平均長さ検知装置、および方法
【課題】平均長検知装置および方法、ならびに光コヒーレント受信器を提供する。
【解決手段】平均長検知方法は、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置111によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、平均化器の平均長が長いか短いかを示す指数を判定することを含む。
【解決手段】平均長検知方法は、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置111によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、平均化器の平均長が長いか短いかを示す指数を判定することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光通信に関し、特にコヒーレント光通信システムでの偏波クロストークの相殺に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの容量と柔軟性の要求が徐々に上がるにつれ、コヒーレント光通信技術は、ますます重要になっている。コヒーレント光通信では、送信された信号を光の2つの偏波状態に同時に変調し、同一の帯域幅の下で速度伝達比を増加させるために、通常は偏波マルチプレクシングが採用される。受信端では、光コヒーレント受信器は2つの偏波状態にある信号を同時に受信し、それらを基底帯域デジタル信号に変換する。2つの偏波状態にある信号は、デジタル分野のデマルチプレクシング技術によって分離され、次に各偏波状態にある信号はそれぞれ処理される。上述から分かり得るように、2つの偏波状態にある信号が良く分離されるかどうかは、偏波マルチプレクシングのための光コヒーレント受信器の性能への大きな影響を有している。
【0003】
光通信システムでは、等化・分極デマルチプレクサが通常は用いられる。等化・分極デマルチプレクサは、一般的には適応フィルタによって実装されるが、適応フィルタの係数は定数モジュラーアルゴリズム、最小平均二乗法他を用いて調整され得る。これらのアルゴリズムはすべて、フィードバック構造を用いることによりチャンネル状態変化にしたがってフィルタの係数を調整し、偏波状態HとVにある信号間の相互クロストークがないようにする。
【0004】
先行研究は、チャンネルの偏波状態変化がKHzの大きさであるとき、適合フィルタはそのような大きさで、偏波状態変化を追跡することができることを示す。しかしながら、チェンネル非線形効果などの様々な理由によって、チャンネルの偏波状態変化は信号速度伝達比(GHz)の大きさに達し得る。現在の適合フィルタは、そのような高速で偏波状態変化を追跡することができないので、残留偏波分散によって偏波状態HおよびVにある出力信号の間でクロストークが生じ得る(G. Charlet, et al., “Performance comparison of singly-polarized and polarization multiplexed at 10Gbaud under nonlinear impairments”, OThu8, proceeding of OFC 2008を参照せよ)。
【0005】
このような理由から、偏波クロストークキャンセラ(PCC)を用いて偏波クロストークを補償する方法が提案されてきた(たとえば、Lei Liによる報告、OFC2010 paper OWE3)。この報告では、平均長は予め決められている。しかし、最適平均長は、通信システムの実際の条件に深く関連し、所定の平均長は往々にしてシステム性能を最適な状態にさせ続けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
注意すべきは、上の技術的背景への序論は、本発明の技術的解決法を明確かつ完全に記載し、当業者による応用を助けるのに便利なためだけのものである。上の技術的解決法は、本発明の背景欄に記載されているというだけで、当業者には知られているとは考えるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上の状況を鑑み、本発明は、従来技術の一つ以上の課題を解決し、少なくとも一つの有益な選択を提供するために提案されている。
本発明の態様にしたがうと、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、を含む方法が提供される。
【0008】
本発明の別の態様にしたがうと、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、を含む装置が提供される。
【0009】
さらに、本発明はまた、前記コンピュータプログラムを記憶する有形の機械読み取り可能記憶媒体を提供する。
一実施形態に関して記載されるおよび/または示される特徴は、同一または類似の方法で一つ以上の他の実施形態で用いられ得る、および/または他の実施形態の特徴と組み合わせるもしくは置き換えることができる。
【0010】
注意すべきは、本明細書中の用語“有する(have/having)”、“含む(include/including)”および“含む(comprise/comprising)”は、特徴、構成要素、ステップまたはアセンブルの存在を指し、一つ以上の他の特徴、構成要素、ステップまたはアセンブルもしくはそれらの組み合わせの存在または追加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上述および他の目的、特徴おより利点は、図面と併せて説明する以下の記載でより明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例の概略のブロック図を示している。
【図2】図2は、図1に示されている偏波クロストークキャンセリング装置の実施形態の例を示している。
【図3】図3は、図2に示されている偏波分散算出ユニットの実施形態の例の機能ブロック図を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置を用いるコヒーレント受信器の概略ブロック図を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置の概略ブロック図を示している。
【図6】図6は第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図7】図7は第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図8】図8は第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図9】図9は第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図10】図10は第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図11】図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図12】図12は第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図13】図13は第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図14】図14は実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図15】図15は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図16】図16は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図17】図17は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図18】図18は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長検知方法およびそれを用いる偏波クロストークキャンセリング平均長最適化方法の概略的フローチャートを示している。
【図19】図19は、本発明の装置および方法の実験的検証の条件を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、図面と共に以下に詳細に記載される。注意すべきは、本発明が不必要な詳細によって不明瞭となることを避けるために、図面は本発明にしたがうソリューションに密接に関連したデバイス構造および/または処理ステップを、密接には関連していない他の詳細を省略しつつ示すに過ぎない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例の概略のブロック図を示している。
図1に示されているように、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例は、光コヒーレント受信器フロントエンド101を含む。たとえば、光コヒーレント受信器フロントエンドは、局所振動レーザ、偏光ビームスプリッタ、光90度ミキサ、光電子変換器、アナログデジタル変換器(ADC)、他を含み、当業者に知られている様々な構成を用いて実装され得る。光コヒーレント受信器フロントエンドの機能は、受信した偏波多重光信号をベースバンド電気信号102および103に変換し、それらのそれぞれは2つの偏波状態に変調された電気信号の混合である。よって、コヒーレント受信器の例は、ベースバンド電気信号102および103を2つの偏波状態に分離し、相互クロストークを有しない信号、すなわち図1に示されているように偏波状態Hにある信号105と偏波状態Vにある信号106を得るために、ベースバンド電気信号102および103を等価化および逆多重化する等価・偏波デマルチプレクサを含む。偏波状態Hにある信号105と偏波状態Vにある信号106は次に、コヒーレント受信器中の偏波状態H位相復元器107および偏波状態V位相復元器108によって行われる位相復元を受ける。位相復元された信号は、信号112および113を得るために偏波クロストークがキャンセルされる、偏波クロストークキャンセリング装置111に入り、信号112および113はデータ復元のためにそれぞれ、偏波状態Hデータ復元器114および偏波状態Vデータ復元器115に送信される。
【0014】
注意すべきは、上記図面は単に例示であって、本発明の範囲の限定ではないことである。たとえば、一実施形態では、コヒーレント受信器はさらに、たとえば、等価・偏波デマルチプレクサ104とキャリア位相復元器の間に周波数差補償装置を含み得る。
【0015】
図2は、偏波クロストークキャンセリング装置111の実施形態の例を示している。図2に示されているように、2つの偏波状態にある位相復元された信号109および110はそれぞれ、遅延レジスタ201および202によってDelay_HシンボルおよびDelay_Vシンボルにわたり遅延される。遅延の目的は、信号(偏波状態HおよびVにある信号)の2つのチャンネルの間の相対的時系列関係を、送信端における時系列関係と無矛盾にしておくことである。つまり、送信機によって同時に送信された偏波状態HおよびVにある信号を、配列アラインメント後に同一の時系列関係を保持することである。Delay_HシンボルおよびDelay_Vの値は、フレーム処理モジュールなどの受信器の上位処理モジュールから得ることができる。遅延レジスタ201および202の出力203および204(即ち、偏波状態Hにある信号Rhおよび偏波状態Vにある信号RV)は、図3を参照して後に記載される偏波分散算出ユニット205に入る。偏波分散算出ユニット205は、信号の2つのチャンネルの偏波分散係数を算出し、それらを信号206および207として出力するが、信号206は偏波状態Hにある信号に対する偏波状態Vにある信号の偏波分散係数であり、信号207は偏波状態Vにある信号に対する偏波状態Hにある信号の偏波分散係数である。偏波分散除去ユニット208は、受信した信号206および207を処理して、偏波分散復元を実行し、偏波分散復元後に信号112および113を出力する。偏波状態Hデータ受信器114はおよび偏波状態Vデータ受信器115は、それぞれ信号112および113にしたがってデータ復元を行う。
