説明

平坦化の間に磁気ビットを保護する方法、装置、および炭素領域平坦化停止層構造

【課題】平坦化の間に磁気ビットを保護する方法および装置を提供する。
【解決手段】実施形態は、炭素領域平面化の間に磁気ビットを保護するための方法を開示し、パターン化スタック上の磁気ビットおよび磁気薄膜に停止層を堆積させるステップと、停止層上に炭素充填層を堆積させるステップと、炭素領域の平面化およびエッチバックの間に停止層を用いて、炭素領域平面化の間にパターン化スタックの磁気ビットを保護するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記憶媒体の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
平坦化のためのフィルタ材料として炭素が用いられる場合、エッチバック処理は、ビットライン下方の炭素フィルタ材料をエッチングし、磁気ビットに損傷を与え得る。効果的なエッチバック停止は、平坦化の間のサブビットラインエッチングから磁気ビットを保護する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
コンセプト
本記載は、少なくとも以下のコンセプトを提示する。
【0004】
コンセプト1
炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護するための方法であって、
パターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に停止層を堆積するステップと、
停止層上に充填層を堆積するステップと、
充填層の平坦化およびエッチバックの間に停止層を用いて、炭素領域平坦化の間に、パターン化スタックの磁気ビットを保護するステップとを備える、方法。
【0005】
コンセプト2
停止層を堆積するステップは、窒化ケイ素停止層の厚さを調整可能に制御して、平坦化エッチバック処理との反応を防止するステップを含む、コンセプト1に記載の方法。
【0006】
コンセプト3
停止層は、窒化ケイ素、ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含んだ、1つまたはより多くの化合物を含む、コンセプト1または2に記載の方法。
【0007】
コンセプト4
停止層の組成は、エッチバック処理の反応性エージェントとの化学反応を防止するように調整可能である、コンセプト3に記載の方法。
【0008】
コンセプト5
停止層を堆積するステップは、複数の堆積処理を用いるステップを含む、コンセプト1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【0009】
コンセプト6
停止層は、化学機械平坦化および反応性イオンビームエッチングを含む複数の炭素領域平坦化処理の間に、磁気ビットの保護を提供する、先行するコンセプトのいずれか1つに記載の方法。
【0010】
コンセプト7
停止層は、純ダイヤモンド状炭素および炭素化合物の少なくとも1つを含む炭素領域の平坦化の間における、磁気ビットの保護を含む、先行するコンセプトのいずれか1つに記載の方法。
【0011】
コンセプト8
停止層は、炭素領域エッチバック処理の間に、ビットラインの下方に延在する磁気ビットを保護する、先行するコンセプトのいずれか1つに記載の方法。
【0012】
コンセプト9
停止層は、炭素領域充填に先立って硬化される、先行するコンセプトのいずれか1つに記載の方法。
【0013】
コンセプト10
パターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に窒化ケイ素停止層を堆積するための手段と、
窒化ケイ素停止層上に充填層を堆積するための手段と、
充填層の平坦化およびエッチバックの間に窒化ケイ素停止層を用いることによって、炭素領域平坦化の間にパターン化スタックの磁気ビットを保護するための手段とを備える、装置。
【0014】
コンセプト11
パターン化スタックにおいて停止層構造を生成して、平坦化の間に磁気ビットを保護するための手段をさらに備える、コンセプト10に記載に装置。
【0015】
コンセプト12
パターン化スタックにおいて停止層構造を生成して、平坦化の間に磁気ビットを保護するための手段をさらに備え、
エッチバック処理は、ビットラインの下方をエッチングし得る、コンセプト10に記載の装置。
【0016】
コンセプト13
調整可能な堆積厚さでパターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に停止層を形成するために、窒化ケイ素、ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含んだ、1つまたはより多くの化合物を含む窒化ケイ素停止層を堆積するための手段をさらに備える、コンセプト10〜12のいずれか1項に記載の装置。
【0017】
コンセプト14
複数の堆積処理を用いて窒化ケイ素停止層を堆積するための手段をさらに備える、コンセプト10〜13のいずれか1項に記載の装置。
【0018】
コンセプト15
