説明

廃水の処理方法、および廃水の処理装置

【課題】簡易な設備にて、硫化水素が溶存した廃水から簡便かつ効率よく硫化水素を除去できる廃水の処理方法、および廃水の処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の廃水の処理方法は、気体透過膜11により液体室12と気体室13とに区画された気体透過膜モジュール10を用い、液体室12に廃水を流入し、気体室13にスイープガスを流入し、気体透過膜11を介して廃水から硫化水素を除去する除去工程を1回以上行い、1回目の除去工程では、液体室12に流入する廃水の温度を50℃以上に調整する。また、本発明の廃水の処理装置1は、気体透過膜モジュール10と、液体室12に廃水を流入する廃水流入手段20と、気体室13にスイープガスを流入するガス流入手段30とを有する膜モジュールユニット100を具備し、廃水流入手段20は廃水の温度を調整する温度調整手段22を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化水素が溶存した廃水から硫化水素を除去して廃水を処理する廃水の処理方法、および廃水の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスは地中のガス田から産出する炭化水素を主成分とした可燃性ガスである。天然ガスは、水素およびメタン、プロパン、ブタンなどの軽質炭化水素以外に、硫化水素やメルカプタンなどの硫黄化合物、BTX(ベンゼン、トルエンおよびキシレンの総称)やその他の重質炭化水素、さらには炭酸ガス、酸素、窒素などを含むが、特に硫化水素等の硫黄化合物は、燃焼した場合に亜硫酸ガス等の有毒ガスを発生するため、環境保護的見地からその除去が強く求められている。
【0003】
硫化水素を含有するガスは、一般的にアミン吸収法を用いたガス吸収装置で処理され、高濃度の硫化水素ガス(アシッドガスと呼ばれる)として集められ、さらにクラウス法硫黄回収装置に供給されて単体硫黄として回収される。一方、硫化水素ガスをクラウス法硫黄回収装置で処理した後のガス(テールガス)は硫黄化合物を含むため、通常、脱硫処理してから排ガスとして大気中に放出される。そのため、ガス田などにおいて硫化水素ガスの発生量が増えるに従い、クラウス法硫黄回収装置で処理した後のテールガスの処理が一層重要となる。
【0004】
テールガスの処理方法としては、スコット法やビーボン法が知られている。これらは、いずれもテールガス中の硫黄化合物を水素ガスで硫化水素に還元してから、吸収塔に導入し、アミン系水溶液からなる吸収液で洗浄して硫化水素を吸収し、次いで吸収液を再生塔でスチームストリッピングし、駆出される硫化水素をクラウス法硫黄回収装置の反応炉に循環して供給し、原料硫化水素と同様に処理する方法である。
【0005】
ところで、硫化水素は水に溶けやすいため、テールガスの処理過程において溶存状態の硫化水素を含む廃水が排出されることとなる。廃水中に溶存している硫化水素は、貯蔵や輸送中に気化し、大気中に拡散しやすいため、通常、廃水を排出する際には、硫化水素を除去する処理を行う。
【0006】
硫化水素が溶存した水(廃水)から硫化水素を除去する方法としては、以下の方法が提案されている。
(1)曝気方式:硫黄ピット中で液体硫黄をポンプおよびスプレイノズルによりミスト状に噴霧し、ピット内の空気中に硫化水素を放散して除去する方法。
(2)硝酸塩による除去:廃水に溶存する硫化水素に対して硫化水素除去剤となる硝酸塩を加えて処理する方法(例えば特許文献1参照)。
(3)生物脱硫方式:硫黄酸化細菌を付着した接触材に廃水を接液させて、その生分解により硫酸イオンにして処理する方法(例えば特許文献2参照)。
(4)過酸化水素単独あるいは金属イオンとの併用により処理する方法:pH5〜9の範囲に調整しFe・Cu・Mn・Snなどからなる金属イオンを廃水に添加した状態で、過酸化物として過酸化水素水を用いて硫化水素と反応させて除去する方法(例えば特許文献3参照)。
(5)活性炭方式:特定の活性炭を用いて不純物を吸着除去する方法(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−328676号公報
【特許文献2】特開2010−29746号公報
【特許文献3】特許第3712018号公報
【特許文献4】特開平7−214050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した硫化水素の除去方法では、次のような問題があった。
(1)曝気方式の場合、硫黄ピット中で液体硫黄をポンプおよびスプレイノズルによりミスト状に噴霧し、ピット内の空気中に硫化水素を放散して除去するため、大型のタンクを必要とする。加えて、硫化水素自体が極めて溶解しやすいため、放散後に再溶解しやすく、除去効率が低下しやすかった。
