説明

廃棄有機物処理用小型焼却装置および焼却方法

【課題】廃棄物の減量と経費削減効果として高効率のよい小型処理装置を提供する。
【解決手段】廃棄有機物を小型焼却処理装置で高速で燃焼処理し、かつ使用エネルギーを高効率化し、省エネルギーにより廃棄有機物を燃焼処理し、またダイオキシン類の発生を抑え、事業所などにおける廃棄有機物の減量と経費削減を行う。また事業所に焼却炉を設置できず、事業所内から出せない廃棄有機物を事業所内処理するための車載型移動式小型焼却炉装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄有機物を高速でかつ、補助燃料を高効率に使用し廃棄有機物を焼却処理する為の装置及び焼却方法および冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの環境問題をかかえている。その中でもゴミ処理問題は、食品リサイクル法などにより 各事業所で処理しなければならないという法的強制があり、業種形態により事業所内処理率が明記され事業所内処理をしなければならない状況にある。また医療機関においても廃棄物を院内で一定量以上排出する医療機関では、ゴミの減量を図らなければなければならない状況にある。高齢化社会の中、入院療養患者の使用済みおむつの量が年々増えつづけており、病棟からでる廃棄有機物である使用済み紙おむつが感染性の場合も多く、その分別が手間でおむつを感染性廃棄物として出している場合が多いため医療機関においても経費が膨れているのが現状である。減量では焼却処理が一般的であるが焼却処理の焼却炉については効率がよく費用対効果など満足のいく焼却炉が見当たらないのが現状である。従って廃棄物の減量と経費削減効果として高効率のよい小型処理装置が待たれている。また事業所に焼却炉を設置できず、事業所内から出せない廃棄有機物を事業所内処理するための車載型移動式小型焼却炉で焼却処理する装置が待たれている。
【0003】
こうした状況のなか小規模処理焼却炉などで、紫外線照射殺菌誘導コイル発振発熱を利用したもの(特願第2000−92431号)あるいは、炭化装置(特許第3700947号)また水中粉砕後に焼却する装置(特願2004−13030号)がある。
【0004】
しかし、これらの技術で紫外線照射殺菌誘導コイル発振発熱利用処理は高度なメンテナンスがいり、導入コストが高額になる問題を有している。
【0005】
また炭化装置では処理後の減容率が低く、残渣物の取り扱いの複雑さ、また処理装置を稼動させるための燃料費が大きいという問題を有している。
【0006】
また水中粉砕後に焼却する装置においては水中粉砕後に焼却処理する場合、焼却する廃棄物を粉砕し減容されて処理が簡素化しているが、水中粉砕後の汚濁水は水質汚濁防止法の排出基準内にするための水処理に、高度な設備を有するなどの問題を有している。
【0007】
また、焼却炉のバッチ処理の場合、1バッチの焼却時間と冷却時間を含めると長時間冷却放置しなければならず、1日の処理回数は1回程度となり、1回で多く処理しようとすれば処理装置の大型化で費用がかさみ経費削減効果とはならないなどの問題を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、廃棄有機物を小型焼却処理装置で高速で燃焼処理し、かつ使用エネルギーを高効率化し、省エネルギーにより廃棄有機物を燃焼処理し、またダイオキシン類の発生を抑え、事業所などにおける廃棄有機物の減量と経費削減を目的とした廃棄有機物の省エネルギー高速焼却処理装置を提供することにある。
また事業所に焼却炉を設置できず、事業所内から出せない廃棄有機物を事業所内処理するための車載型移動式小型焼却炉で焼却処理する装置と方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は廃棄有機物を高速でかつ省エネルギー焼却処理し、事業所の廃棄有機物の事業所内処理によるゴミの減量化と、経費削減のための廃棄有機物の省エネルギー高速焼却処理装置に関する。
【0010】
