説明

店員呼出システム

本発明の目的は、来客情報(注文等)に基づいて、接客店員、または接客店員と異なる店員(いわゆる厨房店員)との間に情報による相互の意思確認ができる店員呼出システムを提供すること。 来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機2と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部18を備えた表示器3と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、接客店員とは異なる店員が接客店員を呼び出す際に操作される複数のスイッチを設けた優先呼出器5を備え、前記表示器は、前記優先呼出器からの優先呼出信号を受信して前記複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかを判定した後にそのスイッチに対応する番号を前記呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示する表示部を備えている店員呼出システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等において来客者が店員を呼び出す際に使用される店員呼出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に大型なファミリーレストラン等において、来客者がメニューを決定して注文をする場合など、そのテーブル上に設置された呼出釦(送信機)を押すことにより店員を呼び出す店員呼出システムが周知である。
【0003】
また、このような店員呼出システムには、各テーブル毎に呼出釦が設置され、各テーブル番号と呼出釦の番号とが一致しており、客席から見えない位置や店員が作業又は待機している位置から視認可能で且つ人の往来を妨げないような位置に表示器を設置し、どのテーブルの来客が店員を呼び出しているのかを容易に認識できるようにしたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平1−20480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、来客へのサービスを考慮すると、例えば、レストラン等において、出来上った料理はなるべく早く注文先へと届けることが好ましいのは勿論である。
この際、例えば、来客者が注文品を決めかねている場合など、接客店員が出来上った料理を瞬時に注文先へと届けることができない場合がある。
【0005】
また、来客へのサービスを考慮すると、上述した呼出釦によって呼び出される前に客先へと店員が伺える方が好ましいが、このようなタイミングは店員が客先に注意を払っていないと困難である。
【0006】
ところで、上記の如く構成された店員呼出システムにあっては、単に来客側からの呼び出しがあったことを認識させるのみなので、上述した厨房からの接客店員の呼び出しを意図したものではない。
また、店舖の来客情報を的確に把握してサービス向上の教育に役立たせるものではなかった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するため、原則的には、来客情報(注文等)に基づいて、接客店員、または接客店員と異なる店員(いわゆる厨房店員)との間に情報による相互の意思確認ができる店員呼出システムを提供することを目的とする。
特に接客店員とは異なる店員から接客店員を呼び出すことができる店員呼出システムを提供することを目的とする。
また、来客情報を的確に把握することでサービス向上のための接客教育用に利用することができ、また汎用性を向上させることができる店員呼出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的を達成するため、請求項1に記載の店員呼出システムは、来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、接客店員とは異なる店員が接客店員を呼び出す際に操作される複数のスイッチを設けた優先呼出器を備え、前記表示器は、前記優先呼出器からの優先呼出信号を受信して前記複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかを判定した後にそのスイッチに対応する番号を前記呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示する表示部を備えていることを要旨とする。
【0009】
このような請求項1に記載の構成によれば、接客店員とは異なる店員により優先呼出器に設けられた複数のスイッチが接客店員を呼び出すために操作され、その優先呼出器からの優先呼出信号が表示器に受信されると共に複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかが判定された後にそのスイッチに対応する番号を通常の呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示部に表示される。
【0010】
これにより、原則的には、来客情報(注文等)に基づいて、接客店員、または接客店員と異なる店員(厨房)との間に情報による相互の意思確認ができることとなる。
