説明

平坦膜およびその製造方法、並びにそれを用いたタッチパネル表示装置およびその製造方法

【課題】オフセット印刷の精度を利用し、平坦な膜を形成可能とし、かつ、低コストで実現する。その平坦な膜を絶縁膜や保護膜として用いたタッチパネル表示装置を提供する。
【解決手段】未硬化の材料71を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで基板220に印刷する。印刷された未硬化の材料71は広がり平坦な未硬化の材料の膜72になる。その後、平坦な未硬化の材料の膜72を硬化させて平坦な膜73を形成する。未硬化の材料が印刷されない部分を設けると硬化後に平坦な膜の穴(コンタクトホール)となる。タッチパネル表示装置は、第1の透明導電膜と、第2の透明導電膜と、前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の間に介在する絶縁膜を備え、この絶縁膜を上記の平坦な膜で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦膜およびその製造方法、並びにその平坦膜を絶縁膜や保護膜として用いた静電容量結合方式のタッチパネル表示装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、指やペン等でタッチ(押圧)することによって、コンピュータ等の情報処理装置に対話形式で情報を入力する装置である。また、タッチパネルは、その動作原理によって、抵抗膜方式、静電容量結合方式、赤外線方式、超音波方式および電磁誘導結合方式等に分類される。その中でも、低コストで搭載可能な抵抗膜方式および静電容量結合方式のタッチパネルが近年よく利用されている。
【0003】
上記抵抗膜方式のタッチパネルは、例えば、互いに対向配置された一対のガラス基板と、それら一対のガラス基板の間に挟持された絶縁性スペーサーと、各ガラス基板の内側の全面に抵抗膜として設けられた透明導電膜と、タッチ位置検知回路とにより構成されている。そして、そのタッチパネルは、液晶表示装置等のディスプレイ画面の前面に装着して使用される。
【0004】
このような構成の抵抗膜方式のタッチパネルでは、ディスプレイ画面の前面をタッチすることにより、各抵抗膜同士が接触(短絡)して、各抵抗膜間に電流が流れる。このときの電圧の変化をタッチ位置検知回路によって検知することにより、タッチされた位置が検出される。
【0005】
しかしながら、抵抗膜方式のタッチパネルは、一対の抵抗膜が空気層を挟んで対向配置しているので、その空気層によって屈折率の差が大きくなり、光透過率が低下してしまうという欠点を有している。また、物理的な変形を伴う検出のため、耐久性(寿命)が低いという欠点も有している。
【0006】
次に静電容量結合方式のタッチパネルについて説明する。
【0007】
図1は、一般的な静電容量結合方式のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置の断面模式図である。このタッチパネル表示装置1は、液晶パネル17と、液晶パネル17の下側に拡散シート9を介して設けられたバックライトモジュール14と、液晶パネル17の上側に設けられたタッチパネル18とを有している。このタッチパネル18は、その液晶パネル17側に位置検出用透明電極41を有し、両面テープ等の接着層15によって液晶パネル17に固定されている。タッチパネル18は、ガラス基板40と、そのガラス基板40の全面に設けられた位置検出用透明電極41と、その位置検出用透明電極の周縁部に一定のピッチで設けられた位置検出用電極(図示していない)と、タッチ位置を検出するための位置検出回路(図示していない)とにより構成されている。16は空気層、12はカラーフィルタ基板、13はTFT基板、2は偏光板、3はカラーフィルタ基板用ガラス、4はカラーフィルタ(RGB)層、5は液晶層、6はTFT表示層、7はTFT基板用ガラス、8は偏光板である。
【0008】
このタッチパネル表示装置1では、ディスプレイ画面の前面、即ち、ガラス基板40の表面をタッチすることにより、位置検出用透明電極41はタッチされた点で人体の静電容量を介して接地されるため、各位置検出用透明電極41と接地点との間の抵抗値に変化が生じる。この変化をタッチ位置検出回路(図示していない)によって検出することにより、タッチされた位置が検出される。
【0009】
また、静電容量結合方式のタッチパネルの1例として、特許文献1には、タッチ位置検出のための透明導電膜が設けられた第1の透明基板のタッチ面側に、透明接着材によってグレア防止用の第2の透明基板が貼り合わせられて構成された静電容量結合方式のタッチパネルが開示されている。
【0010】
これによれば、透明導電膜の損傷を防止するとともに、生産性の向上が可能になると記載されている。しかしながら、上記のようなタッチパネルをディスプレイ画面の前面に装着して使用するタイプのタッチパネル表示装置では、タッチパネル自体をディスプレイ画面の前面に装着する必要があるので、装置全体の厚みや重量が大きくなる、或いはコストがかかるという問題があった。そこで、装置の薄型化や軽量化を図るため、タッチパネルを構成するガラス基板および位置検出用透明電極を、表示装置を構成する部材と共有させることにより、省略することが知られている。
【0011】
