説明

広帯域無線通信システムでハンドオーバーを最適化するための装置及び方法

【課題】本発明は、広帯域無線通信システムでハンドオーバーの性能を最適化するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は広帯域無線通信システムにおけるハンドオーバーの最適化に関し、基地局の動作は、ハンドオーバーのための所要時間を分割した複数の時間区間のうち少なくとも一つが臨界時間を超えているかを判断する過程と、前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間がどの区間なのかに応じてハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断する過程と、前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広帯域無線通信システムに関し、特に、広帯域無線通信システムでハンドオーバーの性能を最適化するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域無線通信システムで、ユーザ端末は無線チャネルを介して基地局に接続することで、IPネットワークにアクセスしてサービスの提供を受ける。前記基地局は所定のカバレッジを有し、前記カバレッジは前記基地局及び前記端末の送信電力などによって決まるので物理的な制約がある。したがって、広帯域無線通信システムは各基地局のカバレッジを考慮して複数の基地局が適正の間隔で配置された形態を有することになる。
【0003】
したがって、端末は複数の基地局のうち現在の位置で最も優秀なチャネルを有する基地局に接続する。前記端末の移動に応じて最も優秀なチャネルを有する基地局が変わることがあり、この場合、前記端末はサービング基地局を変更することが好ましい。この時、前記サービング基地局の変更によりサービスに途切れが発生することはサービス品質の低下をもたらすため、広帯域無線通信システムは端末の移動性を支援するためにセル間ハンドオーバーを支援している。
【0004】
ハンドオーバー性能の最適化はサービング基地局が変更される過程で途切れないサービスを提供することとハンドオーバーのためのシグナリングのオーバーヘッドを最小化することを目標とする。前記ハンドオーバー性能の最適化を実現するための具体的な方案及び課題は、システムの特性に応じて様々な観点から考慮すべきである。したがって、サービス品質の向上のために、システムの特性に合うハンドオーバー性能を最適化するための具体的な方案を提示するべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2008−0054116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバー性能を最適化するための装置及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバーの遅延を解消するための装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバーを行う時点を調節するための装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバーパラメータを変更することによってハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるための装置及び方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバー遅延の増加を感知するための装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の第1知見によれば、広帯域無線通信システムで基地局の動作方法は、ハンドオーバーのための所要時間を分割した複数の時間区間のうち少なくとも一つが臨界時間を超えているかを判断する過程と、前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間がどの区間なのかに応じてハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断する過程と、前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための本発明の第2知見によれば、広帯域無線通信システムで基地局装置は、ハンドオーバーのための所要時間を分割した複数の時間区間のうち少なくとも一つが臨界時間を超えているかを判断する判断部と、前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間がどの区間なのかに応じてハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断し、前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する管理部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、広帯域無線通信システムでハンドオーバーを行う際にRLFの発生及び間違ったハンドオーバーの実施のみならずハンドオーバー遅延の増加の有無を判断し、これに対応してハンドオーバーを行う時点を調節することで、ハンドオーバーの性能を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による広帯域無線通信システムにおけるハンドオーバー手順を示す図である。
【図2】本発明による広帯域無線通信システムにおけるハンドオーバーが実施可能な位置を示す図である。
【図3】本発明による広帯域無線通信システムにおける基地局の動作手順を示す図である。
