説明

広告装置及びその制御方法

【課題】ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を表示することができ、ゲーム性を持たせた広告装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】広告内容に応じた広告画像を表示領域61に表示する表示手段60と、ユーザが発生させた音を検出する音検出手段10と、音検出手段によって検出された音に基づいて、ユーザが音を発生させた位置を特定する位置特定手段50と、位置特定手段によって特定された位置と、特定された位置に略正対した表示領域における広告画像の表示位置とを相関付けする相関手段50と、相関手段によって、特定された位置と相関付けされた広告画像の表示位置に表示する広告画像を変化させる制御を行う表示制御手段50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示手段の表示領域に、広告内容に応じた広告画像を表示する広告装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの設定に応じ、表示装置の表示部に形成された複数の異なる領域に、カテゴリが異なる各種の情報をそれぞれ表示する表示装置が開示されている。特許文献1の表示装置では、例えば、一の領域に表示されたテレビジョン番組の音量が所定の閾値を超過した場合には、上記の表示部の全面に亘り、テレビジョン番組の映像を表示させる。さらに、電子メールを受信した場合には、上記の一の領域とは異なる他の領域に表示された電子メールの受信情報を、該他の領域に代えて、ユーザの見やすい領域に表示させる。
【0003】
また、特許文献2には、音源の方向を推定すると共に、推定された音源位置近傍の映像をカメラで採取し、ディスプレイに表示された前記音源位置近傍の映像上に、音源位置を表示する音源探査システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−133733号公報
【特許文献2】特開2002−181913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の表示装置では、テレビジョン番組の音量が所定の閾値を超過した場合や電子メールを受信した場合に、各種の情報を表示する領域の大きさや該領域の位置を変化させることができるが、ユーザが主体的に働きかけて表示部に表示する各種の画像を変化させることができなかった。
【0005】
これに対し、ユーザが音声等の音を発生させた位置に応じ、表示領域に広告画像を表示することができれば、ユーザに対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【0006】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を表示することができ、ゲーム性を持たせた広告装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る広告装置は、広告内容に応じた広告画像を表示領域に表示する表示手段と、ユーザが発生させた音を検出する音検出手段と、前記音検出手段によって検出された音に基づいて、前記ユーザが前記音を発生させた位置を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段によって特定された位置と、該特定された位置に略正対した前記表示領域における前記広告画像の表示位置とを相関付けする相関手段と、前記相関手段によって、前記特定された位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明に係る広告装置によれば、相関手段が、位置特定手段により、ユーザが音を発生させた位置として特定した位置と、該ユーザが音を発生させた位置に略正対した表示手段の表示領域における広告画像の表示位置とを相関付けすることにより、位置特定手段を介在させた状態で、ユーザが音を発生させた位置を、広告画像の表示位置に対応付けすることができる。
また、表示制御手段が、相関手段によって、前記特定した位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行うことにより、ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を変化させることができる。このため、広告画像の変化に伴って、ユーザに対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記音検出手段は、前記ユーザが発生させた音を検出するために、所定の水平間隔を隔てて配置された一対のマイクロフォン同士を互いに直交して配置したマイクロフォン群と、前記一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンから前記水平間隔と同一の間隔である対向間隔を隔てて配置された対向マイクロフォンと、を備え、前記位置特定手段は、前記ユーザが発生させた音が、前記マイクロフォン群を構成する各一対のマイクロフォンに到達する時間差及び前記各マイクロフォンと前記対向マイクロフォンとの間に到達する時間差をそれぞれ用い、双曲線法によって、前記音を発生させた位置を算出することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、位置特定手段が、マイクロフォン群を構成する所定の間隔を隔てて配置された各一対のマイクロフォン及び各一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンと対向マイクロホンとの間にそれぞれ到達するユーザが発生させた音の到達時間差を用い、双曲線法によって、ユーザが音を発生させた位置を算出するため、該音を発生させた位置が順次変化した場合であっても、双曲線法により、各一対のマイクロフォンの間や、上記の各マイクロフォンと対向マイクロホンとの間をそれぞれ通過する複数の双曲線軌跡の交点を、前記音を発生させた位置として定めることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記相関手段は、前記表示領域の横方向へ前記ユーザが予め移動可能な移動距離と、前記表示領域の横寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすると共に、前記表示領域の縦方向に沿って前記ユーザが予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、表示領域の横方向へユーザが移動可能な距離を予め定めることにより、前記移動可能な距離と、前記表示領域の横寸法との比を一定の値に定めることができる。これにより、相関手段は、一定の値に応じて、ユーザが音を発生させた位置と、表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した広告画像の表示位置とを容易に対応付けることができる。
