説明

座標検出装置

【課題】高精度にユーザの接触座標を検出することができる座標検出装置を提供する。
【解決手段】
タッチパネル部2の補正係数を算出する際に、スイッチNCTL0をオンにして角部P0を接地端子Gt0に接続し、他のスイッチNCTL01−3はオフとする。これにより、電源端子Vt1−3のそれぞれからタッチパネル部2、角部P0、スイッチNCTL0を介して電流が流れる。CPU1は、この時の角部P0における電圧から補正係数を求め、接触座標を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに対するタッチ位置を検出する座標検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タッチパネルに対するタッチ位置を検出する座標検出装置としては、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この座標検出装置は、ガラス基板裏面に導電性抵抗膜(ITO膜)とその周囲四辺にそれぞれ周囲電極を配置し、対向する周囲電極からそれぞれ接続線を経由してCPUに接続して構成されている。この座標検出装置は、ガラス基板表面にユーザの指がタッチしたときのXY座標を求める。
【0003】
また、他の技術としては、特許文献2に記載されたものが知られている。この特許文献2には、図5に示した座標検出装置が記載されている。
【0004】
この座標検出装置は、座標入力パネル上に面抵抗体102が設けられ、面抵抗体102を取り囲む様に四角形の抵抗性周囲電極103が形成され、四角形の抵抗性周囲電極の4頂点の縦横のパターンの少なくとも2箇所が切り離された状態になっている。座標を指示する座標指示器108の位置を検出するときは抵抗性周囲電極103の4頂点をそれぞれ電気的に導通させる。面抵抗体102の面抵抗値を測定するときは縦横パターン間の近くにある片側端子間の抵抗値を測定する。周囲電極103の抵抗値を測定するときは縦パターンまたは横パターンの両端間の抵抗を測定し、検出された座標データのズレを補正する。
【0005】
具体的には、座標検出装置は、電源投入後、抵抗測定するための準備としてスイッチ回路101−1、101−2をオフする。次に、面抵抗体102の抵抗値を測定するために端点A−1、A−2間の抵抗を抵抗測定回路111−1で測定する。次に、抵抗性周囲電極103−2の抵抗値を測定するため端点A−1,B−1間の抵抗を抵抗測定回路111−2で測定する。次に、測定された面抵抗体102の抵抗値と抵抗性周囲電極103−2の抵抗値で抵抗倍率の変化比を算出する。次に、求めた変化比と予め記憶されている初期の変化比より倍率補正係数αを算出し信号処理部100に記憶する。次に、座標算出するための準備としてスイッチ回路101−1、101−2をオンする。次に、座標指示器108で指示された位置の検出信号より座標データを算出する。次に、倍率補正係数αにより抵抗変化に対応した座標データを補正する。次に、補正された座標データを位置座標情報として外部装置へ出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−246657号公報
【特許文献2】特開2009−205562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、導電性抵抗膜と周囲電極は周囲温度によって抵抗値が変化するため、検出位置を誤認識する問題が発生していた。
【0008】
また、特許文献2に記載された技術では、周囲電極103の一辺を専用の抵抗測定回路111に接続して抵抗値を測定して温度補正係数を求め、座標検出値に補正係数を掛け合わせて検出位置の補正を行なうものである。しかし、この構成では、信号処理回路100に交流電源を使用していたため、直流を使用する抵抗測定回路111は、独立して設ける必要があるため、回路が複雑となってしまう。また、パネルの上部の温度を測定しているで正確な補正ができないという問題があった。
【0009】
更に、上述した座標検出装置において、導電性抵抗膜を使用したタッチパネルは、使用される導電性抵抗膜や周囲電極が雰囲気温度や経年変化によって抵抗値が変化する。この抵抗値変化は、実際にユーザがタッチした位置と異なる位置をタッチ位置として認識してしまう。
