説明

店舗サポートシステム

【課題】飲食店または旅館において、容易にセットメニューの変更、調理映像の参照、及び食材発注を行うことができる店舗サポートシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】店舗サポートシステム1は、サーバ2と、店舗コンピュータ3乃至5と、本部コンピュータ6と、業者コンピュータ7及び8を備える。サーバ2は、データベース9として、食材データベース91、料理データベース92、セットメニューデータベース93、発注データベース94、調理映像データベース95を備える。店舗コンピュータ3乃至5は、データベース9を参照することにより、容易にセットメニューの変更及び食材発注を行うことができる。飲食店または旅館の調理者は、調理映像データベース95に記憶された調理映像を参照して調理することができる。また、業者コンピュータ7及び8は、発注データベースを参照することにより、容易に発注データを取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店または旅館において、顧客に提供するセットメニューを変更することができ、また、セットメニューを構成する料理の調理手順を参照することができ、さらには、セットメニューに基づいて食材を発注することができる店舗サポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フランチャイズ形態による飲食店の増加により、飲食業に精通してない者であっても、容易に飲食店を運営できる店舗システムの需要が高まっている。そこで、客席に設けられた端末を用いることにより、客からの注文を受け付ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、サービスID、利用時間枠情報、及び経過時間情報に基づいて、食べ放題などの数量無制限制メニューの注文を受け付ける技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)
【0003】
しかしながら、特許文献1に示される技術においては、客からの注文を効率良く受け付けることができるが、飲食店及び旅館においてセットメニューを容易に変更することができなかった。また、特許文献2に示される技術においては、数量無制限制メニューに対応した注文を正確に受け付けることができるが、飲食店及び旅館において日常的に行われる食材発注業務を効率的に行うものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−102817号公報
【特許文献2】特開2007−148998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、店舗コンピュータは、店舗コンピュータ側にデータベースを構築することなく、調理手順の参照及びセットメニューの更新を容易に行うことができ、さらには、効率よく食材を発注することができる店舗サポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、電気通信回線を介して互いに接続される少なくとも4台のコンピュータを備えた店舗サポートシステムにおいて、アプリケーションサービスプロバイダに設置されるサーバと、飲食店または旅館に設置される店舗コンピュータと、飲食店または旅館を統括する本部に設置される本部コンピュータと、飲食店または旅館に食材を納入する業者内に設置される業者コンピュータと、を備え、サーバは、電気通信回線を介して店舗コンピュータ、本部コンピュータ、または業者コンピュータとデータの送受信を行う接続手段と、データベースを記憶する記憶部と、サーバ全体を制御する制御手段とを備え、店舗コンピュータは、電気通信回線を介してサーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される店舗入力手段と、データを表示する店舗表示手段と、店舗コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、本部コンピュータは、電気通信回線を介してサーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される本部入力手段と、データを表示する表示手段と、本部コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、業者コンピュータは、電気通信回線を介してサーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される業者入力手段と、データを表示する表示手段と、業者コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、記憶部は、データベースとして、食材に関するデータを保持する食材データベースと、複数の食材で構成される料理に関するデータを保持する料理データベースと、複数の料理で構成されるセットメニューに関するデータを保持するセットメニューデータベースと、食材の発注に関するデータを保持する発注データベースとを記憶し、料理データベースは、一意に割り当てられた料理コードと、料理の料理名と、料理の料理原価とを関連付けて記憶し、食材データベースは、一意に割り当てられた食材コードと、食材の食材名と、食材の食材原価と、料理コードとを関連付けて記憶し、セットメニューデータベースは、一意に割り当てられたセットメニューコードと、複数の料理コードと、セットメニューのセットメニュー原価とをセットメニューデータとして互いに関連付けて記憶し、発注データベースは、飲食店または旅館に一意に割り当てられた店舗コードと、食材コードと、発注された食材の数量を示す食材発注数量とを関連付けて記憶し、本部コンピュータは、料理データベース、食材データベース、またはセットメニューデータベースにデータを記憶させる命令が本部入力手段に入力されたことに応じて、所定のデータをサーバに送信し、店舗コンピュータは、セットメニューデータを更新する命令が店舗入力手段に入力されたことに応じて、セットメニューデータを更新するセットメニュー更新データをサーバに送信し、サーバは、本部コンピュータから所定のデータを受信したことに応じて、料理データベース、食材データベース、またはセットメニューデータベースに所定のデータを記憶させ、店舗コンピュータからセットメニュー更新データを受信したことに応じて、セットメニュー更新データに基づいてセットメニューデータを更新するようにしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の店舗サポートシステムにおいて、店舗コンピュータは、セットメニューコードを特定する命令とセットメニューの発注数量を示すセットメニュー発注数量とが店舗入力手段に入力されたことに応じて、セットメニューコード、セットメニュー発注数量、及び店舗コードをサーバに送信し、サーバは、店舗コンピュータからセットメニューコード、セットメニュー発注数量、及び店舗コードを受信したことに応じて、セットメニューデータベースを参照してセットメニューコードに関連付けられた料理コードを特定し、料理データベースを参照して特定された料理コードに関連付けられた食材コードを特定し、セットメニュー発注数量を食材発注数量とし、特定された食材コードと食材発注数量と店舗コードとを関連付けて発注データベースに記憶させるようにしