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床用塗料硬化性組成物およびそれを用いた床用塗膜の形成方法
説明

床用塗料硬化性組成物およびそれを用いた床用塗膜の形成方法

【課題】高耐候性のアクリルシリコン系の塗料において床用塗料で使用される場合、湿気硬化である為、初期硬化性が低く、耐溶剤性、耐薬品性の発現が遅く、又、床を塗り替える場合旧塗膜への密着性および塗り重ね時のちぢみ現象や溶剤系塗料のもつ臭気が課題であった。
【解決手段】重合、希釈溶剤に弱溶剤系溶剤を使用し、加水分解性シリル基および水酸基を導入したアクリル共重合体、多官能性イソシアナートから得られた塗料用組成物は、多種の基材に対する密着性およびセルフリコート、他の塗料による補修性を大幅に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床用塗料用硬化性樹脂組成物に関するものである。例えばコンクリート、木材、プラスチック系の床材及びその上にエポキシ系、ウレタン系、アクリル系の塗料が塗布されたものへの塗装に好適に使用し得る床用塗料硬化性組成物及び、当該床用塗料硬化性樹脂組成物を塗装した床用塗膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート、木材等の床材の塗料としては、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系の塗料が多く使用され、床に対して意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、美観を付与している。しかし、近年、床用塗料を一部日光の当たる部位へ塗装する場合があり、耐候性向上の要求が出される様になって来ている。その場合、上記塗料中では、ウレタン塗料が比較的耐溶剤性、耐薬品性のバランスがとれているが、耐候性についての問題があった。耐候性の優れた塗料しては、特許文献1で開示されているアクリルシリコン塗料が挙げられるが、ウレタン塗料に比べ被塗物によっては密着性が不十分であるという問題がある場合があった。また、フッ素樹脂塗料は、高価であり、コスト面での問題があった。一般に床用の塗装は、建築物、工場、倉庫などの屋内の床面に塗装する場合が多い。従来のエポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系などの塗料はエステル系、ケトン系、芳香族系の溶剤主に用いられており、近年、これらの塗装に関して環境に配慮した塗料の要求がでてきている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−279480
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
床用塗料として要求される意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、美観などを維持しつつ耐候性の向上はかると共に、塗り替え時の密着性の改善や環境に配慮した塗料を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の組成物及び塗装物に係るものである。すなわち、
1)主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(1):
【化1】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(B)成分1〜100重量部、有機金属合物(C)成分0.01〜10重量部からなる床用塗料硬化性組成物(請求項1)。
2)前記組成物に、一般式(2):
(RO)4−b−Si−R (2)
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基および炭素数が7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(D)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の床用塗料硬化性組成物(請求項2)。
3)前記組成物に用いる溶剤が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項3)。
4)前記組成物に、単官能イソシアナート化合物(E)を前記樹脂(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項4)。
5)前記有機金属系化合物(C)が有機錫化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項5)。
6)前記有機金属化合物(C)成分が分子内にS原子を含有する錫系化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項6)。
7)前記、単官能性のイソシアナート化合物(E)成分がトシルイソシアナートである請求項1〜6のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項7)。
8)前記(A)成分に共重合可能なモノマーとして炭素数4以上の(メタ)アクリル酸アルキルを2〜70重量部を含有してなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物(請求項8)。
9)前記床用塗料硬化性組成物を用いて形成された塗膜の水蒸気透過度が40〜200g/m・24hであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法(請求項9)。
10)前記床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法(請求項10)。
11)前記床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法(請求項11)。
12)前記被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項11に記載の床用塗膜の形成方法(請求項12)。
【発明の効果】
【0006】
本発明の弱溶剤タイプの溶剤を使用し、加水分解性シリル基および水酸基を導入したアクリル共重合体、多官能性イソシアナートから得られた塗料用組成物は、多種の基材に対する密着性およびセルフリコート、他の塗料による補修性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の上塗り塗料用硬化性組成物に含有される上記各成分、およびその他の成分について順に説明する。
(A)成分
本発明に用いられる(A)成分の形態としては、主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(1):
【化2】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基(シラノール基を含む概念である)を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体である。前記共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなるため、得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなり、また、加水分解性シリル基が炭素原子に結合しているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等も優れている。
【0008】
(A)成分において、上記一般式(1)で表される加水分解性シリル基は分子中に1個以上あればよいが、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐溶剤性が優れるという点から、2〜10個あることが好ましい。
【0009】
上記一般式(1)において、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリル基の反応性が低下する傾向にある。また、前記Rが、例えばフェニル基、ベンジル基等のアルキル基以外の基である場合にも、加水分解性シリル基の反応性が低下するので好ましくない。
【0010】
また、上記一般式(1)において、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは、前記Rにおいて具体例を示した炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜25のアリール基、ベンジル基等の炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらの中では、得られる組成物が硬化性に優れるという点からアルキル基が好ましい。
【0011】
ビニル系共重合体は例えば下記(i)〜(iv)等を含有する共重合成分を重合することによって製造することができる。(i)加水分解性シリル基含有ビニル単量体(モノマー(a−1))、(ii)水酸基含有ビニル系単量体(モノマー(a−2))、(iii)炭素数4以上の(メタ)アクリル酸系単量体(モノマー(a−3))、(iv)共重合可能なその他の単量体(モノマー(a−4))。
【0012】
上記モノマー(a−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0013】
【化3】

