平面研磨機
【課題】研磨プレートをガラス基板の表面に押圧、回転させガラス基板表面のRGB膜を研磨する際に、研磨圧力の分布の均一化が図れる平面研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨ヘッドの本体11に研磨プレート20を上下方向移動自在に装備し、研磨ヘッドの本体と研磨プレートとの間の研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ18、および加圧気体の導入により膨張して研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブ19を配設する。反力チューブは、研磨プレートの長手方向に複数のチューブ19a〜19dに分割してあり、各分割チューブ毎に独立して圧力制御ができるようにする。
【解決手段】研磨ヘッドの本体11に研磨プレート20を上下方向移動自在に装備し、研磨ヘッドの本体と研磨プレートとの間の研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ18、および加圧気体の導入により膨張して研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブ19を配設する。反力チューブは、研磨プレートの長手方向に複数のチューブ19a〜19dに分割してあり、各分割チューブ毎に独立して圧力制御ができるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶表示装置用カラーフィルタ等のガラス基板に形成された膜を研磨するための平面研磨機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の研磨機として、特許文献1に記載のものが知られている。この研磨機は、静止した角型のガラス基板(カラーフィルタ)の着色層が形成された面上に、その長辺の長さがガラス基板の短辺の長さよりも長い角形の研磨プレートをガラス基板の短辺と平行に配置すると共に、研磨プレートの長手方向に複数の加圧ポイントを設けて、各々の加圧ポイントに対し独立に加圧制御しながら研磨プレートでガラス基板面を加圧し、その状態で、研磨プレートにガラス基板の垂直方向を軸とした偏心回転をさせて研磨プレートをガラス基板の短辺方向に揺動させると共に、研磨プレートをガラス基板の長辺方向(短辺と直角方向)に移動させてカラーフィルタ表面を研磨するというものである。この研磨機によれば、ガラス基板の全面を均一に研磨できるという利点が得られる。
【0003】
ところで、この特許文献1には、複数の加圧ポイントに対して、どのように独立して加圧制御を行うかについては十分な開示がなされていないため、具体的に装置化する上で問題が残されていた。
【特許文献1】特開2004−195602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情を考慮し、研磨圧力の分布の均一化を図ることができて、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合に膜厚や色度のバラツキを抑えることができ、しかも、具体的に装置化する場合に構造が簡単で実現の容易な平面研磨機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1に記載の発明は、被研磨部材の被研磨面に対向する研磨ヘッドを有し、該研磨ヘッドに装備した研磨プレートを、前記被研磨面に押圧させつつ、被研磨部材に対して面内移動させ、且つ、前記研磨ヘッドの長手方向と直交する方向に前記被研磨部材を相対移動させることで、前記被研磨面を研磨する平面研磨機において、前記研磨ヘッドの本体に、前記研磨プレートを、前記被研磨面に対して押圧する方向に沿って移動自在に装備し、前記研磨ヘッドの本体と前記研磨プレートとの間の該研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ、および加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを配設し、前記加圧チューブと前記反力チューブの圧力バランスを調整することにより、前記被研磨面に対する研磨プレートの押圧力を調整するように構成すると共に、前記加圧チューブと前記反力チューブの内の少なくとも何れか一方を前記研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割して、各分割チューブをそれぞれ独立して圧力制御可能としたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面研磨機において、前記被研磨部材の被研磨面が長方形のガラス基板に膜が形成された上面であり、このガラス基板を、該ガラス基板の一方の対向辺と平行な方向に前記研磨ヘッドに対して搬送するものとし、前記研磨ヘッドは、水平な姿勢で搬送される前記ガラス基板の上方に位置するよう配置され、該研磨ヘッドの下部に、上下方向移動自在に前記研磨プレートが装備され、該研磨プレートの上端面と、前記研磨ヘッドに形成された、前記研磨プレートの上部を収容する押圧室の天井面との間に、前記研磨プレートを下方に押圧する前記加圧チューブが収容され、前記研磨プレートの左右に突設されたフランジと、その下側に位置する前記押圧室の下部のフランジとの間に、前記研磨プレートを上方に押圧する前記反力チューブが収容されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の平面研磨機において、前記膜が形成されたガラス基板が、ディスプレイパネルのカラーフィルタであり、前記膜がRGBの着色膜であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、研磨ヘッドの本体と研磨プレートとの間に、研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブと、研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを設け、加圧チューブと反力チューブの圧力バランスを調整することにより、研磨プレートの押圧力を調整できるようにしているので、押圧力を微妙に且つ容易に調整することができる。
また、加圧チューブと反力チューブの何れか一方を研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割し、各分割チューブごとにそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにしているので、研磨プレートが被研磨部材の大型化に伴って非常に長くなった場合にも、研磨プレートによる研磨圧力の分布の均一化を図ることができる。従って、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合にも、膜厚や色度のバラツキを抑えることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、研磨ヘッドで上方からガラス基板の上面を研磨するようにしているので、大面積のガラス基板であっても安定姿勢で精度よく研磨することができる。
