説明

床被覆材の継目構造及び継目施工法

【課題】床被覆材の継目が太陽光等に曝されても、長期にわたって充分な止水性を確保できる床被覆材の継目構造と継目施工法を提供する。
【解決手段】接着剤3で床下地1に貼着された床被覆材2の継目構造であって、前記接着剤3の凸条3aが、床被覆材2の継目4の全長にわたり、継目4に沿って継目4の両側に形成され、継目4が継目処理材5で閉塞された床被覆材の継目構造とする。継目処理材5が太陽光等で劣化して継目5から雨水が浸入しても、継目4に沿って両側に形成された接着剤の凸条3aが雨水を堰き止めるので、床被覆材2と床下地1の間で拡散するのを防止できる。接着剤の凸条3aは、床被覆材2に覆われて太陽光に曝されることがないので劣化しにくく、長期に亘って充分な止水性を保つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期に亘って充分な止水性を確保できる床被覆材の継目構造及び継目施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、接着剤で床下地に貼着した床被覆材同士の継目を処理する方法として、継目にシーム液や硬化性のシーリング材を注入したり、継目を樹脂溶接する方法が知られている。
【0003】
本出願人も、床被覆材同士の継目にシーム液を注入する際の作業性を改善する継目施工法として、床下地に貼着した床被覆材間の継目の上部を覆うように床被覆材表面に粘着テープを貼着し、この粘着テープに継目に沿って切れ目を形成し、その切れ目にシーム液の注入ノズルを挿入し、注入ノズルを粘着テープの切れ目に沿って移動させながら継目内にシーム液を注入し、粘着テープを剥離する床被覆材の継目施工法を提案した(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−96093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の床被覆材の継目施工法は、作業性の改善には極めて有効なものであるが、継目の止水性の点では若干の問題が残されていた。即ち、床被覆材の継目の処理部が露出しているため、特に屋外で施工した場合、シーム液で接着した継目部分が太陽光や温度差によって劣化し、施工後数年を経過すると、止水性が低下して、雨水等が床被覆材の継目から浸透する恐れが生じる、という問題が残されていた。
【0005】
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、床被覆材の継目が太陽光等に曝されても、長期にわたって充分な止水性を確保できる床被覆材の継目構造と継目施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る床被覆材の継目構造は、接着剤で床下地に貼着された床被覆材の継目構造であって、前記接着剤の凸条が、床被覆材の継目の全長にわたり、継目に沿って継目の両側に形成され、継目が継目処理材で閉塞されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の床被覆材の継目構造においては、請求項2のように、接着剤の凸条の相互間のうち少なくとも継目の直下に位置する凸条相互間に合成樹脂層が形成されていることが好ましい。また、請求項3のように、継目に沿って継目の全長にわたり帯状防水シートが床下地に貼着され、この帯状防水シートの上に接着剤の凸条が形成されていることも好ましい。
【0008】
一方、本発明の請求項4に係る床被覆材の継目施工法は、床下地において床被覆材の継目が形成される予定の箇所に、予定の継目の全長にわたり一定の幅で接着剤を櫛目ごてで塗布して、接着剤の凸条を予定の継目に沿って予定の継目の両側に形成した後、床被覆材を貼着して継目を予定の箇所に形成し、この継目を継目処理材で閉塞することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の床被覆材の継目施工法においては、請求項5のように、継目を継目処理材で閉塞する前にシーム液を継目から注入して、継目の直下に位置する接着剤の凸条相互間に合成樹脂層を形成することが好ましく、また、請求項6のように、床下地の前記予定の箇所に、接着剤を櫛目ごてで塗布する前に帯状防水シートを貼着することも好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る床被覆材の継目構造では、継目を閉塞する継目処理材が太陽光などで劣化して継目から雨水等が浸入しても、床下地において床被覆材の継目の全長にわたり継目に沿って継目の両側に形成された接着剤の凸条が、雨水等を堰き止める止水壁の役目を果たすため、雨水等が床被覆材と床下地との間で拡散するのを防止することができる。この止水壁の役目を果たす接着剤の凸条は、床被覆材に覆われて太陽光に曝されることがなく、寒暖気の影響も直接受けないので、劣化しにくく、長期に亘って充分な止水性を保つことができる。このような継目構造は、本発明の請求項4に係る継目施工法によって、作業性良く施工することができる。