【図4】本発明による広帯域無線通信システムにおける基地局のブロック構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の目的は、広帯域無線通信システムでハンドオーバー性能を最適化するための装置及び方法を提供することにある。以下、本発明は周波数分割多重化/直交周波数分割多重接続方式の無線通信システムを例に挙げて説明しているが、他の方式の無線通信システムにも同様に適用可能である。
【0016】
ハンドオーバー性能を最適化するために解決しなければならない具体的な課題及び解決方案は、システムの特性に応じて様々な観点から考慮することができる。例えば、3GPP2 LTEシステムの場合、ハンドオーバーに関わるパラメータを調節することによってハンドオーバーが行われる時点を制御することができる。前記LTEシステムのハンドオーバー手順を見てみると次のとおりである。
【0017】
図1は、本発明による広帯域無線通信システムにおけるハンドオーバー手順を示している。
【0018】
図1に示すように、端末110、サービング基地局120、ターゲット基地局130、MME140及びS−GW150が前記端末110のハンドオーバーに関わる。前記端末110はユーザ装備であり、前記基地局120及び130は前記端末110の無線接続を担当し、前記MME140は前記基地局120及び130の上位ノードとしてシグナリングを担当し、前記S−GW150は前記基地局120及び130の上位ノードとしてトラフィックの送受信を担当する。
【0019】
ハンドオーバーを実施する前に、前記サービング基地局120は前記端末110にハンドオーバーパラメータを送信する(101ステップ)。前記パラメータはシステムで定義するハンドオーバーに関わるイベントの発生有無を判断するための情報であり、前記パラメータの伝達過程は「測定制御」とも呼ばれる。例えば、前記イベントは下記の表1のように定義される。
【0020】
【表1】

【0021】
前記表1で、前記Msは端末で測定されたサービング基地局のチャネル品質測定値、前記Hysはイベント毎のヒステリシスパラメータ、前記Mnは端末で測定された隣の基地局のチャネル品質測定値、前記Ofnは隣の基地局の周波数特定オフセット、前記Ocnは隣の基地局の特定オフセット、前記Ofsはサービング基地局の周波数特定オフセット、前記Ocsはサービング基地局の特定オフセット、前記Offはイベント毎のオフセットパラメータを意味する。前記表1に示したイベントの全部又は一部がハンドオーバーの実施有無を判断するために選択的に使用され得る。
【0022】
この後、少なくとも一つのイベントの発生を認知した前記端末110は前記イベントの発生を前記サービング基地局120に報告する(103ステップ)。この時、前記端末110は発生したイベントの識別情報、発生したイベントに関わる変数の測定値などを伝達する。例えば、前記表1に示すイベントのうちA3イベントが発生し、前記端末110は前記A3イベントの発生を報告する。前記イベント発生報告過程は「測定報告」とも呼ばれる。前記イベント発生の報告を受けた前記サービング基地局120は報告されたイベントがハンドオーバーに関わるものであると判断し、前記端末110のハンドオーバーを準備する(105ステップ)。すなわち、前記サービング基地局120はハンドオーバーを進行することを決定し、前記ターゲット基地局130及び前記MME140とハンドオーバーのためのシグナリングを行う。前記ハンドオーバーの準備を完了した前記サービング基地局120は前記端末110にハンドオーバーの実施を命令する(107ステップ)。これにより、前記端末110及び前記サービング基地局120はハンドオーバーを実行する(109ステップ)。すなわち、前記端末110は前記ターゲット基地局130との連結のための同期化を行い、前記サービング基地局120との連結を解除する。前記サービング基地局120は前記ターゲット基地局130に前記端末110に送信されるデータを伝達する。前記ターゲット基地局130との同期化を完了した前記端末110は前記ターゲット基地局130にハンドオーバーの完了を通知する(111ステップ)。前記ハンドオーバーの完了の通知を受けた前記ターゲット基地局130は前記端末110の前記MME140とのシグナリングによって前記端末110のデータ経路を変更し、前記サービング基地局120から前記端末110に送信されるデータの伝達を受ける(113ステップ)。
【0023】
前記図1に基づいて説明したハンドオーバー手順で、ハンドオーバーのための所要時間を区間ごとに分けてみると、前記端末110が前記サービング基地局120にイベント発生を報告するために所要するt1191、前記サービング基地局120がハンドオーバー準備手順を処理するために所要するt2192、前記サービング基地局120が前記端末110にハンドオーバーを命令するために所要するt3193、前記端末110が前記ターゲット基地局130と同期化を行うために所要するt4194、前記端末110が前記ターゲット基地局130にハンドオーバーの完了を通知するために所要するt5195に分かれる。
【0024】
前記時間区間191乃至195のうち前記t1191及び前記t3193は前記端末110及び前記サービング基地局120間のチャネル品質によって異なることがあり、前記t4194及び前記t5195は前記端末110及び前記ターゲット基地局130間のチャネル品質により異なることがある。
【0025】
基地局及び端末の間のチャネル品質が劣悪な場合及びこれにより発生し得る問題は次のとおりである。図2はハンドオーバーが実施可能な位置を示している。
【0026】
前記図2に示すように、地点A201でハンドオーバーが行われる場合、最も理想的な条件でハンドオーバーが行われる。この場合、ハンドオーバー遅延において最適化されたハンドオーバーが行われる。
【0027】