具体的に特許文献2には、2枚の透明絶縁板の間に、共通透明電極、液晶、表示透明電極を順に積層し、文字や画像を表示すると共に指等の接触物が接触する共通透明電極側に配置される透明絶縁板上の接触部の位置座標を検知するために、共通透明電極の四隅に、接触物と透明絶縁板を介して共通透明電極との間に流れる電流を検出する電流検出器を取り付け、接触物が透明絶縁板上の接触部へ接触することによる静電容量の変化に影響される四隅の電流検出器からの電流信号により接触部の位置座標を計算するための信号処理回路を備えた静電容量結合方式タッチパネル装置が記載されている。
【0012】
同様に特許文献3には、マトリクス状に配列された複数の画素電極を有するアクティブマトリクス基板と、そのアクティブマトリクス基板に対向する透明対向電極とを備えた表示装置において、透明対向電極に対して表示用の電圧または電流を供給する液晶表示回路と、透明対向電極の複数の箇所から流れる電流を検出する位置検出回路と、これらの回路のいずれか一方を透明共通電極と電気的に導通させるスイッチング回路とを備えたタッチセンサ一体型表示装置が記載されている。
【0013】
また、特許文献4には、位置検出用の第1の透明導電膜をカラーフィルタ基板内に配置することで、カラーフィルタ層を絶縁膜とする静電容量結合方式のタッチパネルが記載されている。
【0014】
また、特許文献5の図5A〜図5Dには、第1の透明導電膜と、第2の透明導電膜と、前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の間に介在する絶縁膜を備えた静電容量結合方式のタッチパネルが記載されている。
【0015】
一方、静電容量方式のタッチパネルの絶縁膜の形成方法については、フォトリソグラフィが主流であり、特許文献4では絶縁膜と兼用するカラーフィルタをフォトリソグラフィで形成すると記載されている。また、特許文献6では抵抗膜方式のタッチパネルに電極間のスペーサ形成方法としてオフセット印刷が記載されている。
【0016】
【特許文献1】特開平5−324203号公報
【特許文献2】特開2003−99192号公報
【特許文献3】特開2003−66417号公報
【特許文献4】特開2008−32756号公報
【特許文献5】特表2003−511799号公報
【特許文献6】特開平3−219519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
絶縁膜には透明導電膜間の導通を確保するためのコンタクトホールが必要なため、フォトリソグラフィにより、精度良く形成できるものの、コスト的には不利となる。
【0018】
また、低コスト化の観点から、印刷法により絶縁膜を形成する場合、位置精度も含め、数十μm径のコンタクトホールを形成できる方法はオフセット印刷となる。しかし、オフセット印刷は特に凹版を用いる場合、凹版をブレードでかきとることから、ブレードの落ち込みがあるため、平坦な膜を大きな面積で印刷することはできない。
【0019】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、オフセット印刷の精度を利用し、平坦な膜を形成可能とし、かつ、低コストで実現することを目的とする。また、本発明は、その平坦な膜を絶縁膜や保護膜として用いたタッチパネル表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決すべく、本発明は、未硬化の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の材料が広がり平坦な未硬化の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の材料の膜を硬化させて平坦な膜を形成することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記ストライプ形状に分割したパターンの1または複数のストライプに未硬化の材料が印刷されない部分があり、前記未硬化の材料が印刷されない部分が硬化後に前記平坦な膜の穴となることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、静電容量結合方式によりタッチされた位置を検出すると共に画像を表示するタッチパネル表示装置において、第1の透明導電膜と、第2の透明導電膜と、前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の間に介在する絶縁膜を備え、前記絶縁膜は、未硬化の絶縁膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の材料が広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜を硬化させて形成されたものであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記タッチパネル表示装置において、前記第2の透明導電膜を保護するための保護膜を備え、前記保護膜は、未硬化の保護膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の材料が広がり平坦な未硬化の保護膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の保護膜の材料の膜を硬化させて形成されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、フォトリソグラフィ法に比べて安価な平坦な膜、および穴を有する平坦な膜が得られる。
【0025】
