応性を有する反応性ガスを混合する反応性ガス混合手段をさらに備え、
上記ガス処理手段は、上記汚染ガスと上記反応性ガスとを反応させることにより、上記汚染ガスを処理する手段であることを特徴とする請求項5に記載の帯電装置。
【請求項8】
上記筐体の内壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項9】
上記筐体の内壁の少なくとも一部は、半導電材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項10】
上記筐体の外壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項11】
上記筐体内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項12】
上記筐体の外壁に付着した汚れを除去するための汚れ除去手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の帯電装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
放電電極と、上記放電電極を格納する筐体とを備えており、上記筐体には、第1の開口部が設けられており、上記第1の開口部の開口面の面積は、上記放電電極を通り、上記開口面に平行な方向の、上記筐体の断面の面積より小さく、上記筐体には、上記第1の開口部とは異なる位置に、第2の開口部がさらに設けられており、上記筐体の外壁の少なくとも一部は、導電材料で形成されている帯電装置を備え、
さらに上記導電材料に電圧を印加する電圧供給手段と、当該導電材料に印加される電圧を制御する電圧制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−256868(P2008−256868A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97862(P2007−97862)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】