【0016】
図3は、図2に示されているような偏波分散算出ユニットの実施形態の例の機能ブロック図を概略的に示している。図3に示されているように、配列アラインメントを経た信号203および204にしたがって、データ判定器301および302はそれぞれ、2つの偏波状態にある信号を変調したデータ303および304(判定データ)、即ちS^hおよびS^vを算出する。データ判定器301および302は、現在または将来、当業者によって知られている任意の方法、たとえば軟判定または硬判定を用いてデータ判定を行い得る。
【0017】
判定されたデータ303および304は、信号203および204と共に、偏波分散係数算出ユニット305に入力される。偏波分散係数算出ユニット305は、2つの偏波状態にある信号および判定されたデータにしたがって、各シンボルタイミングで、偏波分散係数(即ち、偏波状態Hにある信号に対する偏波状態Vにある信号の分散係数whv、および偏波状態Vにある信号に対する偏波状態Hにある信号の分散係数wvh)を計算する。図示されている実施形態では、分散係数は以下の式で算出される。
【0018】
【数1】
【0019】
各シンボルタイミングで計算されたwhvおよびwvhはそれぞれ、信号306および307として出力され、次にそれぞれ平均化器308および309によって平均化され、雑音を除去し、信号206および207を得る。
【0020】
次に、偏波分散除去ユニット208は、偏波分散をキャンセルし、偏波クロストークが除去された信号112および113を得る。たとえば、偏波分散除去ユニットは、信号206および207にしたがって偏波分散をキャンセルするために、以下の式を用いる。
【0021】
【数2】
【0022】
偏波状態Hデータ受信器114および偏波状態Vデータ受信器115はそれぞれ、信号112および113にしたがって、データ受信を行う。データ受信器の具体的な実装は、様々な現行の装置、たとえば硬判定装置および軟判定のためのFECデコーダを含み得る。
【0023】
上の記載および例示は単に、本発明の実施形態を適用することができる受信器および偏波クロストークキャンセリング装置の実施形態の例である。受信器の構造は、ある特定のモジュレーションフォーマットに限定されず、受信器はDP−mPSK、DP−QAM、mアレイ偏波シフトキーイング(mPolSK)およびOFDMなど、多くの偏波マルチプレクシングシステムで用いられ得る。
【0024】
他の偏波クロストークキャンセリング装置または偏波クロストークキャンセリング装置のより詳細な実施形態については、たとえば、2009年12月11日に出願されたPCT/CN2009/074734“偏波分散補償装置および偏波分散補償方法”を参照し、それは参照によって本明細書中に組み込まれる。その中で、偏波分散補償装置および偏波分散補償方法は、本出願の偏波クロストークキャンセリング装置を実装する方法を開示している。注意すべきは、偏波クロストークキャンセリング装置はまた、別の方法でも実装され得ることである。
【0025】
上述および他の実施形態の偏波クロストークキャンセリング装置では、平均化器308および309の平均長は予め決められている。
【0026】
図4は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置を用いるコヒーレント受信器の概略ブロック図を示している。
【0027】
図4に示されているように、本発明の実施形態に従う偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置は、(それぞれR´hおよびR´vで示されている)出力信号112および113ならびにデータ受信器の出力S´hおよびS´vを用いて偏波クロストークキャンセリング装置111の平均化器の平均長を調整する。偏波クロストークキャンセリング装置111、偏波状態Hデータ受信器114、偏波状態Vデータ受信器115、偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置は、デジタル信号プロセッサ(DPS)のようなプロセッサによって構成され得る。
【0028】
図5は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置500の概略ブロック図を示している。図5に示されているように、本発明の実施形態にしたがうと、偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置はマグニチュード検知装置510および長さ調整装置520を含む。マグニチュード検知装置510は、偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均長が長いか短いか、または長くすべきか短くすべきかを示す指数(すなわち、マグニチュード指数)を提供するように構成されている。本発明の実施形態にしたがうと、マグニチュード検知装置510は、残留クロストーク係数決定ユニット501およびマグニチュード指数決定ユニット502を含む。残留クロストーク係数決定ユニット501は、偏波クロストークキャンセリング装置111からの出力およびデータ受信器114および115からの出力にしたがって残留クロストーク係数を決定する。マグニチュード指数決定ユニット502は、残留クロストーク係数決定ユニット501によって決定された残留クロストーク係数のマグニチュードにしたがって、マグニチュード指数を決定する。長さ調整ユニット520は、マグニチュード検知装置510によって決定された指数にしたがって偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均長を調整し、調整方向決定ユニット503および調整ユニット504を含み得る。
【0029】
図6は第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図6に示されているように、本発明の第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501はh分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって実装され得るが、マグニチュード指数決定ユニット502は遅延ユニット602、共役ユニット603、掛け合わせユニット604、平均化ユニット605および実部取得ユニット606を含む。h分岐の残留クロストーク係数は、受信器での偏波状態Vにある信号の偏波状態Hにある信号に対する分散係数である。
【0030】
h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は、式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
遅延ユニット602は、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって計算されたh分岐の残留クロストーク係数を遅延する。図示された実施形態では、ちょうど一シンボルだけ遅延されるが、本発明はそのようには限定されず、要求によって幾つかのシンボルが遅延され得るし、それは本出願に記載された全ての遅延器に対して適用可能である。共役ユニット603は、遅延ユニット602によって遅延された信号の共役を取得する。掛け合わせユニット604は、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力と共役ユニット603によって取得された共役を掛け合わせる。平均化ユニット605は、掛け合わせユニット604からの掛け合わせの結果を平均化する。平均化ユニット605はたとえば、フィルタによって実装され得る。最後に実部取得ユニット606は、平均化ユニット605からの信号出力の実部を取り、h分岐残留クロストーク係数に基づき、マグニチュード指数R_hを得る。
【0031】
図7は第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図6〜7を比較すると、第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510では、v分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。v分岐の残留クロストーク係数は、受信器での偏波状態Hにある信号の偏波状態Vにある信号に対する分散係数である。
【0032】
マグニチュード指数決定ユニット502は、図6に示されているように第一の実施形態にしたがうマグニチュード指数決定ユニット502と同様に実装され得るが、使用される信号は、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’からの出力であり、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力ではない。簡潔さの目的のために、第二の実施形態のマグニチュード検知ユニット510のマグニチュード指数決定ユニット502は、もはや記載しない。
【0033】
第二の実施形態でのマグニチュード検知ユニット510によって決定されるマグニチュード指数は、v分岐残留クロストーク係数に基づくR_vである。
【0034】
図8は第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図8に示されているように、本発明の第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。マグニチュード指数決定ユニット502は、実部分岐、虚部分岐、足し合わせユニットおよび平均化ユニットを含む。実部分岐は、実部取得ユニット801、遅延ユニット802および掛け合わせユニット803を含む。実部取得ユニット801はh分岐クロストーク係数計算ユニット601からの信号出力の実部を計算し、遅延ユニット802は実部取得ユニット801からの実部出力を遅延し、掛け合わせユニット803は、実部取得ユニット801からの出力と遅延ユニット7802から出力を掛け合わせる。
【0035】
虚部取得ユニット804は、h分岐クロストーク係数計算ユニット601からの信号出力の虚部を計算し、遅延ユニット805は虚部取得ユニット804からの虚部出力を遅延し、掛け合わせユニット806は、実部取得ユニット801と遅延ユニット7802からの出力と遅延ユニット805からの出力を掛け合わせる。
【0036】
足し合わせユニット807は、実部回路からの出力(すなわち、掛け合わせユニット803からの出力)と虚部回路からの出力(すなわち、掛け合わせユニット806からの出力)を足し合わせる。平均化ユニット808は、マグニチュード指数R_hを得るために、足し合わせユニット807による足し合わせの結果を平均化する。平均化ユニット808はたとえば、フィルタによって実装され得る。
【0037】
図9は第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図8〜9を比較すると、第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510では、v分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0038】
マグニチュード指数決定ユニット502は、図8に示されているように第三の実施形態にしたがうマグニチュード指数決定ユニット502と同様に実装され得るが、使用される信号は、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’からの出力であり、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力ではない。簡潔さの目的のために、第四の実施形態のマグニチュード検知ユニット510のマグニチュード指数決定ユニット502は、もはや記載しない。
【0039】
第四の実施形態でのマグニチュード検知ユニット510によって決定されるマグニチュード指数は、v分岐残留クロストーク係数に基づくR_vである。