【0014】
【化4】

【0015】
【化5】

【0016】
【化6】

【0017】
【化7】

【0018】
【化8】

【0019】
【化9】

【0020】
で表される化合物や、前記一般式(3)で表される加水分解性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレート等である。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。これらの中では、取扱いが容易で低価格であり、反応副生成物が生じないという点から前記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0021】
モノマー(a−1)の使用量は、共重合成分全量中5%以上、60%以下(重量%、以下同様)が好ましく、10%以上、50%以下であるのがさらに好ましい。かかるモノマー(a−1)の使用量が5%未満である場合には、得られる硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性が不充分となる傾向にあり、60%を超える場合には、硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0022】
次に、上記モノマー(a−2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニクス5700(東亜合成化学工業(株)製)、4−ヒドロキシスチレン、HE−10、HE−20、HP−1、HP−20等の末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー(以上、日本触媒化学工業(株)製)、ブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP−400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE−350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレングリコールポリトリメチレンモノアクリレート)、ブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)等の化合物(以上、日本油脂(株)製)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトンの反応によって得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物等が挙げられる。
【0023】
また、上記ε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物の代表例としては、例えば一般式(8):
【0024】
【化10】

【0025】
で表される化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばPlaccelFA−1(Rは水素原子、qは1)、Placcel FA−4(Rは水素原子、qは4)、Placcel FM−1(Rは水素原子、qは1)、Placcel FM−4(Rは水素原子、qは4)(以上、ダイセル化学工業(株)製)、TONE M−100(Rは水素原子、qは2)、TONE M−201(Rはメチル基、qは1)、(以上、UCC社製)等が挙げられる。
【0026】
これらのモノマー(a−2)は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0027】
上記モノマー(a−2)の中では、得られる硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性および耐水性が優れるという点から、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物が好ましく、特に2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。前記モノマー(a−2)の使用量は、共重合成分全量中1%以上、50%以下が好ましく、2%以上、35%以下であることがさらに好ましい。かかるモノマー(a−2)の使用量が50%を超える場合には、硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐水性および耐酸性が低下する傾向にある。
【0028】
上記モノマー(a−3)としては、例えば、炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体成分を共重合させることが好ましい。前記(a−3)成分の具体例としては、たとえばペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デカニル(メタ)アクリレート、ウンデカニル(メタ)アクリレート、ラウリルメチル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブレンマーSLMA((メタ)アクリル酸のC12〜C18アルキルエステルの混合物;日本油脂(株)製)などが挙げられる。脂肪族系化合物を含む溶剤に対する溶解性を向上されるという点から、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デカニル(メタ)アクリレート、ウンデカニル(メタ)アクリレート、ラウリルメチル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブレンマーSLMAが好ましい。特に、ラウリルメチル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブレンマーSLMAがさらに好ましい。使用量としては、2%以上、70%以下が好ましく。重合時および希釈時の溶剤に対する溶解性よおび重合安定性の点から、5%以上、60%以下がさらに好ましい。特には10%以上、50%以下が好ましい。
【0029】
前記共重合可能なモノマー(d)成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体が挙げられる。それ以外の共重合性のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
【0030】
これらの共重合可能モノマー(d)成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0031】
前記(b)成分、(c)成分と(d)成分の使用量の合計は、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体(a)成分の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の10%以上、99%以下、さらには30%以上、97%以下、特には50%以上、95%以下であるのが好ましい。また、(a)成分の使用量としては重合成分の1%以上、90%以下、さらには3%以上、70%以下、特には、5%以上、50%以上が好ましい。
【0032】
なお、モノマー(a−3)として、アミン、カルボン酸、スルホン酸、リン酸系の基を有する極性モノマーを用いる場合には、重合時の架橋反応を抑えるために、その使用量を共重合成分全量の5%以下となるようにすることが望ましい。
【0033】
本発明においては、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性、耐衝撃性等を向上させる目的で、ビニル系共重合体の50%を超えない範囲で、ウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントを、ビニル系共重合体主鎖中に含まれるように使用してもよい。
【0034】