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の店舗サポートシステムにおいて、業者コンピュータは、発注データベースを参照する発注データベース参照命令が業者入力手段に入力されたことに応じて、発注データベース参照命令をサーバに送信し、サーバは、業者コンピュータから発注データベース参照命令を受信したことに応じて、発注データベースに記憶されている店舗コード、食材コード、及び食材発注数量を業者コンピュータに送信するようにしたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の店舗サポートシステムにおいて、記憶部は、料理コードと、料理の調理手順が記録された調理映像とを関連付けて記憶する調理映像データベースをさらに記憶し、店舗コンピュータは、料理コードを特定する命令と、料理コードに関連付けられた調理映像を再生する再生命令とが店舗入力手段に入力されたことに応じて、料理コード及び再生命令をサーバに送信し、サーバは、店舗コンピュータから料理コード及び再生命令を受信したことに応じて、調理映像データベースを参照して料理コードに関連付けられた調理映像を特定し、特定された調理映像を店舗コンピュータに送信し、店舗表示手段は、店舗コンピュータが受信した調理映像を再生するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本部コンピュータは、飲食店または旅館に設置された店舗コンピュータによって使用されるデータを、予め料理データベース、食材データベース、またはセットメニューデータベースに記憶させる。これにより、店舗コンピュータは、店舗コンピュータ側にデータベースを構築することなく、既に用意された料理データベース、食材データベース、またはセットメニューデータベースを参照することができる。また、店舗コンピュータは、所定のデータをサーバに送信することにより、セットメニューデータベースに記憶されたデータを更新する。これにより、飲食店または旅館の従業者は、店舗の状況や客層に基づいたデータにより、セットメニューを容易に更新することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、店舗コンピュータは、セットメニューについてのデータに基づいて入力されたセットメニュー発注数量をサーバに送信する。サーバは、受信したセットメニュー発注数量を食材発注数量とし、セットメニューを構成する食材の食材コードと食材発注数量とを関連付けて発注データベースに記憶させる。これにより、飲食店または旅館の従業者は、セットメニューについてのデータを参照して、セットメニュー発注数量を店舗コンピュータに入力することにより、容易にセットメニューを構成する食材を発注することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、サーバは、業者コンピュータから発注データベース参照命令を受信したことに応じて、発注データベースに記憶されているデータを業者コンピュータに送信する。これにより、業者コンピュータは、必要に応じて発注に関するデータを容易に取得することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、サーバは、料理の調理手順が記録された調理映像を記憶する調理映像データベースを記憶する。店舗コンピュータは、店舗入力手段に調理映像を再生する再生命令が入力されたことに応じて、調理映像データベースに記憶された料理映像を再生する。飲食店または旅館の従業者は、料理映像を参照して調理することにより、調理経験が浅い者であっても、料理を調理することができる。また、飲食店または旅館は、調理者が異なる場合であっても、調理映像に基づいて調理がなされることにより、顧客に一定の品質が維持された料理を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る店舗サポートシステムの構成図。
【図2】本実施形態に係る食材データベースの構成図。
【図3】本実施形態に係る料理データベースの構成図。
【図4】本実施形態に係るセットメニューデータベースの構成図。
【図5】本実施形態に係る発注データベースの構成図。
【図6】本実施形態に係る調理映像データベースの構成図。
【図7】本実施形態に係る予算データベースの構成図。
【図8】本実施形態に係る実績データベースの構成図。
【図9】本実施形態に係る店舗サポートシステム全体の動作を示すフローチャート。
【図10】本実施形態に係るセットメニュー変更画面の一例を示す図。
【図11】本実施形態に係るセットメニュー変更処理のフローチャート。
【図12】本実施形態に係るセットメニュー削除画面の一例を示す図。
【図13】本実施形態に係るセットメニュー削除処理のフローチャート。
【図14】本実施形態に係る調理映像再生画面の一例を示す図。
【図15】本実施形態に係る再生処理のフローチャート。
【図16】本実施形態に係る発注画面の一例を示す図。
【図17】本実施形態に係る発注処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る店舗サポートシステムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る店舗サポートシステム1の構成を示す。店舗サポートシステム1は、アプリケーションサービスプロバイダに設置されたサーバ2と、飲食店または旅館に設置された店舗コンピュータ3乃至5と、飲食店または旅館を統括する本部に設置された本部コンピュータ6と、飲食店または旅館に食材を納入する青果店や鮮魚店などの業者内に設置された業者コンピュータ7及び8とを備え、それぞれケーブルLを介してインターネットNに接続されている。
【0016】
サーバ2は、データまたは命令が入力される入力手段2aと、データを表示する表示手段2bと、データを送受信するためにインターネットNに接続する接続手段2cと、サーバ2全体を制御する制御部2dと、データベース9を記憶する記憶部2eを備える。データベース9は、食材についてのデータを保持する食材データベース91と、複数の食材で構成される料理についてのデータを保持する料理データベース92と、複数の料理で構成されるセットメニューについてのデータを保持するセットメニューデータベース93と、食材の発注データを保持する発注データベース94と、料理の調理映像を保持する調理映像データベース95と、支払予定金額を保持する予算データベース96と、支払済み金額を保持する実績データベース97とで構成される。
【0017】
店舗コンピュータ3は、データまたは命令が入力される入力手段3a(店舗入力手段)と、データを表示する表示手段3b(店舗表示手段)と、データを送受信するためにインターネットNに接続する接続手段3cと、店舗コンピュータ3全体を制御する制御手段3dを備える。店舗コンピュータ4及び5は、店舗コンピュータ3と同じ構成である。ここで、店舗コンピュータ3は、店舗コードがT01のA店において使用され、店舗コンピュータ4は、店舗コードがT02のB店において使用され、店舗コンピュータ5は、店舗コードがT03のC店において使用されているものとする。
【0018】