【0011】
また、請求項2のように、接着剤の凸条の相互間のうち少なくとも継目の直下に位置する凸条相互間に合成樹脂層が形成された継目構造では、この凸条相互間の床下地に亀裂等が生じている場合で、継目から雨水等が浸入したとしても、合成樹脂層によって床下地の亀裂等に浸透するのを阻止できるため、止水性が一層向上することになる。このような継目構造は、本発明の請求項5に係る継目施工法によって、作業性良く施工することができる。
【0012】
更に、請求項3のように、継目に沿って継目の全長にわたり帯状防水シートが床下地に貼着され、この帯状防水シートの上に接着剤の凸条が形成された継目構造では、この帯状防水シートによって、継目から浸入する雨水等が床下地の亀裂等に浸透するのを阻止できるため、止水性が一層向上することになる。このような継目構造は、本発明の請求項6に係る継目施工法によって、作業性良く施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図、図2は床被覆材を貼着する前の接着剤の凸条が形成された床下地を示す平面図である。
【0015】
図1において、1はベランダやバルコニーなどのコンクリート製の床下地であり、この床下地1の表面には合成樹脂製の床被覆材2,2が接着剤3で貼着されている。この接着剤3は、図6に示すような櫛目ごて11によって多数の凸条3a,3bが間隔をあけて形成されるように床下地1に塗布されている。
【0016】
接着剤3の上記凸条3aは、図2に示すように互いに平行な直線状の凸条であって、この凸条3aは、図1,図2に示すように、双方の床被覆材2,2の継目4の全長にわたり、継目4に沿って継目4の両側に複数条ずつ形成されている。そして、接着剤3の他の凸条3bは、図2に示すような自由曲線状の凸条であって、この凸条3bは、上記の凸条3aが形成された領域を除いて床下地1の表面に形成されている。双方の床被覆材2,2は、これらの接着剤の凸条3a,3bによって、剥離しないように床地面1に強固に貼着されている。
【0017】
尚、この実施形態では、図2に示すように、床下地1の前縁と後縁(図2では上縁部と下縁部)に沿って、各縁に平行する方向の凸条3cが形成されている。更に、図示はしていないが、継目と反対側の端縁にも、その縁に沿って平行な方向に凸条3cが形成されている。これらの凸条3cは省略してもよいが、床被覆材2全体の止水性を向上させるため、これらの凸条3cを形成しておくことが好ましい。尚、図2では、継目と平行の凸条3aと縁と平行の凸条3cは別々に形成しているが、床被覆材2の端縁全周にわたって連続して形成させてもよい。
【0018】
図1に示すように、床被覆材2,2の継目4側の端縁には面取りによって切欠部2a,2aが形成されて、継目4の上部の幅が拡張されており、この拡張された継目4の上部が継目処理材5で閉塞されている。
【0019】
以上のような床被覆材の継目構造にすると、継目4を閉塞する継目処理材5が太陽光などで劣化して継目4から雨水等が浸入しても、継目4の両側に形成された接着剤の凸条3a,3a(継目に最も近い両側の凸条)が、雨水等を堰き止める止水壁の役目を果たすため、雨水等が床被覆材2,2と床下地1との間で拡散するのを防止することができる。そして、この継目4に最も近い両側の凸条3a,3aが何らかの原因で一部破損するようなことがあったとしても、二番目に近い両側の凸条によって雨水等が堰き止められるので、確実に止水することができる。また、これらの止水壁の役目を果たす接着剤の凸条3aは、床被覆材2,2に覆われて太陽光に曝されることがなく、寒暖気の影響も直接受けないので、劣化しにくく、長期に亘って充分な止水性を保つことができる。
【0020】
床下地1は前記のコンクリート製のものに限らず、モルタル製のものなど、建築物に採用される一般的な床下地がいずれも適用可能である。また、床被覆材2としては、バルコニー、ベランダ、廊下などに敷設される外装用の軟質塩化ビニル樹脂製やポリオレフィン樹脂製の床シートが好適に使用され、かかる床シートは長尺シート状のものでも、タイル状のものでもよい。
