平坦物品のディスペンサー
糖尿病試験片(30)などの複数の平坦物品を収納して送出するための実質的に防湿性を有する密閉ディスペンサーを提供する。
本発明によるディスペンサー(20)は、ユーザが単に把持して握りしめるだけで試験片(30)を取り出せる、新規の枢支可能なハウジング(22、24)を備える。本発明は、試験片を取り出すのに、ユーザの指でボタンを押したり、ツマミを回したりする独立した操作の必要がないため、その病気のせいで末端部位の神経損傷やその他の合併症に悩む糖尿病患者に最適である。本発明のディスペンサーには、ハウジングの2つの部分を同時に枢支動作させると、互いに係合して、ディスペンサーから試験片を送り出す、新規の柔軟性アーム部材(94)と押出ヘッド部(136)も備わっている。試験片が送り出される取出口には、ディスペンサーをほぼ密閉状態に維持できる新規の弾性シール部(42)が備わっている。そのシール構造のいくつかの実施形態、および、それを作成する方法を開示する。
本発明によるディスペンサー(20)は、ユーザが単に把持して握りしめるだけで試験片(30)を取り出せる、新規の枢支可能なハウジング(22、24)を備える。本発明は、試験片を取り出すのに、ユーザの指でボタンを押したり、ツマミを回したりする独立した操作の必要がないため、その病気のせいで末端部位の神経損傷やその他の合併症に悩む糖尿病患者に最適である。本発明のディスペンサーには、ハウジングの2つの部分を同時に枢支動作させると、互いに係合して、ディスペンサーから試験片を送り出す、新規の柔軟性アーム部材(94)と押出ヘッド部(136)も備わっている。試験片が送り出される取出口には、ディスペンサーをほぼ密閉状態に維持できる新規の弾性シール部(42)が備わっている。そのシール構造のいくつかの実施形態、および、それを作成する方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサーに関し、特に、ストリップ片などの平坦物品のディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
テストサンプルなどの選択された分析対象物の存在または濃度を測定するため、試験片やバイオセンサーなどの使用がよく知られている。一般的には、複数の試験片は、スナップ式やネジ式で開放可能なフタを備えた使い捨てバイアル内にパッケージされ格納されている。試験片を乾燥状態で保持できるよう、バイアル内には乾燥剤が同封されている。テストを行うには、バイアルを開いて試験片を取り出す必要がある。普通、試験片をミーター(meter)に挿入して、その上に液体サンプル(血液など)を載置する。そして、測光法や電気化学法などを利用して、分析対象物の濃度をミーターで測定するのである。テストが終了し、試験片がミーターから除去され、捨てられる。
【0003】
糖尿病患者は、試験片で、血液内のグリコール値を測定するが、糖尿病患者の多くが一日に3〜4回、時にはそれ以上の回数、測定を行う必要がある。しかし残念なことに、糖尿病患者の多くは、視力障害、手と目の連携不良、手足の感覚麻痺や能力喪失などの合併症が進行している。その合併症は、試験片バイアルを開けて、一枚の試験片を取り出し、試験片を取り扱う行為をきわめて困難にする。
【0004】
同じく残念なことに、試験片を収納する従来のバイアルでは、試験片を大気中の湿気に露出させると、試験片に含まれる試薬が、バイアルの密閉状態に比べて、非常に速く品質劣化してしまう恐れがある。その結果、保管期間が著しく短縮されてしまう。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、複数の糖尿病用試験片を収納して送り出すための、実質的な防湿性を有する気密性ディスペンサーを提供する。本発明のディスペンサーは、単にユーザが保持して握りしめるだけで、試験片を送り出すことができる。ユーザの指の独立した動きで、ボタンを押す、または、ノブを回すことだけで、試験片を送り出せるため、本発明は、その病気に起因する末端の神経損傷やその他の問題に悩む糖尿病患者に適した発明である。
【0006】
本発明の一形態において、平坦物品のディスペンサーが提供される。本例のディスペンサーは、トリガーに枢支可能に接続されたハウジングを備える。ハウジングとトリガーとは、一体に枢支されており、ハウジングは、積み重ねた一束の物品を収納し、トリガーは、その束の最上端の物品に係合して、少なくともその一部をディスペンサーの外側へ押し出すための操作部材を備える。ハウジングとトリガーとは、一体に枢支接続されており、その片方がソケットとして作用し、他方がそのソケット内に少なくとも一部が収容される。
【0007】
好ましい形態においては、前記の物品が試験片であって、前記のトリガーをソケットの役目をし、前記のハウジングがトリガー内に収容されており、ディスペンサーを操作すると、試験片が送り出される。前記の操作部材は、トリガーがハウジングに対して枢支移動すると撓る新規の柔軟性をもつアーム部を備える。アーム部には押出部が接続され、押出ヘッド部は積み重ねた物品の上方に位置しており、ハウジングとトリガーとが一体に枢支されると、押出ヘッド部が下方へ付勢されて最上端の試験片の上面と摩擦係合し、その試験片をディスペンサーから送り出す。ハウジングとトリガーを互いに離れるよう偏向させるためのバネが設けてあり、試験片を入手した後、ユーザがディスペンサーを停止させると、バネはその元の位置つまり「基本」位置に戻る。
【0008】
また別の好ましい形態では、前記のハウジングとトリガーが、ディスペンサーの上部で収容動作が行われるよう、それらの底部で枢支接続されている。その構造では、トリガーは、ディスペンサーの上部にアーチ形状の内壁面を備え、ハウジングは、それに対応するアーチ形状の外壁面を備える。そのため、両者が枢支動作されると、前記のハウジングがトリガー内に収容される。また、前記のアーチ形状の両壁面は異なる半径でも構わないが、ハウジングとトリガーとが枢支動作されると、少なくともほぼ同軸で作用する。
【0009】
さらにまた別の好ましい形態では、本発明のディスペンサーは、ハウジングとトリガーを基本位置でロックして、不必要な送出動作を防止する「受動ロック」機構を備える。受動ロック機構を凌駕するのに所定の力が必要であるが、その力は、バネの付勢力よりも大きいが、ユーザがディスペンサーを握りしめて試験片を取り出すのを妨げるほど大きくはない。
【0010】
さらにまた別の好ましい形態では、ディスペンサーのほぼ密閉状態を作成するための方法を提供する。その方法では、ハウジングに、平坦物品を取り出す開口を備える。さらに、両者のあいだに隙間をもつ2つの弾性部材からなる、好ましくは射出成形にて形成した弾性シール部を備える。つまり、最初にシール部を型成形した後で、2つの弾性部材を衝突させて、互いに付勢し合うよう再構成するのである。それから、弾性シール部をハウジングの開口内に取り付ける。
【0011】
本発明によるディスペンサーの長所の1つは、糖尿病患者がディスペンサーを単に握りしめるだけで、試験片を取り出せることである。ディスペンサーはユーザの手のひらに収まるサイズであって、試験片を取り出すためのユーザ操作可能な部分は、ディスペンサー自体の大きさとほぼ同じである。それゆえ、本発明の試験片を取り出す操作は、全部の指を同時に動作させて握りしめるだけであり、巧みな指の操作は必要ない。このことは、指の感覚や機能を失って、従来のディスペンサーに搭載された小さなダイヤル、キャップ、スライダなどの操作が困難である糖尿病患者にとって、非常に有益である。
【0012】
本発明の別の長所は、糖尿病患者にとって、ディスペンサーを平らな面に置いて、トリガーを引くだけで試験片が取り出せることである。つまり、ディスペンサーの形状のおかげで、ユーザは平面上に置かれたディスペンサーをテコ操作にて押さえればよいため、試験片を取り出すのに必要な力を軽減することができる。
【0013】
本発明のまた別の長所は、試験片をほぼ防湿環境状態に維持できることである。同様に、従来のバイアルと違って、本発明のものはユーザが使用前に試験片に触れることを防ぐため、汚れる恐れがない。
【0014】
本発明のさらに別の長所は、試験片が一度に一枚だけ取り出せ、試験片を送り出すたびに同じ動作を繰り返すだけでよいことである。このことは、従来のディスペンサーの小さな試験片やバイアルを取り出すのに苦労する糖尿病患者に特に有益である。それゆえ、ユーザは取り出した試験片を直ちに検査に利用できるため、ユーザの検査にかかる時間が短縮できる。
【0015】
本発明のさらにまた別の長所は、ディスペンサーの部品の多くがプラスチック製であり、大量生産でのコストダウンが可能になることである。それゆえ、ディスペンサーを、使い捨て製品として製造販売できる。
【0016】
本発明のさらにまた別の長所は、試験片を取り出す部位がほぼ密閉状態であることである。密閉部位は、形成後に反転させる、あるいは、内外を逆転させることにより、いっそう向上する。
【0017】
本発明のさらにまた別の長所は、前記の密閉部位が「自己閉止」作用をすることである。つまり、密閉部位から試験片を取り出した後、密閉部位の弾性部材が元の位置へ戻り、互いに付勢し合う。そのため、従来のバイアルではよく起こった、ディスペンサーを閉止するのをユーザが忘れるという問題が解決できる。
【0018】
本発明のさらにまた別の長所は、ディスペンサーが、ユーザに試験片の先端をミーターに挿入させるため、試験片のミーター挿入側の端をディスペンサーから突き出るよう試験片を収納することである。そのため、ユーザは試験片に触れることなくミーターに挿入でき、試験片の使用前の接触や汚染を防止することができる。
【0019】
本発明の前記の長所や別の長所、および、そのための方法を、より明白にし、本発明のいっそうの理解を促すため、以下に、本発明の好適な実施例を付随する図面を参照にして説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の原理の理解を助けるため、参照例として以下に特定の実施例を示し、それらを説明するのに、特定の用語を使用する。しかしながら、本発明の範囲がそれら実施例に限定されるものではないことは、理解できよう。さらに、本発明の原理による下記に説明するプロセス、装置、適用例の変更例や修正例も、本発明の技術の当業者には意図および勘案できるであろう。
【0021】
図1と2に図示するのは、バイオセンサーまたは試験片などの平坦物品を送り出す物品ディスペンサー20であり、トリガーつまり後部ハウジング24に枢支接続された本体ハウジング22を備える。図1は、ディスペンサー20の「基本」位置を示しており、図2は、ディスペンサー20の「送出」位置を示している。ディスペンサー20は、前側グリップ部26と後側グリップ部28を備え、物品30の少なくとも一部を取出口32から押し出せるよう、図2に示すように両者は枢支接続されているが、それは後で詳細に説明する。図示した実施例における物品30は、本発明の被譲渡者が市販する商標名がAccu−Chek(登録商標)のグルコース試験片などの試験片である。しかしながら、本文で説明するディスペンサーの教示内容はその他のタイプの平坦物品のディスペンサーにも適用可能なのは、理解できよう。図3に示す本体ハウジング22に収納されている、積み重ねた束34の試験片30は、以下で説明するように、ディスペンサー20から連続して送り出される。ハウジング22には、試験片30の積み重ねた束34の量を視認するための窓部36(図1と2参照)が備わる。窓部36は、透明ポリプロピレンなどの透明素材を任意の枚数用いて形成できる。
【0022】
図示の実施例のハウジング22とトリガー24は、それぞれポリプロピレンとポリスチレンで形成されているが、当然ながら、その他のプラスチック、合成材、その他の素材の利用も同様に可能である。グリップ部26には、オハイオ州アクロンのアドバンスエラストマーシステム社から市販されているSantoprene(登録商標)などの熱可塑エラストマーで形成された突起リブ38が備わる。また取出口32には、リップシール部40をもつフラップ部40が取り付けられている。フラップ部40も、市販のSantoprene(登録商標)からなり、図3に示すように、突起リブ38と一体に形成されている。
【0023】
図1と2に示すように、前記のトリガー24とハウジング22は、それぞれの底部44と46で枢支接続されており、ハウジング22は主にディスペンサー20の上側でトリガー24内に収納される。トリガー24とハウジング22の底部44と46は必ずしも収納状態にする必要はなく、送出動作中に両方が枢支動作する際に、トリガー22に妨害されることなく、ハウジング24の底部にカセット84(図4参照)が固定できるように構成されている。図4に示すように、ハウジング22は、トリガー24の対応する円筒形開口50に回転可能にはめ込まれた、横方向に伸長した円筒形ポスト部48を備える。トリガー24の内側面には、開口50へガイドするためのスロット溝52が形成されており、前記のハウジングのポスト48を対応する開口52までスライド移動させるので、ディスペンサー20を組み立てるさいの支援となる。図示された実施形態においては、ポスト48がハウジング22に形成され、開口50がトリガー24に形成されているが、その反対の構成でも構わない。さらに、前記のハウジング22とトリガー24の枢支接続を、ポストと対応開口の代わりに、ヒンジなどの別の手段で実施することも可能である。
【0024】
図1と2に示すように、枢支動作は底部44と46で行われるため、トリガー24とハウジング22の相対移動はディスペンサー20の上側に向かって大きくなる。トリガー24はハウジング22構造にほぼ一致した構造をもつが、わずかに大きめに形成されているため、トリガー24の内側にハウジング22を収納できるソケットの役目をする。図3により詳細に示すように、トリガー24の内側面54は、ハウジング22の外側面56と同様のアーチ形状をもつ。それゆえ、トリガー24とハウジング22を相互に枢支動作すると、ハウジング22がトリガー24内に部分的に収容されて、図2に示すように、物品30の1つがディスペンサー20から部分的に突き出る。図7cに示すように、トリガー24とハウジング22を相互に枢支接続した状態で、それらの内側面54と外側面56とはほぼ同心形状となる。
【0025】
前記の好ましい実施形態においては、トリガー22がソケットの役目をするが、その反対に、本発明の枢支可能なハウジングにその役目をさせることも可能である。例えば、図1aと2aに示すトリガー24aは、両方を枢支動作すると、ソケットの役目をする本体ハウジング22a内に部分的に収容され、試験片30がディスペンサー20aから部分的に突き出る。本発明によるハウジングの別の構成例も、当業者には理解できよう。説明したように、本発明による枢支可能なハウジングの長所は、試験片を送り出すためのハウジングのアーチ形状面が、ディスペンサーの大きさにほぼ匹敵するサイズで形成されていることである。そのため、ディスペンサー20、20aから試験片を取り出す場合、手を握りしめるだけでよく、個別の指を動かす必要がない。このことは、指先の感覚や動きを喪失し、従来のディスペンサーに装備された小さなダイヤル、キャップ、または、スライダを操作するのが困難な障害者にとって、特に有効である。
【0026】
さらに、図3に示すように、トリガー24とハウジング22の内側に対して押すための立設脚部64と66を備えたネジリバネ62が取り付けており、図1に示す基本位置におけるディスペンサーを付勢している。バネ62は、トリガー24に形成されたバネ取付板70と72のあいだの溝68に、その脚部64が捕捉された状態で保持されている。当業者にとっては、実施例におけるネジリバネ62の代わりに、その他のバネ機構を別の付勢手段として採用することも理解できよう。
【0027】
前記のバネ62がトリガー24とハウジング22を基本位置を越えて付勢すること、および、ユーザによるトリガー24の離脱を防止するため、トリガー24には、立設リッジ部60と係合するフランジ部58が備わる。本発明によるハウジングには、ユーザが意図しない試験片の送り出しを防止する力、ただし、正常な送り出し操作を妨害しない程度の力を付与するためのロック機構である「受動ロック機構」が備わっている。受動ロック機構は、バネ62の付勢力よりも大きな力を付与する。図8aと8bに示すように、トリガー24には、背板76に形成された耳部である突起74(図4参照)が係合する基本位置孔または凹部72が備わる。ディスペンサーがユーザにより握りしめられると、トリガー24とハウジング22が交差できるよう、耳部74が側壁78(図8b参照)を乗り越える。戻る時は、耳部74が傾斜凹部80にてガイドされるため、バネ62の付勢力だけで、耳部74が側壁78を乗り越えて、対応する孔72にはまり込む。実験から、孔72の深さが0.5mmほどの受動ロック機構により、意図しない送出動作を防止できる力が生成されることが判明している。
【0028】
図3、4、6に示すように、試験片30の束34を収納したカセット84は、ハウジング22内に配置されている。カセットは、水分吸収性の3相ポリマーで形成されるのが好ましく、3相ポリマーの例として、アラバマ州オーバーンのキャピタルスペシャリティプラスチック社から市販のActive−Pak(登録商標)、フランス、ショシルロワのスドケミパーフォーマンスパッケージング(ヨーロッパ)社から市販の2AP(登録商標)、ドイツ、ウオルムスのグレースダビソン社から市販のFlotech(登録商標)“S”などが挙げられる。説明したように、試験片の多くが湿気に曝されるとその内蔵試薬が劣化するため、カセット84などの乾燥容器内に収納して、その課題をクリアしている。
【0029】
前記のカセット84を構成する主要部分として、図4に示す背板76以外に、中空本体86、上面キャップ88、圧力パッド90、圧力パッドバネ92、柔軟性アーム部材94が図6に示されている。圧力パッド90は、その上に試験片の束34が搭載されており、中空本体86に対して垂直方向に移動可能である。特に、圧力パッド90は、ガイド孔98内にスライド移動可能にはめ込まれた突起96を備える。また、圧力パッド90の背面からは2つの追加突起(図示しない)も設けられており、図6に示すガイド孔100内にスライド移動可能に係合している。突起とガイド孔により、試験片を取り出す際に、圧力パッド90が上方へ移動する時の方向性が維持される。突起がスロット孔の上端に到達することにより、ディスペンサーが空になった場合の圧力パッド90の過剰な上昇が防止できる。ディスペンサー20内に試験片30が存在するあいだは、上面キャップ88に形成されたシェルフ部104に最上端の試験片が突き当たると、圧力パッド90の上向きの移動が規制されるのである。同様に、カセットが最大数の試験片を収納している状態で、前記の突起がスロット孔の最下端に到達する時に、圧力パッド90の最低位置となる。カセット84の収納量は、試験片34が5〜150枚の範囲であるのが好ましい。