【0010】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、高精度にユーザの接触座標を検出することができる座標検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する第1の発明に係る座標検出装置は、基板上に抵抗膜が形成された座標入力面を有するパネル手段と、前記パネル手段における抵抗膜を囲むように形成された周囲電極と、前記抵抗膜を介して離間して設けられた2以上の前記周囲電極の各端部における電圧を測定するパネル電圧測定手段と、前記パネル電圧測定手段により測定された電圧を用いて、前記パネル手段における座標入力面に対する接触座標を検出する座標検出手段と、直流電源回路に接続された電源端子又は接地端子の何れかに選択的に接続するものであって、前記パネル手段の端部ごとに設けられたスイッチ手段と、前記スイッチ手段の動作を制御するスイッチ制御手段と、前記スイッチ制御手段により特定のパネル手段の端部と前記接地端子とを接続させると共に他のパネル手段の端部と前記電源端子を接続させた状態で、前記パネル電圧測定手段により電圧を測定させ、当該電圧に基づいて補正係数を演算する補正係数演算手段とを備え、前記パネル手段に対する接触座標を検出する際に、前記スイッチ制御手段により電源端子と任意の前記パネル手段の端部とを選択的に接続させた状態で前記パネル電圧測定手段により電圧を測定し、前記座標検出手段により当該測定された電圧を前記補正係数により補正して接触座標を検出することを特徴とする。
【0012】
第1の発明に係る座標検出装置であって、第2の発明は、前記スイッチ手段は、前記直流電源回路に一方端が直列接続されたプルアップ抵抗及び当該プルアップ抵抗の他方端に直列接続された電圧測定抵抗と、前記プルアップ抵抗と前記電圧測定抵抗との間に一方端が接続され他方端が接地端子に接続されたスイッチとを含み、前記スイッチ制御手段は、前記スイッチ手段のうち単一のスイッチ手段におけるスイッチを前記接地端子に導通させるよう動作させ、他のスイッチ手段におけるスイッチを前記接地端子に対して開放させるよう動作させ、前記パネル電圧測定手段は、前記接地端子に導通されたスイッチ手段を介して電圧を測定することを特徴とする。
【0013】
第2の発明に係る座標検出装置であって、第3の発明は、前記座標入力面は四角形状となっており前記スイッチ手段を前記座標入力面の4つの端部に設けたことを特徴とする。
【0014】
第1乃至第3の何れかの発明に係る座標検出装置であって、第4の発明は、前記補正係数演算手段は、任意のパネル手段の端部と前記接地端子とを接続させた状態で前記パネル電圧測定手段により電圧を測定する動作を、前記パネル手段の端部ごとに行い、当該パネル手段の端部ごとの電圧を平均化した電圧値に基づいて、補正係数を演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、特定のパネル手段の端部と接地端子とを接続させると共に他のパネル手段の端部と電源端子を接続させた状態で電圧を測定させ、当該電圧に基づいて補正係数を演算するので、パネル手段の温度変化によらず、高精度にパネル手段に対する接触座標を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態として示す座標検出装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施形態として示す座標検出装置におけるU軸方向の接触座標を検出する構成を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施形態として示す座標検出装置において補正係数を演算するときの動作を説明する回路図である。
【図4】本発明の一実施形態として示す座標検出装置における他の構成を示す回路図である。
【図5】従来の座標検出装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態として示す座標検出装置は、例えば図1に示すように構成される。この座標検出装置は、CPU1、タッチパネル部2、周囲電極3、及び、スイッチ回路SW0〜SW3を含む。
【0019】
この座標検出装置は、タッチパネル部2が、例えば画像表示装置における画像表面に設けられる。座標検出装置は、車載ナビゲーション装置等に接続された画像表示装置にアイコンメニュー等が表示された状態で、当該アイコンメニューに相当する箇所がタッチ操作されたか否かを判断するための操作座標を算出するものである。
【0020】
タッチパネル部2は、基板上に透明の導電性抵抗膜(ITO膜)が形成された座標入力面を有する。具体的には、四角形状に形成されたガラス基板の表面に抵抗膜が形成される。さらに、抵抗膜は透明膜によってオーバーコートされている。これらのガラス基板、抵抗膜及び透明膜から、タッチパネル部2が構成される。このタッチパネル部2において、座標入力面の図中左右方向をX軸方向とし、奥行き方向をY軸方向とする。
【0021】
このタッチパネル部2における座標入力面は、ユーザによりタッチ(接触)操作される。本実施形態においては、タッチパネル部2は、長方形となっている。しかし、タッチパネル部2は長方形に限らず、タッチ操作がされうるような画面であればあらゆる形状であっても良いことは勿論である。
【0022】