構成要素として、自動開閉投入装置、焼却炉部、排出ガス処理装置、粉塵集塵装置から構成する。小型焼却炉の法律処理規定で排出ガスは800℃以上で処理する規定がある。このため焼却工程は最初に排ガス処理装置により800℃以上で処理できる状況下を準備した後に焼却工程に入ることとする。すなわち、外部から遮断した多重容器で外側耐火容器と、その内側に配置した内側耐火容器との間に空気旋回層を設け、外部から送風機で空気をとりいれ内側耐火容器との間に設けた空気層が一定方向に旋回しながら内側耐火容器に入り込む流入孔を施す。処理物投入口は、耐火容器の上部に設け、自動開閉装置で投入後完全密閉する。投入された廃棄有機物は助燃装置により着火すると同時に外部空気流入口から送風機で空気を強制流入させる。外側耐火容器と内側耐火容器の間の空気旋回層に送り込まれた空気は旋回しながら、内側耐火容器に施された流入孔より、内側耐火容器内に流入し、内側耐火容器内で着火された廃棄有機物が、空気の旋回風により内側耐火容器内で燃焼処理する。内側耐火容器の旋回燃焼が廃棄有機物の含む水分を旋回燃焼により水蒸気となり廃棄有機物が水分なしの化石燃料として燃焼する。従って廃棄有機物全部が燃料となり高速で廃棄有機物が燃焼処理される。また、旋回空気は通常の燃焼作用に加え、火災旋風として廃棄有機物の燃焼により高燃焼促進作用としてはたらく、助燃装置は一定温度以上になったときにセンサーが感知し自動停止する、従って燃料使用は着火時と一定温度以上になるまでで、その後は旋回空気の酸素供給により廃棄有機物全体が燃焼エネルギーに変わり、省エネルギー焼却処理となる。また内側耐火容器から排気する排出ガスは、排出ガス処理室に入りガス処理室の外側に設けられた燃焼バーナーにより800℃以上にコントロールされる、かつ燃焼ガス濃度があがった場合に備え燃焼に必要な酸素を供給するための空気強制流入のための送風機を施して酸素を供給する。ガス処理室では焼却炉から流入する燃焼ガスが複数秒滞留するための滞留促進翼を設ける。ガス処理室で処理された排出ガスは冷却と粉塵除去のため、集塵装置に流入し、冷却集塵装置で冷却集塵された後排出ガスは大気に放出する。
【00011】
耐火容器外側から送風機により吸入した耐火外側容器と耐火内側容器の間を旋回しながら内側耐火容器の流入口から流入し内側耐火容器内で一定方向に回転しながら廃棄有機物を燃焼する。一定温度以上で燃焼バーナーは停止し、後は水分を蒸発させた廃棄有機物が燃料となり燃焼に必要な酸素の強制供給だけで高速燃焼処理する。燃焼中の内側耐火容器内は回転する燃焼風となり通常の燃焼は自然の上昇気流燃焼であるが本発明の燃焼は燃焼バーナーを停止させ、廃棄有機物を自力で燃焼させるため、一定方向に旋回しながら燃焼させることにより火災旋風となり、高温燃焼作用が起こり酸素をより多く供給することにより燃焼速度を速めることになる。燃焼物がなくなり燃焼が終了すると内側耐火容器に蓄積された高熱を内側耐火容器の内外で旋回する空気により冷却作用し内側耐火容器を急速冷却することができる。この作用により、次のバッチ処理に入る時間を短縮することができる。
【00012】
送風機により吸入する旋回空気の旋回方向は耐熱容器内で左右どちらでもよいが、コリオリカ方向にすれば、すなわち地球北半球での方向は時計まわり方向に旋回すると、旋回する空気は地球の自転とは反対の方向に旋回するためコリオリカの力により、より内側寄りに加速をつけ内側耐火容器全面に施された流入孔より内側耐火容器内にはいり燃焼効率がよくなる。旋回空気の進入角度は内側耐火容器面に対して30度〜60度内で進入させることにより空気旋回速度を落とすことなく内側耐火容器内に侵入し、内側耐火容器内においても旋回風として燃焼効率を上げるとともに内側耐火容器を高温から守る空気層となる。
【00013】
内側耐火容器内への進入角度が60度から90度にした場合は、内側耐火容器を構成するキャスタブルの厚みにあたり空気抵抗を生じ、流入孔付近で乱気流が起こり内側耐火容器内での旋回風の速度が落ち、燃焼は続くが内側耐火容器自体が高温にさらされることとなる。
【00014】
内側耐火容器内の燃焼は旋回風にコリオリカの力が働き中心へ中心へと旋回し、中心部で高燃焼核をつくり廃棄有機物を燃焼させる。内側耐火容器に流入する旋回空気は中心高燃焼核部形成するとともに高温から内側耐火容器のキャスタブル構造面をから守る空気層としての役目もはたす。これは内側耐火容器の側面から同時に流入する空気流入構造に由来する。
水分を含んだ廃棄有機物は燃焼風により水蒸気となり蒸発する。水分のない廃棄有機物は燃料として燃焼する。
【00015】