【0040】
図10は第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図10に示されているように、本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0041】
本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図6を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0042】
図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図11に示されているように、本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0043】
本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図6を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0044】
図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図11に示されているように、本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0045】
本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図8を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0046】
図12は第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図12に示されているように、本発明の第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0047】
本発明の第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;h分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、v分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。
【0048】
図13は第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図13に示されているように、本発明の第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0049】
本発明の第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;h分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、v分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。
【0050】
図14は実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図14に示されているように、調整方向決定ユニット503はシンボル決定ユニット1401を含み、調整ユニット504はHチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。図6〜9の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているように、マグニチュード検知ユニット510に関しては、シンボル決定ユニット1401はマグニチュード検知ユニット510からの指数出力のシンボルを計算する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、シンボルに基づいてHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。そのような条件の下で、偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均庁は、シンボルが正の場合には減少し得るが、一方、シンボルが負の場合には増大し、シンボルが0の場合は保持される。
【0051】
図15は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図15に示されているように、調整方向決定ユニット503は領域決定ユニット1401’を含み、調整ユニット504はHチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。図6〜9の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、領域決定ユニット1401’はマグニチュード検知ユニット510からの指数出力が配置される区間を決定する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。そのような条件の下で、領域決定ユニット1401’はたとえば、最初にマグニチュード検知ユニット510からの指数出力の値を決定し、次にその値が予め決定された正値αより大きいかもしくは−αより小さいか、またはαと−αの間にあるかを判定する。
【0052】
Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403は、その値がαより大きい場合に、平均化器の平均長を減少させるが、一方、その値がαと−αの間にある場合には平均化器の平均長を保持し、その値が−αより小さい場合には平均化器の平均長を増加させる。シンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’は、本発明にしたがう方向指示ユニットの実施形態に対応している。
【0053】
図16は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図16に示されているように、調整方向決定ユニット503はHチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットを含み、調整ユニット504は、Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。Hチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットはそれぞれ、シンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’によって形成され得る。図10〜13の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403は、対応する指数に対して、指数が配置される区間を示す指数のシンボルまたは情報を出力する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果(配置される区間を示すシンボルまたは情報)にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。
【0054】
好適には、Hチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットは、同一のユニット、すなわちシンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’を含む。しかしながら、Hチャンネル調整方向決定ユニットはシンボル決定ユニット1401によって形成され得るが、一方、Vチャンネル調整方向決定ユニットは領域決定ユニット1401’によって形成されても良いし、またはHチャンネル調整方向決定ユニットは領域決定ユニット1401’によって形成され得るが、一方、Vチャンネル調整方向決定ユニットはシンボル決定ユニット1401によって形成されても良い。
【0055】
図17は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図17に示されているように、調整方向決定ユニット503は平均値計算ユニット1404またはシンボル決定ユニット1401(または領域決定ユニット1401’)を含む。図10〜13の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、平均値計算ユニット1404は2つの指数の平均値を計算し、シンボル決定ユニット1401(または領域決定ユニット1401’)は平均値のシンボルを決定する(または配置される区間を決定する)。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果(配置される区間を示すシンボルまたは情報)にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。
【0056】
注意すべきは、マグニチュード検知ユニット510および長さ調整ユニット520は、上の実施形態では別々に記載されているが、それらは部分的にまたは完全に一体化されても良い。たとえば、調整方向決定ユニット503は、マグニチュード検知ユニット510と一体化されても良い。その場合、調整方向決定ユニット503の値は実際には、平均化器の平均長の大きさを指示する指数である。調整方向決定ユニット503が一体化されている場合はまた、マグニチュード検知ユニット510の実施形態である。
【0057】
加えて、マグニチュード検知ユニットおよび長さ調整ユニットは、上の記載では一緒に用いられるが、それらは別々に用いられ得る。たとえば、(マグニチュード検知ユニットが調整方向決定ユニットを有する場合を含む)マグニチュード検知ユニットは、将来的な解析および処理のため、将来的な使用のため、などのためにユーザまたは設計者に平均化器の平均長の大きさを知らせるために、表示装置および/または記憶装置と接続され得る。つまり、マグニチュード検知ユニットのサービス範囲は、長さ調整ユニットと一緒の使用に限定されない。表示装置はたとえば、LCDディスプレイ、冷陰極線管ディスプレイ、LEDディスプレイ他などのその分野ではよく知られた様々なディスプレイであり得る。記憶装置は、ハードディスク、光ディスク、ソフトディスク、光磁気ディスク他などの様々な記憶デバイスであり得る。
【0058】
図18は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長検知方法およびそれを用いる偏波クロストークキャンセリング平均長最適化方法の概略的フローチャートを示している。図18に示されているように、最初にクロストーク係数がステップS1810で決定される。このステップはたとえば、前述の残留クロストーク係数決定ユニット501によって実行され得る。このステップでは、たとえば、(図6〜9に示されているように)h分岐の残留クロストーク係数またはv分岐の残留クロストーク係数が決定され得る、または(図10〜13に示されているように)それらの両方が決定され得る。ステップS1820では、平均化器の平均長の大きさを示す指数が、ステップS1810で決定されたクロストーク係数に対して決定される。このステップでは。マグニチュード指数決定ユニット502に関して記載したように、マグニチュード指数は、たとえば、決定されたクロストーク指数に対して、マグニチュード指数が遅延する、共役を取る、掛け合わせをする、平均化をする、実部を取る他のステップによって決定され得るなどの様々な方法を用いて決定され得る。または実部分岐および虚部分岐がそれぞれ、クロストーク係数の実部および虚部を遅延し、掛け合わせるために用いられ得て、次に2つの分岐の結果を平均値を計算するために足し合わされる(たとえば、図8およびその記載を見よ)。ステップS1830では、調整方向が決定される。調整方向は、ステップS1820で決定されたシンボルまたはマグニチュード指数を取得することによって決定され得る。2つのマグニチュード指数がステップS1820で決定される場合、2つの指数の値の平均値が最初に決定され得て、次に調整方向を決定するために、シンボルまたはマグニチュード指数が取得される。ステップS1840では、ステップS1830で決定された調整方向にしたがって調整がなされる。
