説明

廃棄物回収システム、廃棄物回収装置および廃棄物回収方法

【課題】複数の廃棄物が混合して廃棄された場合でも廃棄物が分別されているか否かを判別し、多様化した廃棄ルールに対応する。
【解決手段】廃棄物回収装置100は、廃棄物が投入されると、廃棄物に付加されているRFID(ICタグ)からRFIDリーダを用いて無線信号によりRFID情報を取得する。廃棄物回収装置100は、ネットワーク300を介して取得したRFID情報と地域コードを管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、受信したRFID情報と地域コード、及び現在の日付に基づいて廃棄可能な廃棄物であるか否かを判別する。そして、管理サーバ200は、ネットワーク300を介して、廃棄可能な廃棄物であるか否かを示す廃棄可否情報を廃棄物回収装置100に返信する。廃棄物回収装置100は、廃棄可能な廃棄物である場合には、廃棄物を収納庫に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を回収する廃棄物回収システム、廃棄物回収装置および廃棄物回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効利用促進を目指して、廃棄物の分別の種類が細分化される傾向にある。また、廃棄物の分別は、環境問題の中でも最も身近な問題であり、自治体毎にさまざまな取り組みが行われている。このため、自治体毎、曜日毎に廃棄できる廃棄物の種類が異なる等廃棄ルールが多様化している。
【0003】
しかし、多様化した廃棄ルールに従って細分化された廃棄物の種類ごとに分別するのが煩わしいことや、人目につかずに収集場所に廃棄物を捨てることができること等の理由により、分別を行わずに廃棄物が捨てられる場合がある。
【0004】
廃棄物が分別されずに捨てられると、廃棄物を再資源化することが困難である。また、分別されていないため回収されない廃棄物が収集場所に放置されると、収集場所の近隣の美観を損ね、不衛生な環境となる。
【0005】
そこで、特許文献1には、カメラで撮影された廃棄物の画像と、記憶されている所定の画像とのパターンマッチングにより、廃棄物の分別が正しくされているか否かをチェックするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−124174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ペットボトル、缶、またはビン等の廃棄物は、一般にごみ袋に混合して詰められた状態で捨てられる。このような場合、廃棄物の種別を外観から判別できないため、特許文献1に記載のシステムでは、廃棄物の種類を判別することができない。
また、特許文献1に記載のシステムでは、自治体毎、曜日毎に廃棄できる廃棄物の種類が異なる等多様化した廃棄ルールに対応することは困難である。
【0008】
本発明は、複数の廃棄物が混合して廃棄された場合でも廃棄物が分別されているか否かを判別することができ、多様化した廃棄ルールに対応することができる廃棄物回収システム、廃棄物回収装置および廃棄物回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る廃棄物回収システムは、
複数の廃棄物回収装置と管理サーバとを有する廃棄物回収システムであって、
各前記廃棄物回収装置は、
複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する廃棄物識別情報取得手段と、
当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報を記憶する場所識別情報記憶手段と、
前記廃棄物識別情報取得手段によって取得された各廃棄物識別情報と、前記場所識別情報記憶手段に記憶されている場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信される廃棄可否情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する収納手段と、
を備え、
前記管理サーバは、
各前記廃棄物回収装置から送信される廃棄問合せ情報を受信する受信手段と、
現在の日付を取得する日付取得手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる各廃棄物識別情報と場所識別情報、及び前記日付取得手段によって取得された現在の日付に基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを判別し、前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを示す廃棄可否情報を生成する判別手段と、
前記判別手段によって生成された廃棄可否情報を、前記廃棄問合せ情報を送信した廃棄物回収装置に返信する送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、前記管理サーバは、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる場所識別情報と、前記日付取得手段によって取得された現在の日付とに基づいて、廃棄できる廃棄物の種別のリストを示す廃棄可能種別リストを生成する廃棄可能種別リスト生成手段を備え、
前記判別手段が、前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる各識別情報に基づいて前記複数の廃棄物に含まれる全ての廃棄物の種別を求め、当該全ての廃棄物の種別と前記廃棄可能種別リスト生成手段によって生成された廃棄可能種別リストに基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否か判別する、