本発明においては取り入れる空気を耐火容器内に旋回風として送り込むことにより、遠心力を付加し、加圧した空気は燃焼触媒として廃棄有機物を高効率燃焼させるものである、耐火容器内の空気は遠心力による摩擦と圧力が負荷される、そこには有機分子間にファンデルワールス力が働き、処理物の原子領域まで進入し、燃焼促進作用を高める。
【00016】
内側耐火容器内で燃焼した燃焼ガスは上部排出口から接続する排出ガス処理室に流入する、排出ガス処理室はガス処理バーナーにより800℃以上に保持され、かつ滞留促進翼により、複数秒滞留し、排出ガスが燃焼処理される。このとき燃焼ガス濃度が上がると燃焼処理に必要な酸素が不足し、不完全燃焼となるため、ガス処理室の外側に施した送風機により酸素を供給し、完全燃焼させることができる。ガス処理室の外側に施した送風機の吸入空気は外部空気の場合は温度が気温温度となり、ガス処理室の温度を下げるため不完全燃焼を促す作用となる、したがってガス処理室の外側に施した送風機に流入させる空気は排出ガス処理室に接続する多重構造集塵機の空間で暖められた空気を流入させることによりガス処理室の完全ガス燃焼を促す働きをする。またガス処理室内を800℃以上に維持させる方法としてはバーナーのほかに電気式発熱体を用いる方法もある。
【00017】
ガス処理室に接続する冷却集塵装置により排出ガスは集塵と冷却とをする。冷却集塵装置により冷却と集塵作用で粉塵は冷却集塵装置の底部に落ち、集塵後の燃焼ガスは処理した後に外気に放出する。トルネード集麈装置を用い燃焼ガスをコリオリカの逆方向で旋回させた場合は旋回する遠心力の力で旋回風の速度が緩められその分、集塵能力が高まる作用がある。
【00018】
集塵装置は外側と内側に空気層を形成させる構造とし、ガス処理室から集塵装置に流入する排出ガスにより集塵装置の内側容器が高温となり、集塵装置を冷却するため集塵装置の外側容器の外部から冷却空気とりいれ外側容器と内側容器の間の層から集麈装置の内側容器全体に接して熱交換した空気が集塵装置上部排出口からガス処理室に施された送風機の取り入れ口から強制吸引され集塵機の内側容器の冷却を行えかつ、ガス処理室の送風機による供給酸素を温めることができ、集塵装置の冷却熱交換で暖められた空気をガス処理室の供給酸素に付加することにより、集塵装置の冷却と排出ガス処理室のガス処理を同時に効率的に行うことができる。
【00019】
焼却炉を設置できない事業所においては前記装置を車載型移動式として4〜10t貨物車に搭載して、目的事業所内に停車しながら前記方法で廃棄有機物を焼却処理する。この場合は前記焼却炉の構成要素をH型鋼を骨組みとして組んだ金属製土台の上の設置し、土台全体をクレーンで持ち上げ搭載できる構造とする。また 移動のため排気用煙突は取り外しまたは折りたたみ構造とする。以上車載型移動式小型焼却装置の最良の形態と方法である。
【発明の効果】
【00020】
本発明において廃棄有機物処理用小型焼却装置は、従来の燃焼炉での燃焼方法ではなく廃棄有機物を燃料とし、高効率に補助燃料を使用し、廃棄有機物を自力燃焼させるのである。廃棄有機物を燃料とし酸素供給だけで燃焼させるものである。燃焼が終わると外部から流入する空気により高温化した内側耐熱容器を内外で強制冷却させ、バッチ処理の工程を短縮でき、通常の焼却処理時間を大幅に短縮し処理効率を上げることができる。また燃焼排出ガス処理を効率よく行うため最終接続した集麈装置の容器を冷却熱交換により暖められた空気をガス処理室で再利用することでガス処理も短時間に効率的に行える効果がある。したがって本発明は、廃棄有機物を小型燃焼処理装置で高速で自力燃焼処理し、かつ使用エネルギーを高効率化し、省エネルギーにより廃棄有機物を短時間で燃焼処理することができる。また、バッチ処理工程時間を短縮し処理効率を大幅に上げることができる効果がある。事業所などにおける廃棄有機物の減量と経費削減を目的とした廃棄有機物、ダイオキシン類の発生を抑え、省エネルギーで短時間焼却できる効果がある。
また事業所内に焼却炉を設置することができない事業所において、事業所内で焼却処理しなければならない廃棄有機物を前記焼却炉を車載移動型として現地事業所に移動して車載上で廃棄有機物を焼却処理できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
本発明にかかる廃棄有機物を高効率で燃焼させることができる廃棄有機物の省エネルギー焼却処理装置の構成および方法について以下に詳しく説明する。
【00021】
