廃シリコン・スラリー精製方法
【課題】本発明の目的は半導体ウェハ製造工程中に発生する廃シリコン・スラリーから精製研磨剤および切削油をそれぞれ分離回収し、再利用できる廃シリコン・スラリー精製方法を提供する。
【解決手段】本発明は、廃シリコン・スラリー精製方法に関するものであり、廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、分離された固形物を水と混合する段階、固形物と水が混合したスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離された研磨剤から精製研磨剤粉末を製造する段階を含む。
【解決手段】本発明は、廃シリコン・スラリー精製方法に関するものであり、廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、分離された固形物を水と混合する段階、固形物と水が混合したスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離された研磨剤から精製研磨剤粉末を製造する段階を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃シリコン・スラリー精製方法に関するものであり、半導体ウェハ製造工程中に発生する廃シリコン・スラリーから精製研磨剤および切削油をそれぞれ分離・回収し、再利用することができ、更に廃シリコン・スラリー精製過程で発生する全ての廃水を精製し再利用が可能な廃シリコン・スラリー精製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近情報通信および半導体産業の発展、石油エネルギーの枯渇および地球温暖化防止のための太陽熱エネルギーを利用した産業の急浮上に伴い、シリコン・ウェハの需要が急増している。
【0003】
一般的にシリコン・ウェハはシリコン・インゴット(SILICON INGOT)に切削油と研磨剤を供給しながらワイヤーソー(WIRE SAW)で切削し製造される。切削されたシリコン・ウェハは切削油および研磨剤に切削粉末(SAW DUST)が混ざった廃シリコン・スラリーが付着している状態から、洗浄過程を通じ太陽電池用シリコン・ウェハとして製造されたり、研磨・削刻および洗浄工程等を経て半導体用シリコン・ウェハとして製造される。
【0004】
現在、半導体用シリコン・ウェハ製造時に使用される切削油はパラフィン系オイル(80〜90%)、水、界面活性剤、分散剤、粘度調整剤等を混合した物質で構成され、この切削油はワイヤーソー(WIRE SAW)のワイヤーとシリコン・インゴット(SILICON INGOT)の間に研磨剤が均一に入るようにし、切削過程において高速なワイヤー牽引により発生する摩擦熱を冷却する役割をする。
【0005】
太陽電池用シリコン・ウェハは180〜250ΜM程度で、半導体用シリコン・ウェハの1/3程度の薄さの薄膜に切削されているため、パラフィン系オイルを多量に含む切削油を使用できずにいる。その代用として水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%を含む切削油を使用している。水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%含む切削油は、5〜30ΜMの大きさの研磨剤および切削粉末の沈降を減らすために継続的に使用される。
【0006】
このようなシリコン・ウェハ製造過程において、シリコン・インゴット(SILICON INGOT)から排出されるシリコンや、ワイヤーソー(WIRE SAW)から排出される粉末や研磨剤および切削油が混合した廃シリコン・スラリーは特殊環境廃棄物として分類され処理される。
【0007】
一般的に、廃シリコン・スラリーは高い粘性を有しており単純な物理的な操作では分離が困難であり、特殊廃棄物として分類され全量焼却または埋め立て処理されている。このような処理方法は、高額の費用がかかる側面があり、特に最近ではこのような処理設備は“環境嫌悪施設”として分類され施設の誘致が極めて困難な問題となっている。また、焼却したり埋め立てる場合に排出されるガス、または沈出水により周囲の環境汚染が深刻な問題となっている。
【0008】
特に、太陽電池用シリコン・ウェハの製造に使用される水溶性ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%含む切削油は水溶性で再利用率が40〜50%と、多量の廃棄物や廃水が発生するという問題点がある。
【0009】
また、比重が2.3であるシリコン切削粉末が切削過程を通じて0.1ΜM程度まで見かけ比重が低くなるが、切削油を含有する場合は研磨剤と切削粉末が凝集し共沈する現象により再生研磨剤中に含まれる切削粉が多く、低い純度とならざるを得ない効率の悪さがあり、研磨過程にて発生する鉄分含有量が多く、これにより窒酸、フッ化水素酸洗浄を追加で行わなければならず、その過程にて多量の再生及び再利用不可能なフッ化水素酸廃水が発生する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような背景において提案されたものであり、本発明の目的は半導体ウェハ製造工程中に発生する廃シリコン・スラリーから精製研磨剤および切削油をそれぞれ分離回収し、再利用できる廃シリコン・スラリー精製方法を提供するところにある。
【0011】
本発明のもう一つの目的は廃シリコン・スラリー精製過程にて発生する全ての廃水を精製し再利用できる廃シリコン・スラリー精製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成する為に、本発明の一連の様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、分離した固形物を水と混合する段階と、固形物と水が混合したスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離した研磨剤を精製研磨剤粉末として製造する段階を含む。
【0013】
本発明の付加的な様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階と、分離された第1切削油を使用しなかった残りの廃シリコン・スラリーと混合する段階と、混合された第1切削油と廃シリコン・スラリーを第2分離器に投入し第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する段階を含む。
【0014】
本発明のまた別の付加的な様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、固形物と水が混合したスラリーを第3分離器に投入し、第3分離器にて研磨剤と廃水を分離する段階と、分離した研磨剤を水と混合する段階と、研磨剤と水が混合したスラリーに振動を印加し研磨剤表面に付着している切削粉末を除去する洗浄段階と、洗浄段階を通過した研磨剤を第4分離器に投入し第4分離器にて大きさ別に分離する段階と、上記の分離された研磨剤に含まれる水を除去する段階と、水が除去された研磨剤を乾燥させる段階を含む。
【0015】
本発明の追加的様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を更に含む。
【0016】
本発明の追加的様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を更に含む。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成の通り、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、精製切削油および精製研磨剤粉末を回収できる有用な効果がある。
【0018】
また、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、切削油の原料を回収でき、シリコン・インゴットを切削する上で適当な大きさの再生研磨剤を得ることができ、シリコン・ウェハの切削面のゆがみやたわみ等の現象を防止し、シリコン・ウェハ品質の低下を防止することができる有用な効果がある。
【0019】
また、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、廃水精製の段階を含むことにより、廃水排出量を低減させ、また廃水の化学的酸素要求量を減少させるため、廃水処理の負荷を減少させることができる有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施例による廃シリコン・スラリー精製装置の構成図。
【図2】図2は、本発明による固形物と切削油の分離部(100)を図示した実施例。
【図3】図3は、本発明による研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)を図示した実施例。
【図4】図4は、本発明による切削油精製部(300)を図示した実施例。
【図5】図5は、本発明による廃水精製部(400)を図示した実施例。
【図6】図6は、図1による廃シリコン・スラリー精製装置の廃シリコン・スラリー精製方法を示した工程順序図。
【図7】図7は、本発明による研磨剤精製方法を示した工程順序図。
【図8】図8は、本発明による切削油精製方法を示した工程順序図。
【図9】図9は、本発明による廃水精製方法を示した工程順序図。
【実施例】
【0021】
以下、添付した図面を参照し、前述した内容および追加的な様式を、適切な実施例を通じて、本発明を当業者が容易に理解し再現することができるように詳細にわたり説明することにする。
【0022】
本明細書での廃シリコン・スラリーとは、シリコン・インゴット(SILICON INGOT)またはワイヤーソー(WIRE SAW)から排出される切削粉末と研磨剤、切削油が混合した混合物である。また固形物とは、磁力成分不純物の除去工程を通過した廃シリコン・スラリーを分離器に投入し、分離器にて切削油を分離する工程を通じて得られる切削粉末と研磨剤を含む混合物、または廃水再循環過程で分離排出される混合物である。
【0023】
図1は、本発明の一実施例における廃シリコン・スラリー精製装置の構成図であり、図2は本発明における固形物と切削油の分離部(100)、図3は、本発明における研磨剤精製および研磨剤粉末の生成部(200)、図4は、本発明における切削油回収部(310)および切削油の基油精製部(320)、図5は本発明における廃水精製部(400)を図示した実施例である。
【0024】
先ず、図1に図示した通り、本実施例における廃シリコン・スラリー精製装置には大きく、固形物と切削油の分離部(100)、研磨剤精製および研磨剤粉末の生成部(200)、切削油の回収部(310)、切削油の基油精製部(320)、廃水精製部(400)が含まれる。
【0025】
固形物と切削油の分離部(100)
固形物と切削油の分離部(100)は廃シリコン・スラリーから固形物と切削油を分離する装置である。図2に図示した通り、一実施例において、固形物と切削油の分離部(100)には、第1 攪拌器(111)、磁力成分不純物除去用フィルター(112)、加熱・攪拌タンク(113)、第1分離器(114)、切削油保管タンク(115)、第2攪拌器(116)、第2分離器(117)が含まれる。
【0026】
第1攪拌器(111)は、廃シリコン・スラリーが投入されると30分以上充分に攪拌し、沈殿した固形物を均等に混合する。第1攪拌器(111)にて攪拌された廃シリコン・スラリーはポンプ(図示なし)により磁力成分不純物除去用フィルター(112)へと送られる。廃シリコン・スラリーの粘度を下げるため、予熱熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルター(112)への移送中に廃シリコン・スラリーを、例えば30℃以上50℃以下に予熱することができる。
【0027】
