説明

床パネル

【課題】什器や機械類を容易に移動することができる。
【解決手段】建物の構造床10の上に並べて複数配設される床パネル本体2と、什器や機械類などの積載物30を支持すると共に、床パネル本体2に設けられたレール(ガイド部)3に沿って移動可能な支持部4と、支持部4を床パネル本体2に固定できる固定部材と、から構成されている。支持部4に架台31が固定されて、架台の上に積載物30が設置される。積載物30および架台31は、支持部4と共にレール3に沿って移動し、固定部材で支持部4を床パネル本体2に固定することによって積載物30が固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の構造床の上に設置される床パネルに関し、特に、上部に配設された什器や機械などの積載物を移動できる床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルの事務室や通信機械室などにおいて、建物の構造床の上に二重床(フリーアクセスフロア)を設置し、構造床と二重床との間のスペースに電気や通信などの各種ケーブル類を配線している。二重床を設置すると、床上に露出するケーブル類が少ないので、安全で見栄えがよく、また、ケーブル類の損傷を防ぐことができる。
また、通信機械室などでは、構造床と二重床との間のスペースに空調空気を送風し、適宜設けられた給気口から空調空気を給気して、機械類からの発熱による室内の温度上昇を防いでいる。
【0003】
このような二重床の形態は大きく分けて二種類あり、一つは構造床に設置された複数の脚部の上に床面を形成するパネルを載せる形態と、もう一つは床面を形成するパネルが複数の脚部と連結し、一体化したパネルと脚部とを構造床に設置する形態である。
前者は二重床上に配設される什器や機械類の重量が比較的軽い場合に適しており、事務室や、通信機械室の通路やメンテナンススペースなどの機械類の配設されない部分に使用される。一方、後者は、二重床上に配設される什器や機械類の重量が比較的重い場合に適しており、主に、通信機械室の機械類の直下などに使用される。
【0004】
特許文献1では、二重床の床面となるカバーと、このカバーを支えるベースとを備える幹線収納用二重床パネルが提案されている。
この幹線収納用二重床パネルでは、カバーとベースとの間の収納空間に各種配線を挿通させる構成で、ベースは内部が略全て収納空間となるように形成されて、この収納空間を複数に仕切る支持壁を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−129898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の二重床では以下のような問題があった。
室内の用途変更やレイアウト変更などにより機械類を移動させる場合には、機械類と共に二重床を撤去したり新設したりすることがあるという問題があった。
また、什器や機械類の移動は労力や時間がかかり、什器や機械類が大型の場合には、そのまま移動できず、什器や機械類を解体してから移動させ、再度組み立てる必要があった。また、什器や機械類の移動において、技術者を必要とする配線工事が伴う場合には、時間やコストがかかっていた。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、上部に配設された什器や機械類の移動を容易に行うことができる床パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る床パネルは、建物の構造床の上に配設されて、上部に設置された什器および機械類などの積載物を水平方向に移動可能に支持する床パネルであって、構造物の上に配設される床パネル本体と、積載物を支持すると共に床パネル本体に設けられたガイド部に沿って移動可能な支持部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る床パネルでは、支持部を床パネル本体の所定の位置に固定する固定部材が設けられている。
本発明では、支持部は積載物を支持すると共に床パネル本体に設けられたガイド部に沿って移動可能なので、支持部をガイド部に沿って移動させることによって積載物の移動を容易に行うことができる。また、固定部材によって移動させた積載物を任意の位置に固定することができる。
【0009】
また、本発明に係る床パネルでは、支持部の上部には積載物が配設される架台が設けられていることが好ましい。
本発明では、支持部の上部に架台が設けられていることにより、架台で積載物を支持することができる。
【0010】
また、本発明に係る床パネルでは、支持部と積載物との間には積載物の設置高さを調整する高さ調整部材が設置される構成としてもよい。
本発明では、支持部と積載物との間に高さ調整部材を設置することにより、床パネルと積載物との間にスペースを設けることができる。そして、このスペースを各種ケーブルの配線スペースや、機械類からの発熱を冷却する気流スペースとして使用することができる。
【0011】