また、研磨ヘッドの本体に設けた押圧室に加圧チューブと反力チューブを収容したので、研磨ヘッドをコンパクトに構成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、カラーフィルタのRGBの着色膜を均一に研磨することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
この実施形態の平面研磨機(単に研磨機という)は、液晶表示装置用カラーフィルタ(被研磨部材)のRGB膜を形成した面(被研磨面)を研磨するためのものであり、図1は実施形態の研磨機を装備したガラス基板W(カラーフィルタ)の製造ラインの要部構成を示す平面図、図2は同要部構成を示す側面図、図3は上定盤としての研磨プレートの下部構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図、図4は図3のIV部の拡大図、図5はガラス基板に研磨プレートを押圧させたときの状態を示す図4と同様の拡大図、図6は研磨ヘッドの構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図、図7、図11はガラス基板の搬送方向の正面側から見た研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図、図8は研磨ヘッドに装備した加圧チューブの分割構成を示す平面図、図9は具体的な加圧チューブの分割の仕方を示す正面図、図10は図9のX−X矢視断面図、図12は製造ラインにオンラインで研磨機を組み込んだ場合のシステム構成を示すブロック図である。
【0012】
図1、図2において、1はガラス基板W(カラーフィルタに相当)をその面方向に沿って矢印A方向に水平な姿勢で搬送する搬送コンベア(搬送経路)、3はガラス基板Wの搬送経路の下側に配置されたガラス基板Wの載る下定盤、10はその下定盤3の上方に配置され、搬送されてきたガラス基板Wの上側の表面を研磨する研磨ヘッド、20はこの研磨ヘッド10の本体11に設けられた上定盤としての研磨プレートである。
この研磨機(研磨ヘッド10で代表される部分)は、RGB膜が形成されたガラス基板Wの表面(被研磨面)に研磨プレート20を押圧させつつ、研磨プレート20をガラス基板Wに対して面内移動させることで、ガラス基板Wの表面の膜を研磨するものである。ガラス基板Wは、長方形の平板状のもので、一方の対向辺である長辺を搬送方向Aと平行にした姿勢で一方の短辺を前端にして、上流側から研磨ヘッド10の下側に搬送されて来て、研磨ヘッド10による研磨後、そのままの姿勢と速度で下流側へ搬送されて行く。
【0013】
図3〜図5に示すように、研磨プレート20の下面は研磨定盤面(研磨作業面)20aとなっており、研磨定盤面20aには研磨パッドしての固定砥粒研磨シート23と、クリアランス調整用パッド24とが貼り付けられている。クリアランス調整用パッド24は、研磨プレート20をガラス基板Wの表面に押圧させたときに、ガラス基板Wの表面に固定砥粒研磨シート23よりも先に当たって押圧力に応じて潰れ変形し、それにより、ガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との間に最適な隙間H2(図5参照。最適な隙間は数μm以下)を保つためのものである。
固定砥粒研磨シート23としては、固定砥粒として、例えば、ダイヤモンド砥粒又はアルミナ砥粒を樹脂材料中に混入してシート状に成形したダイヤモンドシート或いはアルミナシートが用いられている。
【0014】
クリアランス調整用パッド24は、ウレタン樹脂やウレタンゴム等よりなり、非押圧時には、固定砥粒研磨シート23の下面より所定寸法H1(20μm程度)だけ突出している。なお、固定砥粒研磨シート23は、研磨定盤面20aに、弾性シート(ウレタンゴムやウレタンシートなど)21を介して、両面テープ22により貼り付けられており、弾性シート21により、クリアランス調整用パッド24に対する高さが調整されて、ガラス基板Wに適切な押圧力で接触するようになっている。この場合の各要素の仕様は、次表1の通りである。
【0015】
【表1】
【0016】
研磨ヘッド10は、ガラス基板Wの搬送方向Aと直交する方向に自身の長さ方向を向けて配されており、その長さが、搬送経路上を搬送されてくる1枚、または、搬送方向と直交する方向に並んだ状態で搬送されてくる複数枚(本図示例では2枚)のガラス基板Wの全てを1度に研磨できる長さに設定されている。
また、研磨プレート20の研磨定盤面20aには、ガラス基板Wの搬送方向に並べて2枚の固定砥粒研磨シート23が平行に互いに間隔をあけて貼り付けられており、そのガラス基板Wの搬送方向の前後にクリアランス調整用パッド24が貼り付けられている。また、2枚の固定砥粒研磨シート23の間に位置させて、研磨プレート20には、固定砥粒研磨シート23による研磨部位に純水を供給する純水供給口13が設けられている。
【0017】
図3、図6に示すように、研磨プレート20は、固定砥粒研磨シート23およびクリアランス調整用パッド24を下に向けて、研磨ヘッド10の本体11に上下方向移動自在に設けられている。図6に示すように、研磨ヘッド10の本体11には、下面に開口14aを有した押圧室14が設けられており、研磨プレート20の上部がこの押圧室14の内部に収容されると共に、研磨プレート20の下部が開口14aより下方へ突出している。そして、研磨プレート20の下面の研磨定盤面20aが、搬送されてくるガラス基板Wの上側の表面に対向できるようになっている。この場合、研磨定盤面20aに貼り付けられた固定砥粒研磨シート23の下面が、実際の研磨作業面に相当する。
【0018】
また、研磨ヘッド10の本体11と研磨プレート20との間には、研磨プレート20をガラス基板Wに押圧させ、且つその押圧力を調整する加圧チューブ(メインチューブとも言う)18と反力チューブ(サイドチューブとも言う)19とが設けられている。
加圧チューブ18は、加圧エア(エア以外の気体でも可)の導入により膨張して、研磨プレート20を下に向けて押圧するもので、押圧室14の天井壁と研磨プレート20の上端壁との間に配置されている。また、反力チューブ19は、加圧エア(エア以外の気体でも可)の導入により膨張して研磨プレート20を、加圧チューブ18の圧力に抗するよう上に向けて押圧するもので、研磨プレート20の左右に張り出したフランジ25と研磨ヘッド10の本体11側の開口14aの左右の各フランジ15との間に配置されている。
図6(b)に加圧チューブ18による下向き力P1と、反力チューブ19による上向き力P2の関係を示す。これら加圧チューブ18と反力チューブ19は、図7に示すように、研磨プレート20の長さ方向のほぼ全長にわたる範囲に配設されている。
【0019】
本実施形態では、この加圧チューブ18が、図7、図8に示すように、研磨プレート20の長手方向に複数(図示例の場合は4つ)の分割チューブ18a〜18dに分割されており、各分割チューブ18a〜18dは、それぞれ独立して圧力制御ができるように構成されている。即ち、各分割チューブ18a〜18d毎に加圧エア給排管17a〜17dが接続されており、これら加圧エア給排管17a〜17dを通じて各分割チューブ18a〜18d毎に加圧エアの出し入れを行うことにより、図7(b)に示すように、各分割チューブ18a〜18d毎にそれぞれ独立した下向きの加圧力P1a〜P1dを発生するようになっている。
【0020】