ことを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは、本発明の廃棄物回収システムは、前記判別手段が、前記全ての廃棄物の種別が前記廃棄可能種別リストに含まれている場合、廃棄可能と判別し、前記廃棄物の種別の中に前記廃棄可能種別リストに存在しないものが含まれている場合、廃棄できないと判別する、
ことを特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、各前記廃棄物回収装置は、前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を廃棄できないことを当該複数の廃棄物を廃棄する人物に警告する警告手段を備える、
ことを特徴とする。
【0013】
また、好ましくは、各前記廃棄物回収装置は、
前記受信手段によって受信される廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答して前記複数の廃棄物を廃棄する人物を撮影する撮影手段を備え、
前記送信手段が、前記撮影手段によって撮影された人物の画像データを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記受信手段が、各前記廃棄物回収装置から送信された画像データを受信し、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる場所識別情報と画像データとを組にして違反者情報テーブルに登録する登録手段を備える、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の廃棄物回収装置は、複数の廃棄物を回収する廃棄物回収装置であって、
前記複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する廃棄物識別情報取得手段と、
当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報を記憶する場所識別情報記憶手段と、
前記廃棄物識別情報取得手段によって取得された各廃棄物識別情報と、前記場所識別情報記憶手段に記憶されている場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信される廃棄可否情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する収納手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の廃棄物回収方法は、複数の廃棄物回収装置と管理サーバとを有する廃棄物回収システムにおける廃棄物回収方法であって、
各前記廃棄物回収装置が、複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、取得された各前記廃棄物識別情報と、当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する工程と、
前記管理サーバが、各前記廃棄物回収装置から送信された廃棄問合せ情報を受信する工程と、
前記管理サーバが、現在の日付を取得する工程と、
前記管理サーバが、受信された前記廃棄問合せ情報に含まれる各廃棄物識別情報と場所識別情報、及び取得された現在の日付に基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを判別し、前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを示す廃棄可否情報を生成する工程と、
前記管理サーバが、生成された前記廃棄可否情報を、前記廃棄問合せ情報を送信した廃棄物回収装置に返信する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、送信した前記廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信された廃棄可否情報を受信する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、受信した前記廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する工程と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の廃棄物が混合して廃棄された場合でも廃棄物が分別されているか否かを判別することができ、多様化した廃棄ルールに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る廃棄物回収システムの構成の一例を示す図である。
【図2】RFID情報の一例を示す図である。
【図3】廃棄物回収装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図4】ごみ袋を収納庫に収納する動作の一例を示す図である。
【図5】管理サーバの構成の一例を示す図である。
【図6】カレンダ情報テーブルに格納されているデータの一例を示す図である。
【図7】分別情報テーブルに格納されているデータの一例を示す図である。
【図8】違反者情報テーブルに格納されているデータの一例を示す図である。
【図9】廃棄可能種別リストの一例を示す図である。
【図10】廃棄物回収処理のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る廃棄物回収システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本発明の実施形態に係る廃棄物回収システム1は、図1に示すように、複数の廃棄物回収装置100と管理サーバ200とを有している。廃棄物回収装置100と管理サーバ200はネットワーク300に接続されている。
【0020】
