説明

干渉カラーフィルター

【課題】一体式アクリレートポリマーフィルムを有する多色干渉フィルターを提供する。
【解決手段】第一の少なくとも一部白色光反射性の層、前記少なくとも一部白色光反射性の層上に、モノマーより形成された架橋した透明なアクリレート層、このアクリレート層は干渉カラーを形成するに十分な厚さを有する、及びアクリレート層の第一の少なくとも一部白色光反射性の層とは反対の面上の第二の少なくとも一部白色光反射性の層を含む干渉カラーフィルター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明なもしくは不透明な基材用の多色干渉コーティングの形成に関する。コーティング材料はアクリレートポリマーであり、隣接領域において異なる厚さの透明なコーティングを有することにより異なる色が得られる。
【背景技術】
【0002】
干渉フィルターの使用により通貨及び証書等を偽造から保護することに最近関心がもたれている。干渉フィルターから得られる色の変化は複写機によっては複製することはできない。干渉フィルターの形成に必要な特別な装置は偽造者には容易に入手することができない。したがって、偽造を防ぐため、カナダの通貨には多色干渉フィルターパターンを設けることが提案された。たとえば、J.A.Dobrowolski らの"Optical Interference Coatings for Inhibiting Counterfeiting", Optica Acta, 1973, 20, No.12, pp. 925-937及びDobrowolski らの米国特許第5,009,486号を参照されたい。
【0003】
干渉フィルターは、たとえばTrippの米国特許第2,590,906号に示されているように、数十年間知られている。典型的な干渉フィルターは滑らかな基材上に反射性の金属フィルムを有している。この反射フィルムには透明な誘電材料の薄層が重ねられている。このフィルターは誘電材料上の半反射性金属層で仕上げられている反射コーティング上に透明な保護コーティングを設けてもよいが、干渉フィルター自身の一部を形成するものではない。
【0004】
入射光ビームが干渉フィルターの正面の半反射性コーティングにあたると、光の一部は反射し、他の部分はこの半反射性層を通過し、誘電体に達する。ビームの透過した部分は裏面の反射層で反射され、誘電体を再び通過する。反射した波長の一部は半反射性正面層を通過し、そこで反射した光により建設的にもしくは相殺的に干渉される。
【0005】
誘電材料の厚さは建設的干渉用の光の波長の1/4の数倍である(誘電材料の屈折率を与える)。したがって、光が干渉フィルターより反射すると、適当な波長を有する光が反射し、建設的干渉のための相においてビームを透過する。他の色の光は少なくとも一部相殺的干渉である。したがって、反射干渉フィルターが白色光内で観察されると、それは強力な特徴的色を反射する。
【0006】
干渉フィルターは、偽造防止手段として望ましい特性を有している。フィルターからの干渉される色は誘電材料を透過する光の長さによってきまる。垂直の入射の光でフィルターを観察すると、ある種の色、例えば青色が見られる。干渉フィルターからの反射及び入射角度が鋭角である場合、誘電材料を透過する全透過距離は垂直入射よりも長い。したがって、すれすれの入射に近い角度で干渉フィルターを観察する場合、長い波長の光、例えば紫色が見られる。干渉フィルターを観察する角度できまるそのような特徴的色の変化は複写機では再現することはできない。
【0007】
干渉フィルターが2つの一部反射性の層で挟まれた薄い誘電材料を有する場合、同様の光の透過の効果が得られる。干渉フィルターの1つのタイプは、波長の1/4のその特徴的厚さのため1/4波プレートと呼ばれる。
【0008】
偽造をより困難にするため、異なる領域に異なる厚さを有する干渉フィルターを使用することが提案された。干渉フィルターより反射される光の色は誘電材料の厚さによって変化するため、フィルターの異なる領域の厚さを変化させることにより多色効果を達成することができる。
【0009】
Dobrowolskiの概念は、米国特許第5,009,486号に示されているもののような無機光学コーティング材料を用いて干渉フィルターを製造することである。そのような材料の層は所定の厚さで形成される。マスクが重ねられ、その材料の第二の層が第一の層の一部の上に形成される。これらの2つの層は厚さの異なる、すなわち干渉色の異なる領域を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような方法は費用がかかる。金属及び誘電材料層は通常付着ステーションを通過するフィルムの約3〜10m/minの速度でスパッター法により薄フィルムポリエステル基材上に付着される。より速い付着が望ましい。さらに、色干渉を与える2つの誘電材料の層を形成するために、表面のマスキングを間に挟んで2つの別の付着工程を行わなければならない。
【0011】
従来用いられていた無機誘電材料と比較して少なくとも数十倍に干渉フィルターの形成速度を高めることが望ましい。また、厚さの異なる一体式層を形成する1回の付着工程において干渉フィルター中の誘電材料の厚さを変化させることが望ましい。さらに、所定の異なる色のパターンで干渉フィルター材料を付着させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明により好ましい実施態様において、干渉色を与えるに十分な厚さで基材上に付着された一体式アクリレートポリマーフィルムを有する多色干渉フィルターが提供される。このアクリレートフィルムの所定の領域は、この所定の領域に隣接するフィルムの第二の領域とは厚さが異なっている。従って、この所定の領域は隣接する領域とは異なる色を有している。
