平滑末端を有する5’三リン酸オリゴヌクレオチドおよびその使用
本発明は、RIG-Iを発現する細胞においてRIG-Iを活性化できる、かつ抗ウイルス応答、特に、IFN応答を誘導できるオリゴヌクレオチドを提供する。本発明はさらに、RIG-Iを活性化できる、かつ標的遺伝子抑制活性を有するオリゴヌクレオチドを提供する。本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも19 bp、好ましくは少なくとも21 bpの二本鎖の部分と、少なくとも一つの5'三リン酸と、5'三リン酸を持つ少なくとも一つの平滑末端とを有する。本発明はさらに、インビトロでおよびインビボで抗ウイルス応答、特に、IFN応答を誘導するための該オリゴヌクレオチドの使用を提供する。本発明はさらに、感染、腫瘍/がんおよび免疫障害などの疾患または状態を予防および/または処置するための該オリゴヌクレオチドの使用を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有し、
該オリゴヌクレオチドが該平滑末端の5'末端に少なくとも1個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも6個のリボヌクレオチドを含み、
該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、
該平滑末端が完全に二本鎖の部分の末端であり、この完全に二本鎖の部分は長さが少なくとも19塩基対、好ましくは少なくとも21塩基対、より好ましくは少なくとも24塩基対である、
オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項2】
オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌクレオチドである、請求項1記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドがステム・ループ(stem-and-loop)構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ二本鎖の部分がステム・ループ構造のステムである、請求項1記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項4】
オリゴヌクレオチドが少なくとも一つのイノシンを含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項5】
三リン酸が付着している最も5'側のリボヌクレオチドがA、GおよびU、好ましくはAおよびG、最も好ましくはAから選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項6】
5'末端の最初の4個のリボヌクレオチドの配列が、5'から3'方向へ
から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項7】
オリゴヌクレオチドにはプソイドウリジン、2-チオウリジン、2'-フッ素-dNTP、特に2'-フッ素-dCTP、2'-フッ素-dUTPから選択される修飾がない、請求項1〜6のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項8】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドが2'-O-メチル化される、請求項1〜7のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項9】
オリゴヌクレオチドが、TLR3、TLR7、TLR8およびTLR9の少なくとも一つによって認識される少なくとも一つの構造モチーフを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項10】
オリゴヌクレオチドが標的遺伝子抑制活性を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項11】
オリゴヌクレオチドが標的遺伝子抑制活性とRIG-I活性化の能力との両方を有する、請求項1〜10のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項12】
標的遺伝子がBcl-2である、請求項10または11記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
免疫刺激剤、抗原、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗腫瘍剤、レチノイン酸、IFN-αおよびIFN-βから選択される少なくとも一つの剤をさらに含む、請求項13記載の薬学的組成物。
【請求項15】
I型IFN産生を誘導するための組成物の調製のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項16】
感染、腫瘍および免疫障害から選択される疾患または状態を予防および/または処置するための組成物の調製のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項17】
オリゴヌクレオチド調製物が、免疫刺激剤、抗原、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗腫瘍剤、レチノイン酸、IFN-αおよびIFN-βから選択される少なくとも一つの剤と組み合わせて用いられる、請求項15または16記載の使用。
【請求項18】
組成物が、感染、腫瘍および免疫障害の予防的および/または治療的処置から選択される少なくとも一つの処置と組み合わせた投与のために調製される、請求項15〜17のいずれか一項記載の使用。
【請求項19】
(a) 請求項1〜9のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物と複合体形成剤とを混合する段階; および
(b) RIG-Iを発現する細胞と(a)の混合物とを接触させる段階
を含む、細胞においてI型IFN産生を誘導するためのインビトロでの方法。
【請求項20】
本質的に均質な一本鎖オリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、該オリゴヌクレオチドがマイナス一本鎖RNAウイルスのゲノムRNAの最も5'末端の少なくとも19ヌクレオチド、好ましくは少なくとも21ヌクレオチドに100%相補的なヌクレオチド配列を有する、オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項21】
本質的に均質な一本鎖オリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、該オリゴヌクレオチドがヌクレオチド2+mと2+m+nとの間でマイナス一本鎖RNAウイルスのゲノムRNAの5'末端のヌクレオチド配列に100%相補的なヌクレオチド配列を有し、ここでmおよびnが独立して正の整数であり、mが1以上でありかつ5以下であり、ならびにnが12以上である、オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項22】
マイナス一本鎖RNAウイルスがインフルエンザA型ウイルス、狂犬病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、センダイウイルス、エボラウイルスまたはハンタウイルスから選択される、請求項20または21記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項24】
哺乳動物においてマイナス一本鎖RNAウイルスによる感染を予防および/または処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項25】
哺乳動物において一本鎖RNAウイルスに対するI型IFN応答を妨げるおよび/または阻害するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項26】
