帯電装置
【課題】 コロナ帯電器の開口を開閉するシート状の帯電器シャッタの開閉移動が適切に行えなくなってしまうのを防止する。
【解決手段】 感光体の周面の形状に対応して、帯電器シャッタの短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側へ突出するように帯電器シャッタの形状を規制する機構を設けることで、帯電器シャッタの開閉移動を適切に行うことができる。
【解決手段】 感光体の周面の形状に対応して、帯電器シャッタの短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側へ突出するように帯電器シャッタの形状を規制する機構を設けることで、帯電器シャッタの開閉移動を適切に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる帯電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写といった電子写真プロセスにより画像が形成されている。
【0003】
これらのうち、帯電工程では、感光体に近接させて設けたコロナ帯電器により感光体を所定の極性の電位に一様に帯電することが行われている。
【0004】
このコロナ帯電器による帯電工程においては、コロナ放電を利用していることから、オゾンO3や窒素酸化物NOX等の放電生成物が生成されてしまう。
【0005】
このような放電生成物が感光体に付着しさらに吸湿してしまうと、放電生成物が付着した部位の表面抵抗が低下してしまい、画像情報に応じた静電潜像を忠実に形成できない、といった、いわゆる「画像流れ」現象を引き起こす原因となってしまう。
【0006】
そこで、特許文献1では、コロナ帯電器にシャッタを設け、このシャッタによりコロナ帯電器の開口を塞ぐことで、非画像形成時に放電生成物が感光体に付着してしまうのを防止している。具体的には、特許文献1では、シャッタをコロナ帯電器の長手方向に沿って開閉移動させることが提案されている。
【特許文献1】特開2007−072212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、本発明者等の検討により、図13のように、コロナ帯電器200を従来以上に感光体100に近接させて設けようとした場合、以下のような知見を得た。なお、200aはグリッド電極である。
【0008】
つまり、コロナ帯電器200を感光体100に近接させて設けた場合、この間をシャッタが開閉移動する構成となる。従って、シャッタが感光体100に万が一接触してしまうことがあっても感光体100を劣化させることがないように、シート状のシャッタを採用することが好ましいことが分かった。
【0009】
しかし、コロナ帯電器200と感光体100との間のシャッタが通過する空間は感光体の外周面に対応して曲率形状(図13)を為していることから、シャッタがその開閉移動に伴い感光体やコロナ帯電器と摺動する関係となってしまう恐れがある。
【0010】
つまり、特許文献1のようにシャッタの短手方向が直線的な平らな形状となっている場合、コロナ帯電器と感光体間の空間の曲率形状に対応していないので、シャッタが感光体やコロナ帯電器(シールドやグリッド電極)と摺動する関係となってしまう。
【0011】
このように、シャッタがコロナ帯電器と摺動する関係となってしまうと、シャッタがコロナ帯電器に引っ掛かってしまい、シャッタの開閉移動を適切に行うことができなくなる。
【0012】
また、シャッタが開閉移動を行う毎に感光体と摺動する関係となってしまうと、感光体の劣化を無視することができなくなる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動を適切に行うことができる帯電装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動に伴い感光体が劣化してしまうのを防止することができる帯電装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周方向において前記シート状部材の中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0017】
第2の発明は、
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周面の形状と対応するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0018】
第3の発明は、
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周方向においてその中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように癖付け処理が施されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明は、
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周面の形状と対応するように癖付け処理が施されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動を適切に行うことができる。
【0021】
また、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動に伴い感光体が劣化してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に沿って、本発明に係る実施例について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0023】
はじめに、画像形成装置の全体構成について、図3を用いて説明する。本例の画像形成装置は、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタである。
【0024】
(画像形成装置の全体構成)
図3に示すように、感光体(像担持体)1の周囲に、その回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電装置2、露光装置3、電位測定装置7、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置8、光除電装置9が配設されている。また、転写装置5よりも記録材Pの搬送方向下流側に、定着装置6が配設されている。次に、画像形成に関与する個々の画像形成機器について、順に、詳述する。
【0025】
(感光体)
本例の像担持体としての感光体1は、図3に示すように、円筒状(ドラム型)の電子写真感光体である。この感光体1は、直径が84mmであり、中心軸(不図示)を中心に500mm/secのプロセススピード(周速度)で矢示R1方向に回転駆動される。
【0026】
また、図4に示すように、感光体1は負帯電特性の有機光半導体である感光層を有している。具体的には、感光体1は、径方向内側(図4の下側)に導電性基体であるアルミニウム製シリンダ1aを有している。そして、このシリンダ1a上に、光の干渉を抑えるとともに上層の接着性を向上させる下引き層1b、電荷発生層1c、電荷輸送層1dが順に積層された3層構造となっている。このうち電荷発生層1cと電荷輸送層1dとによって上述した感光層が構成されている。
【0027】
(帯電装置)
本例の帯電装置2は、図3に示すように、放電ワイヤ2hと、これを囲むように設けられたコの字状の導電性シールド2bと、このシールド2bの開口に設置されたグリッド電極2aとを有するスコロトロン・タイプのコロナ帯電器である。
【0028】
また、本例では、画像形成の高速化に対応するため、放電ワイヤ2hを2本設置するとともにこれに対応してシールド2bが放電ワイヤ2h間を遮るように仕切りが設けられたコロナ帯電器を用いている。
【0029】
このコロナ帯電器2は感光体1の母線に沿って設置されており、従って、コロナ帯電器2の長手方向は感光体1の軸線方向と平行な関係にある。また、図5に示すように、グリッド電極2aは、感光体の周面に沿ってその短手方向(感光体の移動方向)の中央部が両端部よりも感光体から離れるように設置されている。従って、本例では、コロナ帯電器2を従来以上に感光体1に近接して設けることができ、帯電効率を向上させることができる。
【0030】
また、コロナ帯電器2は、帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源S1が接続されており、印加電源S1から印加された帯電バイアスにより、感光体1の表面を帯電位置aにおいて負極性の電位に一様に帯電処理を行う機能を担っている。具体的には、直流電圧が、放電ワイヤ2hとグリッド電極2aに印加される構成となっている。
【0031】
(露光装置)
本例の露光装置3は、コロナ帯電器2により帯電処理された感光体1にレーザ光Lを照射する半導体レーザを備えたレーザビームスキャナである。具体的には、画像形成装置にネットワークケーブルを介して接続されたホストコンピュータから送信されてくる画像信号に基づいて、露光装置3はレーザ光Lを出力する。このレーザ光Lは、帯電処理済みの感光体1表面を、露光位置bにおいて主走査方向に沿って露光する。感光体が回転している間にこの主走査方向に沿った露光を繰り返すことにより、感光体1表面の帯電面のうち、レーザ光Lが照射された部分の電位が低下し、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0032】
ここで、主走査方向とは感光体1の母線に平行な方向を意味しており、副走査方向は感光体1の回転方向に平行な方向を意味している。
【0033】
(現像装置)
本例の現像装置4は、帯電装置2と露光装置3によって感光体1上に形成された静電潜像に、現像剤(トナー)を付着させることにより可視像化する。本例の現像装置4は、二成分磁気ブラシ現像方式を採用しており、さらに、反転現像方式を採用している。
【0034】
この現像装置4は、現像容器4a、現像スリーブ4b、マグネット4c、現像ブレード4d、現像剤攪拌部材4f、トナーホッパー4gを有している。なお、図3中の符号4eは、現像容器4a内に収納された二成分現像剤を示している。
【0035】
