説明

帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルム

【課題】ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に導電性塗膜が形成された帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤、ポリピロール及び合成樹脂バインダーを含んでなる導電性塗膜をポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に塗布し、ポリオレフィン系樹脂延伸フィルムの導電性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に導電性塗膜が形成された帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、より詳しくは、コロナ処理などの表面前処理を必要しない、優れた密着性を示し且つ湿度依存性のない優れた帯電防止効果を示す導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にポリオレフィン系フィルムは、文具をはじめ工程内離型フィルムに代表される産業用用途などあらゆる分野で使用されている。
また、これらのポリオレフィン系樹脂フィルムが帯電しやすく、容易に静電気を発生することはよく知られている。
ポリオレフィン系樹脂フィルムにおける静電気発生を抑制する手段としては、ポリオレフィン系樹脂フィルム中に界面活性剤を練りこんで、フィルム表面へ該界面活性剤をブリードアウトさせることにより帯電防止性能を発現させる方法やポリオレフィン系樹脂フィルム表面上に帯電防止効果のある塗膜を設ける方法等が採用されてきた(例えば、特開2000−154286号公報及び「界面活性剤ハンドブック」 工学図書株式会社 昭和43年8月出版 268−275頁 9.2プラスチック帯電防止剤参照。)。
しかし、ポリオレフィン系樹脂フィルム中に界面活性剤を練りこんだ場合、外気温度、湿度により帯電防止性能にバラツキがでるという問題があり、また、帯電防止効果のある塗膜を設ける場合、ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムにおいてはコロナ放電処理などのフィルム表面の改質を行わないと、十分な密着性が得られないという問題があった(例えば、「プラスチック材料講座 ポリプロピレン系樹脂」 昭和56年10月10日 6版発行 220頁 (ii)印刷(a)フィルムの印刷参照。)。
【特許文献1】特開2000−154286号公報
【非特許文献1】「界面活性剤ハンドブック」 工学図書株式会社 昭和43年8月出版 268−275頁 9.2プラスチック帯電防止剤
【非特許文献2】、「プラスチック材料講座 ポリプロピレン系樹脂」 昭和56年10月10日 6版発行 220頁 (ii)印刷(a)フィルムの印刷
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、コロナ処理などの表面前処理を必要しない、優れた密着性を示し且つ湿度依存性のない優れた帯電防止効果を示す導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に界面活性剤、ポリピロール及び合成樹脂バインダーからなる導電性塗膜を形成する際、特定の界面活性剤を使用することにより、コロナ処理などの表面前処理を行わなくても、密着性及び帯電防止効果に優れる導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明は、
1.ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に導電性塗膜が形成された帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記導電性塗膜は、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤、ポリピロール及び合成樹脂バインダーを含んでなることを特徴とする帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルム、
2.前記界面活性剤がスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウムである前記1.記載の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルム、
に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、コロナ処理などの表面前処理を必要しない、優れた密着性を示し且つ湿度依存性のない優れた帯電防止効果を示す導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムが提供される。
本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、上記のように、コロナ処理などの表面処理工程を減らすことができるため、製造コストを削減することができ、これにより、コロナ処理を行う特別な施設が無くても優れた密着性を示し且つ湿度依存性のない優れた帯電防止効果を示す導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムの製造を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に導電性塗膜が形成された帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記導電性塗膜は、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤、ポリピロール及び合成樹脂バインダーを含んでなることを特徴とするものである。
【0008】
本発明における導電性塗膜は、例えば、有機溶媒と、水と、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤とを混合攪拌してなるO/W型の乳化液中に、ピロールおよび/またはピロール誘導体のモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより導電性微粒子(即ち、該導電性微粒子は、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤及びポリピロールから構成される。)を製造し、該導電性微粒子(例えば、有機溶媒に微分散した分散液として用いられる。)に合成樹脂バインダー等を添加して導電性塗料とした後、ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に塗布されて形成される。
【0009】
前記導電性微粒子の製造において使用可能なピロールおよびその誘導体としては、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等が挙げられる。特に好ましいのはピロールである。
【0010】
前記導電性微粒子の製造に用いる炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤としては、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができる。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナト
リウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
【0011】