【0030】
図6に示すように、中空本体86は、バネ92を支える円筒形バネ保持ポスト102を備える。バネ92は、圧力パッド90に形成された筒中孔106内まで伸長しており、試験片を送り出すため、その付勢力により圧力パッド90を上方へ押し上げる。上面キャップ88は、スロット孔114内にはめ込まれたアンカー柱112により中空本体86に取り付けられている。上面キャップ88と中空本体86のあいだには、カセットから試験片が取り出すための隙間89(図4参照)が設けられている。説明の実施例の上面キャップは、ポリプロピレンで形成されているが、その他の別の素材で形成することも当然可能である。図7aに示すように、カセット体をハウジング22内に位置決めするため、バネフィンガー116により圧力がかかっている。組立工程中において、中空本体86の底部から伸長する先端クリップ118が、ハウジング22内でカセットの中空本体86の前部を保持するため、カセット体をガイドして位置決めし、レール120(図3参照)下側に取り付ける。最後に、保持ボス122で、カセット体の下後半分をハウジング22内に固定する。
【0031】
図4に示すように、ディスペンサー20の組立工程中に、リブ82によりカセット84をハウジング22内で一時的に所定位置で保持する。その後で、本体ハウジング22に背板76を溶接して、カセット本体86をハウジング22内に固定すると、本体ハウジング22が外部から密閉されることになる。試験片をリップシール孔42から送り出す時に、背板76の開口124が開かれる時だけ、その密閉状態が解除される。しかしながら、図5aと5bに示すように、柔軟性アーム部材94には、ディスペンサー20が基本位置の時にシール面128と係合するシール部材126が取り付けられている。シール部材126は、柔軟性アーム部材94を取り囲む傘形状であって、シール面128の円錐凹部形状に合致できる柔軟性をもつため、密閉状態を維持することができる。シール部材126も、前記のSantoprene(登録商標)で形成するのが好ましい。トリガー24を押すと、アーム部材94が作用して、ディスペンサー20が基本位置に戻るまで、シール状態が一時的に解除される。
【0032】
別の例として(図示しない)、シール部材126をシール面128に取り付けることも可能であって、ディスペンサー20が基本位置と送出位置のいずれであっても、固定されたままである。その場合、シール部材126の形状は、トリガー24が押された場合にアーム部材94がシール部材126を通過できるような形状とする。シール部材126は柔軟性アーム部材94を取り囲んでいるが、アーム部材94はスライド移動してシール部材126を貫通することができる。
【0033】
図6〜8に示すように、柔軟性アーム部材94は、片方の端が、保持部材132を挟み込むクリップフィンガー部130でトリガー外枠24に接続されている。その耳部134は、トリガー外枠24の傾斜側面135を押圧しており、ディスペンサーの操作中にクリップ部130が外れないよう防止している。断性アーム部材94の他方の端は、試験片束の上方に位置し、溝138に沿ってスライド移動する押出ヘッド部136に繋がっている。特に、押出ヘッド部136は、カム140と溝138と係合するポスト142とを備える。前記のカム、ポスト、溝とで、下記に詳細に説明するように、往復運動をして押出ヘッド部136を上下に移動させるガイド機構の一部を構成している。また、押出ヘッド部136は、下記に詳細に説明するように、最上端の試験片の上面に摩擦係合して、ディスペンサーから押し出すための弾性フィンガーつまり係合部材144を備えている。
【0034】
前記の押出ヘッド部136は、柔軟性アーム部材94の残り部分と一体形成するのが望ましく、「作用ヒンジ部」146で互いにヒンジ接続する。作用ヒンジ部146は、通常の「活用ヒンジ」よりも抵抗力が強いが、柔軟性も備えるため、押出ヘッド部を、試験片に対して枢支移動、下方へ回転、上方へ離脱させることができる。説明の実施例における柔軟性アーム部材94は、ポリプロピレンで形成するが、当業者にとっては、それに代えて、別の適当な柔軟性をもつ素材で形成することが可能なのも理解できよう。
【0035】
本発明のディスペンサーを使用しない場合には、図1aと7aに示すように基本位置にある。ユーザがトリガー24とハウジング22を互いに握って押し込む場合、説明した「受動ロック」状態を解除する必要がある。その後、トリガー24とハウジング22とをバネ62の付勢力に対向して握りしめると、送出動作が始まる。柔軟性アーム部材94がトリガー24に接続されているため、ディスペンサー部品の枢支移動によりアーム部材が駆動されて、開口124と貫通してスライドする、その結果、傘形状のシール部材126による密閉状態が解除される。しかしながら、アーム部材94の形状が開口124の形状にほぼ合致したものであるため、アーム部材94が通過するさいに開口124の周囲に接触係合する。それゆえ、アーム部材94が開口124を貫通する時も、アーム部材94と開口124の疑似シール状態が維持される。言い換えれば、ディスペンサー操作につれてシール部材126が開口124から離脱しても、アーム部材94と開口124とは密接に係合しているため、両者間の密閉状態が著しく逸脱しないのである。
【0036】
図7aと7bに示すように、柔軟性アーム部材94の開始動作により、押出ヘッド部136が、試験片の束から離れた非係合位置から、そのフィンガー144が最上端の試験片に摩擦係合する位置まで、カム140に対して枢支回転する。言い換えれば、カム140が枢支軸の役目をし、図7bに示すように、アーム部材94の矢印方向150へのスライド移動が作用ヒンジ146へ伝達されて、カム140を中心にしたモーメント力が発生する。その力により、矢印152で示すように、押出ヘッド部136が下方へ枢支移動するのである。同時に、押出ヘッド部136は、図の右方向へ移動するため、最上端の試験片がリップシール部42のフラップ40を押し開いて、ディスペンサーから突き出る。試験片30が通過する時、リップシール部42は疑似密閉状態を維持する。なお、試験片30は、押出ヘッド部が右方向へ移動するにつれ、試験片30の添加端またはミーター挿入端が先に突き出るよう、カセット84内に収納されている。
【0037】
図7bに示すように、溝138の端は傾斜端148となっている。そのため、送出操作の最終段階でそのポスト部142が傾斜端148と係合すると、押出ヘッド部136が上方へ枢支回転して、図7cに示すように、最上端の試験片から離脱する。この上方向への枢支回転は、送出操作の最終段階でのカム140のモーメント力の発生に関係なく行われる。特に、押出ヘッド部136が最上端の試験片から離脱するため、その試験片は、リップシール部42自体のわずかな摩擦力に抵抗するだけで、ディスペンサー20から容易に押し出されるのである。図7cに示すように、送出操作の最終段階では、柔軟性アーム部材94は、ほぼ直線形状になる。アーム部材94の曲がった状態つまり直線形状は、トリガーとハウジングを同時に握りしめた時、トリガー24に接続されたアーム部材94の先端がハウジング22に対して上方向へ移動するからである。
【0038】
ユーザが握り動作を緩めると、前記のバネ62の作用により、トリガー24とハウジング22が元の基本位置へ戻り、図7dに示すように、カム140に対向モーメント力が発生する。つまり戻り操作では、図7dに示すアーム部材94の矢印156の方向へのスライド移動が作用ヒンジ146に伝わり、カム140にモーメント力を発生させるため、押出ヘッド部136を非係合位置に維持できる。特に、ディスペンサーから試験片が完全に抜き取られる前にユーザが握りを緩めた場合でも、戻り動作中の押出ヘッド部136が試験片に係合することはない。それゆえ、トリガーとハウジングの動作の解除前にユーザがディスペンサーから試験片を抜き取るのに失敗した場合でも、戻り動作中に試験片が後退しないのである。
【0039】
前記の試験片が抜き取られてディスペンサーが基本位置に戻った後、リップシール部42はその弾性力で密閉状態つまり閉止状態に自動的に戻るため、ユーザがディスペンサーを閉止させることを覚えておく必要がない。
【0040】
別のオプションとして、ディスペンサー20を、試験片を読み取るテストミーターと一体構造に形成することも可能である。ミーターは、試験片30および/またはディスペンサー20からデータを入手して分析する。ディスペンサー20は、製造ロット番号、効力期限、試験片タイプ、その他の試験片の情報を記憶する無線周波数認識(RFID)タッグを備えた構成でも構わない。また、ディスペンサーをミーターに近づけると、RFIDタッグへ信号を送信できるRFID読取器を、ミーターに備えることもできる。そのため、RFIDタッグに記憶されたデータを、ミーターが受信可能となる。RFID技術は周知であって、さらに本文で詳細に説明する必要はないであろう。
【0041】
前記の説明する実施例のハウジング22は、図9aと9bに示すように、取出口32を覆うリップシール部カバー190を備える。リップシール部カバー190は、摩擦係合により取出口32のリップ突起194と係合するソケットを構成する内面192を備える。図示するように、リップシール部カバー190は、ハウジング22にヒンジ取り付けされている。しかしながら、リップシール部カバー190と取出口32の接続はヒンジに限らず、スナップオン接続など、その他の適当な手段で接続することも可能である。ディスペンサーを使用する時、ユーザが指つまり親指でタブ部196を押せば、リップシール部カバー190が取出口32から枢支移動して、図9aに示すように、リップシール部42のフラップ40が露出される。ディスペンサーを使用しない時は、リップシール部カバー190は取出口32に位置しており、図9bに示すように、リップシール部42のフラップ40を覆っている。リップシール部カバー190は、プラスチック、合成素材、金属など多様な素材から形成することが可能である。特に、リップシール部カバー190は、取出口32の埃よけカバーとして作用し、ディスペンサーが服のポケット内や容器内で持ち運びされる場合に、それに内蔵された鍵、硬貨、化粧品などに接触して損傷しないよう、取出口32を保護することができる。
【0042】
さらに、説明の実施例のハウジング22は、図10aと10bに示すように、リップシール部42の両フラップ40間に挿入され、ハウジング22に一体に取り付けされたプラットホーム部230を備えることも可能である。プラットホーム230は、図10aに示すように、リップシール部42内に適合できる大きさに形成されている。ディスペンサーを使用しない時は、両フラップ40間に挿入されたプラットホーム230は、プラグ栓として作用し、フラップ40の気密状態を維持する。図10bに示すように、ディスペンサーから試験片30を取り出す時、試験片30が上側のフラップ40を外方向へ押し曲げてディスペンサーから突き出る。その後、上側フラップ40は外方向位置に維持されるが、プラットホーム230に対しては接触状態を保持したままである。プラットホーム230の上面は、試験片30がリップシール部42を通過する時、試験片30が乗る、つまり、その上をスライド移動できるような表面となっている。ディスペンサーの構造が、プラットホームと上側フラップのあいだだけでなく、プラットホームと下側フラップのあいだから試験片が取り出せるような形状であっても構わないのも理解できよう。プラットホーム230は、プラスチック、合成素材、金属など多様な素材から形成することができる。
【0043】
図11aと11bに示すように、前記のハウジング22は、密閉状態を作成するため再構成された取出口330を備えても構わない。製造効率を高めるため、シール部346を射出成形などを使って一工程で作成するのが望ましい。ただし射出成形の欠点の1つとして、リップシール部42などの非連続部分に、成形金型内に両フラップ342と344を分離する部分を作成する必要がある。シール部346を一体に形成する場合には、両フラップのあいだに図11aに示すような隙間348などの小さなギャップを設ける。
【0044】
ただし、図11aに示すシール部346は、気密性でないため不適当である。元の成形金型部位に隙間が存在するため、図11aに示すシール部346は、最初の金型成形の後で、両フラップが互いに接触するだけでばく付勢し合う密閉状態を作成するため、反転つまり再構成できるよう設計する必要がある。特に、下側のフラップ344は、左側つまりディスペンサーの内側方向に傾倒させ、左側つまりディスペンサーの内側方向へ突出する突起部350を備えている。上側フラップ342も、下側フラップ344の反対方向へ傾倒させ、図11aの右側つまり外側方向へ突出する突起部352を備える。そして、金型成形の後、図11bに示すような柔軟性シール部346を再構成するため、フラップ342と233が互いに付勢し合って密閉状態を作成できるよう、両フラップの位置を反転させるのである。例えば、図11aの状態で、上側フラップ342に応力を加えて、上側フラップ342を下側フラップ344の上方を越えて左方向へ移動させる、および/または、下側フラップ344に応力を加えて、下側フラップ344を上側フラップ342の下方を越えて右方向へ移動させる。別の方法として、一番最初の試験片をディスペンサーから取り出す時、試験片に下側フラップ344を右方向へ押圧させて上側フラップ342を通過させ、図11bで示す密閉状態を作成することも可能である。ディスペンサーからの試験片の取り出しが完了すると、図11bに示すような状態が達成できる。
【0045】
前記のフラップ342は型成形の後に右側に位置し、フラップ344は型成形の後に左側に位置するため、図11bに示す密閉状態への反転操作により、両フラップが互いに付勢し合う密閉状態を構成することができる。つまり、図11bに示すように、上側フラップ342は下側フラップ344の左側に配置される。そして、上側フラップ342と下側フラップ344とが、図11bの矢印で示す方向に相互に付勢される。試験片が取り出される時、試験片により両フラップが押されて、上側フラップ342から下側フラップ344を移動つまり偏移させて、ディスペンサーから突き出る。前記の例で説明したように、シール部346は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、上側フラップ342と下側フラップ344の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。加えて、弾性シール部346を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0046】
図12aと12bに示す別の例として、ハウジング22は、密閉状態を作成するため再構成できる取出口430を備える。図12aに示すように、取出口430は、型成形され、弾性シール部446を作成する上側フラップ442と下側フラップ444を備える。当初、下側フラップ444は、上側フラップ442の左側に位置する。この状態では、上側フラップ442と下側フラップ444の位置は、弾性シール部446が型形成された後と同じ位置である。そして、弾性シール部446を再構成するため、上側フラップ442と下側フラップ444が互いに付勢し合うよう両フラップの位置を反転させる。例えば、図12aの状態での下側フラップ444に応力を加えて、下側フラップ444を上側フラップ442の下方を越えて右方向へ移動させるのである。
【0047】
図12bで示す反転状態では、上側フラップ442は、下側フラップ444の左側に位置する。そして、上側フラップ442と下側フラップ444とが、図12bの矢印で示す方向に相互に付勢される。試験片が取り出される時、試験片により両フラップが押されて、上側フラップ442から下側フラップ444を移動つまり偏移させて、ディスペンサーから突き出る。上側フラップ442から下側フラップ444は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、上側フラップ342と下側フラップ344の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。さらに、上側フラップ442および/または下側フラップ444は、前記のリブ38(図1と2参照)と一体に形成することも可能である。加えて、弾性シール部446を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0048】
さらに、図13と14に示す別の例として、ハウジング22は、取出口532を覆うキャップ530を備える。キャップ530は、取出口532の形状にほぼ合致し、わずかに小さな外面形状をもつため、キャップ530は取出口532内に適合取り付けできる。キャップ530には、試験片30が取り出される開口536が設けられている。キャップ530は、プラスチック、合成素材、金属、その他の素材などで形成できる。前記のリップシール部カバー190と同様に、キャップ530も取出口530の埃よけカバーとして作用し、異物との接触による損傷から取出口532を保護することができる。
【0049】