(2)硝酸塩による除去(特許文献1)では、溶存する硫化水素に対して硫化水素除去剤となる硝酸塩を加えて処理することにより、廃水から硫化水素を除去することは可能であるが、硫化水素が硫化物イオンの形で処理液中に残りやすく、処理液を灌漑などに再利用する際にその残留物が問題となる。
(3)生物脱硫方式(特許文献2)は、硫黄酸化細菌の増殖のためにBOD(生物化学的酸素要求量)を一定量必要とするが、都市下水と違いクラウス法硫黄回収装置などから排出される廃水はBOD成分が極めて低いため、新たにBOD源(メタノールなど)の添加を必要とする。
(4)過酸化水素単独あるいは金属イオンとの併用により処理する方法(特許文献3)では、反応時間の長さと過酸化水素水そのものによる配管の腐食などの問題があった。
(5)活性炭方式(特許文献4)では、活性炭の吸着特性から、テールガス処理により生じる高温の廃水への適応が難しく、冷却のための設備を必要とする。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡易な設備にて、硫化水素が溶存した廃水から簡便かつ効率よく硫化水素を除去できる廃水の処理方法、および廃水の処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、気体透過膜を介して廃水から硫化水素を除去するに際して、廃水の温度を50℃以上にすることで、硫化水素の除去効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の廃水の処理方法は、硫化水素が溶存した廃水から硫化水素を除去して廃水を処理する方法であって、気体透過膜により液体室と気体室とに区画された気体透過膜モジュールを用い、前記液体室に廃水を流入し、前記気体室に硫化水素とは異なるスイープガスを流入し、気体透過膜を介して廃水から硫化水素を除去する除去工程を1回以上行い、少なくとも1回目の除去工程では、液体室に流入する廃水の温度を50℃以上に調整することを特徴とする。
ここで、少なくとも1回目の除去工程では、気体透過膜モジュールの液体室への廃水の流入温度(Tw)と、気体室へのスイープガスの流入温度(Ts)との差(Tw−Ts)が10℃以内であることが好ましい。
また、スイープガスが、不活性ガスまたは不活性ガスを主成分とするガスであることが好ましい。
さらに、直列に2段以上配置された気体透過膜モジュールを用いて前記除去工程を2回以上行い、かつ、2回目以降の除去工程では、液体室に流入する廃水を加温または保温することが好ましい。
また、廃水から除去された硫化水素を含む気相から、硫化水素を除去することが好ましい。
さらに、気体透過膜モジュールの液体室に流入する廃水のpHを6以下に調整することが好ましい。
【0012】
また、本発明の廃水の処理装置は、気体透過膜を介して硫化水素が溶存した廃水から硫化水素を除去して廃水を処理する装置であって、気体透過膜と、該気体透過膜により区画された液体室および気体室とを備えた気体透過膜モジュールと、前記気体透過膜モジュールの液体室に廃水を流入する廃水流入手段と、前記気体透過膜モジュールの気体室に、硫化水素とは異なるスイープガスを流入するガス流入手段とを有する膜モジュールユニットを具備し、前記廃水流入手段は、液体室に流入する廃水の温度を調整する温度調整手段を備えることを特徴とする。
ここで、前記膜モジュールユニットが直列に2段以上配置され、かつ1段目の膜モジュールユニットの廃水流入手段が前記温度調整手段を備え、2段目以降の膜モジュールユニットの廃水流入手段が、廃水を加温する加温手段または廃水を保温する保温手段を備えることが好ましい。
さらに、廃水から除去された硫化水素を含む気相から、硫化水素を除去する脱硫手段をさらに具備することが好ましい。
また、前記廃水流入手段は、液体室に流入する廃水のpHを6以下に調整するpH調整手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の廃水の処理装置、および廃水の処理方法によれば、簡易な設備にて、硫化水素が溶存した廃水から簡便かつ効率よく硫化水素を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の廃水の処理装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の廃水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。
【図3】水の温度と硫化水素の飽和溶存濃度の関係を示すグラフである。
【図4】水のpHが変化するときの硫化水素、硫化水素イオン、硫化物イオンの量比を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
[廃水の処理装置]