廃棄物回収装置100は、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダを備えている。廃棄物回収装置100は、廃棄物が投入されると、廃棄物に付加されているRFID(ICタグ)からRFIDリーダを用いて無線信号によりRFID情報を取得する。RFID情報は、例えば、図2に示すように、清涼飲料や酒類、バッグ等の商品種別と、アルミ缶やビン、皮等の廃棄物種別を含んでいる。
【0021】
また、廃棄物回収装置100は、例えば、その廃棄物回収装置100が設置されている場所を示す地域コードを記憶している。
廃棄物回収装置100は、ネットワーク300を介して取得したRFID情報と地域コードを管理サーバ200に送信し、廃棄可能な廃棄物であるか否かを問い合わせる。
【0022】
管理サーバ200は、廃棄物回収装置100から送信されたRFID情報と地域コードを受信すると、受信したRFID情報と地域コード、及び現在の日付に基づいて廃棄可能な廃棄物であるか否かを判別し、廃棄可否情報を生成する。そして、管理サーバ200は、ネットワーク300を介して、廃棄可能な廃棄物であるか否かを示す廃棄可否情報を廃棄物回収装置100に返信する。
廃棄物回収装置100は、管理サーバ200から送信された廃棄可否情報を受信すると、返信された廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示している場合には、廃棄物を収納庫に収納する。
【0023】
なお、RFID情報は本発明の廃棄物識別情報の一例であり、地域コードは本発明の場所識別情報の一例であり、RFID情報と地域コードは本発明の廃棄問合せ情報の一例である。
【0024】
図3は、廃棄物回収装置100の構成の一例を示す斜視図である。
廃棄物回収装置100は、収納庫101と、収納扉102と、RFIDリーダ103と、制御部104と、記憶部105と、ネットワークインタフェース106と、ランプ107と、スピーカー108と、ディスプレイ109と、カメラ110とを有している。
なお、図3は、ごみ袋400が廃棄物回収装置100に投入された状態を示している。ごみ袋400には、複数の廃棄物が入っている。ごみ袋400は、無線信号を通しさえすれば、透明な素材でできていても不透明な素材でできていても良い。
【0025】
収納庫101は、管理サーバ200によって廃棄可能と判別されたごみ袋400を収納する。
管理サーバ200は、例えば、ごみ袋400に入っている廃棄物の中に廃棄できないものを検出しない場合に、ごみ袋400は廃棄可能と判別する。この場合、図4に示すように、収納扉102が開き、ごみ袋400は収納庫101の中に落下する。
一方、管理サーバ200は、例えば、ごみ袋400に入っている廃棄物の中に廃棄できないものが1個でも含まれていることを検出した場合に、ごみ袋400は廃棄できないと判別する。この場合、収納扉102は閉じたままであり、図3の状態を保つ。
なお、図4では、ごみ袋400が収納庫101の中に落下すると、収納扉102は閉じることができなくなるが、収納庫101が大きくて複数のごみ袋を収容でき、複数のごみ袋を収容した状態でも収納扉102を閉じることができる構成としても良いことはもちろんである。
【0026】
RFIDリーダ103は、廃棄物に付加されているRFID(ICタグ)から無線信号によりRFID情報を取得する。RFIDリーダ103は、ごみ袋400の中に複数の廃棄物が混入されている場合でも、各廃棄物に付加されているRFIDからRFID情報を個別に取得することができる。
【0027】
制御部104は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Ramdom Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリを含む。
制御部104は、廃棄物回収装置100全体を管理し、制御する。例えば、制御部104は、RFIDリーダ103に、廃棄物に付加されているRFIDからRFID情報を取得させる。また、制御部104は、廃棄可能と判別されたごみ袋400を収納庫101に収納するために、収納扉102を開く。
【0028】
記憶部105は、例えば、ROMやフラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性のメモリを含む。記憶部105は、地域コードを記憶している。
【0029】
ネットワークインタフェース106は、ケーブルによりネットワーク300に接続されている。制御部104は、ネットワークインタフェース106を用いて、管理サーバ200に各廃棄物のRFID情報と地域コードを含む廃棄問合せ情報を送信し、この廃棄問合せ情報に対応して管理サーバ200から返信される廃棄可否情報を受信する。
【0030】
ランプ107とスピーカー108とディスプレイ109は、管理サーバ200から受信した廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示している場合に、ごみ袋400を廃棄しようとする人物に警告する警告手段である。
ごみ袋400を廃棄できない場合、制御部104は、例えば、ランプ107に赤色を点灯させ、スピーカー108に注意音又は違反を伝える音声を出力させ、また、ディスプレイ109に分別違反である旨を示すメッセージを表示させる。制御部104は、ごみ袋400を廃棄できない場合、これら全てを行っても良いし、いずれか1つ又は2つを行っても良い。
また、ごみ袋400を廃棄できる場合、制御部104は、ランプ107に青色を点灯させることと、ディスプレイ109に廃棄可能を示す情報を表示させることの両方又はいずれか一方を行う。
【0031】
すなわち、制御部104は、管理サーバ200から受信した廃棄可否情報に応じてランプ107を点灯させる。
また、制御部104は、管理サーバ200から受信した廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答してスピーカー108に注意音又は音声を出力させる。