磁力成分不純物除去用フィルター(112)は鉄分と共に凝集したシリコン凝集体を除去する。磁力成分不純物除去用フィルター(112)は、電気磁石または永久磁石を内部に装着し、電気を統制したり、磁石を分離することで鉄分を排出できるように構成することができる。磁力成分不純物除去用フィルター(112)は、鉄分を円滑に排出するための攪拌器の装着が可能であり、また、回転する磁石表面に鉄分を吸着したり、切削刃を取り付け切削した鉄分を排出させ連続的にろ過するといった多様な用途の装置として使用可能である。
【0028】
加熱・攪拌タンク(113)は磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーを30℃以上50℃以下に加熱しながら攪拌し廃シリコン・スラリーの粘度を下げ、沈殿することを防止する。加熱・攪拌タンク(113)はレベルスイッチやレベルコントローラーを装着し廃シリコン・スラリーが溢れ出たりタンクが空になった場合、ポンプの稼働を防止するように構成することができる。加熱・攪拌タンク(113)は、スチーム、電気、温水等の多様な熱源で加熱でき、温度センサーおよび温度コントロールバルブと凝縮水を円滑に除去するためのスチームトラップをそれぞれ装着し使用するか、または温度コントロール(CONTROL)バルブ、スチームトラップをそれぞれ単体で装着して使用することができる。
【0029】
加熱・攪拌タンク(113)で加熱する時間を短縮するために、熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルター(112)から加熱・攪拌タンク(113)への移送中に廃シリコン・スラリーを予熱することができる。熱交換器と加熱・攪拌タンク(113)に熱源を供給し、廃シリコン・スラリーを、例えば25℃以上50℃以下に加熱し、廃シリコン・スラリーの粘度を下げる。
【0030】
第1分離器(114)は、加熱・攪拌タンク(113)にある“磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーの一部”を第1固形物と第1切削油に分離する。第1分離器(114)はフィルタープレス、または遠心分離器で具現可能である。一例として遠心分離器は1ΜM以上、10MM以下の大きさまで除去でき、固形物の濃度が1〜50(%)を占める廃シリコン・スラリーを処理することができる遠心分離器であることがある。このような遠心分離器は、低い速度でスクリューが回転しながら遠心力により壁面に移動した固形物を排出させ、相対的に遠心力が弱く作用する切削粉末と切削油は、分離器内に滞積した後、溢れ出る。遠心分離器は廃シリコン・スラリーの温度、濃度、粘度によって速度を変化させることができるようにローターとスクリューそれぞれに、モーター、インバーターおよびコントローラー(CONTROLLER)を装着して使用することができる。
【0031】
切削油保管タンク(115)は、第1分離器(114)にて分離された第1切削油を保管する。第2攪拌器(116)は、切削油保管タンク(115)に保管された第1切削油と加熱・攪拌タンク(113)に貯蔵された磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーの残り一部を投入して攪拌し、切削油スラリーを製造する。一例として、第2攪拌器(116)は混合物の粘度を低くするためスチーム、電気、温水等の多様な熱源で加熱できる。また第2攪拌器(116)は、再循環した水が投入されるように構成される。
【0032】
第2分離器(117)は、第2攪拌器(116)にて切削油スラリーの投入を受け第2固形物と第2切削油に分離する。一例として、第2分離器(117)は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)と濁度計、およびプレコート・スラリータンクを合わせて具現可能である。プレコート・スラリーは、例えば固形物の量がプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)のろ過室の容積の30%以上、70%以下であり、切削油と固形物の濃度が30%以上、50%以下になるように混合したスラリーであることがある。このようなプレコート・スラリーは、プレコート・スラリータンクで製造され、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)へ供給される。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、供給されたプレコート・スラリーに含まれる大きな粒子の一部のみがフィルター表面に付着した後、漸進的に小さな粒子が大きな粒子の隙間を埋めプレコートが形成される。
【0033】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、第2攪拌器(116)から切削油スラリーが一定の圧力で一定時間供給されると、以降プレコート・スラリータンクからプレコート・スラリーが予め設定された圧力と時間でプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に供給される。このような過程を数回繰り返すと、固形物はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残り、切削油は通過する。一例として、50℃以上の熱い圧縮空気を10分間供給し、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残留した切削油を加熱しながら排出する熱空気加圧工程が採用される頻度が高い。このような工程が終了するとプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で固形物が分離する。
【0034】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)から排出される切削油は、濁度計で測定した結果、設定される濁度に達しない場合、再び第2攪拌器(116)へ送られ循環する。一方、設定された濁度に達した切削油は切削油保管タンク(図4の参照番号311)に保管される。
【0035】
研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)
図1において、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)は、固形物と切削油の分離部(100)にて分離された第1、第2固形物から、研磨剤を大きさ別に分離し、精製研磨剤粉末を製造する装置である。図3に図示したとおり、一実施例において研磨剤の精製および研磨剤粉末の生成部(200)には、第1混合器(211)、磁力成分不純物除去用フィルター(212)、第3分離器(213)、第2混合器(214)、洗浄機(215)、第4分離器(216)、スクリーン・フィルター(217)、脱水機(218)、乾燥機(219)、移送部(220)が含まれて実現できる。
【0036】
第1混合器(211)は固形物と切削油の分離部(100)の第1、第2分離器(114、117)にて分離され供給される第1、第2固形物を、例えば50℃以上、70℃以下の水と混合しウォーター・スラリーを作る装置である。第1混合器(211)は、攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と固形物の混合比を2:1以上になるように混合し、固形物に含まれる切削油を溶かすのに使用される。
【0037】
磁力成分不純物除去用フィルター(212)は、第1混合器(211)に残留した切削油が溶けたウォーター・スラリーを通過させ、鉄分と凝集した異物質(例えばシリコン)を除去する。磁力成分不純物除去用フィルター(212)は電気磁石または永久磁石を内部に装着し、電気を統制したり磁石を分離すると鉄分を排出できるように構成することができる。磁力成分不純物除去用フィルター(212)は、鉄分が円滑に排出されるように攪拌器を装着でき、また回転する磁石表面にろ過網を設置し、鉄分と同時に排出し連続的にろ過する多様な用途の装置を使用できる。
【0038】
第3分離器(213)は、磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーから研磨剤を分離し、残りの異物質を分離・除去する。第3分離器(213)は、一例として300〜600RPMの遠心分離器として具現可能であり、遠心分離器から水とともに切削粉末が排出され、遠心分離されたスラリーは切削粉末の含有量が基準値(例えば0.5%)以下になるまで第1混合器(211)へ再度送られる。ここで遠心分離器は、その回転速度に伴い600RPMでは3ΜM未満の切削粉末を水とともに排出し、400RPMでは5ΜM未満の切削粉末を水とともに排出することができる。
【0039】
第2混合器(214)は攪拌器と水位測定センサー含むことがあり、例えば50℃以上70℃以下の水と第3分離器(213)にて分離された研磨剤を5:2の比率で混合する上で使用される。洗浄機(215)は、第2 混合器(214)にて研磨剤と水が混合したスラリーに振動を印加し、研磨剤表面に付着している切削粉末を除去し水とともに排出する装置である。一例として洗浄機(215)は、超音波洗浄機、ブラシローラーを用いた機械的洗浄機等で具現可能である。
【0040】
第4分離器(216)は、洗浄機(215)の洗浄過程を通じ得られる研磨剤を、大きさ別に分離する装置である。第4分離器(216)は分給タンク、水タンク、多数のソレノイドバルブ、流量計、オーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)で具現可能である。分給タンクの下部に供給された研磨剤は、水タンクの水が流量計とソレノイドバルブを通じ分給タンクへ供給されると、相対的に大きな研磨剤の粒子は分給タンクの下部に沈殿し、有効な大きさの研磨剤は浮遊し、小さな研磨剤は浮上して3ΜM以上5ΜM以下の網を有するフィルターが装着されたオーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)を通じ分給タンクの外に排出される。分給タンク内部の側面には永久磁石が装着され磁力成分不純物を除去できるように構成される。分給タンク内部には上部に小さなサイズの研磨剤が、下部には大きな研磨剤が大きいものから順に分離される。
【0041】
スクリーン・フィルター(217)は、第4分離器(216)でも分離されず凝集した例えば20ΜM以上の研磨剤を除去する。脱水機(218)は、第4分離器(216)にて分離され排出される研磨剤に含まれる水を除去する。脱水機(218)は200〜400メッシュ(MESH)のろ過布を装着したフィルタープレスで具現可能である。
【0042】
乾燥機(219)は、脱水機(218)で水が取り除かれた研磨剤を乾燥させる。乾燥機(219)は、スチームが供給される研磨剤スクリュー乾燥機で具現可能である。スクリュー乾燥機はスクリューが回転しながら研磨剤を混合・解体させ、広い面積の熱伝達面積と接触して水を蒸発・乾燥させる。乾燥過程において水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり、研磨剤供給量を加減、もしくはスクリュー回転速度を調節して研磨剤内の水分含量を調節できる。
【0043】
移送部(220)は、乾燥機(219)で乾燥が終了した研磨剤粉末を回収装置へ移送させる。移送部(220)は、コンベヤー(CONVEYER)で具現可能であり、コンベヤー(CONVEYER)に電磁石鉄分除去器を装着する場合、研磨剤粉末に含まれる鉄分を除去することにより、異物質である切削粉末の含有量が1PPMの純度を有する研磨剤を粉末状態で回収することができる。
【0044】
切削油回収部(310)および切削油の基油精製部(320)
図1にて、切削油回収部(310)は、固形物と切削油の分離部(100)にて分離されたパラフィン系オイルを基油とする切削油を回収する装置であり、切削油の基油精製部(310)は水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を基油とする切削油を精製する装置である。図4に図示したとおり、一実施例において、切削油回収部(310)には、切削油保管タンク(311)、蒸発器(312)、精製切削油保管タンク(313)が含まれ、切削油の基油精製部(310)には、第3混合器(321)、第5分離器(322)、蒸発器(323)、精製切削油の基油保管タンク(324)が含まれる。