【0021】
接着剤3としては、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、変成シリコーン系などの硬化型接着剤が使用され、特に、耐水性に優れたウレタン系やエポキシ系(2液混合型でも水分硬化型等の1液型でもよい)が好ましく使用される。また、ゴム系接着剤等も使用される。
【0022】
接着剤の凸条3a,3b,3cは、前述したように、櫛目状の先端を有する櫛目こて11で接着剤溜りを掻くことによって形成されるものであり、床被覆材2を貼着する前の凸条3a,3b,3cの高さが0.5〜5mm(本実施形態では2mm程度)、幅が0.5〜5mm(本実施形態では2mm程度)、凸条の相互間隔が0.5〜6mm(本実施形態では3mm程度)となるように形成することが望ましい。このような凸条3a,3b,3cは、未硬化または半硬化の状態で床被覆材2を貼着するので、床被覆材2を貼り付けると圧迫されて、その高さが0.1〜3mm(本実施形態では0.5mm程度)、幅が0.5〜5mm(本実施形態では3mm程度)、凸条の相互間隔が0.5〜6mm(本実施形態では3mm程度)となる。本実施形態に用いる櫛目ごて11は、図6に示すように、逆V形の櫛目11aを、間隔をあけて横一列に形成し、逆V形の櫛目11aの高さaを2mm、幅cを2mm、櫛目の相互間隔bを3mmに設定したものであるので、上記のように高さ2mm、幅2mm、相互間隔が3mmの凸条が形成される。
【0023】
尚、この接着剤の凸条3a,3b,3cは、先端に複数の吐出孔のある接着剤用チューブやカートリッジの該吐出口から接着剤を吐出させることによって形成してもよい。
【0024】
また、継目処理材5としては、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、変成シリコーン系などのシーリング材や、床被覆材2との融着性の良い熱可塑性樹脂の溶接棒などが好ましく使用される。このような継目処理材5で継目4を閉塞すると、継目4の仕上がりが美麗になるとともに、継目4からの床被覆材2,2の捲くれ上がりを防止することができる。しかも、この継目処理材5と、継目4の両側の接着剤の凹条3a,3aによって二重防水構造が形成されるので、止水性(防水性)が一層向上することになる。尚、床被覆材2の継目以外の端縁は、端部処理剤(不図示)によって床被覆材2の端縁と床下地1または壁面(不図示)を水密的に接合しておくことが望ましい。
【0025】
上述した床被覆材の継目構造は、本発明の継目施工法に従って、以下の要領で施工される。まず、床下地1において床被覆材2,2の継目4が形成される予定の箇所に、予定の継目の全長にわたり一定の幅(櫛目ごての幅)で接着剤3を櫛目ごて11で塗布して、前述した直線状の接着剤の凸条3aを予定の継目に沿って予定の継目の両側に形成する。そして、この凸条3aの形成領域を除いた床下地1の表面に、接着剤3を櫛目ごて11で塗布して、前述した自由曲線状の接着剤の凸条3bや直線状の凸条3cを形成する(尚、接着剤の凸条3bや直線状の凸条3cを形成した後に、接着剤の凸条3aを形成してもよいことは言うまでもない)。しかる後、これらの接着剤の凸条3a,3b,3cを挟んで床被覆材2,2を床下地1に貼着して、継目4を予定の箇所に形成し、この継目4を継目処理材5で閉塞すると、上記の床被覆材の継目構造を作業性良く施工することができる。
【0026】
この場合、前述したように、櫛目ごて11に変えて接着剤用チューブやカートリッジの吐出口から接着剤を吐出させて接着剤の凸条を形成してもよい。
【0027】
図3は本発明の他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【0028】
この床被覆材の継目構造は、接着剤の凸条3aの相互間のうち少なくとも継目4の直下に位置する凸条相互間に合成樹脂層6が形成されている点を除いて、前述した図1の継目構造と同様に構成されたものである。
【0029】
この合成樹脂層6は、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性合成樹脂を揮発性溶剤に溶解させたシーム液(ドープセメントとも呼ばれる)を凸条3aの相互間に注入して溶剤を揮散させるか、或いは、熱硬化型もしくは二液硬化型もしくは水分硬化型の液状の硬化型樹脂を注入して硬化させることにより形成される層である。硬化性樹脂としては、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系、変成シリコーン系のものが好ましく使用される。この合成樹脂層6は、凸条3aの全ての相互間に形成してもよく(凸条3aの全ての相互間に形成する場合は、床被覆材2を下地1に貼着する前に、シーム液や硬化型樹脂の注入を行う)、また、凸条3a相互間の空間が合成樹脂層6で埋まるように形成してもよい。