【0013】
干渉カラーコーティングは、150〜600の範囲の分子量を有するアクリレートモノマーを蒸発させ、このアクリレートモノマーをモノマーフィルムとして基材上に凝縮させることにより形成される。接着を促進するため、アクリレートモノマーは150〜400のアクリレート基に対する分子量比を有することが好ましい。このアクリレートは重合され、干渉色を与えるに十分な厚さを有するフィルムを形成する。このポリマーフィルムの両面には少なくとも一部反射性のコーティングが設けられる。コーティングの1つは実質的に完全に反射性であってもよい。
【0014】
隣接する領域とは厚さの異なるフィルムの所定の領域を形成するためには多くの異なる方法を用いてよい。例えば、基材の表面の温度を異なる領域とは変化させることにより付着の効率を制御し、付着されるフィルムの厚さを制御する。フィルムは重合すると収縮し、異なる領域において重合度を変えることにより収縮を変化させ、厚さを変化させることができる。フィルムの重合は電子ビームもしくは紫外線照射により起こされ、重合度はそのような照射への全暴露を制御することにより調節される。多色ストリップを形成するためには、隣接領域において厚さの異なるフィルムを付着させることが簡易な方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は薄フィルム反射性干渉フィルターの部分横断面を示している。これは明確にするためフィルターの種々の層の厚さを誇張した略図である。
この反射性干渉フィルターは滑らかな表面を有するシート基材10の上に付着されている。この基材は通常ポリエステル、ポリプロピレンもしくはクラフト紙のような材料の薄いシートである。基材材料のロールを真空装置内で連続的にコートできるような高速コーティングには薄可撓性基材が望ましい。コーティング速度を犠牲にすれば、薄フィルムは硬質基材上にコートしてもよい。
【0016】
基材にはまず、ほとんど不透明でありかつ反射性である薄金属層11がコートされる。少なくとも75%の反射率が好ましい。この反射層には、アルミニウム、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム合金、ステンレススチール、銀等のような容易に付着することのできる金属を用いてよい。銅のような固有の色を有する金属よりも本質的に無色である金属が好ましい。通常、この不透明の反射性金属層は200〜2000オングストロームの厚さを有する。
【0017】
反射層上には透明な誘電材料の薄層12が付着される。この誘電材料層の厚さ及びその屈折率はフィルターを通過する光の通過長さを決定し、従って反射される光の色を決定する。図1の左側に示されているように、誘電材料層の所定の領域は厚さt1で形成されており、これは図1の右側に示されている隣接領域の厚さt2とは異なっている。これらの厚さt1及びt2は共に約700〜10,000Åであり、好ましくは約800〜4000Åである。そのような厚さはフィルターからの干渉色を形成する範囲である。好ましい誘電材料は以下に示すような一体式アクリレートポリマーである。
【0018】
干渉フィルターにおける次の層は半透過性であるに十分な薄さの金属の層13である。この金属層も、例えばアルミニウム、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム合金、ステンレススチール、もしくは銀のような薄フィルムとして付着されるいずれの金属であってもよい。クロムは制御された反射率で付着することができかつ腐食耐性を有するため特に好ましい。この半透過性(又は半反射性)層は少なくとも25%の透明度であり、好ましくは約50%透明度でありかつ50%反射性である。この層の通常の厚さは約50〜200Åである。
【0019】
2つの金属層は、真空蒸着もしくはスパッタリングのような通常の付着法により付着される。概して、反射性金属層を最初に付着させることによりその後のコーティング用の基材を調製することが望ましい。アルミニウムもしくは他の金属が前もってコートされたポリエステルフィルムは市販入射可能であり、これは好適な基材である。
【0020】
透明な誘電材料で分離されて配置された2つの反射性金属を有する干渉フィルターを形成した後、付着された上層14によりこの薄フィルムは保護される。この上層は耐磨耗性を与える材料であり、このフィルター上にプリントするためのインクを受け入れることのできる表面を有していてもよい。これは従来のローラーコーティングもしくは蒸着により付着される有機もしくは無機材料のいずれであってもよい。好ましい材料は2μm以上の厚さを有するアクリルである。
【0021】
フィルターの誘電材料12を形成するアクリレート層は、好ましくは気化されたアクリレートモノマーの形態で付着される。このモノマーフィルムには紫外線もしくは電子線が照射され、これによりアクリレートは重合され、一体式フィルムを形成する。照射による重合は従来の方法であり、必要な電子束もしくは用いられる紫外線の波長及び全束は一般的に知られている。