【0045】
切削油保管タンク(311)には、第2分離器(117)にて分離され排出される切削油の中でも、濁度計での測定結果が設定された濁度に達する切削油を保管する。蒸発器(312)は、切削油保管タンク(311)から供給される切削油に含まれる水を蒸発させる。蒸発器(312)は、スチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程において、水分計で水分含量をチェックし一定量未満になるようスチーム圧力と供給量を調節したり、切削油供給量を加減調節し切削油内の水分含量を調節できる。精製切削油保管タンク(313)は、蒸発器(312)から排出される精製切削油を保管する。
【0046】
第3混合器(321)は、切削油保管タンク(311)から供給される切削油を活性炭粉末と混合する。活性炭粉末は切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着する。
【0047】
第5分離器(322)は、第3混合器(321)で混合された切削油と活性炭粉末を分離する。第5分離器(322)は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で具現可能である。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で、切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着した粉末活性炭は、ろ過され切削油の原料であるジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を分離する。蒸発器(323)は、第5分離器(322)から供給される切削油に含まれる水を蒸発させる。蒸発器(323)はスチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチームの圧力や供給量を調節したり、切削油の供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。精製切削油の基油保管タンク(324)は、蒸発器(323)から排出される精製切削油の基油を保管する。
【0048】
廃水精製部(400)
図1において、廃水精製部(400)は、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)にて発生する全ての廃水を精製する装置である。図5に図示した通り、一実施例において、廃水精製部(400)にはプレコート・スラリー保管タンク(411)、廃水保管タンク(412)、第6分離器(413)、精製水保管タンク(414)が含まれる。
【0049】
プレコート・スラリー保管タンク(411)はプレコート・スラリーが保管される。ここでプレコート・スラリーは、第6分離器(413)から排出される固形物と再循環水と活性炭粉末が混合し製造されるスラリーである。
【0050】
排水保管タンク(412)は、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)にて発生する廃水と、一例として第6分離器(413)から排出される廃水のうち、濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない廃水を保管する。
【0051】
第6分離器(413)は、プレコート・スラリー保管タンク(411)からプレコート・スラリーを、廃水保管タンク(412)から廃水の供給を受け、再循環水と固形物を分離する。一例として、第6分離器(413)はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)と濁度計で具現可能である。第6分離器(413)で分離・排出される固形物の一部はプレコート・スラリーを製造する上で使用され、残りはセメント製造用エネルギー源として使用される。
【0052】
精製水保管タンク(414)は、第6分離器(413)から供給される精製水を保管する。精製水保管タンク(414)に保管される再循環水は濁度計で測定した結果が設定された濁度に達する水であり廃シリコン・スラリー精製用用水として再利用される。
【0053】
図6は、本発明による廃シリコン・スラリー精製装置の廃シリコン・スラリー精製方法を示した工程順序図である。
【0054】
図示した通り、本発明による廃シリコン・スラリー精製方法は大きく、廃シリコン・スラリーから固形物と切削油を分離する段階(S10)と、固形物から研磨剤を精製し、精製研磨剤粉末を製造する段階(S20)、切削油の基油を精製する段階(S30)、研磨剤を精製する段階から発生する廃水を精製する段階(S40)で構成され具現化される。
【0055】
先ず、固形物と切削油を分離する段階(S10)を説明すると、廃シリコン・スラリーを攪拌器に投入する(S11)。攪拌器に投入された廃シリコン・スラリーの粘度を調節するため、攪拌器に切削油または水を投入し廃シリコン・スラリーと混合・攪拌することができる(S13)。
【0056】
以降、ポンプを利用し攪拌器から廃シリコン・スラリーを磁力成分不純物除去用フィルターへ移送させる。磁力成分不純物除去用フィルターにて廃シリコン・スラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する(S15)。廃シリコン・スラリーの粘度を低くするため予熱熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルターへの移送中に廃シリコン・スラリーを、例えば30℃以上50℃以下に予熱することができる。
【0057】
一例として、本発明による廃シリコン・スラリー精製方法は、磁力成分不純物除去用フィルターにて磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーを再度攪拌器に投入する段階S11から再び繰り返して行うことができる。
【0058】
以降、磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーに含まれる第1固形物と第1切削油を分離する(S17)。本発明の特徴的な様式によれば、段階S17は磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階である。
【0059】
一例として、第1分離器はフィルタープレスまたは遠心分離器で具現可能である。一例として、遠心分離器は1ΜM以上10MM以下の大きさまで除去でき、固形物の濃度が1〜50(%)を占める廃シリコン・スラリーを処理できる遠心分離器であることがある。このような遠心分離器は低い速度でスクリューが回転しながら遠心力により壁面に移動した固形物を排出し、相対的に遠心力が弱く作用した切削粉末と切削油は分離器内に滞積した後、溢れ出るようになる。遠心分離器は廃シリコン・スラリーの温度、濃度、粘度によって速度を変化させることができるように、ローターとスクリューのそれぞれにモーター、インバーター、コントローラー(CONTROLLER)を装着し使用することができる。
【0060】
以降、段階S17にて分離された第1切削油を段階S17にて使用されていない残りの廃シリコン・スラリーと混合し、切削油スラリーを攪拌器にて製造する(S18)。切削油と廃シリコン・スラリーが混合した切削油スラリーを第2分離器に投入して、第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する(S19)。
【0061】
一例として、第2分離器にはプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)、濁度計、プレコート・スラリータンクが含まれる。プレコート・スラリーは例えば固形物の量がプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)のろ過室容積の30%以上70%以下であり、切削油に固形物の濃度が30%以上50%以下になるように混合したスラリーであることがある。このようなプレコート・スラリーはプレコート・スラリータンクにて製造され、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)へと供給される。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、供給されたプレコート・スラリーに含まれる大きな粒子の一部のみがフィルター表面に付着した後、漸進的に小さな粒子が大きな粒子の隙間を埋めプレコートが形成される。
【0062】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、攪拌器から切削油スラリーが一定の圧力で一定の時間供給されると、プレコート・スラリータンクからプレコート・スラリーが予め設定された圧力と時間でプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に供給される。このような過程を数回繰り返すと、固形物はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残り、切削油は通過する。一例として、50℃以上の熱い圧縮熱空気を10分間供給し、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残留した切削油を加熱しながら排出する熱空気加圧工程が採用される頻度が高い。このような工程が終了するとプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて固形物が分離する。
【0063】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて排出された切削油は濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない場合、再度攪拌器へと送られ循環される。一方、設定された濁度に達した切削油は切削油保管タンクに保管される。
【0064】
以下、固形物から研磨剤を精製し、精製された研磨剤粉末を製造する段階(S20)を説明すると、段階S17、S19にて分離された固形物は第1混合器へと送られ、第1混合器にて固形物と、例えば50℃以上70℃以下の水を混合し、ウォーター・スラリーを製造する(S21)。第1混合器は攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と固形物の混合比を2:1以上になるように混合し、固形物に含まれる切削油を溶かすのに使用される。
【0065】
以降、固形物と水が混合したウォーター・スラリーから磁力成分不純物を除去し(S23)、磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーから研磨剤を分離し、精製研磨剤粉末を製造する(S25)。
【0066】
以下、研磨剤を分離し、精製研磨剤粉末を製造する段階S25と、切削油の基油を精製する段階(S30)と、研磨剤を精製する段階から発生する廃水を精製する段階(S40)を図示した図7から図9を参照しながら詳細に説明する。
【0067】
図7は、本発明による研磨剤精製および研磨剤粉末製造方法を示した工程順序図である。
【0068】
第1混合器(図6の段階S23)にて混合されたウォーター・スラリーを第3分離器に投入し、第3分離器にて研磨剤を分離する(S251)。第3分離器は一例として、300〜600RPM遠心分離器で具現可能であり、遠心分離器にて水とともに切削粉末が排出され、遠心分離されたスラリーは切削粉末の含有量が基準値(例えば0.5%)以下になるまで図6の段階S21から前述した第1混合器へと再び送られる。ここで遠心分離器は、その回転速度によって600RPMでは3ΜM未満の切削粉末を水とともに排出し、400RPMでは5ΜM未満の切削粉末を水とともに排出することができる。
【0069】