【0059】
図18に示されているような方法のステップは、図5〜17に示されているような装置の記載を参照して認識され得て、簡潔さの目的のために、ここでは繰り返さない。
【0060】
図19は、本発明の装置および方法の実験的検証の条件を示している。図19では、左縦軸は性能指数の大きさを表し、右縦軸は本発明の装置および方法で得られたモニタ信号を表すが、横軸は平均化器の平均長を表す;ボックスをつなぐことによって形成される線は、本発明の装置および方法によって得られるモニタ信号と平均長の間の関係曲線であるが、一方、菱形をなぐことによって形成される線は、性能指数と平均長の間の関係曲線である。図19に示されているように、モニタ信号(たとえば、R_h、R_vまたは(R_h+R_v)/2)のゼロの値(または近くの値)に相当する平均長は、最適性能に対応している。つまり、モニタ信号のゼロ点(または近くの値)は、最適平均長を与える。
【0061】
注意すべきは、幾つかの代替の実施形態では、記載されているブロックの機能/作用はブロック図またはフローチャートに示されているものとは異なる順序で生じ得る。たとえば、関連する機能/作用にしたがうと、実際には連続的に示されている2つのブロックは、並列に実行され得る、またはそれらのブロックはときとして逆順序で実行され得る。加えて、フローチャートおよび/またはブロック図の所与のブロックの機能は、フローチャートおよび/またはブロック図の幾つかのブロックに分離され得るし、および/またはフローチャートおよび/またはブロック図の2つ以上のブロックの機能は少なくとも部分的に一体化され得る。
【0062】
(付記)
本発明の実施形態は、以下のような技術的ソリューションを提供する。
(付記1)
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、
を含む装置。
(付記2)
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いて前記指数を判定する、付記1にしたがう装置。
(付記3)
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、付記1にしたがう装置。
(付記4)
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、を含む付記2にしたがう装置。
(付記5)
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得する平均ユニットと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、
を含む付記3にしたがう装置。
(付記6)
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第一の方向指示ユニットと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第二の方向指示ユニット、
を含む付記3にしたがう装置。
(付記7)
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、付記1にしたがう装置。
(付記8)
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、
を含む方法。
(付記9)
前記受信器の前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記指数を判定する処理は、前記指数を判定するために以下の2つのソリューション:
ソリューション1
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させることと、
前記遅延信号の共役を取ることと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせることと、
前記掛け合わせの結果を平均化することと、
前記平均化された信号の実部を計算すること、
ソリューション2
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算することと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部および前記実部を遅延させることと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせることと、
前記足し合わせの結果を平均化すること、
の一つを用いる、付記8にしたがう方法。
(付記10)
前記受信器の前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記指数を判定する処理は、前記指数を判定するために以下の2つのソリューション:
ソリューション1
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させることと、
前記遅延信号の共役を取ることと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせることと、
前記掛け合わせの結果を平均化することと、
前記平均化された信号の実部を計算すること、
ソリューション2
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算することと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部および前記虚部を遅延させることと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせることと、
前記足し合わせの結果を平均化すること、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、付記8にしたがう方法。
(付記11)
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得すること、を含む付記9にしたがう方法。
(付記12)
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得することと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得すること、
を含む付記10にしたがう方法。
(付記13)
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得することと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得すること、
を含む付記10にしたがう方法。
(付記14)
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、付記8にしたがう方法。
(付記15)
偏波クロストークキャンセリング装置とデータ復元装置を含む光コヒーレント受信器であって、さらに付記1〜8のいずれかの前記平均長検知装置を含む光コヒーレント受信器。
(付記16)
さらに、前記偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる前記平均化器の前記平均長を、前記平均長検知装置によって取得された前記指数にしたがって調整する、付記15にしたがう光コヒーレント受信器。
【0063】
本発明を好適な実施形態の例を通じて記載してきたが、様々な他の変形、変更および追加が、本発明の趣旨と範囲の中でなされ得ることは認識されよう。したがって、本発明の趣旨および範囲に含まれるそれら全ての変形、変更および追加をカバーするためにクレームが添付される。
【技術分野】
【0001】
本発明は光通信に関し、特にコヒーレント光通信システムでの偏波クロストークの相殺に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの容量と柔軟性の要求が徐々に上がるにつれ、コヒーレント光通信技術は、ますます重要になっている。コヒーレント光通信では、送信された信号を光の2つの偏波状態に同時に変調し、同一の帯域幅の下で速度伝達比を増加させるために、通常は偏波マルチプレクシングが採用される。受信端では、光コヒーレント受信器は2つの偏波状態にある信号を同時に受信し、それらを基底帯域デジタル信号に変換する。2つの偏波状態にある信号は、デジタル分野のデマルチプレクシング技術によって分離され、次に各偏波状態にある信号はそれぞれ処理される。上述から分かり得るように、2つの偏波状態にある信号が良く分離されるかどうかは、偏波マルチプレクシングのための光コヒーレント受信器の性能への大きな影響を有している。
【0003】
光通信システムでは、等化・分極デマルチプレクサが通常は用いられる。等化・分極デマルチプレクサは、一般的には適応フィルタによって実装されるが、適応フィルタの係数は定数モジュラーアルゴリズム、最小平均二乗法他を用いて調整され得る。これらのアルゴリズムはすべて、フィードバック構造を用いることによりチャンネル状態変化にしたがってフィルタの係数を調整し、偏波状態HとVにある信号間の相互クロストークがないようにする。
【0004】
先行研究は、チャンネルの偏波状態変化がKHzの大きさであるとき、適合フィルタはそのような大きさで、偏波状態変化を追跡することができることを示す。しかしながら、チェンネル非線形効果などの様々な理由によって、チャンネルの偏波状態変化は信号速度伝達比(GHz)の大きさに達し得る。現在の適合フィルタは、そのような高速で偏波状態変化を追跡することができないので、残留偏波分散によって偏波状態HおよびVにある出力信号の間でクロストークが生じ得る(G. Charlet, et al., “Performance comparison of singly-polarized and polarization multiplexed at 10Gbaud under nonlinear impairments”, OThu8, proceeding of OFC 2008を参照せよ)。
【0005】
このような理由から、偏波クロストークキャンセラ(PCC)を用いて偏波クロストークを補償する方法が提案されてきた(たとえば、Lei Liによる報告、OFC2010 paper OWE3)。この報告では、平均長は予め決められている。しかし、最適平均長は、通信システムの実際の条件に深く関連し、所定の平均長は往々にしてシステム性能を最適な状態にさせ続けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
注意すべきは、上の技術的背景への序論は、本発明の技術的解決法を明確かつ完全に記載し、当業者による応用を助けるのに便利なためだけのものである。上の技術的解決法は、本発明の背景欄に記載されているというだけで、当業者には知られているとは考えるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上の状況を鑑み、本発明は、従来技術の一つ以上の課題を解決し、少なくとも一つの有益な選択を提供するために提案されている。
本発明の態様にしたがうと、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、を含む方法が提供される。
【0008】
本発明の別の態様にしたがうと、受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、を含む装置が提供される。
【0009】
さらに、本発明はまた、前記コンピュータプログラムを記憶する有形の機械読み取り可能記憶媒体を提供する。
一実施形態に関して記載されるおよび/または示される特徴は、同一または類似の方法で一つ以上の他の実施形態で用いられ得る、および/または他の実施形態の特徴と組み合わせるもしくは置き換えることができる。
【0010】