地点D204でハンドオーバーが行われる場合、端末及びサービング基地局の間のチャネル品質が非常に劣悪な条件でハンドオーバーが行われる。この場合、前記サービング基地局とのRLFが発生するようになって、ハンドオーバーに失敗する。
【0028】
地点B202でハンドオーバーが行われる場合、端末及びサービング基地局の間のチャネル品質は劣悪であるが、前記地点D204の場合に比べて良好な条件でハンドオーバーが行われる。この場合、前記サービング基地局とのRLFは発生しないが、再送回数の増加などによって前記t1191又は前記t3193が増加してハンドオーバー遅延が長くなる。
【0029】
地点E205でハンドオーバーが行われる場合、端末及びターゲット基地局の間のチャネル品質が非常に劣悪な条件でハンドオーバーが行われる。この場合、前記ターゲット基地局へのメッセージ伝送失敗が発生するようになって、ハンドオーバーに失敗する。
【0030】
地点C203でハンドオーバーが行われる場合、端末及びターゲット基地局の間のチャネル品質は劣悪であるが、前記地点E205の場合に比べて良好な条件でハンドオーバーが行われる。この場合、前記ターゲット基地局へのメッセージ伝送失敗は発生しないが、再送回数の増加などによって前記t4194又は前記t5195が増加してハンドオーバー遅延が長くなる。
【0031】
上述した問題点はハンドオーバーが開始される地点によるものなので、ハンドオーバーが前記地点A201で行われるように制御することによって解決することができる。前記端末が前記サービング基地局から前記ターゲット基地局に移動しているので、ハンドオーバーを行う時点を調節することによってハンドオーバーが開始される地点を変えるができる。例えば、前記地点B202及び前記地点D204の場合、ハンドオーバーの実施時点が遅れるのでそれを早める必要があり、前記地点C203及び前記地点E205の場合はハンドオーバー実施時点が早いのでそれを遅らせる必要がある。例えば、前記ハンドオーバーをトリガするイベントとして前記表1のA3イベントが用いられる場合、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off、前記Hys、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つの値を増加または減少させることによって前記ハンドオーバーを行う時点を変えることができる。
【0032】
また、不適切なターゲット基地局へのハンドオーバーが行われる状況、前記ハンドオーバーが行われる地点による問題点以外にも、不必要なハンドオーバーが行われる状況及び連結成立後の所定時間内にハンドオーバーが行われる状況もハンドオーバー性能を低下させる場合であるので、これに対応する措置が必要である。
【0033】
したがって、上述した問題状況を解決するために、本発明の実施形態による広帯域無線通信システムは下記表2のような問題状況を定義し、これに応じて、基地局はハンドオーバー時点を早めるか遅らせるための措置を行う。
【0034】
【表2】

【0035】
前記表2に示した問題状況の発生はRLF発生の有無、ハンドオーバーの実施遅延の
有無、ハンドオーバーの実施が早いか否かなどによって判断される。
【0036】
前記RLF発生の有無は次のように判断される。物理階層での信号品質によって同期状態または同期喪失状態であるかが判断される。前記同期喪失状態が所定回数以上連続的に発生すると、端末は所定時間の間、前記同期状態の発生の有無を観察する。その結果、前記所定時間内に前記同期状態が所定回数以上発生しない場合、前記端末は前記RLFが発生したと判断する。一方、前記所定時間内に前記同期状態が所定回数以上発生した場合、前記端末は正常に動作する。3GPP2 LTEシステムで、前記同期喪失状態に対する所定回数は変数「N310」、前記同期状態に対する所定回数は変数「N311」、前記所定時間は変数「T310」と定義される。
【0037】
前記ハンドオーバーの実施が遅れてRLFが発生する状況は、次のように判断される。基地局−Aは端末とのRLFを感知し、前記RLFの発生時刻を記録する。前記RLFの発生に応じて、前記端末はセル再選択過程を行うことによって接続可能なセルを探索する。この時、前記端末が基地局−Bを選択すると、前記端末は再設定過程を行う。この時、前記基地局−Bは前記再設定過程で受信されたメッセージに含まれるソースセル識別子情報及び前記メッセージ受信時刻を記録し、記録された情報を前記ソースセル識別子によって指示される前記基地局−Bに伝達する。これにより、前記基地局−Aは前記RLFの発生時刻及び前記基地局−Bから伝達された情報を比較、分析することによってハンドオーバーの実施が遅れたためRLFが発生したことを、すなわち、前記表2の状況1が発生したことを認知する。
【0038】
前記ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する状況は次のように判断される。端末は基地局−A及び基地局−Bの間のハンドオーバーを完了した後、ハンドオーバーの完了を前記基地局−Bに通知する。この時、前記基地局−Bは前記端末に対してソースセル識別子及びハンドインイベント発生時刻を記録する。以後、前記基地局−Bは前記基地局−Aにハンドオーバーが完了したことを通知し、前記基地局−Aは前記端末のハンドオーバーの成功及び完了通知の発生時刻を記録する。次に、端末のRLFが発生し、前記基地局−Bは前記RLFの発生時刻を記録する。次に、前記基地局−Bは前記RLFの発生を前記ソースセル識別子によって指示される前記基地局−Aに知らせるとともに、前記端末はセル再選択過程を行うことによって接続可能なセルを探索する。この時、前記基地局−Aが選択され、前記端末は前記基地局−Aとの再設定過程を行う。前記基地局−Aは前記再設定過程で受信されたメッセージによって前記端末が自らから前記基地局−Bにハンドオーバーを行った端末であることを判断し、前記再設定の発生時刻を記録する。これにより、前記基地局−Aは前記端末の履歴に対する記録及び前記基地局−Bから伝達された情報を分析することによって、ハンドオーバーの実施が早すぎたためRLFが発生したことを、すなわち、前記表2の状況3が発生したことを認知する。