加圧チューブ18の分割の仕方は、図9に示すように、1本の加圧チューブ18を、その両端と複数の分割箇所で完全に潰して固定することにより、隣接する空間同士の連通を遮断して、チューブ内の空間を複数の分割チューブ18a〜18dに相当する空間に仕切ったものであり、図10に示すように、各分割チューブ18a〜18dの上部に加圧エア給排管17a〜17dの先端が接続されている。
【0021】
また、本実施形態では、上述した加圧チューブ18の分割に替えて、反力チューブ19の方を、図11に示すように、研磨プレート20の長手方向に複数(図示例の場合は4つ)の分割チューブ19a〜19dに分割するようにしても良く、この場合も、上述した加圧チューブ18を構成する各分割チューブ18a〜18dと同様に、各加圧エア給排管16a〜16dを通じてこれら分割チューブ19a〜19d毎に加圧エアの出し入れを行うことにより、図11(b)に示すように、各分割チューブ19a〜19d毎にそれぞれ独立した上向きの加圧力P2a〜P2dを発生するようになっている。
尚、この反力チューブ19の分割構造と加圧エア給排管16a〜16dの接続構造は、図9、図10に示した加圧チューブ18の場合とほぼ同様であるため、それらの図示と説明は省略する。
【0022】
また、加圧チューブ18を構成する分割チューブ18a〜18dに接続された加圧エア給排管17a〜17dと反力チューブ19を構成する分割チューブ19a〜19dに接続された加圧エア給排管16a〜16dには、それぞれ圧力調整手段(図示略)が接続されている。圧力調整手段は、加圧チューブ18(図7の構成では分割チューブ18a〜18d)と反力チューブ19(図11の構成では、分割チューブ19a〜19d)に導入する加圧エアの圧力バランスを調整することにより、ガラス基板Wに対する研磨プレート20の押圧力を調整するもので、この圧力調整手段と加圧チューブ18および反力チューブ19とにより、ガラス基板Wに対する研磨プレート20の押圧力を調整するための押圧調整機構が構成されている。
【0023】
特に、本実施形態では、加圧チューブ18、或いは反力チューブ19を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ18a〜18d、或いは複数の分割チューブ19a〜19dに分割しているので、分割チューブ18a〜18dの圧力をそれぞれ個別にコントロールすることにより、研磨プレート20に加える下向きの加圧力の長手方向の分布を自由に調整することができ、他方、分割チューブ19a〜19dの圧力をそれぞれ個別にコントロールすることにより、研磨プレート20に加える上向きの加圧力の長手方向の分布を自由に調整することができる。 従って、これら上向きの加圧力と下向きの加圧力を調整することにより、大面積のガラス基板Wを研磨する場合にも、加圧力の均一化を容易に図ることができる。
【0024】
また、本実施形態の研磨機は、図示しないが、研磨ヘッド10の上端に突出した揺動軸12を介して、研磨ヘッド10を、ガラス基板Wの搬送方向と直交する面内方向の運動成分を少なくとも含むようオービタル運動させる駆動機構を備えている。
【0025】
図12はカラーフィルタCF(ガラス基板W)の製造ラインの概略を示しており、この図の製造ラインにおいては、カラーフィルタCFの搬入部101から完成品のカラーフィルタCFの搬出部102との間を結ぶ搬送ライン103上に、カラーフィルタのRGB膜の状態を検査する検査機120が配置され、搬送ライン103外(オフライン上)に、検査機120で異常と判定されたカラーフィルタの修正機130が配置され、搬送ライン103上の検査機120の手前に上述の構成の研磨機100が配置されている。
【0026】
次に上記構成の研磨機を用いてガラス基板の表面の膜を研磨する方法について説明する。
搬送コンベヤ1によって、ガラス基板Wが研磨ヘッド10の下に搬送されてきたら、図6(b)、図7(b)に示すように加圧チューブ18に加圧エアを導入して、研磨プレート20を下降させる。また、反力チューブ19にも加圧エアを導入して、研磨プレート20の下降位置を調整し、ガラス基板Wの表面に研磨プレート20の下面を押圧させる。
その際、加圧チューブ18と反力チューブ19の圧力バランスを調整して押圧力を調整し、図5に示すように、押圧力に応じてクリアランス調整用パッド24を潰れ変形させることで、ガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との隙間を最適に調整する。また、加圧チューブ18を構成する各分割チューブ18a〜18dの圧力、或いは図11の構成では、反力チューブ19を構成する各分割チューブ19a〜29dの圧力をそれぞれ個別に調整することで、研磨プレート20の長手方向における加圧力の分布を調整する。そしてその状態で、研磨ヘッド10をガラス基板Wに対して偏心回転させることで、ガラス基板Wの表面の膜を固定砥粒研磨シート23で研磨する。
【0027】
この場合、押圧時のガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との隙間H2は、ガラス基板Wの表面の膜上に存在する異常突起だけに固定砥粒研磨シート23が接触し、且つ正常厚さの膜に対しては非接触となるように調整する。
それにより、膜自体の正常な厚みを減らさずに(つまり、研磨後のガラス基板Wの表面状態を研磨前と全く変えることなく)、異常突起だけを固定砥粒研磨シート23による研磨により短時間で効率よく取り除くことができる。例えば、10μm〜40μmあった異常突起部分の高さを1μm以下に収めることができ、異常突起の残数を限りなくゼロにすることができる。
また、高速処理が可能であり、1枚のガラス基板Wの処理時間を30秒以下にすることができる。
【0028】
従って、図12に示すように、全数のガラス基板Wをこの研磨機100に通すことにより、オフラインでの修正作業数を大幅に減らすことができ、歩留まりおよび生産効率の向上と低コスト生産に寄与することができる。
【0029】
また、本実施形態の研磨機は、加圧チューブ18の中に加圧気体を導入することにより研磨プレート20に押圧力を付与するようにしているので、押圧力の発生源として加圧気体を利用するものの、それを加圧チューブ18に出し入れするだけであるから、加圧気体の漏れ防止のための特別なシール構造を設ける必要がなく、構成を簡単にすることができ、実現するのが容易である。
【0030】
また、加圧チューブ18を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ18a〜18dとして分割し、各分割チューブ18a〜18d毎にそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにしているので、研磨プレート20がガラス基板Wの大型化に伴って非常に長くなった場合にも、研磨プレート20による研磨圧力の分布の均一化を図ることができる。従って、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合にも、膜厚や色度のバラツキを抑えることができる。
【0031】
また、研磨ヘッド10の本体11と研磨プレート20との間には、研磨プレート20を押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブ19を設け、加圧チューブ18と反力チューブ19の圧力バランスを調整することで、研磨プレート20の押圧力を調整するようにしているので、押圧力を微妙に且つ容易に調整することができる。