複数のタイプの平坦化反応性エッチバック処理との反応を防止するために、異なる化学組成を有する1つまたはより多くの化合物を堆積するための手段をさらに備える、コンセプト10〜14のいずれか1項に記載の装置。
【0019】
コンセプト16
窒化ケイ素停止層を備え、
停止層は、パターン化された磁気ビット上に堆積されて、炭素領域平坦化エッチバック処理の間にパターン化された磁気ビットを保護する、炭素領域平坦化停止層構造。
【0020】
コンセプト17
窒化ケイ素停止層の堆積厚さは調整可能である、コンセプト16に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【0021】
コンセプト18
窒化ケイ素停止層は、1つまたはより多くの化合物を含む、コンセプト16または17に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【0022】
コンセプト19
窒化ケイ素停止層は、純ダイヤモンド状炭素および炭素化合物のうちの少なくとも1つを含む炭素領域の平坦化のための保護として用いられる、コンセプト16〜18に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【0023】
コンセプト20
停止層構造は、炭素領域の平坦化の間、磁気ビットを保護し、
エッチバック処理は、ビットラインの下方をエッチングし得る、コンセプト16〜19のいずれか1項に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態の炭素領域平坦化の間の磁気ビットを保護する方法の概略のブロック図を示す。
【図2】一実施形態の炭素領域平坦化の間の磁気ビットを保護する方法の概略のフローチャートのブロック図を示す。
【図3】一実施形態における、パターン化スタック上への窒化ケイ素停止層蒸着処理の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図4A】一実施形態における、堆積された薄膜窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図4B】一実施形態における、増加された厚みを有する堆積された薄膜窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図5A】一実施形態における、堆積された炭素充填層の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図5B】一実施形態における、炭素領域の平坦化エッチングの一例を例示目的のみのために示す図である。
【図6A】一実施形態における、炭素領域がビットラインまでエッチングされた場合の、磁気ビットの窒化ケイ素停止層保護の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図6B】一実施形態における、炭素領域がビットラインの下方までエッチングされた場合の、磁気ビットの窒化ケイ素停止層保護の一例を例示目的のみのために示す図である。
【図7】一実施形態における、平坦化処理の完了とともにビットラインまで除去された窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明が実現され得る具体的な例として示される添付の図面が参照される。他の実施形態が利用され、範囲から逸脱することなく構造上の変化がなされ得ることが理解されるべきである。
【0026】
一般的な概要
たとえば、炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護するための方法の観点の以下の説明は例示の目的のために記載され、基本的なシステムは、多くのおよび複数のタイプのパターン化スタックおよび平坦化処理に適用できることに注意すべきである。一実施形態においては、磁気ビット保護は、窒化ケイ素停止層として構成され得る。他の実施形態においては、停止層材料は、たとえば、ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素のような他の材料を含み得る。停止層は、調整可能な堆積厚さを含むように構成され得る。
【0027】
図1は、一実施形態の炭素領域平坦化の間の磁気ビットを保護する方法の概略のブロック図を示す。炭素材料によるパターン化スタック100の領域の埋め戻し(backfilling)は、たとえば、ビットパターン化されたスタックのようなパターン化スタック100上の、平滑な保護面を生成するように実行され得る。炭素材料は、たとえば、磁気ビットの上部のレベルの上方に堆積され得るダイヤモンド状炭素(diamond-like carbon:DLC)を含み得る。炭素材料による領域の埋め戻しは、炭素充填層130を形成する。磁気ビットまたはビットラインの上部の上方に、炭素充填層130の上面まで延在する炭素充填層130の部分は、平坦化にさらされる炭素領域135を形成する。炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護する方法は、パターン化された磁気ビット120および磁気薄膜を含む、パターン化スタック100のトポグラフィ上に、薄膜窒化ケイ素停止層110を堆積する。薄膜窒化ケイ素停止層110の堆積は、一実施形態においては炭素埋め戻し材料の堆積に先行して実行される。