【0039】
前記t1乃至前記t5の値は次のように判断される。前記図1のようなハンドオーバー過程中に、端末はイベント発生報告を送信した時刻を記録する。そして、サービング基地局は前記イベント発生報告を受信した時刻を記録し、前記端末にハンドオーバー命令を送信した時刻を記録する。また、前記端末は前記ハンドオーバー命令を受信した時刻及びハンドオーバー完了通知を送信した時刻を記録する。前記ハンドオーバー完了通知する際、前記端末は前記イベント発生報告を送信した時刻、前記ハンドオーバー命令を受信した時刻及び前記ハンドオーバー完了通知を送信した時刻をターゲット基地局に伝達する。前記ターゲット基地局は前記ハンドオーバー完了通知を受信した時刻を記録する。以後、前記ターゲット基地局は前記端末から受信した時刻記録情報及び前記ハンドオーバー完了通知を受信した時刻を前記サービング基地局に伝達する。これにより、前記サービング基地局は前記ターゲット基地局から伝達された時刻記録情報を用いて前記t1乃至前記t5の値を計算する。
【0040】
基地局は前記表2に示した問題状況を感知するために、上述のようにRLFの発生などを判断し、隣のセルごとのハンドオーバー関連履歴情報を収集する。前記ハンドオーバー関連履歴情報に含まれる項目はハンドオーバー成功率、ハンドオーバー失敗率、ハンドオーバーの実施が遅くれてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生する頻度、不必要なハンドオーバーが行われる頻度、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる頻度、t1乃至t5それぞれの平均値などを含む。そして、前記基地局は収集された隣のセルごとのハンドオーバー関連履歴情報に基づいて前記問題状況の発生の有無を判断し、これに対応する措置を行う。すなわち、前記基地局は問題状況に対応してハンドオーバーを行う時点を調節する。
【0041】
例えば、前記状況1又は前記状況2を感知した場合、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させることによってハンドオーバーを行う時点を早めることができる。また、前記状況3又は前記状況4を感知した場合、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させることによってハンドオーバーを行う時点を遅らせることができる。これによって、ハンドオーバーが行われる時点の端末の位置が前記図2の地点A201に近くなる。
【0042】
以下、本発明は上述のようにハンドオーバー性能を最適化する基地局の構成及び動作手順を詳細に説明する。
【0043】
図3は、本発明による広帯域無線通信システムにおける基地局の動作手順を示す。
【0044】
前記図3に示すように、前記基地局は301ステップでハンドオーバー関連履歴情報を収集する。すなわち、前記基地局は接続された端末のハンドオーバーが行われるたびに前記ハンドオーバーに関わるメッセージの送受信時刻及び各イベントの発生時刻を記録し、記録された情報を分析することによってハンドオーバー成功率、ハンドオーバー失敗率、ハンドオーバーの実施が遅くれてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生する頻度、不必要なハンドオーバーが行われる頻度、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる頻度、t1乃至t5それぞれの平均値などを決定する。この時、前記ハンドオーバー関連履歴情報は隣の基地局毎に管理される。また、前記301ステップの動作は本手順が進行する間に持続的に行われる。
【0045】
次に、前記基地局は303ステップに進んでハンドオーバー時点の不適切さ、すなわち、早まったか遅れたことによって問題状況が発生したかを判断する。ここで、前記ハンドオーバー時点の不適切さによる問題状況は前記表2の状況1乃至状況4のことである。この時、前記問題状況の発生判断は所定時間間隔で周期的に行われるか、又は、前記ハンドオーバー関連履歴情報が更新されるたびに行われる。
【0046】
前記ハンドオーバー時点の不適切さによる問題状況が発生すると、前記基地局は305ステップに進んで発生した問題状況がRLFを含むかを確認する。すなわち、前記基地局は前記発生した問題状況が前記表2の状況1及び状況3のうち一つであるかを判断する。
【0047】
もし、前記発生した問題状況がRLFを含む場合、言い換えると、前記発生した問題状況が前記表2の状況1及び状況3のうち一つである場合、前記基地局は307ステップに進んで前記発生した問題状況に対応する措置によって新しいハンドオーバーパラメータを決定する。すなわち、前記状況1が発生した場合、前記基地局はハンドオーバーの実施時点が早くなるように新しいハンドオーバーパラメータを決定し、前記状況3が発生した場合、前記基地局はハンドオーバーの実施時点が遅くなるように新しいハンドオーバーパラメータを決定する。例えば、前記表1のA3イベントがハンドオーバーをトリガする条件であれば、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させることによってハンドオーバーを行う時点を早めることができる。また、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させることによってハンドオーバーを行う時点を遅らせることができる。この時、ハンドオーバーの実施時点の変化量はパラメータの変化量に依存する。
【0048】
