説明

平板電池及びその製造方法

【課題】本発明は、平板電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る平板電池100は、負極構造層110と、負極構造層110上に設けられる第一セパレータ120と、第一セパレータ120上に設けられる葉緑素層130と、葉緑素層130上に設けられる第二セパレータ140と、第二セパレータ140上に設けられる正極構造層150と、上平板160と、下平板170と、を備える。負極構造層100、第一セパレータ120、葉緑素層130、第二セパレータ140及び正極構造層150は、上平板160と下平板170との間に挟まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板電池及びその製造方法に関するものであって、特に葉緑素を使用して電気エネルギーを生じる平板電池及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近来、携帯電話、携帯式ビデオカメラ、ノートパソコン、デジタルカメラ、PDA、CDプレーヤなどの軽便型電子機器が続々と出現し、且つその小型化及び軽量化を図るとともに、軽便電源とする電池にも同様に関心が持たれている。それらの電池の種類としては、乾電池、ニッケル水素電池、リチウム電池及び燃料電池などが挙げられる。以下、このような用途に常用される電池を簡単に紹介する。
【0003】
通常使用する乾電池は、大部分が亜鉛マンガン電池であり、カーボン亜鉛電池とも呼ばれる。カーボン亜鉛電池の外部ケースは亜鉛からなり、この外部ケースは電池の容器とするとともに電池の負極とする。カーボン亜鉛電池は、液体Leclanche(ルクランシェ)電池から発展したものである。従来のカーボン亜鉛電池又は普通のカーボン亜鉛電池は、塩化アンモニウムを電解質とするが、シューパーカーボン亜鉛電池又は高エネルギーカーボン亜鉛電池は、塩化亜鉛を電解質とするカーボン亜鉛電池であり、一般的な廉価な電池の改良版である。カーボン亜鉛電池の正極は、粉末状の二酸化マンガン及びカーボンからなる。電解液は、塩化亜鉛及び塩化アンモニウムを水に溶解してなるペースト状溶液である。カーボン亜鉛電池は最も安価な一次電池であるので、大部分のメーカーは設備を販売する際、カーボン亜鉛電池を配送しうる電池とする。カーボン亜鉛電池は、リモコン、フラッシュ、おもちゃ又はトランジスタラジオなどのような低パワー設備に用いられる。
【0004】
カーボン亜鉛電池を一定時間使用すると、金属亜鉛が酸化されて亜鉛イオンになるので、亜鉛外部ケースの厚さが次第に薄くなる。このため、塩化亜鉛溶液が電池から常時漏れるようになり、電池の表面が粘着した表面になる。従来の電池は、塩化亜鉛溶液の漏れを防止するための保護層を備えない。カーボン亜鉛電池の使用寿命は短く、保存期間は一般的に一年半である。電池を使用しなくても、電池内の弱酸性を有する塩化アンモニウムは亜鉛と反応するので、亜鉛外部ケースの厚さが次第に薄くなる。
【0005】
いわゆる3C産業(コンピューター、通信及び消費性エレクトロニクス産業)に用いられるリチウム電池は、実際にはリチウムコバルト電池である。広義の充放電できるリチウム電池は、石墨負極と、コバルト、マンガン又は燐酸鉄を採用する正極と、リチウムイオンを運搬する電解液と、から構成される。リチウム一次電池は、リチウム金属又はリチウムを含む材料を負極とする。リチウム電池産業が発展しているこの20年以来、リチウム電池は、継続して3C産業に応用され、市場規模がもっと大きいエネルギー貯蓄電池及び動力電池(瞬間に大きい電流を必要とする)市場には応用された例が少ない。このような市場は、電動車、油電混合車、中大型UPS(Uninterruptible Power Supply;無停電電源装置)、太陽エネルギー設備、大型蓄電池、電動工具、電動オートバイ、電動自転車、宇宙飛行設備及び飛行機用電池などの領域を備える。このように市場に使用例が少ないことの主要な原因は、従来のリチウム電池のリチウムコバルト正極材料(LiCoO,常用のリチウム電池)は、大きい電流、高い電圧、高いねじり、耐穿刺、耐衝撃、耐高温、耐低温などの特殊環境に応用されたことがなく、しかも絶対的な安全要求を満たすことが困難であるためである。
【0006】
リチウムコバルト電池は、高速に充電することが困難である、二次汚染も完全に免れることが困難であるなどの問題があり、保護回路を設置して過度充電又は過度放電を防止しなければ爆発などの懸念がある。たとえば、あるメーカー製の電池が爆発して、全世界のNB(ノーブランド;自社ブランド)業者が巨額投資を回収することが必要な状況が再び出現する可能性もある。
【0007】
また、コバルトの最大生産国であるコンゴは戦乱が多いので、コバルトの価格は絶えることなく高価な状態を維持する。コバルト粉体の価格は、40ドル/キログラムから60〜70ドル/キログラムまで上昇した。燐酸リチウム鉄粉体の価格は、品質によって異なるが、30〜60ドル/キログラムである。
【0008】