接客店員は、厨房から料理出来上がりの呼び出しがあった旨を認識することができ、例えば、来客者が注文品を決めかねている状態等であれば、注文が決まったら手元の釦で呼んで貰う旨を知らせ、厨房先までいって出来上った料理を他の注文先へと迅速に料理をもって行くことができる。
【0011】
また、請求項2に記載の店員呼出システムは、来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、
前記表示器は、前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示する表示部を備えていることを要旨とする。
【0012】
このような請求項2に記載の構成によれば、複数の送信機からの呼出信号の受信回数が表示器にカウントされ、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示部に表示される。
【0013】
これにより、例えば、どのテーブルからの呼び出しが多かったかを認識したうえで、複数の接客店員にテーブル担当が決まっていれば、その接客店員に対して注意を促すなどの接客教育を施すことができる。
【0014】
そしてまた、請求項3に記載の店員呼び出しシステムは、来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて接客店員とは異なる店員が接客店員を呼び出す際に操作される複数のスイッチを設けた優先呼出器を備え、前記表示器は、前記優先呼出器からの優先呼出信号を受信して前記複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかを判定した後にそのスイッチに対応する番号を前記呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示する表示部と、前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示する表示部とを備えていることを要旨とする。
【0015】
このような請求項3に記載の構成によれば、接客店員とは異なる店員により優先呼出器に設けられた複数のスイッチが接客店員を呼び出すために操作され、その優先呼出器からの優先呼出信号が表示器に受信されると共に複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかが判定された後にそのスイッチに対応する番号が通常の呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示部に表示され、複数の送信機からの呼出信号の受信回数が表示器にカウントされ、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示部に表示される。
【0016】
これにより、接客店員は厨房から料理出来上がりの呼び出しがあった旨を認識することができ、しかも、どのテーブルからの呼び出しが多かったか、店舗全体の呼び出しが何回あったかなど接客教育を施すことができる。
【0017】
そしてまた、請求項4に記載の店員呼出システムは、前記表示部は、複数の呼出信号表示用の表示窓と、一つ以上の優先呼出表示用の表示窓とを備えていることを要旨とする。
【0018】
このような請求項4に記載の構成によれば、複数の呼出信号表示用の表示窓と一つ以上の優先呼出表示用の表示窓とを表示部が備えている。
これにより、一つの表示部で呼出信号用の番号表示と優先呼び出し用の表示とを行うことができる。
【0019】
そしてまた、請求項5に記載の店員呼出システムは、前記表示消去器には、前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して前記表示部に表示・消去(表示又は消去)させる管理スイッチが設けられていることを要旨とする。
【0020】
このような請求項5に記載の構成によれば、複数の送信機からの呼出信号の受信回数を当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示部に表示・消去させる管理スイッチが表示消去器に設けられる。
これにより、一つの表示消去器で呼出し番号の消去と管理用の番号表示・消去とを行うことができる。
【0021】
そしてまた、請求項6記載の店員呼出システムには、前記送信機は、送信機能の他に収納機能を備えていることを要旨とする。
【0022】
そしてまた、請求項7記載の店員呼出システムには、前記送信機は、送信機能の他に、商品販売機能を備えていることを要旨とする。
【0023】
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)から(7)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の店員呼出システムにあっては、以上説明したように構成したことにより、原則的には、来客情報(注文等)に基づいて、接客店員、または接客店員と異なる店員(厨房)との間に情報による相互の意思確認ができることとなる。
また、店舖の来客情報を的確に把握してサービス向上の教育に役立たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の店員呼出システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の店員呼出システムの実施の形態を示すシステムブロック図である。