【0030】
合成樹脂層6を形成するための上記シーム液や液状の硬化型樹脂は、凸条3a,3a相互間の狭い隙間に入り込み、均一に広がる必要があるので、その粘度は500Pa・s以下であることが望ましい。シーム液や液状の硬化型樹脂の注入は、先端に注入用ノズルを有する注入具を用いて行うと容易に作業できるが、シーム液や液状の硬化型樹脂の粘度が低すぎると、床被覆材2の表面に滴下して床被覆材2を汚してしまうため、容易に垂れない程度の粘度に調整することが望ましい。
【0031】
熱可塑性合成樹脂を溶剤に溶解させたシーム液の場合、その溶剤として床被覆材2の樹脂や接着剤3の樹脂を膨潤ないし溶解できるもの(例えば床被覆材2が塩化ビニル樹脂製のものであればテトラヒドロフラン等の溶剤)を使用したり、床被覆材2や接着剤3と同種の樹脂を溶解させたシーム液(例えば床被覆材2が塩化ビニル樹脂製のものであれば塩化ビニル樹脂を溶解させたもの)を用いると、注入時に床被覆材2,2の継目4の両側面、床被覆材2,2の端部裏面、接着剤の凸条3aの表面が合成樹脂層6と一体化して、止水性が向上するので好ましい。また、後述の帯状防水シートを併用する場合は、帯状防水シートの樹脂を膨潤ないし溶解できる溶剤を用いることで、帯状防水シートをも一体化できるので更に好ましい。尚、帯状防水シートを併用する場合は、帯状防水シートの樹脂を膨潤ないし溶解する溶剤のみを注入するようにしてもよい。
【0032】
図3に示す継目構造のように、接着剤の凸条3aの相互間のうち少なくとも継目4の直下に位置する凸条相互間に合成樹脂層6が形成されていると、この凸条相互間の床下地1に亀裂1aが生じている場合であっても、合成樹脂層6によって、継目4から浸入する雨水等が床下地1の亀裂1aや目地部分などに浸透するのを阻止できるため、止水性が一層向上する利点がある。尚、図3では継目と平行な方向の亀裂を図示しているが、継目を横切る方向に亀裂が発生した場合には凸条3aと凸条3bが亀裂によって連通することになり、継目4から雨水等が侵入すると、床被覆材2と下地1の間に雨水が拡散することになる。よって、合成樹脂層6の形成は、このような継目を横切る方向の亀裂に対して特に有効である。
【0033】
この継目構造の他の構成は、前述した図1の継目構造と同様であるので、図3において同一部材に同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0034】
図3に示す継目構造は、前述した本発明の継目施工法において、継目4を継目処理材5で閉塞する前にシーム液などを継目4から注入して、継目4の直下に位置する接着剤の凸条3a,3a相互間に合成樹脂層6を形成することによって、作業性良く施工することができる。尚、凸条3aの相互間の全てに合成樹脂層6を形成する場合は、床被覆材2,2を貼着する前にシーム液を注入すればよい。
【0035】
図4は本発明の更に他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【0036】
この床被覆材の継目構造は、床被覆材2,2の継目4に沿って継目4の全長にわたり帯状防水シート7が床下地1に貼着され、この帯状防水シート7の上に接着剤3の凸条3aが形成されている点を除いて、前述した図1の継目構造と同様に構成されたものである。
【0037】
この帯状防水シート7は、軟質塩化ビニル樹脂などの合成樹脂製の帯状シートであって、幅10〜500mm(本実施形態では100mm)、厚み0.1〜3mm(本実施形態では0.2mm)のものが使用され、特に、中間層として繊維強化層(ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ガラスなどの有機又は無機繊維の織布や不織布)を有するもの(例えばターポリンテープなど)は、強度や取扱いの点から好ましく使用される。この帯状防水シート7は、床下地1と接着剤で接着したり粘着剤で粘着して固定してもよいし、あえて固定しなくてもよい。
【0038】
