説明

広域赤外線光源マルチタッチスクリーン

【課題】マルチポイントタッチが可能な広域赤外線光源タッチスクリーンを提供する。
【解決手段】表示モジュール5と、この表示モジュールに隣接してマルチタッチスクリーンの光源としてセットされる少なくとも一つの赤外線(IR)光源3と、この少なくとも一つのIR光源に応答してIRフラットフィールドラインパターン4を形成する少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置と、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置に対応してセットされ、前記表示モジュールがタッチされると、この少なくとも一つのIR光源によって放射されるIR光を受光し、かつ対象物からのIR光を受光する少なくとも一つのIRレシーバ1と、前記少なくとも一つのIRレシーバに応答して、タッチ動作がこの少なくとも一つのIRレシーバによって検出された後に、座標位置決めを処理する位置決めモジュールと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、一般にタッチスクリーンの分野に関する。より詳しくは、本発明は広域赤外線光源マルチタッチスクリーンの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、特に携帯可能なエレクトロニクス製品に関しては、いろいろなエレクトロニクス製品が使い勝手が良い操作、ごく小さい寸法および大規模なスクリーンに向けた方向に進展しており、それは、スクリーンの寸法およびスケールのために全く要求が多い。したがって、タッチパネルはしばしば、キーボードまたは制御ボタンのスペースを確保するために多くのエレクトロニクス製品の中で液晶ディスプレイ(LCD)と一体化し、それから、スクリーンの寸法が拡大されることを可能にする。
【0003】
今日まで、マルチタッチスクリーンの技術は主に容量性タッチスクリーン、抵抗性タッチスクリーン、光学(イメージ形成)タッチスクリーン、などを含む。それらの中で、より一般のタイプの光学(イメージ形成)タッチスクリーンは、以下のような2つのタイプを含む。(1)赤外線(IR)アレイタッチスクリーン:スクリーンフレームの2つの側面に垂直に、および、水平に配置される不可視線IRエミッタ/トランスミッタ(例えば赤外発光ダイオード、IRLED)と共に他の2つの側面に配置される不可視線IRレシーバ(例えば赤外線センサ、IRセンサ)。IRタッチスクリーンは「単一ポイントタッチ」を実現するのにより適切であるが、しかし、それらが「マルチポイントタッチ」(3タッチポイント以上)を実現することはより困難である。その上、それはより多くの電力消費に結びつく多数のIRLEDを必要とし、かつ、環境によってより容易に干渉される可能性があり、かつ分解能がIRLEDの配置によって制限される。(2)漏れ全反射タッチスクリーン:屈折媒体、例えばフラット有機ガラスに連結される赤外発光ダイオードの不可視線および不可視線によってこの屈折媒体を満たす全反射。この種の漏れ全反射タッチスクリーンは、過酷な要求で有機ガラスの表面の清浄性を必要とし、何かほこりまたは油汚れが実使用中の表面にある場合、その時それは内面反射の光路をさえぎって干渉信号を形成するかもしれない。さらに、スクリーンの縁部およびスクリーンの中心部は、信号の強度が均一でないことに従って、光の強度が異なる可能性がある。それが大規模タッチスクリーンに適用される場合、有効性はさらにより悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市場で利用可能な相当な数のタイプのタッチパネルがあるにもかかわらず、それらの多くは「マルチタッチ」技術を実施することが可能でない。マルチタッチスクリーンを実行するのに赤外線感知機構を用いることは、いっそうより少ない。しかしながら、IRモジュールは高効率、高耐久性、大規模で活用される能力、などの利点を有する。したがって、IRタッチスクリーンがマルチポイントタッチを実現することが可能な場合、それは大いに産業およびユーザのためになる。
【0005】
IRタッチスクリーンの高適用性および利点に基づいて、本発明はさまざまなエレクトロニクス製品に適用される広域IR光源マルチタッチスクリーンを提供し、および、高コスト、低精度および適切にマルチタッチを実施する能力のなさのような、容量性、抵抗性および一般の赤外線タイプのタッチスクリーンにおけるいくつかの欠陥が、改善されることができる。さらに、広域IR光源マルチタッチスクリーンは漏れ全反射タッチスクリーンの非常に厳しい清浄性問題を克服することが可能である。このように、タッチスクリーンの応用の有用性および広がりが、向上されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、表示モジュールに隣接してセットされ広域赤外線光源マルチタッチシステムの光源を作動させる少なくとも一つの赤外線光源と、この少なくとも一つの赤外線光源に応答してIRフラットフィールドラインパターンを形成する少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置と、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置に対応してセットされ、前記表示モジュールがタッチされると、この少なくとも一つの赤外線光源によって放射される赤外光を受光し、かつ対象物からの赤外光を受光する少なくとも一つの赤外線レシーバと、前記少なくとも一つの赤外線レシーバに応答して、タッチ動作がこの少なくとも一つの赤外線レシーバによって検出された後に、座標位置決めを処理する位置決めモジュールと、を備えたシステムを提供することが、本発明の1つの目的である。