周囲電極3は、タッチパネル部2の座標入力面を囲うようタッチパネル部2の端部に形成されている。周囲電極3は、導電性抵抗膜(ITO膜)よりも面抵抗値が低い材料からなる。この周囲電極3における4つの角部P0,P1,P2,P3には、それぞれ、スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3が接続されている。
【0023】
なお、周囲電極3は、タッチパネル部2が四角形であるために、4つの角部P0,P1,P2,P3のそれぞれにスイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3を接続しているが、これには限られない。すなわち、スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3は、後述するように、可能な限り長い距離に亘ってタッチパネル部2における現在の抵抗値を反映した電圧を計測可能なように、離間した周囲電極3上の位置に接続されていれば良い。
【0024】
スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3は、角部P0,P1,P2,P3に対する電圧の印加を切り換えるよう構成されている。具体的には、スイッチ回路SW0は、直流電源回路に接続された電源端子Vt0、プルアップ抵抗Rp0、電圧測定抵抗Rv0、スイッチNCTL0、接地端子Gt0から構成されている。電源端子Vt0は、座標検出装置に備えれた直流電源回路に接続されている。この電源端子Vt0はタッチパネル部2に電圧を印加する電圧供給手段として機能する。プルアップ抵抗Rp0の一方端は、電源端子Vt0に直列接続されている。電圧測定抵抗Rv0の一方端はプルアップ抵抗Rp0の他方端に直列接続されている。電圧測定抵抗Rv0の他方端は角部P0に接続されている。スイッチNCTL0の一方端はプルアップ抵抗Rp0と電圧測定抵抗Rv0との間に接続されている。スイッチNCTL0の他方端は接地端子Gt0に接続されている。他のスイッチ回路SW1,SW2,SW3も同様に構成されている。
【0025】
CPU1は、周囲電極3における角部P0,P1,P2,P3と接続されている。CPU1は、信号処理部11、ADコンバータ12、スイッチ制御部13を備える。
【0026】
ADコンバータ12は、周囲電極3における角部P0,P1,P2,P3を介して角部P0,P1,P2,P3における電圧信号が入力される。ADコンバータ12は、電圧信号をディジタル値に変換する。これにより座標検出装置は角部P0,P1,P2,P3の電圧を測定するパネル電圧測定手段を構成する。
【0027】
信号処理部11は、ADコンバータ12により変換された電圧値を用いて、タッチパネル部2におけるユーザの接触座標を求める。また、信号処理部11は、ユーザの接触座標を正確な値に補正するための補正係数を演算する。信号処理部11は、補正係数を用いて、ユーザの接触座標を補正する。信号処理部11は、補正した接触座標を外部に出力する。信号処理部11は、例えば画像表示装置に表示されたメニューに従って動作する車載ナビゲーション装置に接触座標を供給する。
【0028】
スイッチ制御部13は、スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3におけるスイッチNCTL0,NCTL1,NCTL2,NCTL3の開閉状態を制御する。スイッチ制御部13は、CPU1の指示に従って、補正係数を求める場合及びユーザの接触座標を求める場合に、スイッチNCTL0,NCTL1,NCTL2,NCTL3に制御信号を供給する。
【0029】
つぎに、図2を用いて、タッチパネル部2上の抵抗膜に触れた際のタッチ位置の検出方法について説明する。
【0030】
図2は、図1内に示すU軸方向のタッチ位置を検出する場合を示すブロック図である。タッチパネル部2における角部P0〜角部P1間の抵抗値をRとする。
【0031】
スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3を、U軸方向のタッチ位置の検出時において、スイッチNCTL0,NCTL1をオフ(開、開放状態)にし、スイッチNCTL2,NCTL3をオン(閉、導通状態)にすると、電圧値がVt0、Vt1のパルス信号が供給される。このパルス信号は、CPU1からの制御に従って、常時一定間隔をおきながら出力されている。
【0032】
タッチパネル部2を指16で触れた際の位置をタッチ点Pとし、タッチ点Pでの電圧値をVcとする。タッチ点Pから角部P0までの抵抗値をRaとし、タッチ点Pから角部P1までの抵抗値をRbとする。また、タッチパネル部2の角部P0〜角部P1間の抵抗値はRなので、R=Ra+Rbが成立する。
【0033】
タッチパネル部2が接触されていない場合は、タッチパネル部2に電流が流れないので、角部P0と角部P1の電圧は同じとなる。