前記の取出口532には、図14に示す弾性シール部5542を形成するフラップ540が備わる。さらに、ハウジング22とフラップ540のあいだには、図14に示すように、弾性シール部542を再構成するためのバイアス部材534が楔状に設けられ、挿入されており、両フラップ540がバイアス部材534により付勢されるため、密閉状態が作成されるのである。つまり、キャップ530をディスペンサー20内に取り付けて、楔形状のバイアス部材534をハウジング22とフラップ540のあいだに挿入し、バイアス部材534により両フラップ540を互いに付勢させる。図示のように、バイアス部材534は、キャップ530と一体に形成されている。試験片が取り出される時、試験片が両フラップ540間を通過するさいに、両フラップ540を離間方向へ移動つまり偏移させて、ディスペンサーの開口536から突き出る。両フラップ540は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、両フラップ540の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。また、図9aと9bに示す実施例を、両フラップを互いに付勢させるバイアス部材を備える構成としても構わないのも理解できよう。
【0050】
図15a〜15cに示すように、ハウジング22に、部分的あるいは全体的に「あひるのクチバシ」形状の密閉状態を形成するため再構成できる取出口630を備えることも可能である。取出口630は、図15aに示すように、細長い隙間644を形成する両壁部640にてクチバシ形状に形成されている。図15aに示す壁部640は、左側に突き出ている。その場合、弾性シール部642が型形成された時点で、壁部640はほぼ同じ位置に配置される。上記で説明したのと同様に、シール部642は射出成形で一体に形成するのが好ましく、成形のための金型から外されると、両壁部640のあいだに隙間646が形成される。しかし、図15aと15bとの比較から判るように、その後で、隙間646をなくすため、クチバシ形状のシール部642を内側から外側へ反転させるのである。つまり、図15aに示す両壁部640の外側曲面648が、図15bに示すように、シール部の内壁面に変換されるため、両壁部640が図15bの矢印で示すように互いに付勢し合って、密閉状態を形成するのである。図15aに示す両壁部640の曲面形状のおかげで、シール部642を内外反転された場合に形成される図15bに示す構造において、付勢力を高めることができる。
【0051】
図15cに示すように、試験片30を取り出す時、試験片30が両壁部640間を通過するさいに、上側壁部を下側壁部から移動つまり離間させて、ディスペンサーから突き出る。両壁部640は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、両壁部640の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。両壁部640は、前記のリブ38(図1と2参照)と一体に形成することも可能である。加えて、弾性シール部642を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0052】
さらにまた別の例として、ディスペンサーを、ユーザが試験片に接触することなく、試験片をミーターに挿入するのを容易にできる構成にすることも可能である。例えば、図16に示すように、試験片の束をディスペンサーに収納する場合、試験片のミーター挿入端がディスペンサーから最初に突き出るように積み重ねる(図2に示す状態の反対の状態)。そして、ディスペンサーの基本位置と送出位置との中間に「保留」位置を設けて、試験片の先端がディスペンサーから突き出た状態で、試験片をその位置に保持できるようにする。
【0053】
図16に示すように、前記の溝138内に切り欠き部である戻り止め凹部147を形成して、ユーザによりトリガーとハウジングとが握りしめられると、押出ヘッド部136が右側へスライド移動し、ポスト部142が戻り止め凹部147に係合できるようにする。戻り止め凹部147は、ディスペンサーが作動する時、そのポスト部142がガイドされる位置に形成する。その保留位置では、試験片30の一部がリップシール部42を通過して、その先端がディスペンサーから突き出た状態となる。ポスト部142が戻り止め凹部147と係合して、押出ヘッド部136の前進動作が停止すると、そのショックがユーザに感知される。その保留位置では、押出ヘッド部のフィンガー144が試験片の上面と摩擦係合した状態である。試験片30がフィンガー144に保持されるため、その先端のミーター挿入端がディスペンサーの取出口32から突き出たまま維持される。
【0054】
前記の中間位置である保留位置の状態で、ユーザは、試験片30の入力のため、ディスペンサー20をミーターに接続することができる。図17a〜17cに示すように、テストミーター700には、試験片30のミーター挿入端33を受け取るための開口702が設けてある。図17aに示すように、ユーザがトリガー24とハウジング22を説明した「受動ロック」に抵抗して矢印の方向704へ互いに押圧し、さらに、トリガー24とハウジング22を継続して握りしめると、保留位置に達する。保留位置では、ポスト部142が戻り止め凹部147と係合するさいに発生する、押出ヘッド部136の前進動作の停止によるショックが、ユーザに信号として伝わる。この実施形態では、ディスペンサー20の取出口32から試験片30のミーター挿入端33が突き出たまま、フィンガー144が試験片の上面と摩擦係合した状態に維持される。
【0055】
その後、ユーザが、試験片30の挿入端33をミーターの開口702に整合させて、ディスペンサーを図17bの矢印706の方向に移動させると、試験片30の挿入端33がテストミーター700の開口702内に挿入される。好ましくは、試験片の挿入端を所定の深さまで挿入させた後、テストミーター700で保持する。
【0056】
その時点で、ミーターとディスペンサーとは、密接に接合した状態となる。ディスペンサーが前記で説明したRFIDタッグを備える場合には、ミーター700にもRFID読取装置を備えて、RFIDタッグからデータをダウンロードさせる。そのようなデータには、ディスペンサー20内に収納された試験片30の校正データや使用期限データ等などが含まれる。多くの従来の試験片バイアルでは、そのような情報は、バイアルと共にパッケージされたメモリーチップ内に記憶されている。それゆえ、バイアルの試験片を分析する前に、メモリーチップをミーターに挿入する必要がある。しかし、実施例におけるRFIDタッグの利用により、メモリーチップ採用の必要性や、ユーザによるミーターへのメモリーチップの挿入の必要性をなくすことができる。
【0057】
図17bに示すように、ディスペンサーとミーターとを接合した後、試験片をディスペンサーから切り離す。図17cに示すように、切り離しは、トリガー24とハウジング22とを共に矢印708の方向へさらに握りしめて、前記の実施例で説明した「送出」位置まで移動させることで行える。送出位置では、前記のフィンガーが試験片を離れて上昇するため、試験片を取り出すことができる。図17cに示すように、試験片30をテストミーター700の開口702に挿入した状態で、ディスペンサーをテストミーター700から矢印710の方向へ引き戻すのである。その結果、試験片の添加端35はミーターから突き出る状態となり、液体サンプル添加が可能となる。
【0058】
本発明の原理に従う好適実施例を説明したが、本発明はそれら説明の実施例に限定されるものではない。本発明の適用説明は、基本原理を利用する本発明の変更例、使用例、適応例をもカバーするため記述されたものである。さらに、付随の発明の請求項の範囲にあって、かつ、本発明の技術分野での周知または既存の実施方法の範囲にある、前記の開示内容からの逸脱内容をもカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による物品ディスペンサーの基本位置を示す斜視図である。
【図2】本発明による物品ディスペンサーの送出位置を示す斜視図である。
【図1a】本発明による物品ディスペンサーの別の実施形態の基本位置を示す斜視図である。
【図2a】本発明による物品ディスペンサーの別の実施形態の送出位置を示す斜視図である。
【図3】前記のディスペンサーの内部部品を示す図1と2の部分斜視断面図である。
【図4】図1と2のディスペンサーの分解斜視図である。
【図5a】本発明の実施形態における、シール部の拡大部分斜視図である。
【図5b】本発明の実施形態における、シール部の拡大部分断面図である。
【図6】本発明の実施形態における、ディスペンサー本体つまりカセットの分解斜視図である。
【図7a】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7b】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7c】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7d】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図8a】図1と2のディスペンサーの一部を切り取った分解斜視図である。
【図8b】本発明の実施形態におけるロック機構の拡大部分図である。
【図8c】トリガーへの柔軟アーム部の接続を示す拡大部分斜視図である。
【図9a】本発明の実施形態における、リップシール部カバーを示す拡大部分斜視図である。
【図9b】本発明の実施形態における、リップシール部カバーを示す拡大部分斜視図である。
【図10a】本発明の実施形態における、プラットホームとリップシール部カバーの部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図10b】本発明の実施形態における、プラットホームとリップシール部カバーの部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図11a】本発明の実施形態における、リップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図11b】本発明の実施形態における、再構成されたリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図12a】本発明の実施形態における、別のリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図12b】本発明の実施形態における、再構成された別のリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図13】本発明の実施形態における、キャップを示す拡大部分斜視図である。
【図14】本発明の実施形態における、キャップと取出口の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15a】本発明の実施形態における、弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15b】本発明の実施形態における、再構成された弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15c】本発明の実施形態における、物品がシール部から取り出される再構成された弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図16】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置からオプションの保留位置までの移動を示す側断面図である。
【図17a】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【図17b】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【図17c】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサーに関し、特に、ストリップ片などの平坦物品のディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
テストサンプルなどの選択された分析対象物の存在または濃度を測定するため、試験片やバイオセンサーなどの使用がよく知られている。一般的には、複数の試験片は、スナップ式やネジ式で開放可能なフタを備えた使い捨てバイアル内にパッケージされ格納されている。試験片を乾燥状態で保持できるよう、バイアル内には乾燥剤が同封されている。テストを行うには、バイアルを開いて試験片を取り出す必要がある。普通、試験片をミーター(meter)に挿入して、その上に液体サンプル(血液など)を載置する。そして、測光法や電気化学法などを利用して、分析対象物の濃度をミーターで測定するのである。テストが終了し、試験片がミーターから除去され、捨てられる。
【0003】
糖尿病患者は、試験片で、血液内のグリコール値を測定するが、糖尿病患者の多くが一日に3〜4回、時にはそれ以上の回数、測定を行う必要がある。しかし残念なことに、糖尿病患者の多くは、視力障害、手と目の連携不良、手足の感覚麻痺や能力喪失などの合併症が進行している。その合併症は、試験片バイアルを開けて、一枚の試験片を取り出し、試験片を取り扱う行為をきわめて困難にする。
【0004】
同じく残念なことに、試験片を収納する従来のバイアルでは、試験片を大気中の湿気に露出させると、試験片に含まれる試薬が、バイアルの密閉状態に比べて、非常に速く品質劣化してしまう恐れがある。その結果、保管期間が著しく短縮されてしまう。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、複数の糖尿病用試験片を収納して送り出すための、実質的な防湿性を有する気密性ディスペンサーを提供する。本発明のディスペンサーは、単にユーザが保持して握りしめるだけで、試験片を送り出すことができる。ユーザの指の独立した動きで、ボタンを押す、または、ノブを回すことだけで、試験片を送り出せるため、本発明は、その病気に起因する末端の神経損傷やその他の問題に悩む糖尿病患者に適した発明である。
【0006】
本発明の一形態において、平坦物品のディスペンサーが提供される。本例のディスペンサーは、トリガーに枢支可能に接続されたハウジングを備える。ハウジングとトリガーとは、一体に枢支されており、ハウジングは、積み重ねた一束の物品を収納し、トリガーは、その束の最上端の物品に係合して、少なくともその一部をディスペンサーの外側へ押し出すための操作部材を備える。ハウジングとトリガーとは、一体に枢支接続されており、その片方がソケットとして作用し、他方がそのソケット内に少なくとも一部が収容される。
【0007】
好ましい形態においては、前記の物品が試験片であって、前記のトリガーをソケットの役目をし、前記のハウジングがトリガー内に収容されており、ディスペンサーを操作すると、試験片が送り出される。前記の操作部材は、トリガーがハウジングに対して枢支移動すると撓る新規の柔軟性をもつアーム部を備える。アーム部には押出部が接続され、押出ヘッド部は積み重ねた物品の上方に位置しており、ハウジングとトリガーとが一体に枢支されると、押出ヘッド部が下方へ付勢されて最上端の試験片の上面と摩擦係合し、その試験片をディスペンサーから送り出す。ハウジングとトリガーを互いに離れるよう偏向させるためのバネが設けてあり、試験片を入手した後、ユーザがディスペンサーを停止させると、バネはその元の位置つまり「基本」位置に戻る。
【0008】
また別の好ましい形態では、前記のハウジングとトリガーが、ディスペンサーの上部で収容動作が行われるよう、それらの底部で枢支接続されている。その構造では、トリガーは、ディスペンサーの上部にアーチ形状の内壁面を備え、ハウジングは、それに対応するアーチ形状の外壁面を備える。そのため、両者が枢支動作されると、前記のハウジングがトリガー内に収容される。また、前記のアーチ形状の両壁面は異なる半径でも構わないが、ハウジングとトリガーとが枢支動作されると、少なくともほぼ同軸で作用する。
【0009】
さらにまた別の好ましい形態では、本発明のディスペンサーは、ハウジングとトリガーを基本位置でロックして、不必要な送出動作を防止する「受動ロック」機構を備える。受動ロック機構を凌駕するのに所定の力が必要であるが、その力は、バネの付勢力よりも大きいが、ユーザがディスペンサーを握りしめて試験片を取り出すのを妨げるほど大きくはない。
【0010】
さらにまた別の好ましい形態では、ディスペンサーのほぼ密閉状態を作成するための方法を提供する。その方法では、ハウジングに、平坦物品を取り出す開口を備える。さらに、両者のあいだに隙間をもつ2つの弾性部材からなる、好ましくは射出成形にて形成した弾性シール部を備える。つまり、最初にシール部を型成形した後で、2つの弾性部材を衝突させて、互いに付勢し合うよう再構成するのである。それから、弾性シール部をハウジングの開口内に取り付ける。
【0011】
本発明によるディスペンサーの長所の1つは、糖尿病患者がディスペンサーを単に握りしめるだけで、試験片を取り出せることである。ディスペンサーはユーザの手のひらに収まるサイズであって、試験片を取り出すためのユーザ操作可能な部分は、ディスペンサー自体の大きさとほぼ同じである。それゆえ、本発明の試験片を取り出す操作は、全部の指を同時に動作させて握りしめるだけであり、巧みな指の操作は必要ない。このことは、指の感覚や機能を失って、従来のディスペンサーに搭載された小さなダイヤル、キャップ、スライダなどの操作が困難である糖尿病患者にとって、非常に有益である。
【0012】
本発明の別の長所は、糖尿病患者にとって、ディスペンサーを平らな面に置いて、トリガーを引くだけで試験片が取り出せることである。つまり、ディスペンサーの形状のおかげで、ユーザは平面上に置かれたディスペンサーをテコ操作にて押さえればよいため、試験片を取り出すのに必要な力を軽減することができる。
【0013】
本発明のまた別の長所は、試験片をほぼ防湿環境状態に維持できることである。同様に、従来のバイアルと違って、本発明のものはユーザが使用前に試験片に触れることを防ぐため、汚れる恐れがない。
【0014】
本発明のさらに別の長所は、試験片が一度に一枚だけ取り出せ、試験片を送り出すたびに同じ動作を繰り返すだけでよいことである。このことは、従来のディスペンサーの小さな試験片やバイアルを取り出すのに苦労する糖尿病患者に特に有益である。それゆえ、ユーザは取り出した試験片を直ちに検査に利用できるため、ユーザの検査にかかる時間が短縮できる。
【0015】
本発明のさらにまた別の長所は、ディスペンサーの部品の多くがプラスチック製であり、大量生産でのコストダウンが可能になることである。それゆえ、ディスペンサーを、使い捨て製品として製造販売できる。