注意すべきは、本明細書中の用語“有する(have/having)”、“含む(include/including)”および“含む(comprise/comprising)”は、特徴、構成要素、ステップまたはアセンブルの存在を指し、一つ以上の他の特徴、構成要素、ステップまたはアセンブルもしくはそれらの組み合わせの存在または追加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上述および他の目的、特徴おより利点は、図面と併せて説明する以下の記載でより明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例の概略のブロック図を示している。
【図2】図2は、図1に示されている偏波クロストークキャンセリング装置の実施形態の例を示している。
【図3】図3は、図2に示されている偏波分散算出ユニットの実施形態の例の機能ブロック図を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置を用いるコヒーレント受信器の概略ブロック図を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置の概略ブロック図を示している。
【図6】図6は第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図7】図7は第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図8】図8は第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図9】図9は第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図10】図10は第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図11】図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図12】図12は第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図13】図13は第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットのブロック図を示している。
【図14】図14は実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図15】図15は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図16】図16は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図17】図17は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニットを示している。
【図18】図18は、本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長検知方法およびそれを用いる偏波クロストークキャンセリング平均長最適化方法の概略的フローチャートを示している。
【図19】図19は、本発明の装置および方法の実験的検証の条件を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、図面と共に以下に詳細に記載される。注意すべきは、本発明が不必要な詳細によって不明瞭となることを避けるために、図面は本発明にしたがうソリューションに密接に関連したデバイス構造および/または処理ステップを、密接には関連していない他の詳細を省略しつつ示すに過ぎない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例の概略のブロック図を示している。
図1に示されているように、本発明の実施形態を適用することができるコヒーレント受信器の例は、光コヒーレント受信器フロントエンド101を含む。たとえば、光コヒーレント受信器フロントエンドは、局所振動レーザ、偏光ビームスプリッタ、光90度ミキサ、光電子変換器、アナログデジタル変換器(ADC)、他を含み、当業者に知られている様々な構成を用いて実装され得る。光コヒーレント受信器フロントエンドの機能は、受信した偏波多重光信号をベースバンド電気信号102および103に変換し、それらのそれぞれは2つの偏波状態に変調された電気信号の混合である。よって、コヒーレント受信器の例は、ベースバンド電気信号102および103を2つの偏波状態に分離し、相互クロストークを有しない信号、すなわち図1に示されているように偏波状態Hにある信号105と偏波状態Vにある信号106を得るために、ベースバンド電気信号102および103を等価化および逆多重化する等価・偏波デマルチプレクサを含む。偏波状態Hにある信号105と偏波状態Vにある信号106は次に、コヒーレント受信器中の偏波状態H位相復元器107および偏波状態V位相復元器108によって行われる位相復元を受ける。位相復元された信号は、信号112および113を得るために偏波クロストークがキャンセルされる、偏波クロストークキャンセリング装置111に入り、信号112および113はデータ復元のためにそれぞれ、偏波状態Hデータ復元器114および偏波状態Vデータ復元器115に送信される。
【0014】
注意すべきは、上記図面は単に例示であって、本発明の範囲の限定ではないことである。たとえば、一実施形態では、コヒーレント受信器はさらに、たとえば、等価・偏波デマルチプレクサ104とキャリア位相復元器の間に周波数差補償装置を含み得る。
【0015】
図2は、偏波クロストークキャンセリング装置111の実施形態の例を示している。図2に示されているように、2つの偏波状態にある位相復元された信号109および110はそれぞれ、遅延レジスタ201および202によってDelay_HシンボルおよびDelay_Vシンボルにわたり遅延される。遅延の目的は、信号(偏波状態HおよびVにある信号)の2つのチャンネルの間の相対的時系列関係を、送信端における時系列関係と無矛盾にしておくことである。つまり、送信機によって同時に送信された偏波状態HおよびVにある信号を、配列アラインメント後に同一の時系列関係を保持することである。Delay_HシンボルおよびDelay_Vの値は、フレーム処理モジュールなどの受信器の上位処理モジュールから得ることができる。遅延レジスタ201および202の出力203および204(即ち、偏波状態Hにある信号Rhおよび偏波状態Vにある信号RV)は、図3を参照して後に記載される偏波分散算出ユニット205に入る。偏波分散算出ユニット205は、信号の2つのチャンネルの偏波分散係数を算出し、それらを信号206および207として出力するが、信号206は偏波状態Hにある信号に対する偏波状態Vにある信号の偏波分散係数であり、信号207は偏波状態Vにある信号に対する偏波状態Hにある信号の偏波分散係数である。偏波分散除去ユニット208は、受信した信号206および207を処理して、偏波分散復元を実行し、偏波分散復元後に信号112および113を出力する。偏波状態Hデータ受信器114はおよび偏波状態Vデータ受信器115は、それぞれ信号112および113にしたがってデータ復元を行う。
【0016】
図3は、図2に示されているような偏波分散算出ユニットの実施形態の例の機能ブロック図を概略的に示している。図3に示されているように、配列アラインメントを経た信号203および204にしたがって、データ判定器301および302はそれぞれ、2つの偏波状態にある信号を変調したデータ303および304(判定データ)、即ちS^hおよびS^vを算出する。データ判定器301および302は、現在または将来、当業者によって知られている任意の方法、たとえば軟判定または硬判定を用いてデータ判定を行い得る。
【0017】
判定されたデータ303および304は、信号203および204と共に、偏波分散係数算出ユニット305に入力される。偏波分散係数算出ユニット305は、2つの偏波状態にある信号および判定されたデータにしたがって、各シンボルタイミングで、偏波分散係数(即ち、偏波状態Hにある信号に対する偏波状態Vにある信号の分散係数whv、および偏波状態Vにある信号に対する偏波状態Hにある信号の分散係数wvh)を計算する。図示されている実施形態では、分散係数は以下の式で算出される。
【0018】
【数1】
【0019】
各シンボルタイミングで計算されたwhvおよびwvhはそれぞれ、信号306および307として出力され、次にそれぞれ平均化器308および309によって平均化され、雑音を除去し、信号206および207を得る。
【0020】
次に、偏波分散除去ユニット208は、偏波分散をキャンセルし、偏波クロストークが除去された信号112および113を得る。たとえば、偏波分散除去ユニットは、信号206および207にしたがって偏波分散をキャンセルするために、以下の式を用いる。
【0021】
【数2】
【0022】
偏波状態Hデータ受信器114および偏波状態Vデータ受信器115はそれぞれ、信号112および113にしたがって、データ受信を行う。データ受信器の具体的な実装は、様々な現行の装置、たとえば硬判定装置および軟判定のためのFECデコーダを含み得る。
【0023】
上の記載および例示は単に、本発明の実施形態を適用することができる受信器および偏波クロストークキャンセリング装置の実施形態の例である。受信器の構造は、ある特定のモジュレーションフォーマットに限定されず、受信器はDP−mPSK、DP−QAM、mアレイ偏波シフトキーイング(mPolSK)およびOFDMなど、多くの偏波マルチプレクシングシステムで用いられ得る。
【0024】
他の偏波クロストークキャンセリング装置または偏波クロストークキャンセリング装置のより詳細な実施形態については、たとえば、2009年12月11日に出願されたPCT/CN2009/074734“偏波分散補償装置および偏波分散補償方法”を参照し、それは参照によって本明細書中に組み込まれる。その中で、偏波分散補償装置および偏波分散補償方法は、本出願の偏波クロストークキャンセリング装置を実装する方法を開示している。注意すべきは、偏波クロストークキャンセリング装置はまた、別の方法でも実装され得ることである。
【0025】
上述および他の実施形態の偏波クロストークキャンセリング装置では、平均化器308および309の平均長は予め決められている。
【0026】
図4は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置を用いるコヒーレント受信器の概略ブロック図を示している。
【0027】
図4に示されているように、本発明の実施形態に従う偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置は、(それぞれR´hおよびR´vで示されている)出力信号112および113ならびにデータ受信器の出力S´hおよびS´vを用いて偏波クロストークキャンセリング装置111の平均化器の平均長を調整する。偏波クロストークキャンセリング装置111、偏波状態Hデータ受信器114、偏波状態Vデータ受信器115、偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置は、デジタル信号プロセッサ(DPS)のようなプロセッサによって構成され得る。
【0028】
図5は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置500の概略ブロック図を示している。図5に示されているように、本発明の実施形態にしたがうと、偏波クロストークキャンセリング平均長最適化装置はマグニチュード検知装置510および長さ調整装置520を含む。マグニチュード検知装置510は、偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均長が長いか短いか、または長くすべきか短くすべきかを示す指数(すなわち、マグニチュード指数)を提供するように構成されている。本発明の実施形態にしたがうと、マグニチュード検知装置510は、残留クロストーク係数決定ユニット501およびマグニチュード指数決定ユニット502を含む。残留クロストーク係数決定ユニット501は、偏波クロストークキャンセリング装置111からの出力およびデータ受信器114および115からの出力にしたがって残留クロストーク係数を決定する。マグニチュード指数決定ユニット502は、残留クロストーク係数決定ユニット501によって決定された残留クロストーク係数のマグニチュードにしたがって、マグニチュード指数を決定する。長さ調整ユニット520は、マグニチュード検知装置510によって決定された指数にしたがって偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均長を調整し、調整方向決定ユニット503および調整ユニット504を含み得る。
