廃水の酸素化装置及び方法
【課題】ガスを流体に移送するシステムを提供する。
【解決手段】本発明による方法及び装置は、廃水処理に使用されるガス富化流体を生成することに関する。実施例において、処理すべき廃水供給部の一部の廃水を流体供給部(80)によって引いて、廃水を、ガス供給部(70)からのガスで加圧された容器(60)に噴霧器の仕方で送出する。それにより、ガス富化廃水を形成する。次いで、ガス富化廃水を、ガス富化流体供給部(90)によって、処理すべき廃水供給源へ送出する。
【解決手段】本発明による方法及び装置は、廃水処理に使用されるガス富化流体を生成することに関する。実施例において、処理すべき廃水供給部の一部の廃水を流体供給部(80)によって引いて、廃水を、ガス供給部(70)からのガスで加圧された容器(60)に噴霧器の仕方で送出する。それにより、ガス富化廃水を形成する。次いで、ガス富化廃水を、ガス富化流体供給部(90)によって、処理すべき廃水供給源へ送出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水をガス富化するためのシステム及び方法に関し、更に詳細には、生物化学的酸素要求量を満たすことを支援するように、多量の酸素冨化水を貯水場、タンク、池、小川等に供給するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、以下の説明及び/又は上述の特許請求の範囲に記載した本発明の様々な側面に関する技術の様々な側面を読者に紹介しようとするものである。ここで説明する内容が、本発明の様々な側面をより理解しやすくするために、背景情報を読者に提供することを助けるものと信じる。従って、これらの説明は、この見方で読むべきであり、従来技術を容認するものではないことを理解すべきである。
【0003】
自然界の水路は、有機物質を同化する能力を有する。有機物質の負荷量がこの同化能力を超えたとき、水資源はこの理由で害される。人的廃棄物であるか産業廃棄物かを問わず、廃棄物は、環境に安全に放出されるように処理される。例えば、自治都市及び工場からの廃水は、河川等の水路に排出される前に処理される。多くの場合、これらの処理は、追加の酸素を生物学的な廃棄物分解プロセスに導入することによって自然界の同化プロセスを促進させている。
【0004】
水の汚れ即ち汚染は、世界中、特に米国で深刻な問題となっている。産業法人及び自治体を含む様々な汚染源が水の汚染の原因となっている。産業法人は、液体又は2相(液体/固体)の廃棄物を間接的に又は直接的に河川及び湖等の環境に排出し、水源を汚染して、環境、魚及び野生生物を害する恐れがある。また、空輸汚染物質が降雨及び流水によって集められて種々の水域に入る恐れがあるので、大気汚染、特に産業大気汚染も問題である。産業廃棄物は、重金属、炭化水素、一般的に有毒な物質及びその他の多くの既知の及び未知の汚染物質を含むことがある。加えて、廃水及び大気汚染は、通常、不十分な廃水処理又は非効率的な産業システム(例えば、非効率的な燃焼、化学反応又はプロセス等)により生じることがある汚染物質からの望ましくない悪臭を放つ。
【0005】
自治体も、かなりの廃棄物を生成している。特に、合流式下水道越流水(CSO)(combined sewer overflows)、汚水用下水道越流水(SSO)(sanitary sewer overflows)及び雨水の排出は、重大な問題を引き起こすことがある。下水は、バクテリア、ウィルス、原生動物(寄生生物)、寄生虫(腸内寄生虫)及び空中浮遊菌(吸入性カビ、菌類)をその他の多くの汚染物質の中で運ぶ。合流式下水道は、初期下水道システムが残っているものであり、雨水流及び汚水を回収する共通のパイプを使用する。降雨又は融雪の期間中、これらの合流式下水道は、溢れると直接近くの小川、河川、湖又は河口域に流れ込むように設計されている。SSO(汚水用下水道越流水)は、分流式汚水用下水道回収システムからの下水排出流であり、下水処理場に達する前に溢れる恐れがある。汚水用下水道は、様々な理由、例えば、不適切な又は劣化したシステム、破損した又は水漏れするパイプ及び/又は地面を通って水漏れパイプに入り込む過剰な雨又は降雪などで越流する恐れがある。最後に、雨水流は、その汚染物質が河川、小川、湖を通って開始有され又は合流式下水道及び汚水用下水道内に回収されるので、上記問題に加わる。雨水は、肥料、農薬、自動車からのオイル及びグリース、排気ガス、大気汚染降下物、動物からのバクテリア、腐った草木及びその他の多くの既知の及び未知の汚染物質を拾い上げる。
【0006】
水質汚染は、多くの産業法人の場合のように現場特定のものであることもあるし、多くのCSO(合流式下水道越流水)、SSO(汚水用下水道越流水)及び雨水流の場合のように現場特定のものでないこともある。ここでの説明は、産業廃棄物及び自治都市廃棄物に限定されていたが、汚染は、種々の現場特定の及び現場特定でない様々な発生源及び蓄積部から生じることがある。例えば、農業廃棄物、農薬及び肥料は、池、小川、灌漑、地下水及び動物や人間の飲用水など、現場特定の水質汚染を生じさせる。
【0007】
今日、最も一般的な廃棄物処理方法は、廃棄物を生物学的に分解する「バグ」と一般に呼ばれる微生物を使用する好気性生物学的分解である。廃水処理適用例において、好気性生物学的分解は、通常、曝気/活性汚泥処理を伴い、この曝気/活性汚泥処理では、処理すべき廃水を収容する1つ又は2以上のタンクに酸素が加えられる。酸素は微生物を支援し、微生物は廃水中の化合物を分解する。微生物が成長して廃棄物を分解し、最終的には、生物化学的酸素要求量(BOD)、即ち、好気性条件の下で分解可能な有機物質の安定化中に微生物が必要とする酸素量を低減することを可能にするために、処理システムにおいて、十分な酸素が入手できなければならない。いくつかのシステムでは、排出流内の窒素レベルを低下するために、更なる酸素が必要とされる。