【0016】
本発明のさらにまた別の長所は、試験片を取り出す部位がほぼ密閉状態であることである。密閉部位は、形成後に反転させる、あるいは、内外を逆転させることにより、いっそう向上する。
【0017】
本発明のさらにまた別の長所は、前記の密閉部位が「自己閉止」作用をすることである。つまり、密閉部位から試験片を取り出した後、密閉部位の弾性部材が元の位置へ戻り、互いに付勢し合う。そのため、従来のバイアルではよく起こった、ディスペンサーを閉止するのをユーザが忘れるという問題が解決できる。
【0018】
本発明のさらにまた別の長所は、ディスペンサーが、ユーザに試験片の先端をミーターに挿入させるため、試験片のミーター挿入側の端をディスペンサーから突き出るよう試験片を収納することである。そのため、ユーザは試験片に触れることなくミーターに挿入でき、試験片の使用前の接触や汚染を防止することができる。
【0019】
本発明の前記の長所や別の長所、および、そのための方法を、より明白にし、本発明のいっそうの理解を促すため、以下に、本発明の好適な実施例を付随する図面を参照にして説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の原理の理解を助けるため、参照例として以下に特定の実施例を示し、それらを説明するのに、特定の用語を使用する。しかしながら、本発明の範囲がそれら実施例に限定されるものではないことは、理解できよう。さらに、本発明の原理による下記に説明するプロセス、装置、適用例の変更例や修正例も、本発明の技術の当業者には意図および勘案できるであろう。
【0021】
図1と2に図示するのは、バイオセンサーまたは試験片などの平坦物品を送り出す物品ディスペンサー20であり、トリガーつまり後部ハウジング24に枢支接続された本体ハウジング22を備える。図1は、ディスペンサー20の「基本」位置を示しており、図2は、ディスペンサー20の「送出」位置を示している。ディスペンサー20は、前側グリップ部26と後側グリップ部28を備え、物品30の少なくとも一部を取出口32から押し出せるよう、図2に示すように両者は枢支接続されているが、それは後で詳細に説明する。図示した実施例における物品30は、本発明の被譲渡者が市販する商標名がAccu−Chek(登録商標)のグルコース試験片などの試験片である。しかしながら、本文で説明するディスペンサーの教示内容はその他のタイプの平坦物品のディスペンサーにも適用可能なのは、理解できよう。図3に示す本体ハウジング22に収納されている、積み重ねた束34の試験片30は、以下で説明するように、ディスペンサー20から連続して送り出される。ハウジング22には、試験片30の積み重ねた束34の量を視認するための窓部36(図1と2参照)が備わる。窓部36は、透明ポリプロピレンなどの透明素材を任意の枚数用いて形成できる。
【0022】
図示の実施例のハウジング22とトリガー24は、それぞれポリプロピレンとポリスチレンで形成されているが、当然ながら、その他のプラスチック、合成材、その他の素材の利用も同様に可能である。グリップ部26には、オハイオ州アクロンのアドバンスエラストマーシステム社から市販されているSantoprene(登録商標)などの熱可塑エラストマーで形成された突起リブ38が備わる。また取出口32には、リップシール部40をもつフラップ部40が取り付けられている。フラップ部40も、市販のSantoprene(登録商標)からなり、図3に示すように、突起リブ38と一体に形成されている。
【0023】
図1と2に示すように、前記のトリガー24とハウジング22は、それぞれの底部44と46で枢支接続されており、ハウジング22は主にディスペンサー20の上側でトリガー24内に収納される。トリガー24とハウジング22の底部44と46は必ずしも収納状態にする必要はなく、送出動作中に両方が枢支動作する際に、トリガー22に妨害されることなく、ハウジング24の底部にカセット84(図4参照)が固定できるように構成されている。図4に示すように、ハウジング22は、トリガー24の対応する円筒形開口50に回転可能にはめ込まれた、横方向に伸長した円筒形ポスト部48を備える。トリガー24の内側面には、開口50へガイドするためのスロット溝52が形成されており、前記のハウジングのポスト48を対応する開口52までスライド移動させるので、ディスペンサー20を組み立てるさいの支援となる。図示された実施形態においては、ポスト48がハウジング22に形成され、開口50がトリガー24に形成されているが、その反対の構成でも構わない。さらに、前記のハウジング22とトリガー24の枢支接続を、ポストと対応開口の代わりに、ヒンジなどの別の手段で実施することも可能である。
【0024】
図1と2に示すように、枢支動作は底部44と46で行われるため、トリガー24とハウジング22の相対移動はディスペンサー20の上側に向かって大きくなる。トリガー24はハウジング22構造にほぼ一致した構造をもつが、わずかに大きめに形成されているため、トリガー24の内側にハウジング22を収納できるソケットの役目をする。図3により詳細に示すように、トリガー24の内側面54は、ハウジング22の外側面56と同様のアーチ形状をもつ。それゆえ、トリガー24とハウジング22を相互に枢支動作すると、ハウジング22がトリガー24内に部分的に収容されて、図2に示すように、物品30の1つがディスペンサー20から部分的に突き出る。図7cに示すように、トリガー24とハウジング22を相互に枢支接続した状態で、それらの内側面54と外側面56とはほぼ同心形状となる。
【0025】
前記の好ましい実施形態においては、トリガー22がソケットの役目をするが、その反対に、本発明の枢支可能なハウジングにその役目をさせることも可能である。例えば、図1aと2aに示すトリガー24aは、両方を枢支動作すると、ソケットの役目をする本体ハウジング22a内に部分的に収容され、試験片30がディスペンサー20aから部分的に突き出る。本発明によるハウジングの別の構成例も、当業者には理解できよう。説明したように、本発明による枢支可能なハウジングの長所は、試験片を送り出すためのハウジングのアーチ形状面が、ディスペンサーの大きさにほぼ匹敵するサイズで形成されていることである。そのため、ディスペンサー20、20aから試験片を取り出す場合、手を握りしめるだけでよく、個別の指を動かす必要がない。このことは、指先の感覚や動きを喪失し、従来のディスペンサーに装備された小さなダイヤル、キャップ、または、スライダを操作するのが困難な障害者にとって、特に有効である。
【0026】
さらに、図3に示すように、トリガー24とハウジング22の内側に対して押すための立設脚部64と66を備えたネジリバネ62が取り付けており、図1に示す基本位置におけるディスペンサーを付勢している。バネ62は、トリガー24に形成されたバネ取付板70と72のあいだの溝68に、その脚部64が捕捉された状態で保持されている。当業者にとっては、実施例におけるネジリバネ62の代わりに、その他のバネ機構を別の付勢手段として採用することも理解できよう。
【0027】
前記のバネ62がトリガー24とハウジング22を基本位置を越えて付勢すること、および、ユーザによるトリガー24の離脱を防止するため、トリガー24には、立設リッジ部60と係合するフランジ部58が備わる。本発明によるハウジングには、ユーザが意図しない試験片の送り出しを防止する力、ただし、正常な送り出し操作を妨害しない程度の力を付与するためのロック機構である「受動ロック機構」が備わっている。受動ロック機構は、バネ62の付勢力よりも大きな力を付与する。図8aと8bに示すように、トリガー24には、背板76に形成された耳部である突起74(図4参照)が係合する基本位置孔または凹部72が備わる。ディスペンサーがユーザにより握りしめられると、トリガー24とハウジング22が交差できるよう、耳部74が側壁78(図8b参照)を乗り越える。戻る時は、耳部74が傾斜凹部80にてガイドされるため、バネ62の付勢力だけで、耳部74が側壁78を乗り越えて、対応する孔72にはまり込む。実験から、孔72の深さが0.5mmほどの受動ロック機構により、意図しない送出動作を防止できる力が生成されることが判明している。
【0028】
図3、4、6に示すように、試験片30の束34を収納したカセット84は、ハウジング22内に配置されている。カセットは、水分吸収性の3相ポリマーで形成されるのが好ましく、3相ポリマーの例として、アラバマ州オーバーンのキャピタルスペシャリティプラスチック社から市販のActive−Pak(登録商標)、フランス、ショシルロワのスドケミパーフォーマンスパッケージング(ヨーロッパ)社から市販の2AP(登録商標)、ドイツ、ウオルムスのグレースダビソン社から市販のFlotech(登録商標)“S”などが挙げられる。説明したように、試験片の多くが湿気に曝されるとその内蔵試薬が劣化するため、カセット84などの乾燥容器内に収納して、その課題をクリアしている。
【0029】
前記のカセット84を構成する主要部分として、図4に示す背板76以外に、中空本体86、上面キャップ88、圧力パッド90、圧力パッドバネ92、柔軟性アーム部材94が図6に示されている。圧力パッド90は、その上に試験片の束34が搭載されており、中空本体86に対して垂直方向に移動可能である。特に、圧力パッド90は、ガイド孔98内にスライド移動可能にはめ込まれた突起96を備える。また、圧力パッド90の背面からは2つの追加突起(図示しない)も設けられており、図6に示すガイド孔100内にスライド移動可能に係合している。突起とガイド孔により、試験片を取り出す際に、圧力パッド90が上方へ移動する時の方向性が維持される。突起がスロット孔の上端に到達することにより、ディスペンサーが空になった場合の圧力パッド90の過剰な上昇が防止できる。ディスペンサー20内に試験片30が存在するあいだは、上面キャップ88に形成されたシェルフ部104に最上端の試験片が突き当たると、圧力パッド90の上向きの移動が規制されるのである。同様に、カセットが最大数の試験片を収納している状態で、前記の突起がスロット孔の最下端に到達する時に、圧力パッド90の最低位置となる。カセット84の収納量は、試験片34が5〜150枚の範囲であるのが好ましい。
【0030】
図6に示すように、中空本体86は、バネ92を支える円筒形バネ保持ポスト102を備える。バネ92は、圧力パッド90に形成された筒中孔106内まで伸長しており、試験片を送り出すため、その付勢力により圧力パッド90を上方へ押し上げる。上面キャップ88は、スロット孔114内にはめ込まれたアンカー柱112により中空本体86に取り付けられている。上面キャップ88と中空本体86のあいだには、カセットから試験片が取り出すための隙間89(図4参照)が設けられている。説明の実施例の上面キャップは、ポリプロピレンで形成されているが、その他の別の素材で形成することも当然可能である。図7aに示すように、カセット体をハウジング22内に位置決めするため、バネフィンガー116により圧力がかかっている。組立工程中において、中空本体86の底部から伸長する先端クリップ118が、ハウジング22内でカセットの中空本体86の前部を保持するため、カセット体をガイドして位置決めし、レール120(図3参照)下側に取り付ける。最後に、保持ボス122で、カセット体の下後半分をハウジング22内に固定する。
【0031】
図4に示すように、ディスペンサー20の組立工程中に、リブ82によりカセット84をハウジング22内で一時的に所定位置で保持する。その後で、本体ハウジング22に背板76を溶接して、カセット本体86をハウジング22内に固定すると、本体ハウジング22が外部から密閉されることになる。試験片をリップシール孔42から送り出す時に、背板76の開口124が開かれる時だけ、その密閉状態が解除される。しかしながら、図5aと5bに示すように、柔軟性アーム部材94には、ディスペンサー20が基本位置の時にシール面128と係合するシール部材126が取り付けられている。シール部材126は、柔軟性アーム部材94を取り囲む傘形状であって、シール面128の円錐凹部形状に合致できる柔軟性をもつため、密閉状態を維持することができる。シール部材126も、前記のSantoprene(登録商標)で形成するのが好ましい。トリガー24を押すと、アーム部材94が作用して、ディスペンサー20が基本位置に戻るまで、シール状態が一時的に解除される。
【0032】
別の例として(図示しない)、シール部材126をシール面128に取り付けることも可能であって、ディスペンサー20が基本位置と送出位置のいずれであっても、固定されたままである。その場合、シール部材126の形状は、トリガー24が押された場合にアーム部材94がシール部材126を通過できるような形状とする。シール部材126は柔軟性アーム部材94を取り囲んでいるが、アーム部材94はスライド移動してシール部材126を貫通することができる。
【0033】
図6〜8に示すように、柔軟性アーム部材94は、片方の端が、保持部材132を挟み込むクリップフィンガー部130でトリガー外枠24に接続されている。その耳部134は、トリガー外枠24の傾斜側面135を押圧しており、ディスペンサーの操作中にクリップ部130が外れないよう防止している。断性アーム部材94の他方の端は、試験片束の上方に位置し、溝138に沿ってスライド移動する押出ヘッド部136に繋がっている。特に、押出ヘッド部136は、カム140と溝138と係合するポスト142とを備える。前記のカム、ポスト、溝とで、下記に詳細に説明するように、往復運動をして押出ヘッド部136を上下に移動させるガイド機構の一部を構成している。また、押出ヘッド部136は、下記に詳細に説明するように、最上端の試験片の上面に摩擦係合して、ディスペンサーから押し出すための弾性フィンガーつまり係合部材144を備えている。
【0034】
前記の押出ヘッド部136は、柔軟性アーム部材94の残り部分と一体形成するのが望ましく、「作用ヒンジ部」146で互いにヒンジ接続する。作用ヒンジ部146は、通常の「活用ヒンジ」よりも抵抗力が強いが、柔軟性も備えるため、押出ヘッド部を、試験片に対して枢支移動、下方へ回転、上方へ離脱させることができる。説明の実施例における柔軟性アーム部材94は、ポリプロピレンで形成するが、当業者にとっては、それに代えて、別の適当な柔軟性をもつ素材で形成することが可能なのも理解できよう。
【0035】
本発明のディスペンサーを使用しない場合には、図1aと7aに示すように基本位置にある。ユーザがトリガー24とハウジング22を互いに握って押し込む場合、説明した「受動ロック」状態を解除する必要がある。その後、トリガー24とハウジング22とをバネ62の付勢力に対向して握りしめると、送出動作が始まる。柔軟性アーム部材94がトリガー24に接続されているため、ディスペンサー部品の枢支移動によりアーム部材が駆動されて、開口124と貫通してスライドする、その結果、傘形状のシール部材126による密閉状態が解除される。しかしながら、アーム部材94の形状が開口124の形状にほぼ合致したものであるため、アーム部材94が通過するさいに開口124の周囲に接触係合する。それゆえ、アーム部材94が開口124を貫通する時も、アーム部材94と開口124の疑似シール状態が維持される。言い換えれば、ディスペンサー操作につれてシール部材126が開口124から離脱しても、アーム部材94と開口124とは密接に係合しているため、両者間の密閉状態が著しく逸脱しないのである。
【0036】
図7aと7bに示すように、柔軟性アーム部材94の開始動作により、押出ヘッド部136が、試験片の束から離れた非係合位置から、そのフィンガー144が最上端の試験片に摩擦係合する位置まで、カム140に対して枢支回転する。言い換えれば、カム140が枢支軸の役目をし、図7bに示すように、アーム部材94の矢印方向150へのスライド移動が作用ヒンジ146へ伝達されて、カム140を中心にしたモーメント力が発生する。その力により、矢印152で示すように、押出ヘッド部136が下方へ枢支移動するのである。同時に、押出ヘッド部136は、図の右方向へ移動するため、最上端の試験片がリップシール部42のフラップ40を押し開いて、ディスペンサーから突き出る。試験片30が通過する時、リップシール部42は疑似密閉状態を維持する。なお、試験片30は、押出ヘッド部が右方向へ移動するにつれ、試験片30の添加端またはミーター挿入端が先に突き出るよう、カセット84内に収納されている。
【0037】
図7bに示すように、溝138の端は傾斜端148となっている。そのため、送出操作の最終段階でそのポスト部142が傾斜端148と係合すると、押出ヘッド部136が上方へ枢支回転して、図7cに示すように、最上端の試験片から離脱する。この上方向への枢支回転は、送出操作の最終段階でのカム140のモーメント力の発生に関係なく行われる。特に、押出ヘッド部136が最上端の試験片から離脱するため、その試験片は、リップシール部42自体のわずかな摩擦力に抵抗するだけで、ディスペンサー20から容易に押し出されるのである。図7cに示すように、送出操作の最終段階では、柔軟性アーム部材94は、ほぼ直線形状になる。アーム部材94の曲がった状態つまり直線形状は、トリガーとハウジングを同時に握りしめた時、トリガー24に接続されたアーム部材94の先端がハウジング22に対して上方向へ移動するからである。
【0038】
ユーザが握り動作を緩めると、前記のバネ62の作用により、トリガー24とハウジング22が元の基本位置へ戻り、図7dに示すように、カム140に対向モーメント力が発生する。つまり戻り操作では、図7dに示すアーム部材94の矢印156の方向へのスライド移動が作用ヒンジ146に伝わり、カム140にモーメント力を発生させるため、押出ヘッド部136を非係合位置に維持できる。特に、ディスペンサーから試験片が完全に抜き取られる前にユーザが握りを緩めた場合でも、戻り動作中の押出ヘッド部136が試験片に係合することはない。それゆえ、トリガーとハウジングの動作の解除前にユーザがディスペンサーから試験片を抜き取るのに失敗した場合でも、戻り動作中に試験片が後退しないのである。
【0039】
前記の試験片が抜き取られてディスペンサーが基本位置に戻った後、リップシール部42はその弾性力で密閉状態つまり閉止状態に自動的に戻るため、ユーザがディスペンサーを閉止させることを覚えておく必要がない。