図1は、本発明の廃水の処理装置の一例を示す概略構成図である。この例の廃水の処理装置1は、気体透過膜11と、該気体透過膜11により区画された液体室12および気体室13とを備えた気体透過膜モジュール10と、気体透過膜モジュール10の液体室12に廃水を流入する廃水流入手段20と、気体透過膜モジュール10の気体室13に、硫化水素とは異なるスイープガスを流入するガス流入手段30とを有する膜モジュールユニット100と、脱硫手段40を具備して構成されている。
なお、図2において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0016】
<廃水>
本発明の処理対象となる廃水は、例えばクラウス法硫黄回収装置により生じるテールガスを処理する過程において排出される廃液(被処理液)であり、溶存状態の硫化水素を含む。なお、硫化水素(HS)は、硫化水素イオン(HS)の形態で溶存していてもよいし、硫化物イオン(S2−)の形態で溶存していてもよい。
【0017】
<膜モジュールユニット>
膜モジュールユニット100は、気体透過膜モジュール10と、廃水流入手段20と、ガス流入手段30とを有する。
【0018】
(気体透過膜モジュール)
気体透過膜モジュールは、可動部分が無く、保守点検が容易なことから、被処理液を脱気して気体が殆ど溶解していないか、もしくは特定の気体が除去された処理液を得る脱気処理、または被処理液にガスを溶解させてガスを溶解した処理液を得るガス溶解処理の装置に好適に用いられる。
気体透過膜モジュールは、中空糸膜の微孔に気体のみが入り込むという性質を利用し、中空糸の開口端側を真空引きすることにより、もしくは後述するスイープガスを気体室13に流入することにより、気体の分圧差によって被処理液中の溶存ガスを分離除去することができる。
【0019】
本発明に用いる気体透過膜モジュール10の内部は、気体透過膜11によって液体室12と気体室13に区画されている。
気体透過膜11としては、水を透過させず、かつ水に溶解するガスを透過させるものであれば特に制限はなく、平膜でもよいし、中空糸膜でもよいし、スパイラス膜でもよい。これらの中でも、単位体積当たりの膜面積が大きく、装置を小型化できる点で、中空糸膜が好ましい。
また、気体透過膜11の材質としても特に制限されず、例えばポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサンブロック共重合体、ポリビニルフェノール−ポリジメチルシロキサン−ポリスルホンブロック共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子膜などが挙げられる。
【0020】
気体透過膜モジュール10は、分散現象を起こすことなく流体から気体を分離できる膜をハウジングに収容して、詳しくは流体が通過する配水管の周囲に多数のポリプロピレン製の疎水性微多孔中空糸膜を編み込み、かつこれらをハウジングに収容して構成される。気体透過膜モジュール10としては、液体の通水差圧が小さく、気体透過膜モジュール10の大型化が容易であるという点で、気体が中空糸膜の内側中空部を流れ、被処理液が中空糸膜の外側を流れる、いわゆる外圧型の気体透過膜モジュールが好ましい。
このような気体透過膜モジュール10としては市販品を使用でき、例えばセルガード株式会社製の商品名「リキセル;Liqui−cel(登録商標)」などが好適である。
【0021】
気体透過膜11により区画された2室のうち一方の液体室12は、廃水が流れる流路であり、他方の気体室13は、被処理液に溶解させる導入ガス(スイープガス)、廃水から脱気されたガス、水蒸気等の気体の流路となっている。そして、気体透過膜11を介して気体が気体室13から液体室12に、または気体が液体室12から気体室13に移動する。そして、気体透過膜11の外側(液体室12:高圧側)と内側(気体室13:低圧側)における各々のガス成分の分圧差を推進力として利用し、透過速度の差により廃水に溶存した硫化水素を分離除去する。
また、液体室12には、廃水から硫化水素が除去された処理液を気体透過膜モジュール10から取り出すための処理液配管12aが取り付けられている。
【0022】
(廃水流入手段)
廃水流入手段20は、気体透過膜モジュール10の液体室12に廃水を流入する手段であり、開閉弁21aを有する廃水配管21を備える。該廃水配管21は、液体室12に接続され、例えばテールガスを処理する過程において排出された廃水を液体室12に流入する。
【0023】
また、廃水流入手段20には、液体室12に流入する廃水の温度を50℃以上に調整する温度調整手段22を備える。廃水の温度は、温度センサ23によって管理される。
水における硫化水素の飽和溶存濃度(飽和溶存HS濃度)は温度に依存し、図3に示すように、温度が高くなるに連れて飽和溶存HS濃度は低くなる傾向にある。従って、温度調整手段22によって廃水の温度を事前に50℃以上に調整して液体室12に流入すれば、廃水の飽和溶存HS濃度が十分に下がるため、硫化水素を溶存しきれずに放出しやすくなる。その結果、放出された硫化水素が気体透過膜11によって気体室13に移動するため、廃水から硫化水素を効率よく除去できる。