以降、分離された研磨剤は第2混合器へと送られ、第2混合器にて研磨剤と、例えば50℃以上70℃以下の水を混合し、スラリーを製造する(S252)。ここで第2混合器は攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と分離された研磨剤を5:2の比率で混合する上で使用される。
【0070】
以降、研磨剤と水が混合されたスラリーを磁力成分不純物除去用フィルターへと移送させる。磁力成分不純物除去用フィルターにてスラリーに含まれる鉄分とともに凝縮された異物質(例えばシリコン)を除去する(S253)。段階S253以降、スラリーは再度第2混合器に投入され段階S252から再度繰り返し行われる。
【0071】
以降、洗浄機にて磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーに振動を印加し研磨剤表面に付着している切削粉末を除去し水とともに排出する(S254)。一例として、洗浄機は超音波洗浄機、ブラシローラーを利用した機械的洗浄機等で具現可能である。
【0072】
以降、洗浄段階S254を通過した研磨剤を第4分離器に投入し、第4分離器にて大きさ別に分離する(S255)。第4分離器には、補給タンク、水タンク、多数のソレノイドバルブ、流量計、オーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)が含まれる。分給タンクの下部に供給された研磨剤は、水タンクの水が流量計とソレノイドバルブを通じ分給タンクへと供給されると、相対的に大きな研磨剤粒子は分給タンクの下部に沈殿し、有効な大きさの研磨剤は浮遊し、小さなサイズの研磨剤は浮上し3ΜM以上5ΜM以下の網を有するフィルターが装着されたオーバーフロー・ノズル(OVER FLOW NOZZLE)を通り分給タンクの外へ排出される。分給タンクの内部側面には永久磁石が装着され磁力成分不純物を除去できるように構成可能である。分給タンク内部には上部に小さなサイズの研磨剤、下部に大きな研磨剤が大きいものから順に分離される。
【0073】
以降、分離された研磨剤は脱水機に送られ、脱水機にて研磨剤に含まれる水を除去する(S256)。一例として、脱水機は200〜400メッシュ(MESH)のろ過布を装着したフィルタープレスで具現可能である。
【0074】
以降、水が除去された研磨剤を乾燥機にて乾燥させる(S257)。乾燥機はスチームが供給される研磨剤スクリュー乾燥機で具現可能である。スクリュー乾燥機はスクリューが回転しながら研磨剤を混合・解体させ広い面積の熱伝達面積と接触し水を蒸発・乾燥させる。乾燥過程において水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり、研磨剤の供給量を加減、またはスクリュー回転速度の調節により研磨剤内の水分含量を調節することができる。
【0075】
以降、乾燥機にて乾燥された研磨剤は移送部により研磨剤粉末を回収する回収装置へと移送される。移送部はコンベヤー(CONVEYER)で具現可能であり、コンベヤー(CONVEYER)に電磁石鉄分除去器を装着する場合、研磨剤粉末に含まれる磁力成分不純物を除去(S258)することができる。
【0076】
図8は、本発明による切削油の基油精製方法を示した工程順序図である。
【0077】
本発明の一実施例による切削油の基油精製方法は図6の段階S19にて分離された切削油に含まれる水を蒸発器にて蒸発させ精製する方法で具現可能である。蒸発器はスチームによって加熱されるウォーター蒸発器で具現される。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり切削油供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。
【0078】
本発明の別の実施例による切削油の基油精製方法は、図6の段階S19にて分離された切削油を活性炭粉末と第3混合器にて混合する(S31)。活性炭粉末は切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着する。
【0079】
以降、混合された切削油と活性炭粉末を第5分離器に投入し、第5分離器にて切削油を分離する(S32)。第5分離器はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で具現可能である。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着した粉末活性炭は、ろ過され切削油の原料であるジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を回収し、原料として再利用することができる。
【0080】
以降、分離された切削油の基油に含まれる水を蒸発器にて蒸発(S33)させ切削油の基油を精製する(S33)。蒸発器はスチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり切削油の供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。
【0081】
図9は、本発明による廃水精製方法を示した工程順序図である。
【0082】
図示したとおり、廃水を精製する方法は、図6の段階S25にて分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する(S41)。混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを、第6分離器に投入し、第6分離器にて再循環水と固形物を分離する(S32)。ここでプレコート・スラリーは第6分離器にて排出される固形物と精製水と活性炭粉末が混合し製造されるスラリーである。
【0083】
第6分離器にて排出される廃水中、濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない廃水は活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階S41を再度経ることになる。第6分離器にて分離・排出される固形物の一部はプレコート・スラリーを製造するのに使用され、残りはセメント製造用エネルギー源として使用することができる。濁度計で測定した結果が設定された濁度に達する水は廃シリコン・スラリー精製用用水として再利用される。
【0084】
これまで本明細書では、本発明に関わる技術分野において通常の知識を有する者が、本発明を容易に理解し再現できるように図面に図示した実施例を参考に説明してきたが、これは例示的なものに過ぎず、当該の技術分野に通常の知識を有する者であれば、本発明の実施例から多様な変形および均等なその他の実施例が可能であるという点を理解できると言える。従って本発明の核心的な技術面の保護範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定められるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃シリコン・スラリー精製方法に関するものであり、半導体ウェハ製造工程中に発生する廃シリコン・スラリーから精製研磨剤および切削油をそれぞれ分離・回収し、再利用することができ、更に廃シリコン・スラリー精製過程で発生する全ての廃水を精製し再利用が可能な廃シリコン・スラリー精製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近情報通信および半導体産業の発展、石油エネルギーの枯渇および地球温暖化防止のための太陽熱エネルギーを利用した産業の急浮上に伴い、シリコン・ウェハの需要が急増している。
【0003】
一般的にシリコン・ウェハはシリコン・インゴット(SILICON INGOT)に切削油と研磨剤を供給しながらワイヤーソー(WIRE SAW)で切削し製造される。切削されたシリコン・ウェハは切削油および研磨剤に切削粉末(SAW DUST)が混ざった廃シリコン・スラリーが付着している状態から、洗浄過程を通じ太陽電池用シリコン・ウェハとして製造されたり、研磨・削刻および洗浄工程等を経て半導体用シリコン・ウェハとして製造される。
【0004】
現在、半導体用シリコン・ウェハ製造時に使用される切削油はパラフィン系オイル(80〜90%)、水、界面活性剤、分散剤、粘度調整剤等を混合した物質で構成され、この切削油はワイヤーソー(WIRE SAW)のワイヤーとシリコン・インゴット(SILICON INGOT)の間に研磨剤が均一に入るようにし、切削過程において高速なワイヤー牽引により発生する摩擦熱を冷却する役割をする。
【0005】
太陽電池用シリコン・ウェハは180〜250ΜM程度で、半導体用シリコン・ウェハの1/3程度の薄さの薄膜に切削されているため、パラフィン系オイルを多量に含む切削油を使用できずにいる。その代用として水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%を含む切削油を使用している。水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%含む切削油は、5〜30ΜMの大きさの研磨剤および切削粉末の沈降を減らすために継続的に使用される。
【0006】
このようなシリコン・ウェハ製造過程において、シリコン・インゴット(SILICON INGOT)から排出されるシリコンや、ワイヤーソー(WIRE SAW)から排出される粉末や研磨剤および切削油が混合した廃シリコン・スラリーは特殊環境廃棄物として分類され処理される。
【0007】
一般的に、廃シリコン・スラリーは高い粘性を有しており単純な物理的な操作では分離が困難であり、特殊廃棄物として分類され全量焼却または埋め立て処理されている。このような処理方法は、高額の費用がかかる側面があり、特に最近ではこのような処理設備は“環境嫌悪施設”として分類され施設の誘致が極めて困難な問題となっている。また、焼却したり埋め立てる場合に排出されるガス、または沈出水により周囲の環境汚染が深刻な問題となっている。
【0008】
特に、太陽電池用シリコン・ウェハの製造に使用される水溶性ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)等を80〜90%含む切削油は水溶性で再利用率が40〜50%と、多量の廃棄物や廃水が発生するという問題点がある。
【0009】
また、比重が2.3であるシリコン切削粉末が切削過程を通じて0.1ΜM程度まで見かけ比重が低くなるが、切削油を含有する場合は研磨剤と切削粉末が凝集し共沈する現象により再生研磨剤中に含まれる切削粉が多く、低い純度とならざるを得ない効率の悪さがあり、研磨過程にて発生する鉄分含有量が多く、これにより窒酸、フッ化水素酸洗浄を追加で行わなければならず、その過程にて多量の再生及び再利用不可能なフッ化水素酸廃水が発生する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような背景において提案されたものであり、本発明の目的は半導体ウェハ製造工程中に発生する廃シリコン・スラリーから精製研磨剤および切削油をそれぞれ分離回収し、再利用できる廃シリコン・スラリー精製方法を提供するところにある。
【0011】
本発明のもう一つの目的は廃シリコン・スラリー精製過程にて発生する全ての廃水を精製し再利用できる廃シリコン・スラリー精製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成する為に、本発明の一連の様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、分離した固形物を水と混合する段階と、固形物と水が混合したスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離した研磨剤を精製研磨剤粉末として製造する段階を含む。
【0013】