本発明によりタッチパネル表示装置の絶縁膜層を形成する場合、コンタクトホールの位置精度を確保し、形成した絶縁膜層はフォトリソグラフィ法で形成したものと同等の平坦性を確保する絶縁膜層の形成方法として、幅が3μm以上、60μm以下のストライプ形状に分割したパターンに加工した凹版を用いてオフセット印刷により形成することで、印刷抜けのない安価なタッチパネル表示装置が得られる。
【0026】
凹版オフセット印刷により、形成した絶縁膜層に第2の透明導電膜層を形成し、この上部電極を保護するための保護層もオフセット印刷によりストライプ状に分割したパターンを印刷することで、フォトリソグラフィ法で形成したものと同等の平坦性を確保した安価なタッチパネル表示装置が得られる。
【0027】
本発明を用いれば、フォトリソグラフィ法に比べて材料の使用効率が格段に向上し、工程数および廃液等が少ない製造方法により、安価で優れた製品を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例1を図2〜図10を用いて説明する。本実施例は、オフセット印刷を用いた平坦な膜(平坦膜)およびその製造方法に関する実施例である。
【0030】
従来、絶縁膜等をオフセット印刷で形成する場合、凹版をブレードでかきとることから、ブレードの落ち込みがあるため、平坦な膜を大きな面積で印刷することはできなかった。
【0031】
本発明者は、静電容量結合方式のタッチパネル表示装置を研究中に、凹版を用いるオフセット印刷により、大きな面積の平坦な膜および穴を有する平坦な膜を形成することが可能であることを発見した。本実施例により、所望の寸法精度の平坦な絶縁膜等を実現できる。また、コンタクトホール(10〜500μm)を有する絶縁膜等も実現することができる。
【0032】
以下、平坦な膜が平坦な絶縁膜である場合と、穴を有する平坦な膜がコンタクトホールを有する平坦な絶縁膜である場合について説明する。
【0033】
図2(A)〜(E)は、本実施例のオフセット印刷による平坦な膜およびその製造方法を説明するための図である。
【0034】
平坦な膜は次の手順で印刷する。図2(A)において、200は3μm〜60μmの幅のストライプ形状の窪み60を3μm〜80μmの間隔で形成した凹版である。凹版200に、未硬化の絶縁膜の材料70を充填し(図2(B)、オフセット印刷により、基板220に未硬化の絶縁膜の材料71を印刷する。これにより基板220には3μm〜60μmの幅のストライプ形状の未硬化の絶縁膜の材料71が3μm〜80μmの間隔で印刷される(図2(C))。印刷後(転写後)、室温で5秒〜1分間放置すると未硬化の絶縁膜の材料は濡れ広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜72となる(図2(D))。これを硬化させて平坦な絶縁膜73を得る(図2(E))。基板220はその上に平坦な膜を形成するものであればどのようなものでもよく、例えば、配線、電極等が形成された基板でもよい。
【0035】
図2(E)に示すパターンの絶縁膜73を得たい場合は、この絶縁膜73のパターンをストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンの窪み60を有する凹版を作成して、その凹版を用いて凹版オフセット印刷を行えばよい。図2(E)は絶縁膜73は長方形であるが、任意の形状の絶縁膜を作成することができる。
【0036】
図2(C)に示すように、印刷直後は基板220上にストライプ形状の未硬化の絶縁膜の材料71が形成されるが、室温で5秒〜1分間放置することにより、未硬化の絶縁膜の材料71はストライプの幅方向に広がり隣どうしのストライプがくっつき、図2(D)に示すように一体化した平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜72となる。このとき未硬化の絶縁膜の材料71はストライプの長手方向にも広がり、図2(D)に示すように、ストライプ毎に凸部が形成される。この凸部は図2(E)に示すように硬化後も残る。したがって、製品に使用されている平坦な膜にこの凸部があれば、その製品の平坦な膜が本実施例の平坦な膜であることを確認できる。
【0037】
図3(A)〜(E)は、本実施例の凹版オフセット印刷による穴を有する平坦な膜およびその製造方法を説明するための図である。
【0038】
コンタクトホールは次の手順で印刷する。図3(A)において、200’は3μm〜60μmの幅のストライプ形状の窪み60’を3μm〜80μmの間隔で形成した凹版であり、80は窪みがない部分である。凹版200’に、未硬化の絶縁膜の材料70’を充填し(図3(B))、オフセット印刷により、基板220’に未硬化の絶縁膜の材料71’を印刷する。これにより基板220’には3μm〜60μmの幅のストライプ形状の未硬化の絶縁膜の材料71’が3μm〜80μmの間隔で形成される(図3(C))。このとき、凹版200’の窪みがない部分80に対応する部分には未硬化の絶縁膜の材料は形成されず、この部分が後にコンタクトホールとなる。印刷後(転写後)、室温で5秒〜1分間放置すると絶縁膜の材料は濡れ広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜72’となるが、コンタクトホールになる部分82には絶縁膜の材料は形成されない(図3(D))。これを硬化させてコンタクトホール83を有する平坦な絶縁膜73’を得る(図3(E))。このように凹版200’の一部に窪みがない部分80を形成しておくことで、硬化後にコンタクトホールとなる部分81が印刷できる。このときコンタクトホール用に窪みがない部分80はストライプ1本以上で形成することができ、膜厚を考慮しながら複数本で形成することが望ましい。基板220’はその上に平坦な膜を形成するものであればどのようなものでもよく、例えば、配線、電極等が形成された基板でもよい。コンタクトホール83を用いて、平坦な絶縁膜73’の上下の配線、電極等を電気的に接続することができる。