また、制御部104は、管理サーバ200から受信した廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答してディスプレイ109に廃棄可能を示す情報を表示させ、廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答してディスプレイ109に廃棄できないことを示す情報を表示させる。
【0032】
カメラ110は、管理サーバ200から受信した廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示している場合に、ごみ袋400を廃棄する人物を撮影する。制御部104は、地域コードと撮影された人物の画像データとを無線ネットワークにより管理サーバ200に送信する。
【0033】
管理サーバ200は、図5に示すように、CPU201と、RAMやROM等のメモリ202と、ネットワークインタフェース203と、タイマ204と、記憶部205とを有している。
【0034】
CPU201は、後述するように、廃棄物回収装置101から送信されるRFID情報と地域コードに基づいて廃棄可能な廃棄物か否かを判別し、廃棄物が廃棄可能か否かを示す廃棄可否情報を生成する。
【0035】
メモリ202は、CPU201のプログラムを記憶している。また、メモリ202は、CPU201のワークメモリとして機能する。
【0036】
ネットワークインタフェース203は、ネットワーク300に接続されている。CPU201は、ネットワークインタフェース203を用いて、廃棄物回収装置100から送信される複数の廃棄物のRFID情報と地域コードを含む廃棄問合せ情報を受信して複数の廃棄物を廃棄できるか否か判別し、この廃棄問合せ情報に対応して廃棄物回収装置100に廃棄可否情報を返信する。
【0037】
タイマ204は、現在の日時を生成する。CPU201は、タイマ204より現在の日時(年月日)を取得する。
【0038】
記憶部205は、例えば、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等の光ディスク等を含んでいる。
記憶部205は、カレンダ情報テーブルと分別情報テーブルと違反者情報テーブルを記憶している。
【0039】
カレンダ情報テーブルは、図6に示すように、年月日と曜日により構成されている。カレンダ情報テーブルには、例えば、2009年2月26日は木曜日であることが登録されている。
分別情報テーブルは、図7に示すように、地域コードと曜日と廃棄可能種別により構成されている。分別情報テーブルには、例えば、地域コードが001の地域では木曜日に、紙、布、皮が廃棄可能であることが登録されている。
違反者情報テーブルは、図8に示すように、地域コードと日時と画像データにより構成される。違反者情報テーブルには、例えば、地域コードが001の地域で2009年2月26日20時00分に分別されていない廃棄物を捨てようとした違反者の画像が登録されている。
【0040】
CPU201は、カレンダ情報テーブルと分別情報テーブルを用いて以下のようにして廃棄可能な廃棄物か否かを判別する。
【0041】
CPU201は、まず、現在の年月日をキーにカレンダ情報テーブルを検索し、現在の曜日を取得する。
CPU201は、次に、廃棄物回収装置100から受信した地域コードと現在の曜日とをキーに分別情報テーブルを検索し、受信した地域コードの地域について現在の曜日に廃棄できる廃棄物の種別をリストアップし、廃棄可能種別リストを生成する。例えば、現在の曜日が木曜日、廃棄物回収装置100から受信した地域コードが001の場合、CPU201は、図9に示す廃棄可能種別リストを生成する。
【0042】
そして、CPU201は、廃棄物回収装置100から受信したRFID情報に含まれる全ての廃棄物種別が廃棄可能種別リストに含まれているか否かを判定する。CPU201は、RFID情報に含まれる全ての廃棄物の種別が廃棄可能種別リストに含まれていた場合、廃棄可能と判別する。一方、CPU201は、RFID情報に含まれる廃棄物の種別の中に廃棄可能種別リストに存在しないものが含まれていた場合、廃棄できないと判別する。
CPU201は、この判定の結果に基づいて廃棄できる廃棄物であるか否かを示す廃棄可否情報を生成して廃棄物回収装置100に返信する。
【0043】
廃棄物回収装置100は、管理サーバ200から廃棄できない廃棄物であることを示す廃棄可否情報を受信すると、その廃棄物を捨てようとした人物を撮影し、地域コードと撮影された人物の画像データを管理サーバ200に送信する。
CPU201は、廃棄物回収装置100から送信された画像データを受信すると、地域コードと現在日時と画像データとを組にして違反者情報テーブルに登録する。
【0044】
次に、廃棄物回収システムの処理の流れを説明する。
【0045】
複数の廃棄物が混入されたごみ袋が廃棄物回収装置100に投入されると、図10に示すように、制御部104は、RFIDリーダ103に、個々の廃棄物に付加されているRFIDからRFID情報を取得させる(ステップS101)。次に、制御部104は、取得したRFID情報と廃棄物回収装置100に設定されている地域コードを管理サーバ200へ送信する(ステップS102)。
【0046】
CPU201は、廃棄物回収装置100から送信されたRFID情報と地域コードを受信する(ステップS201)と、まず、CPU201は、現在の年月日をキーにカレンダ情報テーブルを検索し、現在の曜日を取得する(ステップS202)。
次に、CPU201は、廃棄物回収装置100から受信した地域コードと現在の曜日とをキーに分別情報テーブルを検索し、現在の曜日に廃棄できる廃棄物の種別をリストアップし、廃棄可能種別リストを生成する(ステップS203)。
【0047】