ウイルス誘発性の出血熱を処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項27】
がんを処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項28】
I型IFN誘導活性を有する二本鎖オリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) 二つのオリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列の少なくとも一方が5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む少なくとも一方のオリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、もう一方のオリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有し、それによって平滑末端を形成する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する二つの本質的に均質な二つのオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、平滑末端を形成する、5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む少なくとも一方のオリゴヌクレオチドが、最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つ、段階;
(c) 本質的に均質な二本鎖オリゴヌクレオチドの集団を(b)で調製された二つのオリゴヌクレオチドから調製する段階; および
(d) 任意で、二本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階
を含む、方法。
【請求項29】
I型IFN誘導活性を有する一本鎖オリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) オリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列が5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、該オリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、該オリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つ、段階; および
(c) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階
を含む、方法。
【請求項30】
標的遺伝子抑制およびI型IFN誘導活性の複合活性を有するオリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) オリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列が標的遺伝子に特異的でありかつ5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、該オリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、該オリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つか; 二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの、最も5'側のリボヌクレオチドの両方に5'三リン酸を持つかまたは一方もしくはもう一方の5'末端に一つだけを持つ、段階;
(c) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階; および
(d) 任意で、オリゴヌクレオチドを遺伝子抑制活性について試験する段階
を含む、方法。
【請求項31】
(a) 第一のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を特定する段階であって、該ヌクレオチド配列が標的遺伝子に特異的である、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質な第一のオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階;
(c) 第二のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列が第一のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列に100%相補的である、本質的に均質な第二のオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階;
(d) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階; および
(e) 任意で、オリゴヌクレオチドを遺伝子抑制活性について試験する段階;
を含む、標的遺伝子抑制およびI型IFN誘導活性の複合活性を有するオリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
第一および/または第二のオリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上にまたは両方の5'リボヌクレオチド上に5'三リン酸を持ち; 5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく; かつ第一および第二のオリゴヌクレオチドは長さが少なくとも19塩基対、好ましくは少なくとも21塩基対、より好ましくは少なくとも24塩基対を有する、
方法。
【請求項32】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドを2'-O-メチル化する段階を含む、オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を増強するための方法であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有しかつ該平滑末端の5'末端に少なくとも1個のリボヌクレオチドを含み、該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、かつ該平滑末端の後に、長さが少なくとも19塩基対(bp)、好ましくは少なくとも21塩基対(bp)である完全に二本鎖の部分が続く、
方法。
【請求項33】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドではないヌクレオチドを2'-O-メチル化する段階を含む、オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を低減するための方法であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有しかつ該平滑末端の5'末端に少なくとも1個のリボヌクレオチドを含み、該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、かつ該平滑末端の後に、長さが少なくとも19塩基対(bp)、好ましくは少なくとも21塩基対(bp)である完全に二本鎖の部分が続き、
好ましくは、2'-O-メチル化されるヌクレオチドが、平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドのすぐ5'側のヌクレオチドである、
方法。
【請求項1】
本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有し、