本発明に廃棄有機物を酸素供給で自力燃焼させることできる廃棄有機物の省エネルギー焼却処理装置は、目的とする廃棄有機物を燃料とし高効率に補助燃料を使用し、廃棄有機物を酸素供給で自力で高速燃焼と高速冷却させる焼却装置と方法について以下に詳しく説明する。
【00022】
本発明は、構成要素として、自動開閉投入装置、焼却炉部、排出ガス処理装置、粉塵集塵装置から構成する。小型焼却炉の法律処理規定で排出ガスは800℃以上で処理する規定がある。このため焼却工程は最初に排ガス処理装置により800℃以上で処理できる状況下を準備した後に焼却工程に入る。すなわち外部から遮断された多重容器で燃焼炉の外側容器は金属製で内面は金属に沿わせた約3〜7センチメートル厚さのキャスタブルを施す。またキャスタブルを施した場合はまったく熱くならず、施さない場合であっても20℃程度である、これは内側耐熱容器と外側耐熱容器の間に形成した空気層が冷却作用として旋回しながら容器内に送風する作用による。旋回空気は送風機の出力値にもよるが1分間に約2〜5立方メートルの空気量が旋回通過する空気量がよい、これ以下では所定の燃焼核温度が得れないことと、これ以上だと風圧力が増し、排出ガス処理が追いつかず、ばい煙を外気に放出することとなる。また排出ガス処理部を大きくすればこの限りではないが費用がかさむこととなる。
【00023】
内側キャスタブルは約10〜15センチメートル厚さのキャスタブルを形成する。形成する際、外側枠に内側キャスタブル前面に空気流入孔を設ける。流入孔は一定量の面積を1個数面積で割った数量を配置する。内側耐火容器側面積の約3〜10%面積を流入孔とする。外側キャスタブルに対し熱影響を低くするため、流入孔総面積が約10%を越えないほうがよい。また流入孔数量は多いほうがよいが流入孔寸法は1箇所あたり2〜5平方センチメートル内が耐火容器に熱負荷をかけない面積である。形は四角あるいは円など不定形でもよいが、流入角度は側面に対し30度〜60度内で流入させることにより、空気旋回速度力を落とすことなく内側耐火容器内に流入し内側耐火容器内においても旋回空気として燃焼効率を上げる。流入角度60度以上で流入させた場合はキャスタブルの厚みに旋回空気が抵抗を受け、流入孔で乱気流が起こり内側耐火容器内で旋回しないことによる内側耐火容器内面に空気層ができないため内側耐火容器自体が高温にさらされることとなる。従って30度から60度内の角度で流入することが望ましい。
【00024】
内側耐火容器に流入した旋回空気が、内側耐熱容器底部のスノコ床下から助燃バーナーで着火した廃棄有機物を高速で燃焼させる。旋回空気はコリオリカ方向で旋回させる方がよい。すなわち、地球北半球では時計回りとなり右旋回する。助燃バーナーで着火し、旋回空気で一定温度約400℃まで上がると助燃バーナーは停止する。処理はバッチ処理とし、その都度同じ行程を繰り返す。この400℃の設定は水分を蒸発させるための設定であり、水分の希薄なハイプラスチックなどの場合はこの限りではない。
【00025】
内側耐熱容器底部のスノコ床部は処理物が完全燃焼するためには水平構造ではなく、すり鉢状に円形金属棒を上部から下部にかけ一定幅6〜12センチメートルの間隔で角度45度から100度程度に立体になるスノコ、あるいはV字型にしたスノコなど、水平平面構造ではなく立体構造スノコにすることで燃焼最終時の残りカスを完全燃焼できる。スノコは加工を考え金属製構造が望ましい。
【00026】
内側耐火容器内で燃焼した燃焼ガスは上部排出口の接続する排出ガス処理室に流入する、接続部は外側金属面にキャスタブルを10〜15cmの厚さを構成する。ガス処理室はガス処理バーナーにより800℃以上に保持され、かつガスの滞留促進翼10cm程度を交互配置に施すことにより、複数秒滞留する、滞留時間はガス処理室の容量に加減される。排出ガスは800℃以上で燃焼処理するが、このとき燃焼ガス濃度が上がると燃焼処理に必要な酸素が不足し、不完全燃焼となるため、ガス処理室の外側に施した送風機により酸素を供給する、送風機は1分間で3〜7m3容量を使用しインバーター制御でコントロールする。燃焼バーナーの初期燃焼時は約800〜870℃程度であるが、処理物燃焼が最大の時は900℃〜1,000℃以上になり酸素不足となり、ばい煙発生につながるため