ニッケル水素電池は、ニッケル・カドミウム電池に基づいて設計されたものである。1982年に米国のOVONIC社が水素吸蔵合金を電極の製造に使用する技術を特許出願し、水素吸蔵合金が重視されるようになった。1985年にオランダのフィリップス社は水素吸蔵合金の充放電過程で容量が衰える問題を解決し、ニッケル水素電池が出現した。日本には8つのニッケル水素電池の製造工場があり、ドイツ、米国、香港、台湾でもニッケル水素電池が生産されており、市場での反応が良好である。ニッケル水素電池による汚染は、カドミウムを含むニッケル・カドミウム電池より小さいので、ニッケル水素電池がニッケル・カドミウム電池に取り替えられている。
【0009】
燃料電池(Fuel cell)は、化学反応によって電力を取り出す装置であり、1839年にイギリスのGrove(グローヴ)が発明した。燃料電池で常用されるのは水素と酸素を燃料とするプロトン交換膜型燃料電池である。このような燃料電池では、燃料の価格は高価ではなく、人体に対して化学的な危険性がなく、環境にも無害であり、しかも、発電してから純水と熱を生成するので、1960年代には米国で軍事用に用いられ、1965年は米国で双子星座計画の双子星座5番号の飛行船に応用された。現在、ノートパソコンにも燃料電池が使用され始めている。しかし、このような燃料電池は、発生する電気量が非常に小さく、且つ瞬間的に大量の電気エネルギーを提供することが困難であるので、穏やかに電力を供給する用途に用いられる。燃料電池は、電池本体と燃料箱とを組み合わせてなる動力機構であり、燃料の選択範囲が広く、純粋な水素、メチルアルコール、アルコール、天然ガスを含み、現在広く応用されるガソリンも燃料電池の燃料とすることができる。
【0010】
新型の環境保護を強調するカーボン亜鉛電池、アルカリ電池及び二次電池も、製造過程で依然として少量の水銀又は他の重金属(例えば、亜鉛、マンガン、リチウムなどである)などの、その原料及び製造過程で汚染性を有する物質を使用するので、環境と人体に対して大きい危害を与える場合が想定される。
【0011】
現状では、広く応用されるリチウム電池は安定ではない電気化学装置であって、その製造過程及びパッケージが適切でない場合や、低い負荷で作動する場合では、爆発を引き起こす可能性がある。このため、保護回路、排気孔、セパレータなどのいろいろな複雑な保護措置を必要とする。保護回路は、過充電、過放電、超負荷、過熱を防止するために用いられる。排気孔は、電池内の圧力の強さが大きすぎる場合の回避手段となる。セパレータは、穿刺に対して高い強度を有するので、内部のショートを防止するとともに、電池内部の温度が高すぎる場合に溶解して、リチウムイオンが通過することを阻止する。そして、電池反応を渋滞させて、内部抵抗を高める(2kΩまで高める)。
【0012】
リチウム電池の主要原料であるリチウム鉱の量はますます減少しており、その価格は急速に上昇している。
【0013】
温度が僅かに高い室外又は環境において、リチウム電池の機能及び寿命はいずれも早期に低減する。
【0014】
ニッケル・カドミウム電池又はニッケル水素電池は、記憶効果を有するので、不良な充放電によって、その容量が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、前記した課題を解決し、天然の環境保護物質によって従来の電池中の汚染成分に取り替えることで、環境の汚染を免れ、従来の電池よりさらに環境を保護することができる平板電池及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の観点に係る平板電池は、負極構造層と、前記負極構造層上に設けられる第一セパレータと、前記第一セパレータ上に設けられる葉緑素層と、前記葉緑素層上に設けられる第二セパレータと、前記第二セパレータ上に設けられる正極構造層と、上平板と、下平板と、を備え、前記負極構造層、前記第一セパレータ、前記葉緑素層、前記第二セパレータ及び前記正極構造層は、前記上平板と前記下平板との間に挟まれていることを特徴とする。
【0017】
前記負極構造層は導電材料層を備え、前記導電材料層は、アルミニウム、金、金属化合物又は導電高分子材料からなることが好ましい。
【0018】
前記負極構造層は、前記導電材料層上に設けられる金属ファイリング層をさらに備えることが好ましい。
【0019】
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ高繊維材質を用いて製造されており、前記高繊維材質は紙類であり、前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ有機塩類水溶液を吸着していることが好ましい。
【0020】
前記正極構造層は、活性化した導電高分子層及び導電高分子層を備えることが好ましい。
【0021】
前記活性化の導電高分子層は、炭化布、炭粉末又はナノ導電高分子粉末を備えることが好ましい。
【0022】
前記導電高分子層には、導電高分子材料として複素環又は芳香族複素環化合物が含まれることが好ましい。