【0040】
別のオプションとして、ディスペンサー20を、試験片を読み取るテストミーターと一体構造に形成することも可能である。ミーターは、試験片30および/またはディスペンサー20からデータを入手して分析する。ディスペンサー20は、製造ロット番号、効力期限、試験片タイプ、その他の試験片の情報を記憶する無線周波数認識(RFID)タッグを備えた構成でも構わない。また、ディスペンサーをミーターに近づけると、RFIDタッグへ信号を送信できるRFID読取器を、ミーターに備えることもできる。そのため、RFIDタッグに記憶されたデータを、ミーターが受信可能となる。RFID技術は周知であって、さらに本文で詳細に説明する必要はないであろう。
【0041】
前記の説明する実施例のハウジング22は、図9aと9bに示すように、取出口32を覆うリップシール部カバー190を備える。リップシール部カバー190は、摩擦係合により取出口32のリップ突起194と係合するソケットを構成する内面192を備える。図示するように、リップシール部カバー190は、ハウジング22にヒンジ取り付けされている。しかしながら、リップシール部カバー190と取出口32の接続はヒンジに限らず、スナップオン接続など、その他の適当な手段で接続することも可能である。ディスペンサーを使用する時、ユーザが指つまり親指でタブ部196を押せば、リップシール部カバー190が取出口32から枢支移動して、図9aに示すように、リップシール部42のフラップ40が露出される。ディスペンサーを使用しない時は、リップシール部カバー190は取出口32に位置しており、図9bに示すように、リップシール部42のフラップ40を覆っている。リップシール部カバー190は、プラスチック、合成素材、金属など多様な素材から形成することが可能である。特に、リップシール部カバー190は、取出口32の埃よけカバーとして作用し、ディスペンサーが服のポケット内や容器内で持ち運びされる場合に、それに内蔵された鍵、硬貨、化粧品などに接触して損傷しないよう、取出口32を保護することができる。
【0042】
さらに、説明の実施例のハウジング22は、図10aと10bに示すように、リップシール部42の両フラップ40間に挿入され、ハウジング22に一体に取り付けされたプラットホーム部230を備えることも可能である。プラットホーム230は、図10aに示すように、リップシール部42内に適合できる大きさに形成されている。ディスペンサーを使用しない時は、両フラップ40間に挿入されたプラットホーム230は、プラグ栓として作用し、フラップ40の気密状態を維持する。図10bに示すように、ディスペンサーから試験片30を取り出す時、試験片30が上側のフラップ40を外方向へ押し曲げてディスペンサーから突き出る。その後、上側フラップ40は外方向位置に維持されるが、プラットホーム230に対しては接触状態を保持したままである。プラットホーム230の上面は、試験片30がリップシール部42を通過する時、試験片30が乗る、つまり、その上をスライド移動できるような表面となっている。ディスペンサーの構造が、プラットホームと上側フラップのあいだだけでなく、プラットホームと下側フラップのあいだから試験片が取り出せるような形状であっても構わないのも理解できよう。プラットホーム230は、プラスチック、合成素材、金属など多様な素材から形成することができる。
【0043】
図11aと11bに示すように、前記のハウジング22は、密閉状態を作成するため再構成された取出口330を備えても構わない。製造効率を高めるため、シール部346を射出成形などを使って一工程で作成するのが望ましい。ただし射出成形の欠点の1つとして、リップシール部42などの非連続部分に、成形金型内に両フラップ342と344を分離する部分を作成する必要がある。シール部346を一体に形成する場合には、両フラップのあいだに図11aに示すような隙間348などの小さなギャップを設ける。
【0044】
ただし、図11aに示すシール部346は、気密性でないため不適当である。元の成形金型部位に隙間が存在するため、図11aに示すシール部346は、最初の金型成形の後で、両フラップが互いに接触するだけでばく付勢し合う密閉状態を作成するため、反転つまり再構成できるよう設計する必要がある。特に、下側のフラップ344は、左側つまりディスペンサーの内側方向に傾倒させ、左側つまりディスペンサーの内側方向へ突出する突起部350を備えている。上側フラップ342も、下側フラップ344の反対方向へ傾倒させ、図11aの右側つまり外側方向へ突出する突起部352を備える。そして、金型成形の後、図11bに示すような柔軟性シール部346を再構成するため、フラップ342と233が互いに付勢し合って密閉状態を作成できるよう、両フラップの位置を反転させるのである。例えば、図11aの状態で、上側フラップ342に応力を加えて、上側フラップ342を下側フラップ344の上方を越えて左方向へ移動させる、および/または、下側フラップ344に応力を加えて、下側フラップ344を上側フラップ342の下方を越えて右方向へ移動させる。別の方法として、一番最初の試験片をディスペンサーから取り出す時、試験片に下側フラップ344を右方向へ押圧させて上側フラップ342を通過させ、図11bで示す密閉状態を作成することも可能である。ディスペンサーからの試験片の取り出しが完了すると、図11bに示すような状態が達成できる。
【0045】
前記のフラップ342は型成形の後に右側に位置し、フラップ344は型成形の後に左側に位置するため、図11bに示す密閉状態への反転操作により、両フラップが互いに付勢し合う密閉状態を構成することができる。つまり、図11bに示すように、上側フラップ342は下側フラップ344の左側に配置される。そして、上側フラップ342と下側フラップ344とが、図11bの矢印で示す方向に相互に付勢される。試験片が取り出される時、試験片により両フラップが押されて、上側フラップ342から下側フラップ344を移動つまり偏移させて、ディスペンサーから突き出る。前記の例で説明したように、シール部346は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、上側フラップ342と下側フラップ344の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。加えて、弾性シール部346を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0046】
図12aと12bに示す別の例として、ハウジング22は、密閉状態を作成するため再構成できる取出口430を備える。図12aに示すように、取出口430は、型成形され、弾性シール部446を作成する上側フラップ442と下側フラップ444を備える。当初、下側フラップ444は、上側フラップ442の左側に位置する。この状態では、上側フラップ442と下側フラップ444の位置は、弾性シール部446が型形成された後と同じ位置である。そして、弾性シール部446を再構成するため、上側フラップ442と下側フラップ444が互いに付勢し合うよう両フラップの位置を反転させる。例えば、図12aの状態での下側フラップ444に応力を加えて、下側フラップ444を上側フラップ442の下方を越えて右方向へ移動させるのである。
【0047】
図12bで示す反転状態では、上側フラップ442は、下側フラップ444の左側に位置する。そして、上側フラップ442と下側フラップ444とが、図12bの矢印で示す方向に相互に付勢される。試験片が取り出される時、試験片により両フラップが押されて、上側フラップ442から下側フラップ444を移動つまり偏移させて、ディスペンサーから突き出る。上側フラップ442から下側フラップ444は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、上側フラップ342と下側フラップ344の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。さらに、上側フラップ442および/または下側フラップ444は、前記のリブ38(図1と2参照)と一体に形成することも可能である。加えて、弾性シール部446を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0048】
さらに、図13と14に示す別の例として、ハウジング22は、取出口532を覆うキャップ530を備える。キャップ530は、取出口532の形状にほぼ合致し、わずかに小さな外面形状をもつため、キャップ530は取出口532内に適合取り付けできる。キャップ530には、試験片30が取り出される開口536が設けられている。キャップ530は、プラスチック、合成素材、金属、その他の素材などで形成できる。前記のリップシール部カバー190と同様に、キャップ530も取出口530の埃よけカバーとして作用し、異物との接触による損傷から取出口532を保護することができる。
【0049】
前記の取出口532には、図14に示す弾性シール部5542を形成するフラップ540が備わる。さらに、ハウジング22とフラップ540のあいだには、図14に示すように、弾性シール部542を再構成するためのバイアス部材534が楔状に設けられ、挿入されており、両フラップ540がバイアス部材534により付勢されるため、密閉状態が作成されるのである。つまり、キャップ530をディスペンサー20内に取り付けて、楔形状のバイアス部材534をハウジング22とフラップ540のあいだに挿入し、バイアス部材534により両フラップ540を互いに付勢させる。図示のように、バイアス部材534は、キャップ530と一体に形成されている。試験片が取り出される時、試験片が両フラップ540間を通過するさいに、両フラップ540を離間方向へ移動つまり偏移させて、ディスペンサーの開口536から突き出る。両フラップ540は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、両フラップ540の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。また、図9aと9bに示す実施例を、両フラップを互いに付勢させるバイアス部材を備える構成としても構わないのも理解できよう。
【0050】
図15a〜15cに示すように、ハウジング22に、部分的あるいは全体的に「あひるのクチバシ」形状の密閉状態を形成するため再構成できる取出口630を備えることも可能である。取出口630は、図15aに示すように、細長い隙間644を形成する両壁部640にてクチバシ形状に形成されている。図15aに示す壁部640は、左側に突き出ている。その場合、弾性シール部642が型形成された時点で、壁部640はほぼ同じ位置に配置される。上記で説明したのと同様に、シール部642は射出成形で一体に形成するのが好ましく、成形のための金型から外されると、両壁部640のあいだに隙間646が形成される。しかし、図15aと15bとの比較から判るように、その後で、隙間646をなくすため、クチバシ形状のシール部642を内側から外側へ反転させるのである。つまり、図15aに示す両壁部640の外側曲面648が、図15bに示すように、シール部の内壁面に変換されるため、両壁部640が図15bの矢印で示すように互いに付勢し合って、密閉状態を形成するのである。図15aに示す両壁部640の曲面形状のおかげで、シール部642を内外反転された場合に形成される図15bに示す構造において、付勢力を高めることができる。
【0051】
図15cに示すように、試験片30を取り出す時、試験片30が両壁部640間を通過するさいに、上側壁部を下側壁部から移動つまり離間させて、ディスペンサーから突き出る。両壁部640は、Santoprene(登録商標)で形成してもよいし、両壁部640の反りや曲げを可能にするその他の適当な弾性素材で形成することもできる。両壁部640は、前記のリブ38(図1と2参照)と一体に形成することも可能である。加えて、弾性シール部642を、キャップ(図9a参照)で保護しても構わない。
【0052】
さらにまた別の例として、ディスペンサーを、ユーザが試験片に接触することなく、試験片をミーターに挿入するのを容易にできる構成にすることも可能である。例えば、図16に示すように、試験片の束をディスペンサーに収納する場合、試験片のミーター挿入端がディスペンサーから最初に突き出るように積み重ねる(図2に示す状態の反対の状態)。そして、ディスペンサーの基本位置と送出位置との中間に「保留」位置を設けて、試験片の先端がディスペンサーから突き出た状態で、試験片をその位置に保持できるようにする。
【0053】
図16に示すように、前記の溝138内に切り欠き部である戻り止め凹部147を形成して、ユーザによりトリガーとハウジングとが握りしめられると、押出ヘッド部136が右側へスライド移動し、ポスト部142が戻り止め凹部147に係合できるようにする。戻り止め凹部147は、ディスペンサーが作動する時、そのポスト部142がガイドされる位置に形成する。その保留位置では、試験片30の一部がリップシール部42を通過して、その先端がディスペンサーから突き出た状態となる。ポスト部142が戻り止め凹部147と係合して、押出ヘッド部136の前進動作が停止すると、そのショックがユーザに感知される。その保留位置では、押出ヘッド部のフィンガー144が試験片の上面と摩擦係合した状態である。試験片30がフィンガー144に保持されるため、その先端のミーター挿入端がディスペンサーの取出口32から突き出たまま維持される。
【0054】
前記の中間位置である保留位置の状態で、ユーザは、試験片30の入力のため、ディスペンサー20をミーターに接続することができる。図17a〜17cに示すように、テストミーター700には、試験片30のミーター挿入端33を受け取るための開口702が設けてある。図17aに示すように、ユーザがトリガー24とハウジング22を説明した「受動ロック」に抵抗して矢印の方向704へ互いに押圧し、さらに、トリガー24とハウジング22を継続して握りしめると、保留位置に達する。保留位置では、ポスト部142が戻り止め凹部147と係合するさいに発生する、押出ヘッド部136の前進動作の停止によるショックが、ユーザに信号として伝わる。この実施形態では、ディスペンサー20の取出口32から試験片30のミーター挿入端33が突き出たまま、フィンガー144が試験片の上面と摩擦係合した状態に維持される。
【0055】
その後、ユーザが、試験片30の挿入端33をミーターの開口702に整合させて、ディスペンサーを図17bの矢印706の方向に移動させると、試験片30の挿入端33がテストミーター700の開口702内に挿入される。好ましくは、試験片の挿入端を所定の深さまで挿入させた後、テストミーター700で保持する。
【0056】
その時点で、ミーターとディスペンサーとは、密接に接合した状態となる。ディスペンサーが前記で説明したRFIDタッグを備える場合には、ミーター700にもRFID読取装置を備えて、RFIDタッグからデータをダウンロードさせる。そのようなデータには、ディスペンサー20内に収納された試験片30の校正データや使用期限データ等などが含まれる。多くの従来の試験片バイアルでは、そのような情報は、バイアルと共にパッケージされたメモリーチップ内に記憶されている。それゆえ、バイアルの試験片を分析する前に、メモリーチップをミーターに挿入する必要がある。しかし、実施例におけるRFIDタッグの利用により、メモリーチップ採用の必要性や、ユーザによるミーターへのメモリーチップの挿入の必要性をなくすことができる。
【0057】
図17bに示すように、ディスペンサーとミーターとを接合した後、試験片をディスペンサーから切り離す。図17cに示すように、切り離しは、トリガー24とハウジング22とを共に矢印708の方向へさらに握りしめて、前記の実施例で説明した「送出」位置まで移動させることで行える。送出位置では、前記のフィンガーが試験片を離れて上昇するため、試験片を取り出すことができる。図17cに示すように、試験片30をテストミーター700の開口702に挿入した状態で、ディスペンサーをテストミーター700から矢印710の方向へ引き戻すのである。その結果、試験片の添加端35はミーターから突き出る状態となり、液体サンプル添加が可能となる。
【0058】
本発明の原理に従う好適実施例を説明したが、本発明はそれら説明の実施例に限定されるものではない。本発明の適用説明は、基本原理を利用する本発明の変更例、使用例、適応例をもカバーするため記述されたものである。さらに、付随の発明の請求項の範囲にあって、かつ、本発明の技術分野での周知または既存の実施方法の範囲にある、前記の開示内容からの逸脱内容をもカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による物品ディスペンサーの基本位置を示す斜視図である。
【図2】本発明による物品ディスペンサーの送出位置を示す斜視図である。
【図1a】本発明による物品ディスペンサーの別の実施形態の基本位置を示す斜視図である。
【図2a】本発明による物品ディスペンサーの別の実施形態の送出位置を示す斜視図である。
【図3】前記のディスペンサーの内部部品を示す図1と2の部分斜視断面図である。
【図4】図1と2のディスペンサーの分解斜視図である。
【図5a】本発明の実施形態における、シール部の拡大部分斜視図である。
【図5b】本発明の実施形態における、シール部の拡大部分断面図である。
【図6】本発明の実施形態における、ディスペンサー本体つまりカセットの分解斜視図である。
【図7a】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7b】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7c】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図7d】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置から送出位置までの移動および復帰を示す側断面図である。
【図8a】図1と2のディスペンサーの一部を切り取った分解斜視図である。