【0027】
図2(A)は、本発明の店員呼出システムに使用される送信機のシステムブック図、図2(B)は、本発明の店員呼出システムに使用される送信機から送信される店員呼出信号のデーターフォーマットを示す説明図である。
【0028】
図3は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器のシステムブロック図である。
【0029】
図4は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器を示し、図4(A)はテーブル番号表示状態の表示器の正面図、図4(B)はテーブル番号並びに優先呼出番号表示状態の表示器の正面図、図4(C)は番号繰り上がり後のテーブル番号表示状態の表示器の正面図である。
図5は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器の変形例の正面図である。
図6は、本発明の店員呼出システムに使用される表示消去器の正面図である。
図7は、本発明の店員呼出システムに使用される優先呼出器の正面図である。
【0030】
図8は、本発明の店員呼出システムの主ルーチンのフロー図である。
図9は、本発明の店員呼出システムの割り込みルーチンのフロー図である。
図10は、収納機能を有する送信機の例の概略図である。
図11は、収納機能を有する送信機の別の例の概略図である。
図12は、販売機能を有する送信機の例の概略図である。
【0031】
図1において、店員呼出システム1は、店舗内の各客先テーブル個々に設置されて(または置かれて)来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機2a,2b…2n(以下、説明の便宜上、特別に指定しない限り「送信機2」と称する。)と、送信機2から送信された店員呼出信号を受信する表示器3と、表示器3に表示された表示を消去する表示消去器4と、共通の表示器3を使用して厨房で調理する調理人等の接客店員以外の店員が接客店員を呼び出す際に操作される優先呼出器5と、店舖の大きさ等に応じて店舖内の適宜位置に設置される中継器6とを備えている。尚、この中継器6は店舗内での電波受信状態が良好で送信機2,表示器,表示消去器4,優先呼出器5の送受信が無理なく行われる場合には無くても良い。
【0032】
送信機2は、図2(A)に示すように、設置されるテーブルの番号等に対応した番号の記憶のための番号記憶部やその符号化のための符号化回路及びその他全体的な制御を行う制御回路(CPU,ROM,RAM等で構成)等を備えた制御部7と、来客者が操作する呼出スイッチ8と、この呼出スイッチ8が操作されたことを近くの接客店員が確認できるようにブザー9やLED10を駆動させる駆動回路11と、呼出スイッチ8の操作に基づいて呼び出し信号をアンテナ12から表示器3に送信するための送信回路13とを備えている。
また、アンテナ12から表示器3に送信される呼出信号には、図2(B)に示すように、少なくともコントロールビットと番号コードビットとが重畳されている。
ここで、送信機2は、その具体的な構造により客が使い易いものと使い難いものとがある。
【0033】
図10〔(A)は正面図、(B)は側面図〕は、送信機2の使い易い例としての具体的な構造を示したものである。
この送信機2は、呼出スイッチ8の後方に紙ナプキンXやメニューカードYが収納される部分201を備えている。
すなわちメニューカードYの前後の空間に紙ナプキンXを収納することができる。
そのため、送信機2は、送信機本来の機能、及び紙ナプキンXやメニューカードYの収納機能の両機能を有するものとなっている。
【0034】
図11〔(A)は正面図、(B)は側面図〕は、送信機2の使い易い例としての他の具体的な構造を示したものである。
この送信機2も上記送信機2と同様に、呼出スイッチ8の後方に紙ナプキンXやメニューカードYが収納される部分201を備えている。
この例では、後側の収納部分201BにメニューカードYが収納され、前側の収納部分201Aに紙ナプキンXが収納されるようになっている。
なお、紙ナプキンXは収納部分201Aを区画して図示しない爪楊枝を収納するようにすることも可能である。
【0035】
図12は、送信機2の使い易い例として更に他の具体的な構造を斜視図で示したものである。
この送信機2は、呼出スイッチ8の後方に、商品供出部202を設けたものである。商品供出部の上には供出の対象となる商品(平板状の組み立てカードを組み立てた立体状態のもの)203を視認できるように展示する部分204がある。
その展示する部分204の下方には、図示しない商品(例えば、平板状の組み立てカード)が収納されている。
金銭コインを投入口205から入れて、摘まみ部206を引くと一つの商品(平板状の組み立てカード)203Aが供出口207から供出される。
このように、この送信機2は、送信機本来の送信機能の他に商品販売機能を有するものとなっている。
【0036】