【0028】
薄膜窒化ケイ素停止層110は、たとえば、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)、プラズマ拡張化学蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)、反応性イオンビーム堆積(Reactive Ion Beam Deposition:RIBD)、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)、または他の処理を含み得る処理を用いて堆積され得る。堆積処理は、薄膜窒化ケイ素停止層110を、パターン化スタック100の全体のパターン化表面上に適用される。薄膜窒化ケイ素停止層110は、一実施形態において炭素充填層130のために用いられる炭素材料のタイプに合致するように制御され得る。
【0029】
炭素充填層130は、平坦化処理140において除去される堆積された材料の一部である、炭素領域135を有する。平坦化処理140は、パターン化された磁気ビット120またはビットラインの上面まで表面を平滑化するために用いられる。平滑化処理140は、化学機械処理(Chemical Mechanical Process:CMP)のような処理を含み得、化学的処理は炭素領域135、またはビットライン上方の炭素材料を除去するような炭素充填層130のエッチング、または、たとえば反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)や反応性イオンビームエッチング(Reactive Ion Beam Etch:RIBE)を含み得る他の処理を含む。機械的処理は、エッチングの高さの差を低減して、一実施形態において平滑な表面を生成する研磨処理を含み得る。
【0030】
炭素材料の化学エッチングまたはエッチバックは、薄膜窒化ケイ素停止層110によって、パターン化された磁気ビット120に影響が与えられることを停止させる。薄膜窒化ケイ素停止層110は、エッチバック処理において用いられ得る化学物質とは反応せず、エッチバック150の間、磁気ビットが保護される。薄膜窒化ケイ素停止層110によって提供される保護は、パターン化された磁気ビット120および磁気薄膜の磁気完全性、およびパターン化スタック100上の磁気特性の意図した使用を保持する。炭素領域平坦化の間、磁気ビットを保護する方法によって、磁気ビットに損傷を与えることなく炭素埋め戻しの平坦化を用いることが可能となり、したがって、一実施形態のビットパターン化媒体または離散トラック媒体のような、パターン化スタック100の品質を向上することができる。
【0031】
詳細な説明
図2は、一実施形態において炭素領域平坦化の間の磁気ビットを保護する方法の概略のフローチャートのブロック図を示す。炭素領域平坦化の間磁気ビットを保護する方法は、ビットパターン化媒体または離散トラック媒体のような、パターン化スタック100、および薄膜窒化ケイ素停止層110の堆積で開始する。1つまたはより多くの堆積処理が、パターン化スタック100上へ窒化ケイ素を堆積して薄膜窒化ケイ素停止層110を形成するために用いられ得る。一実施形態においては、薄膜窒化ケイ素停止層110を堆積するための堆積処理は、反応性イオンビーム堆積(RIBD)を含み得る。反応性イオンビーム堆積(RIBD)処理は、ガス化合物をイオンビームの流れに注入して、窒化ケイ素を堆積する。堆積された窒化ケイ素は、薄膜窒化ケイ素停止層110を固めるために選択された化学的性質に適した温度を用いるベークアウトにおいて硬化される。
【0032】
他の実施形態においては、薄膜窒化ケイ素停止層110は、たとえば化学蒸着(CVD)を用いて堆積され得る。化学蒸着(CVD)処理は、堆積処理室200内にパターン化スタック100を配置することを含み得る。処理は、たとえば、堆積処理室200内に注入されたガス化合物を用いて、パターン化されたトポグラフィ210上に窒化ケイ素を堆積することを含み得る。パターン化スタック100は加熱され、注入されたガス化合物が、磁気ビットを含むパターン化スタック100のトポグラフィの表面上に薄膜状に堆積される。窒化ケイ素膜厚さの堆積処理制御は、ガス化合物の流速、堆積処理室200内の温度および圧力の制御によって達成される。堆積された薄膜窒化ケイ素停止層110は、一実施形態のパターン化スタック100上のエッチマスクを形成する。
【0033】
1つまたはより多くの処理は、パターン化スタック100の薄膜窒化ケイ素停止層110上に炭素充填層230材料を堆積するために用いられ得る。炭素充填材料は、1つまたはより多くのタイプのダイヤモンド状炭素を含み得る。純ダイヤモンド状炭素は、天然ダイヤモンドに近い硬度のような特性を有する。他のタイプのダイヤモンド状炭素は、たとえば、硬度や耐摩耗性などの特性を調整し得る他の要素または化合物を含む。炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護する方法は、薄膜窒化ケイ素停止層110の厚さおよび組成の調整によって、さまざまなタイプの炭素充填材料についての磁気ビットの保護範囲を提供することができる。
