説明

幅見当調整装置及び印刷機

【課題】幅見当調整装置において、ウェブのファンアウトを適正に修正することで印刷品質を向上させる。
【解決手段】ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36からなる第1調整ユニット39と、第1調整ユニット39よりウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38からなる第2調整ユニット44a,44bとを設け、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bによりウェブWの幅方向における中央領域の押圧量とウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能(調整手段)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ユニットの間を走行するウェブを波状にすることで、このウェブの幅方向における見当を調整する幅見当調整装置、並びに、この幅見当調整装置を備える印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般的な新聞用オフセット輪転印刷機は、複数の給紙ユニットを有する給紙装置と、複数の印刷ユニットを有する印刷装置と、ウェブパス装置と、複数の折ユニットを有する折機と、排紙装置とから構成されている。従って、給紙装置から各印刷ユニットにウェブが供給されると、各ウェブに対して各印刷ユニットにより印刷が施され、ウェブパス装置で多数のウェブの走行ルートが変更されてから所定の順番に重ね合わされた後、折機にて、ウェブが縦折りされてから所定の長さで横裁断され、横折されることで折帖が形成され、印刷物(新聞)として排紙される。
【0003】
このような新聞用オフセット輪転印刷機にて、印刷装置は4色印刷が可能となるように、複数の印刷ユニットが縦に配置されるタワー型となっている。このタワー型の印刷装置は、ウェブが上方に搬送されながら、4つの印刷ユニットで連続して印刷が行われるため、ファンアウトと呼ばれる現象が発生する。即ち、ウェブが上方に搬送されるとき、このウェブは、印圧(印刷圧力)を受けながら、インキや湿し水が供給されるため、幅方向に伸びてしまう。この場合、ウェブは、4色印刷が行われるために扇状に変形し、ウェブと刷版(版胴)との間で幅方向にずれ、また、4色刷りの印刷過程で4色の色もずれてしまい、カラー写真が鮮明に印刷できないという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載されたウェブ料紙の調幅方法及び調幅装置は、2つの印刷部間を走行するウェブ料紙を幅方向の離隔した複数部位において一方面側から押圧し、この2つの印刷部の下流側印刷部の入口におけるウェブ料紙の幅を、上流側印刷部の入口におけるウェブ料紙の幅と略同一になるように、ウェブ料紙に走行方向と略平行な波打ちを形成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−134959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のウェブ料紙の調幅方法及び調幅装置では、ウェブ料紙に対して走行方向に沿ったテンションを付与した状態で、ウェブ料紙を複数部位において一方面側から押圧し、このウェブ料紙に波打ちを形成することで、ウェブ料紙の幅を調整している。ところが、ウェブは、幅方向における外側、つまり、ウェブ料紙の側部は、テンションによる拘束が不十分となり、一方面側から押圧しても、中央部に比べて十分な波打ちを形成することが困難となる。そのため、ウェブのファンアウトを適正に修正することができず、印刷品質が低下してしまう。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、ウェブのファンアウトを適正に修正することで印刷品質を向上させることが可能な幅見当調整装置及び印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の幅見当調整装置は、ウェブの幅方向に沿って設けられる複数の押圧部材を、走行するウェブにおける少なくとも一方面から押圧して波状にすることで、ウェブの幅方向における見当を調整する幅見当調整装置において、ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の前記押圧部材からなる第1調整ユニットと、該第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の前記押圧部材からなる第2調整ユニットと、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能な調整手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の幅見当調整装置では、前記調整手段は、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整することを特徴としている。
【0010】
本発明の幅見当調整装置では、前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットとをそれぞれ独立して駆動可能な第1駆動装置と第2駆動装置を有することを特徴としている。
【0011】
本発明の幅見当調整装置では、前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットとを一体に駆動可能な第1駆動装置と、前記第2調整ユニットのみを駆動可能な第2駆動装置とを有することを特徴としている。
【0012】
本発明の幅見当調整装置では、前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第1調整ユニットにおける前記押圧ローラの外径より、前記第2調整ユニットにおける前記押圧ローラの外径が大きく設定されることを特徴としている。
【0013】
本発明の幅見当調整装置では、前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第1調整ユニットにおける単位長さ当たりの前記押圧ローラの個数より、前記第2調整ユニットにおける単位長さ当たりの前記押圧ローラの個数が多く設定されることを特徴としている。
【0014】
本発明の幅見当調整装置では、前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第2調整ユニットにおける前記押圧ローラは、偏心軸にローラ本体が回転自在に支持され、前記偏心軸の位相を変更することで、押圧量を変更可能であることを特徴としている。
【0015】
本発明の幅見当調整装置では、ウェブの幅方向における最外側に配置される一つの前記押圧部材からなる第3調整ユニットを設け、前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットと前記第3調整ユニットとにより、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とウェブの幅方向における最外側の押圧量とを異なる値に調整可能であることを特徴としている。
【0016】
本発明の幅見当調整装置では、前記複数の押圧部材は、印刷胴よりもウェブの走行方向における上流側に設けられ、前記第2調整ユニットにおける前記押圧部材は、前記第1調整ユニットにおける前記押圧部材より、前記印刷胴に接近して設けられることを特徴としている。
【0017】
本発明の幅見当調整装置では、前記第1調整ユニットは、ウェブにおける一方面側の前記中央領域及び前記外側領域に等間隔で設けられ、前記第2調整ユニットは、ウェブにおける他方面側の前記外側領域に設けられることを特徴としている。
【0018】
本発明の幅見当調整装置では、前記押圧部材は、ウェブの幅方向に沿う中心軸をもつ曲面を有する中空形状をなす押圧部材本体と、前記曲面に形成されて前記押圧部材本体内の流体をウェブに向けて噴出する噴出孔とを有することを特徴としている。
【0019】
本発明の幅見当調整装置では、前記調整手段は、前記各調整ユニットを制御可能な制御手段を有し、該制御手段は、予め設定されたウェブデータ及びまたは印刷データに基づいて前記各調整ユニットを制御することを特徴としている。
【0020】
本発明の幅見当調整装置では、前記調整手段は、前記各調整ユニットを制御可能な制御手段と、ウェブと印刷画像とのずれを検出するずれ検出手段とを設け、前記制御手段は、前記ずれ検出手段の検出結果に基づいて前記各調整ユニットを制御することを特徴としている。
【0021】
また、本発明の印刷機は、巻取紙からウェブを供給する給紙装置と、前記給紙装置から繰り出されたウェブに印刷を行う複数の印刷ユニットからなる印刷装置と、前記印刷装置により印刷が施されたウェブを断裁すると共に重ねて折り畳むことで折帖を形成する折機と、前記複数の印刷ユニットの間にウェブの幅方向に沿って設けられる複数の押圧部材を走行するウェブにおける少なくとも一方面から押圧して波状にすることでウェブの幅方向における見当を調整する幅見当調整装置と、を備え、前記幅見当調整装置は、ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の前記押圧部材からなる第1調整ユニットと、該第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の前記押圧部材からなる第2調整ユニットと、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能な調整手段と、を有することを特徴とするものである。
【0022】
本発明の印刷機では、前記印刷機は、刷版が装着された版胴と、該版胴に対接して該版胴のインキをウェブに転写するブランケット胴とを有し、前記版胴は、外周面に軸方向に沿って前記刷版が複数装着可能であると共に、フレームに対して軸方向に移動することでウェブに対する前記刷版の位置を調整可能な一体版胴であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の幅見当調整装置によれば、ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の押圧部材からなる第1調整ユニットと、第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の押圧部材からなる第2調整ユニットとを設け、調整手段は、第1調整ユニットと第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能としている。従って、ウェブに対して、第1調整ユニットと第2調整ユニットにより中央領域の押圧量と外側領域の押圧量が異なる値に調整されるため、テンションが相違するウェブの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0024】
本発明の幅見当調整装置によれば、調整手段は、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整するので、テンションが低いウェブの外側領域で、中央領域より大きく押圧量が設定されることで、ウェブの全域にわたってファンアウトを適正に修正することができる。
【0025】
本発明の幅見当調整装置によれば、調整手段として、第1調整ユニットと第2調整ユニットとをそれぞれ独立して駆動可能な第1駆動装置と第2駆動装置を設けるので、各駆動装置が各調整ユニットを独立して駆動することで、ウェブの幅方向における中央領域と外側領域における見当調整を別々に行い、全領域にわたってファンアウトを適正に修正することができ、ファンアウトの修正作業を短時間で容易に行うことができる。
【0026】
本発明の幅見当調整装置によれば、調整手段として、第1調整ユニットと第2調整ユニットとを一体に駆動可能な第1駆動装置と、第2調整ユニットのみを駆動可能な第2駆動装置とを設けるので、第1駆動装置が第1調整ユニット及び第2調整ユニットを一体に駆動することで、ウェブの幅方向における全領域にて押圧量を均一に調整し、第2駆動装置が第2調整ユニットのみを駆動することで、ウェブの幅方向における外側領域にて押圧量を個別に調整することとなり、ウェブのファンアウトを適正に修正することができると共に、ファンアウトの修正作業を短時間で容易に行うことができる。