【図8b】本発明の実施形態におけるロック機構の拡大部分図である。
【図8c】トリガーへの柔軟アーム部の接続を示す拡大部分斜視図である。
【図9a】本発明の実施形態における、リップシール部カバーを示す拡大部分斜視図である。
【図9b】本発明の実施形態における、リップシール部カバーを示す拡大部分斜視図である。
【図10a】本発明の実施形態における、プラットホームとリップシール部カバーの部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図10b】本発明の実施形態における、プラットホームとリップシール部カバーの部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図11a】本発明の実施形態における、リップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図11b】本発明の実施形態における、再構成されたリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図12a】本発明の実施形態における、別のリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図12b】本発明の実施形態における、再構成された別のリップシール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図13】本発明の実施形態における、キャップを示す拡大部分斜視図である。
【図14】本発明の実施形態における、キャップと取出口の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15a】本発明の実施形態における、弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15b】本発明の実施形態における、再構成された弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図15c】本発明の実施形態における、物品がシール部から取り出される再構成された弾性シール部の部分断面を示す拡大部分斜視図である。
【図16】本発明の実施形態のディスペンサーの基本位置からオプションの保留位置までの移動を示す側断面図である。
【図17a】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【図17b】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【図17c】取り出された物品を読み取るミーターを伴った、本発明の実施形態の物品ディスペンサーを使用する方法を示す斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦物品の束を収納するハウジングとトリガーを含み、前記トリガーは、トリガーとハウジングとを共に枢支動作させた時、前記束のうち最上端の平坦物品に係合して、平坦物品の少なくとも一部をディスペンサーから押し出すための操作部材を備えるトリガーに枢支接続され、
前記のハウジングとトリガーの一方が、ソケットの役目をし、前記のハウジングとトリガーの他方が、それらトリガーとハウジングとを同時に枢支動作させた時、前記のソケット内に少なくとも一部が収容される、平坦物品のディスペンサー。
【請求項2】
前記のトリガーが、ソケットの役目をする請求項1記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記の操作部材が、前記のハウジングに対して前記のトリガーが枢支移動する時可撓する弾性アーム部からなる請求項1記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記の操作部材が、前記の物品束の上方に配置された係合部材からなり、前記のトリガーとハウジングの同時の枢支動作が、最上端の物品の上面と摩擦係合させるため、前記の係合部材を下方へ付勢する請求項3記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記のハウジングとトリガーが、前記のハウジングとトリガーの底部で枢支接続されており、ディスペンサーの上部で収容動作が行われる請求項1記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記のトリガーが、ソケットの役目をし、アーチ形状の内壁部を備え、前記のハウジングがアーチ形状の外壁部を備え、それら両方の壁部が、前記のトリガーとハウジングが同時に枢支移動する際ほぼ同軸の状態となる請求項5記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記の底部の一部分に、円筒形凹部が形成され、他の部分に、前記の円筒形凹部内にはめ込まれた円筒形ポストが設けられている請求項5記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記の平坦物品が、試験辺である請求項1記載のディスペンサー。
【請求項9】
さらに、前記の試験片を収納する、前記のハウジング内に配備されたカセットを備える請求項8記載のディスペンサー。
【請求項10】
さらに、前記のハウジングから離れるよう前記のトリガーを付勢するバネを備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記のハウジングとトリガーが、前記のバネの付勢力により前記のハウジングとトリガーとが離れる方向に付勢される基本位置と、前記のバネの付勢力に対向して前記のハウジングとトリガーが同時に枢支動作する送出位置とのあいだで、枢支動作する請求項10記載のディスペンサー。
【請求項12】
さらに、前記のハウジングとトリガーを前記の基本位置にロック固定するロック機構を備え、前記のロック機構を解除するには、前記のバネの付勢力よりも大きな力が必要となるため、前記の物品の不用意な送り出しが防止できる請求項11記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記のロック機構が、前記のハウジングとトリガーの一方から伸長し、前記のハウジングとトリガーの他方に形成された凹部内に脱着可能にはめ込まれた突起を備える請求項12記載のディスペンサー。
【請求項14】
さらに、前記の物品を送り出す取出口を備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記の前記の取出口が、リップシール部である請求項14記載のディスペンサー。
【請求項16】
さらに、前記のリップシール部と一体に形成され、前記のハウジング上に配置されたグリップ部を備える請求項15記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記のハウジングが、さらに、前記の物品束の物品の数を目視するための窓部を備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項18】
さらに、前記のリップシール部を覆うリップシール部カバーを備える請求項15記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記のリップシール部カバーが、前記の物品が送り出される時通過する開口を備える請求項18記載のディスペンサー。
【請求項20】
前記のリップシール部が、互いに付勢し合った2つの弾性部材からなる請求項15記載のディスペンサー。
【請求項21】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品が送り出されてそれらのあいだを通過する時に、互いに離れる方向に押し合う請求項20記載のディスペンサー。
【請求項22】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部を脱着可能に覆う請求項18記載のディスペンサー。
【請求項23】
前記のリップシール部カバーが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項22記載のディスペンサー。
【請求項24】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される時通過する開口を備える中空本体と、
前記の物品束の最上端の物品に係合するための係合部材を備え、前記の中空本体内の基本位置と送出位置とのあいだにスライド移動可能に配備された押出ヘッド部と、
前記の物品束の最上端の物品に係合させるよう前記の押出ヘッド部を移動させ、その最上端の物品を前記の開口から少なくとも部分的に突き出すよう作動する、前記の押出ヘッド部に取り付けられた柔軟性アーム部材とを含む平坦部品のディスペンサー。
【請求項25】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた請求項24記載のディスペンサー。
【請求項26】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部と一体に形成されている請求項24記載のディスペンサー。
【請求項27】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた請求項26記載のディスペンサー。
【請求項28】
前記の中空本体が、前記の柔軟性アーム部材がスライド移動する開口が形成された壁部を備える請求項24記載のディスペンサー。
【請求項29】
前記の柔軟性アーム部材が、シール部材を備え、前記の開口が、密閉面を有し、前記の押出ヘッド部が基本位置にある時は、前記のシール部材は前記の密閉面に係合する請求項28記載のディスペンサー。
【請求項30】
前記のシール部材が、前記の柔軟性アーム部材を取り囲む弾性フランジを備え、前記の押出ヘッド部が基本位置にある時は、前記の弾性フランジは前記の開口の外周部に係合する請求項29記載のディスペンサー。
【請求項31】
前記の外周部が、フレア形状または円錐形状である請求項30記載のディスペンサー。
【請求項32】
前記の中空本体が内蔵配備されたハウジングと、前記のハウジングに枢支接続されたトリガーとをさらに含み、前記の柔軟性アーム部材が前記のトリガーに接続されており、前記のハウジングに向けた前記のトリガーの枢支移動により、前記の柔軟性アーム部材が前記の物品束の最上端物品に係合する前記の押出ヘッド部を動かし、その最上端物品を前記の開口から少なくとも部分的に突き出す請求項24記載のディスペンサー。
【請求項33】
前記のハウジングから離れる方向の前記のトリガーの枢支移動が、前記の柔軟性アーム部材を動かして前記の押出ヘッド部を前記の物品束から離れる方向へ偏移させる請求項32記載のディスペンサー。
【請求項34】
前記の柔軟性アーム部材が、前記のハウジングと本体が互いに向けて枢支移動すると、直線状態になる請求項32記載のディスペンサー。
【請求項35】
前記のトリガーが、前記のハウジングとトリガーが同時に枢支動作されると、前記のハウジングが少なくとも部分的に収容されるソケットの役目をする請求項32記載のディスペンサー。
【請求項36】
前記の中空本体が、前記のハウジング内に中空本体を位置決めする弾性部材を備える請求項32記載のディスペンサー。
【請求項37】
前記のハウジングが、前記の物品が押し出される取出口を備える請求項32記載のディスペンサー。
【請求項38】
前記の取出口が、リップシール部を形成できるよう互いに付勢される2つの弾性部材を備える請求項37記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品が送り出されてそれらのあいだを通過する時に、互いに離れる方向に押し合う請求項38記載のディスペンサー。
【請求項40】
前記のハウジングが、前記のリップシール部を覆うリップシール部カバーをさらに含む請求項38記載のディスペンサー。
【請求項41】
前記のリップシール部カバーが、前記の物品が送り出される時通過する開口を含む請求項40記載のディスペンサー。
【請求項42】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部を脱着可能に覆う請求項40記載のディスペンサー。
【請求項43】
前記のリップシール部カバーが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項40記載のディスペンサー。
【請求項44】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部に接触する付勢部材を含み、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する請求項40記載のディスペンサー。
【請求項45】
前記の付勢部材が、前記のハウジングとリップシールのあいだに楔状に設けられ、挿入された脚部を含む請求項44記載のディスペンサー。
【請求項46】
前記の脚部が、1対の脚部である請求項45記載のディスペンサー。
【請求項47】
前記の各脚部が、前記の弾性部材の片方とハウジングのあいだに楔状に設けられ、挿入されている請求項46記載のディスペンサー。
【請求項48】
前記の平坦物品が、試験片である請求項24記載のディスペンサー。
【請求項49】
試験片の束を収納し、前記の試験片が送り出される時通過する開口を備える中空本体と、
前記の試験片束の上方に配置され、その押出ヘッド部の基本位置から送出位置への移動が、前記の試験片束の最上端の試験片を前記の開口から少なくとも部分的に突き出すよう作動する送出ストロークであり、その押出ヘッド部の送出位置から基本位置への移動が戻りストロークである、前記の中空本体内の基本位置と送出位置とのあいだにスライド移動可能に配備された押出ヘッド部と、
前記の送出ストロークの少なくとも一部の期間に、前記の押出ヘッド部を前記の試験片束の最上端試験片に向けて付勢し、前記の送出ストロークの終わりに、前記の押出ヘッド部を前記の最上端試験片から離れる方向へ移動させるガイド集合体とを含む試験片ディスペンサー。
【請求項50】
前記のガイド集合体が、前記の中空本体の溝部と、前記の溝部にスライド可能にはめ込まれた、前記の押出ヘッド部から伸長するカムとポストの少なくとも1つを含む請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項51】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムを備えており、前記のカムが、前記の押出ヘッド部が前記の試験片束に対して枢支移動する時の枢支軸の役目をする請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項52】
前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた操作可能アーム部材をさらに含み、前記のアーム部材の操作により、前記の押出ヘッド部を前記の基本位置と送出位置とのあいだを往復移動させる、前記の押出ヘッド部を前記の試験片の束に対して枢支移動させる請求項51記載の試験片ディスペンサー。
【請求項53】
前記の溝部が、戻り止め凹部である請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項54】
前記のカムとポストの少なくともいずれかが、前記の戻り止め凹部内にスライド可能にはめ込まれている請求項53記載の試験片ディスペンサー。
【請求項55】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムとポストの少なくともいずれかが前記の戻り止め凹部内でスライド移動する時、前記の最上端試験片に対して付勢させる請求項54記載の試験片ディスペンサー。
【請求項56】
前記の押出ヘッド部が、前記のポストを備えており、前記の溝部が、さらに、前記の送出ストロークの終わりに前記のポストと係合し、前記の押出ヘッド部を前記の最上端試験片から離れる方向へ移動させる傾斜部を備えるため、前記の最上端試験片をディスペンサーから容易に取り出せる請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項57】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムを備えており、前記の傾斜部が前記のポストと係合する時、前記の押出ヘッド部は前記のカムを中心に枢支移動する請求項56記載の試験片ディスペンサー。
【請求項58】
前記の押出ヘッド部が、前記の送出位置から前記の基本位置へ戻る時、前記の試験片の束から離間する請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項59】
前記の押出ヘッド部が、前記の送出ストロークの時に前記の最上端試験片に係合する、そこから下方へ伸長する弾性フィンガー部を備える請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項60】
前記のフィンガー部が、1対のフィンガー部からなる請求項59記載の試験片ディスペンサー。
【請求項61】
前記の中空本体が、防湿素材で形成されている請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項62】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される時通過する開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性部材のあいだを通過する、前記の開口を密閉する2つの弾性部材からなり、前記の開口内に配置された弾性シール部と、
前記の弾性シール部に接触して、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する付勢部材とを含む、平坦物品のディスペンサー。
【請求項63】
前記の弾性シール部を覆うキャップをさらに含む請求項62記載のディスペンサー。
【請求項64】
前記のキャップが、前記の物品が送り出されるさい通過する開口を備える請求項63記載のディスペンサー。