表示器3は、図3に示すように、受信アンテナ14を経て送信信号を受信する受信回路15と、受信回路15で受信された送信信号の種類等を識別するために符号化する符号化回路や符号化されたテーブル対応の番号等をIDコードで記憶する記憶回路並びにその他全般の制御を行う制御回路(CPU,ROM,RAM等で構成)等を備えた制御部16と、制御部16からの出力信号により駆動する駆動回路17と、駆動回路17により駆動制御される表示部18並びにブザー19とを備えている。
【0037】
また、表示器3は、図4(A)に示すように、表示部18として複数の表示窓18a〜18eを備えている。
この表示窓18a〜18eは、例えば、図示左端の表示窓18aを他の表示窓18b〜18eよりも大きくし、最先の呼出番号を表示して接客店員に急ぐ旨を認識させる。
さらに、図示右端の表示窓18eは、他の表示窓18a〜18dでの表示色とは異なった表示色で番号を表示する。
なお、表示器3には、電源のON・OFF状態や電波受信感度を示す複数のLED表示部20を設けているが、このLED表示部20をさらに増設(或いは併用)して、表示窓18a〜18d又は表示窓18eで表示し切れなかった残余の表示があることを報知するように構成することも可能である。
【0038】
ところで、この表示器3は、例えば、図5に示すように、表示部18を一つの表示窓とし、状況に応じて表示窓18aが有する表示機能と表示窓18eが有する表示機能とを交互に入れ替え表示する表示器3’としてもよいし、この一つ窓の表示器3’を上述した図4の表示器3とは別に接客店員に携帯させるようにすることも可能である。
【0039】
表示消去器4は、図6に示すように、表示窓18a〜18eに対応して各表示窓18a〜18e毎の表示を消去する消去スイッチ21a〜21eと、ブザー19による呼び出し音を使用するか否かを選択するチャイムスイッチ21fと、ブザー19による呼び出し音量を選択する音量スイッチ21gと、後述する日計若しくは累計のカウント数を表示部18に表示させる日計/累計スイッチ21hと、表示部18での日計表示を消去(カウントリセット)する日計消去スイッチ21iと、表示部18での累計表示を消去(カウントリセット)する累計消去スイッチ21jとを備えている。
なお、これら各スイッチ21a〜21jの操作に連動した消去信号が、内臓された公知の送信手段により表示器3等に発信される。
ここで、このような日計、累計等の情報により、来客情報を的確に把握することができ、また来客情報を把握することで、これに基づくサービス向上のための接客教育用に利用することができるのである。
【0040】
優先呼出器5は、図7に示すように、複数の番号指定スイッチ22a〜22jを備えている。
なお、これら各スイッチ22a〜22jの操作に連動した指定番号の出力信号が、内臓された公知の送信手段により表示器3等に発信される。
この番号指定スイッチ22a〜22jは、例えば、テーブル番号と接客店員とが関連した担当制となっている場合には複数の接客店員毎に対応付けられており、テーブル番号と接客店員とが関連した担当制となっていない場合には、注文伝票の順番やテーブル番号等に対応付されている。
尚、テーブル番号を表示窓18eに表示する場合には、注文された料理等によって出来上がり時間がそれぞれ異なる為、必ずしも表示窓18aに表示された番号と同じ番号が表示窓18eに表示されるとは限らない。
【0041】
これにより、例えば、5つのテーブルからオーダーを受けている場合、出来上がった料理が無い状態では、図4(A)に示すように、オーダーを受けた順番、即ち、送信機2が操作された順番に各表示窓18a〜18eにテーブル番号が表示される。
【0042】
厨房では、基本的にこの表示窓18a〜18eの表示順に料理を作成し、料理が出来上がった場合(一つのテーブル番号の全オーダーでも一つでもかまわない)には、担当接客店員に対応した番号(或いは、伝票番号やテーブル番号)を番号指定スイッチ22a〜22jを操作することにより、図4(B)に示すように、表示窓18eに5番目としてのテーブル番号の表示とは異なった表示色で呼出し番号が表示される。
【0043】
そして、接客店員は、表示窓18eの表示を確認することにより、誰が呼び出されているのか(或いは、どの伝票番号又はテーブル番号の料理が出来上がったのか)を確認した後、その出来上がった料理を運ぶと共に表示消去器4を操作して表示窓18eの表示を消去する。
これにより、表示窓18eには再び5番目のテーブル番号が表示される(図4(A)の表示状態に戻る)。
【0044】
また、全オーダー若しくは同一テーブル番号の最後の料理を運ぶこととなった場合には、表示消去器4を操作してそのテーブル番号を表示窓18a〜18eから消去する。
この際、例えば、表示窓18aに表示されていたテーブル番号の消去操作がなされた場合には、図4(C)に示すように、2番目以降に表示されていたテーブル番号が順次繰り上がって各表示窓18a〜18eに表示される。
また、新たな5番目に表示するテーブル番号が無い場合には、5番目の表示窓18eは空欄となる。
尚、優先呼出器5には、ブザー23が設けられており、番号指定スイッチ22a〜22jが押されたことを、音声により併用して認識させることも可能である。
【0045】
以上述べた、これら送信機2、表示器3、表示消去器4、優先呼出器5等は本発明のシステムが有効に作動する店舗内の適宜位置に設置又は載置することが好ましい。
【0046】
次に、図8及び図9のフロー図に基づいて本発明の店員呼出システムの使用例を説明する。