送風容量を20〜30%程度上げることで完全燃焼させることができる。ガス処理室の外側に施した送風機の吸入空気は外部空気の場合は温度が気温温度となり、ガス処理室の温度を下げるため不完全燃焼を促す作用となる、したがってガス処理室の外側に施した送風機に流入させる空気は多重構造集塵機の空間で暖められた空気を流入させることによりガス処理室の完全ガス燃焼を促す働きをすることとなる。多重構造集塵機の冷却熱交換の空気温度は40℃〜60℃の空気を送風機が吸引することなる。
【00027】
ガス処理室に接続する冷却集塵装置は3〜5mmの金属製構造で内側と外側の多重容器が構成され、外側容器と内側容器の間に5〜10cmの空間を設けこの間を空気流通層として内側容器の冷却空気が熱交換しながら通過する構造となる。空気層は集塵装置全体に施し、下部から空気が流入し内側集塵機を全体に空気が接触しながら上部へと回り、最上部の排出口よりガス処置室に施された送風機に接続し、送風機が吸引することで集塵機が空気冷却する構造である。冷却集塵装置により冷却と集塵作用で粉塵は冷却集塵装置の底部に落ち、集塵後の燃焼ガスは処理した後に外気に放出する。集塵装置の冷却用空気を排出ガス処理室に取り入れることで、集塵装置の冷却とガス処理室のガス処理を効率的に行うことができる。このとき使用する冷却集麈装置は円形型のトルネード集塵装置をもちいるのがよい。
【00028】
廃棄物、使用済み紙おむつの投入扉は自動開閉密閉式で作動はエアーシリンダーあるいは機械式シリンダーなどで開閉する、耐火容器接触面は密閉性を高めるためと、開閉を容易にするためテーパー構造蓋としたほうがよい。特に高温燃焼風にさらされる蓋の内面は内側耐火容器以上、約15〜25センチメートル厚さのキャスタブル構造とする。
【00029】
排出ガスはガス処理室で処理してからトルネード集塵装置入り旋回しながら速度を落とし、冷却と集塵を行う、集塵された塵はトルネード集塵装置下部の蓄積箱に蓄積し、一定量たまったらとりだす。
排出ガスはガス処理室において800℃以上で処理した後、トルネード集麈装置で集塵と冷却を行った後に外気に放出する。
【00030】
廃棄有機物の焼却が終わると同時に焼却のための酸素供給送風が焼却炉の冷却風に変わり、焼却炉内側耐火容器の高温化したキャスタブルを内側と外側から冷却する作用に変わる。したがって通常のバッチ焼却での炉内自然冷却に比べ高速に冷却する。したがって本発明により、廃棄有機物を効率よく燃焼と冷却を高速で処理することができる。以上、使用済み紙おむつ燃焼処理装置の最良の形態と焼却方法である。
【00031】
焼却炉を設置できない事業所においては前記装置を車載型移動式として4〜10t貨物車に搭載して、目的事業所内に停車しながら前記方法で廃棄有機物を焼却処理する。この場合は前記焼却炉の構成要素はH型鋼を骨組みとして組んだ金属製土台の上の設置し、土台全体をクレーンで持ち上げ搭載できる構造とする。また 移動のため排気用煙突は取り外しまたは折りたたみ構造とする。事業所内に焼却炉を設置することができない事業所において、事業所内で焼却処理しなければならない廃棄有機物を前記焼却炉を車載移動型として現地事業所に移動して車載上で廃棄有機物を焼却処理できる。以上、車載型移動式小型焼却装置の最良の形態と方法である。
【実施例】
(実施例1)
【00032】
本発明にかかる廃棄有機物を自力高燃焼させることできる廃棄有機物省エネルギー焼却処理装置は、目的とする廃棄物である廃棄有機物を燃料とし高効率に補助燃料を使用し、酸素供給で自力高速燃焼させることできる省エネルギー焼却処理装置についての実施例を説明する。
本発明にかかる廃棄有機物を自力高燃焼させることできる廃棄有機物の省エネルギー焼却処理装置の構成および方法について以下に詳しく説明する。
【00033】
本発明は、構成要素として、自動開閉投入装置2、焼却炉部1、排出ガス処理装置14、多重構造集塵機17から構成する。小型焼却炉の法律処理規定で排出ガスは800℃以上で処理する規定がある。このため焼却工程は最初に排ガス処理装置により800℃以上で処理できる状況下を準備した後に焼却工程に入ることとなる。すなわち外部から遮断された多重構造焼却炉で外側耐火容器21は鉄製容器構造、内側耐火容器4は5mm厚さの鉄製板に沿わせた約15センチメートル厚さのキャスタブルを施す。また10〜15センチメートルでもよいが薄くなると耐用年数が落ちるとともに多重焼却容器の外側耐火容器21の冷却が追いつかず熱くなる傾向がある。外側容器21は鉄製5mm板を使用する。内側と外側の空気層5は15cmにする。