加えて、図11に示すように、反力チューブ19を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ19a〜19dとして分割し、各分割チューブ19a〜19d毎にそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにすることで、研磨プレート20の前後方向(ガラス基板Wの搬送方向)だけでなく、左右方向の圧力調整が可能となり、よって、研磨プレートによる研磨圧力の分布をより一層均一にすることができ、厚膜や色度のバラツキをより確実に抑えることができる。
【0032】
また、研磨ヘッド10で上方からガラス基板Wの上面を研磨するようにしているので、大面積のガラス基板Wであっても安定姿勢で精度よく研磨することができる。また、研磨ヘッド10の本体11に設けた押圧室14に加圧チューブ18と反力チューブ19を収容しているので、研磨ヘッド10をコンパクトに構成することもできる。
【0033】
また、上記研磨機では、研磨プレート20に、ガラス基板Wの搬送方向に並べて2枚の固定砥粒研磨シート23を間隔を開けて貼り付けているので、搬送されてきたガラス基板Wの一部にしか研磨プレート20がかからない場合と、ガラス基板Wの全面に研磨プレート20がかかる場合との、固定砥粒研磨シート23のガラス基板Wに対する当たり方を偏りないものとすることができる。
【0034】
更に、研磨面に純水を常時供給することにより、研磨かすを排除することができるので、研磨かすによる無用な傷の発生を防止することができる。
【0035】
また、研磨が終了したら、図6(a)、図7(a)に示すように、加圧チューブ18の加圧エアを抜くことにより、研磨プレート20を上昇させることができ、次のガラス基板Wの搬入に備えることができる。
【0036】
以上、本実施形態では、加圧チューブ18と反力チューブ19の何れか一方を複数のチューブに分割した例を示したが、加圧チューブ18と反力チューブ19の双方を分割するようにしてもよく、この場合は、研磨圧力の分布の均一化を図る上で好ましい。また、分割数も4分割に限るものではなく、例えば、2分割としてもよく、この場合は、各チューブの分割構造や加圧エア給排管の接続構造を簡略化できる。
【0037】
図13は製造ライン上に3台の研磨手段を設備した場合を示す側面図である。 この図示例においては、搬送ラインを構成する搬送コンベヤ1に沿って、研磨仕様を異ならせた3台の研磨手段100A、100B、100Cを配置すると共に、最上流の1台の研磨手段100Aとして、上述した実施形態のクリアランス調整用パッド24を有する研磨機を使用することにより、その研磨機で異常突起を除去するようにしている。
また後段の2台の研磨手段100B、100Cは仕上研磨を行うようにしてある。そうすることにより、異常突起研磨除去プロセスと表面研磨プロセスをオンラインで連続して行うことができ、カラーフィルタのRGB膜の平坦化と平滑化が実現できて、生産効率を上げながら品質向上を図ることができる。
【0038】
例えば、仕上研磨である表面リフレッシュ研磨により、ブラックマトリックスBM上のRGB膜の突起を低く(0.4〜0.6μm→0.2μm以下)することができる(平坦化)と共に、表面粗度をRa=5〜8nm→2nm以下にすることができる(平滑化)。
なお、研磨手段100A、100B、100Cは、それぞれ独立した研磨機として設置してもよいが、研磨ヘッドだけをそれぞれ各研磨手段100A、100B、100Cとして独立して設け、その他の構成を共通化させてもよい。
【0039】
なお、上記実施形態では、研磨プレート20の研磨定盤面20aに、固定砥粒研磨シート23とクリアランス調整用パッド24を設けていたが、その他の全面研磨用の研磨パッドだけ設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態の研磨機を装備したガラス基板W(カラーフィルタ)の製造ラインの要部構成を示す平面図である。
【図2】同要部構成を示す側面図である。
【図3】上定盤としての研磨プレートの下部構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図である。
【図4】図3のIV部の拡大図である。
【図5】ガラス基板に研磨プレートを押圧させたときの状態を示す図4と同様の拡大図である。
【図6】研磨ヘッドの構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図7】ガラス基板の搬送方向の正面側から見た研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図8】研磨ヘッドに装備した加圧チューブの分割構成を示す平面図である。
【図9】具体的な加圧チューブの分割の仕方を示す正面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【図11】ガラス基板の搬送方向の正面側から見た図7とは別の研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図12】製造ラインにオンラインで研磨機を組み込んだ場合のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】製造ライン上に3台の研磨手段を設備した場合を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 研磨ヘッド
11 研磨ヘッドの本体
14 押圧室
15 フランジ
18 加圧チューブ
18a〜18d 分割チューブ
19 反力チューブ
19a〜19b 分割チューブ
20 研磨プレート
20a 研磨定盤面(研磨作業面)
W ガラス基板(被研磨部材)
CF カラーフィルタ
A ガラス基板の搬送方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶表示装置用カラーフィルタ等のガラス基板に形成された膜を研磨するための平面研磨機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の研磨機として、特許文献1に記載のものが知られている。この研磨機は、静止した角型のガラス基板(カラーフィルタ)の着色層が形成された面上に、その長辺の長さがガラス基板の短辺の長さよりも長い角形の研磨プレートをガラス基板の短辺と平行に配置すると共に、研磨プレートの長手方向に複数の加圧ポイントを設けて、各々の加圧ポイントに対し独立に加圧制御しながら研磨プレートでガラス基板面を加圧し、その状態で、研磨プレートにガラス基板の垂直方向を軸とした偏心回転をさせて研磨プレートをガラス基板の短辺方向に揺動させると共に、研磨プレートをガラス基板の長辺方向(短辺と直角方向)に移動させてカラーフィルタ表面を研磨するというものである。この研磨機によれば、ガラス基板の全面を均一に研磨できるという利点が得られる。
【0003】
ところで、この特許文献1には、複数の加圧ポイントに対して、どのように独立して加圧制御を行うかについては十分な開示がなされていないため、具体的に装置化する上で問題が残されていた。