本発明に用いられるビニル系共重合体は、前記モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマー(a−3)等を含有する共重合成分から、例えば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報等に記載の方法によって製造することができるが、合成の容易さ等の点からアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造するのが好ましい。
【0035】
前記溶液重合法に用いられる重合溶液は、非反応性のものであればよく、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類等が挙げられる。これらの溶剤のうち特に好ましい溶剤としては労働安全衛生法の第3種有機溶剤および第3種有機溶剤に相当する溶剤であり、脂肪族炭化水素を含有するものが挙げられる。具体的には、非水系で芳香族含有量が50重量%以下の溶剤が挙げられ、SWA310(丸善石油(株)製)、HAWS(シェル化学(株)製)、Aソルベント(日本石油(株)製)、ペガソールAN45(エクソン化学(株)製)、LAWS(シェル化学(株)製)、エクソンナフサNo.5、エクソンナフサNo.3(エクソン化学(株)製)、アイソパーE、アイソパーG(日本石油(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油(株)製)、エクソールD40、エクソールD80(エクソン化学(株)製)などが挙げられる。また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばN−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CHO)Si−S−S−Si(OCH,(CHO)Si−S−Si(OCHなどの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる樹脂(A−1)成分および(A−1)成分の分子量を調整してもよい。特に、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、樹脂(A−1)成分の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05%以上、10%以下、さらには0.1%以上、8%以下であることが好ましい。
【0036】
このようにして得られた樹脂(A)成分は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、アクリル系共重合体部分の数平均分子量が、1000以上、30000以下、さらには3000以上、25000以下であることが好ましい。
【0037】
本発明の組成物には、(A)成分に対して架橋剤としてイソシアナート基を2個以上有する化合物(B)成分が含有される。前記、イソシアナート基を2個以上有する化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族系のものが挙げられる。
【0038】
脂肪族系多官能性イソシアナートの具体例として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナート、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナートがあり、構造としては単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレート型がある。加熱硬化用としてはブロックタイプのものがある。そのブロック剤としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、チモール、p−ニトロフェノール、β−ナフトールなどがある。また、芳香族多官能性イソシアナートとしては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ポリメチレン−ポリフェニレル−ポリイソシアナート、などがある。これにも、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレート型がある。これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。前記、イソシアナート化合物(B )成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、好ましくは5重量部以上、80重量部以下、更に好ましくは10重量部以上、60重量部以下である。(B)成分が1部未満の場合には、得られる組成物の硬化性が低下するようになり、また100部を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応のイソシアナート化合物あるいはイソシアナート基が残存し、耐候性の低下や塗り重ね時にちぢみを生じる原因となる。イソシナート化合物とともに配合する硬化触媒(C)としては有機金属化合物が使用される。その中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ましい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内にS原子を有する化合物が更に好ましい。
【0039】
前記錫化合物の具体例としては、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケートとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、スタナスオクトエート、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレートオキサイドがある。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレート、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレート、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレートなどが挙げられる。
【0040】
前記錫化合物のうちでは、分子内にS原子を有する化合物が、イソシアナートを配合した場合の貯蔵安定性および可使時間が良好であることから好ましく、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレートが硬化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好ましい。
【0041】
前記硬化触媒(C)成分は単独でもよく、また、2種類以上併用してもよい。
【0042】
前記(C)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して0.01重量部以上、10重量部以下、好ましくは、0.1重量部以上、8重量部以下、より好ましくは0.3重量部以上、5重量部以下である。さらに、有機金属化合物(C)成分の量が10部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。
【0043】
本発明に用いられる(D)成分である一般式(2):
(RO)4−b−Si−R (2)
で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物は、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐汚染性を向上させる成分である。また、耐摩耗性の特性が向上する。
【0044】
上記一般式(2)において、Rは、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基、好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基及びアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれた1価の炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくは炭素数6〜10のアリール基およびアラルキル基、好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。また、bは0〜2であり、同一分子内に(RO)基が4〜2個存在するが、同一分子内に存在する4〜2個の(RO)基は同じである必要はない。