【0034】
タッチパネル部2を指16で触れると、タッチパネル部2のタッチ点Pから人体に向かい電流が流れ、人体とタッチパネル部2の間に静電容量Cが存在するので、静電容量Cの充電によりVcが上昇する。
【0035】
この時、角部P0と角部P1の電圧は、抵抗値Raと抵抗値Rbにより異なる電圧値を示す。このため、タッチパネル部2におけるU軸方向のタッチ位置が検出できる。
【0036】
次に、図1に示すV軸方向のタッチ位置を検出するため、CPU1のスイッチ制御部13は、スイッチ回路SW2,SW3におけるスイッチNCTL2,NCTL3を制御し、電圧値がVt2,Vt3のパルス信号がタッチパネル部2の角部P2〜角部P3間に供給される。これにより、V軸方向のタッチ位置の検出が行われるが、詳細な動作は前述のU軸方向の検出と同様であるので説明を省略する。
【0037】
次に、CPUの信号処理部11は、検出したタッチ位置のU軸方向座標及びV軸方向座標を、X座標及びY座標に変換する。X座標は、タッチパネル部2の横方向であり、Y座標はタッチパネル部2の縦方向である。
【0038】
このような原理より、CPU1は、スイッチ制御部13によって何れか対角上の2つのスイッチNCTLをオフとした状態で、他のスイッチNCTLをオンに制御する。これにより、CPU1は、タッチパネル部2において接触されたタッチ位置に応じた電圧を取得でき、当該電圧に応じて接触座標を特定できる。
【0039】
つぎに、上述したように構成された座標検出装置による補正係数の演算動作について説明する。
【0040】
先ず、動作(1)において、CPU1のスイッチ制御部13は、スイッチ回路SW0のスイッチNCTL0をオンに制御する。また、スイッチ制御部13は、スイッチNCTL1,NCTL2,NCTL3をオフに制御する。これにより、角部P0を接地端子Gt0に接続する。また、角部P1,P2,P3を電源端子Vt1,Vt2,Vt3に接続する。
【0041】
この状態において、電流は、角部P1,P2,P3の電源端子Vt1,Vt2,Vt3からプルアップ抵抗Rp1,Rp2,Rp及び電圧測定抵抗Rv1,Rv2,Rv3を経由して角部P1,P2,P3に流れる。そして、この電流は、角部P1,P2,P3から周囲電極3及びタッチパネル部2を経由して、角部P0に集まって電圧測定抵抗Rv0を介して接地端子Gt0に流れる。このような電流の経路は、タッチパネル部2の全体に亘って流れることとなる。よって、座標検出装置によれば、タッチパネル部2の全体温度の影響を考慮していることとなる。
【0042】
この状態において、CPU1は、内蔵されたADコンバータ12によって角部P0の電圧を測定する(動作(2))。ここで、プルアップ抵抗Rpと電圧測定抵抗Rvは、既知の抵抗値であり、当該抵抗値は雰囲気温度にはほとんど依存しない一定値である。このため、測定された角部P0の電圧値は、角部P0−角部P1間、角部P0−角部P2間、角部P0−角部P3間の合成抵抗値とみなせる。
【0043】
次の動作(3)において、CPU1は、予め工場出荷時に標準となる温度で測定した電圧値と、動作(2)において測定した電圧値とを比較して、補正係数を決定する。
【0044】
次の動作(4)において、CPU1は、スイッチ回路SW0,SW1,SW2,SW3におけるスイッチNCTL0,NCTL1,NCTL2,NCTL3を全てオンとすることにより回路の初期化を行う。そして、CPU1は、タッチパネル部2において接触された接触座標の検出を行う。
【0045】
次の動作(5)において、CPU1は、動作(4)にて検出された接触座標に対して動作(3)にて求めた補正係数を乗算して接触座標の補正を行う。そして、CPU1は、補正した接触座標を出力する。
【0046】
以上のように、この座標検出装置によれば、接触座標を測定するに際して、特定の角部Pに接続されたスイッチ回路SWのスイッチNCTLをオンとし、他のスイッチ回路SWのスイッチNCTLをオフにして、補正係数を求める。
【0047】
そして、座標検出装置は、タッチパネル部2に対する接触座標を検出する際に、電源端子Vtとタッチパネル部2とを選択的に接続させた状態で電圧を測定し、当該測定された電圧を補正係数により補正して接触座標を検出できる。したがって、この座標検出装置によれば、タッチパネル部2の温度変化によらず、高精度にタッチパネル部2に対する接触座標を検出できる。
【0048】
また、この座標検出装置によれば、タッチパネル部2に対する接触座標を検出する構成に対して、補正係数を算出するために特別な回路構成を備える必要がない。したがって、この座標検出装置によれば、部品点数の増加をすることなく、コスト増も抑制できる。すなわち、既存の座標検出装置ではタッチ位置を算出するために交流電源を使用し、抵抗測定回路を配置する必要があったが、本願の座標検出装置では、直流電源回路を使用して抵抗値を検出するために抵抗測定回路を設ける必要がない。また、CPU1に内蔵されているADコンバータ12を抵抗測定回路として利用できる。よって、この座標検出装置によれば、部品点数の増加及びコスト増を抑制できる。