【0039】
図3(E)に示すパターンのコンタクトホールを有する絶縁膜73’を得たい場合は、この絶縁膜73’のパターンをストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンの窪み60を有する凹版(ただしコンタクトホールを形成する部分80には窪みを有さない)を作成して、その凹版を用いて凹版オフセット印刷を行えばよい。図2(E)は絶縁膜73は長方形であるが、任意の形状の絶縁膜を作成することができる。また、コンタクトホールの数も任意の個数形成することができる。
【0040】
図3(C)に示すように、印刷直後は基板220’上にストライプ形状の未硬化の絶縁膜の材料71’が形成されるが、室温で5秒〜1分間放置することにより、未硬化の絶縁膜の材料71’はストライプの幅方向に広がり隣どうしのストライプがくっつき、図3(D)に示すように一体化した平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜72’となる。このとき未硬化の絶縁膜の材料71’はストライプの長手方向にも広がり、図3(D)に示すように、ストライプ毎に凸が形成されると共に、未硬化の材料が印刷されない部分があるストライプ毎にコンタクトホールになる部分82にストライプの長手方向に未硬化の材料が広がった凸部が形成される。これらの凸部は図2(E)に示すように硬化後も残る。したがって、製品に使用されている平坦な膜にこれらの凸部があれば、その製品の平坦な膜が本実施例のコンタクトホールを有する平坦な膜であることを確認できる。
【0041】
以下、本実施例をさらに詳細に説明する。
【0042】
図4および図5に示すように、まず、絶縁膜のパターン(平坦な膜、またはコンタクトホールを有する平坦な膜)に対応して窪み60が形成されている凹版200に、ドクターブレード204により、未硬化の絶縁膜の材料70を刷り込む。ここで、窪み60の深さを調整することで、形成される絶縁膜の膜厚を調整することができる。
【0043】
絶縁膜の材料70としては、UV(紫外線)硬化型樹脂材料や加熱で硬化する熱硬化型樹脂材料を用いることができる。UV硬化型樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルポリエステル樹脂、アクリルシリコン樹脂などがあげられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。
【0044】
また、使用可能な溶剤としては、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール(トリデカノール)、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、または、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどのアルキルエーテル、トルエン、キシレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコールなどのケトン等があげられるが、これらに限定されるものではなく、印刷適性、作業性などを考慮して適宜選択すればよい。また、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールなどのアルコールまたはエステル類を併用してもよい。
【0045】
また、UV硬化型樹脂を用いる場合は上記溶剤の代わりに(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。上記(メタ)アクリルモノマーとしては、光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、含リン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−2−メチルヘキシルマレイミド、N−2−エチルシクロヘキシルマレイミド、N−2−クロロシクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2−エチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0046】
また、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとして、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という。)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記(メタ)アクリルモノマーは単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0047】
さらに、UV硬化型樹脂を用いる場合は光開始剤として、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などが挙げられる。これらの光開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0048】