尚、図8及び図9では、各ステップの記号のみを付して説明する。
【0047】
先ず、図8に基づいて表示器3による店員呼出ルーチンを説明する。
【0048】
(ステップS1)
ステップS1では、何らかの信号を受信したか否かが判断され、何らかの信号を受信した場合にはステップS2へと移行し、何の信号も受信していない場合にはステップS1を継続して監視する。
【0049】
(ステップS2)
ステップS2では、受信信号に含まれる制御信号が判別されてステップS3へと移行する。
【0050】
(ステップS3)
ステップS3では、制御信号に図2(B)に示したデーターフォマットの番号コードビットが含まれているか否かにより複数の送信機2の何れかから送信された呼出信号であるか否かが判断される。
そして、複数の送信機2の何れかからの呼出信号であった場合にはステップS4へと移行し、複数の送信機2の何れかからの呼出信号でなかった場合にはステップS13へと移行する。
【0051】
(ステップS4)
ステップS4では、制御部18により複数の送信機2の何れかから送信された呼出信号に含まれる番号コードビットがIDコード化され、そのIDコードに基づいて複数の送信機2のうち、どの送信機2から送信されたものであるか、即ち、どのテーブル番号にいる来客者からの呼び出しであるかを判定すると共に、その呼び出し元のテーブル番号に対応するIDコードを以前に着信しているか否かが判断され、1回目の着信の場合にはステップS5へと移行し、2回目以降の着信の場合にはステップS6へと移行する。
【0052】
(ステップS5)
ステップS5では、呼出信号が1回目の着信であったことから、制御部18にIDコードを格納(例えば、制御回路内のRAMに格納)すると共に、表示器3にIDコードに対応するテーブル番号を表示してステップS7へと移行する。
これにより、例えば、ステップ1からステップ5までのルーチンが5回繰り返されたとすると、重複する呼び出しが無かった場合には、その呼び出し順に各表示窓18a〜18eにテーブル番号が点灯(又は点滅)表示される(図4(A)参照)。
【0053】
(ステップS6)
ステップS6では、以前に同一のIDコードを着信していることから、同一テーブルの来客者による催促の呼び出しであると判断し、表示部18で表示されている同一IDコードに対応したテーブル番号を点灯から点滅(又は点滅速度を速く)するといった催促信号へと表示切り替えを行ってステップS9へと移行する。
【0054】
(ステップS7)
ステップS7では、表示窓18aにテーブル番号に対応した番号を表示すると共にブザー19を鳴動させてステップS8へと移行する。
【0055】
(ステップS8)
ステップS8では、制御部18に設けられたタイマー(例えば、5分)が駆動してステップS9へと移行する。
【0056】
(ステップS9)
ステップS9では、ステップS7による報知により接客店員が来客者からの呼び出しを初めて認識すると共に、その呼出元のテーブルへと接客に行ったため、表示消去器4により対応する番号(この場合、表示窓18aに対応する消去スイッチ21a)の表示消去操作が実行されたか否かが判断され、表示消去操作されていない場合にはステップS10へと移行し、表示消去操作された場合にはステップS11へと移行する。尚、ステップS6からステップS9へと移行してきた場合には、このステップS9での表示消去器4による表示消去操作によって点滅から点灯へと表示状態が復帰する。
【0057】
(ステップS10)
ステップS10では、タイマーのカウントによりタイムアウトとされたか否かが判断され、タイムアウト前である場合にはステップS9へとループして表示消去操作もしくはこのステップS10によるタイムアウトとなるまでルーチンが繰り返される。
【0058】
(ステップS11)
ステップS11では、ステップS9での表示消去操作に基づき、又は、ステップS10でのタイムアウトに基づき、表示窓18aに表示されたテーブル番号を消去すると共に、表示窓18b以降に呼出番号が表示されている場合には、順次繰り上がって表示を行った後、ステップS12へと移行する。
【0059】
尚、このステップS11において、ステップS10のタイムアウトもステップS9での表示消去操作と同様に表示を消去(若しくは表示復帰)することとしたのは、呼出操作されたにも拘らず消去操作されないのは、その操作をし忘れてしまったと判断するためのである。
【0060】
従って、タイムアウトとされる計時時間は、店舗の広さや店舗種類(料理時間が相対的に早い又は遅い)など、接客ピーク時における平均対応所要時間やその日の接客店員数等を考慮して決定され、その時間をその日或いは時間帯に応じて変更することも可能である。
【0061】
(ステップS12)
ステップS12では、ステップS5で格納されたIDコードを利用して日別並びに累計の呼出カウントとして着信回数が加算され、以降、ステップ1へとループする。
【0062】
(ステップS13)
ステップS13では、ステップS2による制御信号判別に基づいて、その信号種類が優先呼出器5からの優先呼出信号であるか否かが判定され、優先呼出信号の場合にはステップS14へと移行し、優先呼出信号で無い場合にはステップ2へとループする。
【0063】
この際、テーブル呼出でも優先呼出でもない場合、エンドレスに信号判別を行うように見えるが、テーブル呼出及び優先呼出以外にも消去信号並びに後述する着信回数表示信号の割り込み信号である場合も想定されるため、優先呼び出しで無い場合には割り込み処理される。