【0027】
本発明の幅見当調整装置によれば、押圧部材を円板形状の押圧ローラとし、第1調整ユニットにおける押圧ローラの外径より、第2調整ユニットにおける押圧ローラの外径を大きく設定するので、中央領域に比べてウェブのテンションが低い外側領域では、外径の大きい押圧ローラにより見当が調整されることとなり、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0028】
本発明の幅見当調整装置によれば、押圧部材を円板形状の押圧ローラとし、第1調整ユニットにおける単位長さ当たりの押圧ローラの個数より、第2調整ユニットにおける単位長さ当たりの押圧ローラの個数を多く設定するので、中央領域に比べてウェブのテンションが低い外側領域では、単位長さ当たりの個数が多い複数の押圧ローラにより見当が調整されることとなり、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0029】
本発明の幅見当調整装置によれば、押圧部材を円板形状の押圧ローラとし、第2調整ユニットにおける押圧ローラを、偏心軸にローラ本体を回転自在に支持し、偏心軸の位相を変更して押圧量を変更可能とするので、中央領域に比べてウェブのテンションが低い外側領域では、偏心量の大きい押圧ローラにより見当が調整されることとなり、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0030】
本発明の幅見当調整装置によれば、ウェブの幅方向における最外側に配置される一つの前記押圧部材からなる第3調整ユニットを設け、調整手段は、第1調整ユニットと第2調整ユニットと第3調整ユニットとにより、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とウェブの幅方向における最外側の押圧量とを異なる値に調整可能とするので、ウェブの幅方向における最外側の押圧量を個別に調整することができ、ウェブのファンアウトを適正に修正することができる。
【0031】
本発明の幅見当調整装置によれば、複数の押圧部材を印刷胴よりもウェブの走行方向における上流側に設け、第2調整ユニットにおける押圧部材を第1調整ユニットにおける押圧部材より印刷胴に接近して設けるので、中央領域に比べてウェブのテンションが低い外側領域では、印刷胴に接近した押圧ローラにより見当が調整されることとなり、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0032】
本発明の幅見当調整装置によれば、第1調整ユニットをウェブにおける一方面側の中央領域及び外側領域に等間隔で設け、第2調整ユニットをウェブにおける他方面側の外側領域に設けるので、第2調整ユニットを第1調整ユニットの邪魔にならずに配置することで、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0033】
本発明の幅見当調整装置によれば、押圧部材を、ウェブの幅方向に沿う中心軸をもつ曲面を有する中空形状をなす押圧部材本体と、曲面に形成されて押圧部材本体内の流体をウェブに向けて噴出する噴出孔とで構成するので、ウェブに損傷を与えることなく、適正に波形形状にしてファンアウトを修正することができる。
【0034】
本発明の幅見当調整装置によれば、調整手段として、各調整ユニットを制御可能な制御手段を設け、制御手段は、予め設定されたウェブデータ及びまたは印刷データに基づいて各調整ユニットを制御するので、ファンアウトの修正作業を簡素化することができる。
【0035】
本発明の幅見当調整装置によれば、調整手段として、各調整ユニットを制御可能な制御手段と、ウェブと印刷画像とのずれを検出するずれ検出手段とを設け、制御手段は、ずれ検出手段の検出結果に基づいて各調整ユニットを制御するので、リアルタイムで各調整ユニットによる押圧量を調整することで、ウェブと印刷画像とのずれを早期に修正することができる。
【0036】
また、本発明の印刷機によれば、給紙装置と印刷装置と折機と幅見当調整装置を設け、幅見当調整装置として、ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の押圧部材からなる第1調整ユニットと、第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の押圧部材からなる第2調整ユニットと、第1調整ユニットと第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能な調整手段とを設けている。従って、ウェブに対して、第1調整ユニットと第2調整ユニットにより中央領域の押圧量と外側領域の押圧量が異なる値に調整されるため、テンションが相違するウェブの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の印刷機によれば、印刷機として、刷版が装着された版胴と、版胴に対接して該版胴のインキをウェブに転写するブランケット胴とを設け、版胴の外周面に軸方向に沿って刷版を複数装着可能であると共に、フレームに対して軸方向に移動することでウェブに対する刷版の位置を調整可能な一体版胴とするので、第1調整ユニットと第2調整ユニットとを設け、ウェブにおける外側領域の押圧量を独立して調整することで、一体版胴では修正できなかった幅方向の見当適正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図2】図2は、実施例1の幅見当調整装置を表す印刷ユニットの要部概略図である。
【図3】図3は、実施例1の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。
【図4】図4は、実施例1の印刷装置を表す概略図である。
【図5】図5は、実施例1の幅見当調整装置によるウェブの押圧状態を表す概略図である。
【図6】図6は、実施例1の幅見当調整装置によるファンアウト修正量を表すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施例2に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図8】図8は、本発明の実施例3に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図9】図9は、本発明の実施例4に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図10】図10は、本発明の実施例5に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図11】図11は、本発明の実施例6に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図12−1】図12−1は、実施例6の幅見当調整装置における第2調整ユニットの押圧ローラを表す概略構成図である。
【図12−2】図12−2は、実施例6の幅見当調整装置における第2調整ユニットの押圧ローラの作用を表す概略構成図である。
【図13】図13は、本発明の実施例7に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図14】図14は、本発明の実施例8に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【図15】図15は、本発明の実施例9に係る幅見当調整装置における押圧部材を表す概略図である。
【図16】図16は、本発明の実施例10に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る幅見当調整装置及び印刷機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
図1は、本発明の実施例1に係る幅見当調整装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の幅見当調整装置を表す印刷ユニットの要部概略図、図3は、実施例1の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図4は、実施例1の印刷装置を表す概略図、図5は、実施例1の幅見当調整装置によるウェブの押圧状態を表す概略図、図6は、実施例1の幅見当調整装置によるファンアウト修正量を表すグラフである。
【0041】
実施例1の印刷機は、図3に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機であって、複数(本実施例では、8台)の給紙ユニットR1〜R8を有する給紙装置Rと、複数(本実施例では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有する印刷装置Uと、複数(本実施例では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有するウェブパス装置Dと、複数(本実施例では、2個)の折ユニットF1,F2を有する折機Fとから構成されている。
【0042】
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。
【0043】
また、図3にて、2つの折ユニットF1,F2を左右に並べて記載したが、実際には、紙面に直行する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
【0044】
そして、本実施例の新聞用オフセット輪転印刷機では、図示しない建屋の1階に給紙ユニットR1〜R8が設置され、2階及び3階に印刷ユニットU1〜U6が設置され、3階から5階にウェブパス装置Dが設置され、また、2階、3階に折機Fが設置されている。
【0045】
ここで、上述した給紙装置R、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fについて詳細に説明する。
【0046】
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R8は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11が設けられ、この保持アーム11を回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R8には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
【0047】
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。また、各印刷ユニットU1〜U6は、版胴12の周長(直径)及びブランケット胴13の周長(直径)が同径に設定されている。即ち、版胴12の周面には、周方向(ウェブWの天地長さ方向)に沿って1つの刷版(図示略)が、軸方向(ウェブWの幅方向)に沿って4つの刷版が着脱自在である。
【0048】
なお、本実施例では、印刷ユニットU1〜U6を、全て多色刷印刷ユニットにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面2色刷印刷ユニット、両面単色刷印刷ユニット、一面4色または単色刷印刷ユニットなど、印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
【0049】
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
【0050】
従って、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
【0051】
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。従って、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブWを縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブWを縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。この場合、折機Fでは、折ユニットF1,F2が各ウェブパスユニットD1,D2からのウェブW1,W2を処理するだけでなく、各折ユニットF1,F2の一方がまとめて処理することもできる。