廃水の温度は、高くなるほど飽和溶存HS濃度が下がるので硫化水素の除去効率が向上するが、気体透過膜モジュール10の耐熱温度以下(すなわち、気体透過膜11、ハウジング、封止剤、パッキン等の耐熱温度以下)に設定することが好ましく、具体的には気体透過膜モジュール10や気体透過膜11の材質などから90℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
【0024】
また、この例の廃水流入手段20は、液体室12に流入する廃水のpHを6以下に調整するpH調整手段24を備える。
水中に溶存する硫化水素(HS)は、下記式に示すようにpHによって形態が変化し、硫化水素イオン(HS)と硫化物イオン(S2−)に変化する。
S ⇔ HS + H⇔ S2− + 2H
この反応は可逆反応であり、ルシャトリエの法則により、反応系のpHが低いと(すなわち、Hが過多であると)平衡反応は左側に移動し、逆にpHが高いと(すなわち、Hが過少であると)平衡反応は右側に移動する。気体透過膜はその特性上、イオンの脱離が困難であるため、廃水中の硫化水素は、HSの形態で溶存していることが望まれる。図4に示すように、水のpHが6以下であれば溶存する硫化水素の内、90%以上がHSの形態で溶存することとなる。従って、pH調整手段24によって廃水のpHを事前に6以下に調整して液体室12に流入すれば、硫化水素の内、90%以上がHSの形態で溶存するため、気体透過膜による硫化水素の除去性能をより高めることができる。廃水のpHは、5以下に設定することが好ましい。
【0025】
(ガス流入手段)
ガス流入手段30は、気体透過膜モジュール10の気体室13に硫化水素とは異なるスイープガスを流入する手段であり、流量調節弁31aを有するスイープガス配管31を備える。該スイープガス配管31は気体室13に接続され、スイープガスを気体室13に流入する。
【0026】
また、この例のガス流入手段30は、気体室13に流入するスイープガスの温度を調整する温度調整手段32を備える。スイープガスの温度は、温度センサ33によって管理される。
【0027】
本発明に用いるスイープガスは、硫化水素とは異なるガスである。スイープガスとしては、硫化水素と反応しにくいガスであれば特に限定されないが、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの一般的な不活性ガス、または不活性ガスを主成分とするガスを好適に使用できる。特に入手の容易性や取り扱い性も考慮に入れた場合、窒素ガスまたは窒素ガスを主成分とするガス、中でも空気(酸素20容量%、窒素80容量%の混合物に相当)を使用するのが特に好ましい。
ここで、「主成分」とは、75容量%以上含むことをいう。
【0028】
また、スイープガスとしては、結露しない範囲内で温度が低い方が、硫化水素の除去効率が高くなるため好ましい。気体の状態方程式などからも分かるように、おおよそ一定の圧力下においてスイープガスが高温になると気体室内の気体の濃度、すなわち、一定空間中に占める分子の割合が低くなる。そして、気体透過膜の分離の原理に平衡・拡散を用いているので分子の割合が下がることは、結果的に液体室との濃度差を小さくすることとなり、硫化水素の除去効率が低下する。
従って、スイープガスにより気体室の温度を結露しない範囲内で下げていくことで、膜の各部屋間の平衡を崩すことになるため、硫化水素の除去効率は向上する傾向にある。ただし、温度を下げすぎると結露により水蒸気として気体室13側に移動してきた水分子が、外気温度の低下などの外的要因によって容易に凝縮して水(液体)に変化する。このようにして生じた水(液体)は、気体透過膜の膜面に付着して膜面を覆うために、脱気および/またはガス溶解に供される膜面の面積を減少させる。その結果、処理時間の経過と共に気体透過膜の脱気および/またはガス溶解効率が低下しやすくなる。特に、気体透過膜11として中空糸膜を用いる場合には、中空糸膜が凝集水で閉塞されやすく、硫化水素の除去効率が低下しやすくなる。
【0029】
そこで、スイープガスの流路(すなわち気体室13)には、ドライエアーを供給するためのドライエアー源(図示略)を接続するのが好ましい。ここでドライエアーとは露点温度0℃以下の低露点のエアーとする。
一般にドライエアーの供給装置としては、冷凍式に代表されるヒートレス式ドライヤーや、活性アルミナ・シリカゲル・モレキュラシーブなどを吸着剤として加熱再生と吸着を繰り返す形のヒーター式ドライヤー等が挙げられる。
【0030】
<脱硫手段>
脱硫手段40は、廃水から除去された硫化水素を含む気相(廃ガス)から、硫化水素を除去する手段であり、気体室13と脱硫手段40とが廃ガス配管41で連結されている。