本発明の付加的な様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階と、分離された第1切削油を使用しなかった残りの廃シリコン・スラリーと混合する段階と、混合された第1切削油と廃シリコン・スラリーを第2分離器に投入し第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する段階を含む。
【0014】
本発明のまた別の付加的な様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、固形物と水が混合したスラリーを第3分離器に投入し、第3分離器にて研磨剤と廃水を分離する段階と、分離した研磨剤を水と混合する段階と、研磨剤と水が混合したスラリーに振動を印加し研磨剤表面に付着している切削粉末を除去する洗浄段階と、洗浄段階を通過した研磨剤を第4分離器に投入し第4分離器にて大きさ別に分離する段階と、上記の分離された研磨剤に含まれる水を除去する段階と、水が除去された研磨剤を乾燥させる段階を含む。
【0015】
本発明の追加的様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を更に含む。
【0016】
本発明の追加的様式による廃シリコン・スラリー精製方法は、分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を更に含む。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成の通り、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、精製切削油および精製研磨剤粉末を回収できる有用な効果がある。
【0018】
また、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、切削油の原料を回収でき、シリコン・インゴットを切削する上で適当な大きさの再生研磨剤を得ることができ、シリコン・ウェハの切削面のゆがみやたわみ等の現象を防止し、シリコン・ウェハ品質の低下を防止することができる有用な効果がある。
【0019】
また、本発明の廃シリコン・スラリー精製方法は、廃水精製の段階を含むことにより、廃水排出量を低減させ、また廃水の化学的酸素要求量を減少させるため、廃水処理の負荷を減少させることができる有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施例による廃シリコン・スラリー精製装置の構成図。
【図2】図2は、本発明による固形物と切削油の分離部(100)を図示した実施例。
【図3】図3は、本発明による研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)を図示した実施例。
【図4】図4は、本発明による切削油精製部(300)を図示した実施例。
【図5】図5は、本発明による廃水精製部(400)を図示した実施例。
【図6】図6は、図1による廃シリコン・スラリー精製装置の廃シリコン・スラリー精製方法を示した工程順序図。
【図7】図7は、本発明による研磨剤精製方法を示した工程順序図。
【図8】図8は、本発明による切削油精製方法を示した工程順序図。
【図9】図9は、本発明による廃水精製方法を示した工程順序図。
【実施例】
【0021】
以下、添付した図面を参照し、前述した内容および追加的な様式を、適切な実施例を通じて、本発明を当業者が容易に理解し再現することができるように詳細にわたり説明することにする。
【0022】
本明細書での廃シリコン・スラリーとは、シリコン・インゴット(SILICON INGOT)またはワイヤーソー(WIRE SAW)から排出される切削粉末と研磨剤、切削油が混合した混合物である。また固形物とは、磁力成分不純物の除去工程を通過した廃シリコン・スラリーを分離器に投入し、分離器にて切削油を分離する工程を通じて得られる切削粉末と研磨剤を含む混合物、または廃水再循環過程で分離排出される混合物である。
【0023】
図1は、本発明の一実施例における廃シリコン・スラリー精製装置の構成図であり、図2は本発明における固形物と切削油の分離部(100)、図3は、本発明における研磨剤精製および研磨剤粉末の生成部(200)、図4は、本発明における切削油回収部(310)および切削油の基油精製部(320)、図5は本発明における廃水精製部(400)を図示した実施例である。
【0024】
先ず、図1に図示した通り、本実施例における廃シリコン・スラリー精製装置には大きく、固形物と切削油の分離部(100)、研磨剤精製および研磨剤粉末の生成部(200)、切削油の回収部(310)、切削油の基油精製部(320)、廃水精製部(400)が含まれる。
【0025】
固形物と切削油の分離部(100)
固形物と切削油の分離部(100)は廃シリコン・スラリーから固形物と切削油を分離する装置である。図2に図示した通り、一実施例において、固形物と切削油の分離部(100)には、第1 攪拌器(111)、磁力成分不純物除去用フィルター(112)、加熱・攪拌タンク(113)、第1分離器(114)、切削油保管タンク(115)、第2攪拌器(116)、第2分離器(117)が含まれる。
【0026】
第1攪拌器(111)は、廃シリコン・スラリーが投入されると30分以上充分に攪拌し、沈殿した固形物を均等に混合する。第1攪拌器(111)にて攪拌された廃シリコン・スラリーはポンプ(図示なし)により磁力成分不純物除去用フィルター(112)へと送られる。廃シリコン・スラリーの粘度を下げるため、予熱熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルター(112)への移送中に廃シリコン・スラリーを、例えば30℃以上50℃以下に予熱することができる。
【0027】
磁力成分不純物除去用フィルター(112)は鉄分と共に凝集したシリコン凝集体を除去する。磁力成分不純物除去用フィルター(112)は、電気磁石または永久磁石を内部に装着し、電気を統制したり、磁石を分離することで鉄分を排出できるように構成することができる。磁力成分不純物除去用フィルター(112)は、鉄分を円滑に排出するための攪拌器の装着が可能であり、また、回転する磁石表面に鉄分を吸着したり、切削刃を取り付け切削した鉄分を排出させ連続的にろ過するといった多様な用途の装置として使用可能である。
【0028】
加熱・攪拌タンク(113)は磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーを30℃以上50℃以下に加熱しながら攪拌し廃シリコン・スラリーの粘度を下げ、沈殿することを防止する。加熱・攪拌タンク(113)はレベルスイッチやレベルコントローラーを装着し廃シリコン・スラリーが溢れ出たりタンクが空になった場合、ポンプの稼働を防止するように構成することができる。加熱・攪拌タンク(113)は、スチーム、電気、温水等の多様な熱源で加熱でき、温度センサーおよび温度コントロールバルブと凝縮水を円滑に除去するためのスチームトラップをそれぞれ装着し使用するか、または温度コントロール(CONTROL)バルブ、スチームトラップをそれぞれ単体で装着して使用することができる。
【0029】
加熱・攪拌タンク(113)で加熱する時間を短縮するために、熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルター(112)から加熱・攪拌タンク(113)への移送中に廃シリコン・スラリーを予熱することができる。熱交換器と加熱・攪拌タンク(113)に熱源を供給し、廃シリコン・スラリーを、例えば25℃以上50℃以下に加熱し、廃シリコン・スラリーの粘度を下げる。
【0030】
第1分離器(114)は、加熱・攪拌タンク(113)にある“磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーの一部”を第1固形物と第1切削油に分離する。第1分離器(114)はフィルタープレス、または遠心分離器で具現可能である。一例として遠心分離器は1ΜM以上、10MM以下の大きさまで除去でき、固形物の濃度が1〜50(%)を占める廃シリコン・スラリーを処理することができる遠心分離器であることがある。このような遠心分離器は、低い速度でスクリューが回転しながら遠心力により壁面に移動した固形物を排出させ、相対的に遠心力が弱く作用する切削粉末と切削油は、分離器内に滞積した後、溢れ出る。遠心分離器は廃シリコン・スラリーの温度、濃度、粘度によって速度を変化させることができるようにローターとスクリューそれぞれに、モーター、インバーターおよびコントローラー(CONTROLLER)を装着して使用することができる。
【0031】
切削油保管タンク(115)は、第1分離器(114)にて分離された第1切削油を保管する。第2攪拌器(116)は、切削油保管タンク(115)に保管された第1切削油と加熱・攪拌タンク(113)に貯蔵された磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーの残り一部を投入して攪拌し、切削油スラリーを製造する。一例として、第2攪拌器(116)は混合物の粘度を低くするためスチーム、電気、温水等の多様な熱源で加熱できる。また第2攪拌器(116)は、再循環した水が投入されるように構成される。
【0032】
第2分離器(117)は、第2攪拌器(116)にて切削油スラリーの投入を受け第2固形物と第2切削油に分離する。一例として、第2分離器(117)は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)と濁度計、およびプレコート・スラリータンクを合わせて具現可能である。プレコート・スラリーは、例えば固形物の量がプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)のろ過室の容積の30%以上、70%以下であり、切削油と固形物の濃度が30%以上、50%以下になるように混合したスラリーであることがある。このようなプレコート・スラリーは、プレコート・スラリータンクで製造され、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)へ供給される。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、供給されたプレコート・スラリーに含まれる大きな粒子の一部のみがフィルター表面に付着した後、漸進的に小さな粒子が大きな粒子の隙間を埋めプレコートが形成される。
【0033】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、第2攪拌器(116)から切削油スラリーが一定の圧力で一定時間供給されると、以降プレコート・スラリータンクからプレコート・スラリーが予め設定された圧力と時間でプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に供給される。このような過程を数回繰り返すと、固形物はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残り、切削油は通過する。一例として、50℃以上の熱い圧縮空気を10分間供給し、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残留した切削油を加熱しながら排出する熱空気加圧工程が採用される頻度が高い。このような工程が終了するとプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で固形物が分離する。
【0034】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)から排出される切削油は、濁度計で測定した結果、設定される濁度に達しない場合、再び第2攪拌器(116)へ送られ循環する。一方、設定された濁度に達した切削油は切削油保管タンク(図4の参照番号311)に保管される。
【0035】
研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)