【0052】
また、本実施例の新聞用オフセット輪転印刷機における印刷装置Uにて、各印刷ユニットU1〜U6は4色印刷が可能となるように、図4に示すように、H型のタワーユニットとなっている。この印刷ユニットU1〜U6は、墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4つのスタックa,b,c,dが上下に配置されて構成されており、各スタックa,b,c,dは、それぞれ左右に対向して版胴12a,12b,12c,12dが対接し、各版胴12a,12b,12c,12dにブランケット胴13a,13b,13c,13dが対接し、各版胴12a,12b,12c,12dに図示しないインキ装置が設けられている。
【0053】
この場合、スタックa,cは、版胴12a,12c及びブランケット胴13a,13cがハの字形状に配列され、スタックb,dは、版胴12b,12d及びブランケット胴13b,13dが逆ハの字形状に配列されている。
【0054】
そして、各スタックa,b,c,dにて、各版胴12a,12b,12c,12dとブランケット胴13a,13b,13c,13dは、図示しないギアによりそれぞれ駆動連結されており、一つの駆動モータ14a,14b,14c,14dにより連動して駆動回転可能となっている。即ち、例えば、駆動モータ14aにより各版胴12aと各ブランケット胴13aが連動して駆動回転可能であり、他のスタックb,c,dも同様の構成となっている。
【0055】
また、各版胴12a,12b,12c,12dにて、外周面には異なる絵柄を印刷する刷版が軸方向、つまり、ウェブWの幅方向に2つ(または、4つ)並べて装着されており、この状態で印刷を行う。そして、この版胴12a,12b,12c,12dは、図示しないが、左右のフレームに回転自在に支持されると共に、見当装置により軸方向に移動可能に支持されている。そのため、この見当装置により版胴12a,12b,12c,12dを軸方向に移動することで、ウェブWに対する刷版の位置、つまり、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0056】
実施例1の新聞用オフセット輪転印刷機における印刷装置Uでは、各スタックa,b,c,dの間に、幅見当調整装置21,22,23が設けられている。この幅見当調整装置21,22,23は、ウェブデータや印刷データに基づいてウェブWの幅方向における見当を調整するものである。ここで、ウェブデータとは、ウェブWの幅(ウェブサイズ)、ウェブWの走行速度、ウェブWのテンション(張力)などであり、印刷データとは、画線率などである。この場合、ウェブWの走行速度やテンションは、オンラインでセンサを用いて計測すればよい。
【0057】
以下に、この幅見当調整装置21,22,23を説明するが、各幅見当調整装置21,22,23は、ほぼ同様の構成をなしていることから、幅見当調整装置21についてのみ説明する。
【0058】
幅見当調整装置21において、図1及び図2に示すように、走行するウェブWの一方面側には、このウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、複数の押圧部材としての8つの押圧ローラ31〜38が均等間隔で設けられている。
【0059】
そして、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36は、支持軸30に対して回転自在に支持されている。この場合、支持軸30と4つの押圧ローラ33〜36により第1調整ユニット39が構成される。一方、ウェブWの幅方向における中央領域よりウェブWの幅方向における外側領域には、支持軸30の軸方向における各端部にケース40a,40bの一端面が固定され、このケース40a,40b内に、移動部材41a,41bがウェブWに直交する方向に移動自在に支持され、この移動部材41a,41bに支持軸42a,42bを介して押圧ローラ31,32,37,38がそれぞれ回転自在に支持されている。そして、各移動部材41a,41bは、アクチュエータ43a,43bにより往復移動可能となっている。この場合、ケース40a,40bと移動部材41a,41bと支持軸42a,42bと押圧ローラ31,32,37,38により、第1調整ユニット39よりウェブWの幅方向における外側領域に配置される第2調整ユニット44a,44bが構成される。
【0060】
各ケース40a,40bの他端面には、取付レバー45a,45bの一端部が固定され、この取付レバー45a,45bの他端部には、移動ブロック46a,46bの取付部47a,47bが連結軸48a,48bにより水平旋回自在に連結されている。走行するウェブWにおける幅方向の側方には、このウェブWと水平に直行する方向に沿ってねじ軸49a,49bが配置され、このねじ軸49a,49bは、駆動モータ50a,50bにより回転可能となっている。そして、このねじ軸49a,49bは、各移動ブロック46a,46bに螺合している。
【0061】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進(図1にて、上方に移動)し、各ケース40a,40b及び支持軸30等を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することができる。一方、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを逆回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが後退(図1にて、下方に移動)し、各ケース40a,40b及び支持軸30等を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWから離間する方向に移動することができる。
【0062】
また、アクチュエータ43a,43bにより各移動部材41a,41b等を介して、4つの押圧ローラ31,32,37,38をウェブWに接近する方向に移動することができると共に、ウェブWから離間する方向に移動することができる。
【0063】
ここで、8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ31〜38により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0064】
この場合、ウェブWの幅方向における一方側と他方側でファンアウト量が相違する場合には、駆動モータ50a,50bによる移動ブロック46a,46bの移動量、または、アクチュエータ43a,43bの駆動量を相違させ、ウェブWに対して支持軸30が傾斜するように押圧ローラ31〜38をウェブWに接近させることで、このようなファンアウトに対して対応することが可能となる。
【0065】
なお、本実施例では、ねじ軸49a,49bと駆動モータ50a,50b等により、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bとを一体に駆動可能な第1駆動装置が構成される。また、アクチュエータ43a,43b等により、第2調整ユニット44a,44bのみを駆動可能な第2駆動装置が構成される。また、各駆動装置により本発明の調整手段が構成される。
【0066】
ところで、ウェブWは、印刷ユニットを通過するとき、所定のテンションが作用しているものの、ウェブWのテンションは、幅方向における中央部で高く、その外側、つまり、ウェブWの側部で低いものとなっている。そのため、ファンアウトが発生しているウェブWに対して、押圧ローラ31〜38を同量だけ前進してこのウェブWを波形状にしても、中央部に比べて側部では十分な波を形成することが困難となり、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができない。
【0067】
そこで、本実施例の幅見当調整装置21では、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0068】
即ち、制御装置51は、第1駆動装置としての駆動モータ50a,50bを駆動制御可能であると共に、第2駆動装置としてのアクチュエータ43a,43bを駆動制御可能である。この制御装置51には、操作パネル52が接続されており、オペレータは、この操作パネル52を用いて指令値を入力すると、制御装置51は、入力された指令値に基づいて駆動モータ50a,50b及びアクチュエータ43a,43bを駆動制御する。
【0069】
従って、まず、制御装置51は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の全領域が波形状となることで幅方向の長さが短くなるものの、幅方向の外側領域ではテンションが低いため、ここの領域だけ小さな波形状となってしまう。
【0070】
そのため、次に、制御装置51は、アクチュエータ43a,43bにより4つの押圧ローラ31,32,37,38のみをウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31,32,37,38によりウェブWの外側領域だけを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、図5に示すように、幅方向の外側領域ではテンションが低いものの、各押圧ローラ31,32,37,38の押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より長さLだけ大きくなることから、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0071】
なお、この説明では、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bを別々に作動するように説明したが、実際には、同時に作動する。また、制御装置51は、入力された指令値、ウェブデータ及び印刷データなどに基づいて、各調整ユニット39,44a,44bによる各押圧ローラ31〜38の前進量を算出しておき、印刷が開始されたら、幅見当調整装置21を自動的に作動(プリセット制御)させている。
【0072】
また、各印刷ユニットU1〜U6にて、4つのスタックa,b,c,dにおけるウェブWの搬送方向の下流側には、ウェブWと印刷画像とのずれを検出するずれ検出手段として複数のカメラ53が設けられており、各カメラ53が撮影した画像が制御装置51に送信され、制御装置51は、カメラ53が撮影した画像に基づいて第1調整ユニット39及び第2調整ユニット44a,44bにより各押圧ローラ31〜38の押圧量を調整している。この場合、ウェブWには、幅方向における所定の位置に複数の見当マークが印刷され、各カメラ53は、この見当マークを撮影する。制御装置51は、カメラ53が撮影した見当マークが幅方向における所定の基準位置にあるかどうかを判定する。そして、見当マークが基準位置にないときには、見当マークが基準位置に位置するように第1調整ユニット39及び第2調整ユニット44a,44bをフィードバック制御する。そのため、リアルタイムで各調整ユニット33,44a,44bによる押圧量を調整することで、ウェブWと印刷画像とのずれを早期に修正することができる。
【0073】
図6は、ウェブWのファンアウト量及びその修正量を表すグラフである。印刷済のウェブWのファンアウト量が図6に実線で示すように発生したとき、従来のように、押圧ローラ31〜38の押圧量(突出量)を同一としたとき、図6に点線で示すように、幅方向の外側領域でウェブWのテンションが低いため、この外側領域で十分にファンアウトを修正することができない。一方、本実施例のように、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より、外側領域の押圧ローラ31,32,37,38の押圧量(突出量)を大きくしたとき、図6に一点鎖線で示すように、幅方向の外側領域でウェブWのテンションが低いものの、全ての領域で十分にファンアウトを修正することができる。
【0074】