脱硫手段40としては、硫化水素を含む気相から硫化水素を除去して捕集することが可能であれば、その構成などは特に限定されないが、例えば、酸化鉄系の脱硫剤や活性炭などの吸着剤を充填した脱硫塔などが挙げられる。
【0031】
<作用効果>
以上説明した本発明の廃水の処理装置1は、気体透過膜モジュール10を有する膜モジュールユニット100を具備するので、気体透過膜モジュール10の液体室12に流入された廃水に溶存した硫化水素のみが気体透過膜11により分離され、気体透過膜11を透過して気体室13に移動する。また、廃水流入手段20は、液体室12に流入する廃水の温度を事前に50℃以上に調整するための温度調整手段22を備えているので、飽和溶存HS濃度が十分に下がる温度に廃水を調整できる。従って、50℃以上に温度調整された廃水は、硫化水素を溶存しきれずに放出しやすくなるので、放出された硫化水素は気体透過膜11を透過して気体室13に移動し、廃水から硫化水素を効率よく除去できる。
【0032】
また、本発明の廃水の処理装置1は、気体透過膜モジュール10の気体室13にスイープガスを流入し、ガスの分圧を推進力として利用して廃水に溶存した硫化水素を気体透過膜11により分離除去するため、スイープガスの圧力以外には分離除去のためのエネルギーやユーティリティーは殆ど不要である。
従って、本発明の廃水の処理装置1は、簡易な設備にて、硫化水素が溶存した廃水から簡便かつ効率よく硫化水素を除去できる。
【0033】
さらに、気体透過膜モジュール10として管束状のモジュールを使用すれば、配管、計装などのシステム全体を小型化でき、設置スペースを小さくできる。
また、本発明の廃水の処理装置1は、液体室12への廃水の流入や、気体室13へのスイープガスの流入を開始したり停止したりすることで、装置の運転を開始したり停止したりできるため、スタートアップやシャットダウンが極めて容易であり、通常運転中は殆ど操作の必要がなく、しかも、負荷変動に対しても容易に操作を行なうことができる。
【0034】
<他の実施形態>
本発明の廃水の処理装置は図1に示す処理装置1に限定されない。例えば図1の処理装置1では、1つの膜モジュールユニット100を具備しているが、例えば図2に示すように、膜モジュールユニット100が直列に2段配置されていてもよい。
図2に示す廃水の処理装置2は、1段目の膜モジュールユニット100aの気体透過膜モジュール10の液体室12と、2段目の膜モジュールユニット100bの気体透過膜モジュール10の液体室12とが、2段目の膜モジュールユニット100bの廃水流入手段20の廃水配管21によって連結されている。
【0035】
また、図2に示す廃水の処理装置2の場合、1段目の膜モジュールユニット100aの廃水流入手段20が温度調整手段22を備え、2段目の膜モジュールユニット100bの廃水流入手段20が、該膜モジュールユニット100bの気体透過膜モジュール10の液体室12に流入する廃水を事前に加温する加温手段25を備える。
2段目の膜モジュールユニット100bの廃水流入手段20が加温手段25を備えることで、飽和溶存HS濃度が十分に下がる温度に廃水を維持でき、廃水から硫化水素をより効率よく除去できる。なお、2段目の膜モジュールユニット100bの廃水流入手段20は、加温手段25の代わりに、廃水を保温する保温手段を備えていてもよい。
【0036】
2段目の膜モジュールユニット100bの廃水流入手段20は、pH調整手段24を備えていてもよい。
また、2段目の膜モジュールユニット100bの気体透過膜モジュール10の気体室13は、廃ガス配管41によって脱硫手段40に接続されている。
【0037】
なお、図2に示す廃水の処理装置2は、膜モジュールユニット100が直列に2段配置されているが、膜モジュールユニット100の数は3個以上でもよい。この場合、2段目以降の膜モジュールユニット100の廃水流入手段20が、廃水を加温する加温手段25または廃水を保温する保温手段を備えるのが好ましい。
【0038】
[廃水の処理方法]
本発明の廃水の処理方法は、気体透過膜により液体室と気体室とに区画された気体透過膜モジュールを用い、液体室に廃水を流入し、気体室にスイープガスを流入し、気体透過膜を介して廃水から硫化水素を除去する除去工程を1回以上行う。そして、少なくとも1回目の除去工程では、液体室に流入する廃水の温度を50℃以上に調整する。
以下、図1に示す廃水の処理装置1を用いて、本発明の廃水の処理方法の一例について具体的に説明する。
【0039】
除去工程では、気体透過膜モジュール10の液体室12に、廃水流入手段20により廃水を流入し、気体透過膜モジュール10の気体室13に、ガス流入手段30によりスイープガスを流入する。すると、ガスの分圧により廃水に溶存した硫化水素が気体透過膜11を透過して気体室13へ移動し、廃水から硫化水素が除去される。スイープガスとしては、空気または窒素であることが好ましい。
【0040】