図1において、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)は、固形物と切削油の分離部(100)にて分離された第1、第2固形物から、研磨剤を大きさ別に分離し、精製研磨剤粉末を製造する装置である。図3に図示したとおり、一実施例において研磨剤の精製および研磨剤粉末の生成部(200)には、第1混合器(211)、磁力成分不純物除去用フィルター(212)、第3分離器(213)、第2混合器(214)、洗浄機(215)、第4分離器(216)、スクリーン・フィルター(217)、脱水機(218)、乾燥機(219)、移送部(220)が含まれて実現できる。
【0036】
第1混合器(211)は固形物と切削油の分離部(100)の第1、第2分離器(114、117)にて分離され供給される第1、第2固形物を、例えば50℃以上、70℃以下の水と混合しウォーター・スラリーを作る装置である。第1混合器(211)は、攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と固形物の混合比を2:1以上になるように混合し、固形物に含まれる切削油を溶かすのに使用される。
【0037】
磁力成分不純物除去用フィルター(212)は、第1混合器(211)に残留した切削油が溶けたウォーター・スラリーを通過させ、鉄分と凝集した異物質(例えばシリコン)を除去する。磁力成分不純物除去用フィルター(212)は電気磁石または永久磁石を内部に装着し、電気を統制したり磁石を分離すると鉄分を排出できるように構成することができる。磁力成分不純物除去用フィルター(212)は、鉄分が円滑に排出されるように攪拌器を装着でき、また回転する磁石表面にろ過網を設置し、鉄分と同時に排出し連続的にろ過する多様な用途の装置を使用できる。
【0038】
第3分離器(213)は、磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーから研磨剤を分離し、残りの異物質を分離・除去する。第3分離器(213)は、一例として300〜600RPMの遠心分離器として具現可能であり、遠心分離器から水とともに切削粉末が排出され、遠心分離されたスラリーは切削粉末の含有量が基準値(例えば0.5%)以下になるまで第1混合器(211)へ再度送られる。ここで遠心分離器は、その回転速度に伴い600RPMでは3ΜM未満の切削粉末を水とともに排出し、400RPMでは5ΜM未満の切削粉末を水とともに排出することができる。
【0039】
第2混合器(214)は攪拌器と水位測定センサー含むことがあり、例えば50℃以上70℃以下の水と第3分離器(213)にて分離された研磨剤を5:2の比率で混合する上で使用される。洗浄機(215)は、第2 混合器(214)にて研磨剤と水が混合したスラリーに振動を印加し、研磨剤表面に付着している切削粉末を除去し水とともに排出する装置である。一例として洗浄機(215)は、超音波洗浄機、ブラシローラーを用いた機械的洗浄機等で具現可能である。
【0040】
第4分離器(216)は、洗浄機(215)の洗浄過程を通じ得られる研磨剤を、大きさ別に分離する装置である。第4分離器(216)は分給タンク、水タンク、多数のソレノイドバルブ、流量計、オーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)で具現可能である。分給タンクの下部に供給された研磨剤は、水タンクの水が流量計とソレノイドバルブを通じ分給タンクへ供給されると、相対的に大きな研磨剤の粒子は分給タンクの下部に沈殿し、有効な大きさの研磨剤は浮遊し、小さな研磨剤は浮上して3ΜM以上5ΜM以下の網を有するフィルターが装着されたオーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)を通じ分給タンクの外に排出される。分給タンク内部の側面には永久磁石が装着され磁力成分不純物を除去できるように構成される。分給タンク内部には上部に小さなサイズの研磨剤が、下部には大きな研磨剤が大きいものから順に分離される。
【0041】
スクリーン・フィルター(217)は、第4分離器(216)でも分離されず凝集した例えば20ΜM以上の研磨剤を除去する。脱水機(218)は、第4分離器(216)にて分離され排出される研磨剤に含まれる水を除去する。脱水機(218)は200〜400メッシュ(MESH)のろ過布を装着したフィルタープレスで具現可能である。
【0042】
乾燥機(219)は、脱水機(218)で水が取り除かれた研磨剤を乾燥させる。乾燥機(219)は、スチームが供給される研磨剤スクリュー乾燥機で具現可能である。スクリュー乾燥機はスクリューが回転しながら研磨剤を混合・解体させ、広い面積の熱伝達面積と接触して水を蒸発・乾燥させる。乾燥過程において水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり、研磨剤供給量を加減、もしくはスクリュー回転速度を調節して研磨剤内の水分含量を調節できる。
【0043】
移送部(220)は、乾燥機(219)で乾燥が終了した研磨剤粉末を回収装置へ移送させる。移送部(220)は、コンベヤー(CONVEYER)で具現可能であり、コンベヤー(CONVEYER)に電磁石鉄分除去器を装着する場合、研磨剤粉末に含まれる鉄分を除去することにより、異物質である切削粉末の含有量が1PPMの純度を有する研磨剤を粉末状態で回収することができる。
【0044】
切削油回収部(310)および切削油の基油精製部(320)
図1にて、切削油回収部(310)は、固形物と切削油の分離部(100)にて分離されたパラフィン系オイルを基油とする切削油を回収する装置であり、切削油の基油精製部(310)は水溶性ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を基油とする切削油を精製する装置である。図4に図示したとおり、一実施例において、切削油回収部(310)には、切削油保管タンク(311)、蒸発器(312)、精製切削油保管タンク(313)が含まれ、切削油の基油精製部(310)には、第3混合器(321)、第5分離器(322)、蒸発器(323)、精製切削油の基油保管タンク(324)が含まれる。
【0045】
切削油保管タンク(311)には、第2分離器(117)にて分離され排出される切削油の中でも、濁度計での測定結果が設定された濁度に達する切削油を保管する。蒸発器(312)は、切削油保管タンク(311)から供給される切削油に含まれる水を蒸発させる。蒸発器(312)は、スチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程において、水分計で水分含量をチェックし一定量未満になるようスチーム圧力と供給量を調節したり、切削油供給量を加減調節し切削油内の水分含量を調節できる。精製切削油保管タンク(313)は、蒸発器(312)から排出される精製切削油を保管する。
【0046】
第3混合器(321)は、切削油保管タンク(311)から供給される切削油を活性炭粉末と混合する。活性炭粉末は切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着する。
【0047】
第5分離器(322)は、第3混合器(321)で混合された切削油と活性炭粉末を分離する。第5分離器(322)は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で具現可能である。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で、切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着した粉末活性炭は、ろ過され切削油の原料であるジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を分離する。蒸発器(323)は、第5分離器(322)から供給される切削油に含まれる水を蒸発させる。蒸発器(323)はスチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチームの圧力や供給量を調節したり、切削油の供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。精製切削油の基油保管タンク(324)は、蒸発器(323)から排出される精製切削油の基油を保管する。
【0048】
廃水精製部(400)
図1において、廃水精製部(400)は、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)にて発生する全ての廃水を精製する装置である。図5に図示した通り、一実施例において、廃水精製部(400)にはプレコート・スラリー保管タンク(411)、廃水保管タンク(412)、第6分離器(413)、精製水保管タンク(414)が含まれる。
【0049】
プレコート・スラリー保管タンク(411)はプレコート・スラリーが保管される。ここでプレコート・スラリーは、第6分離器(413)から排出される固形物と再循環水と活性炭粉末が混合し製造されるスラリーである。
【0050】
排水保管タンク(412)は、研磨剤精製および研磨剤粉末生成部(200)にて発生する廃水と、一例として第6分離器(413)から排出される廃水のうち、濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない廃水を保管する。
【0051】
第6分離器(413)は、プレコート・スラリー保管タンク(411)からプレコート・スラリーを、廃水保管タンク(412)から廃水の供給を受け、再循環水と固形物を分離する。一例として、第6分離器(413)はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)と濁度計で具現可能である。第6分離器(413)で分離・排出される固形物の一部はプレコート・スラリーを製造する上で使用され、残りはセメント製造用エネルギー源として使用される。
【0052】
精製水保管タンク(414)は、第6分離器(413)から供給される精製水を保管する。精製水保管タンク(414)に保管される再循環水は濁度計で測定した結果が設定された濁度に達する水であり廃シリコン・スラリー精製用用水として再利用される。
【0053】
図6は、本発明による廃シリコン・スラリー精製装置の廃シリコン・スラリー精製方法を示した工程順序図である。
【0054】
図示した通り、本発明による廃シリコン・スラリー精製方法は大きく、廃シリコン・スラリーから固形物と切削油を分離する段階(S10)と、固形物から研磨剤を精製し、精製研磨剤粉末を製造する段階(S20)、切削油の基油を精製する段階(S30)、研磨剤を精製する段階から発生する廃水を精製する段階(S40)で構成され具現化される。
【0055】
先ず、固形物と切削油を分離する段階(S10)を説明すると、廃シリコン・スラリーを攪拌器に投入する(S11)。攪拌器に投入された廃シリコン・スラリーの粘度を調節するため、攪拌器に切削油または水を投入し廃シリコン・スラリーと混合・攪拌することができる(S13)。
【0056】
以降、ポンプを利用し攪拌器から廃シリコン・スラリーを磁力成分不純物除去用フィルターへ移送させる。磁力成分不純物除去用フィルターにて廃シリコン・スラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する(S15)。廃シリコン・スラリーの粘度を低くするため予熱熱交換器(図示なし)を利用し磁力成分不純物除去用フィルターへの移送中に廃シリコン・スラリーを、例えば30℃以上50℃以下に予熱することができる。
【0057】
一例として、本発明による廃シリコン・スラリー精製方法は、磁力成分不純物除去用フィルターにて磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーを再度攪拌器に投入する段階S11から再び繰り返して行うことができる。
【0058】
以降、磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーに含まれる第1固形物と第1切削油を分離する(S17)。本発明の特徴的な様式によれば、段階S17は磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階である。