一方、前記発生した問題状況がRLFを含まない場合、言い換えると、前記発生した問題状況が前記表2の状況2及び状況4のうち一つである場合、前記基地局は309ステップに進んでハンドオーバー遅延の発生要因を判断する。ここで、前記ハンドオーバー遅延の発生要因はハンドオーバー処理区間t1、t3、t4及びt5のうち少なくとも一つのしきい値の超過である。前記しきい値は各処理区間に対して独立的に定義されることが好ましい。
【0049】
もし、前記ハンドオーバー遅延の発生要因が前記t1又は前記t3のしきい値の超過である場合、前記基地局は311ステップに進んでハンドオーバー実施時点が早くなるようにハンドオーバーパラメータを決定する。例えば、前記表1のA3イベントがハンドオーバーをトリガする条件であれば、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させることによってハンドオーバーを行う時点を早めることができる。
【0050】
一方、前記ハンドオーバー遅延の発生要因が前記t4又は前記t5のしきい値の超過である場合、前記基地局は313ステップに進んでハンドオーバー実施時点が遅くなるようにハンドオーバーパラメータを決定する。例えば、前記表1のA3イベントがハンドオーバーをトリガする条件であれば、前記基地局は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させることによってハンドオーバーを行う時点を遅らせることができる。
【0051】
以後、前記基地局は315ステップに進んで既存のハンドオーバーパラメータを前記307ステップ、前記311ステップ又は前記313ステップで決定されたハンドオーバーパラメータに変更する。これにより、以後前記基地局に接続される端末は新しく決定されたハンドオーバーパラメータを提供される。
【0052】
次に、現在接続中の端末に新しく決定されたハンドオーバーパラメータを適用するために、前記基地局は317ステップに進んで前記新しく決定されたハンドオーバーパラメータを送信する。すなわち、前記図1の101ステップである測定制御ステップが行われる。
【0053】
前記図3に基づいて説明した本発明の実施形態で、前記基地局はハンドオーバー時点の不適切さによる問題状況に対する措置のみを実施する。しかし、前記図3に示す本発明の実施形態とともに、前記基地局は他の問題状況の発生を判断し、措置を行うことができる。すなわち、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生するか、不必要なハンドオーバーが行われるか、又は連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる場合、前記基地局はハンドオーバーパラメータを変更するかハンドオーバーをトリガするイベントの発生条件を変更することによって問題状況を解決する。
【0054】
前記図3に示す本発明の実施形態は、前記表2に示す問題状況のうち状況1乃至状況4をすべて考慮した実施形態である。しかし、本発明の他の実施形態によれば、基地局は状況2及び状況4のみを考慮することができる。この場合、前記305ステップ及び前記307ステップは省略することができる。また、本発明のさらに他の実施形態によれば、基地局は状況1及び状況3のみを考慮することができる。この場合、前記309ステップ乃至前記313ステップを省略することができる。
【0055】
図4は本発明による広帯域無線通信システムにおける基地局のブロック構成を示している。
【0056】
前記図4に示すように、前記基地局はバックホール通信部410、無線通信部420、シグナリング処理部430、データ処理部440及び制御部450を含んで構成される。
【0057】
前記バックホール通信部410は隣の基地局及び上位ノードとの有線通信のためのインタフェースを提供する。すなわち、前記バックホール通信部410は隣の基地局又は上位ノードから受信される物理的信号を情報ビット列に変換し、前記隣の基地局又は前記上位ノードに送信される情報ビット列を物理的信号に変換する。
【0058】
前記無線通信部420は端末との無線通信のためのインタフェースを提供する。例えば、前記無線通信部420はOFDM方式による無線インタフェースを提供する。信号を送信する場合、前記無線通信部420は前記シグナリング処理部430又は前記データ処理部440から提供されるビット列を複素シンボルに変換し、副搬送波にマッピングした後、IFFT演算及びCP挿入によってOFDMシンボルを構成し、RF帯域信号に上向きに変換した後、アンテナを介して送信する。信号を受信する場合、前記無線通信部420はアンテナを介して受信されるRF帯域信号を下向きに変換した後、OFDMシンボル単位に分割し、CP除去及びFFT演算によって副搬送波にマッピングされた複素シンボルを復元し、前記複素シンボルをビット列に変換した後、前記シグナリング処理部430又は前記データ処理部440に前記ビット列を提供する。
【0059】
前記シグナリング処理部430は端末に送信される制御メッセージを生成し、前記端末から受信される制御メッセージを解析する。例えば、前記シグナリング処理部430はハンドオーバーパラメータを伝達するための測定制御メッセージ、ハンドオーバーの実施を命令するためのハンドオーバー命令メッセージを生成し、端末からのイベント発生報告を含む測定報告メッセージ、ハンドオーバーの完了を通知するハンドオーバー完了メッセージを解析する。受信された制御メッセージを解析する場合、前記シグナリング処理部430は制御メッセージの受信を前記制御部450に知らせ、制御メッセージによって確認される情報を前記制御部450に提供する。前記データ処理部430は端末に送信されるデータ及び前記端末から受信されるデータを一時保存し、各階層で要求される機能を処理する。
【0060】