反応系中での炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤の量は、ピロールおよび/ピロール誘導体のモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では得られた導電性微粒子に導電性の湿度依存性が生じてしまう場合がある。
【0012】
前記導電性微粒子の製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびピロールモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもポリピロールの重合を行うことはできるが、生成した導電性微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
【0013】
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではピロールモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
【0014】
前記導電性微粒子の製造で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもポリピロールを重合できるが、生成した粒子が凝集し、導電性微粒子を微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
【0015】
反応系中での酸化剤の量は、ピロールおよび/またはピロール誘導体のモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では導電性微粒子が凝集して粒径が大きくなり、分散安定性と導電性塗膜の透明性が悪化する。
【0016】
前記導電性微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)ピロールおよび/またはピロール誘導体のモノマーを乳化液中に分散させる工程、(c)モノマーを酸化剤により酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液し導電性微粒子を回収する工程。
【0017】
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
【0018】
上記の製造方法において、酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性微粒子を入手することができる。
【0019】
こうして得られた導電性微粒子(炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤及びポリピロールから構成される。)は、上記の有機溶媒に分散した分散液として、必要に応じてある程度有機溶媒を、例えば、エバポレーター等の設備を用いて揮発させて前記分散液の濃縮液として、又は単離された導電性微粒子として、導電性塗料の成分として使用することができる。
前記導電性塗料は、前記導電性微粒子(例えば、有機溶媒に微分散した分散液として用いられる。)に合成樹脂バインダー及び必要に応じてその他の成分を添加することにより製造される。
【0020】
上記合成樹脂バインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ウレタン樹脂
、メラミン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられ、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。
【0021】
その他の成分として、用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることができる。
また、これらの導電性微粒子は、乾燥させて粉末状の導電性微粒子とすることができ、該粉末状導電性微粒子は、合成樹脂成型品等に導電性充填材等として用いることもできる。
【0022】
前記導電性塗料をポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムに塗布し、乾燥させることによって、導電性薄膜を形成することができ、これにより、本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムが製造できる。
上記塗布方法は特に限定されず、例えばグラビア印刷機、インクジェット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いて、印刷またはコーティングすることができる。また、得られた導電性薄膜は、1010Ω以下、より特には108Ω以下の抵
抗値を示す。
【0023】
尚、本発明において、前記導電性塗膜の固形分中における界面活性剤(炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する)、ポリピロール及び合成樹脂バインダーの含有率は、特定の範囲に調整される。
ここで界面活性剤(炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する)の含有率は、導電性塗膜の固形分の総質量に基づいて2ないし65質量%、好ましくは2ないし47質量%であり、ポリピロールの含有率は、導電性塗膜の固形分の総質量に基づいて1ないし30質量%、好ましくは1ないし25質量%であり、合成樹脂バインダーの含有率は、導電性塗膜の固形分の総質量に基づいて30ないし97質量%、好ましくは30ないし96質量%である。
【実施例】
【0024】
以下の実施例により本発明をより詳しく説明する。但し、実施例は本発明を説明するためのものであり、いかなる方法においても本発明を限定することを意図しない。
【0025】
合成例1(溶液1の調製)
界面活性剤であるスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2
mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径50nm)の分散液を得たが、該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液1とした。
【0026】
合成例2(溶液2の調製)
界面活性剤であるアルキル(C7)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径50nm)の分散液を得たが、該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液2とした。
【0027】
合成例3(溶液3の調製)
界面活性剤であるアルキル(C12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径50nm)の分散液を得たが、該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液3とした。
【0028】
合成例4(溶液4の調製)
界面活性剤であるアルキル(C15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径100nm)の分散液を得た。該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液4とした。
【0029】
合成例5(溶液5の調製:スルホン酸基を有さない界面活性剤の使用)
界面活性剤であるソルビタンモノラウレート(アルキル(C12))1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径75nm)の分散液を得た。該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液5とした。
【0030】
合成例6(溶液6の調製)