現像スリーブ4bは、非磁性の円筒状の部材であり、外周面の一部を外部に露出させて現像容器4aに回転可能に設置されている。マグネット4cは、非回転に固定された状態で、現像スリーブ4b内に設置されている。現像ブレード4dは、現像スリーブ表面にコートされた二成分現像剤4eの層厚を規制する。現像剤攪拌部材4fは、現像容器4a内の底部側に設置され、二成分現像剤4eを攪拌するとともに現像スリーブ4bに向けて搬送する。トナーホッパー4gは、現像容器4aに補給する補給用トナーを収納した容器である。
【0036】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、トナーと磁性キャリアとの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。この磁性キャリアの抵抗は約1013Ω・cm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0037】
上述の現像スリーブ4bは、感光体1との最近接距離が350μmとなるように、感光体1に対向配置されている。この感光体1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cとなる。現像スリーブ4bはその表面が、現像部cにおいて感光体1表面の移動方向とは逆方向に移動する方向に回転駆動される。つまり、感光体1の矢印R1方向の回転に対して、矢印R4方向に回転駆動されている。
【0038】
この現像スリーブ4bの外周面に、内側のマグネット4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として保持され、現像スリーブ4bの回転に伴って現像部cへ搬送される。磁気ブラシ層は、現像ブレード4dにより所定の薄層にカットされ、現像部cにおいて感光体1に接触するように構成されている。
【0039】
また、現像スリーブ4bは現像バイアス印加電源S2が接続されており、現像スリーブ4b表面に担持された現像剤中のトナーは、印加電源S2により印加された現像バイアスによる電界によって、感光体1上の静電潜像に対応して選択的に付着される。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。本例の場合は、感光体1上の露光部(レーザ光照射部分)にトナーが付着されて静電潜像が反転現像される。
【0040】
このとき、感光体1上に現像されたトナーの帯電量はおよそ−25μC/gである。
【0041】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤は引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内に回収される。
【0042】
また、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度をほぼ一定範囲内に維持させるため、現像容器4a内に光学式トナー濃度センサが設置されている。このトナー濃度センサによって検知されたトナー濃度に応じた量のトナーが、トナーホッパー4gから現像容器4aへと補給される。
【0043】
(転写装置)
本例の転写装置5は、図3に示すように、転写ローラを有している。この転写ローラ5は感光体1表面に所定の押圧力をもって圧接されており、その圧接ニップ部が転写部dとなる。この転写部dには給紙カセットから所定の制御タイミングにて記録材P(例えば、紙、透明フィルム)が給送される。
【0044】
転写部dに給送されてきた記録材Pは感光体1と転写ローラ5との間に挟持搬送されながら、感光体1上のトナー像が記録材Pに転写される。このとき、転写ローラ5には、転写バイアス印加電源S3からトナーの正規帯電極性(負極性)とは逆極性の転写バイアス(本例では、+2kV)が印加される。
【0045】
(定着装置)
本例の定着装置6は、図3に示すように、定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有している。転写装置5によりトナー像の転写を受けた記録材Pは、定着装置6へと搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6bとによって加熱、加圧されて表面にトナー像が定着される。定着処理を受けた記録材Pは、その後、機外へと排出される。
【0046】
(クリーニング装置)
本例のクリーニング装置8は、図3に示すように、クリーニングブレードを有している。転写装置5により記録材Pにトナー像が転写された後、感光体1表面に残留している転写残トナーはクリーニングブレード8によって除去される。
【0047】
(光除電装置)
本例の光除電装置9は、図3に示すように、除電露光ランプを有している。クリーニング装置8によりクリーニング処理された感光体1は、その表面に残留している電荷が、除電露光ランプ9による光照射により除電される。
【0048】
以上説明した各画像形成機器による一連の画像形成プロセスが終了し、次の画像形成動作に備えられる。
【0049】
(帯電器シャッタ)
次に、コロナ帯電器2の開口を開閉するシート状部材としての帯電器シャッタ10について説明する。このコロナ帯電器2の開口とは、シールドに形成された開口のことを指し、コロナ帯電器2による帯電領域(図1のW)に対応している。従って、このコロナ帯電器による帯電領域Wは、感光体1が帯電され得る領域とほぼ一致する。
【0050】
図1は、シート状部材としての帯電器シャッタ10がX方向(開方向)へ移動するように巻取られたことにより帯電器シャッタ10が開いた状態を示したものである。図2はシート状部材としての帯電器シャッタ10がY方向(閉方向)へ移動するように引っ張られたことにより帯電器シャッタ10が閉じた状態を示したものである。
【0051】
本例では、図1、図2に示すように、コロナ帯電器2の開口を開閉する帯電器シャッタ10として、巻取り装置11によりロール状に巻取ることが可能な有端状のシート状のシャッタ(以下、帯電器シャッタ)を採用している。
【0052】
これは、帯電器2から感光体1に向けて落下するコロナ生成物の通過を防止することの他に次の理由に依るものである。つまり、帯電器シャッタは感光体1とグリッド電極2aとの狭い隙間を移動するため、万が一帯電器シャッタが感光体1と接触した際には画像劣化を生じさせるような損傷を感光体に与えるのを防止するためである。
【0053】
従って、本例では、帯電器シャッタ10として、ポリイミド樹脂製で厚みが30μmのシート状のものを採用している。
【0054】
また、画像形成動作中に帯電器2の長手方向(主走査方向)一端側にロール状に退避する構成となっているのは、帯電器シャッタ10の退避時(開時)のスペースを小さくするためである。
【0055】
(帯電器シャッタ開閉機構)
次に、帯電器シャッタ10の開閉機構(移動手段)について説明する。図1、図2は帯電器シャッタ10の開状態、閉状態を示したものであり、図5はコロナ帯電器の長手方向一端側から見た断面図を示したものであり、図6は開閉機構の詳細を示した斜視図である。
【0056】
この開閉機構は、駆動モータM、巻取り装置11、移動部材12、連結部材12a、連結部材12b、回転部材13を有しており、帯電器シャッタ10をその長手方向(主走査方向)に沿って開閉移動させる機能を担っている。
【0057】
また、本例では、帯電器シャッタ10の開動作完了を検知するシャッタ検知装置15が設けられている。このシャッタ検知装置15はフォトインタラプタを有しており、移動部材12が開動作完了位置に到達すると、フォトインタラプタ15が遮光部材12cにより遮光されることを利用して、帯電器シャッタ10の開動作完了を検知する仕組みとなっている。つまり、シャッタ検知装置15により移動部材12の遮光部材12cを検知した時点で、駆動モータMの回転を停止させる構成となっている。
【0058】
図5、6に示すように、帯電器シャッタ10の閉方向先端側には、帯電器シャッタの短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側に突出するように帯電器シャッタの形状を規制する規制手段として機能するシャッタ固定部材17が設けられている。このシャッタ固定部材は、移動部材12に一体で備えられた連結部材12bに係止固定されている。また、この移動部材12は、回転部材13に螺合するように設けられた駆動伝達部材16を有しており、この駆動伝達部材16を介して回転部材13に駆動連結されている。さらに、移動部材12はシールド2b上に設けられたレール2c上を主走査方向にのみ移動できるように螺合されており、移動部材12が回転部材13と共に回転してしまうのを防止している。
【0059】
回転部材13は、図6に示すようにスパイラル状の溝が形成されており、その一端部にはギア18が接続されている。一方、駆動モータMの先端にはウォームギア19が接続されており、駆動モータMの駆動力をウォームギア19とギア18との噛み合い部を介して回転部材13へと伝達する。
【0060】
そして、回転部材13が駆動モータMにより回転駆動されると、移動部材12がこのスパイラルの溝に沿って主走査方向(X、Y方向)へ移動する。従って、駆動モータMにより回転部材13が駆動されると、移動部材12と一体化されている連結部材12bを介して、帯電器シャッタ10に開閉方向への移動力が伝達される構成となっている。
【0061】
また、移動部材12には、帯電器シャッタ10と係合する連結部材12bとは別に、放電ワイヤ2hを清掃する清掃部材14を保持する連結部材12aが一体で備えられている。
【0062】
従って、駆動モータMによって帯電器シャッタ10が上述のように主走査方向(X、Y方向)へ移動するのと同時に、清掃部材14も同一方向へと移動する。
【0063】
これにより、放電ワイヤ2hの清掃と帯電器シャッタ10とを同一の駆動モータMで駆動することが可能となる。
【0064】
(帯電器シャッタ巻取り機構)
次に、帯電器シャッタ10の巻取り機構について説明する。図7は巻取り手段としての巻取り装置11の構成を示した図であり、図8は巻取り装置11をコロナ帯電器2に取り付けるためのガイド部材35に装着した状態を示す図である。
【0065】
巻取り装置11は、帯電器シャッタ10の一端側を固定するとともにこれを巻取る円筒状の巻取りローラ(巻取り部材)30、巻取りローラ30を軸支する軸部材32、巻取りローラ30の他方端を軸支する軸受部材31を有している。さらに、軸受部材31と軸部材32を固定する固定部材である平行ピン34、巻取りローラ30内に設置され、巻取りローラ30と軸受部材31に係合するバネ(付勢部材)33を有している。
【0066】