1回目の除去工程では、液体室12に流入する廃水の温度を温度調整手段22により50℃以上に調整する。廃水の温度を事前に50℃以上に調整すれば、図3に示すように、廃水の飽和溶存HS濃度が十分に下がるため、硫化水素を溶存しきれずに放出しやすくなる。その結果、放出された硫化水素が気体透過膜11によって気体室13に移動するため、廃水から硫化水素を効率よく除去できる。廃水の温度は、気体透過膜モジュール10の耐熱温度以下に設定することが好ましく、具体的には気体透過膜モジュール10や気体透過膜11の材質などから90℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
【0041】
液体室12に流入する廃水の温度を調整する際には、液体室12への廃水の流入温度(Tw)と、気体室13へのスイープガスの流入温度(Ts)との差(Tw−Ts)が10℃以内となるように、温度調整手段22、32により廃水およびスリープガスの温度を事前にそれぞれ調整するのが好ましい。Tw−Tsが10℃以内であれば、脱気したガスが廃液側に再溶解することを防いだり、スイープガスによる廃水の温度低下を防止したりでき、その結果、硫化水素の除去効率がより向上する。Tw−Tsは、具体的には5℃以内がより好ましい。
【0042】
また、1回目の除去工程では、液体室12に流入する廃水のpHをpH調整手段24により6以下に調整するのが好ましい。廃水のpHを事前に6以下に調整すれば、図4に示すように、廃水に溶存する硫化水素の内、90%以上がHSの形態で溶存することとなり、気体透過膜による硫化水素の除去性能をより高めることができる。廃水のpHは、5以下に設定することが好ましい。
【0043】
廃水から除去された硫化水素を含む気相(廃ガス)は、廃ガス配管41を通過して脱硫手段40に供給され、硫化水素が除去される。
一方、硫化水素が除去された液相は、処理液として排水される。本発明により得られる処理液は、硫化水素が硫化物イオンの形態で残留しにくいので、灌漑などに再利用することもできる。
【0044】
<作用効果>
以上説明した本発明の廃水の処理方法によれば、気体透過膜モジュールを用いた除去工程を1回以上行うので、気体透過膜モジュールの液体室に流入した廃水に溶存した硫化水素のみが気体透過膜により分離され、気体透過膜を透過して気体室に移動する。また、少なくとも1回目の除去工程において液体室に流入する廃水の温度を事前に50℃以上に調整するので、廃水の飽和溶存HS濃度が十分に下がり、廃水は硫化水素を溶存しきれずに放出する。その結果、放出された硫化水素は気体透過膜を透過して気体室に移動するので、廃水から硫化水素を効率よく除去できる。
【0045】
また、本発明の廃水の処理方法は、気体透過膜モジュールの気体室にスイープガスを流入し、ガスの分圧を推進力として利用して廃水に溶存した硫化水素を気体透過膜により分離除去するため、スイープガスの圧力以外には分離除去のためのエネルギーやユーティリティーは殆ど不要である。
従って、本発明の廃水の処理方法は、簡易な設備にて、硫化水素が溶存した廃水から簡便かつ効率よく硫化水素を除去できる。
【0046】
また、本発明の廃水の処理方法であれば、生物脱硫方式とは異なり、新たにBOD源(メタノールなど)を添加する必要がない。また、過酸化水素単独あるいは金属イオンとの併用により処理する方法とは異なり、配管が腐食しにくい。さらに、硝酸塩による除去とは異なり、処理液を灌漑などに再利用することもできる。
【0047】
<他の実施形態>
本発明の廃水の処理方法は、上述した方法に限定されない。例えば上述した方法では、除去工程は1回であるが、除去工程は2回以上行ってもよい。
除去工程を2回以上行う場合、図1に示す処理装置1を用い、液体室12から排出される液相(処理液)を廃水流入手段20に供給し、再び液体室12に流入して硫化水素を除去する操作を繰り返し行ってもよいし、直列に2段以上配置された気体透過膜モジュールを用いて除去工程を2回以上行ってもよい。
以下、図2に示す廃水の処理装置2を用いて、除去工程を2回行う場合の廃水の処理方法の一例について具体的に説明する。
【0048】
まず、1段目の膜モジュールユニット100aの気体透過膜モジュール10の液体室12に、廃水流入手段20により廃水を流入し、気体室13に、ガス流入手段30によりスイープガスを流入し、気体透過膜11を介して廃水に溶存した硫化水素を除去する(1回目の除去工程)。
次いで、硫化水素が除去された液相を、2段目の膜モジュールユニット100bの気体透過膜モジュール10の液体室12に、廃水流入手段20により流入し、2段目の膜モジュールユニット100bの気体透過膜モジュール10の気体室13に、ガス流入手段30によりスイープガスを流入し、気体透過膜11を介して廃水に溶存した硫化水素を除去する(2回目の除去工程)。
【0049】
1回目の除去工程では、上述したように1段目の膜モジュールユニット100aの液体室12に流入する廃水の温度を、温度調整手段22により事前に50℃以上に調整する。