さらに、表示領域の縦方向に沿ってユーザが予め音を発生させることが可能は範囲を定めることにより、予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比を一定の値に定めることができる。これにより、相関手段は、一定の値に応じて、ユーザが音を発生させた位置と、表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した広告画像の表示位置とを容易に対応付けることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記音検出手段によって検出された音の特徴周波数を含む特徴周波数帯域を推定する特徴周波数帯域推定手段と、前記特徴周波数帯域推定手段によって推定された前記特徴周波数帯域に含まれる前記特徴周波数に関連付けて、異なる特徴周波数毎に、互いに異なる前記広告画像の画像データが記憶された記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記特徴周波数の変化に応じ、前記記憶手段に記憶された前記画像データに基づいて、前記広告画像の表示位置に、該広告画像を表示することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、表示制御手段が、ユーザが発生させた音の特徴周波数の変化に応じ、異なる特徴周波数毎に、記憶手段に記憶されている互いに異なる画像データに基づいて、広告画像の表示位置に、該広告画像を表示するため、上記の特徴周波数に対応させて、広告画像の表示位置に表示する広告画像を異ならせることができる。これにより、前記広告画像を通じて行う広告活動に多様性を持たせることができる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4において、前記特徴周波数帯域推定手段は、前記ユーザが発生させた音の音信号を所定の周波数帯域によって帯域制限するバンドパスフィルタと、前記特徴周波数として、前記バンドパスフィルタによって前記所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出する周波数抽出手段と、を備えることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、特徴周波数帯域抽出手段が、特徴周波数として、バンドパスフィルタによって、所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出するため、抽出された周波数を、男性が発する音の特徴周波数や女性が発する音の特徴周波数とそれぞれ比較することが可能になる。このため、抽出された周波数を、音を発生させたユーザが男性又は女性であるかを判別するために有用な情報として活用することができる。
【0012】
請求項6の発明に係る広告装置の制御方法は、広告内容に応じた広告画像を表示手段の表示領域に表示する表示ステップと、ユーザが発生させた音を検出する音検出ステップと、前記音検出ステップによって検出された音に基づいて、前記ユーザが前記音を発生させた位置を特定する位置特定ステップと、前記位置特定ステップによって特定された位置と、該特定された位置に略正対した前記表示領域における前記広告画像の表示位置とを相関付けする相関ステップと、前記相関ステップによって、前記特定された位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行う表示制御ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項6の発明に係る広告装置の制御方法によれば、相関ステップが、位置特定ステップにより、ユーザが音を発生させた位置として特定した位置と、該ユーザが音を発生させた位置に略正対した表示手段の表示領域における広告画像の表示位置とを相関付けすることにより、位置特定ステップを介在させた状態で、ユーザが音を発生させた位置を、広告画像の表示位置に対応付けすることができる。
また、表示制御ステップが、相関ステップによって、前記特定した位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行うことにより、ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を変化させることができる。このため、広告画像の変化に伴って、ユーザに対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6において、前記音検出ステップは、所定の水平間隔を隔てて配置された一対のマイクロフォン同士を互いに直交して配置したマイクロフォン群と、前記一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンから前記水平間隔と同一の間隔である対向間隔を隔てて配置された対向マイクロフォンとにより、前記ユーザが発生させた音を検出し、前記位置特定ステップは、前記ユーザが発生させた音が、前記マイクロフォン群を構成する各一対のマイクロフォンに到達する時間差及び前記各マイクロフォンと前記対向マイクロフォンとの間に到達する時間差をそれぞれ用い、双曲線法によって、前記音を発生させた位置を算出することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、位置特定ステップが、マイクロフォン群を構成する所定の間隔を隔てて配置された各一対のマイクロフォン及び各一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンと対向マイクロホンとの間にそれぞれ到達するユーザが発生させた音の到達時間差を用い、双曲線法によって、ユーザが音を発生させた位置を算出するため、該音を発生させた位置が順次変化した場合であっても、双曲線法により、各一対のマイクロフォンの間や、上記の各マイクロフォンと対向マイクロホンとの間をそれぞれ通過する複数の双曲線軌跡の交点を、前記音を発生させた位置として定めることができる。