このように実施例1の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向に沿って設けられる複数の押圧ローラ31〜38を、走行するウェブWにおける一方面から押圧して波状にすることで、このウェブWの幅方向における見当を調整可能に構成し、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36からなる第1調整ユニット39と、この第1調整ユニット39よりウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38からなる第2調整ユニット44a,44bとを設け、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bによりウェブWの幅方向における中央領域の押圧量とウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能(調整手段)としている。
【0075】
従って、ウェブWに対して、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bにより中央領域の押圧量と外側領域の押圧量が異なる値に調整されるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0076】
また、実施例1の幅見当調整装置では、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量より、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。従って、テンションが低いウェブWの外側領域で、中央領域より大きく押圧量が設定されることで、ウェブWの幅方向における全ての領域でほぼ均一な見当調整量となり、ウェブWの全域にわたってファンアウトを適正に修正することができる。
【0077】
また、実施例1の幅見当調整装置では、調整手段として、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bとを一体に駆動可能な駆動モータ(第1駆動装置)50a,50bと、第2調整ユニット44a,44bのみを駆動可能なアクチュエータ(第2駆動装置)43a,43bとを設けている。従って、駆動モータ50a,50bが第1調整ユニット39及び第2調整ユニット44a,44bを一体に駆動することで、ウェブWの幅方向における全領域にて押圧量を均一に調整し、アクチュエータ43a,43bが第2調整ユニット44a,44bのみを駆動することで、ウェブWの幅方向における外側領域にて押圧量を個別に調整することとなり、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができると共に、ファンアウトの修正作業を短時間で容易に行うことができる。
【0078】
そして、実施例1の新聞用オフセット輪転印刷機では、各版胴12a,12b,12c,12dを、その外周面に軸方向に沿って刷版を複数装着可能であると共に、フレームに対して軸方向に移動することでウェブWに対する刷版の位置を調整可能な一体版胴としている。従って、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bにより、ウェブWにおける外側領域の押圧量を独立して調整することで、一体版胴では修正できなかった幅方向の見当適正を容易に行うことができる。即ち、一体版胴では、版胴12の周面に軸方向に沿って複数の刷版が装着されているが、この刷版同士の幅方向(版胴の軸方向)の位置調整を行うことができない。しかし、本実施例では、第1調整ユニット39と第2調整ユニット44a,44bによりファンアウトを修正することで、刷版同士の幅方向の位置調整を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0079】
図7は、本発明の実施例2に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0080】
実施例2において、図7に示すように、幅見当調整装置61は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置61において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される8つの押圧ローラ31〜38が回転自在に支持されている。この場合、支持軸30と8つの押圧ローラ31〜38により第1調整ユニット62が構成される。
【0081】
また、ウェブWの幅方向における中央領域よりウェブWの幅方向における外側領域には、支持軸30における押圧ローラ31,32の間、押圧ローラ37,38の間に、エアノズル63a,63bがそれぞれ装着されている。そして、各エアノズル63a,63bには、エア配管64a,64b及び減圧弁65a,65bを介して図示しないエア供給源が連結されている。この場合、エアノズル63a,63b、エア配管64a,64b、エア供給源により、第2調整ユニット66a,66bが構成される。
【0082】
支持軸30の各端部には、取付レバー45a,45bの一端部が固定され、この取付レバー45a,45bの他端部には、移動ブロック46a,46bの取付部47a,47bが連結軸48a,48bにより水平旋回自在に連結されている。走行するウェブWにおける幅方向の側方には、ねじ軸49a,49bが配置され、このねじ軸49a,49bは、駆動モータ50a,50bにより回転可能となっている。そして、このねじ軸49a,49bは、各移動ブロック46a,46bに螺合している。
【0083】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することができる。また、エア供給源のエアをエア配管64a,64bを通してエアノズル63a,63bに送り、このエアノズル63a,63bによりエアをウェブWに向けて噴射することができる。
【0084】
ここで、8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ31〜38により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0085】
なお、本実施例では、ねじ軸49a,49bと駆動モータ50a,50b等により、第1調整ユニット62と第2調整ユニット66a,66bとを一体に駆動可能な第1駆動装置が構成される。また、エアノズル63a,63bと減圧弁65a,65b等により、第2調整ユニット66a,66bのみを駆動可能な第2駆動装置が構成される。また、各駆動装置により本発明の調整手段が構成される。
【0086】
そして、本実施例の幅見当調整装置61では、第1調整ユニット62と第2調整ユニット66a,66bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0087】
即ち、制御装置(図示略)は、第1駆動装置としての駆動モータ50a,50bを駆動制御可能であると共に、第2駆動装置としての減圧弁65a,65bを駆動制御可能である。従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の全領域が波形状となることで幅方向の長さが短くなるものの、幅方向の外側領域ではテンションが低いため、ここの領域だけ小さな波形状となってしまう。
【0088】
そのため、制御装置は、減圧弁65a,65bにより各エアノズル63a,63bからウェブWに向けてエアを噴射することで、各噴射エアによりウェブWの外側領域だけを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の外側領域ではテンションが低いものの、各押圧ローラ31,32,37,38及びエアノズル63a,63bからの噴射エアによる押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より大きくなることから、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0089】
このように実施例2の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における全領域に配置される8つの押圧ローラ31〜38からなる第1調整ユニット62と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される2つのエアノズル63a,63bからなる第2調整ユニット66a,66bとを設け、第1調整ユニット62と第2調整ユニット66a,66bによりウェブWの幅方向における中央領域の押圧量とウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能(調整手段)としている。
【0090】
従って、ウェブWに対して、第1調整ユニット62と第2調整ユニット66a,66bにより中央領域の押圧量と外側領域の押圧量が異なる値に調整されるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0091】
また、実施例2の幅見当調整装置では、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量より、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。従って、テンションが低いウェブWの外側領域で、中央領域より大きく押圧量が設定されることで、ウェブWの幅方向における全ての領域でほぼ均一な見当調整量となり、ウェブWの全域にわたってファンアウトを適正に修正することができる。
【0092】
また、実施例2の幅見当調整装置では、第2調整ユニット66a,66bとしてエアノズル63a,63bを設けている。従って、8つの押圧ローラ31〜38からなる第1調整ユニット62を変更する必要はなく、2つのエアノズル63a,63bだけを追加すればよく、構造の複雑化や高コスト化を抑制することができる。
【実施例3】
【0093】
図8は、本発明の実施例3に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0094】
実施例3において、図8に示すように、幅見当調整装置71は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置71において、支持フレーム72には、ウェブWの幅方向に沿って4つの移動部材73,74,75,76が配設され、各移動部材73,74,75,76は、アクチュエータ77,78,79,80によりウェブWに直交する方向に沿って移動自在に支持されている。そして、各移動部材73,74,75,76には、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸81,82,83,84がウェブWと平行をなして装着され、この各支持軸81,82,83,84には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される8つの押圧ローラ31〜38がそれぞれ回転自在に支持されている。
【0095】
この場合、支持軸82,83と4つの押圧ローラ33〜36により第1調整ユニット85が構成される。また、支持軸81,84と4つの押圧ローラ31,32,37,38により第2調整ユニット86a,86bが構成される。
【0096】
従って、各アクチュエータ77,78,79,80により移動部材73,74,75,76を前進すると、支持軸81,82,83,84を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、8つの押圧ローラ31〜38を走行するウェブWにおける一方面から押圧すると、このウェブWは、各押圧ローラ31〜38により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0097】
なお、本実施例では、アクチュエータ78,79等により、第1調整ユニット85を独立して駆動可能な第1駆動装置が構成され、アクチュエータ77,80等により、第2調整ユニット86a,86bを独立して駆動可能な第2駆動装置が構成される。また、各駆動装置により本発明の調整手段が構成される。
【0098】
そして、本実施例の幅見当調整装置71では、第1調整ユニット85と第2調整ユニット86a,86bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0099】