次に、図6に示すように、周囲にブランケット302を備えた転写ローラ301を、凹版200上で転がし、図7に示すように、ブランケット302に絶縁膜の材料70を付着させ、絶縁膜層パターンを転写する。
【0049】
そして、図8に示すように、オフセット印刷機の定盤に、基板220を固定する。さらに、図8および図9に示すように、絶縁膜の材料70が付着した転写ローラ301を基板220の上面で転がす。これにより、絶縁膜の材料70を基板220に付着させることができ、転写ローラ301に転写された絶縁膜パターンを基板220に転写し、絶縁膜の材料71を印刷することができる。なお、絶縁膜の材料71は、転写ローラ301から離れるときに、その表面に丸みが形成される。この丸みがライン上に整列した形状を生じるが、基板220上を濡れ広がることで平坦な膜、またはコンタクトホールを有する平坦な膜が形成できる。この様子を図10に示す。図10(A)に示す転写直後の未硬化の絶縁膜の材料71は、図10(B)に示すように濡れ広がり、図10(C)に示す平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜72が形成される。図10(A)が図2(C)、図3(C)に対応し、図10(C)が図2(D)、図3(D)に対応する。
【0050】
最後に、基板220に転写した絶縁膜の材料72に対して、その材料に応じて、UV光照射処理又は加熱処理、またはそれらの組み合わせ処理を行い、絶縁膜の材料72を硬化させる。これにより、図10(D)に示す所望の膜厚および形状を備える絶縁膜73が形成される。図10(D)が図2(E)、図3(E)に対応する。
【0051】
本実施例では、凹版オフセット印刷機に、200mmφの転写ローラ301を備え、凹版200および基板220を同一面内に配置し、凹版からのオフおよびガラス基板へのセットが行えるオフセット印刷機を用いた。転写ローラ301に固定するブランケット302にはPETシートからなる支持体上に室温硬化型のシリコーンゴムをコーティングしたものを使用した。凹版200にはフォトマスク用ソーダライムガラス製基板にパターンをレーザーで描画し、レジストを塗布、露光現像したものをフッ酸でエッチングして作製した。凹版の凹部深さは20μmとし、凹部と凹部の間隔は5μmとした。これにより、硬化後の膜厚が5μmの絶縁膜層が印刷形成できた。ただし、この数値に限定されず、凹部の深さは2μm〜30μm、凹部の幅は3μm〜60μm、凹部の間隔は3μm〜80μmであればよい。
【0052】
以上説明した本実施例の平坦な膜および穴を有する平坦な膜は、電子部品等に使用することができる。以下、本実施例をタッチパネル表示装置に適用した場合の実施例について説明する。
【実施例2】
【0053】
実施例2は、実施例1の平坦な膜を透明導電膜間の絶縁膜として用いたタッチパネル表示装置の実施例である。図11は、本発明の実施例2のタッチパネル表示装置100aの断面模式図である。図12は、本発明の実施例2のタッチパネル表示装置100aの平面模式図である。
【0054】
本実施例のタッチパネル表示装置100aは、ガラスまたはフィルム基板40の片面に位置を検出するための第1の透明導電膜10と信号が供給される第2の透明導電膜20が絶縁膜層30を介して配置され、この絶縁膜層30は、実施例1に記載のオフセット印刷の技術により、ストライプ形状の凹版を使用することで印刷形成したものである。
【0055】
絶縁膜層30は、実施例1に記載した絶縁膜、すなわち未硬化の絶縁膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の絶縁膜の材料が広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜となった後、平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜を硬化させて形成された平坦な絶縁膜である。
【0056】
21はタッチパネル用のドライバーIC(図示していない)と透明導電膜10、20を電気的に接続するための金属製の端子部である。透明導電膜10、20の両端は基板40の周囲でそれぞれ引き出し電極22に接続され、それぞれの引き出し電極22はそれぞれ端子部21に接続されている。引き出し電極22は金属製であるが、どちらの透明導電膜に接続されているのかをわかりやすく示すために、透明導電膜10、20と同じパターンを用いて図示した。24はタッチパネルとして機能する機能部である。
【0057】
この絶縁膜層30の膜厚は絶縁膜材料の誘電率を考慮すれば各種選択できるが、絶縁膜層を比誘電率3〜4で調整するのが容易であり、膜厚は実施例1に記載のオフセット印刷の技術により、1〜20μmの膜厚で形成することができる。絶縁膜層の材料としては、実施例1で説明したように、UV(紫外線)硬化型樹脂材料や加熱で硬化する熱硬化型樹脂材料を用いることができるが、ここでは透明導電膜を形成することから、熱硬化性の樹脂が好ましく、本実施例では熱硬化型のエポキシ系樹脂を使用した。
【0058】
絶縁膜層30の可視光領域(400nm〜800nm)透過率は、タッチパネル表示装置100aと同時に使用する画像表示装置の性能を下げないために、90%以上とすることが好ましい。
【0059】