【0014】
請求項8の発明は、請求項6又は7において、前記相関ステップは、前記表示領域の横方向へ前記ユーザが予め移動可能な移動距離と、前記表示領域の横寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすると共に、前記表示領域の縦方向に沿って前記ユーザが予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、表示領域の横方向へユーザが移動可能な距離を予め定めることにより、前記移動可能な距離と、前記表示領域の横寸法との比を一定の値に定めることができる。これにより、相関ステップは、一定の値に応じて、ユーザが音を発生させた位置と、表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した広告画像の表示位置とを容易に対応付けることができる。
さらに、表示領域の縦方向に沿ってユーザが予め音を発生させることが可能は範囲を定めることにより、予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比を一定の値に定めることができる。これにより、相関ステップは、一定の値に応じて、ユーザが音を発生させた位置と、表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した広告画像の表示位置とを容易に対応付けることができる。
【0015】
請求項9の発明は、請求項6ないし8のいずれかにおいて、前記音検出ステップによって検出された音の特徴周波数を含む特徴周波数帯域を推定する特徴周波数帯域推定ステップを備え、記憶手段に、前記特徴周波数帯域に含まれる前記特徴周波数に関連付けて、異なる特徴周波数毎に、互いに異なる前記広告画像の画像データを記憶させて、前記表示制御ステップは、前記特徴周波数の変化に応じ、前記記憶手段に記憶された前記画像データに基づいて、前記広告画像の表示位置に、該広告画像を表示することを特徴とする。
請求項9の発明によれば、表示制御ステップが、ユーザが発生させた音の特徴周波数の変化に応じ、異なる特徴周波数毎に、記憶手段に記憶されている互いに異なる画像データに基づいて、広告画像の表示位置に、該広告画像を表示するため、上記の特徴周波数に対応させて、広告画像の表示位置に表示する広告画像を異ならせることができる。これにより、前記広告画像を通じて行う広告活動に多様性を持たせることができる。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9において、前記特徴周波数帯域推定ステップは、バンドパスフィルタにより、前記ユーザが発生させた音の音信号を所定の周波数帯域によって帯域制限し、前記特徴周波数として、前記バンドパスフィルタによって前記所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出することを特徴とする。
請求項10の発明によれば、特徴周波数帯域抽出ステップが、特徴周波数として、バンドパスフィルタによって、所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出するため、抽出された周波数を、男性が発する音の特徴周波数や女性が発する音の特徴周波数とそれぞれ比較することが可能になる。このため、抽出された周波数を、音を発生させたユーザが男性又は女性であるかを判別するために有用な情報として活用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の広告装置によれば、相関手段が、位置特定手段により、ユーザが音を発生させた位置として特定した位置と、該ユーザが音を発生させた位置に略正対した表示手段の表示領域における広告画像の表示位置とを相関付けすることにより、位置特定手段を介在させた状態で、ユーザが音を発生させた位置を、広告画像の表示位置に対応付けすることができる。
また、表示制御手段が、相関手段によって、前記特定した位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行うことにより、ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を変化させることができる。このため、広告画像の変化に伴って、ユーザに対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【0018】
本発明の広告装置の制御方法によれば、相関ステップが、位置特定ステップにより、ユーザが音を発生させた位置として特定した位置と、該ユーザが音を発生させた位置に略正対した表示手段の表示領域における広告画像の表示位置とを相関付けすることにより、位置特定ステップを介在させた状態で、ユーザが音を発生させた位置を、広告画像の表示位置に対応付けすることができる。
また、表示制御ステップが、相関ステップによって、前記特定した位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行うことにより、ユーザが音を発生させた位置に対応させて、広告画像を変化させることができる。このため、広告画像の変化に伴って、ユーザに対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態を、図1ないし図7を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の広告装置1の概略構成図である。広告装置1は、測定ユニット10と、増幅器20と、ローパスフィルタ30と、A/D変換器40と、パーソナルコンピュータ50と、大型ディスプレイ60とを備えている。