また、巻取り装置11は、図8に示すようにガイド部材35に取り付けられることで、軸受部材31の突起31aがガイド部材の突起35aに突き当たる構成になっている。これにより、軸受部材31および軸部材32は回転不可に固定され、巻取りローラ30のみが回転可能に軸支される。
【0067】
取り付けの際には、軸受部材31にはA方向に回転力が生じるように、ガイド部材35に取り付ける前に、巻取りローラ30を固定した状態で軸受部材31をB方向に数回転巻いた状態で取り付けている。
【0068】
これにより、帯電器シャッタ10が開く方向(Y方向)に引っ張った際に、巻取りローラ30が帯電器シャッタ10を巻き取る方向にバネ33のねじり応力が働き、かつ軸受部材31はA方向の力を受けるためガイド部材35に突き当たって回転不可に固定される。
【0069】
この際、帯電器シャッタのたるみを防止するために、次のような構成としている。つまり、駆動モータMにより移動部材12がX方向に移動する速度V1と、巻取り装置11により帯電器シャッタ10がX方向に移動する速度V2の関係が、常にV2>V1となるような巻取り力を付与するように構成している。そこで、本例においては、帯電器シャッタ10が開動作完了位置に移動した際(図1)での巻取り装置11の付勢力が最も弱くなるため、この位置での付勢力F1で帯電器シャッタ10を引っ張る速度がV2となるように構成している。つまり、ガイド部材35に取り付ける前に軸受部材31をB方向に回す回数を調整し決定している。
【0070】
従って、帯電器シャッタを開く際には、駆動モータMにより帯電器シャッタ10がX方向へ移動するに伴い、帯電器シャッタ10が下方に垂れ下がることなく帯電器シャッタ10を随時巻取りローラ30が巻取っていく仕組みとなっている。
【0071】
一方、帯電器シャッタ10を閉める際(図2)には、駆動モータMが巻取りローラ30内のバネ33の付勢力に抗して帯電器シャッタ10を巻取りローラ30から引き出すことで、帯電器シャッタ10がY方向へ移動する仕組みとなっている。
【0072】
なお、帯電器シャッタ10が完全に閉まった状態のとき、巻取りローラ30内のバネ33によるX方向への付勢力が帯電器シャッタ10に作用しているので、帯電器シャッタ10が感光体側に下方に垂れ下がることはない。
【0073】
従って、閉時において、帯電器シャッタ10とコロナ帯電器2との間に隙間ができ難い構成とした為、コロナ生成物が外側に漏れにくい状態を維持することが可能となる。
【0074】
(帯電器シャッタの曲率形状付与機構)
次に、本例のコロナ帯電器2は、先に述べたように、グリッド電極2aは、感光体1の周面に沿ってその短手方向(感光体の周方向)の中央部が両端部よりも感光体1から離れるように設置されている。そのため、本例では、帯電器シャッタ10も、帯電器シャッタ10の形状が感光体1の周面の曲率形状に実質倣う(対応する)ように、規制手段としての曲率形状付与機構を設けている。本例では、曲率形状付与機構として、帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構と、巻取り口側での帯電器シャッタ10への曲率形状付与機構と、を有しており、以下、順に説明する。
【0075】
(帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構)
まず、帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構について説明する。図9はコロナ帯電器をその短手方向から見た(図5の左右方向)断面図であり、図10は規制部材としてのシャッタ固定部材17を連結部材12bに対して取り付ける前の状態(A)と、取り付けた後の状態(B)を示した図である。
【0076】
図9に示すように、巻取り装置11による巻取り範囲外となる帯電器シャッタ10の長手方向一端側は、移動部材12に帯電器シャッタ10を固定するためのシャッタ固定部材17が取り付けられている。
【0077】
このシャッタ固定部材17は、連結部材12bに取り付けられた際に、感光体1の周面の曲率形状に倣うよう、弾性を有した部材にて構成されている。
【0078】
具体的には、図10(A)に示すように、シャッタ固定部材17はバネ性を有した薄板の金属板金の幅L2(弾性変形前)は、連結部材12bの取り付け部の幅L1よりも小さい幅に設定されている。また、シャッタ固定部材17の連結部材12bへの取り付け部17aは、帯電器シャッタ10の裏面(コロナ帯電器側の面)を固定するための取り付け面17bとのなす角度αが90°以下に設定されている(本例では、45°)。
【0079】
これにより、シャッタ固定部材17を連結部材12bに取り付けると、図10(B)に示すように、シャッタ固定部材17は弾性変形し、感光体1から離れる方向の力F2を受ける。そのため、シャッタ取り付け面17bの短手方向中央部が両端部よりも突出する曲率形状となり、帯電器シャッタ10の先端に曲率形状を付与することができる。
【0080】
なお、本例においてバネ性を有した薄板の金属板金を例に挙げたが、弾性を有したフィルム素材でも構わない。また、本例においてバネ性を有した薄板の金属板金を例に挙げたが、あらかじめ所定の曲率形状を有した薄板の金属板金でも構わない。
【0081】
(巻取り口側での帯電器シャッタ10への曲率形状付与機構)
さらに、本例では、図9に示すように、2つ目の曲率形状付与機構として、帯電器シャッタ10の巻取り装置11への巻取り口側に、ガイド部材16である回転体、所謂、コロが設けられている。
【0082】
このガイド部材16は、シャッタ固定部材17とは異なり、コロナ帯電器2の帯電ブロック36に固定されたガイド固定部材35に回転自在に支持され、帯電器シャッタ10の開閉移動をガイドする機能を有している。つまり、このガイド部材16は、帯電器シャッタ10の開閉移動に伴い回転する構造となっている。従って、このコロとされるガイド部材16は、帯電器シャッタ10が所望の曲率形状となるように規制するにあたって、帯電器シャッタ10の開閉移動に要する負荷が増大してしまうのを防止することができる。
【0083】
そして、ガイド部材16は、巻取り部材11による巻取り範囲外となる位置で、かつ感光体1よりも巻取り部材11に近い位置に配置されている。言い換えると、ガイド部材16は、コロナ帯電器の開口(グリッド電極が取り付けられる開口)、即ち、コロナ帯電器による帯電領域Wよりも帯電器シャッタの開方向下流側の位置に設けられている。
【0084】
従って、このガイド部材16は、帯電器シャッタが開閉移動する際に、帯電器シャッタ10がその短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側へ突出するように、帯電器シャッタをガイドする。
【0085】
また、ガイド部材16であるコロの最上部は、感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置(感光体1外周面)βよりもコロナ帯電器2側に位置しており、帯電器シャッタ10は常にガイド部材16と摺動する関係となっている。
【0086】
この際、ガイド部材16の、感光体1やコロナ帯電器2に対する位置精度を保証するために、ガイド固定部材35に位置決めの突起が設けられており、感光体1、コロナ帯電器2、ガイド固定部材35が同一部材に位置決めされる構成になっている。
【0087】
更に、ガイド固定部材35は、コロナ帯電器2に固定されているため、位置決めの突起とガイド部材16を構成する部分を弾性変形可能な構造とし、コロナ帯電器2の姿勢に関わらず、常に感光体1との位置関係を保持できるようになっている。
【0088】
また、図5に示すように、ガイド部材16は、コロナ帯電器2の短手方向中央部にのみ配置され、シャッタ固定部材17と同様に、帯電器シャッタ10に対し曲率形状を付与する構成になっている。
【0089】
さらに、ガイド部材16は、図9に示すように、グリッド電極2aと感光体1間の微小な隙間に、帯電器シャッタ10を導くシャッタ挿入ガイドとしての機能も併せ持っている。
【0090】
従って、帯電器シャッタ10が巻取り装置11により巻き取られる側においても、帯電器シャッタ10の短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器2側に突出した形状を維持することができる。このような形状を帯電器シャッタ10に付与したことで、コロナ帯電器2(グリッド電極2b)と感光体1間のギャップを可能な限り小さくすることに貢献している。
【0091】
なお、帯電器シャッタの開閉動作に支障を来たさない範囲内であれば、必ずしも、帯電器シャッタ10の曲率形状を感光体1の周面の曲率形状に一致させる必要はない。
【0092】
また、以上では、ガイド部材16としてコロを使用する例に説明したが、図14、図15に示すような構成を採用しても構わない。図14はコロナ帯電器と感光体をその長手方向から見た断面図であり、図15はガイド固定部材35や巻取り装置11を示す斜視図である。なお、図14、15において同様な機能を奏する部材には同符号を付すことで詳細な説明は省略する。
【0093】
図14、15に示すように、ガイド固定部材35に形成され、ガイド部材として機能する曲率形状のガイド35bは、コロと同様に、巻取り部材11による巻取り範囲外となる位置で、かつ感光体1よりも巻取り部材11に近い位置に配置されている。また、感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置(感光体1外周面)βよりもコロナ帯電器2側へと突出しており、帯電器シャッタ10は常に曲率形状ガイド35bに摺動する関係となっている。
【0094】
さらに、ガイド35bの位置精度保証も、コロと同様に、ガイド固定部材35に設けられた位置決めの突起が、感光体1、コロナ帯電器2と同一部材に位置決めされる構成になっている。
【0095】
そして、ガイド部材35は、コロナ帯電器2に固定されているため、位置決めの突起と規制部材16を構成する部分を弾性変形可能な構造とし、コロナ帯電器2の姿勢に関わらず、常に感光体1との位置関係を保持できるようになっている。
【0096】
また、この例では、ガイド35bの最上部となる部位が全て感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置βよりもコロナ帯電器2側へと突出しているが、例えば、コロナ帯電器の短手方向中央部のみを突出させた形状としても構わない。
【0097】