ここで絶縁膜層30は、透明導電膜10上または基板40上に直接形成された構造をとるため、透明導電膜10および透明導電膜20、これを介した絶縁膜層は、表示品質の低下を防ぐために、できるだけ薄く形成することが望ましい。
【0060】
また、本実施例のタッチパネル表示装置は、図11の上側または下側のどちらかに画像表示用の液晶表示装置を備えており、他方の側がユーザがタッチする面となる。ただし、本実施例は、液晶表示装置以外の画像表示装置にも適用することができる。
【0061】
本実施例ではコンタクトホールを使用しないが、必要に応じて、実施例1に記載のコンタクトホールを有する平坦な絶縁膜を用いて絶縁層の上下に形成された透明導電膜をコンタクトホールを介して電気的に接続することもできる。コンタクトホールの大きさは各種選択できるが、確実な導通を確保するため、または表示品質が損なわれないためには直径10〜500μmの範囲(あるいは10〜500μm角の範囲)で形成する必要があり、実施例1に記載のオフセット印刷の技術により、直径10〜500μm(あるいは10〜500μm角の範囲)で形成することができる。
【実施例3】
【0062】
実施例3は、実施例1の平坦な膜を透明導電膜間の絶縁膜および透明導電膜を保護する保護膜として用いたタッチパネル表示装置の実施例である。図13は、本発明の実施例3のッチパネル表示装置100bの断面模式図である。図14は、本発明の実施例3のタッチパネル表示装置100bの平面模式図である。
【0063】
本実施例のタッチパネル表示装置100bは、ガラスまたはフィルム基板40の片面に位置を検出するための第1の透明導電膜10と信号が供給される第2の透明導電膜20が絶縁膜層30を介して配置され、この絶縁膜層30は、実施例1に記載のオフセット印刷の技術により、ストライプ形状の凹版を使用することで印刷形成したものである。21はタッチパネル用のドライバーIC(図示していない)と透明導電膜10、20を電気的に接続するための端子部である。以上は実施例2と同じであるが、本実施例では、透明導電膜20が形成された絶縁膜層30の上に保護膜層50が形成されている。
【0064】
本実施例では、絶縁膜層30の上に透明導電膜20を形成した後、これらの膜を傷などから保護する目的で保護膜層50を実施例1に記載のオフセット印刷技術の平坦な膜として形成する。保護膜層50は、未硬化の保護膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の保護膜の材料が広がり平坦な未硬化の保護膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の保護膜の材料の膜を硬化させて形成されたものである。保護膜層50の膜厚は1μm以上、20μm以内である。
【0065】
保護膜層50の可視光領域(400nm〜800nm)透過率は、タッチパネル表示装置100bと同時に使用する画像表示装置の性能を下げないために、90%以上、100%以下とすることが好ましい。
【0066】
また、保護膜層50を形成する場合は表示領域のみの形成とし、周辺に位置するドライバー接続部23には形成しないように凹版を加工しておけばよい。
【0067】
保護膜層50はキズ防止の観点から、膜の表面硬度として鉛筆硬度4H以上が好ましく、材料を低コストで調整する観点から鉛筆硬度7H以下が好ましい。
【0068】
また、本実施例のタッチパネル表示装置は、図13の上側または下側のどちらかに画像表示用の液晶表示装置を備えており、他方の側がユーザがタッチする面となる。ただし、本実施例は、液晶表示装置以外の画像表示装置にも適用することができる。
【実施例4】
【0069】
実施例4は、実施例2(図11、図12参照)に記載のタッチパネル表示装置の製造方法に関する実施例である。
【0070】
ガラス基板40上に、非晶質のITO膜又はIZO(Indium Zinc Oxide)膜からなる透明導電膜(厚さ50〜200Å)を、表面抵抗が500〜2000Ωになるように、スパッタリング法により成膜し、次にレジスト材料を塗布し、露光、現像プロセスによりパターニングする。このときレジスト材料としてはポジ型、ネガ型どちらでもよく、アルカリ現像タイプが容易に形成できる。その後、ITOをエッチングによりパターン形成する。このときのエッチング液は臭化水素酸水溶液等を選択すればよい。
【0071】
以上のプロセスで第1の透明導電膜10を形成する。この透明導電膜は、上記所定の表面抵抗になれば、多結晶ITO膜、In膜であってもよい。ここで、第1の透明導電膜10の厚さは、50Å以上且つ200Å以下であるので、電気抵抗が高すぎたり、透過率の低下による表示品位が損なわれたりせずにタッチされた位置を正確に検出することができる。
【0072】
次いで、実施例1に記載の凹版オフセット印刷により、絶縁膜材料を印刷形成し、絶縁膜層をUV(紫外線)硬化や加熱硬化することで絶縁膜層30を形成する。
【0073】
さらに、絶縁膜層30上に、非晶質のITO膜又はIZO(Indium Zinc Oxide)膜からなる透明導電膜(厚さ50〜200Å)を、表面抵抗が500〜2000Ωになるように、スパッタリング法により成膜し、次にレジスト材料を塗布し、露光、現像プロセスによりパターニングする。このときレジスト材料としてはポジ型、ネガ型どちらでもよく、アルカリ現像タイプが容易に形成できる。その後、ITOをエッチングによりパターン形成する。このときのエッチング液は臭化水素酸水溶液等を選択すればよい。以上のプロセスで第2の透明導電膜20を形成する。この第2の透明導電膜20は、上記所定の表面抵抗になれば、多結晶ITO膜、In膜であってもよい。ここで、第2の透明導電膜20の厚さは、50Å以上且つ200Å以下であるので、電気抵抗が高すぎたり、透過率の低下による表示品位が損なわれたりせずにタッチされた位置を正確に検出することができる。これらのプロセスにより、タッチパネル表示装置100aが完成する。