本部コンピュータ6は、データまたは命令が入力される入力手段6a(本部入力手段)と、データを表示する表示手段6bと、データを送受信するためにインターネットNに接続する接続手段6cと、本部コンピュータ6全体を制御する制御手段6dを備える。業者コンピュータ7は、データまたは命令が入力される入力手段7a(業者入力手段)と、データを表示する表示手段7bと、データを送受信するためにインターネットNに接続する接続手段7cと、業者コンピュータ7全体を制御する制御手段7dを備える。業者コンピュータ8は、業者コンピュータ7と同じ構成である。ここで、業者コンピュータ7は、業者コードがP01の青果店において使用され、業者コンピュータ8は、業者コードがP02の鮮魚店において使用されているものとする。
【0019】
本部コンピュータ6は、データベース9に記憶させるデータを、予めサーバ2に送信する。サーバ2は、本部コンピュータ6から受信したデータをデータベース9に記憶させる。店舗コンピュータ3乃至5は、必要に応じてデータベース9を参照する。また、店舗コンピュータ3乃至5は、必要に応じてセットメニューについてのデータをサーバ2に送信する。サーバ2は、店舗コンピュータ3乃至5から受信したデータをセットメニューデータベース93に記憶させる。業者コンピュータ7及び8は、発注データベース94を参照することにより、A店乃至C店に納品する食材についての発注データを取得する。
【0020】
図2は、食材データベース91の構成を示す。食材データベース91は、飲食店や旅館において提供される料理に一意に割り当てられた料理コードを保持する料理コード項目91aと、料理に使用される食材に一意に割り当てられた食材コードを保持する食材コード項目91bと、食材名を保持する食材名項目91cと、料理を調理する際に必要となる食材数量を保持する食材数量項目91dと、食材数量に対する食材の原価を保持する食材原価項目91eを記憶する。例えば、料理コード項目91aに保持される料理コード「A−1」は、食材コード「V001」、食材コード「Q004」、及び食材コード「F013」と関連付けられている。これは、料理コード「A−1」が割り当てられた料理には、食材コード「V001」である食材「春菊」と、食材コード「Q004」である食材「うどん出汁」と、食材コード「F013」である食材「紅ズワイカニ棒フレーク」が使用されることを示している。また、店舗従業者は、食材コードに関連付けられた食材数量項目91dまたは食材原価項目91eを参照することにより、料理を調理する際に必要となる食材数量または食材原価を知ることができる。
【0021】
図3は、料理データベース92の構成を示す。料理データベース92は、料理コードを保持する料理コード項目92aと、料理名を保持する料理名項目92bと、料理の原価を保持する料理原価項目92cと、料理のデジタル画像を保持する料理画像項目92dを記憶する。料理画像項目92dに記憶されるデジタル画像の形式は、例えば、JPEG形式、GIF形式、またはPNG形式などであり、ここではJPEG形式とする。料理コード項目92aに保持される料理コード「A−1」は、料理名「カニのおひたし」、料理原価「93.7円」、及び料理画像「a001.jpg」と関連付けられている。これは、料理コード「A−1」である料理は、料理名が「カニのおひたし」であり、料理原価は「93.7円」であることを示している。A店乃至C店の店舗従業者は、料理画像「a001.jpg」を参照することにより、料理コード「A−1」である料理の完成状態を知ることができる。
【0022】
図4は、セットメニューデータベース93の構成を示す。セットメニューデータベース93は、複数の料理によって構成されるセットメニューに一意に割り当てられたセットメニューコードを保持するセットメニューコード項目93aと、セットメニュー名を保持するセットメニュー名項目93bと、セットメニューのデジタル画像を保持するセットメニュー画像項目93cと、料理コードを保持する料理コード項目93dと、料理名を保持する料理名項目93eと、料理の原価を保持する料理原価項目93fと、セットメニューの原価を保持するセットメニュー原価項目93gと、セットメニューの販売額を保持する売価項目93hを記憶する。セットメニュー画像項目93cに記憶されるデジタル画像の形式は、例えば、JPEG形式、GIF形式、またはPNG形式などであり、ここではJPEG形式とする。セットメニューコード項目93aに保持されるセットメニューコード「1」は、料理コード「E−2」、料理コード「F−5」、料理コード「G−2」、料理コード「H−5」、及び料理コード「J−5」と関連付けられている。
【0023】
これは、セットメニューコード「1」が割り当てられたセットメニューが、料理コード「E−2」である「小柱かき揚げ」、料理コード「F−5」である「湯豆腐鍋」、料理コード「G−2」である「コラーゲンサラダ」、料理コード「H−5」である「浅漬けととろご飯」、及び料理コード「J−5」である「雪大根ゼリー寄せ」によって構成されていることを示す。店舗従業者は、セットメニュー画像項目93cに保持されたセットメニュー画像を参照することにより、セットメニューの完成状態を知ることができる。また、店舗従業者は、料理コードまたは料理名に関連付けられた料理原価項目93fを参照することにより、それぞれの料理についての料理原価を知ることができる。さらに、店舗従業者は、セットメニュー原価項目93g及び売価項目93hを参照することにより、セットメニュー原価及び販売額を知ることができる。
【0024】
図5は、発注データベース94の構成を示す。発注データベース94は、業者コードを保持する業者コード項目94aと、食材コードを保持する食材コード項目94bと、食材名を保持する食材名項目94cと、店舗コードを保持する店舗コード項目94dと、飲食店や旅館による食材の発注数量を保持する発注数量項目94eと、発注された食材についての発注額を保持する発注額項目94fと、食材が飲食店または旅館に納品される日を保持する納品日項目94gを記憶する。サーバ2は、店舗コンピュータ3乃至5から送信された食材コード、発注数量、発注額、または納品日に基づいて、発注データベース94を構成する。ここで、業者コード項目94aに保持される業者コード「P01」は青果店であり、店舗コード項目94dに保持される店舗コード「T01」はA店である。例えば、青果店の従業者は、発注データベース94の業者コード「P01」に関連付けられた発注データを参照することにより、青果店は、A店から食材コード「V001」である春菊が1680グラム発注されており、その発注額は8736円であって、納品日が2009年3月31日であることを知ることができる。
【0025】
図6は、調理映像データベース95の構成を示す。調理映像データベース95は、料理コードを保持する料理コード項目95aと、デジタル映像であって、料理の調理手順が記録された調理映像を保持する調理映像項目95bを記憶する。調理映像項目95bに記憶されるデジタル映像の形式は、例えば、AVI形式、WMV形式、またはMpeg形式などであり、ここではAVI形式とする。店舗従業者は、調理する料理に関連付けられた調理映像を参照することにより、調理経験が浅い者であっても比較的容易に調理することができる。また、全ての飲食店及び旅館において、店舗従業者が調理映像を参照して調理することにより、飲食店または旅館は一定の質を維持した料理を顧客に提供することができる。
【0026】