【0008】
通常、廃棄物処理場は、微生物の成長を支援するために、機械式又は拡散式曝気装置を使用する。機械式曝気装置は、通常、池、タンク又はその他の貯水場の表面のすぐ下に配置されたブレード又はプロペラを使用して、混合によって空気を廃水に誘導する。このようなミキサーは、一般的には、初期投資コストが比較的低いが、かなりの量の運転エネルギーをしばしば必要とする。
【0009】
これに対し、拡散式曝気装置は、気泡を通常貯水場の底部近くから貯水場に吹き込むことによって、空気又は酸素を廃水に導入する。拡散式曝気装置は、設計に応じて、粗い気泡又は細かい気泡のいずれかを生成する。粗い気泡は、大きい穴を有するディフューザを介して生成され、通常、直径4mmから6mmまでの大きさの範囲又はそれ以上の範囲にある。他方、細かい気泡は、小さい穴を有するディフューザを介して生成され、通常、直径0.5mmから2mmまでの大きさの範囲にある。拡散式曝気装置は、通常、機械式曝気装置よりも初期コストが安く、運転コスト及びメンテナンスコストも安くて済む。
【0010】
機械式及び拡散式曝気装置は、気体状態の酸素を液体廃水に移送しながら揮発性有機化合物(VOC)を排除すること及び悪臭問題に対応することを含み、酸素の移送は、主として、気体と液体の境界にわたる拡散の結果として生じる。例えば、純粋な酸素を使用する拡散式曝気装置の場合、気体と液体の境界は、処理場に導入された気泡の外面によって構成される。一般的には、細かい気泡の曝気装置は、細かい気泡と関連した酸素移送に利用可能な総表面積が大きくなるため、粗い気泡の曝気装置及び機械式曝気装置よりも効率的である。細かい気泡による曝気性能は、定期的なメンテナンスが行われない場合には経時的に低下する。
【0011】
しかしながら、依然として、廃水を酸素化するための更なる効率的な装置及び方法が必要とされている。自治都市廃水の要望は、通常、自治都市の人口が増えるにつれて増大する。この増大する要望を満たすために、自治体は、既存の廃水処理施設を拡張するか、又は、更なる廃水処理施設を建設している。いずれの選択においても、更なる用地及び新しい設備が必要とされる。従って、廃水処理に対する要望の増大に対応して既設施設の運転効率を高めることによって、多くの費用を節約するのが良い。
【0012】
自治都市廃水処理プロセスは、例えば、一般的には初期ふるい分け及び浄化を含む1次処理プロセスと、それに続いて配置され、ときに2次プロセスと呼ばれる生物学的処理プロセスとを含むのが典型的である。活性汚泥プロセスに入る廃水は、(いくつかのプロセスでは、その他の方法で除去された懸濁物質が、2次プロセスで働く微生物の餌として利用可能であるように、1次浄化が省略されてもよいけれども)濁物質の約60パーセント、BODの30パーセント及び病原体の約50パーセントが除去される。
【0013】
活性汚泥プロセスは、通常、1つ又は2以上の曝気タンク又は貯め池から構成され、曝気タンク又は貯め池において、酸素が、有機化合物を分解する微生物を活気付けるために添加される。水は、曝気タンクから出た後で活性汚泥/微生物が沈殿する2次浄化装置に入る。水は、この活性汚泥プロセスを通過した後、通常、懸濁物質の約90%及びBODの80パーセントから90パーセントまでが除去される。水は、更に進んだ2次又は3次処理をする又は自然界の水路に戻る準備ができている。この選択は、通常、排出流の水質レベル及びその地域の規制に依存する。
【0014】
変形例として、廃水処理は、シーケンスバッチ式反応器(SBR)で行っても良い。SBR処理は、概略的には、活性汚泥システムと同じであり、活性汚泥システムが幾つかのタンクを使用するのに対し、SBRプロセスが1つのタンクのみで行われる点が異なる。SBRは、硝化作用/脱窒素作用及びリンの除去などの定期的な2次処理又はより進んだ処理プロセスにおいて、活性汚泥プロセスの代替として使用される。SBRは、1日に多数のバッチを処理することができる。SBRは、産業適用例に関しては、1日に1から3バッチを処理し、自治都市適用例に関しては、1日に4から8バッチを処理するのが普通である。
【0015】
SBRの工程には、概略的には、充填、反応、沈殿、デカント(decant)及び待機の5つの個別の段階を含むが、特定の適用例に関連する状況に応じて、これらのSBR段階に対する代替段階があっても良い。充填段階において、廃水が貯め池の底部近くのポートを介して反応器のタンクに入り、その後、入口バルブを閉じる。充填中、曝気及び混合を開始しても良い。反応段階において、入口を閉じ、曝気及び混合を続行し又は開始する。沈殿段階において、残りの懸濁物質が貯め池の底部に沈殿する。デカント段階において、流体を貯め池の表面からデカンタによって除去する。この間、沈殿した汚泥を除去しても良い。待機段階において、反応器は、通常、次のバッチにおける微生物の餌を供給するために、生物資源の一部が貯め池に残っている状態で新しいバッチの廃水を待つ。
【0016】