該オリゴヌクレオチドが該平滑末端の5'末端に少なくとも1個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも6個のリボヌクレオチドを含み、
該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、
該平滑末端が完全に二本鎖の部分の末端であり、この完全に二本鎖の部分は長さが少なくとも19塩基対、好ましくは少なくとも21塩基対、より好ましくは少なくとも24塩基対である、
オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項2】
オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌクレオチドである、請求項1記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドがステム・ループ(stem-and-loop)構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ二本鎖の部分がステム・ループ構造のステムである、請求項1記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項4】
オリゴヌクレオチドが少なくとも一つのイノシンを含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項5】
三リン酸が付着している最も5'側のリボヌクレオチドがA、GおよびU、好ましくはAおよびG、最も好ましくはAから選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項6】
5'末端の最初の4個のリボヌクレオチドの配列が、5'から3'方向へ
から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項7】
オリゴヌクレオチドにはプソイドウリジン、2-チオウリジン、2'-フッ素-dNTP、特に2'-フッ素-dCTP、2'-フッ素-dUTPから選択される修飾がない、請求項1〜6のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項8】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドが2'-O-メチル化される、請求項1〜7のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項9】
オリゴヌクレオチドが、TLR3、TLR7、TLR8およびTLR9の少なくとも一つによって認識される少なくとも一つの構造モチーフを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項10】
オリゴヌクレオチドが標的遺伝子抑制活性を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項11】
オリゴヌクレオチドが標的遺伝子抑制活性とRIG-I活性化の能力との両方を有する、請求項1〜10のいずれか一項記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項12】
標的遺伝子がBcl-2である、請求項10または11記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
免疫刺激剤、抗原、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗腫瘍剤、レチノイン酸、IFN-αおよびIFN-βから選択される少なくとも一つの剤をさらに含む、請求項13記載の薬学的組成物。
【請求項15】
I型IFN産生を誘導するための組成物の調製のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項16】
感染、腫瘍および免疫障害から選択される疾患または状態を予防および/または処置するための組成物の調製のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項17】
オリゴヌクレオチド調製物が、免疫刺激剤、抗原、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗腫瘍剤、レチノイン酸、IFN-αおよびIFN-βから選択される少なくとも一つの剤と組み合わせて用いられる、請求項15または16記載の使用。
【請求項18】
組成物が、感染、腫瘍および免疫障害の予防的および/または治療的処置から選択される少なくとも一つの処置と組み合わせた投与のために調製される、請求項15〜17のいずれか一項記載の使用。
【請求項19】
(a) 請求項1〜9のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物と複合体形成剤とを混合する段階; および
(b) RIG-Iを発現する細胞と(a)の混合物とを接触させる段階
を含む、細胞においてI型IFN産生を誘導するためのインビトロでの方法。
【請求項20】
本質的に均質な一本鎖オリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、該オリゴヌクレオチドがマイナス一本鎖RNAウイルスのゲノムRNAの最も5'末端の少なくとも19ヌクレオチド、好ましくは少なくとも21ヌクレオチドに100%相補的なヌクレオチド配列を有する、オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項21】
本質的に均質な一本鎖オリゴヌクレオチドの集団を含むオリゴヌクレオチド調製物であって、該オリゴヌクレオチドがヌクレオチド2+mと2+m+nとの間でマイナス一本鎖RNAウイルスのゲノムRNAの5'末端のヌクレオチド配列に100%相補的なヌクレオチド配列を有し、ここでmおよびnが独立して正の整数であり、mが1以上でありかつ5以下であり、ならびにnが12以上である、オリゴヌクレオチド調製物。
【請求項22】
マイナス一本鎖RNAウイルスがインフルエンザA型ウイルス、狂犬病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、センダイウイルス、エボラウイルスまたはハンタウイルスから選択される、請求項20または21記載のオリゴヌクレオチド調製物。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項24】
哺乳動物においてマイナス一本鎖RNAウイルスによる感染を予防および/または処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項25】
哺乳動物において一本鎖RNAウイルスに対するI型IFN応答を妨げるおよび/または阻害するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項26】
ウイルス誘発性の出血熱を処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項27】
がんを処置するための組成物の調製のための、請求項20〜22のいずれか一項記載の少なくとも一つのオリゴヌクレオチド調製物の使用。
【請求項28】