即ち、制御装置(図示略)は、第1駆動装置としてのアクチュエータ78,79を駆動制御可能であると共に、第2駆動装置としてのアクチュエータ77,80を駆動制御可能である。従って、制御装置は、アクチュエータ77,78,79,80により各押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の全領域が波形状となることで幅方向の長さが短くなるものの、幅方向の外側領域ではテンションが低いため、ここの領域だけ小さな波形状となってしまう。
【0100】
そのため、制御装置は、アクチュエータ77,80により押圧ローラ31,32,37,38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWの外側領域だけを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の外側領域ではテンションが低いものの、各押圧ローラ31,32,37,38による押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より大きくなることから、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0101】
このように実施例3の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36からなる第1調整ユニット85と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38からなる第2調整ユニット86a,86bとを設け、第1調整ユニット85と第2調整ユニット86a,86bによりウェブWの幅方向における中央領域の押圧量とウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値、つまり、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量より、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きくなるように調整している。
【0102】
従って、テンションが低いウェブWの外側領域で、中央領域より押圧量が大きくなるように設定されることで、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置で、ほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0103】
また、実施例3の幅見当調整装置では、第1調整ユニット85と第2調整ユニット86a,86bとをそれぞれ独立して駆動可能なアクチュエータ77,78,79,80を設けている。従って、アクチュエータ77,78,79,80が各調整ユニット85,86a,86bを独立して駆動することで、ウェブWの幅方向における中央領域と外側領域における見当調整を別々に行い、全領域にわたってファンアウトを適正に修正することができ、ファンアウトの修正作業を短時間で容易に行うことができる。
【実施例4】
【0104】
図9は、本発明の実施例4に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0105】
実施例4において、図9に示すように、幅見当調整装置91は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置91において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される8つの押圧ローラ92〜99が回転自在に支持されている。
【0106】
この場合、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ94〜97の外径より、外側領域に配置される4つの押圧ローラ92,93,98,99の外径の方が大きいものに設定されている。そして、支持軸30と4つの押圧ローラ94〜97により第1調整ユニット100が構成され、支持軸30と4つの押圧ローラ92,93,98,99により第2調整ユニット101a,101bが構成される。
【0107】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して8つの押圧ローラ92〜99をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、8つの押圧ローラ92〜99をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ92〜99により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ92〜99により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0108】
そして、本実施例の幅見当調整装置91では、第1調整ユニット100と第2調整ユニット101a,101bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0109】
即ち、第1調整ユニット100における押圧ローラ94〜97の外径より、第2調整ユニット101a,101bにおける押圧ローラ92,93,98,99の外径が大きく設定されている。従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ92〜99をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ92〜99によりウェブWを押圧して波形状とする。このとき、外側領域にある押圧ローラ92,93,98,99の外径が大きいことから、この押圧ローラ92,93,98,99による押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ94〜97による押圧量(突出量)より大きくなる。そのため、ウェブWは、幅方向の外側領域でテンションが低いものの、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0110】
このように実施例4の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ94〜97からなる第1調整ユニット100と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ92,93,98,99からなる第2調整ユニット101a,101bとを設け、第1調整ユニット100における押圧ローラ94〜97の外径より、第2調整ユニット101a,101bにおける押圧ローラ92,93,98,99の外径を大きく設定している。
【0111】
従って、ウェブWに対して、中央領域にある第1調整ユニット100の押圧ローラ94〜97による押圧量(突出量)より、外側領域にある第2調整ユニット101a,101bの押圧ローラ92,93,98,99による押圧量(突出量)が大きくなるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【実施例5】
【0112】
図10は、本発明の実施例5に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0113】
実施例5において、図10に示すように、幅見当調整装置111は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置111において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される10個の押圧ローラ112〜121が回転自在に支持されている。
【0114】
この場合、全ての押圧ローラ112〜121の外径は同じであるものの、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ115〜118の所定の単位長さ当たりの個数より、外側領域に配置される6つの押圧ローラ112〜114,119〜121の所定の単位長さ当たりの個数が多く設定されている。具体的には、中央領域に配置される4つの押圧ローラ115〜118の間隔より、外側領域に配置される6つの押圧ローラ112〜114,119〜121の間隔の方が小さくなっている。そして、支持軸30と4つの押圧ローラ115〜118により第1調整ユニット122が構成され、支持軸30と6つの押圧ローラ112〜114,119〜121により第2調整ユニット123a,123bが構成される。
【0115】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して10個の押圧ローラ112〜121をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、10個の押圧ローラ112〜121をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ112〜121により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ112〜121により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0116】
そして、本実施例の幅見当調整装置111では、第1調整ユニット122と第2調整ユニット123a,123bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0117】
即ち、第1調整ユニット122における押圧ローラ115〜118の単位長さ当たりの個数より、第2調整ユニット123a,123bにおける押圧ローラ112〜114,119〜121の単位長さ当たりの個数が多く設定されている。従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ112〜121をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ112〜121によりウェブWを押圧して波形状とする。このとき、外側領域にある押圧ローラ112〜114,119〜121の単位長さ当たりの個数が多いことから、この押圧ローラ112〜114,119〜121による単位長さ当たりの押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ114〜118による単位長さ当たりの押圧量(突出量)より大きくなる。そのため、ウェブWは、幅方向の外側領域でテンションが低いものの、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0118】
このように実施例5の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ115〜118からなる第1調整ユニット122と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ112〜114,119〜121からなる第2調整ユニット123a,123bとを設け、第1調整ユニット122における押圧ローラ115〜118の単位長さ当たりの個数より、第2調整ユニット123a,123bにおける押圧ローラ112〜114,119〜121の単位長さ当たりの個数を多く設定している。
【0119】
従って、ウェブWに対して、中央領域にある第1調整ユニット122の押圧ローラ115〜118による単位長さ当たりの押圧量(突出量)より、外側領域にある第2調整ユニット123a,123bの押圧ローラ112〜114,119〜121による単位長さ当たりの押圧量(突出量)が多くなるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【実施例6】
【0120】
図11は、本発明の実施例6に係る幅見当調整装置を表す概略構成図、図12−1は、実施例6の幅見当調整装置における第2調整ユニットの押圧ローラを表す概略構成図、図12−2は、実施例6の幅見当調整装置における第2調整ユニットの押圧ローラの作用を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0121】