【請求項65】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項66】
前記のキャップが、前記の付勢部材と一体に形成されている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項67】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項68】
前記の付勢部材が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された脚部を備える請求項62記載のディスペンサー。
【請求項69】
前記の脚部が、1対の脚部である請求項68記載のディスペンサー。
【請求項70】
前記の各脚部が、前記の弾性部材の片方とハウジングのあいだに楔状に設けられ、挿入されている請求項69記載のディスペンサー。
【請求項71】
前記の2つの付勢部材が、前記の物品が送り出されて2つの弾性部材のあいだを通過する時、互いに離れる方向へ押し合う請求項62記載のディスペンサー。
【請求項72】
前記の弾性シール部が、リップシール部である請求項62記載のディスペンサー。
【請求項73】
前記の弾性部材の両端が、互いに重なる請求項62記載のディスペンサー。
【請求項74】
前記の平坦物品が、試験片である請求項62記載のディスペンサー。
【請求項75】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性部材のあいだを通過するよう、前記の開口を密閉する2つの弾性部材からなり、前記の開口内に配置された弾性シール部と、
前記の弾性シール部を覆うキャップとを含む平坦物品のディスペンサー。
【請求項76】
前記の弾性シール部が、リップシール部である請求項75記載のディスペンサー。
【請求項77】
前記の弾性シール部が、同時に付勢される2つの弾性部材をもつチャンネルである請求項75記載のディスペンサー。
【請求項78】
前記の弾性部材が、ほぼ平坦な壁部である請求項77記載のディスペンサー。
【請求項79】
前記の弾性シール部が、製造後に内外を反転させて形成されている請求項78記載のディスペンサー。
【請求項80】
前記のキャップが、前記の物品が送り出される際通過する開口を備える請求項75記載のディスペンサー。
【請求項81】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項82】
前記のキャップが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項83】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項84】
前記のキャップが、前記の弾性シール部と接触して、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する請求項75記載のディスペンサー。
【請求項85】
前記のキャップが、前記の2つの弾性部材を同時に付勢できるよう、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された付勢部材を備える請求項84記載のディスペンサー。
【請求項86】
前記の弾性部材が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された1対の脚部を備える請求項85記載のディスペンサー。
【請求項87】
前記の脚部が、楔形状である請求項86記載のディスペンサー。
【請求項88】
前記の2つの付勢部材が、前記の物品が送り出されて2つの弾性部材のあいだを通過する時、互いに離れる方向へ押し合う請求項85記載のディスペンサー。
【請求項89】
前記の平坦物品が、試験片である請求項75記載のディスペンサー。
【請求項90】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性壁部のあいだを通過するよう、前記の開口を密閉するための2つの互いに付勢し合う弾性壁部をもつチャンネルからなり、前記の開口内に配置された弾性シール部とを含む、平坦物品のディスペンサー。
【請求項91】
前記の弾性シール部が、製造後に内外を反転させて形成されている請求項90記載のディスペンサー。
【請求項92】
さらに、前記の弾性シール部を覆うキャップを備える請求項90記載のディスペンサー。
【請求項93】
前記のキャップが、前記の物品が送り出される際に通過する開口を備える請求項92記載のディスペンサー。
【請求項94】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項95】
前記のキャップが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項96】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項97】
前記の平坦物品が、試験片である請求項90記載のディスペンサー。
【請求項98】
平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を設けたハウジングを備えるタイプのディスペンサーのシール部を作成する方法であって、
(a)両方のあいだに隙間を形成する2つの弾性部材を備えた弾性シール部を作成する工程と、
(b)前記の2つの弾性部材が互いに接触して同時に付勢し合うよう、前記の弾性シール部を再構成する工程と、
(c)前記の開口内に前記の弾性シール部を取り付ける工程とからなる、ディスペンサーのシール部作成方法。
【請求項99】
前記の弾性部シール材を作成する工程が、型成形法である請求項98記載の方法。
【請求項100】
前記の弾性シール部の型成形法が、射出成形である請求項99記載の方法。
【請求項101】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記の2つの弾性部材を反転させる工程である請求項98記載の方法。
【請求項102】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記の弾性シール部の内外を反転させる工程である請求項98記載の方法。
【請求項103】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに付勢部材を挿入する工程である請求項102記載の方法。
【請求項104】
前記の付勢部材を挿入する工程が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに脚部を楔挿入する工程である請求項103記載の方法。
【請求項105】
前記の弾性シール部が、チャンネルで構成されており、前記の弾性部材が、前記のチャンネルを構成する弾性壁部である請求項98記載の方法。
【請求項106】
前記の弾性部材が、フラップである請求項98記載の方法。
【請求項107】
さらに、前記の工程(a)、(b)、(c)を実行する工程とを備える請求項98記載の方法。
【請求項108】
さらに、前記の弾性シール部をキャップで覆う工程とを備える請求項98記載の方法。
【請求項109】
前記の平坦物品が、試験片である請求項98記載の方法。
【請求項110】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品がそれら両方の弾性部材のあいだを通過した後、互いに接触するよう弾性復帰し再び互いに付勢し合うため、前記のディスペンサーが自己密閉式となる請求項98記載の方法。
【請求項111】
試験片の束を収納し、前記の試験片が送り出される取出口を設けたハウジングを備えるタイプのディスペンサーから取り出された試験片を、前記の試験片の端を受け取る開口を備えるミーターに装填する方法であって、
(a)前記の試験片のミーター挿入端を前記のディスペンサーから突き出して、前記のディスペンサーが前記の試験片を保持できるよう、前記のディスペンサーを操作する工程と、
(b)前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーターの開口内に挿入する工程と、
(c)前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーター側で保持する工程と、
(d)前記のディスペンサーでの前記の試験片の保持を解除する工程とからなる装填方法。
【請求項112】
前記の工程(b)が、さらに、前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーターの開口に整列させる工程を含む請求項111記載の装填方法。
【請求項113】
さらに、前記の工程(d)の後、前記のミーターから前記のディスペンサーを引き離し、前記の試験片をミーターに留めおく工程を含む請求項111記載の装填方法。
【請求項114】
前記のディスペンサーが、前記のハウジングに枢支接続されたトリガーを備えており、前記のディスペンサーを操作する工程が、前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程である請求項111記載の装填方法。
【請求項115】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、基本位置から、前記の試験片が係合部材で保持される戻り止め位置まで前記のハウジングを動かす工程である請求項114記載の装填方法。
【請求項116】
前記の試験片の保持を解除する工程が、前記の戻り止め位置から、前記の試験片が前記の係合部材から開放される完全送出位置まで前記のトリガーを動かす工程である請求項115記載の装填方法。
【請求項117】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、基本位置から戻り止め位置までの第1移動を含む請求項114記載の装填方法。
【請求項118】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、さらに、前記の戻り止め位置から送出位置までの第2移動を含む請求項117記載の装填方法。
【請求項119】
前記の第1移動と第2移動の両方が、前記のトリガーとハオウジングとを同時に動かす工程である請求項118記載の装填方法。
【請求項1】
平坦物品の束を収納するハウジングとトリガーを含み、前記トリガーは、トリガーとハウジングとを共に枢支動作させた時、前記束のうち最上端の平坦物品に係合して、平坦物品の少なくとも一部をディスペンサーから押し出すための操作部材を備えるトリガーに枢支接続され、
前記のハウジングとトリガーの一方が、ソケットの役目をし、前記のハウジングとトリガーの他方が、それらトリガーとハウジングとを同時に枢支動作させた時、前記のソケット内に少なくとも一部が収容される、平坦物品のディスペンサー。
【請求項2】
前記のトリガーが、ソケットの役目をする請求項1記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記の操作部材が、前記のハウジングに対して前記のトリガーが枢支移動する時可撓する弾性アーム部からなる請求項1記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記の操作部材が、前記の物品束の上方に配置された係合部材からなり、前記のトリガーとハウジングの同時の枢支動作が、最上端の物品の上面と摩擦係合させるため、前記の係合部材を下方へ付勢する請求項3記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記のハウジングとトリガーが、前記のハウジングとトリガーの底部で枢支接続されており、ディスペンサーの上部で収容動作が行われる請求項1記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記のトリガーが、ソケットの役目をし、アーチ形状の内壁部を備え、前記のハウジングがアーチ形状の外壁部を備え、それら両方の壁部が、前記のトリガーとハウジングが同時に枢支移動する際ほぼ同軸の状態となる請求項5記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記の底部の一部分に、円筒形凹部が形成され、他の部分に、前記の円筒形凹部内にはめ込まれた円筒形ポストが設けられている請求項5記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記の平坦物品が、試験辺である請求項1記載のディスペンサー。
【請求項9】
さらに、前記の試験片を収納する、前記のハウジング内に配備されたカセットを備える請求項8記載のディスペンサー。
【請求項10】
さらに、前記のハウジングから離れるよう前記のトリガーを付勢するバネを備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記のハウジングとトリガーが、前記のバネの付勢力により前記のハウジングとトリガーとが離れる方向に付勢される基本位置と、前記のバネの付勢力に対向して前記のハウジングとトリガーが同時に枢支動作する送出位置とのあいだで、枢支動作する請求項10記載のディスペンサー。
【請求項12】
さらに、前記のハウジングとトリガーを前記の基本位置にロック固定するロック機構を備え、前記のロック機構を解除するには、前記のバネの付勢力よりも大きな力が必要となるため、前記の物品の不用意な送り出しが防止できる請求項11記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記のロック機構が、前記のハウジングとトリガーの一方から伸長し、前記のハウジングとトリガーの他方に形成された凹部内に脱着可能にはめ込まれた突起を備える請求項12記載のディスペンサー。
【請求項14】
さらに、前記の物品を送り出す取出口を備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記の前記の取出口が、リップシール部である請求項14記載のディスペンサー。
【請求項16】
さらに、前記のリップシール部と一体に形成され、前記のハウジング上に配置されたグリップ部を備える請求項15記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記のハウジングが、さらに、前記の物品束の物品の数を目視するための窓部を備える請求項1記載のディスペンサー。
【請求項18】
さらに、前記のリップシール部を覆うリップシール部カバーを備える請求項15記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記のリップシール部カバーが、前記の物品が送り出される時通過する開口を備える請求項18記載のディスペンサー。
【請求項20】
前記のリップシール部が、互いに付勢し合った2つの弾性部材からなる請求項15記載のディスペンサー。
【請求項21】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品が送り出されてそれらのあいだを通過する時に、互いに離れる方向に押し合う請求項20記載のディスペンサー。
【請求項22】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部を脱着可能に覆う請求項18記載のディスペンサー。
【請求項23】
前記のリップシール部カバーが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項22記載のディスペンサー。
【請求項24】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される時通過する開口を備える中空本体と、
前記の物品束の最上端の物品に係合するための係合部材を備え、前記の中空本体内の基本位置と送出位置とのあいだにスライド移動可能に配備された押出ヘッド部と、
前記の物品束の最上端の物品に係合させるよう前記の押出ヘッド部を移動させ、その最上端の物品を前記の開口から少なくとも部分的に突き出すよう作動する、前記の押出ヘッド部に取り付けられた柔軟性アーム部材とを含む平坦部品のディスペンサー。
【請求項25】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた請求項24記載のディスペンサー。
【請求項26】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部と一体に形成されている請求項24記載のディスペンサー。
【請求項27】
前記の柔軟性アーム部材が、前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた請求項26記載のディスペンサー。
【請求項28】
前記の中空本体が、前記の柔軟性アーム部材がスライド移動する開口が形成された壁部を備える請求項24記載のディスペンサー。
【請求項29】
前記の柔軟性アーム部材が、シール部材を備え、前記の開口が、密閉面を有し、前記の押出ヘッド部が基本位置にある時は、前記のシール部材は前記の密閉面に係合する請求項28記載のディスペンサー。
【請求項30】
前記のシール部材が、前記の柔軟性アーム部材を取り囲む弾性フランジを備え、前記の押出ヘッド部が基本位置にある時は、前記の弾性フランジは前記の開口の外周部に係合する請求項29記載のディスペンサー。
【請求項31】
前記の外周部が、フレア形状または円錐形状である請求項30記載のディスペンサー。
【請求項32】
前記の中空本体が内蔵配備されたハウジングと、前記のハウジングに枢支接続されたトリガーとをさらに含み、前記の柔軟性アーム部材が前記のトリガーに接続されており、前記のハウジングに向けた前記のトリガーの枢支移動により、前記の柔軟性アーム部材が前記の物品束の最上端物品に係合する前記の押出ヘッド部を動かし、その最上端物品を前記の開口から少なくとも部分的に突き出す請求項24記載のディスペンサー。
【請求項33】
前記のハウジングから離れる方向の前記のトリガーの枢支移動が、前記の柔軟性アーム部材を動かして前記の押出ヘッド部を前記の物品束から離れる方向へ偏移させる請求項32記載のディスペンサー。
【請求項34】