前記制御部450は前記基地局の機能全般を制御する。例えば、前記制御部450は信号の送受信、無線資源の管理、端末の接続管理などを制御する。特に、前記制御部450はハンドオーバーパラメータを管理するハンドオーバーパラメータ管理部452を含み、ハンドオーバー性能を阻害する問題状況に対応する措置のために問題状況判断部454及びハンドオーバー履歴情報保存部456を含む。
【0061】
前記ハンドオーバー履歴情報保存部456はハンドオーバー関連履歴情報を収集する。すなわち、前記ハンドオーバー履歴情報保存部456は接続された端末のハンドオーバーが行われるたびに前記ハンドオーバーに関わるメッセージなどの送受信時刻及び各イベントの発生時刻を記録し、記録された情報を分析することによってハンドオーバー成功率、ハンドオーバー失敗率、ハンドオーバーの実施が遅くれてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生する頻度、不必要なハンドオーバーが行われる頻度、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる頻度、t1乃至t5それぞれの平均値などを決定する。この時、前記ハンドオーバー関連履歴情報は隣の基地局毎に管理される。
【0062】
前記問題状況判断部454はハンドオーバー性能を阻害する問題状況の発生の有無を判断する。この時、前記問題状況の発生判断は所定時間間隔で周期的に行われるか、又は、前記ハンドオーバー関連履歴情報が更新されるたびに行われる。例えば、ハンドオーバー時点の不適切さによる問題状況が発生すると、前記問題状況判断部454は発生した問題状況が前記表2の状況1乃至状況4のうちどの問題状況に該当するかを判断し、問題状況及びハンドオーバーパラメータの変更を前記ハンドオーバーパラメータ管理部452に指示する。この時、前記状況1及び状況3はRLFを含む問題状況であるので、前記問題状況判断部454は前記RLFの含むか否かによって前記状況1及び前記状況3を状況2及び前記状況4と区分する。
【0063】
これにより、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452はハンドオーバーの実施時点が変わるようにハンドオーバーパラメータを変更する。すなわち、前記状況1又は前記状況2が発生した場合、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452はハンドオーバーの実施時点が早くなるように新しいハンドオーバーパラメータを決定し、前記状況3又は前記状況4が発生した場合、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452はハンドオーバーの実施時点が遅くなるように新しいハンドオーバーパラメータを決定する。例えば、前記表1のA3イベントがハンドオーバーをトリガする条件であれば、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させることによってハンドオーバーを行う時点を早めることができる。また、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452は前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させることによってハンドオーバーを行う時点を遅らせることができる。ただし、前記状況1及び前記状況3の場合に対するハンドオーバーの実施時点の変化量は前記状況2及び前記状況4の場合に対するハンドオーバー実施時点の変化量より大きくなければならない。前記ハンドオーバーの実施時点の変化量はパラメータの変化量に依存する。そして、前記ハンドオーバーパラメータ管理部452は既存のハンドオーバーパラメータを決定されたハンドオーバーパラメータに変更する。これにより、以後、前記基地局に接続される端末は新しく決定されたハンドオーバーパラメータの提供を受ける。
【0064】
また、現在接続中の端末に新しく決定されたハンドオーバーパラメータを適用するために、前記制御部450は前記新しく決定されたハンドオーバーパラメータを含むメッセージを送信するように前記シグナリング処理部430を制御する。
【0065】
前記図4に基づいて説明した本発明の実施形態で、前記制御部450はハンドオーバー時点の不適切さによる問題状況に対する措置のみを行う。しかし、上述した本発明の実施形態とともに、前記制御部450は他の問題状況の発生を判断し、措置を行うことができる。すなわち、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生するか、不必要なハンドオーバーが行われるか、又は、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる場合、前記制御部450はハンドオーバーパラメータを変更するかハンドオーバーをトリガするイベントの発生条件を変更することによって問題状況を解決する。
【符号の説明】
【0066】
110・・・端末
120・・・サービング基地局
130・・・ターゲット基地局
140・・・MME
150・・・S−GW 191、192、193、194、195・・・時間区間
201・・・地点A
202・・・地点B
203・・・地点C
204・・・地点D
205・・・地点E
410・・・バックホール通信部
420・・・無線通信部
430・・・シグナリング処理部
440・・・データ処理部
450・・・制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
広帯域無線通信システムで基地局の動作方法において、
ハンドオーバーのために所要する全体時間を分割した複数の時間区間のうち少なくとも一つが臨界時間を超えているかを判断する過程と、
前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間がどの区間なのかに応じてハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断する過程と、