実施例6において、図11に示すように、幅見当調整装置131は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置131において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される8つの押圧ローラ132〜139が回転自在に支持されている。
【0122】
この場合、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ132,133,138,139は、偏心可能であって、その位相を変更することで押圧量を変更可能となっている。この押圧ローラ132,133,138,139は、同様の構成をなしていることから、押圧ローラ132についてのみ詳細に説明する。即ち、押圧ローラ132において、図12−1に示すように、回転中心Oとする支持軸30には、回転中心Oとする偏心軸141が相対回転可能に装着され、この偏心軸141に回転中心Oとするローラ本体142が回転自在に支持されている。この場合、回転中心Oと回転中心Oとの間には、所定の偏心量Dが設定されている。
【0123】
また、図11に示すように、支持軸30の各端部には、ウォームホイール143a,143bが固結され、このウォームホイール143a,143bには、調整モータ144a,144bのウォームギア145a,145bが噛み合っている。この場合、支持軸30の各端部と取付レバー45a,45bの一端部とは、図示しないロータリジョイントにより回動自在に連結され、取付レバー45a,45bに対して支持軸30が回動可能となっている。
【0124】
そのため、図12−1に示す状態では、支持軸30の回転中心OからウェブWを押圧するローラ本体142の外周面までの押圧距離Pが設定されている。一方、図11に示すように、調整モータ144a,144bを駆動し、ウォームギア145a,145b及びウォームホイール143a,143bを介して支持軸を180度回動すると、図12−2に示すように、偏心軸141の位相が変更されることで、支持軸30の回転中心OからウェブWを押圧するローラ本体142の外周面までの押圧距離Pが大きく設定されることとなり、押圧ローラ132によるウェブWの押圧量を大きく変更することができる。
【0125】
この場合、支持軸30と4つの押圧ローラ134〜137により第1調整ユニット146が構成され、支持軸30と4つの押圧ローラ132,133,138,139により第2調整ユニット147a,147bが構成される。
【0126】
従って、図11に示すように、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して8つの押圧ローラ132〜139をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、8つの押圧ローラ132〜139をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ132〜139により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ132〜139により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0127】
そして、本実施例の幅見当調整装置131では、第1調整ユニット146と第2調整ユニット147a,147bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0128】
即ち、事前に第2調整ユニット147a,147bにおける押圧ローラ132,133,138,139にて、図12−1及び図12−2に示すように、偏心軸141の位相を変更することで、支持軸30の回転中心OからウェブWを押圧するローラ本体142の外周面までの押圧距離を変更することで、図11に示すように、第2調整ユニット147a,147bにおける押圧ローラ132,133,138,139のウェブW側への突出量を、第1調整ユニット146における押圧ローラ134〜137のウェブW側への突出量より大きく設定する。
【0129】
従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ132〜139をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ132〜139によりウェブWを押圧して波形状とする。このとき、外側領域にある押圧ローラ132,133,138,139の突出量が大きいことから、この押圧ローラ132,133,138,139によるウェブWの押圧量が、中央領域の押圧ローラ134〜137による押圧量より大きくなる。そのため、ウェブWは、幅方向の外側領域でテンションが低いものの、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0130】
このように実施例6の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ134〜137からなる第1調整ユニット146と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ132,133,138,139からなる第2調整ユニット147a,147bとを設け、第2調整ユニット147a,471bにおける押圧ローラ132,133,138,139を偏心可能とし、その位相を変更することで押圧量を変更可能としている。
【0131】
従って、ウェブWに対して、中央領域にある第1調整ユニット146の押圧ローラ134〜137による押圧量(突出量)より、外側領域にある第2調整ユニット147a,147bの押圧ローラ132,133,138,139による押圧量(突出量)を大きく設定することで、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【実施例7】
【0132】
図13は、本発明の実施例7に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0133】
実施例7において、図13に示すように、幅見当調整装置151は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置151において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に均等間隔で配置される8つの押圧ローラ31〜38が回転自在に支持されている。
【0134】
この場合、全ての押圧ローラ31〜38の外径は同じであるものの、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36より、外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38の方が、ウェブWの下流側にある版胴12b及びブランケット胴13bに接近して設けられている。具体的には、本実施例の幅見当調整装置151は、スタックbよりウェブWの走行方向における上流側に配置され、中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36は、支持軸30に直接回転自在に支持されるが、外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38は、支持軸30に連結されたリンク152〜155を介して回転自在に支持されている。このリンク152〜155は、先端部が版胴12b及びブランケット胴13b側に延出されており、この先端部に支持される押圧ローラ31,32,37,38は、押圧ローラ33〜36より版胴12b及びブランケット胴13b側に接近して位置することとなる。
【0135】
そして、支持軸30と4つの押圧ローラ33〜36により第1調整ユニット156が構成され、支持軸30と4つの押圧ローラ31,32,37,38により第2調整ユニット157a,157bが構成される。
【0136】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ31〜38により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0137】
そして、本実施例の幅見当調整装置151では、第1調整ユニット156と第2調整ユニット157a,157bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0138】
即ち、第1調整ユニット156における押圧ローラ33〜36より、第2調整ユニット157a,157bにおける押圧ローラ31,32,37,38の方が、ウェブWの走行方向の下流側にある版胴12b及びブランケット胴13bに接近して設けられている。従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWを押圧して波形状とする。
【0139】
このとき、ウェブWは、各押圧ローラ31〜38に押圧されて波形状となってファンアウトが修正されるが、テンションが作用していることで、版胴12b及びブランケット胴13bに至る間に若干量だけ幅方向に広がる。しかし、外側領域にある押圧ローラ31,32,37,38の方が、版胴12b及びブランケット胴13bに接近して設けられていることから、ウェブWにおける広がり量は、押圧ローラ33〜36のよる押圧に対して、押圧ローラ31,32,37,38による押圧の方が少ない。そのため、外側領域の押圧ローラ31,32,37,38による押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36による押圧量(突出量)より大きくなる。その結果、ウェブWは、幅方向の外側領域でテンションが低いものの、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0140】
このように実施例7の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36からなる第1調整ユニット156と、ウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ31,32,37,38からなる第2調整ユニット157a,157bとを設け、第2調整ユニット157a,157bにおける押圧ローラ31,32,37,38を、第1調整ユニット156における押圧ローラ33〜36より、ウェブWの走行方向の下流側にある版胴12b及びブランケット胴13bに接近して設けている。
【0141】
従って、ウェブWに対して、中央領域にある第1調整ユニット156の押圧ローラ33〜36による押圧量(突出量)より、外側領域にある第2調整ユニット157a,157bの押圧ローラ31,32,37,38による押圧量(突出量)が多くなるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0142】
なお、本実施例にて、第2調整ユニット157a,157bにおける押圧ローラ31,32,37,38をリンク152〜155により版胴12b及びブランケット胴13bに接近して設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、リンク152〜155を支持軸30に対して回動自在とし、押圧ローラ31,32,37,38とウェブWとの距離を変更可能とすることで、中央領域にある押圧ローラ33〜36による押圧量(突出量)より、外側領域にある押圧ローラ31,32,37,38による押圧量(突出量)を多く設定してもよい。また、第2調整ユニット157a,157bをリンクにより構成したが、第1調整ユニットと第2調整ユニットを別体とし、版胴12b及びブランケット胴13bに接近した位置に配置し、第2調整ユニットを第1調整ユニットとは別に駆動することで、押圧ローラ31〜38の押付量調整するようにしてもよい。
【実施例8】
【0143】
図14は、本発明の実施例8に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0144】
実施例8において、図14に示すように、幅見当調整装置161は、走行するウェブWの一方面側及び多方面側に設けられている。この幅見当調整装置161において、ウェブWの一方面側にて、このウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、ウェブWの幅方向における全領域(中央領域及び外側領域)に8つの押圧ローラ31〜38が回転自在に支持されている。この場合、全ての押圧ローラ31〜38は、外径が同じであり、且つ、均等間隔で配置されている。