【0022】
モノマーの蒸発は、好ましくは米国特許第4,722,515号、4,696,719号、4,842,893号、4,954,371号、及び5,097,800号に記載されているようなフラッシュ蒸発装置で行われる。これらの特許は輻射によるアクリレートの重合も記載している。そのようなフラッシュ蒸発装置において、液体アクリレートモノマーが加熱されたチャンバーに1〜50μmの液滴として注入される。このチャンバーの高温はこの液滴を蒸発させ、モノマー蒸気を形成する。このモノマー蒸気はノズルを形成する長手方向のスロットを有する円筒形のチャンバーをみたし、このノズルを通ってモノマー蒸気は流れる。このノズルの後ろのチャンバーは直径約10cmのシリンダーであり、その長さはモノマーが凝縮する基材の幅に対応している。このチャンバーの壁は200〜320℃の温度に保持されている。
【0023】
2つのスタイルの蒸発器が適している。その1つにおいて、液滴を注入するためのオリフィス及びフラッシュ蒸発器はノズルシリンダーの一端に接続されている。他のスタイルにおいて、インジェクター及びフラッシュ蒸発器部位は、Tのようにノズルチャンバーの中央に接続されている。
【0024】
誘電材料層の形成に用いられるアクリレート樹脂の群は150〜600の範囲の分子量を有するモノマーである。好ましくは、このモノマーは200〜300の範囲の分子量を有する。この分子量が低すぎると、このモノマーは揮発性が高すぎてモノマーフィルムを形成するために十分に凝縮しない。所定の基材上に凝縮しないモノマーは真空ポンプを汚染し、樹脂の重合に用いられる電子銃の操作を阻害する。分子量が高すぎると、このモノマーはモノマーの分解温度以下の安全な温度においてフラッシュ蒸発器内で容易に蒸発しない。
【0025】
モノマーが重合すると、フィルムは収縮する。過剰の収縮は基材へのフィルムの接着を低下させる。以下に説明するように、ある程度の収縮は本発明の実施態様において好ましい。基材へのフィルムの接着もフィルムの厚さによってきまる。薄いフィルムは厚いフィルムよりも接着を損なうことなくより大きな収縮を許容する。約15〜20%までの収縮は干渉フィルターの誘電材料層に用いられる薄フィルムにおいて許容することができる。
【0026】
収縮を低くするため、架橋密度は比較的低くすべきである。ヘキセンジオールジアクリレート(HDDA)及びトリメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)のような架橋密度の高いモノマーは金属への接着性が低い。架橋密度及び収縮を規定する方法は分子の大きさ及び分子あたりのアクリレート基の数を考慮することである。
【0027】
好ましくは、アクリレートモノマーは150〜400のアクリレート基に対する平均分子量を有する。換言すれば、アクリレートがモノアクリレートである場合、その分子量は150〜400である(実際には、他の理由のため、モノアクリレートの分子量は200より大きいことが好ましい)。一方、ジアクリレートを用いる場合、その分子量は300〜800である。以下に説明するように、異なる官能価及び分子量を有するアクリレートのブレンドも用いてよい。この場合、アクリレート基に対する平均分子量比は150〜400の範囲内であるべきである。この範囲の値は、良好な接着が得られる、硬化した際のアクリレート層の十分低い収縮を与える。アクリレート基に対する分子量比が高すぎると、収縮が大きすぎて金属層に対する接着が弱くなる。
【0028】
この比の例を以下に示す。
トリメチロールプロパンジアクリレート 98
ヘキサンジオールジアクリレート 113
βカルボキシエチルアクリレート 144
トリプロピレングリコールジアクリレート 150
ポリエチレングリコールジアクリレート 151
トリプロピレングリコールメチルエーテルモノアクリレート 260
トリプロピレングリコールジアクリレートとトリプロピレングリコールメチルエーテルモノアクリレートの50/50ブレンドは205の平均比を有する。より分子量の高い材料をβカルボキシエチルアクリレート(BCEA)と混合して適当な分子量の材料を提供してもよい。
【0029】
好適なアクリレートは適当な範囲の分子量を有するのみならず、接着を阻害しない「化学性」を有している。通常、極性の高いアクリレートは極性の低いモノマーよりも接着性は高い。長い炭化水素鎖は接着を阻害するであろう。例えば、ラウリルアクリレートは基材から離れて配置されると考えられる長い鎖を有しており、重合を阻害し、ほとんどの基材に対する接着を比較的低いものにする。
【0030】
フラッシュ蒸発に用いられる通常のモノマーは、重合を促進するために適当な量のジアクリレート及び/又はトリアクリレートを含む。所望の蒸発及び凝縮特性並びに接着を得るために、及び重合の間の付着したフィルムの収縮を制御するために、アクリレートのブレンドを用いてもよい。
【0031】
好適なモノマーはモノマーの熱分解温度以下でありかつ蒸発温度において数秒未満で重合が起こる温度以下の温度で真空チャンバー内でフラッシュ蒸発できるものである。フラッシュ蒸発装置内でのモノマーの平均時間は通常1秒未満である。熱分解もしくは重合は、蒸発装置の汚染を最小にするために避けられるべきである。選ばれるモノマーは紫外線もしくは電子線に暴露された際に容易に架橋できるものであるべきである。
【0032】