【0020】
図1に示すように、測定ユニット10は、支持部材15A〜15Cと、基台16と、CCDカメラ17と、マイクロフォン支持台18と、マイクロフォンM1〜M5とを備えている。基台16は、支持部材15A〜15Cの上部に配置されている。マイクロフォン支持台18は、カメラ支持部材によって、基台16上に支持されている。カメラ支持部材には、CCDカメラ17が固定されている。マイクロフォン支持台18には、マイクロフォンM1〜M5が、取り付けられている。
【0021】
測定ユニット10では、マイクロフォンM1及びマイクロフォンM4によって、一対のマイクロフォンを構成する。マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との水平間隔は、所定の距離に保たれている。さらに、マイクロフォンM2及びマイクロフォンM3によって、他の一対のマイクロフォンを構成する。マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との水平間隔は、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との水平間隔と同様に、所定の距離に保たれている。一対のマイクロフォンM1、M4は、他の一対のマイクロフォンM2、M3と直交して配置されている。一対のマイクロフォンM1、M4及び他の一対のマイクロフォンM2、M3によって、マイクロフォン群が形成されている。マイクロフォンM5は、各マイクロフォンM1〜M4よりも上方へ突出するように配置されている。マイクロフォンM5と、各マイクロホンM1〜M4とのそれぞれの対向間隔は、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との水平間隔やマイクロフォンM2とマイクロフォンM3との水平間隔と同じ距離に保たれている。なお、測定ユニット10は、本発明の音検出手段の一例であり、マイクロフォンM5は、本発明の対向マイクロフォンの一例である。
【0022】
各マイクロフォンM1〜M5は、増幅器20に接続されている。増幅器20は、各マイクロホンM1〜M5から送信された音圧信号を増幅する。増幅器20は、ローパスフィルタ30に接続されている。ローパスフィルタ30によって、フィルタを通過する周波数の帯域が制限され、所定の周波数以下(ここでは4500Hz以下)の音声信号を通過させる。ローパスフィルタ30は、A/D変換器40に接続されている。A/D変換器40は、上記の音圧信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。ディジタル信号は、パーソナルコンピュータ50に送信される。パーソナルコンピュータ50は、大型ディスプレイ60に接続されている。符号61は、大型ディスプレイ60の表示領域である。なお、ローパスフィルタ30は、本発明のバンドパスフィルタの一例であり、大型ディスプレイ60は、本発明の表示手段の一例である。
【0023】
図2は、パーソナルコンピュータ50の概略ブロック図である。パーソナルコンピュータ50は、キーボード51と、演算処理部52と、記憶部53とを備えている。
【0024】
キーボード51は、演算処理部52に接続されている。キーボード51は、マイクロフォンの数、上述したマイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間隔、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間隔、マイクロフォンM5と各マイクロホンM1〜M4とのそれぞれの間隔、ローパスフィルタ30を通過させる周波数の設定値等を入力するために用いられる。
【0025】
演算処理部52は、記憶部53、スピーカ54及び大型ディスプレイ60にそれぞれ接続されている。記憶部53は、ディジタル信号(音圧信号)演算処理プログラム記憶部53Aと、広告画像表示制御プログラム記憶部53Bと、データ記憶部53Cとを備えている。ディジタル信号(音圧信号)演算処理プログラム記憶部53Aには、後述する基本周波数推定処理、音源位置特定処理、実空間座標変換処理、広告画像座標変換処理等を実行するプログラムが記憶されている。広告画像表示制御プログラム記憶部53Bには、後述する広告画像表示処理、広告画像更新処理を実行するプログラムが記憶されている。データ記憶部53Cには、上記の表示領域61に表示される広告画像の画像データや上記の基本周波数推定処理、音源位置特定処理、実空間座標変換処理、広告画像座標変換処理によって算出された各データ等が記憶されている。データ記憶部53Cには、後述する基本周波数推定処理によって算出される基本周波数の値に対応付けて、互いに異なる各種の広告画像の画像データや音声データが記憶されている。なお、データ記憶部53Cは、本発明の記憶手段の一例であり、基本周波数は、本発明の特徴周波数の一例である。
【0026】
演算処理部52は、後述するように、ユーザが音声を発したことに起因して、データ記憶部53Cから広告画像の画像データや音声データを読み出す。その後、演算処理部52は、前記画像データや前記音声データに基づいて、広告画像の画像信号や該広告画像の広告内容に関連する音声信号を生成する。続いて、演算処理部52は、生成した画像信号を大型ディスプレイ60に送信して表示領域61に広告画像を表示すると共に、上記の音声信号をスピーカ54に出力し、該スピーカ54から音声を発生させる。
【0027】
次に、演算処理部52が表示領域61に広告画像を表示する処理について説明する。広告装置1の電源が投入されると、演算処理部52は、図3に示すように、初期設定処理(S1)と、初期画像表示処理(S2)と、音圧信号取得処理(S3)と、基本周波数推定処理(S4)と、音源位置特定処理(S5)と、実空間座標変換処理(S6)と、広告画像座標変換処理(S7)と、広告画像表示処理(S8)と、広告画像更新処理(S9)とをそれぞれ実行する。
【0028】