15cm以下でもよいが外側耐火容器21に断熱処理を施さない場合は外側耐火容器21が熱くなる。焼却部容量は500リッター容量とした。内側耐熱容器4に外側耐火容器21の間の空気を流入させる空気流入孔6を設ける。空気流入孔6は直径3cm平方メートルの円形流入孔を内側耐火容器4側面積に15箇所施す。空気流入孔6数量は多いほうがよいが空気流入孔6寸法は1箇所あたり2〜5平方センチメートル内が耐火容器に熱負荷をかけない面積である。形は四角あるいは円など不定形でもよいが、流入角度は側面に対し45度で流入させる、空気旋回速度力を落とすことなく内側耐火容器4内に流入し内側耐火容器4内においても旋回空気として燃焼効率を上げるとともに内側耐火容器4内に空気層をつくり内側耐火容器4を保護するとともに燃焼終了後は焼却炉の冷却作用として働く。
スノコ7床下から燃焼させる助燃バーナー11は1時間あたり約6L灯油燃料消費で着火する。旋回する空気の方向はコリオリカ方向で旋回する。すなわち、地球北半球では時計回りとなり右旋回する。助燃バーナー11で着火し、旋回空気で一定温度約400℃まで上がると助燃バーナー11は停止する。水分量の少ないハイプラスチック等は助燃バーナー11停止温度は400℃以下でよい。処理はバッチ処理とし、その都度同じ行程を繰り返す。燃焼行程はシーケンサーによる自動処理工程とする。

内側耐火容器4底部のスノコ7床部は処理物が完全燃焼するためには水平構造ではなく すり鉢状に円形金属棒を上部から下部にかけ一定幅10センチメートルの間隔で角度90度の立体になるスノコ7にする。スノコ7は直径8mmのステンレス製のかご型構造とする。廃棄有機物を燃焼処理後の灰は燃焼炉下部の灰取り出し口10からとりだす。
【00034】
排出ガス処理室14に流入する、接続部22および排出ガス処理室14は外側鉄厚さ5mm板にキャスタブルを12cmの厚さに構成する。排出ガス処理室14はガス処理バーナー23で1時間あたり約6L灯油燃料消費するものにより800℃以上に保持する、かつ滞留促進翼12は10cmの滞留促進翼12を交互配置に施し3秒滞留させる、滞留時間は排出ガス処理室14の容量に加減される。排出ガスは800℃以上で燃焼処理されるが、このとき燃焼ガス濃度が上がると燃焼処理に必要な酸素が不足し、不完全燃焼となるため、排出ガス処理室14の外側に施した送風機13により酸素を供給する、送風機13は1分間で5m3送風容量を使用しインバーター制御でコントロールする。送風機13は通常40%運転で、ガス処理バーナー23の初期燃焼時は約800〜870℃程度であるが、処理物燃焼が最大の時は900℃〜1,000℃以上になり酸素不足で、ばい煙発生につながるため 送風容量を25%程度上げることで完全燃焼させることができる。排出ガス処理室14の外側に施した送風機13の吸入空気は外部空気の場合は温度が気温温度となり、排出ガス処理室14の温度を下げガス処理の不完全燃焼を促す作用となる、したがって排出ガス処理室14の外側に施した送風機13に流入させる空気は多重構造集塵機17の空間で暖められた空気をパイプ20を通じて流入させることにより排出ガス処理室14の完全ガス燃焼を促す働きをすることとなる。多重構造集塵機17の冷却熱交換の空気温度は40℃〜60℃の空気を送風機13が吸引する。
【00035】
ガス処理室14に接続する多重構造集麈機17は5mmの金属製板構造で内側24と外側25とで構成され、外側容器24と内側容器25の間に5cmの空間16を設けこの間を空気流通層16として内側容器25の冷却空気が熱交換しながら通過する構造とする。空気層16は多重構造集塵機17全体に構成し、下部に直径10cmの空気流入口15を開け一定方向に旋回する構造とし、旋回させる方向版26を取り付ける。空気が流入し多重構造集塵機17を旋回しながら上部へと回り、最上部の排出口18直径18から10cm排出ガス処理装置14に施された送風機13にパイプ20接続し、送風機13が吸引することで多重構造集塵機14が空気冷却する。トル多重構造集塵機17により旋回しながら冷却と集塵作用で粉塵はトルネード冷却集塵により多重構造集塵機17の底部に落ち、集塵後の燃焼ガスは処理した後に外気に放出する。外気放出のための煙突19直径は25cmの厚さ3mm長さ2mのステンレス製とする。車載移動式にする場合は取り外し可能な構造または折りたたみ構造とする。