【0145】
ウェブWの他方面側にて、ウェブWの幅方向における外側領域に2つのエアノズル162,163が配置されている。このエアノズル162,163は、図示しないエア供給源に連結され、ウェブWの他方面に向けてエアを噴射可能となっている。
【0146】
この場合、支持軸30と8つの押圧ローラ31〜38により第1調整ユニット164が構成され、2つのエアノズル162,163などにより第2調整ユニット165a,166bが構成される。
【0147】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、支持軸30を介して8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することができる。ここで、8つの押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ31〜38により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0148】
そして、本実施例の幅見当調整装置161では、第1調整ユニット164と第2調整ユニット165a,165bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整している。
【0149】
即ち、第1調整ユニット164における押圧ローラ31〜38をウェブWにおける一方面側の全領域に等間隔で設け、第2調整ユニット165a,165bにおけるエアノズル162,163をウェブWにおける他方面側の外側領域に設けている。従って、制御装置は、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転して移動ブロック46a,46bを前進させ、支持軸30を介して全ての押圧ローラ31〜38をウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31〜38によりウェブWの一方面を押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の全領域が波形状となることで幅方向の長さが短くなるものの、幅方向の外側領域ではテンションが低いため、ここの領域だけ小さな波形状となってしまう。
【0150】
そのため、制御装置は、各エアノズル162,163からウェブWの多方面に向けてエアを噴射することで、各噴射エアによりウェブWの外側領域だけを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の外側領域ではテンションが低いものの、各押圧ローラ31,32,37,38及びエアノズル162,163からの噴射エアによる押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より大きくなることから、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0151】
このように実施例8の幅見当調整装置にあっては、ウェブWの一方面側における幅方向の全領域に配置される8つの押圧ローラ31〜38からなる第1調整ユニット164と、ウェブWの多方面側における幅方向の外側領域に配置される2つのエアノズル162,163からなる第2調整ユニット165a,165bとを設けている。
【0152】
従って、ウェブWに対して、中央領域にある第1調整ユニット164の押圧ローラ33〜36による押圧量(突出量)より、外側領域にある第1調整ユニット164の押圧ローラ31,32,37,38及び第2調整ユニット165a,165bのエアノズル162,163からの噴射エアによる押圧量(突出量)が大きくなるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。
【0153】
また、実施例8の幅見当調整装置では、第1調整ユニット164の押圧ローラ31〜38をウェブWにおける一方面側の中央領域及び外側領域に等間隔で設け、第2調整ユニット165a,165bのエアノズル162,163をウェブWにおける他方面側の外側領域に設けている。従って、第2調整ユニット165a,165bを第1調整ユニット164の邪魔にならずに配置することができ、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0154】
なお、上述した各実施例では、押圧部材として、第1調整ユニットに対して押圧ローラを適用し、第2調整ユニットに対して押圧ローラやエアノズルを適用したが、第1調整ユニットに対してエアノズルを適用してもよい。また、全ての押圧部材をエアノズルとしてもよい。更に、押圧部材は、押圧ローラやエアノズルに限定されるものではなく、押圧板やスリットノズルなどとしてもよい。また、押圧部材を、ウェブWの一方面側だけでなく、ウェブWの他方面側にも設けてもよい。また、押圧ローラの駆動装置を駆動モータ50a,50bやねじ軸49a,49bにより構成したが、ラック&ピニオン機構、油圧またはエアシリンダ機構などとしてもよい。
【0155】
また、上述した各実施例では、第1調整ユニットにおける押圧部材を4個、第2調整ユニットにおける押圧部材を左右にそれぞれ2〜3個としたが、この数に限定されるものではなく、ウェブWの幅などに応じて適宜設定すればよいものである。この場合、中央領域にある第1調整ユニットにおける押圧部材は複数個必要であるが、外側領域にある第2調整ユニットにおける押圧部材は1個であってもよく、必ずしも最外側になくてもよい。
【実施例9】
【0156】
図15は、本発明の実施例9に係る幅見当調整装置における押圧部材を表す概略図である。
【0157】
実施例9の幅見当調整装置は、上述した各実施例における押圧部材の変形例を表すものであり、押圧ローラとエアノズルを合わせもった構成となっている。即ち、図15に示すように、走行するウェブWの幅方向(図15にて、紙面直交方向)に沿って支持フレーム171が架設されており、この支持フレーム171上には、アクチュエータ172が固定されている。このアクチュエータ172は、駆動ロッド173がウェブWの一方面側に延出され、先端部に取付ブラケット174を介して押圧部材としての押圧ブロック175が取付けられている。
【0158】
この押圧ブロック175において、ブロック本体(押圧部材本体)176は、中空形状をなし、ウェブWの幅方向に対して所定の厚さを有し、走行するウェブWに対向する前面部に曲面177が形成されている。この曲面177は、ウェブWの幅方向に沿う中心軸をもつ曲面であって、ほぼ半円形状となっている。この曲面177には、ブロック本体176内のエア(流体)をウェブWに向けて噴出する多数の噴出孔178が形成されている。また、ブロック本体176には、エア供給配管179が連結されている。
【0159】
なお、この押圧ブロック175は、ウェブWの一方面側に幅方向に所定間隔をあけて複数、例えば、8個設けられている。
【0160】
従って、ウェブWが上方に走行するとき、押圧ブロック175の内部にエアを供給して多数の噴出孔178からエアを噴射すると共に、アクチュエータ172によりこの押圧ブロック175をウェブWに接近する方向に移動する。すると、押圧ブロック175の曲面177が走行するウェブWをその一方面から押圧し、このウェブWは、各押圧ブロック175により押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。このとき、押圧ブロック175は、曲面177にある多数の噴出孔178からエアが噴射されることで、曲面177がウェブWの一方面とは直接接触することがなく、ウェブWの損傷や印刷面の劣化が防止される。
【0161】
そして、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ブロック175により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0162】
このように実施例9の幅見当調整装置にあっては、押圧ブロック175を、ウェブWの幅方向に沿う中心軸をもつ曲面177を有する中空形状をなすブロック本体176と、この曲面177に形成されて押圧ブロック本体176内のエアをウェブWに向けて噴出する多数の噴出孔178とで構成している。
【0163】
従って、押圧ブロック175の曲面177がウェブWを押圧してファンアウトを修正するとき、押圧ブロック175の曲面177とウェブWとの間にエアが存在することとなり、曲面177がウェブWの一方面と接触することがなく、ウェブWの損傷や印刷面の劣化を防止することができ、適正な波形状としてファンアウトを修正することができる。
【0164】
なお、この実施例9にて、押圧ブロック175におけるブロック本体176の曲面177多数の噴出孔178を形成したが、その数に限定されるものではなく、噴出孔178を1つ以上形成すればよいものである。
【実施例10】
【0165】
図16は、本発明の実施例10に係る幅見当調整装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0166】
実施例10において、図16に示すように、幅見当調整装置181は、走行するウェブWの一方面側に設けられている。この幅見当調整装置181において、ウェブWの幅方向に沿って水平をなす支持軸30がウェブWと平行をなして配設されており、この支持軸30には、8つの押圧ローラ31a,32〜37,38aが均等間隔で設けられている。
【0167】
そして、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36は、支持軸30に対して回転自在に支持されている。この場合、支持軸30と4つの押圧ローラ33〜36により第1調整ユニット182が構成される。一方、ウェブWの幅方向における中央領域よりウェブWの幅方向における外側領域には、支持軸30の軸方向における各端部にケース40a,40bが固定され、このケース40a,40bに移動部材41a,41bが移動自在に支持され、支持軸42a,42bを介して押圧ローラ31a,32,37,38aが回転自在に支持されている。そして、各移動部材41a,41bは、アクチュエータ43a,43bにより往復移動可能となっている。
【0168】
本実施例では、6つの押圧ローラ32〜37の外径より、最外側に配置される2つの押圧ローラ31a,38aの外径の方が大きいものに設定されている。この場合、ケース40a,40bと移動部材41a,41bと支持軸42a,42bと押圧ローラ31a,32,37,38aにより、第1調整ユニット182よりウェブWの幅方向における外側領域に配置される第2調整ユニット183a,183bが構成される。更に、押圧ローラ31a,38aにより、第3調整ユニット184a,184bが構成される。また、アクチュエータ43a,43bが本発明の第2、第3駆動装置として機能する。
【0169】
従って、駆動モータ50a,50bによりねじ軸49a,49bを正回転方向に回転すると、移動ブロック46a,46bが前進し、各ケース40a,40b及び支持軸30等を介して8つの押圧ローラ31a,32〜37,38aをウェブWに接近する方向に移動することができる。また、アクチュエータ43a,43bにより各移動部材41a,41b等を介して、4つの押圧ローラ31,32,37,38をウェブWに接近する方向に移動することができる。
【0170】
ここで、8つの押圧ローラ31a,32〜37,38aをウェブWに接近する方向に移動し、走行するウェブWにおける一方面から押圧する。すると、このウェブWは、各押圧ローラ31a,32〜37,38aにより押圧された部分が他方面側に突出することで波形状となる。そのため、ウェブWは、印刷により供給されたインキや湿し水により幅方向に延びているものの、各押圧ローラ31〜38により波形状となることで、その幅方向の長さが短くなり、印刷前の長さに修正、つまり、ファンアウトを修正することができ、その結果、ウェブWと印刷画像との見当ずれを調整することができる。
【0171】