さらに、以上では、曲率形状付与機構としてシャッタ固定部材17とガイド部材16の2つの機構を用いているが、少なくともシャッタ固定部材17による曲率形状付与機構を設けておけば構わない。但し、帯電器シャッタが感光体やコロナ帯電器に接触してしまうのを防止するには、以上のような2つの機構を併用する方がより好ましい。
【0098】
また、帯電器シャッタが感光体やコロナ帯電器に接触してしまうのを高レベルで防止するため、帯電器シャッタ10自身に形状加工処理(癖付け処理)を予め施しておくことで、帯電器シャッタに同様な曲率形状を持たせる構成を採用しても良い。具体的には、図16に示すような形状である。この図16は、帯電器シャッタ10を長手方向から見た断面図であり、その上側にはコロナ帯電器が位置し、その下側には感光体が位置する関係となっている。
【0099】
本例では、形状加工処理として熱処理加工方法を採用した。まず、熱処理前の平らな帯電器シャッタ10を感光体1の直径(ここでは84mm)と等しい中空の金属ローラに密着させて固定する。そして、帯電器シャッタが固定された金属ローラが所定温度(ここでは150℃)を維持するようにこの金属ローラをその内部から加熱源により加熱した状態でおよそ10分間放置する。その結果、感光体の周面の曲率形状にほぼ倣うように帯電器シャッタに曲率形状が付与されるである。なお、帯電器シャッタに曲率形状を付与する処理に関して、上述した熱処理加工方法の代わりに他の処理方法を採用しても構わない。この場合、前述したシャッタ固定部材17により帯電器シャッタに曲率形状を付与するだけでも、十分に効果を奏することが可能である。
【0100】
(帯電器シャッタの開閉制御)
次に、帯電器シャッタ10の開閉制御について説明する。図11は帯電器シャッタの開閉制御を行うブロック図を示し、図12はその制御フローを示している。
【0101】
図11に示すように、帯電器シャッタ10の開閉を制御するコントローラ部200は、帯電器シャッタ10の開閉制御を実現するための制御プログラムが格納されたROM201と、この制御プログラムに従って開閉制御を実行するCPU202を有している。また、ホストコンピュータとネットワークケーブルを介して情報が入力されるインターフェース(入力手段)203を有しており、このインターフェース203はホストコンピュータからの情報を取得しこれをCPU202へ送出する機能を担っている。
【0102】
CPU202は、ROM201に記憶された制御プログラムの内容に従って、帯電器シャッタ10に移動部材12a等を介して接続された駆動モータMの駆動をオン、オフさせることにより、帯電器シャッタ10の開閉動作を実行する。
【0103】
図12を用いて、画像形成ジョブを実行する際の、即ち、出力すべき画像情報を示す画像信号とともに画像形成開始信号が入力されてから一連の画像形成処理が終了するまでの制御フローについて説明する。この制御フローはCPU202により処理実行される。なお、上述した画像信号や画像形成開始信号(画像形成命令信号)は、インターフェース203を介してCPU202に入力される。
【0104】
まず、ホストコンピュータから画像形成開始信号が入力されると(S100)、シャッタ検知装置12cの出力に基づき帯電器シャッタ10が開位置にあるか否かを判定する(S101)。
【0105】
帯電器シャッタ10が開いておらず閉位置にある場合には、帯電器シャッタ10の開動作を実行させ(S102)、S101に戻る。
【0106】
S101において、帯電器シャッタ10が開位置にあることを検出すると、感光体1の回転動作を開始させる(S103)。そして、感光体1の回転動作開始後、コロナ帯電器2に帯電バイアスを印加する(S104)。
【0107】
その後、他の画像形成機器の準備動作が終了次第、画像形成が開始される(S105)。
【0108】
そして、画像形成ジョブ、即ち、一連の画像形成が終了すると(S106)、コロナ帯電器2への帯電バイアス印加を停止させ(S108)、感光体1の回転を停止させる(S109)。また、S106において、画像形成(画像形成ジョブ)が終了していないと判定した場合には、帯電器シャッタ10が開状態を維持するように制御する(S107)。
【0109】
なお、画像形成ジョブの実行中に、次の画像形成ジョブの実行予約が入った場合には、S106において、「画像形成終了」とは判断せずに、帯電器シャッタ10の開状態を維持させたまま、次の画像形成ジョブが引き続き開始される。つまり、S106においては、画像形成ジョブの実行終了までの間に次の画像形成ジョブの実行予約が入らなかった場合に、「画像形成終了」と判断する構成となっている。
【0110】
感光体1の回転停止に伴い、駆動モータMを駆動させて回転部材13を開動作時とは逆方向に回転させることにより、帯電器シャッタ10の閉動作を実行させ(S110)、コロナ帯電器2の開口を遮蔽する。
【0111】
以上説明したように、帯電器シャッタに曲率形状を付与することで、帯電器シャッタ10の開閉動作を円滑に安定して行うことができる。また、帯電器シャッタにより感光体が劣化してしまうのを防止することができる。
【0112】
従って、コロナ帯電器で発生した放電生成物が感光体へと転移し、この放電生成物に起因した帯電不良の発生を防止することができる。その結果、画像濃度ムラや、画像にスジが入ってしまう等の画像不良の発生を低減することができる。
【0113】
なお、以上の実施例では、コロナ帯電器が、感光体に静電像を形成する前工程において、感光体を実質一様に帯電処理するために用いられる場合について説明したが、このような例だけに限られない。例えば、コロナ帯電器が、感光体に形成されたトナー像を帯電処理するために用いられる場合にも本発明を同様に適用することが可能である。
【0114】
また、以上の実施例では、コロナ帯電器の開口にグリッド電極が設けられている場合について説明したが、コロナ帯電器にグリッド電極が設けられていない場合にも本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】帯電器シャッタが開いた状態を示す概略断面図である。
【図2】帯電器シャッタが閉まった状態を示す概略断面図である。
【図3】画像形成装置の概略断面図である。
【図4】感光体の層構成を示す概略断面図である。
【図5】コロナ帯電器の概略断面図である。
【図6】帯電器シャッタの開閉機構を示す概略斜視図である。
【図7】巻取り装置の概略断面図である。
【図8】巻取り装置がガイド固定部材にセットされた状態を示す概略斜視図である。
【図9】コロナ帯電器の開閉機構を示す概略断面図である。
【図10】(A)はシャッタ固定部材を取り付ける前の状態を示す図であり、(B)はシャッタ固定部材を取り付けた後の状態を示す図である。
【図11】帯電器シャッタの開閉制御を行うためのブロック図である。
【図12】帯電器シャッタの開閉制御の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図13】感光体とコロナ帯電器との位置関係を示す概略斜視図である。
【図14】曲率形状のガイド部材を示す概略断面図である。
【図15】曲率形状のガイド部材を示す概略斜視図である。
【図16】予め曲率形状が付与された帯電器シャッタを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0116】
1 感光体
2 コロナ帯電器
2a グリッド電極
2b シールド
2c レール
2h 放電ワイヤ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 定着装置
8 クリーニング装置
9 光除電装置
10 帯電器シャッタ
11 巻取り装置
12 移動部材
12b 連結部材
12c 遮光部材
13 回転部材
14 放電ワイヤ用の清掃部材
15 シャッタ検知装置
16 ガイド部材
17 シャッタ固定部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる帯電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写といった電子写真プロセスにより画像が形成されている。
【0003】
これらのうち、帯電工程では、感光体に近接させて設けたコロナ帯電器により感光体を所定の極性の電位に一様に帯電することが行われている。
【0004】
このコロナ帯電器による帯電工程においては、コロナ放電を利用していることから、オゾンO3や窒素酸化物NOX等の放電生成物が生成されてしまう。
【0005】
このような放電生成物が感光体に付着しさらに吸湿してしまうと、放電生成物が付着した部位の表面抵抗が低下してしまい、画像情報に応じた静電潜像を忠実に形成できない、といった、いわゆる「画像流れ」現象を引き起こす原因となってしまう。
【0006】
そこで、特許文献1では、コロナ帯電器にシャッタを設け、このシャッタによりコロナ帯電器の開口を塞ぐことで、非画像形成時に放電生成物が感光体に付着してしまうのを防止している。具体的には、特許文献1では、シャッタをコロナ帯電器の長手方向に沿って開閉移動させることが提案されている。
【特許文献1】特開2007−072212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、本発明者等の検討により、図13のように、コロナ帯電器200を従来以上に感光体100に近接させて設けようとした場合、以下のような知見を得た。なお、200aはグリッド電極である。
【0008】
つまり、コロナ帯電器200を感光体100に近接させて設けた場合、この間をシャッタが開閉移動する構成となる。従って、シャッタが感光体100に万が一接触してしまうことがあっても感光体100を劣化させることがないように、シート状のシャッタを採用することが好ましいことが分かった。
【0009】
しかし、コロナ帯電器200と感光体100との間のシャッタが通過する空間は感光体の外周面に対応して曲率形状(図13)を為していることから、シャッタがその開閉移動に伴い感光体やコロナ帯電器と摺動する関係となってしまう恐れがある。
【0010】
つまり、特許文献1のようにシャッタの短手方向が直線的な平らな形状となっている場合、コロナ帯電器と感光体間の空間の曲率形状に対応していないので、シャッタが感光体やコロナ帯電器(シールドやグリッド電極)と摺動する関係となってしまう。
【0011】
このように、シャッタがコロナ帯電器と摺動する関係となってしまうと、シャッタがコロナ帯電器に引っ掛かってしまい、シャッタの開閉移動を適切に行うことができなくなる。
【0012】