【0059】
一例として、第1分離器はフィルタープレスまたは遠心分離器で具現可能である。一例として、遠心分離器は1ΜM以上10MM以下の大きさまで除去でき、固形物の濃度が1〜50(%)を占める廃シリコン・スラリーを処理できる遠心分離器であることがある。このような遠心分離器は低い速度でスクリューが回転しながら遠心力により壁面に移動した固形物を排出し、相対的に遠心力が弱く作用した切削粉末と切削油は分離器内に滞積した後、溢れ出るようになる。遠心分離器は廃シリコン・スラリーの温度、濃度、粘度によって速度を変化させることができるように、ローターとスクリューのそれぞれにモーター、インバーター、コントローラー(CONTROLLER)を装着し使用することができる。
【0060】
以降、段階S17にて分離された第1切削油を段階S17にて使用されていない残りの廃シリコン・スラリーと混合し、切削油スラリーを攪拌器にて製造する(S18)。切削油と廃シリコン・スラリーが混合した切削油スラリーを第2分離器に投入して、第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する(S19)。
【0061】
一例として、第2分離器にはプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)、濁度計、プレコート・スラリータンクが含まれる。プレコート・スラリーは例えば固形物の量がプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)のろ過室容積の30%以上70%以下であり、切削油に固形物の濃度が30%以上50%以下になるように混合したスラリーであることがある。このようなプレコート・スラリーはプレコート・スラリータンクにて製造され、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)へと供給される。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、供給されたプレコート・スラリーに含まれる大きな粒子の一部のみがフィルター表面に付着した後、漸進的に小さな粒子が大きな粒子の隙間を埋めプレコートが形成される。
【0062】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)は、攪拌器から切削油スラリーが一定の圧力で一定の時間供給されると、プレコート・スラリータンクからプレコート・スラリーが予め設定された圧力と時間でプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に供給される。このような過程を数回繰り返すと、固形物はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残り、切削油は通過する。一例として、50℃以上の熱い圧縮熱空気を10分間供給し、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)に残留した切削油を加熱しながら排出する熱空気加圧工程が採用される頻度が高い。このような工程が終了するとプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて固形物が分離する。
【0063】
プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて排出された切削油は濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない場合、再度攪拌器へと送られ循環される。一方、設定された濁度に達した切削油は切削油保管タンクに保管される。
【0064】
以下、固形物から研磨剤を精製し、精製された研磨剤粉末を製造する段階(S20)を説明すると、段階S17、S19にて分離された固形物は第1混合器へと送られ、第1混合器にて固形物と、例えば50℃以上70℃以下の水を混合し、ウォーター・スラリーを製造する(S21)。第1混合器は攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と固形物の混合比を2:1以上になるように混合し、固形物に含まれる切削油を溶かすのに使用される。
【0065】
以降、固形物と水が混合したウォーター・スラリーから磁力成分不純物を除去し(S23)、磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーから研磨剤を分離し、精製研磨剤粉末を製造する(S25)。
【0066】
以下、研磨剤を分離し、精製研磨剤粉末を製造する段階S25と、切削油の基油を精製する段階(S30)と、研磨剤を精製する段階から発生する廃水を精製する段階(S40)を図示した図7から図9を参照しながら詳細に説明する。
【0067】
図7は、本発明による研磨剤精製および研磨剤粉末製造方法を示した工程順序図である。
【0068】
第1混合器(図6の段階S23)にて混合されたウォーター・スラリーを第3分離器に投入し、第3分離器にて研磨剤を分離する(S251)。第3分離器は一例として、300〜600RPM遠心分離器で具現可能であり、遠心分離器にて水とともに切削粉末が排出され、遠心分離されたスラリーは切削粉末の含有量が基準値(例えば0.5%)以下になるまで図6の段階S21から前述した第1混合器へと再び送られる。ここで遠心分離器は、その回転速度によって600RPMでは3ΜM未満の切削粉末を水とともに排出し、400RPMでは5ΜM未満の切削粉末を水とともに排出することができる。
【0069】
以降、分離された研磨剤は第2混合器へと送られ、第2混合器にて研磨剤と、例えば50℃以上70℃以下の水を混合し、スラリーを製造する(S252)。ここで第2混合器は攪拌器と水位測定センサーを含むことがあり、水と分離された研磨剤を5:2の比率で混合する上で使用される。
【0070】
以降、研磨剤と水が混合されたスラリーを磁力成分不純物除去用フィルターへと移送させる。磁力成分不純物除去用フィルターにてスラリーに含まれる鉄分とともに凝縮された異物質(例えばシリコン)を除去する(S253)。段階S253以降、スラリーは再度第2混合器に投入され段階S252から再度繰り返し行われる。
【0071】
以降、洗浄機にて磁力成分不純物が除去されたウォーター・スラリーに振動を印加し研磨剤表面に付着している切削粉末を除去し水とともに排出する(S254)。一例として、洗浄機は超音波洗浄機、ブラシローラーを利用した機械的洗浄機等で具現可能である。
【0072】
以降、洗浄段階S254を通過した研磨剤を第4分離器に投入し、第4分離器にて大きさ別に分離する(S255)。第4分離器には、補給タンク、水タンク、多数のソレノイドバルブ、流量計、オーバーフロー・ノズル(OVERFLOW NOZZLE)が含まれる。分給タンクの下部に供給された研磨剤は、水タンクの水が流量計とソレノイドバルブを通じ分給タンクへと供給されると、相対的に大きな研磨剤粒子は分給タンクの下部に沈殿し、有効な大きさの研磨剤は浮遊し、小さなサイズの研磨剤は浮上し3ΜM以上5ΜM以下の網を有するフィルターが装着されたオーバーフロー・ノズル(OVER FLOW NOZZLE)を通り分給タンクの外へ排出される。分給タンクの内部側面には永久磁石が装着され磁力成分不純物を除去できるように構成可能である。分給タンク内部には上部に小さなサイズの研磨剤、下部に大きな研磨剤が大きいものから順に分離される。
【0073】
以降、分離された研磨剤は脱水機に送られ、脱水機にて研磨剤に含まれる水を除去する(S256)。一例として、脱水機は200〜400メッシュ(MESH)のろ過布を装着したフィルタープレスで具現可能である。
【0074】
以降、水が除去された研磨剤を乾燥機にて乾燥させる(S257)。乾燥機はスチームが供給される研磨剤スクリュー乾燥機で具現可能である。スクリュー乾燥機はスクリューが回転しながら研磨剤を混合・解体させ広い面積の熱伝達面積と接触し水を蒸発・乾燥させる。乾燥過程において水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり、研磨剤の供給量を加減、またはスクリュー回転速度の調節により研磨剤内の水分含量を調節することができる。
【0075】
以降、乾燥機にて乾燥された研磨剤は移送部により研磨剤粉末を回収する回収装置へと移送される。移送部はコンベヤー(CONVEYER)で具現可能であり、コンベヤー(CONVEYER)に電磁石鉄分除去器を装着する場合、研磨剤粉末に含まれる磁力成分不純物を除去(S258)することができる。
【0076】
図8は、本発明による切削油の基油精製方法を示した工程順序図である。
【0077】
本発明の一実施例による切削油の基油精製方法は図6の段階S19にて分離された切削油に含まれる水を蒸発器にて蒸発させ精製する方法で具現可能である。蒸発器はスチームによって加熱されるウォーター蒸発器で具現される。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし、一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり切削油供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。
【0078】
本発明の別の実施例による切削油の基油精製方法は、図6の段階S19にて分離された切削油を活性炭粉末と第3混合器にて混合する(S31)。活性炭粉末は切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着する。
【0079】
以降、混合された切削油と活性炭粉末を第5分離器に投入し、第5分離器にて切削油を分離する(S32)。第5分離器はプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)で具現可能である。プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)にて切削油に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、粘度調整剤を吸着した粉末活性炭は、ろ過され切削油の原料であるジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)を回収し、原料として再利用することができる。
【0080】
以降、分離された切削油の基油に含まれる水を蒸発器にて蒸発(S33)させ切削油の基油を精製する(S33)。蒸発器はスチームにより加熱するウォーター蒸発器で具現可能である。蒸発過程にて水分計で水分含量をチェックし一定量未満になるようにスチーム圧力と供給量を調節したり切削油の供給量を加減調節し、切削油内の水分含量を調節することができる。
【0081】
図9は、本発明による廃水精製方法を示した工程順序図である。
【0082】
図示したとおり、廃水を精製する方法は、図6の段階S25にて分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する(S41)。混合した廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを、第6分離器に投入し、第6分離器にて再循環水と固形物を分離する(S32)。ここでプレコート・スラリーは第6分離器にて排出される固形物と精製水と活性炭粉末が混合し製造されるスラリーである。
【0083】
第6分離器にて排出される廃水中、濁度計で測定した結果が設定された濁度に達しない廃水は活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階S41を再度経ることになる。第6分離器にて分離・排出される固形物の一部はプレコート・スラリーを製造するのに使用され、残りはセメント製造用エネルギー源として使用することができる。濁度計で測定した結果が設定された濁度に達する水は廃シリコン・スラリー精製用用水として再利用される。