初期設定処理(S1)では、上記のキーボード51によって入力されたマイクロフォンの数(ここでは5個)、上述したマイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間隔、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間隔、マイクロフォンM5と各マイクロホンM1〜M4との間隔、ローパスフィルタ30を通過させる周波数の設定値、後述する水平距離L3の値、ユーザが音声を発することができる所定の高さの値、表示領域61の横寸法Xや該表示領域61の縦寸法Yのそれぞれの値等に関するデータを、データ記憶部53Cに記憶する処理を実行する。
【0029】
初期画像表示処理(S2)では、上記の広告画像表示制御プログラム記憶部53Cに記憶されたプログラムを実行することにより、初期画像として、表示領域61に、動物(例えば象)が動く画像を表示する処理を実行する。
【0030】
音圧信号取得処理(S3)では、位置P1(図4参照。)において、ユーザ2が発した音声(言語)の音圧レベル(音圧信号)を取得する処理を実行する。ここでは、上記のマイクロホンM1〜M5によって検出された音圧信号が、図2に示したように、ディジタル信号として、演算処理部52に入力される。その後、演算処理部52は、音圧信号をデータ記憶部53Cに記憶させる処理を実行する。なお、各マイクロフォンM1〜M5により上記の音圧信号を検出することは、本発明の音検出ステップの一例である。
【0031】
基本周波数推定処理(S4)では、上記のディジタル信号(音圧信号)演算処理プログラム記憶部53Aに記憶されたプログラムを用い、音圧信号取得処理(S3)によって取得された音圧信号の音圧レベルを解析し、基本周波数として、該音圧レベルが最大値を示す周波数を抽出する処理を実行する。一般に、男性の場合には、125Hz付近の音圧レベルの発生頻度が高く、女性の場合には、250Hz付近の音圧レベルの発生頻度が高くなることが知られている。このため、基本周波数推定処理(S4)によって抽出される基本周波数は、音声を発したユーザ2が、男性又は女性であるかを判断するために有用な情報である。なお、演算処理部52は、本発明の周波数抽出手段(特徴周波数帯域推定手段)の一例であり、基本周波数推定処理(S4)は、基本周波数抽出ステップ(特徴周波数帯域推定ステップ)の一例である。
【0032】
音源位置特定処理(S5)では、ディジタル信号(音圧信号)演算処理プログラム記憶部53Aに記憶されたプログラムを用い、双曲線法によって、マイクロフォン群原点位置O(図5参照。)と上記の位置P1との間の水平角度θ(図5参照。)を算出する処理を実行する。マイクロフォン群原点位置Oは、上記のマイクロフォンM1とマイクロフォンM4とを結ぶ直線と、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3とを結ぶ直線とが交わる位置である。
【0033】
上記の水平角度θの値は、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間の距離、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間の距離、位置P1においてユーザ2が発した音声が一対のマイクロフォンM1、M4に到達する時間差、位置P1においてユーザ2が発した音声が他の一対のマイクロフォンM2、M3に到達する時間差によって変化する。水平角度θは、下記の式(1)を用いて算出される。なお、DXは、一対のマイクロフォンM1、M4における音声の到達時間差であり、DYは、他の一対のマイクロフォンM2、M3における音声の到達時間差である。
θ=tan−1(DY/DX)・・・(1)
【0034】
また、音源位置特定処理(S5)では、マイクロホンM1〜M4に加え、上記のマイクロホンM5を用いることにより、下記の式(2)を用い、位置P1からマイクロフォン群原点位置Oを見上げた仰角φを算出することができる。なお、下記のDZ1は、マイクロフォンM5、M1における音声の到達時間差、DZ2は、マイクロフォンM5、M2における音声の到達時間差、DZ3は、マイクロフォンM5、M3における音声の到達時間差、DZ4は、マイクロフォンM5、M4における音声の到達時間差をそれぞれ示す。
φ=tan−1{(DZ1+DZ2+DZ3+DZ4)/[2×√3×(√DX+√DY)]}・・・(2)
【0035】
音源位置特定処理(S5)では、双曲線法を用いることにより、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間を通過する双曲線軌跡、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間を通過する双曲線軌跡、マイクロフォンM5と各マイクロフォンM1〜M4との間をそれぞれ通過する双曲線軌跡が交わる点を、位置P1として算出することができる。なお、演算処理部52は、本発明の位置特定手段の一例であり、音源位置特定処理(S5)は、本発明の位置特定ステップの一例である。
【0036】
実空間座標変換処理(S6)では、ディジタル信号(音圧信号)演算処理プログラム記憶部53Aに記憶されたプログラムを用い、大型ディスプレイ60を背にした状態でマイクロフォン群原点位置Oに正対した位置O1(図5参照。)から上記の位置P1までの水平距離L1(図5参照。)を算出する処理を実行する。水平距離L1は、下記の式(3)を用いて算出される。なお、下記の符号L2(図5参照。)は、マイクロフォン群原点位置Oから位置O1までの距離である。
L1=L2×tanθ/cosφ・・・(3)
【0037】
加えて、実空間座標変換処理(S6)では、垂直距離L4(図5参照。)を算出する処理を実行する。垂直距離L4は、上記の位置O1(図5参照。)から下方に延ばした垂直線と、上記の位置P1から左方に向けて延ばした水平線との交点O2(図5参照。)との間の距離である。垂直距離L4は、下記の式(4)を用いて算出される。
L4=L2×tanφ・・・(4)
【0038】