界面活性剤であるアルキル(C6)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。しかしながら、分散液中の導電性微粒子が凝集してしまったため、塗料に使用することができなかった。(溶液6)
【0031】
合成例7(溶液7の調製)
界面活性剤であるアルキル(C16)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄してトルエン中に分散した状態で黒色の導電性微粒子(平均粒子径100nm)の分散液を得た。該分散液中におけるポリピロールの含有率は、0.6%となり、界面活性剤の含有率は、1.4%となるものであった。これを溶液7とした。
【0032】
合成例8(溶液8の調製)
界面活性剤であるパラトルエンスルホン酸ナトリウム(アルキル(C1))1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。しかしながら、分散液中の導電性微粒子が凝集してしまったため、塗料に使用することができなかった。(溶液8)
【0033】
実施例1
合成例1で調製した溶液1 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.25質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)0.76質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:1.55=39.5:16.9:43.6となる。
【0034】
実施例2
合成例1で調製した溶液1 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)38質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)22.6質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:46.6=2.9:1.2:95.8となる。
【0035】
実施例3
合成例1で調製した溶液1 100質量部に、メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンJ820:固形分=60%)1.7質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:1.0=46.7:20.0:33.3となる。
【0036】
実施例4
メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンJ820:固形分=60%)を13.3質量部に変えた以外は実施例3と同様の操作を行い、帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:8.0=14.0:6.0:80.0となる。
【0037】
実施例5
合成例1で調製した溶液1 100質量部に、アクリル樹脂(大橋化学工業製、ポリナールNo.500004 クリアー:固形分=32%)6.7質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:2.1=34.1:14.6:51.2となる。
【0038】
実施例6
アクリル樹脂(大橋化学工業製、ポリナールNo.500004 クリアー:固形分=32%)を26.7質量部に変えた以外は実施例5と同様の操作を行い、帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:8.5=13.3:5.7:81.0となる。
【0039】
実施例7
合成例2で調製した溶液2 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.8質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)1.2質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(アルキル(C7)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:2.3=32.6:14.0:53.4となる。
【0040】
実施例8
合成例2で調製した溶液2 100質量部に、メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンJ820:固形分=60%)1.7質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(アルキル(C7)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:1.0=46.7:20.0:33.3となる。
【0041】
実施例9
合成例2で調製した溶液2 100質量部に、アクリル樹脂(大橋化学工業製、ポリナールNo.500004 クリアー:固形分=32%)6.7質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(アルキル(C7)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:2.1=34.1:14.6:51.2となる。
【0042】
実施例10
合成例3で調製した溶液3 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.8質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)1.2質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(アルキル(C12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:2.3=32.6:14.0:53.4となる。
【0043】
実施例11
合成例4で調製した溶液4 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.8質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)1.2質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(アルキル(C15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:2.3=32.6:14.0:53.4となる。
【0044】
比較例1
合成例1で調製した溶液1をそのまま塗料として用いた(バインダーを添加しなかった。)。
上記塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#
150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:0=70:30:0となる。
【0045】
比較例2
合成例5で調製した溶液5 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.25質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)0.76質量部を添加し、ポリピロール系塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤(ソルビタンモノラウレート(アルキル(C12))):ポリピロール:合成樹脂バインダー=1.4:0.6:1.55=39.5:16.9:43.6となる。
【0046】
比較例3
合成例6で調製した溶液6を用いて塗料を調製しようとしたが、分散液中の導電性微粒子が凝集してしまったため、塗料とすることができなかった。
【0047】
比較例4