【0034】
炭素充填層の堆積230は、磁気ビットのビットラインおよび薄膜窒化ケイ素停止層110の上方であり得る。炭素充填層130は、1つまたはより多くの平坦化処理140を用いて、平滑化されるとともにビットラインまで厚さが低減される。平坦化処理140は、材料の段差高さを最小化することによって、パターン化された材料100トポグラフィ表面の外形の滑らかさを生成する。平坦化処理140は、化学機械研磨平坦化を含み得る。化学機械研磨平坦化処理は、化学的力および機械的力の組み合わせを用いて表面を平滑化するために用いられる。平坦化化学的力は、一実施形態においては化学エッチングを含み得る。
【0035】
平坦化化学エッチングまたはエッチバック処理240は、ビットラインまで炭素領域135の厚さを低減するために用いられ得る。エッチバック処理240は、ビットライン250までまたはビットライン250上方までエッチングされた炭素領域、あるいは、ビットライン260の下方までエッチングされた炭素領域をもたらし得る。平坦化エッチバック処理240は、たとえば、一実施形態における、反応性エージェントとして酸素ガス(O2)のような化学物質を用いる、炭素領域135の反応性イオンビームエッチングを含み得る。
【0036】
炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護する方法は、エッチバック処理を薄膜窒化ケイ素停止層270において停止する構造を提供する。エッチバック処理240の化学含有物は薄膜窒化ケイ素停止層110とは反応しないので、エッチバック処理が停止する。磁気ビットは、エッチバック150の間、薄膜窒化ケイ素停止層110によって保護される。薄膜窒化ケイ素停止層110によって与えられる図1のパターン化された磁気ビット120の保護は、磁気ビットに損傷が与えられることを排除し、一実施形態におけるそれらの設計された磁場特性および予め定められた機能を維持する。
【0037】
窒化ケイ素の堆積
図3は、一実施形態における、パターン化スタック上への窒化ケイ素停止層蒸着処理の一例を例示目的のみのために示す。窒化ケイ素は、ケイ素および窒素の化学化合物である。窒化ケイ素は硬セラミックであり、一実施形態のセラミックについては、広い温度範囲にわたる高強度、適度な温度伝導率、低熱膨張係数、適度な高弾性係数、および非時に高い破壊靱性を有する。
【0038】
図3は、パターン化された磁気ビット120の一例を示す。パターン化された磁気ビット120は、たとえば、ビットパターン化媒体あるいは離散トラック媒体のような、パターン化スタック100の物であり得る。炭素領域135の平坦化の間に磁気ビットを保護する方法における図1の薄膜窒化ケイ素停止層120は、一実施形態においては、たとえば化学蒸着(CVD)を用いて堆積される。
【0039】
化学蒸着(CVD)処理は、パターン化されたトポグラフィ210上に窒化ケイ素を堆積する処理の一部として、堆積処理窒200内にパターン化スタック100を配置することを含み得る。化学蒸着(CVD)処理は、2つの電極300間に、パターン化スタック100を位置付けることを含み得る。2つの電極300は、一実施形態における処理のために選択された化学物質に適した温度まで、パターン化スタック100を加熱するために用いられ得る。
【0040】
化学反応は、ガス化合物搬送管310を通して注入されるガス状化合物320を含み得る。ガス状化合物は、シラン(SiH)、アンモニア(NH)、テトラクロロシラン(SiCl)、およびジクロロシラン(SiCl)を含み得る。注入ガスの圧力が、流速を調整するために用いられる。注入ガスの圧力、温度、濃度および流速ならびに暴露時間は、窒化ケイ素薄膜の堆積厚さを制御するために用いられ得る。加熱されたパターン化スタック100に接触するガス状化合物320は、一実施形態において、窒化ケイ素薄膜を堆積して停止層を形成する化学反応を生成する。
【0041】
薄膜窒化ケイ素停止層
図4Aは、一実施形態における、堆積された薄膜窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。図4Aは、パターン化スタック100のトポグラフィ上の、堆積された薄膜窒化ケイ素停止層110を示す。窒化ケイ素堆積は、パターン化された磁気ビット120を含むパターン化スタック100の全体の局所的な表面を覆う。薄膜窒化ケイ素停止層110の厚さは、パターン化された磁気ビット120のビットライン400の上方まで上昇する。薄膜窒化ケイ素停止層110は、一実施形態の平坦化処理140の間に実行され得る図2のエッチバック処理240において、パターン化された磁気ビット120の保護を提供する。
【0042】
調整可能な窒化ケイ素停止層厚さ