廃水処理場のオーナー又は操作者は、このような処理場を規制する地方、州及び/又は連邦の法律を遵守しながら、コストを低減する方法を求めている場合が多い。運転コストを低減する1つの方法は、これまでは、運転及びメンテナンスコストの低下を達成するためのエネルギー保全対策を追求することであった。1つの特定の目標は、廃水を曝気するための従来のシステムの運転に関連した実質的な電気及び他のエネルギーコストであった。曝気は、自治都市廃水処理エネルギー消費量の半分以上を占めることがある。しかしながら、これまでより効率的により高いレベルの酸素を廃水に送出するための酸素送出システムの改善に重点が置かれていたが、尚、更なる改良、即ち、廃水処理適用例に関連した多量の酸素を送出する装置及び方法に対する要望がある。更に、非現場特定の水質汚染、例えば、CSO、SSO及び雨水流から生じる小川水質汚染、及び農場の廃水及び悪臭規制などの専門の及び/又は小規模な適用例に適切に対応する柔軟性のある廃棄物処理装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述の問題の1つ又は2以上に対応することができる。本発明の特定の可能性のある態様を例示として以下に述べる。これらの態様は、単に、本発明が取る可能性がある特定の形態の簡単な概要を読者に提供するためのものであり、又、これらの態様は、本発明の範囲を限定することを意図しているものではないことを理解すべきである。実際、本発明は、以下に述べていない様々な態様を包含することができる。
【0018】
ガスを流体に移送するシステムが提供される。1つの実施形態において、本システムは、酸素を廃水に送出するための組立体である。本システムは、水を流体供給部組立体から受け入れ且つ酸素ガスを酸素ガス供給部組立体から受け入れる加圧可能チャンバを含む酸素化部組立体を含む。供給された酸素ガスが、チャンバを大気圧(例えば、300p.s.i.)よりも大きい圧力に加圧し且つ維持することが有利である。水は、チャンバ内で水滴を形成する噴霧器ノズルを介してチャンバに入ることが有利である。水滴がチャンバ内に落ちるとき、酸素が水滴に向って拡散し、水滴は、酸素富化水のプール又は溜まり場としてチャンバの底部に集まる。酸素富化水は、チャンバから取り出され、ホースを介して処理場に送出される。
【0019】
酸素富化すべき水は、タンク、池、湖、小川又は河川などの水源からの比較的に清浄な水であるのが良いことを理解すべきである。いったんこの比較的清浄な水を酸素富化させると、この水を廃水に添加して、廃水の酸素レベルを上げることができる。変形例として、酸素富化すべき水は、処理タンクからの上澄みとしてすくった廃水であっても良い。この上澄みとしてすくった廃水を、本システムが閉塞しないように濾過し、次いで、濾過した廃水を酸素富化させて、廃水タンクに戻し、処理タンク内の廃水の酸素レベルを上げる。
【0020】
有利には、ホースの遠位端は、酸素富化水の排出水が通る1つ又は2以上の毛細管を含む送出ノズルを含むか、又は、送出ノズルに連結される。毛細管は、所望の流量、酸素濃度及びその他の流れ特性、例えば実質的に層流で気泡の無いことが得られるような適切な長さ及び直径に寸法決めするのが良い。毛細管がシリカ製であることが有利であり、約6cmの長さ、約150ミクロン〜450ミクロンの内径であるのが良い。変形例として、毛細管は、様々な金属、合金、ガラス、プラスティック/ポリマー、セラミック、又は他の適切な材料で構成しても良い。約300p.s.i.において約1.5gal/分の酸素富化水流量に対して、約450のこのような毛細管を含む送出ノズルが特に有利である。毛細管は、大気圧で主液に送出されているとき、ガス富化水を安定化させる傾向がある。その結果、毛細管からの排出及び主液との混合中、排出水内に溶存している酸素のガス部分圧が潜在的に高いにもかかわらず、排出流内での核形成及び気泡形成が最小となるか又は生じない。それにより、100パーセントに近づくか又は100パーセントと等しい極めて高い酸素移送効率は、廃水などの主液を酸素化するためのこのアプローチで達成可能である。
【0021】
変形例として、酸素富化水は、プレートベース式送出ノズルシステムに連結されたホースを介して処理場に送出される。プレートベース式ノズルは、複数のチャネルが形成された1つ又は2以上のプレートを含む。チャネルの断面輪郭は、様々な形状、例えば、円形、四角形、方形、楕円形、三角形などとすることができる。各プレート内のチャネルは、プレート内の穴(プレートの上面と下面との間に延びるのが有利)からプレート縁部までプレートの上面の一部分に沿って延びるのが有利である。隣接したプレート間に流体通路を形成するために、1つのプレートの下面をそれに隣接するプレートの上面と合わせるように、プレートを一つ一つ重ねて配置する。更に、穴なし下板を、積み重ねたプレートの下に置きホースと連結するようになっているポートを含む上板を、積み重ねたプレートの上に置くことによって、酸素富化水をホースから受け取り且つ酸素富化水を処理場に送出するように流体通路の各々に供給するプレナムが、積み重ねたプレート内に形成される。
【0022】
特定の適用例に関連した状況に応じて、プレートベース式ノズルシステムに対して幾つかの異なる形状を使用するのが良い。プレートは、関連した適用例に応じて、任意の適切な大きさ又は形状とするのが良い。チャネルは、各プレートにおいてプレートのいずれの側に延びてもよく、それにより、酸素富化水を任意の方向に送出することができる。更に、2つのプレートの隣接した表面は、例えば、2つの別々のプレート上のチャネルを整列させることによって、プレート表面を互いに合わせたときに所望の流体通路形状が生成されるようにプレート内に形成されたチャンネルを有していても良い。
【0023】