前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ハンドオーバーをトリガする条件は、下記の数式で表され、
【数1】

前記Mnは端末で測定された隣の基地局のチャネル品質測定値、前記Ofnは隣の基地局の周波数特定オフセット、前記Ocnは隣の基地局の特定オフセット、前記Hysはイベント毎のヒステリシスパラメータ、前記Msは端末で測定されたサービング基地局のチャネル品質測定値、前記Ofsはサービング基地局の周波数特定オフセット、前記Ocsはサービング基地局の特定オフセット、前記Offはイベント毎のオフセットパラメータを意味し、
前記ハンドオーバーを行う時点を早めるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程は、
前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させる過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハンドオーバーをトリガする条件は、下記の数式で表され、
【数2】

前記Mnは端末で測定された隣の基地局のチャネル品質測定値、前記Ofnは隣の基地局の周波数特定オフセット、前記Ocnは隣の基地局の特定オフセット、前記Hysはイベント毎のヒステリシスパラメータ、前記Msは端末で測定されたサービング基地局のチャネル品質測定値、前記Ofsはサービング基地局の周波数特定オフセット、前記Ocsはサービング基地局の特定オフセット、前記Offはイベント毎のオフセットパラメータを意味し、
前記ハンドオーバーを行う時点を遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程は、
前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させる過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の時間区間は、端末がサービング基地局にイベント発生を報告するために所要するt1、前記サービング基地局がハンドオーバー準備手順を処理するために所要するt2、前記サービング基地局が前記端末にハンドオーバーを命令するために所要するt3、前記端末がターゲット基地局と同期化するために所要するt4、及び前記端末が前記ターゲット基地局にハンドオーバー完了を通知するために所要するt5のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断する過程は、
前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間が前記t1及び前記t3のうち少なくとも一つを含む場合、前記ハンドオーバーを行う時点を早めることを判断する過程と、
前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間が前記t4及び前記t5のうち少なくとも一つを含む場合、前記ハンドオーバーを行う時点を遅らせることを判断する過程と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
接続された端末のハンドオーバーが行われるたびに前記ハンドオーバーに関わるメッセージの送受信時刻及び各イベントの発生時刻を記録する過程と、
記録された情報を分析することによってハンドオーバー成功率、ハンドオーバー失敗率、ハンドオーバーの実施が遅くれてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生する頻度、不必要なハンドオーバーが行われる頻度、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる頻度、前記t1の平均値、前記t2の平均値、前記t3の平均値、前記t4の平均値及び前記t5それぞれの平均値のうち少なくとも一つの項目を含むハンドオーバー履歴情報を収集する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ハンドオーバー履歴情報を用いて、前記ハンドオーバーの実施が早まったか遅れたためRLFが発生したかを判断する過程と、
前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ハンドオーバー履歴情報を用いて、前記ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生するか、不必要なハンドオーバーが行われるか、又は、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われるかを判断する過程と、
前記少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更するか、又は、ハンドオーバーをトリガするイベントの発生条件を変更する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
接続された少なくとも一つの端末に変更された少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを送信する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
広帯域無線通信システムにおける基地局装置において、
ハンドオーバーのための所要時間を分割した複数の時間区間のうち少なくとも一つが臨界時間を超えているかを判断する判断部と、