2回目の除去工程では、2段目の膜モジュールユニット100bの液体室12に流入する廃水を事前に加温または保温することが好ましい。廃水を加温または保温する際の温度は、50℃以上が好ましい。また、2回目の除去工程でも、2段目の膜モジュールユニット100bの液体室12への廃水の流入温度(Tw)と、気体室13へのスイープガスの流入温度(Ts)との差(Tw−Ts)が10℃以内となるように、2段目の膜モジュールユニット100bの温度調整手段22、32により廃水およびスリープガスの温度を事前にそれぞれ調整するのが好ましい。さらに、2段目の膜モジュールユニット100bの液体室12に流入する廃水のpHを事前に6以下に調整するのが好ましい。
【0050】
1回目の除去工程および2回目の除去工程で廃水から除去された硫化水素を含む気相(廃ガス)は、廃ガス配管41を通過して脱硫手段40に供給され、硫化水素が除去される。
一方、2回目の除去工程で硫化水素が除去された液相は、処理液として排水される。
【0051】
なお、直列に2段以上配置された気体透過膜モジュールを用いて除去工程を2回以上行う場合は、2回目以降の除去工程において液体室に流入する廃水を加温または保温するのが好ましい。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(硫化水素濃度の測定)
排水中の溶存硫化水素濃度は、JIS K0102−39.1(メチレンブルー吸光光度法)に準拠して測定した。
【0054】
(試験原水の調製)
硫化水素ボンベより、溶存酸素を含まない水(窒素ガスによりパージしたもの)に硫化水素を曝気し、硫化水素の濃度が数百mg/Lになるよう高濃度の硫化水素水を調製した。調製した硫化水素水について、検知管で簡易的に硫化水素濃度を測定した。
さらに、窒素ガスによりパージした純水を加温したものと、常温下で窒素ガスによりパージした純水を、液温が60℃になるように適当な割合で混合した。この純水に、硫化水素濃度が約1mg/Lになるように、先に調製した硫化水素水を投入し、試験原水Aを調製した。
別途、常温下で窒素ガスによりパージした純水に、硫化水素濃度が約1mg/Lになるように、先に調製した硫化水素水を投入し、試験原水Bを調製した。
試験原水A、Bは、調製後、直ちに硫化水素濃度を測定し、濃度が1mg/L前後であることを確認してから、試験に供した。
なお、通水量は1L/min、通気量は30L/minの条件に固定して試験を行なった。採水は通水開始後約3分後と約6分後の処理液を採取した。
【0055】
[実施例1]
図1に示す廃水の処理装置1を用い、以下のようにして硫化水素の除去試験を行った。なお、気体透過膜モジュール10としては、セルガード株式会社製のリキセル(登録商標)2.5×8 外圧型分離膜コンタクターを用いた。
コンプレッサー(図示略)から排出した空気を、温度センサ33で測定した温度が48.5℃になるように温度調整手段32により加温し、通気量30L/min(0℃、1atm換算)の条件で、ガス流入手段30より気体透過膜モジュール10の気体室13に流入した。一方、試験原水Aを、温度センサ23で測定した温度が54.5℃になるように温度調整手段22により温度調整し、通水量1L/minの条件で、廃水流入手段20より気体透過膜モジュール10の液体室12に流入し、気体透過膜11を介して試験原水Aから硫化水素を除去した。
さらに、試験原水Aから除去された硫化水素を含むスイープガスを、活性炭を内包した脱硫手段40に導入して処理することにより、排出される気相ガス中に含まれる硫化水素の除去を行った。
【0056】
試験原水Aの通水開始後、約3分経過した後の処理液を採取し、処理液中の硫化水素濃度を測定した。そして、下記式より硫化水素の除去率を求めた。結果を表1に示す。
除去率(%)={(試験原水の硫化水素濃度−処理液の硫化水素濃度)/試験原水の硫化水素濃度}×100
【0057】
[実施例2]
気体室13に流入するスイープガスの流入温度、および液体室12に流入する試験原水Aの流入温度を表1に示す温度に調整した以外は、実施例1と同様にして硫化水素の除去を行い、処理液の硫化水素濃度を測定し、硫化水素の除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0058】
[比較例1]
試験原水Bを用い、気体室13に流入するスイープガスの流入温度、および液体室12に流入する試験原水Bの流入温度を表1に示す温度に調整した以外は、実施例1と同様にして硫化水素の除去を行い、処理液の硫化水素濃度を測定し、硫化水素の除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0059】
[比較例2]