図4Bは、一実施形態における、増加された厚みを有する堆積された薄膜窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。図4Bは、増加された厚さ410を有する薄膜窒化ケイ素停止層の堆積を示す。窒化ケイ素堆積厚さは、堆積処理において制御され得る。プラズマ拡張化学蒸着(PECVD)のような化学蒸着処理においては、ガス化合物の圧力、濃度、および流速、温度、ならびに処理における時間が、窒化ケイ素薄膜厚さを調整するために用いられる。
【0043】
図1の薄膜窒化ケイ素停止層110の厚さは、図1の炭素充填層130に用いられる材料のタイプに適合するような調整を含み得る。いくつかのダイヤモンド状炭素化合物は、たとえば、増加された水素量を有する。パターン化スタック100上に堆積された図1の薄膜窒化ケイ素停止層110厚さは、パターン化された磁気ビット120の設計された保護を提供するように調整され得る。窒化ケイ素薄膜堆積厚さの増加は、ビットライン400にわたる保護を増加する。増加された厚さは、一実施形態においては、ダイヤモンド状炭素の特定のタイプについて、エッチバック処理240の間に除去され得る部分を含み得る。
【0044】
炭素領域
図5Aは、一実施形態における、堆積された炭素充填層の一例を例示目的のみのために示す図である。図5Aは、ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積を用いて構成され得る図1の炭素充填層130を示す。ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積は、下層にある図1のパターン化された磁気ビット120、および窒化ケイ素停止層130でコーティングされたパターン化スタック100の他のトポグラフィが見えるように透過的に示される。ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積は、パターン化スタック100および堆積された薄膜窒化ケイ素停止層110の上に堆積される。
【0045】
ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積は、ビットライン400の上方に延在する厚さである。炭素領域135を形成するビットライン400上に堆積されたDLCの部分は、図1の平坦化処理140を用いて除去され得る。図1の平坦化処理140は、図2のエッチバック処理240を含み得る。図1の平坦化処理140において用いられるステップは、さまざまな炭素充填材料との反応を提供するための化学エッチング化合物の調整を含み得る。
【0046】
図1の炭素充填層130は、たとえば、純ダイヤモンド状炭素(DLC)、または、たとえば水素、グラファイトsp2炭素、および金属を含む炭素化合物を含む他のタイプのDLCを含むダイヤモンド状炭素(DLC)を含み得る。炭素化合物は、硬度、耐摩耗性、滑らかさ(DLC薄膜摩擦係数)を変化させ得る。
【0047】
ダイヤモンド状炭素(DLC)のタイプの特性は、製造コストを低減するために付加される希釈剤の量およびタイプのような追加材料で異なり得る。ダイヤモンド状炭素(DLC)のタイプの特性における他の違いは、水素の分割物(fractional content)を含み得る。ダイヤモンド状炭素(DLC)製造法は、触媒としての水素またはメタンの使用を含み得る。これは、最終DLC材料に残存する水素の異なる百分率をもたらし得る。ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積において用いられる炭素材料に含まれ得る変形例は、一実施形態における薄膜窒化ケイ素停止層110の厚さの調整を通して適合され得る。
【0048】
平坦化エッチバック
図5Bは、一実施形態における、炭素領域の平坦化エッチングの一例を例示目的のみのために示す図である。図5Bは、図1の平坦化処理140のエッチバック処理240を示す。図1の炭素充填層130は、ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積を含み得る。炭素領域135を形成するビットライン400上のダイヤモンド状炭素(DLC)の堆積は、エッチバック処理240を用いて除去され得る。
【0049】
エッチバック処理240は、反応性エージェントとして酸素ガス(O2)を使用する、反応性イオンビームエッチング処理を含み得る。イオンビームの存在における酸素ガス(O2)反応性エージェントは、ダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積の、炭素領域135部分を除去し得る。薄膜窒素停止層110は、反応性イオンビームエッチング処理において、酸素ガス(O2)とは反応しない。これは、薄膜窒化ケイ素停止層110において反応性イオンビームエッチングを停止し、エッチングによって、一実施形態のパターン化スタック100のパターン化された磁気ビット120が損傷を受けないようにする。
【0050】
窒化ケイ素停止層ビットライン保護