図7は、予算データベース96の構成を示す。予算データベース96は、月次締めが行われていない時点における収支に関する未確定な情報を保持する。予算データベース96は、今月度の年月を保持する月度項目96aと、店舗コードを保持する店舗コード項目96bと、売上金額を保持する仮売上実績項目96cと、発注額を保持する予定発注額項目96dと、諸経費を保持する予定諸経費項目96eと、人件費を保持する予定人件費項目96fと、店舗従業者の労働時間の総和を保持する仮総労働時間項目96gと、店舗従業者の時給の平均を保持する平均時給項目96hを記憶する。
【0027】
仮売上実績項目96cに保持される売上金額は、月次締めが行われていない現時点における売上金額を示す。予定発注額項目96dに保持される発注額は、今月度に発注された食材の発注額であって、未だ支払がなされていない額を示す。予定諸経費項目96eに保持される諸経費は、今月度に購入された備品などの代金であって、未だ支払がなされていない額を示す。予定人件費項目96fに保持される人件費は、現時点で確定している人件費の合計であって、店舗従業者に支払われる予定の給与額を示す。仮総労働時間項目96gに保持される労働時間は、現時点で確定している店舗従業者の労働時間の総和を示す。ここで、予定人件費項目96fに保持される人件費は、平均時給項目96hに保持される平均時給に、仮総労働時間項目96gに保持される労働時間を乗じることにより決定される。店舗従業者は、予算データベース96を参照することにより、それぞれの飲食店または旅館における今月度の収支を算定することができる。
【0028】
図8は、実績データベース97の構成を示す。実績データベース97は、既に月次締めが行われた過去の収支に関する情報を保持する。実績データベース97は、過去の月度を示す年月を保持する月度項目97aと、店舗コードを保持する店舗コード項目97bと、売上金額を保持する売上実績項目97cと、発注額を保持する発注額項目97dと、諸経費を保持する諸経費項目97eと、人件費を保持する人件費項目97fと、店舗従業者の労働時間の総和を保持する総労働時間項目97gと、店舗従業者の時給の平均を保持する平均時給項目97hを記憶する。
【0029】
売上実績項目97cに保持される売上金額は、各月度における確定した売上金額を示す。発注額項目97dに保持される発注額は、各月度において発注した食材の発注額を示す。諸経費項目97eに保持される諸経費は、各月度において購入された備品などの代金を示す。人件費項目97fに保持される人件費は、各月度における人件費の合計であって、店舗従業者に支払われた給与額を示す。総労働時間項目97gに保持される労働時間は、各月度における店舗従業者の労働時間の総和を示す。ここで、人件費項目97fに保持される人件費は、平均時給項目97hに保持される平均時給に、総労働時間項目97gに保持される労働時間を乗じたものである。店舗従業者は、実績データベース97を参照することにより、月度毎の収支を分析することができる。これにより、飲食店または旅館は、月度毎の収支を参考にすることにより効率の良い経営を行うことができる。
【0030】
図9は、店舗サポートシステム1全体の動作フローを示す。店舗コンピュータ3乃至5は同様の動作を行うため、以後、店舗コンピュータ3を例に説明する。また、業者コンピュータ7及び8は同様の動作を行うため、以後、業者コンピュータ7を例に説明する。本部コンピュータ6は、予め本部コンピュータ6は、食材データベース91、料理データベース92、セットメニューデータベース93、及び調理映像データベース95に記憶させるデータをサーバ2に送信する(S101)。サーバ2は、本部コンピュータ6から受信したデータを、食材データベース91、料理データベース92、セットメニューデータベース93、及び調理映像データベース95に記憶させる(S102)。これにより、本部は、店舗コンピュータ3に使用される食材データベース91、料理データベース92、セットメニューデータベース93、及び調理映像データベース95を記憶部2eに構成することができる。
【0031】
店舗コンピュータ3は、必要に応じて入力手段3aに所定のデータが入力されることにより、セットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューデータを更新するセットメニュー更新処理を行う(S103)。ここで、セットメニュー更新処理は、セットメニュー変更処理とセットメニュー削除処理からなる。セットメニュー変更処理とは、セットメニューデータベース93に対して新規にセットメニューを追加する処理、及び既にセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューを変更する処理である。また、セットメニュー削除処理とは、既にセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューを削除する処理である。店舗コンピュータ3は、セットメニュー更新処理を実行すると、所定のデータをセットメニュー更新データとしてサーバ2に送信する。サーバ2は、受信したセットメニュー更新データに基づいてセットメニューデータベース93を更新する(S104)。これにより、店舗従業者は、飲食店または旅館の状況や客層を考慮したセットメニューをセットメニューデータベース93に記憶させることができる。
【0032】
店舗従業者は、セットメニューを調理する際、調理映像データベース95に記憶されている調理映像を参照する。そこで、店舗コンピュータ3は、必要に応じて調理映像を再生する再生処理を実行する。店舗コンピュータ3は、入力手段3aに所望する調理映像を再生する再生命令が入力されたことに応じて、再生命令をサーバ2に送信する(S105)。サーバ2は、再生命令を受信したことに応じて、店舗コンピュータ3が所望する調理映像を調理映像データベース95から選択する(S106)。サーバ2は、選択した調理映像を店舗コンピュータ3に送信する(S107)。店舗コンピュータ3は、受信した調理映像を表示手段3bに表示させることによって調理映像を再生する(S108)。飲食店または旅館は、調理者が調整映像を参照して調理することにより、調理者の経験が浅い場合であっても、異なる調理者によって調理された場合であっても、一定の品質が維持された料理を顧客に提供することができる。
【0033】
店舗コンピュータ3は、予算データベース96に記憶される予算データをサーバ2に送信する(S109)。サーバ2は、受信した予算データに基づいて予算データベース96を更新する(S110)。本部、飲食店、または旅館は、予算データベース96を参照することにより、飲食店または旅館における今月度の収支状況を知ることができる。次に、店舗コンピュータ3は、必要に応じて入力手段3aに所定のデータが入力されることにより、食材を発注する発注処理を行う(S111)。店舗コンピュータ3は、入力手段3aに入力された所定のデータを発注データとしてサーバ2に送信する。サーバ2は、受信した発注データに基づいて発注データベース94を更新する(S112)。次に、サーバ2は、月に一度実行される月次処理を実行する(S113)。月次処理とは、予め定められた締日の時点において、予算データベース96に記憶されている予算データを確定し、実績データベース97に記憶させる処理である。
【0034】