広告画像座標変換処理(S7)では、上記の位置P1に正対した表示領域61の表示位置を中心とした所定の範囲に広告画像を表示するために、位置P1を、該位置P1と正対した表示領域61の表示位置に相関付けするために必要なデータを算出する処理を実行する。ここでは、水平距離L3(図5参照。)と、表示領域61の横寸法Xとの比に基づいて、位置P1と正対する表示領域61の表示位置を算出する。なお、水平距離L3は、ユーザ2が移動することが可能な距離である。
【0039】
一例として、図6を用い、水平距離L3と上記の横寸法Xと比αの値が0.05の場合について説明する。水平距離L1の値(=800mm)とαの値との乗算結果は、40mmとなる。これにより、上記の位置P1に正対する表示領域61の横方向における表示位置は、ユーザ2を背にした状態でマイクロフォン群原点位置Oが表示領域61に正対した位置から右方へ40mm離れた位置P3に決定される。
【0040】
また、例えば、広告装置1の設置エリアをフェンスで囲むことにより、ユーザ2が音声を発することができる高さを所定の高さに制限し、広告画像座標変換処理(S7)では、該所定の高さと、上記の縦寸法Yとの比βに基づいて、上記の位置P3を決定する場合と同様に、位置P1と正対する表示領域61の縦方向における表示位置を算出する。広告画像座標変換処理(S7)における最後の処理として、上記の比αを用いた乗算結果及び比βを用いた乗算結果により、位置P1に正対する表示領域61における広告画像の表示位置が決定される。なお、演算処理部52は、本発明の相関手段の一例であり、広告画像座標変換処理(S7)は、本発明の相関ステップの一例である。
【0041】
広告画像表示処理(S8)では、上記の基本周波数推定処理(S4)によって抽出された基本周波数の値や、該基本周波数の値に対応付けて、上記のデータ記憶部53Cに記憶されている広告画像の画像データに基づいて、上記の広告画像座標変換処理(S7)によって決定された表示位置に、広告画像を表示する処理を実行する。図4及び図7に示すように、男性ユーザ2が、位置P1において音声を発した場合には、広告画像表示処理(S8)では、データ記憶部53Cから、基本周波数(ここでは125Hz付近の周波数)に対応付けられた画像データ(ここでは、図7中の黒丸部分に表示される企業名「中部電力」の文字データ)を読み出す。その後、図7に示すように、位置P1に正対した表示領域61の表示位置を中心とした所定の範囲に広告画像(「中部電力」の文字)を表示する。
【0042】
一方、位置P1において、女性ユーザ2が音声を発した場合には、広告画像表示処理(S8)では、データ記憶部53Cから、基本周波数(ここでは250Hz付近の周波数)に対応付けられた画像データ(例えば、化粧品メーカの企業名や広告対象商品の画像データ)を読み出す。その後、図7に示した場合と同様に、位置P1に正対した表示領域61の表示位置を中心とした所定の範囲に広告画像(企業名の文字や広告対象商品の画像)を表示する。なお、演算処理部52は、本発明の表示制御手段の一例であり、広告画像表示処理(S8)は、本発明の表示制御ステップの一例である。
【0043】
広告画像更新処理(S9)では、各広告画像毎に定められた所定時間が経過した時点で、表示領域61の表示位置における広告画像の表示を消滅させる処理を実行する。図示しないが、広告画像の表示を消滅させた後には、上述した各処理(S1〜S9)を繰り返し、広告装置1の電源を遮断した場合には、各処理(S1〜S9)の実行を中止する。
【0044】
<本実施形態の作用及び効果>
本実施形態の広告装置1及びその制御方法では、広告画像座標変換処理(S7)が、上記の位置P1(ユーザ2が音声を発した位置)を、該位置P1と正対した表示領域61における広告画像(「中部電力」の文字)の表示位置とを相関付けすることにより、測定ユニット10を介在させた状態で、位置P1を、広告画像の表示位置に対応付けすることができる。
また、広告画像表示処理(S8)が、上記の表示位置における広告画像を変化させる制御を行うことにより、上記の位置P1に対応させて、広告画像を変化させることが可能になる。よって、広告画像の変化に伴って、ユーザ2に対し、ゲームを楽しむ感覚を味合わせつつ、表示領域61に表示される広告画像に興味を抱かせて、効果的な広告活動を行うことができる。
【0045】
さらに、位置P1においてユーザ2が発した音声が一対のマイクロフォンM1、M4に到達する時間差、該音声が他の一対のマイクロフォンM2、M3に到達する時間差及び前記音声が、マイクロフォンM5と各マイクロフォンM1〜M4との間にそれぞれ到達する時間差を用い、双曲線法によって、位置P1を算出する。このため、ユーザ2が音声を発する位置が順次変化する場合であっても、双曲線法により、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間を通過する双曲線軌跡、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間を通過する双曲線軌跡及びマイクロフォンM5と各マイクロフォンM1〜M4との間をそれぞれ通過する双曲線軌跡を、順次算出することができる。これにより、マイクロフォンM1とマイクロフォンM4との間を通過する双曲線軌跡、マイクロフォンM2とマイクロフォンM3との間を通過する双曲線軌跡及びマイクロフォンM5と各マイクロフォンM1〜M4との間をそれぞれ通過する双曲線軌跡がそれぞれ交わる点を、ユーザ2が音声を発した位置として算出することができる。
【0046】
加えて、上記の水平距離L3の長さを所定の長さ(ここでは4000mm)に定めることにより、該水平距離L3と、上記の横寸法Xとの比αを一定の値(ここでは0.05)に定めることができる。これにより、広告画像座標変換処理(S7)では、一定の値に応じて、位置P1と、該位置P1に正対する表示領域61の横方向における広告画像の表示位置とを容易に対応付けすることができる。
さらに加えて、上述したように、ユーザ2が音声を発することができる高さを所定の高さに制限することにより、該所定の高さと、上記の縦寸法Yとの比βを一定の値に定めることができる。これにより、広告画像座標変換処理(S7)では、一定の値に応じて、位置P1と、該位置P1に正対する表示領域61の縦方向における広告画像の表示位置とを容易に対応付けすることができる。
【0047】