【0049】
また、この座標検出装置は、上述したように、タッチパネル部2の4つの端部にスイッチ回路SWを接続する構成ではなく、図4に示すように、タッチパネル部2における対角線上に2つのスイッチ回路SWを接続しても良い。
【0050】
この座標検出装置は、角部P0にスイッチ回路SW0を接続すると共に、角部P1にスイッチ回路SW1を接続している。この座標検出装置においては、スイッチ回路SWを接続しない角部P2、角部P3はスイッチ等によって開放状態にする必要がある。
【0051】
このような座標検出装置は、補正係数を演算する際に、スイッチ回路SW0のスイッチNCTL0をオンとし、スイッチ回路SW1のスイッチNCTL1をオフにする。この状態では、スイッチ回路SW1の電源端子Vt1からスイッチ回路SW0の接地端子Gt0に向けて電流が流れる。この電流は、タッチパネル部2の抵抗値に依存したものである。したがって、CPU1は、角部P0における電圧を測定することによって、現在のタッチパネル部2の抵抗値に応じた電圧を得て、補正係数を演算することができる。
【0052】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1 CPU
2 タッチパネル部
3 周囲電極
11 信号処理部
12 ADコンバータ
13 スイッチ制御部
16 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に抵抗膜が形成された座標入力面を有するパネル手段と、
前記パネル手段における抵抗膜を囲むように形成された周囲電極と、
前記抵抗膜を介して離間して設けられた2以上の前記周囲電極の各端部における電圧を測定するパネル電圧測定手段と、
前記パネル電圧測定手段により測定された電圧を用いて、前記パネル手段における座標入力面に対する接触座標を検出する座標検出手段と、
直流電源回路に接続された電源端子又は接地端子の何れかに選択的に接続するものであって、前記パネル手段の端部ごとに設けられたスイッチ手段と、
前記スイッチ手段の動作を制御するスイッチ制御手段と、
前記スイッチ制御手段により特定のパネル手段の端部と前記接地端子とを接続させると共に他のパネル手段の端部と前記電源端子を接続させた状態で、前記パネル電圧測定手段により電圧を測定させ、当該電圧に基づいて補正係数を演算する補正係数演算手段とを備え、
前記パネル手段に対する接触座標を検出する際に、前記スイッチ制御手段により電源端子と任意の前記パネル手段の端部とを選択的に接続させた状態で前記パネル電圧測定手段により電圧を測定し、前記座標検出手段により当該測定された電圧を前記補正係数により補正して接触座標を検出すること
を特徴とする座標検出装置。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、前記直流電源回路に一方端が直列接続されたプルアップ抵抗及び当該プルアップ抵抗の他方端に直列接続された電圧測定抵抗と、前記プルアップ抵抗と前記電圧測定抵抗との間に一方端が接続され他方端が接地端子に接続されたスイッチとを含み、
前記スイッチ制御手段は、前記スイッチ手段のうち単一のスイッチ手段におけるスイッチを前記接地端子に導通させるよう動作させ、他のスイッチ手段におけるスイッチを前記接地端子に対して開放させるよう動作させ、
前記パネル電圧測定手段は、前記接地端子に導通されたスイッチ手段を介して電圧を測定すること
を特徴とする請求項1に記載の座標検出装置。
【請求項3】
前記座標入力面は四角形状となっており前記スイッチ手段を前記座標入力面の4つの端部に設けたことを特徴とする請求項2に記載の座標検出装置。
【請求項4】
前記補正係数演算手段は、任意のパネル手段の端部と前記接地端子とを接続させた状態で前記パネル電圧測定手段により電圧を測定する動作を、前記パネル手段の端部ごとに行い、当該パネル手段の端部ごとの電圧を平均化した電圧値に基づいて、補正係数を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の座標検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−41521(P2013−41521A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179417(P2011−179417)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000219233)東プレ株式会社 (91)
【Fターム(参考)】