また、シャッタが開閉移動を行う毎に感光体と摺動する関係となってしまうと、感光体の劣化を無視することができなくなる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動を適切に行うことができる帯電装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動に伴い感光体が劣化してしまうのを防止することができる帯電装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周方向において前記シート状部材の中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0017】
第2の発明は、
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周面の形状と対応するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0018】
第3の発明は、
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周方向においてその中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように癖付け処理が施されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明は、
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周面の形状と対応するように癖付け処理が施されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動を適切に行うことができる。
【0021】
また、コロナ帯電器を感光体に近接させて設けたとしても、シート状部材の開閉移動に伴い感光体が劣化してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に沿って、本発明に係る実施例について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0023】
はじめに、画像形成装置の全体構成について、図3を用いて説明する。本例の画像形成装置は、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタである。
【0024】
(画像形成装置の全体構成)
図3に示すように、感光体(像担持体)1の周囲に、その回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電装置2、露光装置3、電位測定装置7、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置8、光除電装置9が配設されている。また、転写装置5よりも記録材Pの搬送方向下流側に、定着装置6が配設されている。次に、画像形成に関与する個々の画像形成機器について、順に、詳述する。
【0025】
(感光体)
本例の像担持体としての感光体1は、図3に示すように、円筒状(ドラム型)の電子写真感光体である。この感光体1は、直径が84mmであり、中心軸(不図示)を中心に500mm/secのプロセススピード(周速度)で矢示R1方向に回転駆動される。
【0026】
また、図4に示すように、感光体1は負帯電特性の有機光半導体である感光層を有している。具体的には、感光体1は、径方向内側(図4の下側)に導電性基体であるアルミニウム製シリンダ1aを有している。そして、このシリンダ1a上に、光の干渉を抑えるとともに上層の接着性を向上させる下引き層1b、電荷発生層1c、電荷輸送層1dが順に積層された3層構造となっている。このうち電荷発生層1cと電荷輸送層1dとによって上述した感光層が構成されている。
【0027】
(帯電装置)
本例の帯電装置2は、図3に示すように、放電ワイヤ2hと、これを囲むように設けられたコの字状の導電性シールド2bと、このシールド2bの開口に設置されたグリッド電極2aとを有するスコロトロン・タイプのコロナ帯電器である。
【0028】
また、本例では、画像形成の高速化に対応するため、放電ワイヤ2hを2本設置するとともにこれに対応してシールド2bが放電ワイヤ2h間を遮るように仕切りが設けられたコロナ帯電器を用いている。
【0029】
このコロナ帯電器2は感光体1の母線に沿って設置されており、従って、コロナ帯電器2の長手方向は感光体1の軸線方向と平行な関係にある。また、図5に示すように、グリッド電極2aは、感光体の周面に沿ってその短手方向(感光体の移動方向)の中央部が両端部よりも感光体から離れるように設置されている。従って、本例では、コロナ帯電器2を従来以上に感光体1に近接して設けることができ、帯電効率を向上させることができる。
【0030】
また、コロナ帯電器2は、帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源S1が接続されており、印加電源S1から印加された帯電バイアスにより、感光体1の表面を帯電位置aにおいて負極性の電位に一様に帯電処理を行う機能を担っている。具体的には、直流電圧が、放電ワイヤ2hとグリッド電極2aに印加される構成となっている。
【0031】
(露光装置)
本例の露光装置3は、コロナ帯電器2により帯電処理された感光体1にレーザ光Lを照射する半導体レーザを備えたレーザビームスキャナである。具体的には、画像形成装置にネットワークケーブルを介して接続されたホストコンピュータから送信されてくる画像信号に基づいて、露光装置3はレーザ光Lを出力する。このレーザ光Lは、帯電処理済みの感光体1表面を、露光位置bにおいて主走査方向に沿って露光する。感光体が回転している間にこの主走査方向に沿った露光を繰り返すことにより、感光体1表面の帯電面のうち、レーザ光Lが照射された部分の電位が低下し、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0032】
ここで、主走査方向とは感光体1の母線に平行な方向を意味しており、副走査方向は感光体1の回転方向に平行な方向を意味している。
【0033】
(現像装置)
本例の現像装置4は、帯電装置2と露光装置3によって感光体1上に形成された静電潜像に、現像剤(トナー)を付着させることにより可視像化する。本例の現像装置4は、二成分磁気ブラシ現像方式を採用しており、さらに、反転現像方式を採用している。
【0034】
この現像装置4は、現像容器4a、現像スリーブ4b、マグネット4c、現像ブレード4d、現像剤攪拌部材4f、トナーホッパー4gを有している。なお、図3中の符号4eは、現像容器4a内に収納された二成分現像剤を示している。
【0035】
現像スリーブ4bは、非磁性の円筒状の部材であり、外周面の一部を外部に露出させて現像容器4aに回転可能に設置されている。マグネット4cは、非回転に固定された状態で、現像スリーブ4b内に設置されている。現像ブレード4dは、現像スリーブ表面にコートされた二成分現像剤4eの層厚を規制する。現像剤攪拌部材4fは、現像容器4a内の底部側に設置され、二成分現像剤4eを攪拌するとともに現像スリーブ4bに向けて搬送する。トナーホッパー4gは、現像容器4aに補給する補給用トナーを収納した容器である。
【0036】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、トナーと磁性キャリアとの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。この磁性キャリアの抵抗は約1013Ω・cm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0037】
上述の現像スリーブ4bは、感光体1との最近接距離が350μmとなるように、感光体1に対向配置されている。この感光体1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cとなる。現像スリーブ4bはその表面が、現像部cにおいて感光体1表面の移動方向とは逆方向に移動する方向に回転駆動される。つまり、感光体1の矢印R1方向の回転に対して、矢印R4方向に回転駆動されている。
【0038】
この現像スリーブ4bの外周面に、内側のマグネット4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として保持され、現像スリーブ4bの回転に伴って現像部cへ搬送される。磁気ブラシ層は、現像ブレード4dにより所定の薄層にカットされ、現像部cにおいて感光体1に接触するように構成されている。
【0039】
また、現像スリーブ4bは現像バイアス印加電源S2が接続されており、現像スリーブ4b表面に担持された現像剤中のトナーは、印加電源S2により印加された現像バイアスによる電界によって、感光体1上の静電潜像に対応して選択的に付着される。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。本例の場合は、感光体1上の露光部(レーザ光照射部分)にトナーが付着されて静電潜像が反転現像される。
【0040】
このとき、感光体1上に現像されたトナーの帯電量はおよそ−25μC/gである。
【0041】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤は引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内に回収される。
【0042】
また、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度をほぼ一定範囲内に維持させるため、現像容器4a内に光学式トナー濃度センサが設置されている。このトナー濃度センサによって検知されたトナー濃度に応じた量のトナーが、トナーホッパー4gから現像容器4aへと補給される。
【0043】
(転写装置)
本例の転写装置5は、図3に示すように、転写ローラを有している。この転写ローラ5は感光体1表面に所定の押圧力をもって圧接されており、その圧接ニップ部が転写部dとなる。この転写部dには給紙カセットから所定の制御タイミングにて記録材P(例えば、紙、透明フィルム)が給送される。
【0044】
転写部dに給送されてきた記録材Pは感光体1と転写ローラ5との間に挟持搬送されながら、感光体1上のトナー像が記録材Pに転写される。このとき、転写ローラ5には、転写バイアス印加電源S3からトナーの正規帯電極性(負極性)とは逆極性の転写バイアス(本例では、+2kV)が印加される。