【特許文献1】特開2004−195602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情を考慮し、研磨圧力の分布の均一化を図ることができて、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合に膜厚や色度のバラツキを抑えることができ、しかも、具体的に装置化する場合に構造が簡単で実現の容易な平面研磨機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1に記載の発明は、被研磨部材の被研磨面に対向する研磨ヘッドを有し、該研磨ヘッドに装備した研磨プレートを、前記被研磨面に押圧させつつ、被研磨部材に対して面内移動させ、且つ、前記研磨ヘッドの長手方向と直交する方向に前記被研磨部材を相対移動させることで、前記被研磨面を研磨する平面研磨機において、前記研磨ヘッドの本体に、前記研磨プレートを、前記被研磨面に対して押圧する方向に沿って移動自在に装備し、前記研磨ヘッドの本体と前記研磨プレートとの間の該研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ、および加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを配設し、前記加圧チューブと前記反力チューブの圧力バランスを調整することにより、前記被研磨面に対する研磨プレートの押圧力を調整するように構成すると共に、前記加圧チューブと前記反力チューブの内の少なくとも何れか一方を前記研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割して、各分割チューブをそれぞれ独立して圧力制御可能としたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面研磨機において、前記被研磨部材の被研磨面が長方形のガラス基板に膜が形成された上面であり、このガラス基板を、該ガラス基板の一方の対向辺と平行な方向に前記研磨ヘッドに対して搬送するものとし、前記研磨ヘッドは、水平な姿勢で搬送される前記ガラス基板の上方に位置するよう配置され、該研磨ヘッドの下部に、上下方向移動自在に前記研磨プレートが装備され、該研磨プレートの上端面と、前記研磨ヘッドに形成された、前記研磨プレートの上部を収容する押圧室の天井面との間に、前記研磨プレートを下方に押圧する前記加圧チューブが収容され、前記研磨プレートの左右に突設されたフランジと、その下側に位置する前記押圧室の下部のフランジとの間に、前記研磨プレートを上方に押圧する前記反力チューブが収容されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の平面研磨機において、前記膜が形成されたガラス基板が、ディスプレイパネルのカラーフィルタであり、前記膜がRGBの着色膜であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、研磨ヘッドの本体と研磨プレートとの間に、研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブと、研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを設け、加圧チューブと反力チューブの圧力バランスを調整することにより、研磨プレートの押圧力を調整できるようにしているので、押圧力を微妙に且つ容易に調整することができる。
また、加圧チューブと反力チューブの何れか一方を研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割し、各分割チューブごとにそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにしているので、研磨プレートが被研磨部材の大型化に伴って非常に長くなった場合にも、研磨プレートによる研磨圧力の分布の均一化を図ることができる。従って、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合にも、膜厚や色度のバラツキを抑えることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、研磨ヘッドで上方からガラス基板の上面を研磨するようにしているので、大面積のガラス基板であっても安定姿勢で精度よく研磨することができる。
また、研磨ヘッドの本体に設けた押圧室に加圧チューブと反力チューブを収容したので、研磨ヘッドをコンパクトに構成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、カラーフィルタのRGBの着色膜を均一に研磨することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
この実施形態の平面研磨機(単に研磨機という)は、液晶表示装置用カラーフィルタ(被研磨部材)のRGB膜を形成した面(被研磨面)を研磨するためのものであり、図1は実施形態の研磨機を装備したガラス基板W(カラーフィルタ)の製造ラインの要部構成を示す平面図、図2は同要部構成を示す側面図、図3は上定盤としての研磨プレートの下部構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図、図4は図3のIV部の拡大図、図5はガラス基板に研磨プレートを押圧させたときの状態を示す図4と同様の拡大図、図6は研磨ヘッドの構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図、図7、図11はガラス基板の搬送方向の正面側から見た研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図、図8は研磨ヘッドに装備した加圧チューブの分割構成を示す平面図、図9は具体的な加圧チューブの分割の仕方を示す正面図、図10は図9のX−X矢視断面図、図12は製造ラインにオンラインで研磨機を組み込んだ場合のシステム構成を示すブロック図である。
【0012】
図1、図2において、1はガラス基板W(カラーフィルタに相当)をその面方向に沿って矢印A方向に水平な姿勢で搬送する搬送コンベア(搬送経路)、3はガラス基板Wの搬送経路の下側に配置されたガラス基板Wの載る下定盤、10はその下定盤3の上方に配置され、搬送されてきたガラス基板Wの上側の表面を研磨する研磨ヘッド、20はこの研磨ヘッド10の本体11に設けられた上定盤としての研磨プレートである。
この研磨機(研磨ヘッド10で代表される部分)は、RGB膜が形成されたガラス基板Wの表面(被研磨面)に研磨プレート20を押圧させつつ、研磨プレート20をガラス基板Wに対して面内移動させることで、ガラス基板Wの表面の膜を研磨するものである。ガラス基板Wは、長方形の平板状のもので、一方の対向辺である長辺を搬送方向Aと平行にした姿勢で一方の短辺を前端にして、上流側から研磨ヘッド10の下側に搬送されて来て、研磨ヘッド10による研磨後、そのままの姿勢と速度で下流側へ搬送されて行く。
【0013】
図3〜図5に示すように、研磨プレート20の下面は研磨定盤面(研磨作業面)20aとなっており、研磨定盤面20aには研磨パッドしての固定砥粒研磨シート23と、クリアランス調整用パッド24とが貼り付けられている。クリアランス調整用パッド24は、研磨プレート20をガラス基板Wの表面に押圧させたときに、ガラス基板Wの表面に固定砥粒研磨シート23よりも先に当たって押圧力に応じて潰れ変形し、それにより、ガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との間に最適な隙間H2(図5参照。最適な隙間は数μm以下)を保つためのものである。