【0023】
前記活性化した導電高分子層は、葉緑素粉末をさらに備えることが好ましい。
【0024】
前記上平板及び前記下平板は、アクリル板、複合材料板、完全金属板、導電ガラス板、酸化金属板又は合金板であることが好ましい。
【0025】
本発明の第2の観点に係る平板電池の製造方法は、葉緑素層を製造する第1のステップと、有機塩類水溶液を吸着した第一セパレータ及び第二セパレータを製造する第2のステップと、負極構造層を用意する第3のステップと、前記負極構造層上に有機塩類水溶液を吸着した前記第一セパレータを配置する第4のステップと、前記第一セパレータ上に前記葉緑素層を配置する第5のステップと、前記葉緑素層上に有機塩類水溶液を吸着した前記第二セパレータを配置する第6のステップと、前記第二セパレータ上に正極構造層を配置する第7のステップと、上述した積層構造を上平板と下平板との間に挟持させる第8のステップと、を備えることを特徴とする。
【0026】
前記第4のステップと前記第5のステップとの間に前記第一セパレータ及び前記負極構造層を平面的に加圧する第4の1のステップをさらに備えることが好ましい。
【0027】
前記第4の1のステップは、60〜70キログラムの重量で前記第一セパレータ及び前記負極構造層を平面的に加圧することが好ましい。
【0028】
前記第3のステップは、導電材料層を用意する第3の1のステップと、前記導電材料層上に金属ファイリングを吹き付け、前記導電材料層上に金属ファイリング層を形成する第3の2のステップと、を備えることが好ましい。
【0029】
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ高繊維材質を使用して製造することが好ましい。
【0030】
前記葉緑素層は、葉緑素を含むことが好ましい。
【0031】
前記第7のステップは、活性化した導電高分子層を配置する第7の1のステップと、導電高分子層を配置する第7の2のステップとを備えることが好ましい。
【0032】
前記活性化した導電高分子層は、葉緑素粉末を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
本発明の平板電池は、葉緑素層中及び正極構造層中の少なくとも一方における葉緑素を利用し、水素を吸蔵させて電力を供給することができる。また、本発明の平板電池は、天然の環境保護物質によって従来の電池の汚染成分に取り替えるので、環境の汚染を免れ、従来の電池よりさらに環境を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る平板電池の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る平板電池の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図2に示すステップS3における複数のステップを示すフローチャートである。
【図4】図2に示すステップS7における複数のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0036】
図1は、本発明の第一実施形態に係る平板電池100の構造を示す図である。図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る平板電池100は、負極構造層110と、前記負極構造層上に設けられる第一セパレータ120と、前記第一セパレータ120上に設けられる葉緑素層130と、前記葉緑素層130上に設けられる第二セパレータ140と、前記第二セパレータ140上に設けられる正極構造層150と、上平板160と、下平板170と、を備える。前記負極構造層110、前記第一セパレータ120、前記葉緑素層130、前記第二セパレータ140及び前記正極構造層150は、この順で積層されており、且つ前記上平板160と前記下平板170との間に挟まれている。
【0037】
前記負極構造層110は、導電材料層111及び金属ファイリング層112を備えている。前記導電材料層111は、導電材料を含んでいる。前記導電材料は、例えば、金属、金属化合物又は導電高分子材料である。前記金属は、アルミニウム及び/又は金である。前記金属化合物は、酸化マンガン、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムから選ばれる一種又は複数種である。前記導電高分子材料は、複素環又は芳香族複素環化合物である。詳しくは、前記導電高分子材料は、ポリアセチレン(polyacetylene)、多環芳香族炭化水素エチレン、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)及びこれらの化合物の誘導体から選ばれる一種又は複数種である。前記導電材料層111は、磨き上げることで粗面(図示せず)を形成することができる。本実施形態において、前記導電材料層111は、アルミニウムシートからなる。
【0038】