モノマー組成物はモノアクリレートとジアクリレートの混合物を含んでいてもよい。トリアクリレートは反応する傾向にあり、蒸発温度において重合するかもしれないが、ブレンドとしては有効であろう。多色干渉フィルターの製造に用いられる方法によっては、収縮性の高いもしくは低いフィルムが望ましいであろう。概して、分子量のより高い材料を用いることにより収縮は低下する。所望の収縮を得るために収縮特性の異なるモノマーのブレンドを用いてもよい。通常、金属フィルムに対する接着を良好にするためには収縮の低いものが望ましい。
【0033】
好ましくは、アクリレートモノマーの分子量は200〜300の範囲内である。この分子量が約200未満であると、このモノマーは容易に蒸発するが基材を冷却することなく基材上に定量的に凝縮しない。この分子量が約300より大きいと、このモノマーは蒸発しにくくなりより高い蒸発温度が必要になる。
【0034】
組成物中には約5種のモノアクリレート、10種のジアクリレート、10〜15種のトリアクリレート及び2もしくは3種のテトラアクリレートを含んでいてもよい。特に良好なアクリレートは約260の分子量を有するトリプロピレングリコールメチルエーテルモノアクリレートとTRPGDAとのブレンドである(Henkel 8061 として入手可能)。
【0035】
用いてよいアクリレートの例は、モノアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート(M.W. 192)、イソボルニルアクリレート(M.W. 208)及びラウリルアクリレート(M.W. 240)、ジアクリレートジセチレングリコールジアクリレート(M.W. 214)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(M.W. 212)及びポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)(M.W. 151) もしくはテトラエチレングリコールジアクリレート(M.W. 302)、トリクリレートトリメチロールプロパントリアクリレート(M.W. 296)及びペンタエリトリトールトリアクリレート(M.W. 298)、モノメタクリレートイソボルニルメタクリレート(M.W. 222)及び2-フェノキシエチルアクリレート(M.W. 206)、ジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレート(M.W. 286)及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(M.W. 254)を含む。
【0036】
上記のように、フラッシュ蒸発器用のノズルは通常蒸発器チャンバーに沿って長手方向に伸びるスロットを具備している。通常の蒸発器においてノズルスロットは0.75〜1mmの範囲の幅を有している。モノマーが凝縮される基材の表面上を、約2〜4mmの距離でノズルが移動する。基材上をノズルが移動する速度は150〜300m/minである。
【0037】
図2は、本発明により構成された干渉フィルターの他の実施態様の部分断面図である。この実施態様において、ポリエステルフィルムのような仮の基材16が存在し、この基材上にはワックスもしくはシリコーンのような薄い剥離層17が存在している。上層18は、アクリレートモノマーのフラッシュ蒸発のような方法により剥離層上に付着されている。このアクリレートモノマーは輻射により重合される。
【0038】
ついでこの上層上に半反射性金属層19が付着される。その後、重合されたアクリレートの透明な誘電材料層21が上記のようにして形成される。好ましくは、誘電材料層の所定の領域は第一の厚さt1を有し、隣接する領域は異なる厚さt2を有する。誘電材料上には不透明な反射性金属層22が付着される。反射性金属層22、誘電材料層21及び半反射性金属層19は干渉フィルターを形成する。永久基材材料23が不透明な金属層上に付着される。最後に、感圧性接着剤の層24が永久基材上に設けられる。
【0039】
この干渉フィルターの実施態様は、真空系において従来取り扱われなかった基材に又は大きな基材の小さな領域に適用するため、例えば限られた領域にマークするために有効である。この干渉フィルターを用いる場合、感圧性接着剤が所望の基材に塗布され、仮の基材16は剥がされる。これにより上層18が暴露され、ついで干渉フィルターは図1に示すようなものとなる。
【0040】
この層の一部は顔料を形成するために感圧性接着剤を用いずに用いてもよい。そのような実施態様において、上層材料と同様のアクリレートの薄い保護層を剥離層上に付着させ、重合させてもよい。次いで金属層が保護層上に付着され、重合したアクリレートの透明な層が形成される。アクリレート上に第二の金属層が付着され、アクリレートの最後の保護層が金属上に加えられる。金属層の少なくとも1つは半反射性であり、両方とも半反射性であってもよい。アクリレート、金属、アクリレート、金属及びアクリレートのこのサンドイッチは保護された干渉フィルターを形成する。このサンドイッチは剥離層から剥がして破壊し、着色された顔料フレークを形成することもできる。
【0041】