また、広告画像表示処理(S8)では、ユーザ2が発した音声の基本周波数の変化に応じ、異なる基本周波数毎(125Hz付近の周波数又は250Hz付近の周波数)に、データ記憶部53Cに記憶されている互いに異なる広告画像の画像データ(「中部電力」の文字データ又は化粧品メーカの企業名や広告対象商品の画像データ)に基づいて、位置P1に正対した表示領域61の表示位置を中心とした所定の範囲に、上述した広告画像を表示する。このため、ユーザ2が発した音声の基本周波数に対応させて、表示領域61の表示位置に、異なる広告画像を表示することができ、該広告画像を通じて行う広告活動に多様性を持たせることができる。
【0048】
さらに、基本周波数推定処理(S4)では、音圧信号取得処理(S3)によって取得された音圧信号の音圧レベルを解析し、基本周波数として、該音圧レベルが最大値を示す周波数を抽出する処理を実行する。これにより、抽出した周波数を、男性ユーザの音声の基本周波数(125Hz付近の周波数)や女性ユーザの音声の基本周波数(250Hz付近の周波数)とそれぞれ比較することが可能になる。このため、抽出した周波数を、位置P1において音声を発したユーザ2が男性であるか女性であるかを判別するために、有用な情報として活用することができる。
【0049】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施することができる。例えば、測定ユニット10のCCDカメラ17とパーソナルコンピュータ50との間に、ビデオ入出力ユニットを設けることにより、CCDカメラ17の撮像信号をパーソナルコンピュータ50に送信し、撮像信号に基づいて生成された撮像画像を、表示領域61に表示すると共に、該撮像画像に重ねて広告画像を表示してもよい。
【0050】
また、複数の異なる位置においてユーザが音声を発した場合には、該複数の異なる位置にそれぞれ正対した表示領域61における広告画像の表示位置に、複数の異なる広告画像を同時に表示してもよい。
【0051】
加えて、上述した実施形態とは異なり、ユーザが発する音声に代えて、ユーザが手を叩いて発生させた音等に基づいて、表示領域61に、広告画像を表示してもよい。例えば、上記のデータ記憶部53Cに、子供(ユーザ)が手を叩いて発生させた音の基本周波数に対応付けて画像データ等を記憶させ、該画像データに基づいて、子供向けの広告画像(おもちゃの広告対象商品の画像等)を、上記の表示領域61の表示位置に表示したり、データ記憶部53Cに、女性(ユーザ)が足に履くハイヒールによって発生する音の基本周波数に対応付けて画像データ等を記憶させ、該画像データに基づいて、女性向けの広告画像(上述した企業名の文字や広告対象商品の画像等)を、表示領域61の表示位置に表示してもよい。
さらに加えて、ローパスフィルタ(本発明の特徴周波数帯域推定手段に相当。)を用い、各マイクロフォンM1〜M5によって取得した音圧信号の中で前記ローパスフィルタを通過する周波数の帯域を、125Hz又は250Hzの周波数(本発明の特徴周波数に相当。)を含む所定の周波数帯域(例えば、0Hz〜200Hzや150Hz〜400Hz、本発明の特徴周波数帯域に相当。)とし、ローパスフィルタを通過した音圧信号のスペクトル分布を解析して、音圧レベルが高くなる周波数帯の違いによって、ユーザの性別を判定し、男性ユーザ又は女性ユーザの興味を引く広告画像を、表示領域61の表示位置に表示してもよい。例えば、音圧レベルが最大になる周波数帯が125Hz付近である場合には、125Hzの周波数に対応付けてデータ記憶部53Cに記憶された画像データに基づいて、男性向けの広告画像(自動車の広告対象商品の画像等)を、表示領域61の表示位置に表示したり、音圧レベルが最大になる周波数帯が250Hz付近である場合には、250Hzの周波数に対応付けてデータ記憶部53Cに記憶された画像データに基づいて、上述した女性向けの広告画像を、表示領域61の表示位置に表示してもよい。
また、例えば、上記の垂直距離L4の値が大きく、ユーザ2が音を発生させた位置が、地上からの所定の高さよりも低いと判断し、該音の基本周波数が、子供が手を叩いて発生させる音の基本周波数と一致する場合には、子供向けの広告画像を、表示領域61の表示位置に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態の広告装置の概略構成図である。
【図2】同広告装置を構成するパーソナルコンピュータの概略ブロック図である。
【図3】同広告装置が実行する処理に関するフローチャートである。
【図4】ユーザが大型ディスプレイに向けて音声を発した状態を示す図である。
【図5】同広告装置が実行する実空間座標変換処理の説明図である。
【図6】同広告装置が実行する広告画像座標変換処理の説明図である。
【図7】大型ディスプレイに広告画像が表示された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1・・広告装置、2・・ユーザ、10・・測定ユニット、30・・ローパスフィルタ、52・・演算処理部、53C・・データ記憶部、60・・大型ディスプレイ、61・・表示領域、L3・・水平距離、M1〜M5・・マイクロフォン、P1・・ユーザが音を発生させた位置、X・・表示領域の横寸法、Y・・表示領域の縦寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告内容に応じた広告画像を表示領域に表示する表示手段と、
ユーザが発生させた音を検出する音検出手段と、
前記音検出手段によって検出された音に基づいて、前記ユーザが前記音を発生させた位置を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段によって特定された位置と、該特定された位置に略正対した前記表示領域における前記広告画像の表示位置とを相関付けする相関手段と、
前記相関手段によって、前記特定された位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行う表示制御手段と、
を備えることを特徴とする広告装置。
【請求項2】
前記音検出手段は、
前記ユーザが発生させた音を検出するために、所定の水平間隔を隔てて配置された一対のマイクロフォン同士を互いに直交して配置したマイクロフォン群と、