前記金属ファイリング層112は金属ファイリングを備えたものであり、金属ファイリングを前記導電材料層111上に吹き付けることにより平面的に付着させるか、又は単独で1つの材料層を形成することができる。前記金属ファイリングは、電極の導電能力を強めることができる。前記金属ファイリングは、II族、III族及びVII族中の1つ又は複数の元素族から選択される元素である。II族の元素は、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛から選ばれる一種又は複数種である。III族の元素は、ホウ素及び/又はアルミニウムである。VII族の元素は、マンガン及び/又は鉄である。前記金属ファイリングの重量は、前記負極構造層110の重量の25%以下である。前記金属ファイリングの重量は、0.5〜12gであることが好ましい。本実施形態において、前記金属ファイリング層112中の金属ファイリングの重量は4gである。
【0039】
なお、前記負極構造層110は、金属ファイリング層112を備えることなく、導電材料層111のみを備えることができる。即ち、この場合では、金属ファイリングからなる金属ファイリング層112を利用して前記負極構造層110の導電能力を高めることを必要としない。
【0040】
前記第一セパレータ120及び前記第二セパレータ140は、それぞれ高繊維材質を使用して製造する。前記高繊維材質は、紙類であり、前記紙類は、セロファン(cellophane)、綿紙、画仙紙(rice paper)及び絹紙(silk paper)から選ばれる少なくとも一種を備える。前記高繊維材質の細孔の大きさは、0.01μm〜1cmである。前記第一セパレータ120及び前記第二セパレータ140は、それぞれ塩類水溶液を吸着し、前記塩類水溶液の導電度は、10〜500ms/cmである。前記塩類は、リチウムを含まない有機塩類である。前記塩類は、ヨウ化ナトリウム及び塩化ナトリウムのようなイオン化合物から選ばれる一種又は複数種を備える。
【0041】
前記葉緑素層130は、葉緑素を主成分として含んでいる。前記葉緑素は、葉緑素a、葉緑素b、葉緑素c1、葉緑素c2、葉緑素d及び葉緑素eから選ばれる一種又は複数種である。前記葉緑素は、粉末状又は液体状である。本実施形態で使用する前記葉緑素は、すでに葉緑素酸化酵素が除去されたものである。
【0042】
前記葉緑素層130は、葉緑素とポリマー溶液とをコンカクション(調合、混合)して作成することもできる。例えば、葉緑素粉末とポリマー溶液とを所定の比例によって調合し、攪拌してから層状に塗布し、その後に焼き上げて前記葉緑素層130を得ることができる。
【0043】
前記ポリマー溶液の導電度は50〜250ms/cmである。前記ポリマー溶液は、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン及び亜鉛元素から選ばれる一種又は複数種を備える。前記ポリマー溶液は、前記葉緑素層130の仕事関数を変更するために用いられ、正負電極構造層間の電位差が必要なボルタ電位差に達するようにする。この電位差は、例えば、1.5Vである。
【0044】
前記ポリマー溶液は、金属イオンと各類の酸塩イオンの化合物、ポリマー及び溶剤を所定の比率によって混合されてなる。前記ポリマーは、ブドウ糖ポリマーである。前記ブドウ糖ポリマーは、植物澱粉であることが好ましく、例えば、ジャガイモ澱粉、ヒシ実澱粉、トウモロコシ澱粉、サツマイモ澱粉、レンコン澱粉、わさび粉及び葛根粉から選ばれる一種又は複数種である。前記金属イオンと各種の酸塩イオンの化合物は、例えば、炭酸カルシウムである。前記金属イオンと各種の酸塩イオンの化合物は、例えば、天然植物化学成分である。前記天然植物化学成分は、木脂体(Lignanoid)、オリゴ糖、多糖、フラボン(flavone)、セコイリドイド(secoiridoid)、脂肪酸、スコポレチン(scopoletin)、カテキン(catechin)、βシトステロール(β−sitosterol)、damncanthal、アルカロイドを備える。前記した溶剤は、極性を有し且つPH値が3より大きい溶剤であることが好ましく、例えば、水、海水、茶、コーヒー、ジュース又は酒などが挙げられる。前記ポリマー溶液のPH値は、好ましくは5.5〜8である。前記ポリマー溶液は、例えば、ビタミンDのようなビタミンをさらに備える。
【0045】
前記正極構造層150は、活性化した導電高分子層151及び導電高分子層152を備えている。前記活性化した導電高分子層151は、炭化布、炭粉末又はナノ導電高分子粉末を備える。前記炭化布又は前記炭粉末は、白炭又はチャオ石(Chaoite)、カーボンブラック(Carbon black)、ガラス状炭素(Glassy carbon)、カーボンナノチューブ(Carbon nanotube)、活性炭素(Activated carbon)、ダイヤモンド(Diamond)、無定形炭素(Amorphous carbon)、グラフェン(Graphene)、フラーレン(Fulerene)、グラファイト(Graphite)、カルビン(Carbyne)、二原子カーボン(Diatomic carbon)、C3カーボン(Tricarbon)、原子炭素(Atomic carbon)、石墨化性の炭素、熱分解炭素、コークス及び他の炭素の同素異形体を備える。