【0007】
広域IR光源マルチタッチスクリーンであって、表示モジュールと、表示モジュールに隣接してセットされ広域IR光源マルチタッチスクリーンの光源を作動させる少なくとも一つの赤外線(IR)光源と、この少なくとも一つの赤外線光源に応答して赤外線フラットフィールドラインパターンを形成する少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置と、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置に対応してセットされ、前記表示モジュールがタッチされると、この少なくとも一つの赤外線光源によって放射される赤外光を受光し、かつ対象物からの赤外光を受光する少なくとも一つの赤外線レシーバと、前記少なくとも一つの赤外線レシーバに応答して、タッチ動作が検出された後に、座標位置決めを処理する位置決めモジュールと、を備えるスクリーンを開示することが、本発明の別の目的である。
【0008】
本発明内に開示される広域IR光源マルチタッチスクリーンは、種々の視認可能な寸法(例えば約3−200インチ)のタッチスクリーン、特に大規模スクリーンとして機能することが可能である。加えて、上述した広域IR光源マルチタッチスクリーンの利点は低コスト、高精度および/または精密さ(途切れのない)、などを含む。
【0009】
詳細な説明が、添付の図面を参照して以下の実施態様において与えられる。本発明の他の特徴および効果は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、理解されなければならないことは、本発明の好適な実施態様を例示しているとはいえ、本発明の趣旨および範囲内でさまざまな変更と修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、詳細な説明および具体例は、例証としてだけ与えられる、ということである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施態様は、限定するためにではなく、一例として例示され、および、以下の図は特に本発明の好適な実施態様に関連し、同様な参照番号は、図面のいくつかの表示の全体にわたって対応する部分を指す。
【0011】
【図1】本発明の好ましい一実施態様に従う広域赤外線光源マルチタッチスクリーンの模式図を示す。
【図2】本発明の一実施態様に従う赤外線光源、ビームエキスパンダ光学装置および得られる赤外線フラットフィールドラインパターンの模式図を示す。および
【図3】本発明の一実施態様に従う赤外線光源およびこのビームエキスパンダ光学装置経由で形成される赤外線フラットフィールドラインパターンの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に従って上に記述された詳細および他の効果および目的が得られる方法を完全に理解するために、本発明のより詳細な説明が最もよく考察されたモードおよびその特定の実施態様を参照することで示される。本発明の以下の記述は、本発明の汎用原則を例示するためになされており、かつ限定する意味で取り入れられるべきでなく、それは、本発明のさまざまな実施態様を例示することを目的とする。このように、論じられる特定の変形例は本発明の有効範囲に対する限定として解釈されるべきでない。さまざまな等価物、変更および修正が本発明の有効範囲から逸脱することなく、なされることができることが当業者にとって明らかであり、および、この種の等価な実施態様が本願明細書に含まれるべきであることが理解される。
【0013】
以下に提示される記述内に使用される用語は、たとえそれが本発明のある特定の実施態様の詳細な説明と連動して使われるとしても、その最も幅広い合理的な方法で解釈されることを目的とする。特定の用語は、下記で強調されさえすることができるが、しかしながら、任意の制限された方法で解釈されることを目的とする任意の用語は、この詳細な説明部分においてそのようなものとして明白にかつ詳細に規定される。
【0014】
文脈が許すところでは、単一のまたは複数の用語はまた、それぞれ、複数または単一の用語を含むことができる。さらに、単語「または」が2つ以上の項目のリストにおいて他の項目から排他的な単一の項目だけを意味するために明示的に限定されない限り、その時、この種のリスト内の「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の項目の全て、または、(c)リスト内の項目の任意の組合せ、を含むとして解釈されるべきである。
【0015】