また、本発明に係る床パネルでは、ガイド部と支持部との間にはすべり支承が設けられていることを特徴とする。
本発明では、ガイド部と支持部との間にはすべり支承が設けられていることにより、重量のある積載物であっても容易に移動することができる。
【0012】
また、本発明に係る床パネルでは、床パネルは二重床構造としてもよい。
本発明では、床パネルは二重床構造とすることにより、各種ケーブルの配線スペースや、機械類からの発熱を冷却する気流スペースを確保することができる。
【0013】
また、本発明に係る床パネルでは、床パネルは電力および通信機能を有するユニットを備えていて、積載物は電力および通信機能を有するユニットに接続可能である構成としてもよい。
本発明では、床パネルは電力および通信機能を有するユニットを備えていて、積載物は電力および通信機能を有するユニットに接続可能なことにより、積載物を移動しても電力および通信の接続を容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明では、床パネルは複数並べて使用可能であることを特徴とする。
本発明では、所定の範囲に床パネルを複数並べて敷設できるので、その範囲内において積載物の移動を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、積載物を支持する支持部は床パネル本体に設けられたガイド部に沿って移動可能なので、積載物の移動を容易に行うことができて、建物内のレイアウト変更が行いやすく、積載物の移動に伴う労力と時間を軽減できると共に、建物内のスペースの利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施の形態による床パネルの一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1に示す床パネルの上面図、(b)は図1に示す床パネルの側面図である。
【図3】図1に示す床パネルに積載物が設置された状態を表す図である。
【図4】図1に示す床パネルに積載物が設置された他の状態を表す図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態による床パネルを示す図である。
【図6】図5に示す床パネルに積載物が設置された状態を示す図である。
【図7】(a)は本発明の第三の実施による床パネルの上面図、(b)は(a)の側面図である。
【図8】(a)は本発明の第四の実施による床パネルの上面図、(b)は(a)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による床パネルについて、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1、図2(a)、(b)に示すように、本実施の形態による床パネル1aは、建物の構造床10の上に複数並べて配設される床パネル本体2と、什器や機械類などの積載物30を支持すると共に床パネル本体2に設けられたレール(ガイド部)3に沿って移動可能な支持部4と、支持部4を床パネル本体2に固定できる固定部材25と、から概略構成されている。
そして、図3に示すように、支持部4の上方には積載物30を設置する架台31が取り付けられて、支持部4がレール3に沿って移動することによって積載物30も移動できる構造である。
【0018】
図1、2(a)、(b)に示すように、床パネル本体2は、例えば、スチール材料などからなる平面視正方形のパネル部材である。床パネル本体2の上面には、水平方向に直交する2本の溝状のレール3が形成されている。レール3は、略T字型を上下逆にした断面形状をしており、その底面にはステンレスなどで形成されたすべり板11が設けられている。床パネル1aが構造床10に並べて配設される際には、隣り合う床パネル1aのレール3が連続する。
床パネル本体2には、固定部材25を挿入する複数の孔部12がレール3の側方に所定の間隔をあけて設けられている。
【0019】
図2(b)に示すように、支持部4は、床パネル本体2の上面2aと隙間をあけて配設される第一の平板部21と、すべり板11の上に配設される第二の平板部22と、第一および第二の平板部21、22を連結する連結部23と、から構成されている。
【0020】
第一の平板部21は、平面視四角形の板状の部材で、上方に積載物30を載せる架台31が固定される。また、第一の平板部21の四隅には、固定部材25を挿通させる貫通孔24が設けられている。
第二の平板部22は、平面視四角形の板状の部材で、レール3の底面に沿って移動できる大きさに形成されている。第二の平板部22の下面22aにはPTFE系材料で形成されたすべり材が装着されて、第二の平板部22とすべり板11との摩擦が小さくなるように設定され、第二の平板部22の下面22aとすべり板と11ですべり支承26が構成される。
第一および第二の平板部21、22と連結部23は、それぞれ個別に形成された部材を連結してもよく、一体に形成されてもよい。
【0021】