プレートベース式送出ノズルシステムの別の実施形態では、流体通路の環状アレイが生成されるように、1つ又は2以上の円錐形プレートを使用するのが良い。円錐形プレートは複数のチャネルを有し、チャネルは、円錐形プレートの小さい方の端部と広い方の端部との間の内面及び外面に沿って直線的に延びる。円錐形プレートは、1つの円錐形プレートの外面が別の円錐形プレートの内面の内側に配置されるように連続的に積み重ねられ、その結果、隣接した円錐形プレート間に流体通路の環状アレイができる。次に、円錐形プレートは、その一端が酸素富化水の共通の入口位置を形成するように切り落とされ、その他端が所望の出口表面(例えば、円錐形、凹形、平坦など)を形成するように構成される。使用中、酸素富化水の流れによって互いに押付けられ、逆方向の水流を用いて、円錐形プレートを分離させ且つ洗浄することができるので、円錐形プレートのデザインによって組立を簡素化することが有利である。
【0024】
1つ又は2以上の送出ノズルを処理場に配置することによって、酸素富化水を処理場に送出して、処理場での酸素レベルを維持又は上げることができることが有利である。例えば、廃水処理反応器において、酸素富化水を反応器内容物に添加して、生物分解活動を支援し、生物化学的酸素要求量などの低減を促進することができる。酸素富化流体供給システムへの供給に使用される水は、送出ノズルが特定の物質によって閉塞を起こす危険性を最小に抑えるために濾過されることが有利である。本システムへの供給に使用される水は、任意の水源、例えば、河川、湖、又はその他の貯水場等の自治都市の水源、廃水処理作業の処理水排出水、処理される廃水の供給源等からくるものとすることができる。
【0025】
処理場に供給される酸素の多くは、高レベルの溶存酸素を有する酸素富化水の形態をなすので、酸素富化水が廃水と混合する際、処理場の酸素化が急速に行われる。酸素富化水の送出は、気泡形成を最小に抑えた状態で行われることが有利であり、その結果、市販の曝気装置で得ることができる効率を上回る酸素化効率が達成される。従って、有利に提供された本システムを、従来の曝気設備の代わりに使用しても良いし、或いは、その補助として使用しても良い。
【0026】
汚水処理に関しては、これまで多くの実施形態を開示したが、ガス富化を必要とする特定の廃水処理適用例に対応するための多くの変形実施形態を検討する。廃水を処理するために水の曝気が必要とされるときは常に、酸素又は空気富化水の所望流量を生成することで評価されるここに開示した実施形態及びその変形実施形態が廃水の酸素含有量を増す増大させることが有利である。液体と気体の界面(即ち気泡)間で拡散を行う従来の曝気技術と比較すると、ここに開示した本実施形態が、主液内の溶存ガスレベルの比較良好な制御を提供しながら、気体枯渇の主液に気体を移送するのに効果的であることが有利である。更に、ここに開示した実施形態が、(より効果的な処理によって及び/又は環境に逃がすか又は気泡として排出される気体の量を低減することによって)廃水及び廃水に適用された気体から悪臭を低減することができることが有利である。
【0027】
とりわけ上述の利点を認識すると、様々な実施形態を農業及び養殖漁業における水処理に用いることができる。例えば、動物飼育場、特に養豚場では、通常、集中した区域にかなりの廃棄物が発生して、廃棄物管理、悪臭管理及び水質汚染が問題になっている。作物が栽培・耕作される場所では、肥料及び農薬は、例えば、降雨で作物及び土地が流失することによって水を汚染する恐れがある。これら水質に関する問題は、悪臭が関連することによって悪化し、即ち、標準的な曝気技術がその問題の一因となっている。同様に、海洋タンク、養魚場、及び孵化場では、通常、比較的小さいタンク、プール又は水域に海洋生物が集中しており、そこでは水質及び酸素化が問題になる恐れがある。従来の処理技術が不十分で、経費が掛かり過ぎ又は一般的に望ましくない可能性がある、これらのような特化された適用例において、ここで開示した実施形態が、柔軟性があり且つ潜在的に経済的な水処理の解決策を提供することが有利である。経費を低減するために、純粋酸素ではなく、大気又は圧縮空気を使用しても良い。例えば、河川、池及び湖など、大規模な水域を曝気するために装置が使用される場合には、空気圧縮機を使用して、より経済的にするのが良い。また、開示した実施形態は、処理場間で移動することができる移動式配備システムとして設計しても良いし、或いは後付け式としても良い。移動式配備システムは、トラック、トレーラ、船又はその他の船舶、ヘリコプタなどの飛行機、上述したように台車又は任意適当な移動装置に取外し可能に取付けられても良いし、固定的に取り付けられても良い。このように、移動システムは、柔軟性があり且つ現場を特定しない適用例及び/又は緊急適用例に対して著しく有利であろう。
【0028】
様々な適用例では、特定の汚染物質に対応するため、水又は廃水を浄化するため又は一般的に水又は廃水の所望の特性を獲得するために、空気又は酸素以外の他の気体を必要とすることがある。例えば、有機化合物を、炭素源として溶存している一酸化炭素と合成するための特定の生物反応器においては、嫌気性のバクテリアが使用される。一酸化炭素及び酸素は両方とも、二酸化炭素とは異なり、やや水に溶けにくい。その結果、気泡発生又は混合など、従来の技術では、一酸化炭素を、嫌気性バクテリアの代謝容量に追随するに十分供給できない恐れがある。これとは対照的に、現在開示している実施形態を適用する変形システムでは、比較的高い移送効率で、有利には100%に近い効率で、水又は廃水を一酸化炭素で富化することができる。
【0029】