図1および図2に示したように、本発明の1つの好ましい実施態様は表示モジュール5と一体化されて広域赤外線光源マルチタッチスクリーンを形成する広域赤外線光源マルチタッチシステム100を示し、そこにおいて広域IR光源マルチタッチシステム100が、表示モジュールに隣接してセットされ、広域IR光源マルチタッチシステム100の光源を作動させる少なくとも一つの赤外線(IR)光源3と、この少なくとも一つの赤外線光源3に応答して赤外線フラットフィールドラインパターン4を形成する少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6と、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6に対応してセットされ、表示モジュールがタッチされると、少なくとも一つの赤外線光源3によって放射されるIR光を受光して、対象物からのIR光を受光する少なくとも一つの赤外線レシーバ1と、この少なくとも一つの赤外線レシーバ1に応答して、タッチ動作がこの少なくとも一つのIRレシーバ1によって検出された後で、座標位置決めを処理する一つの位置決めモジュール(図示せず)と、を備える。1つの好ましい実施態様において、マルチタッチ座標位置決めを実施するための方法は、この少なくとも一つのIRレシーバ1が、指(複数指)2によるタッチの後で形成されるイメージを受信し、そして次に、位置決めモジュールがマルチタッチアルゴリズム経由でこのイメージに関する情報を計算し、タッチされた各ポイントの位置を正確におよび/または精密に算出する、ことであることができる。使用中に、この少なくとも一つのIRレシーバ1は、タッチの後形成されるイメージを常に受信しており、続いて位置決めモジュールがマルチタッチアルゴリズム経由でタッチされた各ポイントの位置を常に計算しており、したがってマルチポイントタッチを作動させる。タッチスクリーンにタッチするのに用いられる対象物は指2に限られず、しかし、それは体の任意の部分、スタイラスペン、ペンのような物体、タッチスクリーンに使われるのに適切な任意の物体、またはIR光を反射することが可能な任意の物体を含むことができる。
【0016】
本発明の一実施態様において、広域IR光源マルチタッチシステム100は、任意の表示モジュール5と一体化されて広域IR光源マルチタッチスクリーンを形成することができ、そこにおいて表示モジュール5は、液晶表示(LCD)モジュール、透過型LCDモジュール、反射型LCDモジュール、半透過型/半反射型LCDモジュール、プラズマディスプレイモジュール、フラットパネル表示モジュール、エレクトロルミネセンス表示モジュール、有機エレクトロルミネセンス表示モジュール、陰極線管(CRT)表示モジュール、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。1つの好ましい実施態様において、表示モジュール5は液晶表示(LCD)モジュールである。さらに、広域IR光源マルチタッチシステム100と一体化される表示モジュール5はさまざまな寸法または厚さのタッチスクリーンを形成することができ、それは約3−200インチの得られるタッチスクリーンを含むことができるが、これに限定されるものではない。広域IR光源マルチタッチシステム100は、単一ポイントタッチまたはマルチポイントタッチを実施するために適切な広域赤外線光源マルチタッチスクリーンを形成するディスプレイの寸法または厚さに対応して構成されることが可能である。
【0017】
一実施態様において、広域赤外線光源マルチタッチシステム100に含まれる少なくとも一つの赤外線光源3は、広域IR光源マルチタッチスクリーンの縁部またはコーナのまわりの任意の一つ以上の位置に設置され、そこにおいて赤外線光源3は、赤外線線光源、赤外線レーザ、赤外線レーザダイオード、赤外線レーザ発光素子、赤外線発光ダイオード(IRLEDまたはIRED)、赤外線発光素子、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。本発明の1つの好ましい実施態様において、赤外線光源3は赤外線発光ダイオード(IRLEDもしくはIRED)または赤外線レーザダイオードである。
【0018】
本発明の一実施態様に従って図2および3を参照して、広域赤外線光源マルチタッチシステム100内に使われる少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6は、IRフラットフィールドラインパターンを形成するIR光源3のビームエキスパンダ光学装置(またはシステム)とすることができる。この少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6は、パウエルレンズ、円柱レンズ、ライン発生プリズムまたはレンズ、ライン発生器光学装置、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、レーザビーム(例えば1mm)がその非球面レンズを通過したあと、均一な密度、高安定性および良い直線性のフラットフィールドラインパターンを最適に生成することができる、任意のビームエキスパンダ光学装置、例えばプリズムまたはレンズが、ここで活用されるべき要求にかなう。1つの好ましい実施態様において、この少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6はパウエルレンズである。パウエルレンズのライン発生能力が円柱レンズのそれより良いものであることができるので、パウエルレンズは、それらが明るい中心および弱まっている末端を有するという点を特徴とする光のガウスラインのいくつかの欠点を回避することが可能である。換言すれば、光のガウスラインの強度は、ラインの端に向かって弱まる。