このように形成された支持部4は、積載物30および架台31を支持し、その荷重を床パネル本体2を介して構造床10へ伝達する。また、支持部4は、レール3に沿って移動することができ、レール3が直交する部分では、支持部4は移動方向を90°変えることができる。
【0022】
図1、図2(a)、(b)に示すように、固定部材25は、ピンやボルトなどの部材で、第一の平板部21の貫通孔24に上側から挿通され、床パネル本体2の孔部12に挿入される。固定部材25がボルトの場合には、貫通孔24や孔部12の内周面にネジ山が形成されている。
床パネル本体2の孔部12は所定の間隔をあけて複数設けられているので、支持部4の位置にあわせて任意の孔部12へ固定部材25を挿通することができる。
【0023】
このように形成された床パネル1aは、建物の構造床10に並べて配設される。このとき、隣り合う床パネル1aのレール3端部をそれぞれ合わせて、支持部4は複数の床パネル1aのレール3上を移動可能とする。
このとき、床パネル1aは、接着剤や予め構造床10へ施工しておいたアンカーボルトなどによって構造床10へ固定する。また、隣り合う床パネル1aどうしを接着剤や金具などで連結してもよい。
このように床パネル1aを構造床10へ固定したり、隣り合う床パネル1aを連結したりすることによって、耐震性を高めることができる。
【0024】
次に、床パネル1aへの積載物30の設置方法について図3を用いて説明する。
まず、積載物30の設置位置に支持部4を配設し、固定部材25で床パネル本体2へ固定する。支持部4はレール3のピッチにあわせて複数配設されて、隣り合う支持部4の間には所定の間隔が設けられている。
次に、支持部4の上に架台31を設置し、支持部4と架台31とをボルトや金具などで固定する。このとき、支持部4は、図3に示すように架台31の端部に固定されてもよく、また、図4に示すように、架台31の端部と端部より内側とに固定され、架台31が支持部4から持ち出す構造となってもよい。
【0025】
そして、支持部4に固定された架台31の上に積載物30を設置する。このとき、積載物30は架台31に金具などで固定されてもよい。
なお、固定部材25による床パネル本体2への支持部4の固定は、支持部4へ架台31を設置した後や、積載物30を設置した後に行ってもよい。
【0026】
また、室内のレイアウト変更などにより積載物30を移動させる場合には、まず、支持部4が積載物30および架台31を支持した状態のまま固定部材を25をはずす。そして、積載物30を架台31および支持部4と共にレール3に沿って所定の位置に移動させ、固定部材25を設置して支持部4を床パネル本体2に固定する。
【0027】
次に、上述した第一の実施の形態による床パネル1aの作用について図面を用いて説明する。
床パネル1aは、支持部4が積載物30および架台31を支持すると共に、レール3に沿って移動できるので、支持部4の上に設置された積載物30を容易に移動させることができる。
また、レール3の底面のすべり板11と、支持部4の第二の平板部22の下面22aとですべり支承26を構成しているので、支持部4の上に設置された積載物30の荷重が重い場合でも積載物30を容易に移動させることができる。
また、レール3のピッチに合わせて支持部4の個数を増やすことができるので、積載物30の形状が大きい場合や、重量が重い場合には、多くの支持部4で積載物30および架台31を支持することができる。
【0028】
また、例えば通信機械室などで、機械などの積載物30を複数設置する場合には、機械が移動できることにより機械のメンテナンス用のスペースを機械ごとに設置せずに共有させることができる。
【0029】
上述した第一の実施の形態による床パネル1aでは、積載物30を支持する支持部4が床パネル本体2のレール3に沿って移動できることにより、積載物30の移動を容易に行うことができ、積載物30の移動に伴う労力や時間を軽減できて、室のレイアウト変更が行いやすく、スペースの利用効率を向上させることができる効果を奏する。
【0030】
次に、他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
【0031】
図5に示すように、第二の実施の形態による床パネル1bでは、支持部4と架台31との間に、高さ調整部材32が配設されて、床パネル1aと架台31とは高さ方向に離れ、床パネル1aと架台31との間にスペースSが設けられている。
このスペースSは、積載物30に配線類がある場合には配線を設置することができ、また積載物30が機械類などの場合には、機械類の放熱による室内の温度上昇を抑えるための気流スペースとして使用することができる。
【0032】
高さ調整部材32は、スペースSの高さにあわせて形成されて、架台31および積載物30の荷重を支持できる強度を有する部材とする。
なお、高さ調整部材32は、図5に示すように架台31の端部に固定されてもよく、また、図6に示すように、架台31の端部と端部より内側とに固定され、架台31が高さ調整部材32から持ち出す構造となってもよい。
【0033】