【0045】
前記シリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケート等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、メチルトリフェノキシシラン等のアルキルトリアリールオキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシトリアルコキシシラン等のトリアルコキシシランまたはトリアリールオキシシラン等が挙げられる。
【0046】
また、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物としては、例えば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシラン、トリアリールオキシシラン等に水を添加し、部分加水分解させて縮合させたもの、または前記テトラアルキルシリケート、アルコール系溶剤中、酸性物質と水の存在下、加水分解したものが挙げられる。
【0047】
その具体例としては、例えばMSI51、ESI40、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56(三菱化学(株)製)等のテトラアルキルシリケート部分加水分解縮合物や、例えばAFP−1(信越化学工業(株)製)等のトリアルコキシシラン部分加水分解縮合物等が挙げられる。
【0048】
上記のごとき(D)成分は単独で用いてもよく2種以上併用してもよいが、(A)成分と(B)成分との相溶性、得られる組成物の硬化性および該組成物を用いて形成される塗膜の硬度が高いことにより汚染物質の定着を抑制するという点から、ESI28、MS51、MS56、HAS−1等のテトラアルキルシリケートおよび/またはテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物が好ましい。
【0049】
(D)成分の使用量は(A)成分と(B)成分の合計固形分100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、好ましくは5重量部以上、100重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上、80重量部以下である。(D)成分が1重量部未満の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。耐摩耗性の点からも配合量はこれら範囲にあることが好ましい。前記の脱水剤として配合される単官能イソシアート化合物(E)成分としては、イソシアン酸、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、イソプロピルイソシアナート、ヘキシルイソシアナート、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート、フェニルイソシアナート、トリルイソシアナート、ニトロフェニルイソシアナート、ナフチルイソシアナート、トシルルイソシアナートなどが挙げられるが、脱水能力および化合物自体の安定性の点からヘキシルイソシアナート、トリルイソシアナート、トシルイソシアナートが好ましい。中でも脱水効果の持続性の点からトシルイソシアナートが特に好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。それによって、硬化剤が脱水され、ポリイソシアナート、有機金属化合物(単官能イソシアナート化合物)を混合した場合の貯蔵安定性が飛躍的に向上する。
【0050】
前記単官能イソシアナート化合物(E)成分の配合量としては(A)成分100重量部に対して0.1重量部以上、20重量部以下が好ましく、0.4重量部以上、20重量部以下がより好ましく、0.5重量部以上、10重量部以下がさらに好ましい。これより少ないと本願組成物を2液塗料として用いる場合、可使時間が短くなり、多いと耐候性が悪くなるので好ましくない。
【0051】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)成分、イソシアナート化合物(B)成分、硬化触媒(C)成分、シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(D)成分、単官能イソシアナート(E)成分を例えば撹拌機などを用いて均一な組成物となるように撹拌、混合することによって得ることができるが、樹脂(A)成分およびシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(D)成分には、さらに脱水剤を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたって優れたものにすることができる。前記脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケート(テトラメトキシシラン)、メチルシリケート(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記脱水剤は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して100重量部以下好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下で使用される。また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分との混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0052】
また、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0053】
本願組成物により形成された塗膜の水蒸気透過度は40g/m・24h以上、200g/m・24h以下が期待でき、さらには50g/m・24h以上、165g/m・24h以下が期待できる。
【0054】
本発明の床用塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば、ローラー、吹き付け、刷毛、などを用いて塗装するものであり、通常、常温でそのまま硬化せしめる。
【0055】
本発明は、床用塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば、コンクリート、木材、プラスチック系の床材及びその上にエポキシ系、ウレタン系、アクリル系の塗料が塗布されたものへの塗装に好適に使用される。
【0056】
次に、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
塗料用樹脂の合成例
攪拌機、温度計、冷却還流器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に溶剤(1)を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後に、ビニル系単量体組成物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に、上記反応容器中へ溶剤(2)を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温まで冷却した。最後に溶剤(3)を加えて攪拌し、水酸基および加水分解性シリル基含有アクリル共重合体(A−1〜7)また、比較例として、水酸基を含有しない加水分解性シリル基アクリル共重合体(A−8)を得た。溶剤(1)、(2)、(3)、およびビニルモノマー組成物は、(表1)に記載した。
【0058】
【表1】