業者コンピュータ7は、発注データベース94に記憶されている発注データを参照する発注データ参照命令が、必要に応じて入力手段7aに入力される(S114)。業者コンピュータ7は、発注データ参照命令が入力されたことに応じて、発注データ参照命令及び業者コードをサーバ2に送信する。サーバ2は、発注データ参照命令及び業者コードを受信したことに応じて、受信した業者コードに関連付けられた発注データを発注データベース94から抽出する(S115)。次に、サーバ2は、業者コンピュータ7に抽出した発注データを送信する(S116)。これにより、サーバ2は、発注処理を行った業者に対して、この業者に関連する発注データのみを送信することができる。業者コンピュータ7は、受信した発注データを表示手段7bに表示させる(S117)。これにより、業者は、納品すべき食材、数量、納品日、及び納品先の飲食店または旅館を知ることができる。
【0035】
店舗コンピュータ3は、予算データベース96に記憶されている予算データを参照する予算データ参照命令が、必要に応じて入力手段3aに入力される(S118)。同様に、店舗コンピュータ3は、実績データベース97に記憶されている実績データを参照する実績データ参照命令が、必要に応じて入力手段3aに入力される(S118)。サーバ2は、予算データ参照命令または実績データ参照命令を受信したことに応じて、予算データまたは実績データを店舗コンピュータ3に送信する(S119)。店舗コンピュータ3は、受信した予算データまたは実績データを表示手段3bに表示させる(S120)。店舗従業者は、予算データまたは実績データを参照することにより、飲食店または旅館における現在または過去の収支状況を知ることができる。これにより、店舗従業者は、収支状況に基づいて、セットメニューの変更や食材の発注数量の調整などを行うことができる。
【0036】
次に、店舗コンピュータ3において実行されるセットメニュー変更処理について説明する。セットメニュー変更処理は、セットメニューデータベース93に対して新規にセットメニューを追加する処理と、既にセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューを変更する処理で構成される。図10は、セットメニュー変更画面10の一例を示す。店舗コンピュータ3においてセットメニュー変更処理が実行されると、表示手段3bは、セットメニュー変更画面10を表示する。セットメニュー変更画面10は、複数の料理名を表示する料理名表示窓11と、セットメニュー名を表示するセットメニュー名表示窓12と、セットメニュー名を除くセットメニューデータを表示するセットメニューデータ表示窓13と、セットメニューデータ表示窓13に表示された料理コード及び料理名をセットメニューデータ表示窓13から削除する削除ボタン14と、セットメニューデータ表示窓13に料理コード及び料理名を新たに表示させる追加ボタン15と、セットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューデータを更新する更新ボタン16を備える。
【0037】
料理名表示窓11は、横方向に料理のカテゴリーとアルファベットを表示するカテゴリー項目11aと、縦方向に料理のカテゴリー毎に割り当てられた番号を示す番号項目11bとを備える。カテゴリー項目11aは、アルファベットをAからJまで表示し、番号項目11bは、番号を1から5まで表示する。ここで、カテゴリー項目11aに表示されるAは、料理のカテゴリー「小鉢・前菜」とともに表示される。これは、アルファベット「A」が「小鉢・前菜」のカテゴリーに属する料理名を表示していることを示す。同様に、アルファベット「B」は「刺身」のカテゴリーに属する料理名を表示していることを示す。料理名表示窓11は、カテゴリー項目11aと番号項目11bが交差することによりセルを構成し、そのセル内に料理名を表示する。ここで、例えば、カテゴリー項目11aに表示されるアルファベット「A」と番号項目11bに表示される番号「1」が交差するセルには料理名「かにのおひたし」が表示されている。これは、料理データベース92において、料理名「かにのおひたし」に関連付けられている料理コードが「A−1」であることを示している。店舗従業者は、料理名表示窓11を参照することにより、料理名と同時に、料理名の属するカテゴリーと料理コードを知ることができる。
【0038】
セットメニュー名表示窓12は、セットメニューデータが変更されるセットメニューのセットメニュー名を表示する。ここで、セットメニュー名表示窓12は、セットメニュー名「みやこ御膳」を表示する。セットメニュー名表示窓12に表示されるセットメニュー名は、店舗従業者によって任意に変更できるように構成されている。店舗従業者は、入力手段3aに新たにセットメニュー名を入力することにより、セットメニュー名を変更する。セットメニューデータ表示窓13は、セットメニューコードを表示するセットメニューコード項目13aと、セットメニューのデジタル画像を表示するセットメニュー画像項目13bと、料理コードを表示する料理コード項目13cと、料理名を表示する料理名項目13dと、料理の原価を表示する料理原価項目13eと、セットメニューの原価を表示するセットメニュー原価項目13fと、セットメニューの販売額を表示する売価項目13gを備える。店舗従業者は、セットメニューデータ表示窓13に表示されたデータを参照することにより、セットメニューを構成する料理の変更と売価の変更を行う。
【0039】
店舗従業者は、セットメニューに料理を追加するとき、料理名表示窓11に表示された料理名を選択し、追加ボタン15を押下する。このとき、料理名表示窓11は、選択された料理名を表示するセルの背景色を、例えば、白色からグレーに変化させる。これにより、店舗従業者は、選択した料理を確認することができる。追加ボタン15が押下されたことに応じて、店舗コンピュータ3の制御手段3dは、選択された料理名をセットメニューデータ表示窓13の料理名項目13dに表示させる。また、制御手段3dは、選択された料理名に関連付けられた料理コードをセットメニューデータ表示窓13の料理コード項目13cに表示させる。これにより、店舗従業者は、料理の属するカテゴリーと、セットメニューを構成する他の料理を考慮しながら、セットメニューに料理を容易に追加することができる。
【0040】
店舗従業者は、セットメニューから料理を削除するとき、料理名表示窓11に表示された料理コードまたは料理名を選択し、削除ボタン14を押下する。削除ボタン14が押下されたことに応じて、制御手段3dは、選択された料理コード及び料理名をセットメニューデータ表示窓13から削除する。これにより、店舗従業者は、セットメニューを構成する他の料理を考慮しながら、セットメニューから料理を削除することができる。また、料理名表示窓11は、セットメニューデータ表示窓13から削除された料理名を表示するセルの背景色を、例えば、グレーから白色に戻す。店舗従業者は、セルの背景色を確認することにより、セットメニューを構成している料理名であるか否かを確認することができる。店舗従業者は、セットメニューの変更が終了すると、更新ボタン16を押下する。更新ボタン16が押下されたことに応じて、制御手段3dは、セットメニュー名表示窓12及びセットメニューデータ表示窓13に表示されたデータを、セットメニュー更新データとしてサーバ2に送信する。このように、店舗従業者は、セットメニューへの料理の追加、及びセットメニューからの料理の削除を繰り返すことによって、所望するセットメニューを構成することができる。また、店舗従業者は、セットメニュー名表示窓12または売価項目13gに新たなセットメニュー名及び売価を入力し、新たに複数の料理を料理名項目13dに追加することによって、新規にセットメニューを構成することができる。
【0041】
