説明

幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車

【課題】
従来の三人乗りは重心が高いので走行時不安定で、駐輪時に転倒しやすく、転倒した時は非常に危険で大きな怪我をしやすい。また後方に乗せた場合、子供の状態が把握できないため、危険を事前に察し、回避できない。安全に幼児2人同乗できる自転車の車体構造を開発する。
【解決手段】
前輪の径を後輪の径の5分の4より小さくし、自転車、車体本体フレーム(5)のハンドル軸受部(17)とハンドル間のハンドル軸長さ(8)を0〜10cm以下に抑え、ハンドル(12)は幼児用の椅子A(28)の幅より大きくし、その左右両端から上方、後方に湾曲させ運転者が容易に操作できるよう延長した長さとし、ハンドル(12)の上部に幼児用の椅子A(28)を前方の車体本体フレーム(27)に装着、その後方に幼児用の椅子B(13)を車体本体フレーム(5)前方に装着できるようにした幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車を発明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は従来の自転車の特性を生かし、車体前方、ハンドル上、ハンドル後方に幼児搭載椅子2個を置くことができるように車体前部を改良し、幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
三人乗り自転車は安全性を確認すれば認可を得る。従来の自転車では安全に三人乗れず、開発を急いでいる。二人乗り用ではペット等を乗せるとき、前輪が24インチ以下でハンドルの上に搭載したものがあるがハンドルに固定するため、ハンドル操作に重みがかかるという欠点がある。急ハンドル操作時遠心力が働き、不安定になる。車体前方、ハンドル上、ハンドル後方に幼児搭載椅子2個を装着できるようにした幼児2人同乗用自転車は見かけない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の自転車は子供用の椅子を搭載するのはハンドルか後輪上部、荷台部分で、重心が高く、安定性と転倒時の危険は免れない。また三人乗りは運転者の前に一人、運転者の後ろに一人乗せるか、運転者の後ろに二人乗せていた。運転者の後ろは子供の状態が把握できないため事前に危険を回避できない。従来の自転車ではハンドル後方に幼児用の椅子2個は装着できず、行うとすれば前輪車軸と後輪車軸間の距離を大きくしなければならない。これは自転車の車体長が大きくなり、危険である。従来の自転車の利点をそのままに、安全に幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車を発明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の自転車では子供を運転者の前に乗せても、運転者の後ろに乗せても重心が高
いので走行時不安定で、駐輪時に転倒しやすく、転倒した時は非常に危険で大きな怪我をしやすい。また運転者の後方に乗せた場合、子供の状態を把握できないため、危険を事前に察し、回避できない。そのため子供を運転者より前方に乗せるようにする。重心を低くするため、前輪(1)の径を後輪(2)の径の5分の4より小さくし、自転車、車体本体フレーム(5)の軸受部(17)とハンドル間のハンドル軸長さ(8)を0〜10cm以下に抑え、ハンドル(12)はハンドル固定部(19)から左右に振り分けた長さ(9)を幼児用の椅子A(28)の幅より大きくし、その左右両端から上方、後方に湾曲させ運転者が容易に操作できるよう延長した長さとしたハンドル(12)の上部に幼児用の椅子A(28)を前方の車体本体フレーム(27)に装着できるようにし、幼児用の椅子A(28)を搭載、幼児用の椅子A(28)の後方に、さらに幼児用の椅子B(13)を車体本体フレーム(5)前方に装着できるようにしたことを特徴とする従来の24インチ以上の自転車を幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車を発明する。ハンドル(12)はハンドル固定部(19)から左右に振り分けた長さ(9)を幼児用の椅子A(28)の幅より大きくし、その左右両端から上方、後方に湾曲させ、運転者が容易に操作できるよう延長した長さのハンドル(12)とするか、水平方向後方に延出するハンドル(35)、平行リンク(29)を設けたハンドル(34)のようにするなどの方法でより運転しやすさを図る。また、車体本体フレーム(5)の下にスタンド(33)を設け乗り降り時に転倒防止機構にする。前後輪が24インチより小さい自転車では重心が元から低いので、前輪(1)の径を後輪(2)の径とおなじでもよい。
【発明の効果】
【0005】
従来の自転車の走行の特性をそのまま生かせ、搭載した子供の位置する重心が低くなり、走行時の安定した運転が可能となる。転倒しても重心が低いので比較的軽傷に抑えられる。また前方に二人乗せられるので、子供の状態を把握でき、危険を事前に察し、回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
従来の自転車を上記のように前輪とハンドル部分(12)、車体本体フレーム(5)のように車体構造を改良するだけでできるので安易に改良できる。より安定性を増すため、幼児用椅子2台が、できるだけ車体中央部に配置できるように従来のペダルクランク軸を後輪泥よけステーぎりぎりの位置まで移動し、ペダル用クランク軸受から後輪軸受までの距離(11)を従来のペダル用クランク軸受から後輪軸受までの距離(24)より5〜10cm短縮、同時にサドル(7)の位置も並行移動する。車体本体フレーム(5)の下にスタンド(33)を設置し、乗降時に立て、安定性のあるものにすると転倒事故はかなり防げる。車体本体フレーム(5)は幼児用自転車椅子を簡易に固定できるよう工夫するとよい。転倒した際、ハンドル(12)が回転し、子供に当たり、強い衝撃を与える恐れがあるのでハンドル握り部が幼児にあたらないようハンドル握り部を幼児の上部になるようにするか、ハンドル回転角度を制限し、ロックする方法、請求項4のようにハンドルを水平方向後方にする、請求項5のように平行リンクを用いてハンドル操作位置を変えるなどの構造とする。