【0045】
(定着装置)
本例の定着装置6は、図3に示すように、定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有している。転写装置5によりトナー像の転写を受けた記録材Pは、定着装置6へと搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6bとによって加熱、加圧されて表面にトナー像が定着される。定着処理を受けた記録材Pは、その後、機外へと排出される。
【0046】
(クリーニング装置)
本例のクリーニング装置8は、図3に示すように、クリーニングブレードを有している。転写装置5により記録材Pにトナー像が転写された後、感光体1表面に残留している転写残トナーはクリーニングブレード8によって除去される。
【0047】
(光除電装置)
本例の光除電装置9は、図3に示すように、除電露光ランプを有している。クリーニング装置8によりクリーニング処理された感光体1は、その表面に残留している電荷が、除電露光ランプ9による光照射により除電される。
【0048】
以上説明した各画像形成機器による一連の画像形成プロセスが終了し、次の画像形成動作に備えられる。
【0049】
(帯電器シャッタ)
次に、コロナ帯電器2の開口を開閉するシート状部材としての帯電器シャッタ10について説明する。このコロナ帯電器2の開口とは、シールドに形成された開口のことを指し、コロナ帯電器2による帯電領域(図1のW)に対応している。従って、このコロナ帯電器による帯電領域Wは、感光体1が帯電され得る領域とほぼ一致する。
【0050】
図1は、シート状部材としての帯電器シャッタ10がX方向(開方向)へ移動するように巻取られたことにより帯電器シャッタ10が開いた状態を示したものである。図2はシート状部材としての帯電器シャッタ10がY方向(閉方向)へ移動するように引っ張られたことにより帯電器シャッタ10が閉じた状態を示したものである。
【0051】
本例では、図1、図2に示すように、コロナ帯電器2の開口を開閉する帯電器シャッタ10として、巻取り装置11によりロール状に巻取ることが可能な有端状のシート状のシャッタ(以下、帯電器シャッタ)を採用している。
【0052】
これは、帯電器2から感光体1に向けて落下するコロナ生成物の通過を防止することの他に次の理由に依るものである。つまり、帯電器シャッタは感光体1とグリッド電極2aとの狭い隙間を移動するため、万が一帯電器シャッタが感光体1と接触した際には画像劣化を生じさせるような損傷を感光体に与えるのを防止するためである。
【0053】
従って、本例では、帯電器シャッタ10として、ポリイミド樹脂製で厚みが30μmのシート状のものを採用している。
【0054】
また、画像形成動作中に帯電器2の長手方向(主走査方向)一端側にロール状に退避する構成となっているのは、帯電器シャッタ10の退避時(開時)のスペースを小さくするためである。
【0055】
(帯電器シャッタ開閉機構)
次に、帯電器シャッタ10の開閉機構(移動手段)について説明する。図1、図2は帯電器シャッタ10の開状態、閉状態を示したものであり、図5はコロナ帯電器の長手方向一端側から見た断面図を示したものであり、図6は開閉機構の詳細を示した斜視図である。
【0056】
この開閉機構は、駆動モータM、巻取り装置11、移動部材12、連結部材12a、連結部材12b、回転部材13を有しており、帯電器シャッタ10をその長手方向(主走査方向)に沿って開閉移動させる機能を担っている。
【0057】
また、本例では、帯電器シャッタ10の開動作完了を検知するシャッタ検知装置15が設けられている。このシャッタ検知装置15はフォトインタラプタを有しており、移動部材12が開動作完了位置に到達すると、フォトインタラプタ15が遮光部材12cにより遮光されることを利用して、帯電器シャッタ10の開動作完了を検知する仕組みとなっている。つまり、シャッタ検知装置15により移動部材12の遮光部材12cを検知した時点で、駆動モータMの回転を停止させる構成となっている。
【0058】
図5、6に示すように、帯電器シャッタ10の閉方向先端側には、帯電器シャッタの短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側に突出するように帯電器シャッタの形状を規制する規制手段として機能するシャッタ固定部材17が設けられている。このシャッタ固定部材は、移動部材12に一体で備えられた連結部材12bに係止固定されている。また、この移動部材12は、回転部材13に螺合するように設けられた駆動伝達部材16を有しており、この駆動伝達部材16を介して回転部材13に駆動連結されている。さらに、移動部材12はシールド2b上に設けられたレール2c上を主走査方向にのみ移動できるように螺合されており、移動部材12が回転部材13と共に回転してしまうのを防止している。
【0059】
回転部材13は、図6に示すようにスパイラル状の溝が形成されており、その一端部にはギア18が接続されている。一方、駆動モータMの先端にはウォームギア19が接続されており、駆動モータMの駆動力をウォームギア19とギア18との噛み合い部を介して回転部材13へと伝達する。
【0060】
そして、回転部材13が駆動モータMにより回転駆動されると、移動部材12がこのスパイラルの溝に沿って主走査方向(X、Y方向)へ移動する。従って、駆動モータMにより回転部材13が駆動されると、移動部材12と一体化されている連結部材12bを介して、帯電器シャッタ10に開閉方向への移動力が伝達される構成となっている。
【0061】
また、移動部材12には、帯電器シャッタ10と係合する連結部材12bとは別に、放電ワイヤ2hを清掃する清掃部材14を保持する連結部材12aが一体で備えられている。
【0062】
従って、駆動モータMによって帯電器シャッタ10が上述のように主走査方向(X、Y方向)へ移動するのと同時に、清掃部材14も同一方向へと移動する。
【0063】
これにより、放電ワイヤ2hの清掃と帯電器シャッタ10とを同一の駆動モータMで駆動することが可能となる。
【0064】
(帯電器シャッタ巻取り機構)
次に、帯電器シャッタ10の巻取り機構について説明する。図7は巻取り手段としての巻取り装置11の構成を示した図であり、図8は巻取り装置11をコロナ帯電器2に取り付けるためのガイド部材35に装着した状態を示す図である。
【0065】
巻取り装置11は、帯電器シャッタ10の一端側を固定するとともにこれを巻取る円筒状の巻取りローラ(巻取り部材)30、巻取りローラ30を軸支する軸部材32、巻取りローラ30の他方端を軸支する軸受部材31を有している。さらに、軸受部材31と軸部材32を固定する固定部材である平行ピン34、巻取りローラ30内に設置され、巻取りローラ30と軸受部材31に係合するバネ(付勢部材)33を有している。
【0066】
また、巻取り装置11は、図8に示すようにガイド部材35に取り付けられることで、軸受部材31の突起31aがガイド部材の突起35aに突き当たる構成になっている。これにより、軸受部材31および軸部材32は回転不可に固定され、巻取りローラ30のみが回転可能に軸支される。
【0067】
取り付けの際には、軸受部材31にはA方向に回転力が生じるように、ガイド部材35に取り付ける前に、巻取りローラ30を固定した状態で軸受部材31をB方向に数回転巻いた状態で取り付けている。
【0068】
これにより、帯電器シャッタ10が開く方向(Y方向)に引っ張った際に、巻取りローラ30が帯電器シャッタ10を巻き取る方向にバネ33のねじり応力が働き、かつ軸受部材31はA方向の力を受けるためガイド部材35に突き当たって回転不可に固定される。
【0069】
この際、帯電器シャッタのたるみを防止するために、次のような構成としている。つまり、駆動モータMにより移動部材12がX方向に移動する速度V1と、巻取り装置11により帯電器シャッタ10がX方向に移動する速度V2の関係が、常にV2>V1となるような巻取り力を付与するように構成している。そこで、本例においては、帯電器シャッタ10が開動作完了位置に移動した際(図1)での巻取り装置11の付勢力が最も弱くなるため、この位置での付勢力F1で帯電器シャッタ10を引っ張る速度がV2となるように構成している。つまり、ガイド部材35に取り付ける前に軸受部材31をB方向に回す回数を調整し決定している。
【0070】
従って、帯電器シャッタを開く際には、駆動モータMにより帯電器シャッタ10がX方向へ移動するに伴い、帯電器シャッタ10が下方に垂れ下がることなく帯電器シャッタ10を随時巻取りローラ30が巻取っていく仕組みとなっている。
【0071】
一方、帯電器シャッタ10を閉める際(図2)には、駆動モータMが巻取りローラ30内のバネ33の付勢力に抗して帯電器シャッタ10を巻取りローラ30から引き出すことで、帯電器シャッタ10がY方向へ移動する仕組みとなっている。
【0072】
なお、帯電器シャッタ10が完全に閉まった状態のとき、巻取りローラ30内のバネ33によるX方向への付勢力が帯電器シャッタ10に作用しているので、帯電器シャッタ10が感光体側に下方に垂れ下がることはない。
【0073】
従って、閉時において、帯電器シャッタ10とコロナ帯電器2との間に隙間ができ難い構成とした為、コロナ生成物が外側に漏れにくい状態を維持することが可能となる。
【0074】
(帯電器シャッタの曲率形状付与機構)
次に、本例のコロナ帯電器2は、先に述べたように、グリッド電極2aは、感光体1の周面に沿ってその短手方向(感光体の周方向)の中央部が両端部よりも感光体1から離れるように設置されている。そのため、本例では、帯電器シャッタ10も、帯電器シャッタ10の形状が感光体1の周面の曲率形状に実質倣う(対応する)ように、規制手段としての曲率形状付与機構を設けている。本例では、曲率形状付与機構として、帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構と、巻取り口側での帯電器シャッタ10への曲率形状付与機構と、を有しており、以下、順に説明する。
【0075】
(帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構)
まず、帯電器シャッタ10の先端への曲率形状付与機構について説明する。図9はコロナ帯電器をその短手方向から見た(図5の左右方向)断面図であり、図10は規制部材としてのシャッタ固定部材17を連結部材12bに対して取り付ける前の状態(A)と、取り付けた後の状態(B)を示した図である。