図3はいずれかの面から見た干渉フィルターの他の実施態様を示している。ポリエステルフィルムのような基材26には半反射性である金属の十分薄い層27がコートされている。所定の領域に厚さt1を有しかつ隣接する領域に異なる厚さt2を有する誘電材料層28が半反射性金属上に形成されている。第二の半反射性金属層29が誘電材料層上に付着され、これは重合されたアクリレートの被覆上層31により保護されている。2つの半反射性層27及び29は、好ましくは各々入射光を約50%反射しかつ約50%透過する。半反射性層及び挟まれた誘電材料層は、シートのいずれかの面から多色外観を示す干渉フィルターを形成する。
【0042】
多色干渉フィルターのこれらの実施態様においては可撓性基材材料が好ましい。それは、そのような材料のシートには上記の多くの層を容易にコートできるからである。好適な基材のコーティング装置を図4に示す。このコーティング装置はすべて従来の真空チャンバー36内に配置されている。片面にアルミニウムの反射性の層がコートされているポリエステルシートのロールを供給リール38に設置する。シート39は回転可能なドラム37のまわりを包み、取り込みリール41に送られる。供給リールからドラム及び取り込みリールへ供給材料を誘導するために必要に応じてアイドラーロール42が用いられる。
【0043】
第一のコーティング場においてドラムに近接して上記のフラッシュ蒸発器43が配置されている。このフラッシュ蒸発器は、基材がドラムのまわりを回る際にこの基材シートの上にアクリレートモノマーの層もしくはフィルムを付着させる。アクリレートモノマーがコートされた後、基材シートは照射場を通過し、そこでアクリレートには電子銃もしくは紫外線源のような照射源44から照射される。ドラムの回転と同調させて輻射源とドラムの間の隙間を通して移動させるための移動性マスク46をローラー上に配置してもよい。この輻射によりアクリレートポリマーが重合される。
【0044】
次いでこのシートは蒸着場47を通り、そこで真空蒸着もしくはスパッタリングにより金属の半反射性コーティングが被覆される。これにより干渉フィルターが完成される。次いでこのシートは他のフラッシュ蒸発器48を通り、そこでアクリレートモノマーの他の層が付着され、上層を形成する。このモノマーの層はドラムに隣接する紫外線もしくは電子ビーム源49から照射されることにより硬化される。
【0045】
干渉フィルターの異なる領域に異なる厚さの誘電材料を形成するには多くの方法がある。その1つは誘電材料層の異なる領域に異なる量のモノマーを凝縮させ異なる厚さを直接形成することである。これには多くの方法が適している。これとは別に、すべての領域に均一な厚さのモノマーを付着させ、次いでフィルムの厚さを異なる領域において異なる程度に収縮させてもよい。蒸気のように、アクリレートモノマーは重合する際に収縮する。フィルムの重合度を制御することにより、誘電材料層の厚さを制御してもよい。これを行うにも多くの方法がある。
【0046】
図5は基材の異なる部位に異なる厚さのアクリレートモノマーを付着させるための装置を示している。この実施態様において、フラッシュ蒸発器チャンバー52の長さに沿ってノズルを形成する細長いスロット51がある。ノズルの長さにそって均一な幅を有するかわりに、狭い部位53と幅の広い部位54がある。明らかなように、狭い部位よりも、ノズルのこの幅の広い部位54を通ってより多くのアクリレートが蒸発する。その結果、基材がノズルを通過すると(ノズルの長さに垂直に)、アクリレートモノマーの厚いストリップと薄いストリップが交互に付着する。得られる誘電材料層の厚さが異なるため、淡緑色とピンク色のような色が交互に存在するストリップが得られる。
【0047】
幅の広い領域と狭い領域が交互に存在するそのようなノズルはシートが移動する際に静止して保たれ、平行なストリップを形成する。これとは別に、そのようなノズルはシートが移動する際に長手方向に移動してもよく、これにより干渉フィルターにジグザグのパターンが形成される。
【0048】
モノマーの均一な厚さの重合度を変化させることにより、干渉フィルターの異なる領域において厚さを変化させるために同様の方法を用いてもよい。その類似性は、紫外線ランプもしくは電子銃のような輻射源56を示す図11を参照すると明らかである。輻射源と重合されるモノマーフィルム(図11には示されていない)を有する基材との間にマスク57が挿入されている。このマスクにおける幅の広い領域と狭い領域が交互に存在するスロット58は通過する輻射の量を変化させる。モノマーに達する輻射の量が多い部位は、その輻射の量が少ない隣接領域よりも重合度が大きい。重合する際のモノマーの固有の収縮のため、全照射エネルギーの多い領域はそのエネルギーの少ない領域よりも薄くなる。こうして干渉フィルターにおいて異なる色を有するストリップが得られる。
【0049】
適当な配列で異なる幅のノズル及び異なる幅の輻射源を組み合わせることにより、干渉フィルターから3もしくは4つの異なる色のストリップが得られる。さらに、付着もしくは重合用のマスク内のスロットにはさらに色の変化を与えるために3以上の幅の変化を設けてもよい。
【0050】
多色干渉フィルターから着色されたストリップを得ることはある目的に対しては十分ではないかもしれない。図5及び図12に示す可動ベルトマスク46は種々の多色パターンの形成に用いてもよい。図12に示すように、可動マスクは星印の開口部61及び長方形の窓62を有している。単なる例として、この星形の開口部は不透明なベルト中の半透明の領域である。
【0051】
そのようなマスクはコーティング装置及びドラムの回転と同調して移動する。マスクの後ろの紫外線41は長方形の領域を通して完全な照射を与え、星印の領域を通して一部照射を与える。そのようなマスクを用いる場合、すべてのモノマーが少なくとも最小レベルの照射を受けるように紫外線ランプに続いて他の輻射源(図示してはいない)を用いることが望ましい。