【産業上の利用可能性】
【0007】
本発明に係る幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車は、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】請求項1の改良自転車の構造を第三角法で表した図である。
【図2】従来の自転車の構造を第三角法で表した図である。
【図3】改良自転車で幼児2人を搭載、車体本体フレーム(5)にスタンド(33)を取り付 けた図を第三角法で表した図である。
【図4】ハンドル軸受け部の詳細図である。
【図5】請求項1のハンドルを水平後方に延長した請求項4の図である。
【図6】請求項1のハンドルを平行リンクを使い、後方に移動した請求項5の図で ある。
【符号の説明】
【0009】
1 改良自転車の前輪
2 改良自転車の前輪
3 自転車の前輪車軸
4 自転車の後輪車軸
5 改良自転車の車体・本体フレーム
6 ペダルクランク軸
7 サドル
8 車体本体フレーム(5)のハンドル軸受部(17)とハンドル間のハンドル軸長さ
9 ハンドル左右振り分け長さ
10 前輪車軸と後輪車軸間の距離
11 ペダルクランク軸と後輪車軸間の距離
12 改良自転車のハンドル
13 幼児用の椅子B
14 同上、前飛び出し防止用ハンドル
15 6歳以下の子供
16 幼児用の椅子Bの車体本体フレーム(5)固定金具
17 車体本体フレームのハンドル軸受
18 従来の自転車の車体本体フレーム(5)のハンドル軸受部(17)とハンドル間の
ハンドル軸長さ
19 ハンドル固定部
20 従来の自転車の前輪車軸と後輪車軸間の距離
21 従来の自転車の前輪
22 従来の自転車の後輪
23 従来の自転車のハンドル
24 従来の自転車のペダルクランク軸と後輪車軸間の距離
25 従来の自転車の車体・本体フレーム
26 ハンドル角度、制限角度
27 幼児用の椅子を固定するため伸延させた前方車体本体フレーム
28 ハンドル上方に配置した幼児用の椅子A
29 平行クランク
30 ハンドル固定部平行クランク軸
31 車体本体フレーム中央部に固定したクランク軸
32 平行クランク操作軸
33 スタンド
34 請求項5のハンドル
35 請求項4のハンドル
36 幼児用の椅子Aの車体本体フレーム(27)固定金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後輪の径が24インチ以上の自転車に於いて、前輪(1)の径を後輪(2)の径の5分の4より小さくし、自転車、車体本体フレーム(5)のハンドル軸受部(17)とハンドル間の
ハンドル軸長さ(8)を0〜10cm以下に抑え、ハンドル(12)はハンドル固定部(19)から左右に振り分けた長さ(9)を幼児用の椅子A(28)の幅より大きくし、その左右両端から上方、後方に湾曲させ運転者が容易に操作できるよう延長した長さとしたハンドル(12)の上部に幼児用の椅子A(28)を前方の車体本体フレーム(27)に装着できるようにし、幼児用の椅子A(28)を搭載、幼児用の椅子A(28)の後方に、さらに幼児用の椅子B(13)を車体本体フレーム(5)前方に装着できるようにしたことを特徴とする従来の24インチ以上の自転車を幼児2人同乗用自転車に改良した車体構造の自転車。
【請求項2】
請求項1の自転車を、ハンドルの上に搭載する幼児用の椅子A(28)と車体本体フレーム(5)前方に搭載する幼児用の椅子B(13)、2台を装着したとき、運転者が脚でペダルを漕ぐときに当たらないようにすること、幼児用の椅子A(28)、幼児用の椅子B(13)が、できるだけ車体中央部に配置できるようにするため、ペダル用クランク軸受けから自転車後輪軸受までの距離(11)を従来のペダル用クランク軸受から自転車後輪軸受けまでの距離(24)より5〜10cm短縮し、同時にサドル(7)も並行移動したことを特徴とする請求項1の自転車。
【請求項3】
前後輪が24インチより小さい自転車で、前輪(1)の径を後輪(2)の径とおなじとした請求項1の自転車
【請求項4】
ハンドルをハンドルの左右両端から水平方向後方に延出させたあと上方に湾曲させ、運転者が容易に操作できるよう延長したハンドル(35)とした請求項1の自転車。
【請求項5】
請求項1のハンドル(12)の代わりに、ハンドル固定部(19)と自転車、車体本体フレームの中間に運転者が容易に操作できるよう平行リンク軸(30)、(31)及び平行リンク(29)を設け、自転車、車体本体フレームの中間に設置した平行リンク軸(31)から平行リンクに固定し、平行リンク操作軸(32)を立ち上げてそこにハンドル(34)を取り付けた請求項1の自転車。
【請求項6】
車体本体フレーム(5)にスタンド(33)を設けた請求項1〜5の自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−64542(P2010−64542A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230655(P2008−230655)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(504334566)
【Fターム(参考)】