固定砥粒研磨シート23としては、固定砥粒として、例えば、ダイヤモンド砥粒又はアルミナ砥粒を樹脂材料中に混入してシート状に成形したダイヤモンドシート或いはアルミナシートが用いられている。
【0014】
クリアランス調整用パッド24は、ウレタン樹脂やウレタンゴム等よりなり、非押圧時には、固定砥粒研磨シート23の下面より所定寸法H1(20μm程度)だけ突出している。なお、固定砥粒研磨シート23は、研磨定盤面20aに、弾性シート(ウレタンゴムやウレタンシートなど)21を介して、両面テープ22により貼り付けられており、弾性シート21により、クリアランス調整用パッド24に対する高さが調整されて、ガラス基板Wに適切な押圧力で接触するようになっている。この場合の各要素の仕様は、次表1の通りである。
【0015】
【表1】
【0016】
研磨ヘッド10は、ガラス基板Wの搬送方向Aと直交する方向に自身の長さ方向を向けて配されており、その長さが、搬送経路上を搬送されてくる1枚、または、搬送方向と直交する方向に並んだ状態で搬送されてくる複数枚(本図示例では2枚)のガラス基板Wの全てを1度に研磨できる長さに設定されている。
また、研磨プレート20の研磨定盤面20aには、ガラス基板Wの搬送方向に並べて2枚の固定砥粒研磨シート23が平行に互いに間隔をあけて貼り付けられており、そのガラス基板Wの搬送方向の前後にクリアランス調整用パッド24が貼り付けられている。また、2枚の固定砥粒研磨シート23の間に位置させて、研磨プレート20には、固定砥粒研磨シート23による研磨部位に純水を供給する純水供給口13が設けられている。
【0017】
図3、図6に示すように、研磨プレート20は、固定砥粒研磨シート23およびクリアランス調整用パッド24を下に向けて、研磨ヘッド10の本体11に上下方向移動自在に設けられている。図6に示すように、研磨ヘッド10の本体11には、下面に開口14aを有した押圧室14が設けられており、研磨プレート20の上部がこの押圧室14の内部に収容されると共に、研磨プレート20の下部が開口14aより下方へ突出している。そして、研磨プレート20の下面の研磨定盤面20aが、搬送されてくるガラス基板Wの上側の表面に対向できるようになっている。この場合、研磨定盤面20aに貼り付けられた固定砥粒研磨シート23の下面が、実際の研磨作業面に相当する。
【0018】
また、研磨ヘッド10の本体11と研磨プレート20との間には、研磨プレート20をガラス基板Wに押圧させ、且つその押圧力を調整する加圧チューブ(メインチューブとも言う)18と反力チューブ(サイドチューブとも言う)19とが設けられている。
加圧チューブ18は、加圧エア(エア以外の気体でも可)の導入により膨張して、研磨プレート20を下に向けて押圧するもので、押圧室14の天井壁と研磨プレート20の上端壁との間に配置されている。また、反力チューブ19は、加圧エア(エア以外の気体でも可)の導入により膨張して研磨プレート20を、加圧チューブ18の圧力に抗するよう上に向けて押圧するもので、研磨プレート20の左右に張り出したフランジ25と研磨ヘッド10の本体11側の開口14aの左右の各フランジ15との間に配置されている。
図6(b)に加圧チューブ18による下向き力P1と、反力チューブ19による上向き力P2の関係を示す。これら加圧チューブ18と反力チューブ19は、図7に示すように、研磨プレート20の長さ方向のほぼ全長にわたる範囲に配設されている。
【0019】
本実施形態では、この加圧チューブ18が、図7、図8に示すように、研磨プレート20の長手方向に複数(図示例の場合は4つ)の分割チューブ18a〜18dに分割されており、各分割チューブ18a〜18dは、それぞれ独立して圧力制御ができるように構成されている。即ち、各分割チューブ18a〜18d毎に加圧エア給排管17a〜17dが接続されており、これら加圧エア給排管17a〜17dを通じて各分割チューブ18a〜18d毎に加圧エアの出し入れを行うことにより、図7(b)に示すように、各分割チューブ18a〜18d毎にそれぞれ独立した下向きの加圧力P1a〜P1dを発生するようになっている。
【0020】
加圧チューブ18の分割の仕方は、図9に示すように、1本の加圧チューブ18を、その両端と複数の分割箇所で完全に潰して固定することにより、隣接する空間同士の連通を遮断して、チューブ内の空間を複数の分割チューブ18a〜18dに相当する空間に仕切ったものであり、図10に示すように、各分割チューブ18a〜18dの上部に加圧エア給排管17a〜17dの先端が接続されている。
【0021】
また、本実施形態では、上述した加圧チューブ18の分割に替えて、反力チューブ19の方を、図11に示すように、研磨プレート20の長手方向に複数(図示例の場合は4つ)の分割チューブ19a〜19dに分割するようにしても良く、この場合も、上述した加圧チューブ18を構成する各分割チューブ18a〜18dと同様に、各加圧エア給排管16a〜16dを通じてこれら分割チューブ19a〜19d毎に加圧エアの出し入れを行うことにより、図11(b)に示すように、各分割チューブ19a〜19d毎にそれぞれ独立した上向きの加圧力P2a〜P2dを発生するようになっている。
尚、この反力チューブ19の分割構造と加圧エア給排管16a〜16dの接続構造は、図9、図10に示した加圧チューブ18の場合とほぼ同様であるため、それらの図示と説明は省略する。
【0022】
また、加圧チューブ18を構成する分割チューブ18a〜18dに接続された加圧エア給排管17a〜17dと反力チューブ19を構成する分割チューブ19a〜19dに接続された加圧エア給排管16a〜16dには、それぞれ圧力調整手段(図示略)が接続されている。圧力調整手段は、加圧チューブ18(図7の構成では分割チューブ18a〜18d)と反力チューブ19(図11の構成では、分割チューブ19a〜19d)に導入する加圧エアの圧力バランスを調整することにより、ガラス基板Wに対する研磨プレート20の押圧力を調整するもので、この圧力調整手段と加圧チューブ18および反力チューブ19とにより、ガラス基板Wに対する研磨プレート20の押圧力を調整するための押圧調整機構が構成されている。
【0023】
特に、本実施形態では、加圧チューブ18、或いは反力チューブ19を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ18a〜18d、或いは複数の分割チューブ19a〜19dに分割しているので、分割チューブ18a〜18dの圧力をそれぞれ個別にコントロールすることにより、研磨プレート20に加える下向きの加圧力の長手方向の分布を自由に調整することができ、他方、分割チューブ19a〜19dの圧力をそれぞれ個別にコントロールすることにより、研磨プレート20に加える上向きの加圧力の長手方向の分布を自由に調整することができる。 従って、これら上向きの加圧力と下向きの加圧力を調整することにより、大面積のガラス基板Wを研磨する場合にも、加圧力の均一化を容易に図ることができる。
【0024】
また、本実施形態の研磨機は、図示しないが、研磨ヘッド10の上端に突出した揺動軸12を介して、研磨ヘッド10を、ガラス基板Wの搬送方向と直交する面内方向の運動成分を少なくとも含むようオービタル運動させる駆動機構を備えている。
【0025】