廃棄有機物3の自動開閉投入装置2は自動開閉密閉式で作動はエアーシリンダーで開閉する、耐火容器接触面は密閉性を高めるためと、開閉を容易にするためテーパー構造蓋とする。特に高温燃焼風にさらされる蓋の内面は内側耐火容器4以上、約20センチメートル厚さのキャスタブル構造とする。
本発明の廃棄有機物3の小型焼却装置は日本おける焼却炉申請許可は一部地域を除き火床面積0.5平方メートル以下については申請が不必要という観点から、導入しやすさを考えて、実施例では火床面積を0.44平方メートルで、外側耐火容器21は直径160cm、高さ180cmの円柱構造でとした。内側耐火容器4は15cm厚さで有効内直径75cmの円形の耐酸性のキャスタブル構造とした。空気旋回層5は15cmの幅で旋回する空気旋回層5構造とした。廃棄物収納容量は500リッターで助燃バーナー空間高20cm、上部待機空間高20cm構造とした。排出ガス処理装置14は縦横1mと80cmで高さは1.7mの鉄製容器に15cm厚さのキャスタブルを施し、さらに送風機8で5立方メートル/minの容量を使用。多重構造集塵機17は直径100cmで高さは1m70cmで下部直径25cmのテーパー構造に内側5cmの空気層16空間をとる内側容器25を施した鉄製構造となる。焼却炉部1の送風機8は耐熱型送風機で5立方メートル/minの容量を使用、助燃バーナー11は6.0L/h灯油使用を装着した。空気取り入れ口9は10平方センチメートルの円形にした。排出孔18からガス処理送風機につながる送風パイプ20は直径10cmとした。操作はシーケンサーにより焼却炉冷却まで自動運転とする。
【00036】
焼却炉を設置できない事業所においては前記装置を車載型移動式として4t貨物車に搭載するため縦3.7m横1.9m厚さ10cmの鉄製土台30平面の上に前記構成焼却炉31を固定する。鉄製土台30の骨組みは10cmのH型鋼で組み総重量3.7tを一体で土台から4t貨物車32に搭載できるようにした。したがって目的事業所内に停車しながら前記方法で廃棄有機物3を車載移動式として停車しながら焼却処理する。
本発明の構造および方法は省エネルギー小型焼却装置であるが、本発明の基本作用は大型小型にとらわれず効果が発揮できるものである。
【00037】
本発明の構成要素は廃棄有機物3を焼却炉部1に投入する自動開閉投入装置2と外側の空気取り入れ口9から空気を取り入れ空気旋回させながら焼却炉中心部に旋回風を作用させる多重構造をもつ焼却炉部1、かつ送風のみで焼却炉を旋回風で保護しながら自力燃焼させた後に旋回風で焼却炉1を冷却する焼却炉部1とガス処理バーナー23で排出ガスを処理する排出ガス処理装置14と粉塵を除去する多重構造集塵機17の構成による、廃棄有機物3の焼却処理の方法について説明する。
まず、対象となる廃棄有機物3を自動開閉投入装置2を操作盤操作で開け焼却炉容器に投入した後自動開閉投入装置2で蓋を閉める、次に排出ガス処理装置14のガス処理バーナーで排出ガス処理室14の温度を800℃以上に上げる、排出ガス処理室14に取り付けられた酸素供給のための送風機13は多重構造集麈機17の冷却用空気をとりいれることとなる。焼却炉の送風機8が作動する次に焼却炉の下部助燃バーナー11より投入廃棄有機物3の底部より着火する、このときの焼却炉内部温度は低温であるが約10分後に400℃を越え、温度が達したところで助燃バーナー11を停止させる。これは紙おむつなど水分の多いデーターでハイプラスチックの場合は約5分で400℃に達する、その後は送風機8による酸素供給だけで燃焼させる。500L容量で着火から燃焼まで約2時間その後、送風機8の旋回風で焼却炉部1の冷却を約1時間で終える、焼却炉部1の内側耐火容器4の内外の空気旋回風で急速冷却する。処理時間は冷却まで1バッチ500L容量で約3時間で終える。本発明は廃棄有機物3を自動開閉投入装置2で投入後完全密閉状態で開始から焼却、排出ガス処理、粉塵処理を同時に自動で行い、燃焼終了後に焼却炉部1を急速に冷却するまで自動運転で行う方法である。この焼却方法の構成要素を貨物車に搭載し、現地事業所で停車しながら廃棄有機物3を処理することができる方法も本発明の一要素である。
本発明構造および方法は省エネルギー小型焼却装置および車載型移動式小型焼装置であるが、本発明の基本作用お呼び方法は大型小型にとらわれず効果が発揮できるものである。
【図面の簡単な説明】
【00038】