【0029】
図6は第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図6に示されているように、本発明の第一の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501はh分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって実装され得るが、マグニチュード指数決定ユニット502は遅延ユニット602、共役ユニット603、掛け合わせユニット604、平均化ユニット605および実部取得ユニット606を含む。h分岐の残留クロストーク係数は、受信器での偏波状態Vにある信号の偏波状態Hにある信号に対する分散係数である。
【0030】
h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は、式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
遅延ユニット602は、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって計算されたh分岐の残留クロストーク係数を遅延する。図示された実施形態では、ちょうど一シンボルだけ遅延されるが、本発明はそのようには限定されず、要求によって幾つかのシンボルが遅延され得るし、それは本出願に記載された全ての遅延器に対して適用可能である。共役ユニット603は、遅延ユニット602によって遅延された信号の共役を取得する。掛け合わせユニット604は、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力と共役ユニット603によって取得された共役を掛け合わせる。平均化ユニット605は、掛け合わせユニット604からの掛け合わせの結果を平均化する。平均化ユニット605はたとえば、フィルタによって実装され得る。最後に実部取得ユニット606は、平均化ユニット605からの信号出力の実部を取り、h分岐残留クロストーク係数に基づき、マグニチュード指数R_hを得る。
【0031】
図7は第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図6〜7を比較すると、第二の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510では、v分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。v分岐の残留クロストーク係数は、受信器での偏波状態Hにある信号の偏波状態Vにある信号に対する分散係数である。
【0032】
マグニチュード指数決定ユニット502は、図6に示されているように第一の実施形態にしたがうマグニチュード指数決定ユニット502と同様に実装され得るが、使用される信号は、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’からの出力であり、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力ではない。簡潔さの目的のために、第二の実施形態のマグニチュード検知ユニット510のマグニチュード指数決定ユニット502は、もはや記載しない。
【0033】
第二の実施形態でのマグニチュード検知ユニット510によって決定されるマグニチュード指数は、v分岐残留クロストーク係数に基づくR_vである。
【0034】
図8は第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図8に示されているように、本発明の第三の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。マグニチュード指数決定ユニット502は、実部分岐、虚部分岐、足し合わせユニットおよび平均化ユニットを含む。実部分岐は、実部取得ユニット801、遅延ユニット802および掛け合わせユニット803を含む。実部取得ユニット801はh分岐クロストーク係数計算ユニット601からの信号出力の実部を計算し、遅延ユニット802は実部取得ユニット801からの実部出力を遅延し、掛け合わせユニット803は、実部取得ユニット801からの出力と遅延ユニット7802から出力を掛け合わせる。
【0035】
虚部取得ユニット804は、h分岐クロストーク係数計算ユニット601からの信号出力の虚部を計算し、遅延ユニット805は虚部取得ユニット804からの虚部出力を遅延し、掛け合わせユニット806は、実部取得ユニット801と遅延ユニット7802からの出力と遅延ユニット805からの出力を掛け合わせる。
【0036】
足し合わせユニット807は、実部回路からの出力(すなわち、掛け合わせユニット803からの出力)と虚部回路からの出力(すなわち、掛け合わせユニット806からの出力)を足し合わせる。平均化ユニット808は、マグニチュード指数R_hを得るために、足し合わせユニット807による足し合わせの結果を平均化する。平均化ユニット808はたとえば、フィルタによって実装され得る。
【0037】
図9は第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図8〜9を比較すると、第四の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510では、v分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0038】
マグニチュード指数決定ユニット502は、図8に示されているように第三の実施形態にしたがうマグニチュード指数決定ユニット502と同様に実装され得るが、使用される信号は、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’からの出力であり、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601からの出力ではない。簡潔さの目的のために、第四の実施形態のマグニチュード検知ユニット510のマグニチュード指数決定ユニット502は、もはや記載しない。
【0039】
第四の実施形態でのマグニチュード検知ユニット510によって決定されるマグニチュード指数は、v分岐残留クロストーク係数に基づくR_vである。
【0040】
図10は第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図10に示されているように、本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0041】
本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図6を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0042】
図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図11に示されているように、本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0043】
本発明の第五の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図6を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0044】
図11は第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図11に示されているように、本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0045】
本発明の第六の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;それらは、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。注意すべきは、区別を目的として、v分岐の残留クロストーク係数に対応する分岐の要素の参照符号は、記号“’”を付与されているが、それらの機能は図8を参照しながら記載した要素の機能と相変わらず同一であることである。
【0046】
図12は第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図12に示されているように、本発明の第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0047】
本発明の第七の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;h分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、v分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。
【0048】
図13は第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニット510のブロック図を示している。図13に示されているように、本発明の第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、残留クロストーク係数決定ユニット501は、h分岐の残留クロストーク係数を計算するh分岐残留クロストーク係数計算ユニット601およびv分岐の残留クロストーク係数を計算するv分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’によって実装され、h分岐残留クロストーク係数計算ユニット601は式(R´h−S´h)/S´vにしたがってh分岐の残留クロストーク係数を計算し得るし、v分岐残留クロストーク係数計算ユニット601’は式(R´v−S´v)/S´hにしたがってv分岐の残留クロストーク係数を計算し得る。
【0049】
本発明の第八の実施形態にしたがうマグニチュード検知ユニットでは、マグニチュード指数決定ユニット502は、同一の構造を有し、それぞれ分岐hおよびvの残留クロストーク係数に対応する2つの分岐を含む;h分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図6を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、v分岐の残留クロストーク係数に対応する構造は、図8を参照しながら記載したのと同じ方法で実装され、ここでは繰り返さない。
【0050】
図14は実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図14に示されているように、調整方向決定ユニット503はシンボル決定ユニット1401を含み、調整ユニット504はHチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。図6〜9の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているように、マグニチュード検知ユニット510に関しては、シンボル決定ユニット1401はマグニチュード検知ユニット510からの指数出力のシンボルを計算する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、シンボルに基づいてHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。そのような条件の下で、偏波クロストークキャンセリング装置の平均化器の平均庁は、シンボルが正の場合には減少し得るが、一方、シンボルが負の場合には増大し、シンボルが0の場合は保持される。
