説明

帳票印刷システム

【課題】 従来、あるオブジェクトが空白であると判断すると設定に従ってオブジェクトに割り当てられた領域を省略するという技術があったが、オブジェクトそのものを省略してしまう技術であり、オブジェクトの中に割り当てられた領域の空白データに関する処理に関しては解決されていなかった。
【解決手段】 帳票などで使用される表などのデータにおいて、ブレイクが設定されている項目で意図しない空白データなどが存在してブレイクが発生した際、そのブレイクを制御することが可能な帳票印刷システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表データ中にブレイクキーデータ(空白データ)が含まれている場合に、そのデータを検知して実際にブレイクを実行するか否かをユーザが選択できることに関する印刷システム。
【背景技術】
【0002】
従来、あるオブジェクトが空白であると判断すると設定に従ってオブジェクトに割り当てられた領域を省略するという技術があった。
【特許文献1】特開2005−216175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来の技術では、オブジェクトそのものを省略してしまう技術であり、オブジェクトの中に割り当てられた領域の空白データに関する処理に関しては解決されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明では以下の構成を備える。
【0005】
ブレイクが設定されている項目で意図しない空白データなどが存在してブレイクが発生した際、そのブレイクを制御する手段、
空白データが検知されたブレイクキー名から詳細設定を行うブレイクキーの選択をする手段、
空白データを含むデータ位置(行)を出力する手段、
空白データを含むデータ位置を選択し編集する手段、
編集データの反映に関してプレビューデータに反映又は実データに反映することを選択する手段、
空白データの処理として空白データを含むレコードを削除する、直前のブレイクデータ値を空白データに挿入する、個別に編集した値を挿入するから選択する手段、
空白データに対してデータを変更した場合にその箇所を強調表示するか否かを選択する手段、
空白データ箇所を強調表示する際に罫線の表示方法を色、スタイル、線種、太さに関して変更する手段
を有することを特徴とする帳票印刷システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明によってプレビュー時にブレイクキーに入れるブレイクキーデータ(空白データ)を正しく編集することで無駄な改ページ(意図しない改ページ)をホストデータを編集せずに削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例である帳票印刷処理システムのハードウェアの構成を表わすブロック図である。このシステムは、CPU10による中央処理装置と、ROM11/RAM12による主記憶装置、FDドライブ13やHDドライブ15などによる外部記憶装置、キーボード16およびマウス18などポインティングデバイスによる入力装置、CRTディスプレイ17などによる表示装置、プリンタやプロッタによる印刷装置19とそれらを結ぶシステムバス20とからその主要部が構成されるコンピュータシステムが、ネットワークバス21によって複数相互に接続されているものである。本制御装置は、基本I/Oプログラム、OS,およびプログラムをCPUが実行することにより動作する。基本I/OプログラムはROM11に書き込まれており、OSはHD15に書き込まれている。そして本制御装置の電源がONされたときに、基本I/Oプログラム中のIPL(イニシャル・プログラム・ローディング)機能によりHD15からOSがRAM12に読み込まれ、OSの動作が開始される。(プログラムは図等に示される制御手順のフローチャートに基づいてプログラムコード化されたものである。)
本実施例の場合は、本制御プログラムおよび関連データはFD14中に記録されており、その記録されている内容の構成を図2に示す。FD14に記録された制御プログラム及び関連データは、図1に示すようにFDドライブ13を通じて本コンピュータシステムにロードすることができる。このFDをFDドライブ13にセットすると、OSおよび基本I/Oプログラムの制御の下に本制御プログラムおよび関連データがFD14から読み出され、RAM12にロードされて動作可能となる。
【0008】
図3は、本制御プログラムがRAMにロードされ実行可能となった状態のメモリマップを示す。
【0009】
本実施例では、FD14から制御プログラム及び関連データを直接RAM12にロードして実行させる例を示したが、この他にFD14からプログラム及び関連データをいったんHD15に格納(インストール)しておき、本プログラムを動作させる段にHD15からRAM12にロードするようにしてもよい。また本制御プログラムを記録する媒体は、FD以外にCD-ROM、ICメモリカードなどであってもよい。さらに本プログラムをROM11に記録しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接CPU10で実行することも可能である。
【0010】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図4は本実施例における、ブレイクキーデータ(空白データ)を検知後にデータの変更・プレビュー等を行うブレイクキーデータ検知ダイアログである。まず空白データが含まれるブレイクキーを選択する(S401)。次にどの行数にある空白データに関して処理を行なうか選択する(S402)。選択した空白データに関して詳細編集処理を行なう場合は詳細編集ボタンを押す(S403)。またプレビューを実行したい場合はプレビューボタンを押す(S404)。
【0012】
図5は本実施例における、空白データを検知した際の詳細処理を設定するダイアログである。編集データの反映の項目ではプレビューデータに反映させるのか又は実データに反映させるのかを選択できる(S501)。またデータ編集の項では空白データの処理に関して、空白データが含まれるレコードごと削除する又は空白データに直前ブレイクデータ値と同一値のデータを入れる又は空白データに対して任意のデータを個別に設定することから選択できる(S502)。