【0064】
(ステップS14)
ステップS14では、表示窓18eに既に優先表示があるか否かが判断され、表示有の場合にはステップS15へと移行し、表示無しの場合にはステップS16へと移行する。
【0065】
(ステップS15)
ステップS15では、表示窓18eに既に優先表示がなされているため、順序付けしたうえで優先表示番号が制御部18に格納されてステップS16へと移行する。
【0066】
(ステップS16)
ステップS16では、表示窓18eに優先表示がなされていないため、そのままその優先表示を行って(図4(B)参照)ステップS17へと移行する。
【0067】
(ステップS17)
ステップS17では、ステップS16による報知により接客店員が優先呼び出しを認識した後、厨房等へと行ったため、表示消去器4により対応する番号(この場合、表示窓18eに対応する消去スイッチ21e)の表示消去操作が実行されたか否かが判断され、表示消去操作されていない場合には継続して監視され、表示消去操作された場合にはステップS18へと移行する。
この際、接客店員は、その出来上がった料理が該当するテーブル番号で受けたオーダー全ての料理が出来上がったか(若しくは、最後の料理であるか)どうかを注文書により確認し、オーダー全ての料理が出来上がった場合(若しくは、最後の料理であった場合)には、その料理を注文したテーブル番号を表示している番号(例えば、表示窓18aに対応する消去スイッチ21a)の表示消去操作を行う。
【0068】
(ステップS18)
ステップS18では、ステップS17での表示消去操作に基づき、表示窓18eに表示された優先呼出番号を消去してステップS19へと移行する。
【0069】
(ステップS19)
ステップS19では、一つの表示窓18eのみで優先番号表示を行っていることから、ステップS15で格納された表示待機中の優先呼出番号があるか否かが判断され、待機有の場合にはステップS20へと移行し、待機無しの場合には表示窓18eの優先番号表示を解除して(図4(C)参照)ステップS1へとループする。
【0070】
(ステップS20)
ステップS20では、その待機中であった優先呼出番号が表示窓18eに表示されてステップS8へと移行し、以降、表示窓18eに関して以下のルーチン作業を行う。
【0071】
次に、図9の割り込みルーチンを説明する。
【0072】
(ステップS21)
ステップS21では、表示消去器4の日計/累計スイッチ21hが操作されたか否かが判断され、操作された場合にはステップS22へと移行し、操作されていない場合には引き続きステップS21監視する。
【0073】
(ステップS22)
ステップS22では、表示窓18a〜18eを利用し、例え、各呼出信号に基づく表示が表示窓18a〜18eになされていたとしても、その表示状態(消去操作等による更新を含む)を機能的に確保した上でテーブル番号とそのテーブル番号に対応した呼出回数が日計/累計スイッチ21hの操作の度に切り替え表示され、ステップS23へと移行する。
【0074】
(ステップS23)
ステップS23では、タイマーが起動してステップS24へと移行する。
【0075】
(ステップS24)
ステップS24では、タイマーのカウントによりタイムアウトとされたか否かが判断され、タイムアウト前である場合にはステップタイムアウトされるまで継続され、タイムアウトの場合にはステップS25へと移行する。
【0076】
(ステップS25)
ステップS25では、所定時間の経過に伴い、日計/累計表示が消去され、営業時間内でのステップS21での操作で且つ呼出信号が残存していた場合には、再びその番号が適宜状態で表示復帰される。
【0077】
以上、実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、この発明の目的に沿うものである限り、種々の変更が可能であることは云うまでもない。
例えば、表示器3を表と裏を同様に視認できる構造とすることも、極めて有用である。
また、表示器3の表示窓18a〜18eや優先呼出器5の番号指定スイッチ22a〜22jの数は、適宜の数に設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は店舗等において来客者が店員を呼び出す際に使用される店員呼出システムに関するものであるが、その呼び出しシステムの原理を利用する限り店舗以外の場所においても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、本発明の店員呼出システムの実施の形態を示すシステムブロック図である。本発明の実施の形態1に係わる店員呼出システムを示す説明図である。
【図2】図2(A)は、本発明の店員呼出システムに使用される送信機のシステムブロック図、図2(B)は、本発明の店員呼出システムに使用される送信機から送信される店員呼出信号のデーターフォーマットを示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器のシステムブロック図である。