【0051】
図15は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図15に示されているように、調整方向決定ユニット503は領域決定ユニット1401’を含み、調整ユニット504はHチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。図6〜9の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、領域決定ユニット1401’はマグニチュード検知ユニット510からの指数出力が配置される区間を決定する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。そのような条件の下で、領域決定ユニット1401’はたとえば、最初にマグニチュード検知ユニット510からの指数出力の値を決定し、次にその値が予め決定された正値αより大きいかもしくは−αより小さいか、またはαと−αの間にあるかを判定する。
【0052】
Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403は、その値がαより大きい場合に、平均化器の平均長を減少させるが、一方、その値がαと−αの間にある場合には平均化器の平均長を保持し、その値が−αより小さい場合には平均化器の平均長を増加させる。シンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’は、本発明にしたがう方向指示ユニットの実施形態に対応している。
【0053】
図16は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図16に示されているように、調整方向決定ユニット503はHチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットを含み、調整ユニット504は、Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403を含む。Hチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットはそれぞれ、シンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’によって形成され得る。図10〜13の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403は、対応する指数に対して、指数が配置される区間を示す指数のシンボルまたは情報を出力する。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果(配置される区間を示すシンボルまたは情報)にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。
【0054】
好適には、Hチャンネル調整方向決定ユニットとVチャンネル調整方向決定ユニットは、同一のユニット、すなわちシンボル決定ユニット1401または領域決定ユニット1401’を含む。しかしながら、Hチャンネル調整方向決定ユニットはシンボル決定ユニット1401によって形成され得るが、一方、Vチャンネル調整方向決定ユニットは領域決定ユニット1401’によって形成されても良いし、またはHチャンネル調整方向決定ユニットは領域決定ユニット1401’によって形成され得るが、一方、Vチャンネル調整方向決定ユニットはシンボル決定ユニット1401によって形成されても良い。
【0055】
図17は別の実施形態にしたがう長さ調整ユニット520を示している。図17に示されているように、調整方向決定ユニット503は平均値計算ユニット1404またはシンボル決定ユニット1401(または領域決定ユニット1401’)を含む。図10〜13の実施形態(すなわち、一つのインデックスのみが出力される条件)で示されているマグニチュード検知ユニット510に関しては、平均値計算ユニット1404は2つの指数の平均値を計算し、シンボル決定ユニット1401(または領域決定ユニット1401’)は平均値のシンボルを決定する(または配置される区間を決定する)。Hチャンネル調整ユニット1402とVチャンネル調整ユニット1403はそれぞれ、決定された結果(配置される区間を示すシンボルまたは情報)にしたがってHチャンネル平均化器とVチャンネル平均化器の平均長を調整する。
【0056】
注意すべきは、マグニチュード検知ユニット510および長さ調整ユニット520は、上の実施形態では別々に記載されているが、それらは部分的にまたは完全に一体化されても良い。たとえば、調整方向決定ユニット503は、マグニチュード検知ユニット510と一体化されても良い。その場合、調整方向決定ユニット503の値は実際には、平均化器の平均長の大きさを指示する指数である。調整方向決定ユニット503が一体化されている場合はまた、マグニチュード検知ユニット510の実施形態である。
【0057】
加えて、マグニチュード検知ユニットおよび長さ調整ユニットは、上の記載では一緒に用いられるが、それらは別々に用いられ得る。たとえば、(マグニチュード検知ユニットが調整方向決定ユニットを有する場合を含む)マグニチュード検知ユニットは、将来的な解析および処理のため、将来的な使用のため、などのためにユーザまたは設計者に平均化器の平均長の大きさを知らせるために、表示装置および/または記憶装置と接続され得る。つまり、マグニチュード検知ユニットのサービス範囲は、長さ調整ユニットと一緒の使用に限定されない。表示装置はたとえば、LCDディスプレイ、冷陰極線管ディスプレイ、LEDディスプレイ他などのその分野ではよく知られた様々なディスプレイであり得る。記憶装置は、ハードディスク、光ディスク、ソフトディスク、光磁気ディスク他などの様々な記憶デバイスであり得る。
【0058】
図18は本発明の実施形態にしたがう偏波クロストークキャンセリング平均長検知方法およびそれを用いる偏波クロストークキャンセリング平均長最適化方法の概略的フローチャートを示している。図18に示されているように、最初にクロストーク係数がステップS1810で決定される。このステップはたとえば、前述の残留クロストーク係数決定ユニット501によって実行され得る。このステップでは、たとえば、(図6〜9に示されているように)h分岐の残留クロストーク係数またはv分岐の残留クロストーク係数が決定され得る、または(図10〜13に示されているように)それらの両方が決定され得る。ステップS1820では、平均化器の平均長の大きさを示す指数が、ステップS1810で決定されたクロストーク係数に対して決定される。このステップでは。マグニチュード指数決定ユニット502に関して記載したように、マグニチュード指数は、たとえば、決定されたクロストーク指数に対して、マグニチュード指数が遅延する、共役を取る、掛け合わせをする、平均化をする、実部を取る他のステップによって決定され得るなどの様々な方法を用いて決定され得る。または実部分岐および虚部分岐がそれぞれ、クロストーク係数の実部および虚部を遅延し、掛け合わせるために用いられ得て、次に2つの分岐の結果を平均値を計算するために足し合わされる(たとえば、図8およびその記載を見よ)。ステップS1830では、調整方向が決定される。調整方向は、ステップS1820で決定されたシンボルまたはマグニチュード指数を取得することによって決定され得る。2つのマグニチュード指数がステップS1820で決定される場合、2つの指数の値の平均値が最初に決定され得て、次に調整方向を決定するために、シンボルまたはマグニチュード指数が取得される。ステップS1840では、ステップS1830で決定された調整方向にしたがって調整がなされる。
【0059】
図18に示されているような方法のステップは、図5〜17に示されているような装置の記載を参照して認識され得て、簡潔さの目的のために、ここでは繰り返さない。
【0060】
図19は、本発明の装置および方法の実験的検証の条件を示している。図19では、左縦軸は性能指数の大きさを表し、右縦軸は本発明の装置および方法で得られたモニタ信号を表すが、横軸は平均化器の平均長を表す;ボックスをつなぐことによって形成される線は、本発明の装置および方法によって得られるモニタ信号と平均長の間の関係曲線であるが、一方、菱形をなぐことによって形成される線は、性能指数と平均長の間の関係曲線である。図19に示されているように、モニタ信号(たとえば、R_h、R_vまたは(R_h+R_v)/2)のゼロの値(または近くの値)に相当する平均長は、最適性能に対応している。つまり、モニタ信号のゼロ点(または近くの値)は、最適平均長を与える。
【0061】
注意すべきは、幾つかの代替の実施形態では、記載されているブロックの機能/作用はブロック図またはフローチャートに示されているものとは異なる順序で生じ得る。たとえば、関連する機能/作用にしたがうと、実際には連続的に示されている2つのブロックは、並列に実行され得る、またはそれらのブロックはときとして逆順序で実行され得る。加えて、フローチャートおよび/またはブロック図の所与のブロックの機能は、フローチャートおよび/またはブロック図の幾つかのブロックに分離され得るし、および/またはフローチャートおよび/またはブロック図の2つ以上のブロックの機能は少なくとも部分的に一体化され得る。
【0062】
(付記)
本発明の実施形態は、以下のような技術的ソリューションを提供する。
(付記1)
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、
を含む装置。
(付記2)
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いて前記指数を判定する、付記1にしたがう装置。
(付記3)
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、付記1にしたがう装置。
(付記4)
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、を含む付記2にしたがう装置。
(付記5)
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得する平均ユニットと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、
を含む付記3にしたがう装置。
(付記6)
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第一の方向指示ユニットと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第二の方向指示ユニット、
を含む付記3にしたがう装置。
(付記7)
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、付記1にしたがう装置。
(付記8)
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、
を含む方法。
(付記9)
前記受信器の前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記指数を判定する処理は、前記指数を判定するために以下の2つのソリューション:
ソリューション1
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させることと、
前記遅延信号の共役を取ることと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせることと、
前記掛け合わせの結果を平均化することと、
前記平均化された信号の実部を計算すること、
ソリューション2