図12はカラーフィルタCF(ガラス基板W)の製造ラインの概略を示しており、この図の製造ラインにおいては、カラーフィルタCFの搬入部101から完成品のカラーフィルタCFの搬出部102との間を結ぶ搬送ライン103上に、カラーフィルタのRGB膜の状態を検査する検査機120が配置され、搬送ライン103外(オフライン上)に、検査機120で異常と判定されたカラーフィルタの修正機130が配置され、搬送ライン103上の検査機120の手前に上述の構成の研磨機100が配置されている。
【0026】
次に上記構成の研磨機を用いてガラス基板の表面の膜を研磨する方法について説明する。
搬送コンベヤ1によって、ガラス基板Wが研磨ヘッド10の下に搬送されてきたら、図6(b)、図7(b)に示すように加圧チューブ18に加圧エアを導入して、研磨プレート20を下降させる。また、反力チューブ19にも加圧エアを導入して、研磨プレート20の下降位置を調整し、ガラス基板Wの表面に研磨プレート20の下面を押圧させる。
その際、加圧チューブ18と反力チューブ19の圧力バランスを調整して押圧力を調整し、図5に示すように、押圧力に応じてクリアランス調整用パッド24を潰れ変形させることで、ガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との隙間を最適に調整する。また、加圧チューブ18を構成する各分割チューブ18a〜18dの圧力、或いは図11の構成では、反力チューブ19を構成する各分割チューブ19a〜29dの圧力をそれぞれ個別に調整することで、研磨プレート20の長手方向における加圧力の分布を調整する。そしてその状態で、研磨ヘッド10をガラス基板Wに対して偏心回転させることで、ガラス基板Wの表面の膜を固定砥粒研磨シート23で研磨する。
【0027】
この場合、押圧時のガラス基板Wの表面と固定砥粒研磨シート23との隙間H2は、ガラス基板Wの表面の膜上に存在する異常突起だけに固定砥粒研磨シート23が接触し、且つ正常厚さの膜に対しては非接触となるように調整する。
それにより、膜自体の正常な厚みを減らさずに(つまり、研磨後のガラス基板Wの表面状態を研磨前と全く変えることなく)、異常突起だけを固定砥粒研磨シート23による研磨により短時間で効率よく取り除くことができる。例えば、10μm〜40μmあった異常突起部分の高さを1μm以下に収めることができ、異常突起の残数を限りなくゼロにすることができる。
また、高速処理が可能であり、1枚のガラス基板Wの処理時間を30秒以下にすることができる。
【0028】
従って、図12に示すように、全数のガラス基板Wをこの研磨機100に通すことにより、オフラインでの修正作業数を大幅に減らすことができ、歩留まりおよび生産効率の向上と低コスト生産に寄与することができる。
【0029】
また、本実施形態の研磨機は、加圧チューブ18の中に加圧気体を導入することにより研磨プレート20に押圧力を付与するようにしているので、押圧力の発生源として加圧気体を利用するものの、それを加圧チューブ18に出し入れするだけであるから、加圧気体の漏れ防止のための特別なシール構造を設ける必要がなく、構成を簡単にすることができ、実現するのが容易である。
【0030】
また、加圧チューブ18を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ18a〜18dとして分割し、各分割チューブ18a〜18d毎にそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにしているので、研磨プレート20がガラス基板Wの大型化に伴って非常に長くなった場合にも、研磨プレート20による研磨圧力の分布の均一化を図ることができる。従って、液晶表示装置用カラーフィルタを研磨した場合にも、膜厚や色度のバラツキを抑えることができる。
【0031】
また、研磨ヘッド10の本体11と研磨プレート20との間には、研磨プレート20を押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブ19を設け、加圧チューブ18と反力チューブ19の圧力バランスを調整することで、研磨プレート20の押圧力を調整するようにしているので、押圧力を微妙に且つ容易に調整することができる。
加えて、図11に示すように、反力チューブ19を、研磨プレート20の長手方向に複数の分割チューブ19a〜19dとして分割し、各分割チューブ19a〜19d毎にそれぞれ独立して加圧気体の圧力を制御できるようにすることで、研磨プレート20の前後方向(ガラス基板Wの搬送方向)だけでなく、左右方向の圧力調整が可能となり、よって、研磨プレートによる研磨圧力の分布をより一層均一にすることができ、厚膜や色度のバラツキをより確実に抑えることができる。
【0032】
また、研磨ヘッド10で上方からガラス基板Wの上面を研磨するようにしているので、大面積のガラス基板Wであっても安定姿勢で精度よく研磨することができる。また、研磨ヘッド10の本体11に設けた押圧室14に加圧チューブ18と反力チューブ19を収容しているので、研磨ヘッド10をコンパクトに構成することもできる。
【0033】
また、上記研磨機では、研磨プレート20に、ガラス基板Wの搬送方向に並べて2枚の固定砥粒研磨シート23を間隔を開けて貼り付けているので、搬送されてきたガラス基板Wの一部にしか研磨プレート20がかからない場合と、ガラス基板Wの全面に研磨プレート20がかかる場合との、固定砥粒研磨シート23のガラス基板Wに対する当たり方を偏りないものとすることができる。
【0034】
更に、研磨面に純水を常時供給することにより、研磨かすを排除することができるので、研磨かすによる無用な傷の発生を防止することができる。
【0035】
また、研磨が終了したら、図6(a)、図7(a)に示すように、加圧チューブ18の加圧エアを抜くことにより、研磨プレート20を上昇させることができ、次のガラス基板Wの搬入に備えることができる。
【0036】
以上、本実施形態では、加圧チューブ18と反力チューブ19の何れか一方を複数のチューブに分割した例を示したが、加圧チューブ18と反力チューブ19の双方を分割するようにしてもよく、この場合は、研磨圧力の分布の均一化を図る上で好ましい。また、分割数も4分割に限るものではなく、例えば、2分割としてもよく、この場合は、各チューブの分割構造や加圧エア給排管の接続構造を簡略化できる。
【0037】
図13は製造ライン上に3台の研磨手段を設備した場合を示す側面図である。 この図示例においては、搬送ラインを構成する搬送コンベヤ1に沿って、研磨仕様を異ならせた3台の研磨手段100A、100B、100Cを配置すると共に、最上流の1台の研磨手段100Aとして、上述した実施形態のクリアランス調整用パッド24を有する研磨機を使用することにより、その研磨機で異常突起を除去するようにしている。
また後段の2台の研磨手段100B、100Cは仕上研磨を行うようにしてある。そうすることにより、異常突起研磨除去プロセスと表面研磨プロセスをオンラインで連続して行うことができ、カラーフィルタのRGB膜の平坦化と平滑化が実現できて、生産効率を上げながら品質向上を図ることができる。
【0038】
例えば、仕上研磨である表面リフレッシュ研磨により、ブラックマトリックスBM上のRGB膜の突起を低く(0.4〜0.6μm→0.2μm以下)することができる(平坦化)と共に、表面粗度をRa=5〜8nm→2nm以下にすることができる(平滑化)。
なお、研磨手段100A、100B、100Cは、それぞれ独立した研磨機として設置してもよいが、研磨ヘッドだけをそれぞれ各研磨手段100A、100B、100Cとして独立して設け、その他の構成を共通化させてもよい。
【0039】