I型IFN誘導活性を有する二本鎖オリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) 二つのオリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列の少なくとも一方が5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む少なくとも一方のオリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、もう一方のオリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有し、それによって平滑末端を形成する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する二つの本質的に均質な二つのオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、平滑末端を形成する、5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む少なくとも一方のオリゴヌクレオチドが、最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つ、段階;
(c) 本質的に均質な二本鎖オリゴヌクレオチドの集団を(b)で調製された二つのオリゴヌクレオチドから調製する段階; および
(d) 任意で、二本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階
を含む、方法。
【請求項29】
I型IFN誘導活性を有する一本鎖オリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) オリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列が5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、該オリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、該オリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つ、段階; および
(c) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階
を含む、方法。
【請求項30】
標的遺伝子抑制およびI型IFN誘導活性の複合活性を有するオリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
(a) オリゴヌクレオチド配列を特定する段階であって、ヌクレオチド配列が標的遺伝子に特異的でありかつ5'末端に少なくとも1つのリボヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチド配列の5'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列が、該オリゴヌクレオチド配列の3'末端の少なくとも19個、好ましくは少なくとも21個のヌクレオチドの配列と100%の相補性を有する、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質なオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階であって、該オリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上に5'三リン酸を持つか; 二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの、最も5'側のリボヌクレオチドの両方に5'三リン酸を持つかまたは一方もしくはもう一方の5'末端に一つだけを持つ、段階;
(c) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階; および
(d) 任意で、オリゴヌクレオチドを遺伝子抑制活性について試験する段階
を含む、方法。
【請求項31】
(a) 第一のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を特定する段階であって、該ヌクレオチド配列が標的遺伝子に特異的である、段階;
(b) (a)で特定された配列を有する本質的に均質な第一のオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階;
(c) 第二のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列が第一のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列に100%相補的である、本質的に均質な第二のオリゴヌクレオチドの集団を調製する段階;
(d) 任意で、一本鎖オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を試験する段階; および
(e) 任意で、オリゴヌクレオチドを遺伝子抑制活性について試験する段階;
を含む、標的遺伝子抑制およびI型IFN誘導活性の複合活性を有するオリゴヌクレオチド調製物を調製するための方法であって、
第一および/または第二のオリゴヌクレオチドが最も5'側のリボヌクレオチド上にまたは両方の5'リボヌクレオチド上に5'三リン酸を持ち; 5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく; かつ第一および第二のオリゴヌクレオチドは長さが少なくとも19塩基対、好ましくは少なくとも21塩基対、より好ましくは少なくとも24塩基対を有する、
方法。
【請求項32】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドを2'-O-メチル化する段階を含む、オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を増強するための方法であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有しかつ該平滑末端の5'末端に少なくとも1個のリボヌクレオチドを含み、該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、かつ該平滑末端の後に、長さが少なくとも19塩基対(bp)、好ましくは少なくとも21塩基対(bp)である完全に二本鎖の部分が続く、
方法。
【請求項33】
平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドではないヌクレオチドを2'-O-メチル化する段階を含む、オリゴヌクレオチドのI型IFN誘導活性を低減するための方法であって、
該オリゴヌクレオチドが少なくとも一つの平滑末端を有しかつ該平滑末端の5'末端に少なくとも1個のリボヌクレオチドを含み、該平滑末端が、最も5'側のリボヌクレオチドに付着した5'三リン酸を持ち、この5'三リン酸にはいずれのキャップ構造もなく、かつ該平滑末端の後に、長さが少なくとも19塩基対(bp)、好ましくは少なくとも21塩基対(bp)である完全に二本鎖の部分が続き、
好ましくは、2'-O-メチル化されるヌクレオチドが、平滑末端に5'三リン酸を持つ最も5'側のリボヌクレオチドと塩基対合する最も3'側のヌクレオチドのすぐ5'側のヌクレオチドである、
方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2011−522526(P2011−522526A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509895(P2011−509895)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003621
【国際公開番号】WO2009/141146
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(509039149)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003621
【国際公開番号】WO2009/141146
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(509039149)
【Fターム(参考)】
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