そして、CPU201は、廃棄物回収装置100から受信したRFID情報に含まれる全ての廃棄物種別が廃棄可能種別リストに含まれているか否かを判定し、廃棄可能な廃棄物であるか否かを示す廃棄可否情報を生成する(ステップS204)。なお、CPU201は、RFID情報に含まれる全ての廃棄物の種別が廃棄可能種別リストに含まれていた場合、廃棄可能と判別する。一方、CPU201は、RFID情報に含まれる廃棄物の種別の中に廃棄可能種別リストに存在しないものが含まれていた場合、廃棄できないと判別する。
そして、CPU201は、廃棄可否情報を廃棄物回収装置100に送信する(ステップS205)。
【0048】
制御部104は、廃棄可否情報を受信する(ステップS103)と、受信した廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示している場合(ステップS104;No)、ランプ107に赤色を点灯させる(ステップS105)。次に、制御部104は、スピーカー108に注意音又は違反を伝える音声を出力させ(ステップS106)、ディスプレイ109に分別違反である旨を示すメッセージを表示させる(ステップS107)。
ステップS105〜S107により、視覚的または聴覚的に違反者へ分別違反を注意又は警告することができる。また、違反者へ罪の意識を植え付けさせることにより、再発防止の手助けとなる。
【0049】
次に、制御部104は、廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示している場合に、カメラ110に、ごみ袋400を廃棄する人物を撮影させる(ステップS108)。制御部104は、地域コードと撮影された人物の画像データを管理サーバ200に送信する(ステップS109)。
ステップS108により、廃棄物を捨てる人に監視されていることを意識させることができ、特に人目に着かずに廃棄物を捨てることができるという意識を変えさせることができる。
【0050】
CPU201は、廃棄物回収装置100から送信された画像データと地域コードを受信する(ステップS206)と、地域コードと現在日時と画像データとを組にして違反者情報テーブルに登録する(ステップS207)。
CPU201は、ステップS207により登録された情報に基づいて、例えば、違反者を管理し、違反者に注意及び警告を行うことができる。
【0051】
この場合、分別違反なので廃棄物回収装置100の収納扉102は閉じたままであり、ごみ袋400は収納庫101に収納されず、廃棄物回収処理を終了する。
【0052】
一方、受信した廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示している場合(ステップS104;Yes)、制御部104は、ランプ107に青色を点灯させる(ステップS110)。次に、制御部104は、ディスプレイ109に廃棄可能である旨を示すメッセージを表示させる(ステップS111)。
そして、制御部104は、収納扉102を開き、ごみ袋400を収納庫101に収納し、廃棄物回収処理を終了する(ステップS112)。
【0053】
なお、廃棄物回収装置100と管理サーバ200は、有線でネットワーク300に接続されていても良いし、無線ネットワークを介してネットワーク300に接続されていても良い。また、廃棄物回収装置100と管理サーバ200は、ネットワーク300を介してデータを送受信するのではなく、有線の電話や携帯電話によりデータを送受信しても良い。
【0054】
本発明によれば、複数の廃棄物が混合して廃棄され、外観では廃棄物が分別されているか否かを判別することが困難な場合でも、廃棄物が分別されているか否かを判別することができる。
また、自治体毎、曜日毎に廃棄できる廃棄物の種類が異なる等多様化した廃棄ルールに対応して廃棄物が分別できているか否かを判別することができる。
更に、例えば、自治体が廃棄ルールを変更する場合には、管理サーバのプログラムを修正すれば良く、廃棄物回収装置の変更は不要である。このため、本発明に係る廃棄物回収システムは廃棄ルールの修正作業を容易に行うことができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
100…回収装置、101…収納庫101、102…収納扉、103…RFIDリーダ、104…制御部、105…記憶部、106…ネットワークインタフェース、107…ランプ、108…スピーカー、109…ディスプレイ、110…カメラ、200…管理サーバ、201…CPU、202…メモリ、203…ネットワークインタフェース、204…タイマ、205…記憶部、300…ネットワーク、400…ごみ袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の廃棄物回収装置と管理サーバとを有する廃棄物回収システムであって、
各前記廃棄物回収装置は、
複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する廃棄物識別情報取得手段と、
当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報を記憶する場所識別情報記憶手段と、
前記廃棄物識別情報取得手段によって取得された各廃棄物識別情報と、前記場所識別情報記憶手段に記憶されている場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信される廃棄可否情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する収納手段と、
を備え、
前記管理サーバは、
各前記廃棄物回収装置から送信される廃棄問合せ情報を受信する受信手段と、