【図4】図4は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器を示し、(A)はテーブル番号表示状態の表示器の正面図、(B)はテーブル番号並びに優先呼出番号表示状態の表示器の正面図、(C)は番号繰り上がり後のテーブル番号表示状態の表示器の正面図である。
【図5】図5は、本発明の店員呼出システムに使用される表示器の変形例の正面図である。
【図6】図6は、本発明の店員呼出システムに使用される表示消去器の正面図である。
【図7】図7は、本発明の店員呼出システムに使用される優先呼出器の正面図である。
【図8】図8は、本発明の店員呼出システムの主ルーチンのフロー図である。
【図9】図9は、本発明の店員呼出システムの割り込みルーチンのフロー図である。
【図10】図10は、収納機能を有する送信機の例の概略図である。
【図11】図11は、収納機能を有する送信機の別の例の概略図である。
【図12】図12は、販売機能を有する送信機の例の概略図である。
【符号の説明】
【0080】
1…店員呼出システム
2…送信機
3…表示器
4…表示消去器
5…優先呼出器
18…表示部
18a…表示窓
18b…表示窓
18c…表示窓
18d…表示窓
18e…表示窓
22a…番号指定スイッチ(スイッチ)
22b…番号指定スイッチ(スイッチ)
22c…番号指定スイッチ(スイッチ)
22d…番号指定スイッチ(スイッチ)
22e…番号指定スイッチ(スイッチ)
22f…番号指定スイッチ(スイッチ)
22g…番号指定スイッチ(スイッチ)
22h…番号指定スイッチ(スイッチ)
22i…番号指定スイッチ(スイッチ)
22j…番号指定スイッチ(スイッチ)
X…紙ナプキン
Y…メニューカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、
接客店員とは異なる店員が接客店員を呼び出す際に操作される複数のスイッチを設けた優先呼出器を備え、
前記表示器は、前記優先呼出器からの優先呼出信号を受信して前記複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかを判定した後にそのスイッチに対応する番号を前記呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示する表示部を備えていることを特徴とする店員呼出システム。
【請求項2】
来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、
前記表示器は、前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示する表示部を備えていることを特徴とする店員呼出システム。
【請求項3】
来客者が接客店員を呼び出す際に操作される複数の送信機と、該複数の送信機からの呼出信号を受信して前記複数の送信機のうち何れのものから発信された呼出信号であるかを判定した後にその送信機に対応する番号を呼出信号の発信順序毎に表示する表示部を備えた表示器と、呼び出し対象となる来客者への接客後に前記表示器に表示された表示を接客店員が消去する表示消去器とを備えた店員呼出システムにおいて、
接客店員とは異なる店員が接客店員を呼び出す際に操作される複数のスイッチを設けた優先呼出器を備え、
前記表示器は、前記優先呼出器からの優先呼出信号を受信して前記複数のスイッチのうち何れのものから発信された優先呼出信号であるかを判定した後にそのスイッチに対応する番号を前記呼出信号の表示状態とは異なる表示状態で表示する表示部と、
前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して表示する表示部とを備えていることを特徴とする店員呼出システム。
【請求項4】
前記表示部は、複数の呼出信号表示用の表示窓と、一つ以上の優先呼出表示用の表示窓とを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の店員呼出システム。
【請求項5】
前記表示消去器には、前記複数の送信機からの呼出信号の受信回数を、当日呼出回数若しくは延べ呼び出し回数として、前記複数の送信機に対応する番号毎若しくは一括して前記表示部に表示・消去させる管理スイッチが設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の店員呼出システム。
【請求項6】
前記送信機は、送信機能の他に収納機能を有するものであることを特徴とする請求項1記載の店員呼出システム。
【請求項7】
前記送信機は、送信機能の他に、商品販売機能を有するものであることを特徴とする請求項1記載の店員呼出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【国際公開番号】WO2005/010839
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【発行日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512047(P2005−512047)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010614
【国際出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(502310461)株式会社パシフィック湘南 (4)
【Fターム(参考)】