図4に示す継目構造のように、床被覆材2,2の継目4に沿って継目4の全長にわたり帯状防水シート7が床下地1に貼着され、この帯状防水シート7の上に接着剤3の凸条3aが形成されていると、この帯状防水シート7によって、継目4から浸入する雨水等が床下地1の亀裂や目地部などに浸透するのを阻止できるため、止水性が一層向上する利点がある。
【0039】
この継目構造の他の構成は、前述した図1の継目構造と同様であるので、図4において同一部材に同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0040】
図4に示す継目構造は、前述した本発明の継目施工法において、床下地1の継目形成予定箇所に接着剤3を櫛目ごて11で塗布する前に、帯状防水シート7を床下地1に貼着することにより、作業性良く施工することができる。
【0041】
尚、図4に示す継目構造では、床下地1に帯状防水シート7を貼着して、その上に接着剤の凸条3aを形成しているが、床下地1に接着剤3の凸条3b(自由曲線状の凸条)を形成し、その上に帯状防水シート7を重ねて、更にその上に接着剤の凸条3aを形成するようにしてもよい。
【0042】
図5は本発明の更に他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【0043】
この床被覆材の継目構造は、帯状防水シート7の上に形成された接着剤の凸条3a相互間のうち継目4の直下に位置する凸条3a相互間に前記合成樹脂層6が形成されている点を除いて、上述した図4の継目構造と同様に構成されたものである。その他の構成は、上記図4の継目構造と同様にであるので、図5において同一部材に同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0044】
このような継目構造では、継目処理材5、合成樹脂層6、接着剤の凸条3a、帯状防水シート7により多重防水されるので、止水性がより一層向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【図2】床被覆材を貼着する前の接着剤の凸条が形成された床下地を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る床被覆材の継目構造を示す断面図である。
【図6】櫛目ごての説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 床下地
1a 亀裂
2 床被覆材
3 接着剤
3a,3b,3c 接着剤の凸条
4 継目
5 継目処理材
6 合成樹脂層
7 帯状防水シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤で床下地に貼着された床被覆材の継目構造であって、
前記接着剤の凸条が、床被覆材の継目の全長にわたり、継目に沿って継目の両側に形成され、継目が継目処理材で閉塞されていることを特徴とする床被覆材の継目構造。
【請求項2】
前記接着剤の凸条の相互間のうち少なくとも前記継目の直下に位置する凸条相互間に合成樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の継目構造。
【請求項3】
前記継目に沿って継目の全長にわたり帯状防水シートが床下地に貼着され、この帯状防水シートの上に前記接着剤の凸条が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継目構造。
【請求項4】
床下地において床被覆材の継目が形成される予定の箇所に、予定の継目の全長にわたり一定の幅で接着剤を櫛目ごてで塗布して、接着剤の凸条を予定の継目に沿って予定の継目の両側に形成した後、床被覆材を貼着して継目を予定の箇所に形成し、この継目を継目処理材で閉塞することを特徴とする床被覆材の継目施工法。
【請求項5】
前記継目を継目処理材で閉塞する前にシーム液を継目から注入して、継目の直下に位置する接着剤の凸条相互間に合成樹脂層を形成することを特徴とする請求項4に記載の継目施工法。
【請求項6】
床下地の前記予定の箇所に、接着剤を櫛目ごてで塗布する前に帯状防水シートを貼着することを特徴とする請求項5に記載の床被覆材の継目施工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−106595(P2010−106595A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280829(P2008−280829)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】