【0052】
そのような実施態様において、誘電材料層が3つの異なる厚さを有するであろうことは明らかである。他の輻射源により照射された領域のほとんどは重合度が限られており、従って比較的厚い。開放窓62を通して完全に照射すると、完全に重合された誘電材料フィルター上に長方形の領域を形成し、最小の厚さまで収縮させる。星印の開口部61を通した中間レベルの照射は中間の重合度及び中間の厚さを与える。得られる干渉フィルターは3つの異なる色を有している。
【0053】
不透過性ベルト中に完全に開放した窓を有する同様のタイプのマスクをフラッシュ蒸発器と回転するドラムの間で移動させてもよい。星印及び長方形の開口部に向かい合っている領域はモノマーの層がコートされる。他のフラッシュ蒸発器は基材上にモノマーの均一な層を付着させる。得られる異なる厚さの付着されたモノマーは重合され、異なる領域において異なる厚さを有する一体式アクリレートフィルムを形成し、2つの多色パターンを形成する。
【0054】
基材上のアクリレートモノマーの厚さを変える他の方法は、凝縮の効率を制御することである。モノマーの凝縮の効率はモノマーが衝突する基材の温度によってきまる。温度の影響は特定のモノマーによってきまる。温度に対する効率の例を図6に示す。0℃に近いような低温では本質的に効率は100%であり、すべてのモノマーが凝縮する。25℃のようないくらか高い温度ではほとんどのモノマーは基材上には凝縮しない。ある温度範囲では凝縮の効率は、比較的小さな温度変化に敏感である。
【0055】
凝縮の効率に対するこの温度の効果は、干渉フィルターの異なる領域における異なる厚さを有するモノマーによりフィルムを製造するために利用される凝縮効率の高い低温基材は比較的厚い誘電材料層を形成し、一方凝縮効率の低い、いくらか温度の高い領域は比較的薄い層を形成する。基材の温度を変えるために多くの方法を用いてよい。
【0056】
1つの方法は、誘電フィルムとなるアクリレートモノマーを与えるフラッシュ蒸発器の直前に図12に示すような可動マスクを用いることである。マスクの後ろの赤外線ランプは基材を照射し、そこで基材は赤外線を吸収し、加熱される。温度が高いほど凝縮効率は低く、従って隣接する温度の低い領域よりもモノマーが薄くなる。
【0057】
凝縮の効率は周囲温度付近では急激に変化しかつフラッシュ蒸発及び輻射は基材の温度を高める傾向にあるため、基材のロールをコーティング装置内の供給リールに取り付けるまで冷蔵しておくことが望ましい。また、回転するドラムを、例えば冷却水で冷却し、基材を低温に保つことが望ましい。
【0058】
図7は、コーティング装置を通って移動する薄いシート基材(図示せず)を支える冷却されたドラム63の表面の一部を示している。このドラムの表面には多くの紙の星64が糊付けられている。コーティングの間にドラムの周囲を包む基材はこの星の間でドラムと熱的に接触されている。この紙の星は基材とドラムの表面の間に存在し、基材は冷却ドラムから断熱されているため基材の温度はより高い。この断熱及び異なる熱パターンの結果、星に隣接するモノマーの比較的薄い層と他の比較的厚い層が基材上に形成される。これにより多色干渉フィルターが得られる。
【0059】
図8は、紙の星を水冷したドラムの表面に糊付けした実験において達成される効果を示している。この星の領域において、干渉フィルターは赤もしくはマゼンタ色の斑点を有する金色を形成する。もちろんこの色は干渉パターンを観察する角度によって異なる。この色はほぼ垂直の入射において観察したものである。約45°で観察すると、星の色は青緑色に見える。星の周囲は青もしくは青緑色であるハロ66である。このハロの周囲は金色のバンド67であり、このバンドの中央は赤味かかっている。ドラムと熱接触された干渉フィルターの他の領域は青もしくは紫色である。星の色と似ている色を有するバンドは誘電材料層の厚さの半波長変化によるものであると考えられる。
【0060】
図9はシート基材の温度を制御する他の方法を示している。図9は水冷したドラムの表面68の一部を示している。この表面は浅いくぼみ69のパターンで覆われている。薄いシートがドラムの周囲を囲ったら、表面68と熱接触するが、くぼみに面するドラム表面とは間隔をおいて離れている。コーティング装置における真空は優れた断熱性を有するが、くぼみの上の領域は本質的に冷却されておらず、一方ドラムの表面と接触している領域は冷却されている。得られる温度パターンは基材上のモノマーの凝縮の効率を変化させ、干渉フィルターにおける誘電材料層の厚さを変化させる。
【0061】
くぼみについてとても簡単な菱形のパターンを示したが、ドラムの表面に所望のくぼみのパターンを設けてもよい。
そのようなドラムは、モノマーの重合度に差がある、すなわち収縮度に差がある実施態様においても有効である。モノマーを電子ビームで重合させる場合、ドラムの表面68と接触している基材の領域は接地されており、一方くぼみ69と面している領域は接地されておらず、静電荷を生じ、電子ビームを寄せつけない。モノマーに対する全照射の差は誘電材料層における重合度の違いとなる。得られる収縮の差は多色像を形成する。
【0062】