【0074】
以上のようにして、タッチパネル表示装置の絶縁膜層を印刷により、低コストで形成することができる。
【0075】
以上が実施例2に記載のタッチパネル表示装置100aの製造方法であるが、実施例3(図13、図14)に記載のタッチパネル表示装置100bを製造するためには、絶縁膜層30の上に第2の透明導電膜20を形成した後に、保護膜層50を実施例1に記載のオフセット印刷技術の平坦な膜として形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】一般的なタッチパネル表示装置つき液晶パネルの断面構造を説明する図
【図2】実施例1のオフセット印刷による平坦な膜およびその製造方法を説明するための図
【図3】実施例1のオフセット印刷による穴を有する平坦な膜およびその製造方法を説明するための図
【図4】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その1)
【図5】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その2)
【図6】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その3)
【図7】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その4)
【図8】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その5)
【図9】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その6)
【図10】実施例1の凹版オフセット印刷による平坦な膜の形成工程を説明する図(その7)
【図11】実施例2のタッチパネル表示装置の断面模式図
【図12】実施例2のタッチパネル表示装置の平面模式図
【図13】実施例3のタッチパネル表示装置の断面模式図
【図14】実施例3のタッチパネル表示装置の平面模式図
【符号の説明】
【0077】
1・・・一般的なタッチパネル表示装置
2・・・偏光板
3・・・カラーフィルタ基板用ガラス
4・・・カラーフィルタ(RGB)層
5・・・液晶層
6・・・TFT表示層
7・・・TFT基板用ガラス
8・・・偏光板
9・・・拡散シート、
10・・・第1の透明導電膜
12・・・カラーフィルタ基板
13・・・TFT基板
14・・・バックライトモジュール
15・・・接着層
16・・・空気層
17・・・液晶パネル
18・・・一般的なタッチパネル表示装置のタッチパネル
20・・・第2の透明導電膜
21・・・端子部
22・・・引き出し電極
23・・・ドライバー接続部
24・・・機能部
30・・・絶縁膜層
40・・・ガラスまたはフィルム基板(タッチパネル用基板)
41・・・一般的なタッチパネル表示装置の位置検出用透明電極
50・・・保護膜層
60、60’・・・凹版の窪み(凹み部)
70、70’・・・凹版の窪みに充填された絶縁膜の材料
71、71’・・・印刷直後の絶縁膜の材料
72、72’・・・印刷後に濡れ広がった絶縁膜の材料
73、73’ ・・・硬化後の絶縁膜
80・・・凹版の窪みのない部分(コンタクトホール形成部)
81・・・印刷されない部分
82・・・印刷後に濡れ広がった後に形成された印刷されない部分
83・・・硬化後の絶縁膜に形成されたコンタクトホール
100a・・・実施例2のタッチパネル表示装置
100b・・・実施例3のタッチパネル表示装置
200、200’・・・凹版
204・・・ドクターブレード(材料かきとり用ブレード)
220、220’・・・基板
301・・・転写ローラ
302・・・ブランケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未硬化の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の材料が広がり平坦な未硬化の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の材料の膜を硬化させて平坦な膜を形成することを特徴とする平坦膜の製造方法。
【請求項2】
前記ストライプ形状に分割したパターンの1または複数のストライプに未硬化の材料が印刷されない部分があり、前記未硬化の材料が印刷されない部分が硬化後に前記平坦な膜の穴となることを特徴とする請求項1に記載の平坦膜の製造方法。
【請求項3】
前記未硬化の材料は未硬化の絶縁膜の材料であり、硬化後の前記平坦な膜は絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の平坦膜の製造方法。
【請求項4】
前記未硬化の材料は未硬化の絶縁膜の材料であり、硬化後の前記平坦な膜は絶縁膜であり、
前記平坦な膜の穴は、前記絶縁膜のコンタクトホールであることを特徴とする請求項2に記載の平坦膜の製造方法。
【請求項5】
未硬化の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の材料が広がり平坦な未硬化の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の材料の膜を硬化させて形成された平坦な膜であることを特徴とする平坦膜。