【0019】
好ましい一実施態様において、広域IR光源マルチタッチシステム100内に含まれるこの少なくとも一つの赤外線レシーバ1は、電荷結合デバイス(CCD)、相補金属酸化物半導体(CMOS)、等を含むが、これに限られない。IR光源3として機能するIRLEDまたはIRレーザ発光素子によって放射される光の波長に基づいて、IRレシーバ1、例えばCCDまたはCMOSはその波長に対応するカラーフィルタを更に備えることができる。表面に対して接近するかまたはそれを圧迫するIRを反射することが可能な指2またはその他の物体がある間、IR光が反射され、および、したがって、反射されたIRは、CCDまたはCMOSのような、IRレシーバ1によって受光される。IRレシーバ1によって受信されるイメージは、マルチタッチシステム100内に含まれる位置決めモジュールによって処理され、位置決めモジュールのコントローラは、マルチタッチアルゴリズムおよび/またはソフトウェア経由でイメージを処理することができ、指(複数指)2の座標(複数座標)(x,y)を算出することができる。従って、1本の指2の1つの座標(x,y)が、広域IR光源マルチタッチシステム100を備えたタッチスクリーンによって位置決めをされることができるだけでなく、しかし、また、複数指2の、複数の座標(x1,y1)(x2,y2)(x3,y3)、…もタッチスクリーンによって位置決めをされることができ、したがって単一ポイントタッチまたはマルチポイントタッチを、実施することができる。
【0020】
一実施態様において、マルチタッチシステム100の少なくとも一つの赤外線レシーバ1および少なくとも一つの赤外線光源3は、同じ平面に配置される。もう一つの実施態様では、マルチタッチシステム100の少なくとも一つの赤外線レシーバ1および少なくとも一つの赤外線光源3は、異なる平面に配置される。
【0021】
一実施態様において、広域IR光源マルチタッチシステム100の少なくとも一つのIR光源3によって生成される光は、約700−1250ナノメートル(nm)の波長である。
【0022】
好ましい一実施態様において、図1にて図示するように、本発明は広域赤外線光源マルチタッチスクリーンであって、表示モジュール5と、表示モジュール5に隣接して、例えば1−10mmにセットされ、広域IR光源マルチタッチスクリーンの光源となるべき少なくとも一つの赤外線光源3と、この少なくとも一つのIR光源3に応答して赤外線フラットフィールドラインパターン4を形成する少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6と、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置に対応してセットされ、前記表示モジュールがタッチされると、少なくとも一つのIR光源3によって放射される赤外線光を受光して、対象物からのIR光を受光する少なくとも一つの赤外線レシーバ1と、前記少なくとも一つの赤外線レシーバに応答して、動作がこの少なくとも一つのIRレシーバ1によって検出された後で、座標位置決めを処理する一つの位置決めモジュール(図示せず)と、を備えるスクリーンを提供する。好ましい一実施態様において、マルチタッチ座標位置決めを実施するための方法は、IRレシーバ1が、指(複数指)2によるタッチの後で形成されるイメージを受信し、そして次に、位置決めモジュールがマルチタッチアルゴリズム経由でこのイメージに関する情報を計算し、タッチされた各ポイントの位置を正確におよび/または精密に算出する、ことであることができる。使用中に、IRレシーバ1は、タッチの後、形成されるイメージを常に受信しており、続いて位置決めモジュールがマルチタッチアルゴリズム経由でタッチされる各ポイントの位置を常に計算しており、したがってマルチポイントタッチを作動させる。タッチスクリーンにタッチするのに用いられる対象物は指2に限られず、しかし、それは体の任意の部分、スタイラスペン、ペンのような物体、タッチスクリーンに使われるのに適切な任意の物体、または赤外線光を反射することが可能な任意の物体を含むことができる。
【0023】
本発明の一実施態様において、前述の広域IR光源マルチタッチスクリーンの表示モジュール5は、液晶表示(LCD)モジュール、透過型LCDモジュール、反射型LCDモジュール、半透過型/半反射型LCDモジュール、プラズマディスプレイモジュール、フラットパネル表示モジュール、エレクトロルミネセンス表示モジュール、有機エレクトロルミネセンス表示モジュール、陰極線管(CRT)表示モジュール、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。1つの好ましい実施態様において、表示モジュール5は液晶表示(LCD)モジュールである。その上、表示モジュール5を備えた広域IR光源マルチタッチスクリーンはさまざまな寸法または厚さのマルチタッチスクリーンになることができ、それは約3−200インチの得られるマルチタッチスクリーンを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