【0076】
図9に示すように、巻取り装置11による巻取り範囲外となる帯電器シャッタ10の長手方向一端側は、移動部材12に帯電器シャッタ10を固定するためのシャッタ固定部材17が取り付けられている。
【0077】
このシャッタ固定部材17は、連結部材12bに取り付けられた際に、感光体1の周面の曲率形状に倣うよう、弾性を有した部材にて構成されている。
【0078】
具体的には、図10(A)に示すように、シャッタ固定部材17はバネ性を有した薄板の金属板金の幅L2(弾性変形前)は、連結部材12bの取り付け部の幅L1よりも小さい幅に設定されている。また、シャッタ固定部材17の連結部材12bへの取り付け部17aは、帯電器シャッタ10の裏面(コロナ帯電器側の面)を固定するための取り付け面17bとのなす角度αが90°以下に設定されている(本例では、45°)。
【0079】
これにより、シャッタ固定部材17を連結部材12bに取り付けると、図10(B)に示すように、シャッタ固定部材17は弾性変形し、感光体1から離れる方向の力F2を受ける。そのため、シャッタ取り付け面17bの短手方向中央部が両端部よりも突出する曲率形状となり、帯電器シャッタ10の先端に曲率形状を付与することができる。
【0080】
なお、本例においてバネ性を有した薄板の金属板金を例に挙げたが、弾性を有したフィルム素材でも構わない。また、本例においてバネ性を有した薄板の金属板金を例に挙げたが、あらかじめ所定の曲率形状を有した薄板の金属板金でも構わない。
【0081】
(巻取り口側での帯電器シャッタ10への曲率形状付与機構)
さらに、本例では、図9に示すように、2つ目の曲率形状付与機構として、帯電器シャッタ10の巻取り装置11への巻取り口側に、ガイド部材16である回転体、所謂、コロが設けられている。
【0082】
このガイド部材16は、シャッタ固定部材17とは異なり、コロナ帯電器2の帯電ブロック36に固定されたガイド固定部材35に回転自在に支持され、帯電器シャッタ10の開閉移動をガイドする機能を有している。つまり、このガイド部材16は、帯電器シャッタ10の開閉移動に伴い回転する構造となっている。従って、このコロとされるガイド部材16は、帯電器シャッタ10が所望の曲率形状となるように規制するにあたって、帯電器シャッタ10の開閉移動に要する負荷が増大してしまうのを防止することができる。
【0083】
そして、ガイド部材16は、巻取り部材11による巻取り範囲外となる位置で、かつ感光体1よりも巻取り部材11に近い位置に配置されている。言い換えると、ガイド部材16は、コロナ帯電器の開口(グリッド電極が取り付けられる開口)、即ち、コロナ帯電器による帯電領域Wよりも帯電器シャッタの開方向下流側の位置に設けられている。
【0084】
従って、このガイド部材16は、帯電器シャッタが開閉移動する際に、帯電器シャッタ10がその短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器側へ突出するように、帯電器シャッタをガイドする。
【0085】
また、ガイド部材16であるコロの最上部は、感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置(感光体1外周面)βよりもコロナ帯電器2側に位置しており、帯電器シャッタ10は常にガイド部材16と摺動する関係となっている。
【0086】
この際、ガイド部材16の、感光体1やコロナ帯電器2に対する位置精度を保証するために、ガイド固定部材35に位置決めの突起が設けられており、感光体1、コロナ帯電器2、ガイド固定部材35が同一部材に位置決めされる構成になっている。
【0087】
更に、ガイド固定部材35は、コロナ帯電器2に固定されているため、位置決めの突起とガイド部材16を構成する部分を弾性変形可能な構造とし、コロナ帯電器2の姿勢に関わらず、常に感光体1との位置関係を保持できるようになっている。
【0088】
また、図5に示すように、ガイド部材16は、コロナ帯電器2の短手方向中央部にのみ配置され、シャッタ固定部材17と同様に、帯電器シャッタ10に対し曲率形状を付与する構成になっている。
【0089】
さらに、ガイド部材16は、図9に示すように、グリッド電極2aと感光体1間の微小な隙間に、帯電器シャッタ10を導くシャッタ挿入ガイドとしての機能も併せ持っている。
【0090】
従って、帯電器シャッタ10が巻取り装置11により巻き取られる側においても、帯電器シャッタ10の短手方向中央部が両端部よりもコロナ帯電器2側に突出した形状を維持することができる。このような形状を帯電器シャッタ10に付与したことで、コロナ帯電器2(グリッド電極2b)と感光体1間のギャップを可能な限り小さくすることに貢献している。
【0091】
なお、帯電器シャッタの開閉動作に支障を来たさない範囲内であれば、必ずしも、帯電器シャッタ10の曲率形状を感光体1の周面の曲率形状に一致させる必要はない。
【0092】
また、以上では、ガイド部材16としてコロを使用する例に説明したが、図14、図15に示すような構成を採用しても構わない。図14はコロナ帯電器と感光体をその長手方向から見た断面図であり、図15はガイド固定部材35や巻取り装置11を示す斜視図である。なお、図14、15において同様な機能を奏する部材には同符号を付すことで詳細な説明は省略する。
【0093】
図14、15に示すように、ガイド固定部材35に形成され、ガイド部材として機能する曲率形状のガイド35bは、コロと同様に、巻取り部材11による巻取り範囲外となる位置で、かつ感光体1よりも巻取り部材11に近い位置に配置されている。また、感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置(感光体1外周面)βよりもコロナ帯電器2側へと突出しており、帯電器シャッタ10は常に曲率形状ガイド35bに摺動する関係となっている。
【0094】
さらに、ガイド35bの位置精度保証も、コロと同様に、ガイド固定部材35に設けられた位置決めの突起が、感光体1、コロナ帯電器2と同一部材に位置決めされる構成になっている。
【0095】
そして、ガイド部材35は、コロナ帯電器2に固定されているため、位置決めの突起と規制部材16を構成する部分を弾性変形可能な構造とし、コロナ帯電器2の姿勢に関わらず、常に感光体1との位置関係を保持できるようになっている。
【0096】
また、この例では、ガイド35bの最上部となる部位が全て感光体1のコロナ帯電器2との最近接位置βよりもコロナ帯電器2側へと突出しているが、例えば、コロナ帯電器の短手方向中央部のみを突出させた形状としても構わない。
【0097】
さらに、以上では、曲率形状付与機構としてシャッタ固定部材17とガイド部材16の2つの機構を用いているが、少なくともシャッタ固定部材17による曲率形状付与機構を設けておけば構わない。但し、帯電器シャッタが感光体やコロナ帯電器に接触してしまうのを防止するには、以上のような2つの機構を併用する方がより好ましい。
【0098】
また、帯電器シャッタが感光体やコロナ帯電器に接触してしまうのを高レベルで防止するため、帯電器シャッタ10自身に形状加工処理(癖付け処理)を予め施しておくことで、帯電器シャッタに同様な曲率形状を持たせる構成を採用しても良い。具体的には、図16に示すような形状である。この図16は、帯電器シャッタ10を長手方向から見た断面図であり、その上側にはコロナ帯電器が位置し、その下側には感光体が位置する関係となっている。
【0099】
本例では、形状加工処理として熱処理加工方法を採用した。まず、熱処理前の平らな帯電器シャッタ10を感光体1の直径(ここでは84mm)と等しい中空の金属ローラに密着させて固定する。そして、帯電器シャッタが固定された金属ローラが所定温度(ここでは150℃)を維持するようにこの金属ローラをその内部から加熱源により加熱した状態でおよそ10分間放置する。その結果、感光体の周面の曲率形状にほぼ倣うように帯電器シャッタに曲率形状が付与されるである。なお、帯電器シャッタに曲率形状を付与する処理に関して、上述した熱処理加工方法の代わりに他の処理方法を採用しても構わない。この場合、前述したシャッタ固定部材17により帯電器シャッタに曲率形状を付与するだけでも、十分に効果を奏することが可能である。
【0100】
(帯電器シャッタの開閉制御)
次に、帯電器シャッタ10の開閉制御について説明する。図11は帯電器シャッタの開閉制御を行うブロック図を示し、図12はその制御フローを示している。
【0101】
図11に示すように、帯電器シャッタ10の開閉を制御するコントローラ部200は、帯電器シャッタ10の開閉制御を実現するための制御プログラムが格納されたROM201と、この制御プログラムに従って開閉制御を実行するCPU202を有している。また、ホストコンピュータとネットワークケーブルを介して情報が入力されるインターフェース(入力手段)203を有しており、このインターフェース203はホストコンピュータからの情報を取得しこれをCPU202へ送出する機能を担っている。
【0102】
CPU202は、ROM201に記憶された制御プログラムの内容に従って、帯電器シャッタ10に移動部材12a等を介して接続された駆動モータMの駆動をオン、オフさせることにより、帯電器シャッタ10の開閉動作を実行する。
【0103】
図12を用いて、画像形成ジョブを実行する際の、即ち、出力すべき画像情報を示す画像信号とともに画像形成開始信号が入力されてから一連の画像形成処理が終了するまでの制御フローについて説明する。この制御フローはCPU202により処理実行される。なお、上述した画像信号や画像形成開始信号(画像形成命令信号)は、インターフェース203を介してCPU202に入力される。
【0104】
まず、ホストコンピュータから画像形成開始信号が入力されると(S100)、シャッタ検知装置12cの出力に基づき帯電器シャッタ10が開位置にあるか否かを判定する(S101)。
【0105】
帯電器シャッタ10が開いておらず閉位置にある場合には、帯電器シャッタ10の開動作を実行させ(S102)、S101に戻る。
【0106】
S101において、帯電器シャッタ10が開位置にあることを検出すると、感光体1の回転動作を開始させる(S103)。そして、感光体1の回転動作開始後、コロナ帯電器2に帯電バイアスを印加する(S104)。
【0107】
その後、他の画像形成機器の準備動作が終了次第、画像形成が開始される(S105)。
【0108】