また、開示している実施形態は、多くの適用例において経費が掛かり且つ望ましくないことがある気体損失を低減する。従来技術では、液体を通る気体が気泡化することが多く、又、気体の気泡が液体から出るときにガスから液体への転移が最小のものとなり、かなりのガス損失が発生する。現在開示している技術では、効率的な気体から液体への転移が得られ、且つ、その転移は、主液、即ち、池、貯水場などの主水環境から分離して行われ、VOC及び悪臭が駆逐される。主水内の気体の溶存限度を越えないことを条件として、気泡は本質的に除去され、ガス富化水だけが主水に送られる。更に、転移速度は、従来の技術を制限してしまう相対的に低い拡散速度ではなく、主として開示した実施形態の流量に依存する。また、気泡のかなりの低減及び改善された気体から液体への転移は、不完全な気体から液体への転移のために部分的には廃水によって又は(例えば、他の気体が気泡になって廃水を通る従来の技術において)部分的には気体の悪臭によって部分的に引き起こされる望ましくない悪臭を抑制するのに有利である。
【0030】
従って、別の実施形態では、オゾン、一酸化炭素、塩素ガス、不活性ガス又はその他の有益な気体を効果的に採用するのが良い。例えば、オゾンを使用して、汚染物質を酸化させて、それを液体から除外することによって、水などの液体を消毒又は殺菌することができる。とりわけ、鉛及びシアン化合物などの汚染物質は、効果的にオゾン処理して液体から除外しても良いし、不溶性の混合物にしても良く、オゾン処理から生じた余剰オゾンは、通常、普通の酸素に還元される。また、オゾンを使用して、アルミニウム陽極化処理、合成ポリマー及びコラーゲンなどの天然繊維の架橋処理及び製紙で行われる漂白処理などの物質生成及び処理に関連した汚染及び廃棄物を低減することができる。陽極化処理においては、オゾン飽和溶剤を酸の代わりに使用することができ、その結果、廃棄物の毒性が低減される。別の実施例として、水素ガス富化水を使用して、地下水内の塩化溶剤の分解を促進することができる。変形例として、その他の気体、例えば、オゾン、塩素又は特定の有機生命体に対して有毒な気体で富化された水を開水域で使用して、五大湖の廃水口を詰まらせるゼブラ軟体動物の根絶など、特定の問題を処理することができる。
【0031】
本発明の実施形態では、ノズルからの排出流内ですぐに核生成されることなしに、主環境に送出すべき気体で高度に富化された液体の送出が可能であるので、空の貯水場、主液体を問わず、主環境の気体濃度を、高圧環境レベルまで上げることができる。その結果、この効果を利用する多くの適用例が現在可能である。幾つかの例を以下に示す。
【0032】
廃水処理において、主液の空気又は酸素濃度を高圧気体濃度まで上げると、結果的に、主液にヘテロ核が生成される。この核生成は、通常、微視的大きさのものを含め、懸濁粒子に起こるものである。これらの粒子に気泡が成長すると、その後、結果的に、粒子が気泡の浮力によって主液の上層又は表面まで上方に運ばれ、粒子が浮遊する。次に、主液の表面の上澄み処理を行なって、粒子物質を除去することができる。この方法は、例えば、主液底部での曝気拡散プレートで単に主液に気泡を発生されることよりも効率的である。予め形成された気泡は、本発明の実施形態によって形成されるヘテロ核生成処理の有利な効率性と比較可能な効率性では小さな粒子には付着しない。
【0033】
主液の酸素濃度を高圧環境レベルまで上げるために本発明の実施形態を用いることは、多くの酸化処理において有利である。例えば、汚染水内の重金属及び硫化物の除去は、過酸化物の添加で開始することができるが、本発明の実施形態によって提供されるように水の高酸素濃度によって促進させることができ、その結果、過酸化物の必要性が低減される。これは、残留過酸化物は生物には有害であるので有利である。
【0034】
酵母、菌類又はバクテリアが所望の生成物又は結果を出すために酸素を必要とする多くの生物反応器において、主液において多量の酸素を供給する能力によって生成物又は結果の歩留まりが上がる。生物反応器においては生物の更に高い濃度を支援することができ、生成物の形成の速度が、酸素濃度に依存する場合、その速度は、本発明の実施形態によって得られる酸素量の増加とともに上がる。この適用例において、多量の酸素は、結果的に過度の核生成及び泡の形成が生じるレベルを下回るように調整されることになる。
【0035】
嫌気性生物反応器において、一酸化炭素は、有機分子の生合成の炭素源として使用することができる。本発明の実施形態を適用すれば、高圧環境レベルを含め、多量の一酸化炭素が主液において達成可能であり、その結果、生物生成物の反応速度を加速させることができる。反応速度が速くなれば、この処理は更に効率的で及び更に経済的なものになる。
【0036】
飲料業界において、二酸化炭素などの気体による飲料の高度の過飽和が望ましい場合が多い。本発明の実施形態を使用して、二酸化炭素、空気又は酸素などの気体で高度に過飽和された飲料を配給することができる。ガス富化液は、通常のシロップと混合されるガス富化水として、又は、最終ガス富化飲料として配給することができる。通常のディスペンサーの使用と比較すると、本発明の実施形態によって得られるガス富化飲料の方が、泡分が少ない上に多量の気体の保持期間が長い。また、泡分が少なければ飲料用コップ又はカップへの充填が迅速に処理されることになる。
【0037】