【0046】
前記活性化した導電高分子層151は、葉緑素粉末をさらに備えており、これにより前記平板電池100の電力供給能力を高めている。
【0047】
前記上平板160及び前記下平板170は、例えば、アクリル板、複合材料板、完全金属板(例えば、鉄、錫、銅などである)、導電ガラス板、酸化金属板又は合金板である。
【0048】
本発明の実施形態において、前記平板電池100が作動する際、前記葉緑素層130中の葉緑素及び/又は前記正極構造層150中の葉緑素が光線を受けるか又は電解液に接触して電子又はホールを生じる。そして、前記平板電池100の正極構造層150と負極構造層110との間に電位差が形成され、持続的な電流を提供するようになる。即ち、本発明の実施形態に係る平板電池100は、前記葉緑素層130中の葉緑素及び/又は前記正極構造層150中の葉緑素をエネルギー源として電気エネルギーを提供するものである。
【0049】
図2は、本発明の実施形態に係る平板電池100の製造方法のフローチャートである。図2に示したように、平板電池100の製造方法は、以下のステップを備える。
【0050】
ステップS1:葉緑素層130を製造する。
【0051】
ステップS2:有機塩類水溶液を吸着した第一セパレータ120及び第二セパレータ140を製造する。
【0052】
ステップS3:負極構造層110を用意する。
【0053】
ステップS4:前記負極構造層110上に有機塩類水溶液を吸着した前記第一セパレータ120を配置する。
【0054】
ステップS5:前記第一セパレータ120上に前記葉緑素層130を配置する。
【0055】
ステップS6:前記葉緑素層130上に有機塩類水溶液を吸着した前記第二セパレータ140を配置する。
【0056】
ステップS7:前記第二セパレータ140上に正極構造層150を配置する。
【0057】
ステップS8:上述した積層構造(負極構造層110、第一セパレータ120、葉緑素層130、第二セパレータ140、正極構造層150からなる積層構造)を上平板160と下平板170との間に挟持させる。
【0058】
図2に示したように、本実施形態の平板電池100の製造方法は、前記ステップS4と前記ステップS5との間に60〜70キログラムの重量で前記第一セパレータ120及び前記負極構造層110を平面的に加圧するステップS4aをさらに備える。
【0059】
図3は、図2に示すステップS3のフローチャートである。図3に示したように、前記ステップS3は、導電材料層111を用意した後、前記導電材料層111を磨き上げることで粗面を形成するステップS31と、前記導電材料層111の粗面上に金属ファイリングを吹き付け、前記導電材料層111上に金属ファイリング層112を形成するステップS32と、を備える。
【0060】
図4は、図2に示すステップS7のフローチャートである。図4に示したように、前記ステップS7は、活性化した導電高分子層151を配置するステップS71と、前記活性化した導電高分子層151上に、導電高分子層152を配置するステップS72と、を備える。
【0061】
本発明の実施形態に係る平板電池100は、葉緑素層130及び正極構造層150の内の少なくとも一方に含まれる葉緑素を利用して水素を貯蓄することで電力供給の目的を達することができる。また、本発明の実施形態に係る平板電池100は、天然の環境保護物質によって従来の電池の汚染成分に取り替えることで、環境の汚染を免れ、従来の電池及び太陽電池よりもさらに環境を保護することができる。
【0062】
本発明の実施形態において、「第一」、「第二」などの用語は、必要によって使用する文字符号に過ぎないものであり、実用上はこれに限定されるものではなく、前記文字符号を交換して使用することができる。
【0063】
以上、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、種種の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
100 平板電池
110 負極構造層
111 導電材料層
112 金属ファイリング層
120 第一セパレータ
130 葉緑素層
140 第二セパレータ
150 正極構造層
151 活性化した導電高分子層
152 導電高分子層
160 上平板
170 下平板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極構造層と、
前記負極構造層上に設けられる第一セパレータと、
前記第一セパレータ上に設けられる葉緑素層と、
前記葉緑素層上に設けられる第二セパレータと、
前記第二セパレータ上に設けられる正極構造層と、
上平板と、
下平板と、
を備えてなる平板電池であって、
前記負極構造層、前記第一セパレータ、前記葉緑素層、前記第二セパレータ及び前記正極構造層は、前記上平板と前記下平板との間に挟まれていることを特徴とする平板電池。