図6Aは、一実施形態における、炭素領域がビットラインまでエッチングされた場合の、磁気ビットの窒化ケイ素停止層保護の一例を例示目的のみのために示す図である。図6Aは、図2のエッチバック処理240によって図5Aのダイヤモンド状炭素(DLC)500の堆積の部分をビットライン400まで除去された、ビットラインエッチングされた炭素充填層600を示す。薄膜窒化ケイ素停止層110は、パターン化された磁気ビット120の上方の領域において、図2のエッチバック処理240を停止している。パターン化スタック100のパターン化された磁気ビット120を損傷する前に図2のエッチバック処理240を停止することは、一実施形態のパターン化された磁気ビット120の磁場特性を保護する。
【0051】
ビットライン下方の窒化ケイ素停止層保護
図6Bは、一実施形態における、炭素領域がビットラインの下方までエッチングされた場合の、磁気ビットの窒化ケイ素停止層保護の一例を例示目的のみのために示す図である。図6Bは、上面同様にビットの側面のパターン化された磁気ビット120を保護する薄膜窒化ケイ素停止層110を示す。図2のパターン化トポグラフィ上に窒化ケイ素を堆積することは、パターン化された磁気ビット120および磁気薄膜のすべての露出表面への、薄膜窒化ケイ素停止層110の形成を含み得る。
【0052】
この追加された保護範囲は、図2のエッチバック処理240のビットラインエッチングされた炭素領域610結果の下方からの損傷を防止する。ビットライン400の下方のものを含むパターン化された磁気ビット120の任意の表面の損傷は、一実施形態のパターン化スタック100の磁場特性に負の影響を与え得る。
【0053】
窒化ケイ素停止層平坦化
図7は、一実施形態における、平坦化処理の完了とともにビットラインまで除去された窒化ケイ素停止層の一例を例示目的のみのために示す図である。薄膜窒化ケイ素停止層110は、ビットライン400エッチングされた炭素充填層600の図2のエッチバック処理240の間に、パターン化された磁気ビット120を保護する。これによって、パターン化スタック100の磁場特性が維持される。図1の平坦化処理140は、一実施形態においては、エッチングされた表面の機械的研磨を含み得る。
【0054】
機械的研磨は、パターン化された磁気ビット120の上部の薄膜窒化ケイ素停止層110の部分700の、ビットライン400までの除去を含み得る。これは、パターン化スタック100の表面に滑らかさを与える。薄膜窒化ケイ素停止層110は、パターン化された磁気ビット120への損傷を防止する。炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護する方法は、一実施形態の図1の炭素充填層130を用いて、たとえば、ビットパターン化媒体および離散トラック媒体を含み得るコスト効率がよくかつ効果的なパターン化スタック100製品の製造手段を提供する。
【0055】
上記は、原理、実施形態、および動作モードについて説明した。しかしながら、本発明は、議論された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。上述の実施形態は、限定的というよりはむしろ例示的であるとみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲に規定されるような範囲から逸脱することなく、それらの実施形態において、さまざまな変形が当業者によってなされ得ることが理解されるべきである。
【0056】
本明細書に記載されるすべての要素、部品、およびステップが、好ましくは含まれる。当業者には明らかであるように、これらの任意の要素、部品、ステップが他の要素、部品、ステップに置き換えられ、またはともに削除され得ることが、理解されるべきである。
【0057】
概して、この記載は、炭素領域の平坦化の間に磁気ビットを保護する方法を提示し、その方法は、パターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に停止層を堆積するステップと、停止層上に炭素充填層を堆積するステップと、炭素領域の平坦化およびエッチバックの間に停止層を用いて炭素領域平坦化の間にパターン化スタックの磁気ビットを保護するステップとを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素領域平坦化の間に磁気ビットを保護するための方法であって、
パターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に停止層を堆積するステップと、
前記停止層上に充填層を堆積するステップと、