一実施態様において、広域IR光源マルチタッチスクリーンに含まれる少なくとも一つの赤外線光源3は、広域IR光源マルチタッチスクリーンの縁部またはコーナのまわりの任意の一つ以上の位置に設置され、そこにおいて赤外線光源3は、赤外線線光源、赤外線レーザ、赤外線レーザダイオード、赤外線レーザ発光素子、赤外線発光ダイオード(IRLEDまたはIRED)、赤外線発光素子、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。本発明の1つの好ましい実施態様において、IR光源3は赤外線発光ダイオード(IRLEDもしくはIRED)またはIRレーザダイオードである。
【0025】
本発明の一実施態様に従って図2および3を参照して、広域IR光源マルチタッチスクリーンに適用される少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6は、IRフラットフィールドラインパターンを形成する赤外線光源3のビームエキスパンダ光学装置(またはシステム)とすることができる。この少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6は、パウエルレンズ、円柱レンズ、ライン発生プリズムまたはレンズ、ライン発生器光学装置、等を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、レーザビーム(例えば1mm)がその非球面レンズを通過したあと、均一な密度、高安定性および良い直線性のフラットフィールドラインパターンを最適に生成することができる、任意のビームエキスパンダ光学装置、例えばプリズムまたはレンズが、ここで活用されるべき要求にかなう。1つの好ましい実施態様において、この少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置6はパウエルレンズである。パウエルレンズのライン発生能力が円柱レンズのそれより良いものであることができるので、パウエルレンズは、それらが明るい中心および弱まっている末端を有するという点を特徴とする光のガウスラインのいくつかの短所を回避することが可能である。換言すれば、光のガウスラインの強度は、ラインの端に向かって弱まる。
【0026】
好ましい一実施態様において、広域IR光源マルチタッチスクリーン内に含まれるこの少なくとも一つの赤外線レシーバ1は、電荷結合デバイス(CCD)、相補金属酸化物半導体(CMOS)、等を含むが、これに限られない。IR光源3として機能するIRLEDまたはIRレーザ発光素子によって放射される光の波長に基づいて、IRレシーバ1、例えばCCDまたはCMOSはその波長に対応するカラーフィルタを更に備えることができる。表面に対して接近するかまたはそれを圧迫するIRを反射することが可能な指2またはその他の物体がある間、IR光が反射され、および、したがって、反射されたIRは、CCDまたはCMOSのような、IRレシーバ1によって受光される。IRレシーバ1によって受信されるイメージは、マルチタッチスクリーン内に含まれる位置決めモジュールによって処理され、位置決めモジュールのコントローラは、マルチタッチアルゴリズムおよび/またはソフトウェア経由でイメージを処理することができ、指(複数指)2の座標(複数座標)(x,y)を算出することができる。その結果、1本の指2の1つの座標(x,y)が、広域IR光源マルチタッチスクリーンによって位置決めをされることができるだけでなく、しかし、また、指2の、複数の座標(x1,y1)(x2,y2)(x3,y3)、…もマルチタッチスクリーンによって位置決めをされることができ、したがって単一ポイントタッチまたはマルチポイントタッチを、実施することができる。
【0027】
一実施態様において、広域IR光源マルチタッチスクリーンの少なくとも一つの赤外線レシーバ1および少なくとも一つの赤外線光源3は、同じ平面に配置される。もう一つの実施態様では、広域IR光源マルチタッチスクリーンの少なくとも一つの赤外線レシーバ1および少なくとも一つの赤外線光源3は、異なる平面に配置される。
【0028】
一実施態様において、広域IR光源マルチタッチスクリーンの少なくとも一つの赤外線光源3によって生成される光は、約700−1250nmの波長である。
【0029】
要約すれば、上記の記述に関して、理解されるべきことは、数、寸法、形状、形態、配置、材料の変形を含む、本発明の部分に対する最適寸法仕様および製造と組立の方法は、上記の記述を読み取ると即座に、当業者に直ちに明らかであるとみなされ、および図面内に例示されて、明細書内に詳述されるそれらに対する全ての等価な仕様は、本発明によって包含されることを目的とする、ということである。
【0030】