温泉業界及び家庭においては、本発明の実施形態を使用して、風呂又はシャワーにおいて提供される高度の気体過飽和状態の水を送出することができる。最も経済的な気体は空気であるが、酸素又は純粋酸素で富化された空気を使用すると、皮膚に触れたときに多量の酸素を与えることができる。多量の酸素は、コラーゲン合成の促進、皮膚低酸素症の軽減及び微生物の酸化殺虫処理に効果的なものとすることができる。更に、皮膚に接触したときに水の中で起こる細かい泡立ちによって、独自の爽快感が得られる。空気及び酸素に加えて、又、水の中の多量の二酸化炭素を皮膚血管の血管拡張が望ましい特定の適用例に使用することができる。また、一酸化炭素及び酸素など、気体の混合物が有益な場合も考えられる。
【0038】
大気圧での主液内の多量の酸素が各実施形態で達成可能であり且つ有利である実施例がこの他にも数多くある。例えば、空気で富化された水は、表面の高圧水洗浄を促進することができ、又、0℃を上回る温度における人工降雪を容易にすることができ、窒素又は一酸化炭素などの不活性ガスで富化された水を使用して、より効率的に消火を行なうことができる。
【0039】
本発明の実施形態は、広範囲な液体と共に使用することができる。例えば、アルコール、油、ガソリン及びディーゼル燃料などの液体燃料は、酸素で富化することができ、小さなオリフィスを介して分配される場合、その後の燃料の燃焼及び酸化がより完全なものになる。燃料中の既存の酸素は、触媒として機能すること及び/又は燃焼はより高い温度で進行することができる。燃料内の酸素の存在(燃料内の酸素の溶解度は、水の場合よりもはるかに大きい)に加えて、小さなオリフィスによる細かいミストの生成を用いて、気体環境(例えば、空気)で浮遊する微視的気泡を生成することができる。この微視的気泡は、液体が最初に分解して小さな水滴になり、各水滴内の気体の核形成によって微視的気泡が生成される。微視的気泡の壁を備える燃料の薄い皮膜によって、燃料のより完全な燃焼を容易にするための非常に広範な表面積が得られる。その結果、燃料効率が上がり、望ましくない反応物質、生成物及び粒子物質の放出が低減されることになる。
【0040】
また、本発明の実施形態を使用して、液体内の多量の気体が大気圧において有利である化学又は生物反応を促進できることが明らかである。通常の液体に加えて、ポリマー及び金属などの固体の液体溶解生成物は、本発明の実施形態を使用して気体で富化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による酸素富化流体供給システムを含む、廃水を酸素化するシステムの例示的な実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明による酸素富化流体供給システムの例示的な実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明による例示的な流体供給用台車及び例示的な酸素化用台車を含む、酸素富化流体供給システムの例示的な実施形態の図である。
【図4】本発明による例示的な酸素化部組立体の断面図である。
【図5】本発明による別の酸素化部組立体の断面図である。
【図6A】ガス富化流体送出ノズルの1つの実施形態の端面図である。
【図6B】図6Aのノズルの断面図である。
【図7】ガス富化流体送出ノズルの別の実施形態の端面図及びノズルの1部の拡大端面図である。
【図8A】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8B】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8C】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8D】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8E】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図9】AからFは、図8Aから図8Eで示すノズルのようなプレートベース式ノズルと関連して使用される例示的なチャネル配置を示す図である。
【図10】図8Aから図8Eで示すノズルのようなプレートベース式ノズルと関連して使用される例示的な取付具組立体を示す図である。
【図11】本発明による酸素富化流体供給システムを含む廃水酸素化システムに使用される廃水処理場を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明は、本発明の種々の態様を表す特定の実施形態を示している。明瞭にするために、実際の装置の全ての特徴部分を本明細書で説明してはいない。本発明の実際の任意の実施形態を展開させることに関連して、適用例によって異なる特定の目標を達成するために、多くの適用例に特有の決定を行わなければならないことを理解すべきである。更にまた、その様な展開の努力はいずれも、複雑で時間がかかるかも知れないが、本開示の利益を得る当業者にとっては、日常的な作業に過ぎないことを理解されるであろう。
【0043】
明瞭さと便宜上の理由から、本明細書では、種々の実施形態を、CSO処理、SSO処理及び雨水排出を含む自治都市廃水処理に一般的に係わる適用例を内容として説明する。しかし、本発明はまた、他の適用例、例えば、石油、食品、紙パルプ及び紙、鉄鋼産業等における産業廃水処理、湖及び河川の修復工事及び/又は廃水処理、化学廃水処理、埋め立て廃水処理、地下水処理、飲用水のオゾン消毒、農業又は水栽培用水処理、(例えば農場での)悪臭制御等にも有用である。また、本発明のシステムを、水又はその他の流体中のガス、例えば酸素のレベルを上昇させるために使用することができるけれども、明瞭さと便宜上の理由で、本明細書では、廃水適用例のみを説明する。