図11は、セットメニュー変更処理の動作フローを示す。入力手段3aにセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューデータを変更するセットメニュー変更命令が入力されると、店舗コンピュータ3の制御手段3dは、表示手段3bにセットメニュー変更画面10を表示させる(S201)。店舗従業者によって、セットメニューデータベース93に対して新規にセットメニューが追加されるとき(S202でYes)、セットメニュー名表示窓12は、新規セットメニューのセットメニュー名が入力される(S203)。次に、売価項目13gは、新規セットメニューの売値が入力される(S204)。次に、店舗従業者によって、料理名表示窓11に表示された料理名が選択されて追加ボタン15が押下されたことに応じて、制御手段3dは、選択された料理名とその料理コードを料理名項目13d及び料理コード項目13cに表示させる(S205)。このとき、制御手段3dは、セットメニューコード項目13aに新たなセットメニューコードを表示させる。また、制御手段3dは、料理データベース92を参照して、選択された料理名に関連付けられた料理画像及び料理原価を取得し、料理画像をセットメニュー画像項目13bに表示させ、料理原価を料理原価項目13eに表示させる。さらに、制御手段3dは、料理原価項目13eに表示された料理原価の合計をセットメニュー原価としてセットメニュー原価項目13fに表示させる。
【0042】
次に、制御手段3dは、店舗従業者によって更新ボタン16が押下された否かを判断する(S206)。ステップS206において、更新ボタン16が押下されないとき(S206でNo)、ステップS205の処理が実行されることにより、料理コード項目13c及び料理名項目13dに料理コード及び料理名が追加される。一方、ステップS206において、更新ボタン16が押下されると(S206でYes)、制御手段3dは、接続手段3cにセットメニュー名表示窓12及びセットメニューデータ表示窓13に表示されたデータをセットメニュー更新データとしてサーバ2へ送信させる(S207)。サーバ2の制御手段2dは、接続手段2cがセットメニュー更新データを受信したことに応じて、セットメニュー更新データをセットメニューデータベース93に記憶させる(S208)。これにより、店舗従業者は、新規セットメニューをセットメニューデータベース93に容易に記憶させることができる。
【0043】
ステップS202において、店舗従業者によって、既にセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューデータの変更がなされるとき(S202でNo)、店舗従業者によって、変更されるセットメニューが選択される(S209)。ここで、セットメニューの選択は、例えば、セットメニュー名表示窓12にセットメニュー名が入力、またはセットメニューコード項目13aにセットメニューコードが入力されることにより行われる。セットメニューが選択されると、制御手段3dは、セットメニュー名が変更されるのを待つ(S210)。セットメニュー名表示窓12に対して文字の入力または削除が行われると(S210でYes)、制御手段3dは、変更されたセットメニュー名をセットメニュー名表示窓12に表示させることによりセットメニュー名を変更する(S211)。一方、ステップS210において、セットメニュー名が変更されないとき(S210でNo)、制御手段3dは、売価が変更されるのと待つ(S212)。売価項目13gに対して数字の入力または削除が行われると(S212でYes)、制御手段3dは、変更された売価を売価項目13gに表示させることにより売価を変更する(S213)。一方、ステップS212において、売価が変更されないとき(S212でNo)、制御手段3dは、ステップS205乃至ステップS208の処理を実行する。これにより、店舗従業者は、セットメニューデータベース93に記憶された既存のセットメニューデータを容易に変更することができる。
【0044】
次に、店舗コンピュータ3が、セットメニューデータベース93に記憶されているデータを削除するセットメニュー削除処理について説明する。図12は、セットメニュー削除画面17の一例を示す。店舗コンピュータ3においてセットメニュー削除処理が実行されると、表示手段3bは、セットメニュー削除画面17を表示する。セットメニュー削除画面17は、セットメニューデータを表示するセットメニューデータ表示窓18と、選択されたセットメニューをセットメニューデータベース93から削除する選択削除ボタン19と、セットメニューデータ表示窓18に表示されたデータを上下にスクロールさせるスクロールボタン20を備える。
【0045】
セットメニューデータ表示窓18は、削除対象として選択されていることを示す削除チェックが入力される削除チェック項目18aと、セットメニューコードを表示するセットメニューコード項目18bと、セットメニュー名を表示するセットメニュー名項目18cと、セットメニューのデジタル画像を表示するセットメニュー画像項目18dと、料理名を表示する料理名項目18eと、料理の原価を表示する料理原価項目18fと、セットメニューの原価を表示するセットメニュー原価項目18gと、セットメニューの販売額を表示する売価項目18hを備える。削除チェック項目18aは、店舗従業者によって、削除チェックが入力されるチェックボックス21を備える。店舗従業者は、削除しようとするセットメニューに対応したチェックボックス21に削除チェックを入れ、選択削除ボタン19を押下することにより、所望するセットメニューを削除することができる。
【0046】
図13は、セットメニュー削除処理の動作フローを示す。入力手段3aにセットメニューデータベース93に記憶されているセットメニューデータを削除するセットメニュー削除命令が入力されると、制御手段3dは、表示手段3bにセットメニュー削除画面17を表示させる(S301)。次に、チェックボックス21は、店舗従業者によって削除チェックが入力される(S302)。これにより、削除される対象となるセットメニューが選択される。制御手段3dは、店舗従業者によって選択削除ボタン19が押下されたか否かを判断する(S303)。ステップS303において、選択削除ボタン19が押下されないとき(S303でNo)、ステップS302の処理が実行されることにより、さらに削除されるセットメニューが選択される。ステップS303において、選択削除ボタン19が押下されると(S303でYes)、制御手段3dは、接続手段3cに削除される対象として選択されたセットメニューをセットメニュー更新データとしてサーバ2へ送信させる(S304)。サーバ2の制御手段2dは、接続手段2cがセットメニュー更新データを受信したことに応じて、削除される対象として選択されたセットメニューをセットメニューデータベース93から削除する(S305)。これにより、店舗従業者は、セットメニューデータベース93から不要なセットメニューを容易に削除することができる。
【0047】
次に、店舗コンピュータ3において、調理映像が再生される再生処理について説明する。図14は、調理映像再生画面22の一例を示す。店舗コンピュータ3において再生処理が実行されると、表示手段3bは、調理映像再生画面22を表示する。調理映像再生画面22は、セットメニューデータを表示するセットメニューデータ表示窓23と、調理映像24を表示する映像表示窓25と、再生中の調理映像24を一時停止する一時停止ボタン26と、調理映像24を巻戻す巻戻しボタン27と、調理映像24を再生する再生ボタン28と、調理映像24を早送りする早送りボタン29と、調理映像24の再生を停止する停止ボタン30と、再生処理を終了させる終了ボタン31を備える。