【0059】
得られた上記、硬化性樹脂組成物の固形分濃度および該樹脂の数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
硬化性樹脂を用いた白エナメルした処方
(表1)で得られた塗料用樹脂(A−1〜8)に顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)40部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、(表2)に示す固形分濃度が60%の白エナメル(AT−1〜AT−8)を得た。
【0060】
【表2】

【0061】
得られた白エナメル(AT−1〜AT−8)に硬化剤(B)成分を(表3)に示すように配合し、さらにシンナーを添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して、塗料(AR−1〜AR−9)を得た。
【0062】
【表3】

【0063】
得られた塗料用組成物を用いて該配合物をローラーでスレート板に塗装し20×50%で28日間養生して塗膜を得た。得られた塗膜の物性については以下の方法に従って評価した。
塗膜物性
(イ)水蒸気透過性試験
20℃×50%で7日、14日、30日、90日養生時の塗膜を用いて、JISK5400記載の方法に従って測定を実施した。試験結果を(表4)に記載した。
【0064】
【表4】

【0065】
(ロ)耐リティング性試験
剥離シート、モルタル板上に1層目を塗布し、時間の経時毎に2層目を塗布し、1層目のリティング性を評価した。試験結果を(表5)に記載した。
【0066】
【表5】

【0067】
(評価結果)
○:リフティング無し。
△:リフティング50%
×:リフティング100%
(ハ)付着試験
コンクリート平板、アクリル板、エポキシ板上に各種上塗り塗料を塗布し、20℃×50%で28日養生後、下地への密着性を確認した。
【0068】
付着性の確認は、1辺10mmの正方形25マスをカッタ−にて切り込み、ガムテープによるピ−リング性を評価した。試験結果を(表6)に記載した。
(ニ)耐摩耗性試験
モルタル板上に各種上塗り塗料を2層塗布し、20℃×50%で28日養生後、テ−バ−式摩耗試験機により耐摩耗性を評価した。試験結果を(表7)に記載した。
(ホ)耐ラインテープ性
下塗り塗料上に各種上塗り塗料を塗布し、1日、7日後にラインテープ、ビニールテープを貼り、20℃×50%で28日養生後、各テープを剥し、剥した時の剥離性を評価した。試験結果を(表8)に記載した。
【0069】
【表6】

【0070】
【表7】

【0071】
【表8】

【0072】
芳香族含有量50%以下の弱溶剤を用い、加水分解性シリル基および水酸基を導入して重合して得た樹脂に多官能性イソシアナートを反応させてウレタン架橋させた塗膜は、シロキサン架橋単独で得られた塗膜と比較して、通常密着性の確保が困難なに対して良好な密着性を示している。又、セルフリコート時のちぢみもなく良好な結果を示し、従来の床用塗料であるエポキシ、ウレタン塗料の課題であった無機への密着性も十分に発現可能である。更に床用塗料としての特徴である意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、美観などを維持しつつ耐候性の向上を図り、環境に配慮した塗料を見出す事が出来た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(1):
【化1】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(B)成分1〜100重量部、有機金属合物(C)成分0.01〜10重量部からなる床用塗料硬化性組成物。
【請求項2】
前記組成物に、一般式(2):
(RO)4−b−Si−R (2)
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基および炭素数が7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(D)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項3】
前記組成物に用いる溶剤が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項4】
前記組成物に、単官能イソシアナート化合物(E)を前記樹脂(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項5】
前記有機金属系化合物(C)が有機錫化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項6】
前記有機金属化合物(C)成分が分子内にS原子を含有する錫系化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項7】
前記、単官能性のイソシアナート化合物(E)成分がトシルイソシアナートである請求項1〜6のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項8】
前記(A)成分に共重合可能なモノマーとして炭素数4以上の(メタ)アクリル酸アルキルを2〜90重量部を含有してなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の床用塗料硬化性組成物。
【請求項9】
前記床用塗料硬化性組成物を用いて形成された塗膜の水蒸気透過度が40〜200g/m・24hであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法。
【請求項10】
前記床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法。
【請求項11】
前記床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の床用塗膜の形成方法。
【請求項12】
前記被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項11に記載の床用塗膜の形成方法。

【公開番号】特開2008−169398(P2008−169398A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33499(P2008−33499)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【分割の表示】特願2002−3756(P2002−3756)の分割
【原出願日】平成14年1月10日(2002.1.10)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】