前記一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンから前記水平間隔と同一の間隔である対向間隔を隔てて配置された対向マイクロフォンと、を備え、
前記位置特定手段は、前記ユーザが発生させた音が、前記マイクロフォン群を構成する各一対のマイクロフォンに到達する時間差及び前記各マイクロフォンと前記対向マイクロフォンとの間に到達する時間差をそれぞれ用い、双曲線法によって、前記音を発生させた位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の広告装置。
【請求項3】
前記相関手段は、
前記表示領域の横方向へ前記ユーザが予め移動可能な移動距離と、前記表示領域の横寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすると共に、
前記表示領域の縦方向に沿って前記ユーザが予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすることを特徴とする請求項1又は2に記載の広告装置。
【請求項4】
前記音検出手段によって検出された音の特徴周波数を含む特徴周波数帯域を推定する特徴周波数帯域推定手段と、
前記特徴周波数帯域推定手段によって推定された前記特徴周波数帯域に含まれる前記特徴周波数に関連付けて、異なる特徴周波数毎に、互いに異なる前記広告画像の画像データが記憶された記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記特徴周波数の変化に応じ、前記記憶手段に記憶された前記画像データに基づいて、前記広告画像の表示位置に、該広告画像を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の広告装置。
【請求項5】
前記特徴周波数帯域推定手段は、
前記ユーザが発生させた音の音信号を所定の周波数帯域によって帯域制限するバンドパスフィルタと、
前記特徴周波数として、前記バンドパスフィルタによって前記所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出する周波数抽出手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載に広告装置。
【請求項6】
広告内容に応じた広告画像を表示手段の表示領域に表示する表示ステップと、
ユーザが発生させた音を検出する音検出ステップと、
前記音検出ステップによって検出された音に基づいて、前記ユーザが前記音を発生させた位置を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップによって特定された位置と、該特定された位置に略正対した前記表示領域における前記広告画像の表示位置とを相関付けする相関ステップと、
前記相関ステップによって、前記特定された位置と相関付けされた前記広告画像の表示位置に表示する該広告画像を変化させる制御を行う表示制御ステップと、
を備えることを特徴とする広告装置の制御方法。
【請求項7】
前記音検出ステップは、所定の水平間隔を隔てて配置された一対のマイクロフォン同士を互いに直交して配置したマイクロフォン群と、前記一対のマイクロフォンを構成する各マイクロフォンから前記水平間隔と同一の間隔である対向間隔を隔てて配置された対向マイクロフォンとにより、前記ユーザが発生させた音を検出し、
前記位置特定ステップは、前記ユーザが発生させた音が、前記マイクロフォン群を構成する各一対のマイクロフォンに到達する時間差及び前記各マイクロフォンと前記対向マイクロフォンとの間に到達する時間差をそれぞれ用い、双曲線法によって、前記音を発生させた位置を算出することを特徴とする請求項6に記載の広告装置の制御方法。
【請求項8】
前記相関ステップは、
前記表示領域の横方向へ前記ユーザが予め移動可能な移動距離と、前記表示領域の横寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の横方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすると共に、
前記表示領域の縦方向に沿って前記ユーザが予め音を発生させることが可能な範囲と、前記表示領域の縦寸法との比に応じて、前記音を発生させた位置と、前記表示領域の縦方向における該音を発生させた位置に略正対した前記広告画像の表示位置とを相関付けすることを特徴とする請求項6又は7に記載の広告装置の制御方法。
【請求項9】
前記音検出ステップによって検出された音の特徴周波数を含む特徴周波数帯域を推定する特徴周波数帯域推定ステップを備え、
記憶手段に、前記特徴周波数帯域に含まれる前記特徴周波数に関連付けて、異なる特徴周波数毎に、互いに異なる前記広告画像の画像データを記憶させて、
前記表示制御ステップは、前記特徴周波数の変化に応じ、前記記憶手段に記憶された前記画像データに基づいて、前記広告画像の表示位置に、該広告画像を表示することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の広告装置の制御方法。
【請求項10】
前記特徴周波数帯域推定ステップは、
バンドパスフィルタにより、前記ユーザが発生させた音の音信号を所定の周波数帯域によって帯域制限し、
前記特徴周波数として、前記バンドパスフィルタによって前記所定の周波数帯域内に帯域制限された音信号の内で信号レベルが最大となる音信号の周波数を抽出する
ことを特徴とする請求項9に記載に広告装置の制御方法。











【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−48901(P2010−48901A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211051(P2008−211051)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(599105850)株式会社中電シーティーアイ (13)
【Fターム(参考)】