なお、上記実施形態では、研磨プレート20の研磨定盤面20aに、固定砥粒研磨シート23とクリアランス調整用パッド24を設けていたが、その他の全面研磨用の研磨パッドだけ設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態の研磨機を装備したガラス基板W(カラーフィルタ)の製造ラインの要部構成を示す平面図である。
【図2】同要部構成を示す側面図である。
【図3】上定盤としての研磨プレートの下部構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図である。
【図4】図3のIV部の拡大図である。
【図5】ガラス基板に研磨プレートを押圧させたときの状態を示す図4と同様の拡大図である。
【図6】研磨ヘッドの構成を示すガラス基板の搬送方向の側方から見た断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図7】ガラス基板の搬送方向の正面側から見た研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図8】研磨ヘッドに装備した加圧チューブの分割構成を示す平面図である。
【図9】具体的な加圧チューブの分割の仕方を示す正面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【図11】ガラス基板の搬送方向の正面側から見た図7とは別の研磨ヘッドの概略断面図で、(a)は研磨プレートをガラス基板に押圧させる前の状態、(b)は研磨プレートをガラス基板に押圧させた状態をそれぞれ示す断面図である。
【図12】製造ラインにオンラインで研磨機を組み込んだ場合のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】製造ライン上に3台の研磨手段を設備した場合を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 研磨ヘッド
11 研磨ヘッドの本体
14 押圧室
15 フランジ
18 加圧チューブ
18a〜18d 分割チューブ
19 反力チューブ
19a〜19b 分割チューブ
20 研磨プレート
20a 研磨定盤面(研磨作業面)
W ガラス基板(被研磨部材)
CF カラーフィルタ
A ガラス基板の搬送方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨部材の被研磨面に対向する研磨ヘッドを有し、該研磨ヘッドに装備した研磨プレートを、前記被研磨面に押圧させつつ、被研磨部材に対して面内移動させ、且つ、前記研磨ヘッドの長手方向と直交する方向に前記被研磨部材を相対移動させることで、前記被研磨面を研磨する平面研磨機において、
前記研磨ヘッドの本体に、前記研磨プレートを、前記被研磨面に対して押圧する方向に沿って移動自在に装備し、前記研磨ヘッドの本体と前記研磨プレートとの間の該研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ、および加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを配設し、前記加圧チューブと前記反力チューブの圧力バランスを調整することにより、前記被研磨面に対する研磨プレートの押圧力を調整するように構成すると共に、前記加圧チューブと前記反力チューブの内の少なくとも何れか一方を前記研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割して、各分割チューブをそれぞれ独立して圧力制御可能としたことを特徴とする平面研磨機。
【請求項2】
前記被研磨部材の被研磨面が長方形のガラス基板に膜が形成された上面であり、このガラス基板を、該ガラス基板の一方の対向辺と平行な方向に前記研磨ヘッドに対して搬送するものとし、
前記研磨ヘッドは、水平な姿勢で搬送される前記ガラス基板の上方に位置するよう配置され、該研磨ヘッドの下部に、上下方向移動自在に前記研磨プレートが装備され、該研磨プレートの上端面と、前記研磨ヘッドに形成された、前記研磨プレートの上部を収容する押圧室の天井面との間に、前記研磨プレートを下方に押圧する前記加圧チューブが収容され、前記研磨プレートの左右に突設されたフランジと、その下側に位置する前記押圧室の下部のフランジとの間に、前記研磨プレートを上方に押圧する前記反力チューブが収容されていることを特徴とする請求項1に記載の平面研磨機。
【請求項3】
前記膜が形成されたガラス基板は、ディスプレイパネルのカラーフィルタであり、前記膜はRGBの着色膜であることを特徴とする請求項2に記載の平面研磨機。
【請求項1】
被研磨部材の被研磨面に対向する研磨ヘッドを有し、該研磨ヘッドに装備した研磨プレートを、前記被研磨面に押圧させつつ、被研磨部材に対して面内移動させ、且つ、前記研磨ヘッドの長手方向と直交する方向に前記被研磨部材を相対移動させることで、前記被研磨面を研磨する平面研磨機において、
前記研磨ヘッドの本体に、前記研磨プレートを、前記被研磨面に対して押圧する方向に沿って移動自在に装備し、前記研磨ヘッドの本体と前記研磨プレートとの間の該研磨プレートのほぼ全長にわたる範囲に、加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向に変位させる加圧チューブ、および加圧気体の導入により膨張して前記研磨プレートを押圧方向と逆方向に変位させる反力チューブを配設し、前記加圧チューブと前記反力チューブの圧力バランスを調整することにより、前記被研磨面に対する研磨プレートの押圧力を調整するように構成すると共に、前記加圧チューブと前記反力チューブの内の少なくとも何れか一方を前記研磨プレートの長手方向に複数のチューブに分割して、各分割チューブをそれぞれ独立して圧力制御可能としたことを特徴とする平面研磨機。
【請求項2】
前記被研磨部材の被研磨面が長方形のガラス基板に膜が形成された上面であり、このガラス基板を、該ガラス基板の一方の対向辺と平行な方向に前記研磨ヘッドに対して搬送するものとし、
前記研磨ヘッドは、水平な姿勢で搬送される前記ガラス基板の上方に位置するよう配置され、該研磨ヘッドの下部に、上下方向移動自在に前記研磨プレートが装備され、該研磨プレートの上端面と、前記研磨ヘッドに形成された、前記研磨プレートの上部を収容する押圧室の天井面との間に、前記研磨プレートを下方に押圧する前記加圧チューブが収容され、前記研磨プレートの左右に突設されたフランジと、その下側に位置する前記押圧室の下部のフランジとの間に、前記研磨プレートを上方に押圧する前記反力チューブが収容されていることを特徴とする請求項1に記載の平面研磨機。
【請求項3】
前記膜が形成されたガラス基板は、ディスプレイパネルのカラーフィルタであり、前記膜はRGBの着色膜であることを特徴とする請求項2に記載の平面研磨機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−290191(P2008−290191A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138171(P2007−138171)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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