合成例7で調製した溶液7 100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.25質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)0.76質量部を添加したところ、導電性微粒子が凝集したため、塗料とすることができなかった。
【0048】
比較例5
合成例8で調製した溶液8を用いて塗料を調製しようとしたが、分散液中の導電性微粒子が凝集してしまったため、塗料とすることができなかった。
【0049】
比較例6
導電性微粒子の分散液を用いず、トルエン100質量部に、二液硬化ウレタン樹脂、即ち、
バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)1.8質量部及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%)1.2質量部を添加し、塗料を得た。
上記で得られた塗料をポリプロピレン系樹脂の延伸フィルム(膜厚300μm)の片面に、格子#150、深度60μmのグラビアロールを用いてダイレクトリバース法にて塗布し、速度20m/min、乾燥温度120℃にて乾燥させて帯電防止フィルムを得た。
尚、塗膜中の固形分比は、界面活性剤:ポリピロール:合成樹脂バインダー=0:0:2.3=0:0:100となる。
【0050】
比較例7
ポリプロピレン樹脂100質量部に、界面活性剤であるジエタノールアミンが0.5質量部含有された延伸ポリプロピレンフィルム。
【0051】
試験例1
実施例1ないし11及び比較例1ないし7で得られた塗膜が形成されたポリプロピレン
系樹脂の延伸フィルム(但し、比較例3−5に付いては導電性微粒子が凝集したため、塗膜の形成ができず、また、比較例7は、ポリプロピレン樹脂中に界面活性剤が練りこまれているため塗膜は形成されていない。)の物性評価を行った。
結果を表2に纏めた。
物性評価は、導電性塗膜の1)表面抵抗値(Ω)、2)湿度依存性(20%/80%)、3)密着性(分類)、4)磨耗性について以下に示す測定法、基準で評価した。
1)表面抵抗値
気温25℃、湿度50%の雰囲気下で三菱化学社製「ハイレスター」を用い、印加電圧10Vにて測定した。
2)湿度依存性
気温25℃、湿度20%、80%の雰囲気下で三菱化学社製「ハイレスター」を用い、印加電圧10Vにて抵抗値変化を評価した。
評価基準としては「なし」は初期抵抗値に対して1桁未満、「あり」は1桁以上として評価を行った。
3)密着性
JIS K 5600-5-6「塗料一般試験法−付着性」に準じて密着性試験を行い、評価を行った。
【表1】

4)磨耗性
JIS L 0849「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に準じて摩擦試験を行い、荷重200gで100回学振後の綿布への塗料の転写を比較し評価した。評価基準としては○は綿布への着色なし、△は若干の着色あり、×は塗料の完全な転写による着色とし評価を行った。
【0052】
尚、表2中の界面活性剤の種類のAないしH及びバインダーの種類のIないしKは以下を意味する。
<界面活性剤>
A:スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(アルキル(C8))ナトリウム
B:アルキル(C7)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
C:アルキル(C12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
D:アルキル(C15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
E:ソルビタンモノラウレート(アルキル(C12))
F:アルキル(C6)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘキシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム)
G:アルキル(C16)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
H:パラトルエンスルホン酸ナトリウム(アルキル(C1))
<バインダー>
I:二液硬化ウレタン樹脂(バーノックDN−980(ポリイソシアネートプレポリマー:固形分=75%)及びバーノックD6−439(アルキド樹脂:固形分=80%))
J:メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンJ820:固形分=60%)
K:アクリル樹脂(大橋化学工業製、ポリナールNo.500004 クリアー:固形分=32%)
表2
【表2】

【0053】
実施例1ないし11で示されるように、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤を使用することにより得られた導電性塗膜が形成されたポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムは、その初期の表面抵抗値が低く、該表面抵抗値は湿度依存性が無く、また、密着性及び磨耗性に優れるものであった。
一方、比較例1のようにバインダーを使用しないポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムは、磨耗性に劣るものであった。また、比較例2のように、スルホン酸基を有さない界面活性剤を使用した場合のポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムは、密着性に劣るものであった。また、比較例3及び5のように炭素原子数が7より小さなアルキル基を側鎖に有する界面活性剤(比較例3:炭素原子数6、比較例5:炭素原子数1)を用いた場合は、導
電性高分子を製造した段階で導電性高分子の凝集が起こり、塗料とすることができなかった。また、比較例4のように炭素原子数が15より大きなアルキル基を側鎖に有する界面活性剤(炭素原子数16)を用いた場合は、導電性高分子を製造した段階では導電性高分子の凝集は起きなかったものの、バインダーを添加した段階で導電性高分子の凝集が起きたため、塗料とすることができなかった。比較例6のように導電性高分子を使用せず、バインダーのみを塗布した場合、磨耗性には優れるものの、密着性に劣ることが判った。
また、実施例7のように延伸ポリプロピレンに界面活性剤を練りこんだ慣用の帯電防止フィルムにおいては、その表面抵抗値は湿度依存性のものとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルム上に導電性塗膜が形成された帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記導電性塗膜は、炭素原子数7ないし15のアルキル基を側鎖に有し且つスルホン酸基を有する界面活性剤、ポリピロール及び合成樹脂バインダーを含んでなることを特徴とする帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項2】
前記界面活性剤がスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウムである請求項1記載の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂フィルム。

【公開番号】特開2008−248038(P2008−248038A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89744(P2007−89744)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】