【0048】
セットメニューデータ表示窓18は、セットメニューコードを表示するセットメニューコード項目23aと、セットメニュー名を表示するセットメニュー名項目23bと、セットメニューのデジタル画像を表示するセットメニュー画像項目23cと、料理コードを表示する料理コード項目23dと、料理名を表示する料理名項目23eを備える。制御手段3dは、料理名項目23eに表示された料理名が選択されたこと応じて、映像表示窓25に調理映像24を再生させる。このとき、制御手段3dは、選択された料理名を表示する料理名項目23eの背景色と、選択された料理名に対応する料理コードを表示する料理コード項目23dの背景色を、例えば、白色からグレーに変化させる。これにより、店舗従業者は、再生されている調理映像24の料理コード及び料理名を知ることができる。
【0049】
図15は、再生処理の動作フローを示す。入力手段3aに調理映像24を再生する再生命令が入力されると、制御手段3dは、表示手段3bに調理映像再生画面22を表示させる(S401)。制御手段3dは、料理名項目23eに表示されている複数の料理名の中から料理名が1つ選択されると(S402)、接続手段3cに再生命令と選択された料理名に対応する料理コードをサーバ2へ送信させる(S403)。サーバ2の制御手段2dは、接続手段2cが再生命令及び料理コードを受信したことに応じて、調理映像データベース95から、受信した料理コードに関連付けられた調理映像24を特定する(S404)。次に、制御手段2dは、接続手段2cに特定した調理映像24を店舗コンピュータ3に送信させる(S405)。
【0050】
制御手段3dは、接続手段3cが調理映像24を受信したことに応じて、調理映像24を映像表示窓25に再生させる(S406)。次に、制御手段3dは、終了ボタン31が押下されたか否かを判断する(S407)。終了ボタン31が押下されないとき(S407でNo)、制御手段3dは、ステップS402乃至ステップS407の処理を実行することにより調理映像24を再生させる。ステップS407において、終了ボタン31が押下されると(S407でYes)、制御手段3dは、再生処理を終了する。飲食店または旅館における調理者は、調理映像24を参照することにより、調理経験が浅い場合であっても正しく料理を調理することができる。また、飲食店または旅館は、異なる調理者によって調理された場合であっても、調理映像24に基づいて調理がなされることにより、顧客に一定の品質が維持された料理を提供することができる。
【0051】
次に、店舗コンピュータ3において、セットメニューに基づいて食材が発注される発注処理について説明する。図16は、発注画面32の一例を示す。店舗コンピュータ3において発注処理が実行されると、表示手段3bは、発注画面32を表示する。発注画面32は、セットメニューデータを表示するセットメニューデータ表示窓33と、発注データベース94に発注データを記憶させる発注ボタン34と、セットメニューデータ表示窓33に表示されたデータを上下にスクロールさせるスクロールボタン35を備える。セットメニューデータ表示窓33は、セットメニューコードを表示するセットメニューコード項目33aと、セットメニュー名を表示するセットメニュー名項目33bと、セットメニューのデジタル画像を表示するセットメニュー画像項目33cと、料理名を表示する料理名項目33dと、料理の原価を表示する料理原価項目33eと、セットメニューの原価を表示するセットメニュー原価項目33fと、セットメニューの発注数量をセットメニュー発注数量として表示するセットメニュー発注数量項目33gを備える。
【0052】
セットメニュー発注数量項目33gは、店舗従業者によって、それぞれのセットメニューに応じたセットメニュー発注数量が入力される。ここで、セットメニューコード項目33aに保持されるセットメニューコード「1」と、セットメニュー名項目33bに保持されるセットメニュー名「みやこ御膳」に関連付けられたセットメニュー発注数量項目33gには、セットメニュー発注数量「20」が入力されている。これは、セットメニュー名「みやこ御膳」に使用される食材を20セット分発注することを意味する。その後、店舗従業者によって、発注ボタン34が押下されることに応じて、サーバ2の制御手段2dは、発注データベース94に発注データを記憶させる。このように、店舗従業者は、セットメニュー発注数量をセットメニュー発注数量項目33gに入力することより、セットメニューに使用される食材を発注することができる。これにより、セットメニューを構成する食材を全て把握していない店舗従業者であっても、適切に食材を発注することができる。
【0053】
図17は、発注処理の動作フローを示す。入力手段3aにセットメニューに基づいて食材を発注する発注命令が入力されると、制御手段3dは、表示手段3bに発注画面32を表示させる(S501)。制御手段3dは、セットメニュー発注数量項目33gにセットメニュー発注数量が入力されると(S502)、発注ボタン34が押下されたか否かを判断する(S503)。発注ボタン34が押下されないとき(S503でNo)、制御手段3dは、ステップS502の処理を実行することにより、さらにセットメニュー発注数量項目33gにセットメニュー発注数量が入力される。ステップS503において、発注ボタン34が押下されると(S503でYes)、制御手段3dは、接続手段3cに店舗コード、セットメニューコード、及びセットメニュー発注数量を発注データとしてサーバ2に送信させる(S504)。
【0054】
サーバ2の制御手段2dは、接続手段2cが発注データを受信したことに応じて、セットメニューデータベース93を参照してセットメニューコードに関連付けられた全ての料理コードを特定する(S505)。続いて、制御手段2dは、食材データベース91を参照して、特定した料理コードに関連付けられた全ての食材コードを特定する(S506)。次に、制御手段2dは、セットメニュー発注数量を特定された食材コードに対応付けられた食材の食材発注数量とみなす(S507)。制御手段2dは、店舗コードと、特定された食材コードと、食材発注数量とを関連付けて発注データベース94に記憶させる(S508)。これにより、店舗従業者は、セットメニューに基づいてセットメニュー発注数量を入力することにより、セットメニューを構成する食材を容易かつ簡便に発注することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能であり、本実施形態において、店舗システムサポート1は、店舗コンピュータ3乃至5を3台、業者コンピュータ7及び8を2台備える構成ではなく、店舗コンピュータ3乃至5を4台以上、業者コンピュータ7及び8を3台以上備える構成であっても構わない。また、サーバ2、本部サーバ6、店舗コンピュータ3乃至5、または業者コンピュータ7及び8は、インターネットNに有線接続する構成ではなく、無線接続する構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0056】
1 店舗サポートシステム
2 サーバ
2c 接続手段
2d 制御手段
3〜5 店舗コンピュータ
3a〜5a 入力手段(店舗入力手段)
3b〜5b 表示手段(店舗表示手段)
3c〜5c 接続手段
3d〜5d 制御手段
6 本部コンピュータ
6a 入力手段(本部入力手段)
6b 表示手段