【0044】
下記に説明するガス供給部組立体によって供給されるガスは、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、空気、塩素ガス及び/又はその他の処理ガスを含み、下記に説明するガス富化部組立体は、有利には、以下に説明する流体供給部組立体によって供給される流体の溶存ガス含有量を上昇させることが可能なガス吸収部組立体を含むことを理解されたい。しかしながら、明瞭且つ簡潔にするために、本明細書では例示として、酸素ガスの使用法を主に説明する。
【0045】
次に図面を参照すると、廃水処理システムが示されており、この廃水処理システムにおいては、図1に示すように、流入廃水が、一次処理のために反応器10に配給される。有利には、廃水は、好気性生物分解処理を実行する微生物を含む。微生物の活性を支援するために、廃水は酸素化される。その様な酸素化のために、従来の曝気システム20、例えば、ミキサー又はディフューザと、酸素富化流体供給システム30とを図示しているけれども、酸素富化流体供給システム30が単独で使用されていも良いし、或いは、それが従来の曝気システム20と組み合わせて使用されても良いことを理解すべきである。酸素富化流体供給システム30、又は、曝気システム20及び酸素富化流体供給システム30が、反応器10のBODを満たすために運転されることが有利である。初期ふるい分け及び浄化の後、さらに処理を進めるために、反応器10からの廃水は、典型的には、二次浄化器40に移送される。第2の酸素富化流体供給システム50が、浄化器40内の酸素レベルを上昇させ又は維持して、微生物の活性を支援するために使用され、この第2の酸素富化流体供給システム50も、単独で使用されていも良いし、従来の曝気システム(図1に示さず)と組み合わせて使用されても良い。所定のレベルの懸濁物質及びBODを達成するのに十分な処理がなされた後、上澄み処理水が排出流として除去され、沈殿汚泥の一部又は全部が処分のために除去され、残余の汚泥は、反応器10に戻され、処理のために新しい流入廃水に併合される。
【0046】
図2に示すように、酸素富化流体供給システム30の1つの例示的な実施形態は、ガス供給部組立体、例えば酸素ガス供給部組立体70と流体供給部組立体80の両方に作動的に連結されたガス富化部組立体、例えば酸素化部組立体60を含む。酸素化部組立体60は、有利には、流体供給部組立体80によって供給された流体の溶存酸素含有量を上げることが可能な酸素吸収部組立体を含む。酸素化部組立体60から排出される酸素富化流体は、所定の処理場所への移送のために、酸素富化流体送出部組立体90に供給されるのが有利である。
【0047】
流体の溶存酸素レベルは、様々な方法で記述される。例えば、溶存酸素レベルは、所定酸素分圧(pO2)の飽和溶液において達成される酸素の濃度よって記述される。また、溶存酸素レベルは、流体1リットルあたりの酸素のミリグラム数によって記述されても良いし、流体中の酸素のppmによって記述されても良い。
【0048】
図3に示すように、酸素富化流体供給システム30の現在組立てられている1つの実施形態は、酸素化用台車200に作動的に連結された流体供給用台車100を含む。台車100及び200は、酸素富化流体供給システム30の種々の構成部品を搭載し、酸素富化流体供給システム30が移動できるのに十分なほど小さくても良いことを示している。勿論、システム30の実際の大きさ及びシステム30の移動性の有無は、主に所定の装置の要件に依存する。例えば、酸素富化流体供給システム30が、自治都市廃水処理設備の反応器10を曝気する唯一の手段として使用される場合は、システム30はその敷地の固定設備として実施されることになろう。しかしながら、酸素富化流体供給システム30が、池の曝気に使用されたり、産業用或いは自治都市用廃水処理設備の補助的な曝気装置として使用されたりする場合には、システム30の種々の構成部品を、移動可能な台車又は台の上に取付けたり、トレーラー又は自動車(図示せず)にさえ搭載したりすることが有利であろう。
【0049】
水は、反応器タンク10、貯蔵タンク、自治都市の上水道管路等の水源から管路102を通じて、又は、タンク、池、河川又はその他の水源から水を汲み上げるポンプによって、流体供給用台車100に供給される。廃水処理を伴う適用例について、水は毎分約5〜約200ガロンの流量で流入することが有利であるが、流量は、適用例に応じて、多くても良いし、少なくても良い。より詳細には、多くの適用例について、毎分約60ガロンの流量が特に有利である。供給された水は、固体粒子を除去するために、濾過されるのが有利である。この機能を提供するために、フィルタ104及び106等の1つ又は2以上のフィルタが管路102に連結される。多数のフィルタは、特定の適用例に関連する状況に応じて、直列に連結しても良いし、並列に連結しても良いことを理解すべきである。以下に説明するように、流入水から粒子状物質を効果的に除去するために、直列のフィルタを使用するのが良い。また、処理工程を中断せずに1つ又は2以上のフィルタを修理することができるように、フィルタ又はフィルタの組を並列に連結することも有利である。
【0050】