前記充填層の平坦化およびエッチバックの間に前記停止層を用いて、前記炭素領域平坦化の間に、前記パターン化スタックの磁気ビットを保護するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記停止層を堆積するステップは、前記窒化ケイ素停止層の厚さを調整可能に制御して、平坦化エッチバック処理との反応を防止するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記停止層は、窒化ケイ素、ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含んだ、1つまたはより多くの化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記停止層の組成は、エッチバック処理の反応性エージェントとの化学反応を防止するように調整可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記停止層を堆積するステップは、複数の堆積処理を用いるステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記停止層は、化学機械平坦化および反応性イオンビームエッチングを含む複数の炭素領域平坦化処理の間に、前記磁気ビットの保護を提供する、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記停止層は、純ダイヤモンド状炭素および炭素化合物の少なくとも1つを含む炭素領域の平坦化の間における、前記磁気ビットの保護を含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記停止層は、炭素領域得エッチバック処理の間に、ビットラインの下方に延在する前記磁気ビットを保護する、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記停止層は、前記炭素領域充填に先立って硬化される、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
パターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に窒化ケイ素停止層を堆積するための手段と、
前記窒化ケイ素停止層上に充填層を堆積するための手段と、
前記充填層の平坦化およびエッチバックの間に前記窒化ケイ素停止層を用いることによって、炭素領域平坦化の間に前記パターン化スタックの磁気ビットを保護するための手段とを備える、装置。
【請求項11】
パターン化スタックにおいて停止層構造を生成して、平坦化の間に磁気ビットを保護するための手段をさらに備える、請求項10に記載に装置。
【請求項12】
パターン化スタックにおいて停止層構造を生成して、平坦化の間に磁気ビットを保護するための手段をさらに備え、
前記エッチバック処理は、ビットラインの下方をエッチングし得る、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
調整可能な堆積厚さでパターン化スタックの磁気ビットおよび磁気薄膜上に停止層を形成するために、窒化ケイ素、ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも1つを含んだ、1つまたはより多くの化合物を含む前記窒化ケイ素停止層を堆積するための手段をさらに備える、請求項10〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
複数の堆積処理を用いて窒化ケイ素停止層を堆積するための手段をさらに備える、請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
複数のタイプの平坦化反応性エッチバック処理との反応を防止するために、異なる化学組成を有する1つまたはより多くの化合物を堆積するための手段をさらに備える、請求項10〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
窒化ケイ素停止層を備え、
前記停止層は、パターン化された磁気ビット上に堆積されて、炭素領域平坦化エッチバック処理の間に前記パターン化された磁気ビットを保護する、炭素領域平坦化停止層構造。
【請求項17】
前記窒化ケイ素停止層の堆積厚さは調整可能である、請求項16に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【請求項18】
前記窒化ケイ素停止層は、1つまたはより多くの化合物を含む、請求項16または17に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【請求項19】
前記窒化ケイ素停止層は、純ダイヤモンド状炭素および炭素化合物のうちの少なくとも1つを含む炭素領域の平坦化のための保護として用いられる、請求項16〜18に記載の炭素領域平坦化停止層構造。
【請求項20】
前記停止層構造は、炭素領域の平坦化の間、磁気ビットを保護し、
エッチバック処理は、ビットラインの下方をエッチングし得る、請求項16〜19のいずれか1項に記載の炭素領域平坦化停止層構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16248(P2013−16248A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137700(P2012−137700)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】