電子銃において、特に移動するシートに沿って色のストリップを形成するために異なる方法で電気接地を用いてよい。電子ビームは電子源と加速スクリーンの間の電位差により加速される。スクリーンの接地の効力を変化させることにより、電子ビームは異なる領域において異なる全束を有し、異なる重合度を与える。
【0063】
電子銃は、多色の所望の像を形成するためのモノマーフィルム上に描くために狭い回転ビームを有していてもよい。特に望ましい方法は、基材の進行方向と垂直に基材と交差する電子銃を用いることである。電子ビームの強度は種々の重合度を与えるスキャンの時間によって異なる。そのような方法はラスタースキャンによりテレビの画像を形成する方法と同じであり、複雑な多色パターンが干渉フィルターに得られる。
【0064】
図10はアクリレートモノマーのフラッシュ蒸発の前に薄い基材シート上に熱により印影を形成する他の方法を示している。このコーティング装置において、冷却された基材のロールは真空系73内の供給リール72に設置される。基材は多くのコーティング及び硬化場を通ってこの装置を通過し、取り込みリール74に巻かれる。
【0065】
基材71はまず蒸着場76を通過し、そこで干渉フィルターを形成するための1つの金属層が真空蒸着もしくはスパッタリングにより付着される。次いでこの薄フィルムは熱捺印場を通過し、そこでアクリレートモノマーを受け取る表面が裏打ちロール77と熱捺印ロール78の間を通過する。熱捺印ロールは基材の表面を固定する比較的低導電性のゴムの浮き上がった領域を有している。この浮き上がった領域のゴムは加熱されたロール79と接触している。この加熱されたロールは捺印ロール上の浮き上がった領域の温度を高め、得られる熱パターンが基材上にプリントされる。これとは別に、基材上に異なる温度パターンを形成するため、捺印ローラー78それ自身を加熱もしくは冷却してもよい。
【0066】
真空中で一時的に熱パターンを保持している基材は、次いでフラッシュ蒸発場80を通過し、そこで基材上にアクリレートモノマーが凝縮する。上記のように、温度の差は基材上に付着されるモノマーの厚さを変える。次いでこの基材は輻射場81を通過し、そこで紫外線もしくは電子ビームがモノマーを重合させる。次いでこのフィルムは最終蒸着場に送られ、そこで第二の金属層が付着される。他の保護層等を設けるために他の場を含めてもよい。
【実施例】
【0067】
図13に示すように、スロットが本質的にブロック形である断続領域85を有する長手方向のスロットを通してアクリレートモノマーを蒸発させることにより多色干渉フィルターを製造する。そのようなノズルは2つの色を有するコーティングを形成する。例えば、1つの実験において、スロットの開放領域84に向かい合っているコーティングは金色であり、ブロックされた領域85に向かい合って幅約7mmの青いラインが存在する。ブロックされたスロットに向かい合った誘電材料層は、青いストリップに隣接する金色の領域よりもかなり薄い。
【0068】
他の実験において、コーティングドラムの温度は付着の間に急激に変化される。ドラム温度は約20℃から約0℃に急激に低下される。ドラムと接しているポリエステルフィルムはドラムの温度変化を反映している温度変化を受ける。ドラムが冷却されると、得られる干渉フィルターからの色は紫から青、黄色に変化する。
【0069】
水冷したドラム上に紙の星を通過させることにより形成される色パターンを図8に示す。この実験において、紙の星は厚さ75もしくは150 ミクロンであり、幅は約9.5mmである。
【0070】
アクリレートの重合の際の収縮の差による厚さの変化は電子銃からの電子束を変えることにより示される。これは電子が通過する加速スクリーンの接地条件を変えることにより行われる。より接地されている領域にはより多くの電子束が通過する。従って、重い及び軽い束のレーンを変えた電子のカーテンが存在している。
【0071】
高い及び低い束のゾーンを変えるため、アクリレートの重合度が変化する。この例において、ポリエステルフィルム基材は幅50cmであった。1つの実験において、3つのピンクのストライプが3つの明るい緑色のストリップに挟まれた。同様に、青色と金色のストリップが異なる厚さの誘電材料層に形成された。電子銃スクリーンの接地部の数を3倍にすることにより、電子密度の異なるストリップの数が形成される多くの狭い色のストリップの3倍及び2倍となった。
【0072】
図14は本発明の原理により構成される干渉フィルターの他の実施態様を示している。この実施態様において、屈折率が高くかつ反射率の低い材料を交互に存在する多くの透明層を有することにより色が得られる。層の間の屈折率の変化による干渉効果は反射性もくは透明な物体用に色を与える。
【0073】
そのような物体は、特定の用途に対し必要により透明もしくは不透明である基材90を含む。アクリレートの多くの層が付着される基材は硬質であっても可撓性のシート基材であってもよい。所望により、反射率をさらに高めるために基材上に金属層(図示せず)を設けてもよい。屈折率の低い材料91と屈折率の高い材料92を交互に有する多くの層を基材上に付着させる。上記のように、異なる色を与えるために物体の異なる領域において屈折率の高い材料と低い材料の厚さを変化させてよく、いずれの場合も1ミクロンよりも薄い。
【0074】
多くの層を付着させるために用いられるアクリレートはその屈折率及び適合性について選ばれる。概して、フッ素化アクリレートは屈折率が低い傾向にあり、低屈折率領域に適している。屈折率の高い材料の例はビスフェノールAジアクリレートを含む。アクリレートモノマーは150〜400の範囲内のアクリレート基に対する分子量比を有することが好ましい。色が十分である場合には2相ほどで十分である。