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算することと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部および前記実部を遅延させることと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせることと、
前記足し合わせの結果を平均化すること、
の一つを用いる、付記8にしたがう方法。
(付記10)
前記受信器の前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記指数を判定する処理は、前記指数を判定するために以下の2つのソリューション:
ソリューション1
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させることと、
前記遅延信号の共役を取ることと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせることと、
前記掛け合わせの結果を平均化することと、
前記平均化された信号の実部を計算すること、
ソリューション2
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算することと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部および前記虚部を遅延させることと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得することと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせることと、
前記足し合わせの結果を平均化すること、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、付記8にしたがう方法。
(付記11)
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得すること、を含む付記9にしたがう方法。
(付記12)
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得することと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得すること、
を含む付記10にしたがう方法。
(付記13)
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得することと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得すること、
を含む付記10にしたがう方法。
(付記14)
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数のマグニチュードを判定する処理は、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、付記8にしたがう方法。
(付記15)
偏波クロストークキャンセリング装置とデータ復元装置を含む光コヒーレント受信器であって、さらに付記1〜8のいずれかの前記平均長検知装置を含む光コヒーレント受信器。
(付記16)
さらに、前記偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる前記平均化器の前記平均長を、前記平均長検知装置によって取得された前記指数にしたがって調整する、付記15にしたがう光コヒーレント受信器。
【0063】
本発明を好適な実施形態の例を通じて記載してきたが、様々な他の変形、変更および追加が、本発明の趣旨と範囲の中でなされ得ることは認識されよう。したがって、本発明の趣旨および範囲に含まれるそれら全ての変形、変更および追加をカバーするためにクレームが添付される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、
を含む装置。
【請求項2】
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いて前記指数を判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項3】
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項4】
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、を含む請求項2にしたがう装置。
【請求項5】
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得する平均ユニットと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、
を含む請求項3にしたがう装置。
【請求項6】
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第一の方向指示ユニットと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第二の方向指示ユニット、
を含む請求項3にしたがう装置。
【請求項7】
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項8】
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、
を含む方法。
【請求項9】
偏波クロストークキャンセリング装置とデータ復元装置を含む光コヒーレント受信器であって、さらに請求項1〜8のいずれかの前記平均長検知装置を含む光コヒーレント受信器。
【請求項10】
さらに、前記偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる前記平均化器の前記平均長を、前記平均長検知装置によって取得された前記指数にしたがって調整する、請求項9にしたがう光コヒーレント受信器。
【請求項1】
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知装置であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定する残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定するマグニチュード指数取得ユニットと、
を含む装置。
【請求項2】
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、またはH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いて前記指数を判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項3】
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュード、およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数のマグニチュードを判定し、
前記マグニチュード指数取得ユニットは、以下の2つの構成:
構成1
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
一つ以上のシンボルだけ前記残留偏波クロストーク係数を遅延させる遅延ユニットと、
前記遅延信号の共役を取る共役ユニットと、
残留偏波クロストークに関する係数と共役信号を掛け合わせる掛け合わせユニットと、
前記掛け合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
前記平均化された信号の実部を計算する実部取得ユニットと、
を含むユニットである、
構成2
前記マグニチュード指数取得ユニットは、
残留偏波クロストークに関する前記係数の実部を計算する実部取得ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記実部を遅延させる第一の遅延ユニットと、
一つ以上のシンボルだけ前記虚部を遅延させる第二の遅延ユニットと、
前記遅延した実部と前記遅延していない実部を掛け合わせて、前記実部を掛け合わせた結果を取得する第一の掛け合わせユニットと、
前記遅延した虚部と前記遅延していない虚部を掛け合わせて、前記虚部を掛け合わせた結果を取得する第二の掛け合わせユニットと、
前記虚部の掛け合わせの前記結果と前記実部の掛け合わせの結果を足し合わせる足し合わせユニットと、
前記足し合わせの結果を平均化する平均化ユニットと、
を含むユニットである、
の一つを用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する指数を判定する;または、上の2つのソリューションをそれぞれ用いることによって、V分岐信号からH分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうH分岐に関する前記指数およびH分岐信号からV分岐信号への残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードにしたがうV分岐に関する前記指数を判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項4】
さらに、前記指数のシンボルまたは前記指数の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、を含む請求項2にしたがう装置。
【請求項5】
さらに、
V分岐に関する前記指数とH分岐に関する前記指数の平均値を取得する平均ユニットと、
前記平均値のシンボルまたは前記平均値の範囲を指示する信号を取得する方向指示ユニット、
を含む請求項3にしたがう装置。
【請求項6】
さらに、
H分岐に関する前記指数またはH分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第一の方向指示ユニットと、
V分岐に関する前記指数またはV分岐に関する前記指数の範囲を指示する信号を取得する第二の方向指示ユニット、
を含む請求項3にしたがう装置。
【請求項7】
前記偏波クロストークキャンセリング装置はデータ復元装置に接続され、
前記残留偏波クロストーク係数マグニチュード判定ユニットは、前記偏波クロストークキャンセリング装置および前記データ復元装置の出力にしたがって残留偏波クロストークに関する係数の前記マグニチュードを判定する、請求項1にしたがう装置。
【請求項8】
受信器の偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる平均化器の平均長が長いか短いかを検知する平均長検知方法であって、
前記受信器の残留偏波クロストーク係数の大きさを判定することと、
前記残留偏波クロストーク係数の前記判定されたマグニチュードにしたがって、前記平均化器の前記平均長が長いか短いかを示す指数を判定することと、
を含む方法。
【請求項9】
偏波クロストークキャンセリング装置とデータ復元装置を含む光コヒーレント受信器であって、さらに請求項1〜8のいずれかの前記平均長検知装置を含む光コヒーレント受信器。
【請求項10】
さらに、前記偏波クロストークキャンセリング装置によって用いられる前記平均化器の前記平均長を、前記平均長検知装置によって取得された前記指数にしたがって調整する、請求項9にしたがう光コヒーレント受信器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−90262(P2012−90262A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−211602(P2011−211602)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211602(P2011−211602)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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