上記の記述は、説明のために、本発明の完全な理解を与えるために好適な実施態様の具体的な詳細で記載された。しかしながら、具体的な詳細が本発明を実施するために必要でないことは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明の特定の実施態様の上記の記述は図例および説明の目的だけのために提示されており、本発明の有効範囲を限定するいかなる方法でも解釈されてはならない。それらは、本発明を網羅的であるかまたは開示される厳密な形式に限定することを目的とせず、明らかに、多くの修正および変更が、上記の教示からみて可能である。実施態様は、本発明の原理およびその実用的用途を最もよく説明するために選択されて、記載されたものであり、それによって、他の当業者が、考察される特定の使用に適するように、本発明およびさまざまな修正を伴うさまざまな実施態様を最もよく活用することを可能にする。以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物が本発明の有効範囲を規定することを意図される。
【符号の説明】
【0031】
1 赤外線レシーバ
2 指
3 赤外線光源
4 フラットフィールドラインパターン
5 表示モジュール
6 ビームエキスパンダ光学装置
100 マルチタッチシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、
表示モジュールに隣接してセットされ、前記広域赤外線光源マルチタッチシステムの光源を作動させる、少なくとも一つの赤外線光源と、
前記少なくとも一つの赤外線光源に応答して赤外線フラットフィールドラインパターンを形成する、少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置と、
前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置に対応してセットされ、前記表示モジュールがタッチされると、前記少なくとも一つの赤外線光源によって放射される赤外線光を受光し、かつ対象物からの赤外線光を受光する、少なくとも一つの赤外線レシーバと、
前記少なくとも一つの赤外線レシーバに応答して、前記タッチ動作が前記少なくとも一つの赤外線レシーバによって検出された後で、座標位置決めを処理する、一つの位置決めモジュールと、を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1の広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、さらに、前記広域赤外線光源マルチタッチシステムと一体化されて広域赤外線光源マルチタッチスクリーンを形成する表示モジュールを備え、前記表示モジュールが、液晶表示(LCD)モジュール、透過型LCDモジュール、反射型LCDモジュール、半透過型/半反射型LCDモジュール、プラズマディスプレイモジュール、フラットパネル表示モジュール、エレクトロルミネセンス表示モジュール、有機エレクトロルミネセンス表示モジュール、陰極線管(CRT)表示モジュール、等を含む、ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2の広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、前記少なくとも一つの赤外線光源が、前記広域赤外線光源マルチタッチスクリーンの縁部またはコーナのまわりの任意の一つ以上の位置に設置される、ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1の広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、前記少なくとも一つの赤外線光源が、赤外線線光源、赤外線レーザ、赤外線レーザダイオード、赤外線レーザ発光素子、赤外線発光ダイオード、赤外線発光素子、等を含み、前記少なくとも一つのビームエキスパンダ光学装置が、パウエルレンズ、円柱レンズ、ライン発生プリズムまたはレンズ、ライン発生器光学装置、等を含み、および前記少なくとも一つの赤外線レシーバが、電荷結合デバイス(CCD)、相補金属酸化物半導体(CMOS)、等を含む、ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1の広域赤外線光源マルチタッチシステムであって、前記少なくとも一つの赤外線レシーバが、カラーフィルタを更に備え、および前記少なくとも一つの赤外線レシーバと前記少なくとも一つの赤外線光源とが、同じ平面または異なる平面に配置されている、ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−39726(P2011−39726A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185632(P2009−185632)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(510155069)ヌライテン トレーディング (シャンハイ)カンパニー (1)
【Fターム(参考)】