そして、画像形成ジョブ、即ち、一連の画像形成が終了すると(S106)、コロナ帯電器2への帯電バイアス印加を停止させ(S108)、感光体1の回転を停止させる(S109)。また、S106において、画像形成(画像形成ジョブ)が終了していないと判定した場合には、帯電器シャッタ10が開状態を維持するように制御する(S107)。
【0109】
なお、画像形成ジョブの実行中に、次の画像形成ジョブの実行予約が入った場合には、S106において、「画像形成終了」とは判断せずに、帯電器シャッタ10の開状態を維持させたまま、次の画像形成ジョブが引き続き開始される。つまり、S106においては、画像形成ジョブの実行終了までの間に次の画像形成ジョブの実行予約が入らなかった場合に、「画像形成終了」と判断する構成となっている。
【0110】
感光体1の回転停止に伴い、駆動モータMを駆動させて回転部材13を開動作時とは逆方向に回転させることにより、帯電器シャッタ10の閉動作を実行させ(S110)、コロナ帯電器2の開口を遮蔽する。
【0111】
以上説明したように、帯電器シャッタに曲率形状を付与することで、帯電器シャッタ10の開閉動作を円滑に安定して行うことができる。また、帯電器シャッタにより感光体が劣化してしまうのを防止することができる。
【0112】
従って、コロナ帯電器で発生した放電生成物が感光体へと転移し、この放電生成物に起因した帯電不良の発生を防止することができる。その結果、画像濃度ムラや、画像にスジが入ってしまう等の画像不良の発生を低減することができる。
【0113】
なお、以上の実施例では、コロナ帯電器が、感光体に静電像を形成する前工程において、感光体を実質一様に帯電処理するために用いられる場合について説明したが、このような例だけに限られない。例えば、コロナ帯電器が、感光体に形成されたトナー像を帯電処理するために用いられる場合にも本発明を同様に適用することが可能である。
【0114】
また、以上の実施例では、コロナ帯電器の開口にグリッド電極が設けられている場合について説明したが、コロナ帯電器にグリッド電極が設けられていない場合にも本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】帯電器シャッタが開いた状態を示す概略断面図である。
【図2】帯電器シャッタが閉まった状態を示す概略断面図である。
【図3】画像形成装置の概略断面図である。
【図4】感光体の層構成を示す概略断面図である。
【図5】コロナ帯電器の概略断面図である。
【図6】帯電器シャッタの開閉機構を示す概略斜視図である。
【図7】巻取り装置の概略断面図である。
【図8】巻取り装置がガイド固定部材にセットされた状態を示す概略斜視図である。
【図9】コロナ帯電器の開閉機構を示す概略断面図である。
【図10】(A)はシャッタ固定部材を取り付ける前の状態を示す図であり、(B)はシャッタ固定部材を取り付けた後の状態を示す図である。
【図11】帯電器シャッタの開閉制御を行うためのブロック図である。
【図12】帯電器シャッタの開閉制御の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図13】感光体とコロナ帯電器との位置関係を示す概略斜視図である。
【図14】曲率形状のガイド部材を示す概略断面図である。
【図15】曲率形状のガイド部材を示す概略斜視図である。
【図16】予め曲率形状が付与された帯電器シャッタを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0116】
1 感光体
2 コロナ帯電器
2a グリッド電極
2b シールド
2c レール
2h 放電ワイヤ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 定着装置
8 クリーニング装置
9 光除電装置
10 帯電器シャッタ
11 巻取り装置
12 移動部材
12b 連結部材
12c 遮光部材
13 回転部材
14 放電ワイヤ用の清掃部材
15 シャッタ検知装置
16 ガイド部材
17 シャッタ固定部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周方向において前記シート状部材の中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記シート状部材に固定され、前記シート状部材の前記中央部が前記両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1の帯電装置。
【請求項3】
前記規制部材を前記シート状部材の閉方向先端側に固定したことを特徴とする請求項2の帯電装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記シート状部材の前記中央部が前記両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材をガイドするガイド部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの帯電装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は前記シート状部材の開閉移動に伴い回転可能な回転体を有することを特徴とする請求項4の帯電装置。
【請求項6】
前記シート状部材をその長手方向に沿って巻取る巻取り手段を有し、前記巻取り手段は前記シート状部材に対し開方向への付勢力を付与する付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの帯電装置。
【請求項7】
前記移動手段は前記シート状部材を前記コロナ帯電器の長手方向に沿って開閉移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの帯電装置。
【請求項8】
前記コロナ帯電器は前記感光体を実質一様に帯電するために用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの帯電装置。
【請求項9】
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周面の形状と対応するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項10】
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周方向においてその中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように癖付け処理が施されていることを特徴とする帯電装置。
【請求項11】
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周面の形状と対応するように癖付け処理が施されていることを特徴とする帯電装置。
【請求項1】
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周方向において前記シート状部材の中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記シート状部材に固定され、前記シート状部材の前記中央部が前記両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材の形状を規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1の帯電装置。
【請求項3】
前記規制部材を前記シート状部材の閉方向先端側に固定したことを特徴とする請求項2の帯電装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記シート状部材の前記中央部が前記両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように前記シート状部材をガイドするガイド部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの帯電装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は前記シート状部材の開閉移動に伴い回転可能な回転体を有することを特徴とする請求項4の帯電装置。
【請求項6】
前記シート状部材をその長手方向に沿って巻取る巻取り手段を有し、前記巻取り手段は前記シート状部材に対し開方向への付勢力を付与する付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの帯電装置。
【請求項7】
前記移動手段は前記シート状部材を前記コロナ帯電器の長手方向に沿って開閉移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの帯電装置。
【請求項8】
前記コロナ帯電器は前記感光体を実質一様に帯電するために用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの帯電装置。
【請求項9】
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、
前記感光体の周面の形状と対応するように前記シート状部材の形状を規制する規制手段と、
を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項10】
感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周方向においてその中央部が両端部よりも前記コロナ帯電器側へ突出するように癖付け処理が施されていることを特徴とする帯電装置。
【請求項11】
円筒状の感光体に対向配置され帯電処理を行うコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口を開閉するシート状部材と、
前記シート状部材を開閉移動させる移動手段と、を有し、
前記シート状部材には前記感光体の周面の形状と対応するように癖付け処理が施されていることを特徴とする帯電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−145840(P2010−145840A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324404(P2008−324404)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]