【請求項2】
前記負極構造層は導電材料層を備え、前記導電材料層は、アルミニウム、金、金属化合物又は導電高分子材料からなることを特徴とする請求項1に記載の平板電池。
【請求項3】
前記負極構造層は、前記導電材料層上に設けられる金属ファイリング層をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の平板電池。
【請求項4】
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ高繊維材質を用いて製造されており、前記高繊維材質は紙類であり、前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ有機塩類水溶液を吸着していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の平板電池。
【請求項5】
前記正極構造層は、活性化した導電高分子層及び導電高分子層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の平板電池。
【請求項6】
前記活性化した導電高分子層は、炭化布、炭粉末又はナノ導電高分子粉末を備えることを特徴とする請求項5に記載の平板電池。
【請求項7】
前記導電高分子層には、導電高分子材料として複素環又は芳香族複素環化合物が含まれることを特徴とする請求項5に記載の平板電池。
【請求項8】
前記活性化した導電高分子層は、葉緑素粉末をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の平板電池。
【請求項9】
前記上平板及び前記下平板は、アクリル板、複合材料板、完全金属板、導電ガラス板、酸化金属板又は合金板であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の平板電池。
【請求項10】
葉緑素層を製造する第1のステップと、
有機塩類水溶液を吸着した第一セパレータ及び第二セパレータを製造する第2のステップと、
負極構造層を用意する第3のステップと、
前記負極構造層上に有機塩類水溶液を吸着した前記第一セパレータを配置する第4のステップと、
前記第一セパレータ上に前記葉緑素層を配置する第5のステップと、
前記葉緑素層上に有機塩類水溶液を吸着した前記第二セパレータを配置する第6のステップと、
前記第二セパレータ上に正極構造層を配置する第7のステップと、
上述した積層構造を上平板と下平板との間に挟持させる第8のステップと、
を備えることを特徴とする平板電池の製造方法。
【請求項11】
前記第4のステップと前記第5のステップとの間に前記第一セパレータ及び前記負極構造層を平面的に加圧する第4の1のステップをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の平板電池の製造方法。
【請求項12】
前記第4の2のステップは、60〜70キログラムの重量で前記第一セパレータ及び前記負極構造層を平面的に加圧することを特徴とする請求項11に記載の平板電池の製造方法。
【請求項13】
前記第3のステップは、導電材料層を用意する第3の1のステップと、前記導電材料層上に金属ファイリングを吹き付け、前記導電材料層上に金属ファイリング層を形成する第3の2のステップと、を備えることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の平板電池の製造方法。
【請求項14】
前記第一セパレータ及び前記第二セパレータは、それぞれ高繊維材質を使用して製造することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の平板電池の製造方法。
【請求項15】
前記葉緑素層は、葉緑素を含むことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の平板電池の製造方法。
【請求項16】
前記第7のステップは、活性化した導電高分子層を配置する第7の1のステップと、前記活性化した導電高分子層上に、導電高分子層を配置する第7の2のステップとを備えることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の平板電池の製造方法。
【請求項17】
前記活性化した導電高分子層は、葉緑素粉末を備えることを特徴とする請求項16に記載の平板電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−129187(P2012−129187A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108128(P2011−108128)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(511117200)インノット バイオエナジー ホールディング カンパニー (3)
【Fターム(参考)】