6c 接続手段
6d 制御手段
7〜8 業者コンピュータ
7a〜8a 入力手段(業者入力手段)
7b〜8b 表示手段
7c〜8c 接続手段
7d〜8d 制御手段
9 記憶部
24 調理映像
91 食材データベース
92 料理データベース
93 セットメニューデータベース
94 発注データベース
95 調理映像データベース
N インターネット(電気通信回線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信回線を介して互いに接続される少なくとも4台のコンピュータを備えた店舗サポートシステムにおいて、
アプリケーションサービスプロバイダに設置されるサーバと、飲食店または旅館に設置される店舗コンピュータと、該飲食店または該旅館を統括する本部に設置される本部コンピュータと、該飲食店または該旅館に食材を納入する業者内に設置される業者コンピュータと、を備え、
前記サーバは、前記電気通信回線を介して前記店舗コンピュータ、前記本部コンピュータ、または前記業者コンピュータとデータの送受信を行う接続手段と、データベースを記憶する記憶部と、該サーバ全体を制御する制御手段とを備え、
前記店舗コンピュータは、前記電気通信回線を介して前記サーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される店舗入力手段と、データを表示する店舗表示手段と、該店舗コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、
前記本部コンピュータは、前記電気通信回線を介して前記サーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される本部入力手段と、データを表示する表示手段と、該本部コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、
前記業者コンピュータは、前記電気通信回線を介して前記サーバとデータの送受信を行う接続手段と、データまたは命令が入力される業者入力手段と、データを表示する表示手段と、該業者コンピュータ全体を制御する制御手段とを備え、
前記記憶部は、前記データベースとして、食材に関するデータを保持する食材データベースと、複数の該食材で構成される料理に関するデータを保持する料理データベースと、複数の該料理で構成されるセットメニューに関するデータを保持するセットメニューデータベースと、食材の発注に関するデータを保持する発注データベースとを記憶し、
前記料理データベースは、一意に割り当てられた料理コードと、該料理の料理名と、該料理の料理原価とを関連付けて記憶し、
前記食材データベースは、一意に割り当てられた食材コードと、前記食材の食材名と、該食材の食材原価と、前記料理コードとを関連付けて記憶し、
前記セットメニューデータベースは、一意に割り当てられたセットメニューコードと、複数の前記料理コードと、前記セットメニューのセットメニュー原価とをセットメニューデータとして互いに関連付けて記憶し、
前記発注データベースは、前記飲食店または前記旅館に一意に割り当てられた店舗コードと、前記食材コードと、発注された前記食材の数量を示す食材発注数量とを関連付けて記憶し、
前記本部コンピュータは、前記料理データベース、前記食材データベース、または前記セットメニューデータベースにデータを記憶させる命令が前記本部入力手段に入力されたことに応じて、所定のデータを前記サーバに送信し、
前記店舗コンピュータは、前記セットメニューデータを更新する命令が前記店舗入力手段に入力されたことに応じて、該セットメニューデータを更新するセットメニュー更新データを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記本部コンピュータから前記所定のデータを受信したことに応じて、前記料理データベース、前記食材データベース、または前記セットメニューデータベースに該所定のデータを記憶させ、前記店舗コンピュータから前記セットメニュー更新データを受信したことに応じて、該セットメニュー更新データに基づいて前記セットメニューデータを更新することを特徴とした店舗サポートシステム。
【請求項2】
前記店舗コンピュータは、前記セットメニューコードを特定する命令と該セットメニューの発注数量を示すセットメニュー発注数量とが前記店舗入力手段に入力されたことに応じて、該セットメニューコード、該セットメニュー発注数量、及び前記店舗コードを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記店舗コンピュータから前記該セットメニューコード、前記セットメニュー発注数量、及び前記店舗コードを受信したことに応じて、前記セットメニューデータベースを参照して該セットメニューコードに関連付けられた該料理コードを特定し、前記料理データベースを参照して特定された該料理コードに関連付けられた前記食材コードを特定し、該セットメニュー発注数量を前記食材発注数量とし、特定された該食材コードと該食材発注数量と該店舗コードとを関連付けて前記発注データベースに記憶させることを特徴とした請求項1に記載の店舗サポートシステム。
【請求項3】
前記業者コンピュータは、前記発注データベースを参照する発注データベース参照命令が前記業者入力手段に入力されたことに応じて、該発注データベース参照命令を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記業者コンピュータから前記発注データベース参照命令を受信したことに応じて、前記発注データベースに記憶されている前記店舗コード、前記食材コード、及び前記食材発注数量を前記業者コンピュータに送信することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の店舗サポートシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記料理コードと、前記料理の調理手順が記録された調理映像とを関連付けて記憶する調理映像データベースをさらに記憶し、
前記店舗コンピュータは、前記料理コードを特定する命令と、該料理コードに関連付けられた前記調理映像を再生する再生命令とが前記店舗入力手段に入力されたことに応じて、該料理コード及び該再生命令を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記店舗コンピュータから前記料理コード及び前記再生命令を受信したことに応じて、前記調理映像データベースを参照して該料理コードに関連付けられた該調理映像を特定し、特定された該調理映像を前記店舗コンピュータに送信し、
店舗表示手段は、前記店舗コンピュータが受信した前記調理映像を再生することを特徴とした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の店舗サポートシステム。

【図1】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−218427(P2010−218427A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66705(P2009−66705)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(502383317)株式会社本家さぬきや (1)
【Fターム(参考)】