前記の柔軟性アーム部材が、前記のハウジングと本体が互いに向けて枢支移動すると、直線状態になる請求項32記載のディスペンサー。
【請求項35】
前記のトリガーが、前記のハウジングとトリガーが同時に枢支動作されると、前記のハウジングが少なくとも部分的に収容されるソケットの役目をする請求項32記載のディスペンサー。
【請求項36】
前記の中空本体が、前記のハウジング内に中空本体を位置決めする弾性部材を備える請求項32記載のディスペンサー。
【請求項37】
前記のハウジングが、前記の物品が押し出される取出口を備える請求項32記載のディスペンサー。
【請求項38】
前記の取出口が、リップシール部を形成できるよう互いに付勢される2つの弾性部材を備える請求項37記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品が送り出されてそれらのあいだを通過する時に、互いに離れる方向に押し合う請求項38記載のディスペンサー。
【請求項40】
前記のハウジングが、前記のリップシール部を覆うリップシール部カバーをさらに含む請求項38記載のディスペンサー。
【請求項41】
前記のリップシール部カバーが、前記の物品が送り出される時通過する開口を含む請求項40記載のディスペンサー。
【請求項42】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部を脱着可能に覆う請求項40記載のディスペンサー。
【請求項43】
前記のリップシール部カバーが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項40記載のディスペンサー。
【請求項44】
前記のリップシール部カバーが、前記のリップシール部に接触する付勢部材を含み、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する請求項40記載のディスペンサー。
【請求項45】
前記の付勢部材が、前記のハウジングとリップシールのあいだに楔状に設けられ、挿入された脚部を含む請求項44記載のディスペンサー。
【請求項46】
前記の脚部が、1対の脚部である請求項45記載のディスペンサー。
【請求項47】
前記の各脚部が、前記の弾性部材の片方とハウジングのあいだに楔状に設けられ、挿入されている請求項46記載のディスペンサー。
【請求項48】
前記の平坦物品が、試験片である請求項24記載のディスペンサー。
【請求項49】
試験片の束を収納し、前記の試験片が送り出される時通過する開口を備える中空本体と、
前記の試験片束の上方に配置され、その押出ヘッド部の基本位置から送出位置への移動が、前記の試験片束の最上端の試験片を前記の開口から少なくとも部分的に突き出すよう作動する送出ストロークであり、その押出ヘッド部の送出位置から基本位置への移動が戻りストロークである、前記の中空本体内の基本位置と送出位置とのあいだにスライド移動可能に配備された押出ヘッド部と、
前記の送出ストロークの少なくとも一部の期間に、前記の押出ヘッド部を前記の試験片束の最上端試験片に向けて付勢し、前記の送出ストロークの終わりに、前記の押出ヘッド部を前記の最上端試験片から離れる方向へ移動させるガイド集合体とを含む試験片ディスペンサー。
【請求項50】
前記のガイド集合体が、前記の中空本体の溝部と、前記の溝部にスライド可能にはめ込まれた、前記の押出ヘッド部から伸長するカムとポストの少なくとも1つを含む請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項51】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムを備えており、前記のカムが、前記の押出ヘッド部が前記の試験片束に対して枢支移動する時の枢支軸の役目をする請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項52】
前記の押出ヘッド部にヒンジ取り付けされた操作可能アーム部材をさらに含み、前記のアーム部材の操作により、前記の押出ヘッド部を前記の基本位置と送出位置とのあいだを往復移動させる、前記の押出ヘッド部を前記の試験片の束に対して枢支移動させる請求項51記載の試験片ディスペンサー。
【請求項53】
前記の溝部が、戻り止め凹部である請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項54】
前記のカムとポストの少なくともいずれかが、前記の戻り止め凹部内にスライド可能にはめ込まれている請求項53記載の試験片ディスペンサー。
【請求項55】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムとポストの少なくともいずれかが前記の戻り止め凹部内でスライド移動する時、前記の最上端試験片に対して付勢させる請求項54記載の試験片ディスペンサー。
【請求項56】
前記の押出ヘッド部が、前記のポストを備えており、前記の溝部が、さらに、前記の送出ストロークの終わりに前記のポストと係合し、前記の押出ヘッド部を前記の最上端試験片から離れる方向へ移動させる傾斜部を備えるため、前記の最上端試験片をディスペンサーから容易に取り出せる請求項50記載の試験片ディスペンサー。
【請求項57】
前記の押出ヘッド部が、前記のカムを備えており、前記の傾斜部が前記のポストと係合する時、前記の押出ヘッド部は前記のカムを中心に枢支移動する請求項56記載の試験片ディスペンサー。
【請求項58】
前記の押出ヘッド部が、前記の送出位置から前記の基本位置へ戻る時、前記の試験片の束から離間する請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項59】
前記の押出ヘッド部が、前記の送出ストロークの時に前記の最上端試験片に係合する、そこから下方へ伸長する弾性フィンガー部を備える請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項60】
前記のフィンガー部が、1対のフィンガー部からなる請求項59記載の試験片ディスペンサー。
【請求項61】
前記の中空本体が、防湿素材で形成されている請求項49記載の試験片ディスペンサー。
【請求項62】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される時通過する開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性部材のあいだを通過する、前記の開口を密閉する2つの弾性部材からなり、前記の開口内に配置された弾性シール部と、
前記の弾性シール部に接触して、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する付勢部材とを含む、平坦物品のディスペンサー。
【請求項63】
前記の弾性シール部を覆うキャップをさらに含む請求項62記載のディスペンサー。
【請求項64】
前記のキャップが、前記の物品が送り出されるさい通過する開口を備える請求項63記載のディスペンサー。
【請求項65】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項66】
前記のキャップが、前記の付勢部材と一体に形成されている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項67】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項63記載のディスペンサー。
【請求項68】
前記の付勢部材が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された脚部を備える請求項62記載のディスペンサー。
【請求項69】
前記の脚部が、1対の脚部である請求項68記載のディスペンサー。
【請求項70】
前記の各脚部が、前記の弾性部材の片方とハウジングのあいだに楔状に設けられ、挿入されている請求項69記載のディスペンサー。
【請求項71】
前記の2つの付勢部材が、前記の物品が送り出されて2つの弾性部材のあいだを通過する時、互いに離れる方向へ押し合う請求項62記載のディスペンサー。
【請求項72】
前記の弾性シール部が、リップシール部である請求項62記載のディスペンサー。
【請求項73】
前記の弾性部材の両端が、互いに重なる請求項62記載のディスペンサー。
【請求項74】
前記の平坦物品が、試験片である請求項62記載のディスペンサー。
【請求項75】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性部材のあいだを通過するよう、前記の開口を密閉する2つの弾性部材からなり、前記の開口内に配置された弾性シール部と、
前記の弾性シール部を覆うキャップとを含む平坦物品のディスペンサー。
【請求項76】
前記の弾性シール部が、リップシール部である請求項75記載のディスペンサー。
【請求項77】
前記の弾性シール部が、同時に付勢される2つの弾性部材をもつチャンネルである請求項75記載のディスペンサー。
【請求項78】
前記の弾性部材が、ほぼ平坦な壁部である請求項77記載のディスペンサー。
【請求項79】
前記の弾性シール部が、製造後に内外を反転させて形成されている請求項78記載のディスペンサー。
【請求項80】
前記のキャップが、前記の物品が送り出される際通過する開口を備える請求項75記載のディスペンサー。
【請求項81】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項82】
前記のキャップが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項83】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項75記載のディスペンサー。
【請求項84】
前記のキャップが、前記の弾性シール部と接触して、前記の2つの弾性部材を同時に付勢する請求項75記載のディスペンサー。
【請求項85】
前記のキャップが、前記の2つの弾性部材を同時に付勢できるよう、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された付勢部材を備える請求項84記載のディスペンサー。
【請求項86】
前記の弾性部材が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに楔状に設けられ、挿入された1対の脚部を備える請求項85記載のディスペンサー。
【請求項87】
前記の脚部が、楔形状である請求項86記載のディスペンサー。
【請求項88】
前記の2つの付勢部材が、前記の物品が送り出されて2つの弾性部材のあいだを通過する時、互いに離れる方向へ押し合う請求項85記載のディスペンサー。
【請求項89】
前記の平坦物品が、試験片である請求項75記載のディスペンサー。
【請求項90】
前記の平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を備えるハウジングと、
前記の物品が送り出される時それら2つの弾性壁部のあいだを通過するよう、前記の開口を密閉するための2つの互いに付勢し合う弾性壁部をもつチャンネルからなり、前記の開口内に配置された弾性シール部とを含む、平坦物品のディスペンサー。
【請求項91】
前記の弾性シール部が、製造後に内外を反転させて形成されている請求項90記載のディスペンサー。
【請求項92】
さらに、前記の弾性シール部を覆うキャップを備える請求項90記載のディスペンサー。
【請求項93】
前記のキャップが、前記の物品が送り出される際に通過する開口を備える請求項92記載のディスペンサー。
【請求項94】
前記のキャップが、前記のハウジングに脱着可能に取り付けされている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項95】
前記のキャップが、前記のハウジングにヒンジ取り付けされている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項96】
前記のキャップが、前記のハウジングと一体に形成されている請求項92記載のディスペンサー。
【請求項97】
前記の平坦物品が、試験片である請求項90記載のディスペンサー。
【請求項98】
平坦物品の束を収納し、前記の物品が送り出される開口を設けたハウジングを備えるタイプのディスペンサーのシール部を作成する方法であって、
(a)両方のあいだに隙間を形成する2つの弾性部材を備えた弾性シール部を作成する工程と、
(b)前記の2つの弾性部材が互いに接触して同時に付勢し合うよう、前記の弾性シール部を再構成する工程と、
(c)前記の開口内に前記の弾性シール部を取り付ける工程とからなる、ディスペンサーのシール部作成方法。
【請求項99】
前記の弾性部シール材を作成する工程が、型成形法である請求項98記載の方法。
【請求項100】
前記の弾性シール部の型成形法が、射出成形である請求項99記載の方法。
【請求項101】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記の2つの弾性部材を反転させる工程である請求項98記載の方法。
【請求項102】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記の弾性シール部の内外を反転させる工程である請求項98記載の方法。
【請求項103】
前記の弾性シール部の再構成の工程が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに付勢部材を挿入する工程である請求項102記載の方法。
【請求項104】
前記の付勢部材を挿入する工程が、前記のハウジングと弾性シール部のあいだに脚部を楔挿入する工程である請求項103記載の方法。
【請求項105】
前記の弾性シール部が、チャンネルで構成されており、前記の弾性部材が、前記のチャンネルを構成する弾性壁部である請求項98記載の方法。
【請求項106】
前記の弾性部材が、フラップである請求項98記載の方法。
【請求項107】
さらに、前記の工程(a)、(b)、(c)を実行する工程とを備える請求項98記載の方法。
【請求項108】
さらに、前記の弾性シール部をキャップで覆う工程とを備える請求項98記載の方法。
【請求項109】
前記の平坦物品が、試験片である請求項98記載の方法。
【請求項110】
前記の2つの弾性部材が、前記の物品がそれら両方の弾性部材のあいだを通過した後、互いに接触するよう弾性復帰し再び互いに付勢し合うため、前記のディスペンサーが自己密閉式となる請求項98記載の方法。
【請求項111】
試験片の束を収納し、前記の試験片が送り出される取出口を設けたハウジングを備えるタイプのディスペンサーから取り出された試験片を、前記の試験片の端を受け取る開口を備えるミーターに装填する方法であって、
(a)前記の試験片のミーター挿入端を前記のディスペンサーから突き出して、前記のディスペンサーが前記の試験片を保持できるよう、前記のディスペンサーを操作する工程と、
(b)前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーターの開口内に挿入する工程と、
(c)前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーター側で保持する工程と、
(d)前記のディスペンサーでの前記の試験片の保持を解除する工程とからなる装填方法。
【請求項112】
前記の工程(b)が、さらに、前記の試験片のミーター挿入端を前記のミーターの開口に整列させる工程を含む請求項111記載の装填方法。
【請求項113】
さらに、前記の工程(d)の後、前記のミーターから前記のディスペンサーを引き離し、前記の試験片をミーターに留めおく工程を含む請求項111記載の装填方法。
【請求項114】
前記のディスペンサーが、前記のハウジングに枢支接続されたトリガーを備えており、前記のディスペンサーを操作する工程が、前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程である請求項111記載の装填方法。
【請求項115】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、基本位置から、前記の試験片が係合部材で保持される戻り止め位置まで前記のハウジングを動かす工程である請求項114記載の装填方法。
【請求項116】
前記の試験片の保持を解除する工程が、前記の戻り止め位置から、前記の試験片が前記の係合部材から開放される完全送出位置まで前記のトリガーを動かす工程である請求項115記載の装填方法。
【請求項117】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、基本位置から戻り止め位置までの第1移動を含む請求項114記載の装填方法。
【請求項118】
前記のトリガーとハウジングとを同時に動作させる工程が、さらに、前記の戻り止め位置から送出位置までの第2移動を含む請求項117記載の装填方法。
【請求項119】
前記の第1移動と第2移動の両方が、前記のトリガーとハオウジングとを同時に動かす工程である請求項118記載の装填方法。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【公表番号】特表2008−502901(P2008−502901A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516451(P2007−516451)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019419
【国際公開番号】WO2006/009534
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019419
【国際公開番号】WO2006/009534
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】
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