第二の実施の形態による床パネル1bによれば、積載物30が高さ調整部材32を介して支持部4に支持されているので、第一の実施の形態による床パネル1aと同様の効果を奏する。
また、床パネル本体2と架台31との間に高さ調整部材32を設置することによって、スペースSができるので、このスペースSを機械類の気流スペースや、配線スペースとして使用することができて、室内を有効に利用することができる。
【0034】
図7(a)、(b)に示すように、第三の実施の形態による床パネル1cでは、床パネル本体41と構造床10との間に空間部42が設けられた二重床の構造となっている。
床パネル本体41は、第一の実施の形態による床パネル本体2と同様の構成をしており、床パネル本体41の上部から空間部42につながる開口部43が形成されている。
【0035】
空間部42は、構造床10に配設される底板45と、底板に設置され床パネル本体41を支持する複数の脚部材44と、を備えている。
底板45は床パネル本体41の平面形状と同じ大きさに形成されている。
脚部材44は、空間部42の高さにあわせて形成されて、床パネル本体41および積載物30、架台31の荷重を支持できる強度を有する部材とする。
脚部材44は床パネル本体41と一体に形成されてもよく、底板45に設置された脚部材44の上に床パネル本体41を設置してもよい。
空間部42は、積載物30の電力や通信などの配線スペースとして利用することができる。また、通信機械室などの場合では、空間部42に空調空気を送風し、室内に空調空気を給気して、機械類からの発熱による室内の温度上昇を防いでいる。
【0036】
開口部43は、用途に合わせた大きさに形成される。開口部43に配線を通す場合には、配線が通る程度の開口部としてもよい。また、開口部43の必要がない部分には、開口部43を塞ぐ蓋などを設置してもよい。
また、空間部42を空調に利用する場合には、空調空気の給気口として開口部43を必要な場所のみに設置してもよい。
【0037】
上述した床パネル1cへの積載物30の設置は、第一の実施の形態と同様に支持部4に固定された架台31に積載物30を設置する。そして、積載物30に配線30aがある場合には、開口部43より空間部42に配線30aを設置し、空間部42に配設されて電力や通信の基盤とつながる配線と接続する。
そして、積載物30を移動する場合には、まず、積載物30の配線30aをはずし、第一の実施の形態と同様に支持部4を移動させて積載物30を移動させる。積載物30を所定の位置に移動させた後に、再度、配線30aを接続させる。
なお、予め配線30aに余長を持たせて積載物30が設置されている場合には、配線30aをはずさずに積載物30を移動させることができる。
【0038】
第三の実施の形態による床パネル1cでは、積載物30は支持部4に固定された架台31に固定されているので、第一の実施の形態による床パネル1aと同様の効果を奏する。
そして、床パネル本体41の下方に空間部42が形成されているので、空間部42を配線スペースや空調空気の送風スペースとして使用することができて、室内を有効に利用することができる。
【0039】
図8(a)、(b)に示すように、第四の実施の形態による床パネル1dでは、床パネル本体51に、電力および通信の配線接続が可能な電力通信接続ユニット52が設けられている。積載物30の電力や通信の配線は支持部55を介して電力通信接続ユニット52へ接続される。
【0040】
支持部55は、第一の実施の形態による支持部4に、電力および通信の接続を行う機能が付加されたもので、第一の平板部21の側方には、電力および通信の配線30aが接続可能な積載物側接続部53が設けられていて、第二の平板部22の側方には、電力通信接続ユニット52と接続可能な電力通信接続ユニット側接続部54が設けられている。
積載物側接続部53と電力通信接続ユニット側接続部54とは、支持部55の内部、または側面に設けられた配線で接続されている。
電力通信接続ユニット52は、電力通信接続ユニット側接続部54と接続できる位置に設けられている。電力通信接続ユニット52は、建物内の電力および通信の基盤と接続されている。なお、電力通信接続ユニット52は、建物内の電力および通信の基盤と直接接続されていてもよく、隣接する床パネル1dの電力通信接続ユニット52を介して接続されていてもよい。
【0041】
上述した床パネル1dでは、支持部55に固定された架台31に積載物30が設置される。そして、積載物30の電力および通信の配線30aを積載物側接続部53に接続する。そして、電力通信接続ユニット側接続部54が電力通信接続ユニット52と接続されることにより、積載物30は電力および通信の接続がされた状態となる。なお、積載物30は、電力と通信のいずれかの接続のみを行ってもよい。
積載物30を移動させる場合には、電力通信接続ユニット側接続部54と電力通信接続ユニット52との接続を解除し、積載物30を所定の位置へ移動させ、別の電力通信接続ユニット52へ電力通信接続ユニット側接続部54を接続する。