【0075】
多色干渉フィルターを形成するための多くの方法を示したが他の態様も容易に実施できることが明らかであろう。所望の色パターンを与えるために他の方法を用いてアクリレート誘電材料の不均一な層を付着させてもよい。同様に、重合度を制御することによりモノマーの凝縮されたフィルムの収縮を制御するために他の方法を用いてもよい。本発明は本発明の範囲内において、上記以外の他の方法で実施してもよいことが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明により構成された反射性多色干渉フィルターの部分横断面図である。
【図2】他の基材へ移すための接着剤を有する多色干渉フィルターの横断面図である。
【図3】透過性多色干渉フィルターの横断面図である。
【図4】多色干渉フィルターを形成するためのコーティング装置の略図である。
【図5】蒸発ノズルの略図である。
【図6】温度に対する凝縮効率を示すグラフである。
【図7】温度特性の異なるドラムの面の略図である。
【図8】図7に示すドラムより得られる色パターンである。
【図9】くぼみの領域を有するドラムの面の略図である。
【図10】他のコーティング装置の略図である。
【図11】アクリレートフィルムを重合するための電子銃もしくは他の輻射源用のマスクの略図である。
【図12】輻射源用の可動マスクの略図である。
【図13】他の蒸発ノズルを示す略図である。
【図14】本発明により構成される干渉フィルターの他の態様を示す略図である。
【符号の説明】
【0077】
10 基材
11 薄金属層
12 誘電材料層
13 金属層
14 上層
16 一時的基材
17 剥離層
18 上層
19 半反射性金属層
21 誘電材料層
22 金属層
23 永久基材
24 感圧性接着剤層
26 基材
27 金属層
28 誘電材料層
29 金属層
31 上層
36 真空チャンバー
37 回転ドラム
38 供給ピール
39 シート
41 取り込みピール
42 アイドラーロール
43 フラッシュ蒸発器
44 照射源
46 可動マスク
47 蒸着場
48 フラッシュ蒸発器
49 照射源
51 スロット
52 フラッシュ蒸発チャンバー
63 ドラム
71 基材
72 供給リール
73 真空系
74 取り込みリール
76 蒸着場
77 裏ロール
78 熱捺印ロール
79 加熱ロール
80 フラッシュ蒸発場
81 輻射源
82 蒸着場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に干渉カラーコーティングを形成する方法であって、以下の工程
アクリレートモノマーを蒸発させること、
基材上にモノマーフィルムとしてアクリレートモノマーを凝縮させること、
このアクリレートを重合し、干渉カラーを形成するに十分な厚さを有するポリマーフィルムを形成すること、及び
このポリマーフィルムの両面に少なくとも一部白色光反射性のコーティングを提供すること
を含む方法。
【請求項2】
基材上に干渉カラーコーティングを形成する方法であって、以下の工程
第一のアクリレートモノマーを蒸発させること、
基材上にモノマーフィルムとして第一のアクリレートモノマーを凝縮させること、
このアクリレートを重合し、第一の屈折率を有する第一のポリマーフィルムを形成すること、
第二のアクリレートモノマーを蒸発させること、
第一のフィルム上にモノマーフィルムとして第二のアクリレートモノマーを凝縮させること、
このアクリレートを重合し、第二の屈折率を有する第二のポリマーフィルムを形成すること、ここで第二の屈折率は第一の屈折率とは異なる、
このポリマーフィルムの最外層に少なくとも一部白色光反射性の金属コーティングを提供すること
を含む方法。
【請求項3】
一部白色光反射性の金属コーティングの間に低屈折率材料と高屈折率材料の複数の交互の層を設けること、の工程を特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
ポリマーフィルムの所定の領域を、ポリマーフィルムの隣接する領域の厚さとは異なる厚さで形成し、それぞれの領域からの干渉カラーを変化させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
第一の少なくとも一部白色光反射性の層、
前記少なくとも一部白色光反射性の層上に、モノマーより形成された架橋した透明なアクリレート層、このアクリレート層は干渉カラーを形成するに十分な厚さを有する、及び
アクリレート層の第一の少なくとも一部白色光反射性の層とは反対の面上の第二の少なくとも一部白色光反射性の層
を含む干渉カラーフィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−158549(P2008−158549A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46333(P2008−46333)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【分割の表示】特願平8−64819の分割
【原出願日】平成8年3月21日(1996.3.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】