前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間がどの区間なのかに応じてハンドオーバーを行う時点を早めるかまたは遅らせるかを判断し、前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更する管理部と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記ハンドオーバーをトリガする条件は、下記の数式で表され、
【数3】

前記Mnは端末で測定された隣の基地局のチャネル品質測定値、前記Ofnは隣の基地局の周波数特定オフセット、前記Ocnは隣の基地局の特定オフセット、前記Hysはイベント毎のヒステリシスパラメータ、前記Msは端末で測定されたサービング基地局のチャネル品質測定値、前記Ofsはサービング基地局の周波数特定オフセット、前記Ocsはサービング基地局の特定オフセット、前記Offはイベント毎のオフセットパラメータを意味し、
前記管理部は、前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを減少させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを増加させることによって前記ハンドオーバーを行う時点を早めることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハンドオーバーをトリガする条件は、下記の数式で表され、
【数4】

前記Mnは端末で測定された隣の基地局のチャネル品質測定値、前記Ofnは隣の基地局の周波数特定オフセット、前記Ocnは隣の基地局の特定オフセット、前記Hysはイベント毎のヒステリシスパラメータ、前記Msは端末で測定されたサービング基地局のチャネル品質測定値、前記Ofsはサービング基地局の周波数特定オフセット、前記Ocsはサービング基地局の特定オフセット、前記Offはイベント毎のオフセットパラメータを意味し、
前記管理部は、前記Ofs、前記Ocs、前記Off及び前記Hysのうち少なくとも一つを増加させるか、又は、前記Ofn及び前記Ocnのうち少なくとも一つを減少させることによって前記ハンドオーバーを行う時点を遅らせることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の時間区間は、端末がサービング基地局にイベント発生を報告するために所要するt1、前記サービング基地局がハンドオーバー準備手順を処理するために所要するt2、前記サービング基地局が前記端末にハンドオーバーを命令するために所要するt3、前記端末がターゲット基地局と同期化するために所要するt4、及び前記端末が前記ターゲット基地局にハンドオーバー完了を通知するために所要するt5のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記管理部は、前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間が前記t1及び前記t3のうち少なくとも一つを含む場合、前記ハンドオーバーを行う時点を早めることを判断し、前記臨界時間を超えた少なくとも一つの時間区間が前記t4及び前記t5のうち少なくとも一つを含む場合、前記ハンドオーバーを行う時点を遅らせることを判断することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
接続された端末のハンドオーバーが行われるたびに前記ハンドオーバーに関わるメッセージの送受信時刻及び各イベントの発生時刻を記録し、記録された情報を分析することによってハンドオーバー成功率、ハンドオーバー失敗率、ハンドオーバーの実施が遅くれてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーの実施が早すぎてRLFが発生する頻度、ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生する頻度、不必要なハンドオーバーが行われる頻度、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われる頻度、前記t1の平均値、前記t2の平均値、前記t3の平均値、前記t4の平均値及び前記t5それぞれの平均値のうち少なくとも一つの項目を含むハンドオーバー履歴情報を収集する保存部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記判断部は、前記ハンドオーバー履歴情報によって前記ハンドオーバーの実施が早まったか遅れたためRLFが発生したかを判断し、
前記管理部は、前記ハンドオーバーを行う時点を早めるか遅らせるために少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記判断部は、前記ハンドオーバー履歴情報によって前記ハンドオーバーが間違ったセルに行われてRLFが発生するか、不必要なハンドオーバーが行われるか、又は、連結設定後の所定時間内にハンドオーバーが行われるかを判断し、
前記管理部は、前記少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを変更するか、又は、ハンドオーバーをトリガするイベントの発生条件を変更することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
接続された少なくとも一つの端末に変更された少なくとも一つのハンドオーバーパラメータを送信する通信部をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−45079(P2011−45079A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185098(P2010−185098)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】