また、電力通信接続ユニット52は、ネットワーク設定や、送電設定などの各種設定は遠隔操作が可能なものとしておくことが好ましい。
【0042】
第四の実施の形態による床パネル1dでは、積載物30は支持部55に固定された架台31に設置されているので、第一の実施の形態による床パネル1aと同様の効果を奏する。
また、第四の実施の形態による床パネル1dには、電力通信接続ユニット52が設けられていることにより、床パネル1dの上部に配設された機械類などの積載物30を移動した際にも、電力や通信の接続を容易に行うことができる。
【0043】
以上、本発明による床パネルの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、床パネル本体2の形状は平面視正方形としているが、長方形などそのほかの形状としてもよい。
また、上記の実施の形態では、床パネル本体2に直交する2方向のレール3が備えられているが、1方向のみに延在するレール3が備えられていてもよい。また、直行する2方向のレール3が2本ずつ備えられていてもよく、複数のレール3が平行や、所定の角度で交差してもよい。
また、レール3の底面のすべり板11と支持部4の第二の平板部22の下面22aとですべり支承26を構成しているが、すべり支承26の他に、例えばローラーやベアリングなどをレール3の底面または第二の平板部22の下面に設置し、レール3の底面と第二の平板部22の下面22aとの摩擦を小さくし、積載物30の移動を行いやすくしてもよい。
また、第二の平板部22の下面22aにはPTFE系材料で形成されたすべり材が装着されているが、すべり材はPTFE系材料で形成されたものに限定されず、ポリアミドや超高分子量ポリエチレンやその他の材料などで形成されていてもよい。
また、積載物30は架台31の上に設置しているが、積載物30を直接支持部4に取り付けてもよく、また、積載物30を直接高さ調整部材32に取り付けてもよい。
また、床パネル1a〜1dのレール3の高さをあわせて、床パネル1a〜1dを組み合わせて使用してもよい。
また、上記の実施の形態では、支持部4の第一、第二の平板部21、22は平面視四角形であるが、円形やその他の形状であってもよい。
また、第三、四の実施の形態に、第二の実施の形態による支持部4と架台31との間に高さ調整部材32を設置してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1a、1b、1c、1d 床パネル
2、41、51 床パネル本体
3 レール(ガイド部)
4、55 支持部
10 構造床
26 すべり支承
30 積載物
31 架台
32 高さ調整部材
42 空間部
52 電力通信接続ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造床の上に配設されて、上部に設置された什器および機械類などの積載物を水平方向に移動可能に支持する床パネルであって、
前記構造物の上に配設される床パネル本体と、
前記積載物を支持すると共に前記床パネル本体に設けられたガイド部に沿って移動可能な支持部と、を備えることを特徴とする床パネル。
【請求項2】
前記支持部を前記床パネル本体の所定の位置に固定する固定部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の床パネル。
【請求項3】
前記支持部の上部には前記積載物が配設される架台が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の床パネル。
【請求項4】
前記支持部と前記積載物との間には前記積載物の設置高さを調整する高さ調整部材が設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の床パネル。
【請求項5】
前記ガイド部と前記支持部との間にはすべり支承が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の床パネル。
【請求項6】
前記床パネルは二重床構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の床パネル。
【請求項7】
前記床パネルは電力および通信機能を有するユニットを備えていて、前記積載物は前記電力および通信機能を有するユニットに接続可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の床パネル。
【請求項8】
前記床パネルは複数並べて使用可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の床パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−261176(P2010−261176A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111506(P2009−111506)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】