試験原水Bを用い、気体室13に流入するスイープガスの流入温度、および液体室12に流入する試験原水Bの流入温度を表1に示す温度に調整した以外は、実施例1と同様にして硫化水素の除去を行い、処理液の硫化水素濃度を測定し、硫化水素の除去率を求めた。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1から明らかなように、実施例1、2では、処理液の硫化水素濃度を0.10mg/L以下にまで低減でき、灌漑などに用いられる再利用水の水質基準である0.10mg/Lを下回るレベルまで硫化水素濃度を低減することができた。また、硫化水素の除去率は89.8%以上であり、廃水から効率よく硫化水素を除去できた。
特に、Tw−Tsが10℃以内である実施例1の場合、処理液の硫化水素濃度が0.06mg/Lと低く、硫化水素の除去率は94.2%と高かった。
【0062】
一方、比較例1、2では、処理液中の硫化水素濃度が0.14mg/L以上であり、灌漑などに用いられる再利用水の水質基準である0.10mg/Lを下回るレベルまで硫化水素濃度を低減することができず、さらなる処理が必要であった。また、硫化水素の除去率は85.4%以下であり、実施例1、2に比べて低かった。
【符号の説明】
【0063】
1、2、 廃水の処理装置
10 気体透過膜モジュール
11 気体透過膜
12 液体室
13 気体室
20 廃水流入手段
21 廃水配管
22、32 温度調整手段
23、33 温度センサ
24 pH調整手段
25 加温手段
30 ガス流入手段
31 スリープガス配管
40 脱硫手段
41 廃ガス配管
100 膜モジュールユニット
100a 1段目の膜モジュールユニット
100b 2段目の膜モジュールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫化水素が溶存した廃水から硫化水素を除去して廃水を処理する方法であって、
気体透過膜により液体室と気体室とに区画された気体透過膜モジュールを用い、前記液体室に廃水を流入し、前記気体室に硫化水素とは異なるスイープガスを流入し、気体透過膜を介して廃水から硫化水素を除去する除去工程を1回以上行い、
少なくとも1回目の除去工程では、液体室に流入する廃水の温度を50℃以上に調整する、廃水の処理方法。
【請求項2】
少なくとも1回目の除去工程では、気体透過膜モジュールの液体室への廃水の流入温度(Tw)と、気体室へのスイープガスの流入温度(Ts)との差(Tw−Ts)が10℃以内である、請求項1に記載の廃水の処理方法。
【請求項3】
スイープガスが、不活性ガスまたは不活性ガスを主成分とするガスである、請求項1または2に記載の廃水の処理方法。
【請求項4】
直列に2段以上配置された気体透過膜モジュールを用いて前記除去工程を2回以上行い、かつ、2回目以降の除去工程では、液体室に流入する廃水を加温または保温する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃水の処理方法。
【請求項5】
廃水から除去された硫化水素を含む気相から、硫化水素を除去する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の廃水の処理方法。
【請求項6】
気体透過膜モジュールの液体室に流入する廃水のpHを6以下に調整する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の廃水の処理方法。
【請求項7】
気体透過膜を介して硫化水素が溶存した廃水から硫化水素を除去して廃水を処理する装置であって、
気体透過膜と、該気体透過膜により区画された液体室および気体室とを備えた気体透過膜モジュールと、
前記気体透過膜モジュールの液体室に廃水を流入する廃水流入手段と、
前記気体透過膜モジュールの気体室に、硫化水素とは異なるスイープガスを流入するガス流入手段と
を有する膜モジュールユニットを具備し、
前記廃水流入手段は、液体室に流入する廃水の温度を調整する温度調整手段を備える、廃水の処理装置。
【請求項8】
前記膜モジュールユニットが直列に2段以上配置され、かつ1段目の膜モジュールユニットの廃水流入手段が前記温度調整手段を備え、2段目以降の膜モジュールユニットの廃水流入手段が、廃水を加温する加温手段または廃水を保温する保温手段を備える、請求項7に記載の廃水の処理装置。
【請求項9】
廃水から除去された硫化水素を含む気相から、硫化水素を除去する脱硫手段をさらに具備する、請求項7または8に記載の廃水の処理装置。
【請求項10】
前記廃水流入手段は、液体室に流入する廃水のpHを6以下に調整するpH調整手段を備える、請求項7〜9のいずれか一項に記載の廃水の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−49002(P2013−49002A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187496(P2011−187496)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】