【請求項6】
前記ストライプ毎にストライプの長手方向に未硬化の材料が広がった凸部を有することを特徴とする請求項5に記載の平坦膜。
【請求項7】
前記ストライプ形状に分割したパターンの1または複数のストライプに未硬化の材料が印刷されない部分があり、前記未硬化の材料が印刷されない部分が硬化後の前記平坦な膜の穴であることを特徴とする請求項5に記載の平坦膜。
【請求項8】
前記未硬化の材料が印刷されない部分があるストライプ毎に前記穴の部分にストライプの長手方向に未硬化の材料が広がった凸部を有することを特徴とする請求項7に記載の平坦膜。
【請求項9】
前記未硬化の材料は未硬化の絶縁膜の材料であり、硬化後の前記平坦な膜は絶縁膜であることを特徴とする請求項5に記載の平坦膜。
【請求項10】
前記未硬化の材料は未硬化の絶縁膜の材料であり、硬化後の前記平坦な膜は絶縁膜であり、
前記平坦な膜の穴は、前記絶縁膜のコンタクトホールであることを特徴とする請求項7に記載の平坦膜。
【請求項11】
静電容量結合方式によりタッチされた位置を検出すると共に画像を表示するタッチパネル表示装置の製造方法であって、
前記タッチパネル表示装置は、第1の透明導電膜と、第2の透明導電膜と、前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の間に介在する絶縁膜を備え、
前記絶縁膜を、未硬化の絶縁膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の絶縁膜の材料が広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜を硬化させて形成することを特徴とするタッチパネル表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記タッチパネル表示装置は、前記第2の透明導電膜を保護するための保護膜を備え、
前記保護膜を、未硬化の保護膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の保護膜の材料が広がり平坦な未硬化の保護膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の保護膜の材料の膜を硬化させて形成することを特徴とする請求項11に記載のタッチパネル表示装置の製造方法。
【請求項13】
静電容量結合方式によりタッチされた位置を検出すると共に画像を表示するタッチパネル表示装置であって、
第1の透明導電膜と、第2の透明導電膜と、前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の間に介在する絶縁膜を備え、
前記絶縁膜は、未硬化の絶縁膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の絶縁膜の材料が広がり平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の絶縁膜の材料の膜を硬化させて形成されたものであることを特徴とするタッチパネル表示装置。
【請求項14】
前記絶縁膜の膜厚は、1μm以上、20μm以内であることを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル表示装置。
【請求項15】
前記絶縁膜の透過率は、可視光領域(400nm〜800nm)で90%以上、100%以下であることを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル表示装置。
【請求項16】
前記第2の透明導電膜を保護するための保護膜を備え、
前記保護膜は、未硬化の保護膜の材料を凹版オフセット印刷によりストライプの幅が3μm以上、60μm以下、ストライプの間隔が3μm以上、80μm以下であるストライプ形状に分割したパターンで印刷し、印刷されたストライプ形状に分割したパターンの未硬化の保護膜の材料が広がり平坦な未硬化の保護膜の材料の膜になった後、前記平坦な未硬化の保護膜の材料の膜を硬化させて形成されたものであることを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル表示装置。
【請求項17】
前記保護膜の膜厚は、1μm以上、20μm以内である請求項16に記載のことを特徴とするタッチパネル表示装置。
【請求項18】
前記保護膜の透過率は、可視光領域(400nm〜800nm)で90%以上、100%以下であることを特徴とする請求項16に記載のタッチパネル表示装置。
【請求項19】
前記第1の透明導電膜と前記第2の透明導電膜を制御するためのドライバーとの導通を確保するためにドライバー接続部を備え、
前記ドライバー接続部上には保護膜を形成しないことを特徴とする請求項16に記載のタッチパネル表示装置。
【請求項20】
前記保護膜の表面硬度は、鉛筆硬度で4H以上、7H以下であることを特徴とする請求項16に記載のタッチパネル表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−2984(P2010−2984A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159235(P2008−159235)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】