現在の日付を取得する日付取得手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる各廃棄物識別情報と場所識別情報、及び前記日付取得手段によって取得された現在の日付に基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを判別し、前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを示す廃棄可否情報を生成する判別手段と、
前記判別手段によって生成された廃棄可否情報を、前記廃棄問合せ情報を送信した廃棄物回収装置に返信する送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする廃棄物回収システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる場所識別情報と、前記日付取得手段によって取得された現在の日付とに基づいて、廃棄できる廃棄物の種別のリストを示す廃棄可能種別リストを生成する廃棄可能種別リスト生成手段を備え、
前記判別手段が、前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる各識別情報に基づいて前記複数の廃棄物に含まれる全ての廃棄物の種別を求め、当該全ての廃棄物の種別と前記廃棄可能種別リスト生成手段によって生成された廃棄可能種別リストに基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否か判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物回収システム。
【請求項3】
前記判別手段が、前記全ての廃棄物の種別が前記廃棄可能種別リストに含まれている場合、廃棄可能と判別し、前記廃棄物の種別の中に前記廃棄可能種別リストに存在しないものが含まれている場合、廃棄できないと判別する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物回収システム。
【請求項4】
各前記廃棄物回収装置は、前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を廃棄できないことを当該複数の廃棄物を廃棄する人物に警告する警告手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の廃棄物回収システム。
【請求項5】
各前記廃棄物回収装置は、
前記受信手段によって受信される廃棄可否情報が廃棄できない廃棄物であることを示していることに応答して前記複数の廃棄物を廃棄する人物を撮影する撮影手段を備え、
前記送信手段が、前記撮影手段によって撮影された人物の画像データを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記受信手段が、各前記廃棄物回収装置から送信された画像データを受信し、
前記受信手段によって受信された廃棄問合せ情報に含まれる場所識別情報と画像データとを組にして違反者情報テーブルに登録する登録手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の廃棄物回収システム。
【請求項6】
複数の廃棄物を回収する廃棄物回収装置であって、
前記複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する廃棄物識別情報取得手段と、
当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報を記憶する場所識別情報記憶手段と、
前記廃棄物識別情報取得手段によって取得された各廃棄物識別情報と、前記場所識別情報記憶手段に記憶されている場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信される廃棄可否情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する収納手段と、
を備えることを特徴とする廃棄物回収装置。
【請求項7】
複数の廃棄物回収装置と管理サーバとを有する廃棄物回収システムにおける廃棄物回収方法であって、
各前記廃棄物回収装置が、複数の廃棄物から各廃棄物を識別する廃棄物識別情報を無線信号により取得する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、取得された各前記廃棄物識別情報と、当該廃棄物回収装置が設置されている場所を識別する場所識別情報とを含む廃棄問合せ情報を前記管理サーバに送信する工程と、
前記管理サーバが、各前記廃棄物回収装置から送信された廃棄問合せ情報を受信する工程と、
前記管理サーバが、現在の日付を取得する工程と、
前記管理サーバが、受信された前記廃棄問合せ情報に含まれる各廃棄物識別情報と場所識別情報、及び取得された現在の日付に基づいて前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを判別し、前記複数の廃棄物が廃棄可能か否かを示す廃棄可否情報を生成する工程と、
前記管理サーバが、生成された前記廃棄可否情報を、前記廃棄問合せ情報を送信した廃棄物回収装置に返信する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、送信した前記廃棄問合せ情報に対応して前記管理サーバから返信された廃棄可否情報を受信する工程と、
各前記廃棄物回収装置が、受信した前記廃棄可否情報が廃棄可能な廃棄物であることを示していることに応答して、前記複数の廃棄物を収納する工程と、
を備えることを特徴とする廃棄物回収方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−264395(P2010−264395A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118612(P2009−118612)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】