【0084】
これまで本明細書では、本発明に関わる技術分野において通常の知識を有する者が、本発明を容易に理解し再現できるように図面に図示した実施例を参考に説明してきたが、これは例示的なものに過ぎず、当該の技術分野に通常の知識を有する者であれば、本発明の実施例から多様な変形および均等なその他の実施例が可能であるという点を理解できると言える。従って本発明の核心的な技術面の保護範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、b)上記の分離された固形物を水と混合する段階と、c)上記の固形物と水が混合されたスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離された研磨剤を精製研磨剤粉末として製造する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項2】
第1項において、上記a)段階がa−1)上記の廃シリコン・スラリーを攪拌機に投入する段階と、a−2)上記の攪拌器に投入された廃シリコン・スラリーを加熱しながら攪拌する段階と、a−3)上記の廃シリコン・スラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する段階と、a−4)上記の磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、上記の第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階と、a−5)上記のa−4)段階において分離された第1切削油を上記a−4)段階にて使用されていない残りの磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーと混合する段階およびa−6)上記のa−5)段階において混合された第1切削油と廃シリコン・スラリーを第2分離器に投入し、上記の第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項3】
第2稿において、上記の第1分離器は、フィルタープレス、または遠心分離器のどちらかであり、上記の第2分離器は、プレコート・スラリーが投入されるプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項4】
第1項において、上記のc)段階がc−1)上記の固形物と水が混合されたスラリーから磁力成分不純物を除去する段階と、c−2)上記の固形物と水が混合されたスラリーを第3分離器に投入し、上記の第3分離器から研磨剤と廃水を分離する段階と、c−3)上記の分離された研磨剤を水と混合する段階と、c−4)上記の研磨剤と水が混合されたスラリーに振動を印加し、上記の研磨剤表面に付着している切削粉末を除去する洗浄段階と、c−5)上記の洗浄段階を通過した研磨剤を第4分離器に投入し、上記の第4分離器にて大きさ別に分離する段階と、c−6)上記の分離された研磨剤に含まれる水を除去する段階と、c−7)上記の水が除去された研磨剤を乾燥させる段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項5】
第4項において、上記のc−3)段階が上記の研磨剤と水が混合されたスラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項6】
第4項において、上記のc)段階がc−8)上記の乾燥した研磨剤に含まれる磁力成分不純物を除去する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項7】
第4項において、上記の第3分離器は遠心分離器であり、上記の第4分離器は分給タンクを含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項8】
第1項において、上記の廃シリコン・スラリー精製方法がd)上記のa)段階において分離された切削油の基油を精製する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項9】
第8項において、上記のd)段階がd−1)上記のa)段階にて分離された切削油を活性炭粉末と混合する段階と、d−2)上記のd−1)段階にて混合された切削油と活性炭粉末を第5分離器に投入し、上記の第5分離器にて切削油を分離する段階と、d−3)上記の分離された切削油に含まれる水を蒸発させる段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項10】
第9項において、上記の第5分離器は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項11】
第1項において、上記の廃シリコン・スラリー精製方法がe)上記のc)段階において分離された廃水を精製する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項12】
第11項において、上記のe)段階がe−1)上記のc)段階において分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、e−2)上記のe−1)段階にて混合された廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、上記の第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項13】
第12項において、上記の第6分離器は、プレコート・スラリーが投入されるプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項1】
a)廃シリコン・スラリーに含まれる固形物と切削油を分離する段階と、b)上記の分離された固形物を水と混合する段階と、c)上記の固形物と水が混合されたスラリーから研磨剤と廃水を分離し、分離された研磨剤を精製研磨剤粉末として製造する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項2】
第1項において、上記a)段階がa−1)上記の廃シリコン・スラリーを攪拌機に投入する段階と、a−2)上記の攪拌器に投入された廃シリコン・スラリーを加熱しながら攪拌する段階と、a−3)上記の廃シリコン・スラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する段階と、a−4)上記の磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリー中の一部を第1分離器に投入し、上記の第1分離器にて第1固形物と第1切削油を分離する段階と、a−5)上記のa−4)段階において分離された第1切削油を上記a−4)段階にて使用されていない残りの磁力成分不純物が除去された廃シリコン・スラリーと混合する段階およびa−6)上記のa−5)段階において混合された第1切削油と廃シリコン・スラリーを第2分離器に投入し、上記の第2分離器にて第2固形物と第2切削油を分離する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項3】
第2稿において、上記の第1分離器は、フィルタープレス、または遠心分離器のどちらかであり、上記の第2分離器は、プレコート・スラリーが投入されるプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項4】
第1項において、上記のc)段階がc−1)上記の固形物と水が混合されたスラリーから磁力成分不純物を除去する段階と、c−2)上記の固形物と水が混合されたスラリーを第3分離器に投入し、上記の第3分離器から研磨剤と廃水を分離する段階と、c−3)上記の分離された研磨剤を水と混合する段階と、c−4)上記の研磨剤と水が混合されたスラリーに振動を印加し、上記の研磨剤表面に付着している切削粉末を除去する洗浄段階と、c−5)上記の洗浄段階を通過した研磨剤を第4分離器に投入し、上記の第4分離器にて大きさ別に分離する段階と、c−6)上記の分離された研磨剤に含まれる水を除去する段階と、c−7)上記の水が除去された研磨剤を乾燥させる段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項5】
第4項において、上記のc−3)段階が上記の研磨剤と水が混合されたスラリーに含まれる磁力成分不純物を除去する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項6】
第4項において、上記のc)段階がc−8)上記の乾燥した研磨剤に含まれる磁力成分不純物を除去する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項7】
第4項において、上記の第3分離器は遠心分離器であり、上記の第4分離器は分給タンクを含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項8】
第1項において、上記の廃シリコン・スラリー精製方法がd)上記のa)段階において分離された切削油の基油を精製する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項9】
第8項において、上記のd)段階がd−1)上記のa)段階にて分離された切削油を活性炭粉末と混合する段階と、d−2)上記のd−1)段階にて混合された切削油と活性炭粉末を第5分離器に投入し、上記の第5分離器にて切削油を分離する段階と、d−3)上記の分離された切削油に含まれる水を蒸発させる段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項10】
第9項において、上記の第5分離器は、プレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項11】
第1項において、上記の廃シリコン・スラリー精製方法がe)上記のc)段階において分離された廃水を精製する段階を更に含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項12】
第11項において、上記のe)段階がe−1)上記のc)段階において分離された廃水に活性炭粉末とプレコート・スラリーを混合する段階と、e−2)上記のe−1)段階にて混合された廃水と活性炭粉末とプレコート・スラリーを第6分離器に投入し、上記の第6分離器にて精製水と固形物を分離する段階を含むことを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【請求項13】
第12項において、上記の第6分離器は、プレコート・スラリーが投入されるプレコート・フィルター(PRECOAT FILTER)であることを特徴とする廃シリコン・スラリー精製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−505144(P2013−505144A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529645(P2012−529645)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005332
【国際公開番号】WO2011/034224
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(511263770)リサイクル システム コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005332
【国際公開番号】WO2011/034224
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(511263770)リサイクル システム コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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