【0013】
そしてデータ編集箇所表示設定では空白データ箇所を強調表示するか否かを選択できる。
【0014】
図6は本実施例における、空白データがある場合の空白データの表示設定ダイアログである。このダイアログでは 空白データのカラムをどのように表示するか設定する。設定値としては空白データを含むカラム罫線の色、スタイル、線種、太さの設定を行なえる(S601)。
【0015】
図7は本実施例における、プレビュー画面のウインドウである。このウインドウは図4のプレビューボタン(S404)を押すことで表示される。このプレビューウインドウには空白データが含まれたレコードのデータを一覧表示する。
【0016】
図8は本実施例における、ブレイクキーデータ(空白データ)を検知後の設定フローチャートである。まず空白データが検出されたブレイクキーから空白データの編集を行ないたいブレイクキーを選択する(S801)。そして選択したブレイクキーに関して空白データが存在する行リストが表示されるので、編集したい空白データが含まれる行を選択する(S802)。そしてその行データに関して詳細設定を行なうか又はプレビューを行うか終了するかを選択する(S803)。プレビューを選択した場合、プレビュー実行後終了する(S804)。詳細設定を選択した場合(S805)、まず空白データを変更した場合、変更をプレビューに反映させるか否かを選択する(S806)。反映させるを選択した場合、空白データへの変更をプレビューに反映させる。次にデータの変更を実データに反映させるか否かを選択する(S808)。反映させるを選択した場合、空白データへの変更を実データに反映させる(S809)。そして空白データの編集に関しては以下の編集設定より選択する。空白データが含まれているレコード(行)を削除するか(S811)又は空白データに直前のブレイクデータ値と同一値を挿入するか(S812)又は空白データに個別に任意のデータを挿入するか(S813)を選択する。個別データの挿入を決定した場合、任意のデータを設定する(S814)。次に表示変更設定ではプレビュー時、空白データもしくは空白データだった領域をどのように表示するかを設定する(S815)。
【0017】
(実施例2)
実施2としては、データのオーバレイを行う前に検知対象のデータ及び検知するブレイクキーを指定する。
【0018】
図9は本実施例における、ブレイクデータ検知設定ダイアログである。まず検知対象のブレイクキーを選択する(S901)。そして検知対象となるブレイクキーデータを設定する(S902)。指定する種別は空白データ又は任意データである。任意データの場合、検出したい文字列等を登録する(S903)。
【0019】
(実施例2の効果)
検知できる領域及び検知するデータの拡張が行えるので、より効率的にデータの検知及び修正等を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のハードウェアの構成を表わすブロック図。
【図2】本発明の記憶媒体に記録されている内容図。
【図3】本発明の制御プログラムがRAMにロードされ実行可能となった状態のメモリ図。
【図4】本発明のブレイクキーデータ(空白データ)を検知後にデータの変更・プレビュー等を行うブレイクキーデータ検知ダイアログ。
【図5】本発明のブレイクキーデータ(空白データ)を検知後にデータの変更・表示などの詳細設定を行う詳細設定ダイアログ。
【図6】本発明のブレイクキーデータ(空白データ)箇所の表示方法を変更する表示設定ダイアログ。
【図7】本発明のプレビュー画面ダイアログ。
【図8】本発明のブレイクキーデータ(空白データ)を検知後の設定フローチャート。
【図9】本発明のオーバレイ前にブレイクキーデータの検知設定を行うブレイクデータ検知設定ダイアログ。
【符号の説明】
【0021】
10 中央演算処理装置CPU
11 読取専用主記憶装置ROM
12 読み書き可能主記憶装置RAM
13 外部記憶装置FDドライブ
14 外部記憶媒体FD
15 外部記憶装置HDドライブ
16 入力装置キーボード
17 表示装置ディスプレイ
18 入力装置マウス
19 印刷装置
20 システムバス
30 媒体
31 媒体のボリューム情報領域
32 媒体のディレクトリ情報領域
33 制御プログラムの実行ファイル領域
34 制御プログラムの関連データファイル領域
40 記憶領域
41 基本I/Oプログラム領域
42 OS領域
43 制御プログラム領域
44 データエリア
45 ワークエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置からなるシステムであって、データにおいて、ブレイクが設定されている項目で意図しない空白データが存在してブレイクが発生した際、そのブレイクを制御することが可能な帳票印刷システム。
【請求項2】
前記請求項1に加え、空白データが検知されたブレイクキー名から詳細設定を行うブレイクキーの選択が可能な帳票印刷システム。
【請求項3】
前記請求項2に加え、空白データを含むデータ位置(行)を出力することが可能な帳票印刷システム。
【請求項4】
前記請求項3に加え、空白データを含むデータ位置を選択し編集が可能な帳票印刷システム。
【請求項5】
前記請求項4に加え、編集データの反映に関してプレビューデータに反映又は実データに反映することを選択できる帳票印刷システム。
【請求項6】
前記請求項5に加え、空白データの処理として空白データを含むレコードを削除する、直前のブレイクデータ値を空白データに挿入する、個別に編集した値を挿入するから選択することが可能とする帳票印刷システム。
【請求項7】
前記請求項6に加え、空白データに対してデータを変更した場合にその箇所を強調表示するか否かを選択することが可能な帳票印刷システム。
【請求項8】
前記請求項7に加え、空白データ箇所を強調表示する際に罫線の表示方法を色、スタイル、線種、太さに関して変更可能な帳票印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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