【図1】側面図1:焼却炉部2:自動開閉投入装置3:廃棄有機物4:内側耐火容器5:空気旋回層6:空気流入孔7:スノコ8:送風機9:空気取り入れ口10:灰取り出し口11:助燃バーナー12:滞留促進翼13:送風機14:排出ガス処理装置15:空気流入孔16:空気層17:多重構造集麈機18:排出口19:煙突20:パイプ21:外側耐火容器22:接続部23:ガス処理バーナー24:外側容器25:内側容器26:方向版27:孔
【図2】俯瞰図1:焼却炉部2:自動開閉投入装置3:廃棄有機物4:内側耐火容器5:空気旋回層6:流通孔7:スノコ8:送風機9:空気取り入れ口10:灰取り出し口11:助燃料バーナー12:滞留促進翼13:送風機14:排出ガス処理装置15:空気流入孔16:空気層17:多重構造集塵機18:排出口19:煙突20:パイプ21:外側耐火容器22:接続部23:ガス処理バーナー24:外側容器25:内側容器26:方向版27:孔
【図3】俯瞰図(車載移動式小型焼却炉)30:鉄製台31:車載移動式小型焼却炉32:貨物車
【図4】俯瞰図スノコ概観図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部空間から遮断された多重容器で外側耐火容器と内側耐火容器の間に空気の流通する空間を設け、空気を外部から取り入れ外側耐火容器と内側耐火容器の間を旋回しながら内側耐火容器内に空気が流入旋回し、処理物を内側耐火容器内において旋回空気で燃焼させる多重容器を施したことを特徴とする焼却炉。
【請求項2】
請求項1の焼却炉において旋回空気で燃焼させた後、旋回空気で冷却することを特徴とする焼却炉。
【請求項3】
請求項1、2の内側耐火容器の外側は空気が旋回し、空気が接する面に1個または複数の空気流入口が旋回する方向に施され、旋回する空気流入孔から空気が内側耐火容器内に流入し内側耐火容器内でも旋回しながら燃焼促進する構造を持ち、内側耐火容器は高温に耐えるキャスタブル構造、あるいは不定形耐火構造を持つことを特徴とする焼却炉。
【請求項4】
請求項1,2、3の耐火容器に排出ガス処理室を連結させ、排ガス処理室内で排出ガスが800℃以上の高温に複数秒通過または滞留する構造を備えた排ガス処理室を備えることを特徴とする焼却炉
【請求項5】
請求項3の排出ガス処理室の外側に処理室内を800℃以上に維持するための燃焼バーナーと燃焼促進するための空気を送り込む送風機を備えたことを特徴とした焼却炉。
【請求項6】
請求項1、2、3、4、5の焼却炉に接続した粉塵除去装置を備えたことを特徴とする焼却炉。
【請求項7】
請求項6の粉塵除去装置は外気から密閉された金属性の多重構造を有し、外側容器と内側容器の間に空気層を形成し、外側容器から空気を取り入れ、空気層を通過して排出される空気の排出口が請求項5の送風機空気取り入れ口に直結し、粉塵除去装置の空気層の空気が請求項4、5の排出ガス処理装置の燃焼促進用の送風機用空気となることを特徴とした焼却炉。
【請求項8】
焼却方法で空気取り入れ口を持つ多重構造焼却炉部と排出ガス処理装置と空気取り入れ口を持つ多重構造粉麈除去装置を構成し、最初に排出ガス処理装置により800℃以上でガス処理をできる状態にしておく、このとき用いる送風機酸素供給は大気直接ではなく粉塵除去部の冷却に使用した暖かい空気を引き込む。次いで焼却部で焼却工程にはいる、焼却工程で出てくる排出ガスは排出ガス処理装置で高温処理する。次いで排出ガスは粉塵除去装置で粉塵除去冷却処理したのちに大気に放出する。焼却工程は送風機で空気を流入旋回させバーナーで着火した後一定温度に達したらバーナーを停止し、旋回空気のみで燃焼させる方法、その後燃焼し終わったと同時に旋回空気により焼却炉部を冷却する冷却させる方法。
【請求項9】
前項で構成した焼却炉を貨物車に搭載し目的地に移動停車した状態で、車載上で処理物を焼却処理することを特徴とする車載移動式焼却炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−197029(P2010−197029A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66972(P2009−66972)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(598162425)株式会社エスコアドバンス (4)
【出願人】(000235314)
【Fターム(参考)】