そして、本実施例の幅見当調整装置181では、第1調整ユニット182と第2調整ユニット183a,183bと第3調整ユニット184a,184bにより、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量と、ウェブWの幅方向における最外側の押圧量とを異なる値に調整可能となっている。具体的には、ウェブWの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブWの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整し、ウェブWの幅方向における外側領域の押圧量よりウェブWの幅方向における最外側の押圧量を大きく調整している。
【0172】
即ち、制御装置51は、アクチュエータ43a,43bにより4つの押圧ローラ31a,32,37,38aのみをウェブWに接近する方向に移動することで、各押圧ローラ31a,32,37,38aによりウェブWの外側領域だけを押圧して波形状とする。すると、ウェブWは、幅方向の外側領域ではテンションが低いものの、各押圧ローラ31a,32,37,38aの押圧量(突出量)が、中央領域の押圧ローラ33〜36の押圧量(突出量)より大きくなる。また、押圧ローラ32,37の外径より、第2調整ユニット184a,184bにおける押圧ローラ31a,38aの外径が大きく設定されている。そのため、各押圧ローラ31a,38aの押圧量(突出量)が、押圧ローラ32,37の押圧量(突出量)より大きくなる。その結果、ウェブWは、幅方向にほぼ均一な波形状となり、幅方向の長さが適正長さまでに短くなる。その結果、ウェブWは、幅方向の長さが印刷前の長さに補正され、ファンアウトを適正に修正することができる。
【0173】
このように実施例10の幅見当調整装置181にあっては、ウェブWの幅方向における中央領域に配置される4つの押圧ローラ33〜36からなる第1調整ユニット182と、この第1調整ユニット182よりウェブWの幅方向における外側領域に配置される4つの押圧ローラ31a,32,37,38aからなる第2調整ユニット183a,183bと、ウェブWの幅方向における最外側に配置される2つの押圧ローラ31a,38aからなる第3調整ユニット184a,184bを設け、それぞれの押圧量とを異なる値に調整可能(調整手段)としている。
【0174】
従って、ウェブWに対して、第1調整ユニット182と第2調整ユニット183a,183bと第3調整ユニット184a,184bにより中央領域の押圧量と外側領域の押圧量と最外側の押圧量とが異なる値に調整されるため、テンションが相違するウェブWの幅方向における各位置でほぼ均一な見当調整量に適正に調整され、ウェブWのファンアウトを適正に修正することができ、その結果、印刷品質を向上させることが可能となる。即ち、ウェブWのファンアウト量は、幅方向における最外側が最も大きいことから、第3調整ユニット184a,184bを設けることで、このファンアウトを適正に修正することができる。
【0175】
なお、この実施例10では、第3調整ユニット184a,184bを外径の大きい押圧ローラ31a,38aにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、押圧ローラ31a,32,37,38aを同径とし、第3調整ユニットとして、押圧ローラ31a,38aとこれを移動する第3駆動装置を設けて構成してもよい。また、2つの押圧ローラ32,37により第2調整ユニットを構成し、2つの押圧ローラ31a,38aにより第3調整ユニットを構成し、各押圧ローラ32,37を移動する第2駆動装置を設けると共に、各押圧ローラ31a,38aを移動する第3駆動装置を設けてもよい。更に、第3調整ユニットをエアノズルとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明に係る折機は、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能とすることで、ウェブのファンアウトを適正に修正することで印刷品質を向上させることができるものであり、いずれの印刷機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0177】
R 給紙装置
R1〜R8 給紙ユニット
U 印刷装置
U1〜U6,U11〜U62 印刷ユニット
D ウェブパス装置
D1,D2 ウェブパスユニット
F 折機
F1,F2 折ユニット
21,22,23,61,71,91,111,131,151,161,181 幅見当調整装置
31〜38,92〜99,112〜121,132〜139,31a,38a 押圧ローラ(押圧部材)
39,62,85,100,122,146,156,164,182 第1調整ユニット
40a,40b ケース
43a,43b アクチュエータ(第2駆動装置、第3駆動装置)
44a,44b,66a,66b,86a,86b,101a,101b,123a,123b,147a,147b,157a,157b,165a,165b,183a,183b 第2調整ユニット
50a,50b 駆動モータ(第1駆動装置)
51 制御装置
63a,63b,162,163 エアノズル
65a,65b 減圧弁(第2駆動装置)
78,79 アクチュエータ(第1駆動装置)
77,80 アクチュエータ(第2駆動装置)
141 偏心軸
142 ローラ本体
152〜155 リンク
175 押圧ブロック(押圧部材)
184a,184b 第3調整ユニット
W ウェブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブの幅方向に沿って設けられる複数の押圧部材を、走行するウェブにおける少なくとも一方面から押圧して波状にすることで、ウェブの幅方向における見当を調整する幅見当調整装置において、
ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の前記押圧部材からなる第1調整ユニットと、
該第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の前記押圧部材からなる第2調整ユニットと、
前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能な調整手段と、
を備えることを特徴とする幅見当調整装置。
【請求項2】
前記調整手段は、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量よりウェブの幅方向における外側領域の押圧量を大きく調整することを特徴とする請求項1に記載の幅見当調整装置。
【請求項3】
前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットとをそれぞれ独立して駆動可能な第1駆動装置と第2駆動装置を有することを特徴とする請求項1または2に記載の幅見当調整装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットとを一体に駆動可能な第1駆動装置と、前記第2調整ユニットのみを駆動可能な第2駆動装置とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の幅見当調整装置。
【請求項5】
前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第1調整ユニットにおける前記押圧ローラの外径より、前記第2調整ユニットにおける前記押圧ローラの外径が大きく設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の幅見当調整装置。
【請求項6】
前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第1調整ユニットにおける単位長さ当たりの前記押圧ローラの個数より、前記第2調整ユニットにおける単位長さ当たりの前記押圧ローラの個数が多く設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の幅見当調整装置。
【請求項7】
前記押圧部材は、円板形状をなす押圧ローラであって、前記第2調整ユニットにおける前記押圧ローラは、偏心軸にローラ本体が回転自在に支持され、前記偏心軸の位相を変更することで、押圧量を変更可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の幅見当調整装置。
【請求項8】
ウェブの幅方向における最外側に配置される一つの前記押圧部材からなる第3調整ユニットを設け、前記調整手段は、前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットと前記第3調整ユニットとにより、ウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とウェブの幅方向における最外側の押圧量とを異なる値に調整可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項9】
前記複数の押圧部材は、印刷胴よりもウェブの走行方向における上流側に設けられ、前記第2調整ユニットにおける前記押圧部材は、前記第1調整ユニットにおける前記押圧部材より、前記印刷胴に接近して設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項10】
前記第1調整ユニットは、ウェブにおける一方面側の前記中央領域及び前記外側領域に等間隔で設けられ、前記第2調整ユニットは、ウェブにおける他方面側の前記外側領域に設けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項11】
前記押圧部材は、ウェブの幅方向に沿う中心軸をもつ曲面を有する中空形状をなす押圧部材本体と、前記曲面に形成されて前記押圧部材本体内の流体をウェブに向けて噴出する噴出孔とを有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項12】
前記調整手段は、前記各調整ユニットを制御可能な制御手段を有し、該制御手段は、予め設定されたウェブデータ及びまたは印刷データに基づいて前記各調整ユニットを制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項13】
前記調整手段は、前記各調整ユニットを制御可能な制御手段と、ウェブと印刷画像とのずれを検出するずれ検出手段とを設け、前記制御手段は、前記ずれ検出手段の検出結果に基づいて前記各調整ユニットを制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の幅見当調整装置。
【請求項14】
巻取紙からウェブを供給する給紙装置と、
前記給紙装置から繰り出されたウェブに印刷を行う複数の印刷ユニットからなる印刷装置と、
前記印刷装置により印刷が施されたウェブを断裁すると共に重ねて折り畳むことで折帖を形成する折機と、
前記複数の印刷ユニットの間にウェブの幅方向に沿って設けられる複数の押圧部材を走行するウェブにおける少なくとも一方面から押圧して波状にすることでウェブの幅方向における見当を調整する幅見当調整装置と、を備え、
前記幅見当調整装置は、
ウェブの幅方向における中央領域に配置される複数の前記押圧部材からなる第1調整ユニットと、
該第1調整ユニットよりウェブの幅方向における外側領域に配置される一つ以上の前記押圧部材からなる第2調整ユニットと、
前記第1調整ユニットと前記第2調整ユニットによりウェブの幅方向における中央領域の押圧量とウェブの幅方向における外側領域の押圧量とを異なる値に調整可能な調整手段と、
を有することを特徴とする印刷機。
【請求項15】
前記印刷機は、刷版が装着された版胴と、該版胴に対接して該版胴のインキをウェブに転写するブランケット胴とを有し、前記版胴は、外周面に軸方向に沿って前記刷版が複数装着可能であると共に、フレームに対して軸方向に移動することでウェブに対する前記刷版の位置を調整可能な一体版胴であることを特徴とする請求項14に記載の印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−20811(P2011−20811A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168044(P2009−168044)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】