廃水処理適用例においては、少なくとも1つのフィルタ(例えば約150から450ミクロンのフィルタ)が特に有利であるけれども、使用されるフィルタの型式及び数が酸素化すべき水源に大きく依存することを理解すべきである。例えば、貯蔵タンクからの比較的清浄な水を酸素化する場合は、例えば150ミクロンのフィルタ等の単一フィルタは、粒子物質を除去するのに十分である。しかしながら、廃水を反応器10から無造作に取って、それを酸素富化流体供給システム30に導入する場合には、粗いフィルタ(例えば、450ミクロン)及び中間フィルタ(例えば、300ミクロン)等の付加的なフィルタを使用して、大きな粒子状物質を取り除いた後、部分的に濾過した水を比較的細かいフィルタ、例えば150ミクロンフィルタに導入するのが良い。市販のフィルタの例として、サンドフィルタ、カートリッジフィルタ及びバッグフィルタがあり、これらのフィルタは、自己洗浄式のものであっても良いし、綿、プラスチック、金属又は繊維フィルタ要素等の使い捨て要素を含んでいても良い。また、フィルタの寸法は、通常、酸素化された流体を送出するのに使用する毛細管と同じであるか、それよりも小さくなるように選択される。
【0051】
図3に示すように、濾過された水は、有利には、フィルタ104及び106の流体排出ポートに連結された管路110を介し、貯蔵タンク108、例えば、300ガロンタンクに供給される。有利には、電気バルブ等のバルブ111が、タンク108への流量をタンク108内の水位に基づいて制御することを助けるように、タンク108への供給用管路110に作動的に連結される。このような制御は、例えば、タンク108内の水位を制御するために取り付けられた1つ又は2以上のレベルセンサによって発生させた信号又はタンク108に作動的に連結されたロードセルによって発生させた信号に応答して起こる。また、タンク108は、安全のための機械停止用の高水位センサ及び低水位センサを含むのが良い。
【0052】
流体は、タンク108から出て、(例えば、重力供給方式により)一次管路112を通って、モータ116によって駆動されるポンプ114に達する。ポンプ114は、流体を管路118を介して酸素化用台車200に供給する。流体は、追加の粒子物質を除去するために、ポンプ114の前後で濾過されるのが良い。図3に示すように、管路118は、酸素化用台車200に設置された150ミクロンフィルタ202を含む。加えて、ポンプ114は、それによって生じた脈動を低下させるための組立体115、例えばアキュミュレータに作動的に連結され、その結果、ポンプの運転中、流体は、一定の連続した流量で酸素化用台車200に供給される。
【0053】
ポンプ114は、連続的に運転しても、間欠的に運転しても良く、特定の適用例に関連する状況に応じて、可変流を供給したり、一定流を供給したりするのが良い。特に有利なポンプの一実施例は、ミネソタ州ミネアポリスのCATポンプ社から販売されている#60AG6020型ポンプである。酸素化のために酸素化用台車200に供給される流れの量を調整するために、酸素化用台車200に供給される流体が通る管路118は、必要に応じて流れの所定の部分をバイパス管路204を介してタンク108に戻すべく迂回させるように作動可能な調整バルブ119、例えば電気バルブを含むのが良い。酸素化用台車への供給管路118は、酸素化用台車からポンプ114及びタンク108に戻るガス又は液体の望ましくない流れを防止するチェックバルブ121を含むことが有利である。
【0054】
本システムはまた、酸素化部組立体を迂回させる洗浄管路230をタンクと送出部組立体との間に含むのが良い。洗浄管路230は、酸素化部組立体が待機モードになっている時、汚水がシステム内に逆流することを防ぐように水を通過させる。図3に示すように、洗浄管路230はまた、管路110と224との間に流体通路を備えることが有利である。
【0055】
酸素化用台車200は、有利には、内部空間212を有する加圧可能容器210を含み、内部空間212内には、水がポンプ114から供給され、ガスがガス供給部組立体(図示せず)から供給される。水は、供給管路118から、容器210の内部空間212にその頂部から延びている片持ち式の「スティンガー」214(図4参照)を経て容器210に入る。スティンガー214は、供給管路118と流体的に連通している内腔(図示せず)を有する、長さ約3フィートの1.5インチ管215を含むことが有利である。スティンガー214は、流体ポートを形成する1つ又は2以上ノズル216を含み、この流体ポートの中を通して、流体がスティンガーの内腔を出て内部空間212に入る。1つの実施形態では、各ノズルは、略円錐形の輪郭を形成するように巻いている豚の尾の一般形態を取る。
【0056】
スティンガー214は、その長手方向軸線の周囲に配置された複数のノズル216を含む1つ又は2以上のノズルアレイ218を含む。開示している実施形態では、各ノズルアレイ218は、スティンガー214の長手方向軸線の周囲に円周方向に等間隔に配置された6つのノズル216を含む。スティンガー214は、その長手方向軸線に沿って間隔をおいて配置された複数のノズルアレイ218を含むのが良い。図4の実施形態に示すように、スティンガー214は、それに沿って約6インチ間隔をおいて配置された6つの6ノズルアレイを含む。有利には、アレイのノズルは、各ノズルの流体出口領域のいかなる重なりも最小になるように互いに円周方向にオフセットしているのが良い。これにより、隣接したノズルからの水滴間の干渉を最小にし、従って、より小さな水滴の生成を容易にして、液体へのガス移送を最適化する。変形例として、水滴間の干渉を最小化する傘(図示せず)を1つ又は2以上のノズルアレイの上に取付けても良い。
【0057】
各ノズル216は、噴霧器ノズルを含むことが有利である。特定の適用例に関連した状況に応じて、任意の市販の噴霧器ノズルを使用することができる。特に好適な1つのノズルは、マサチューセッツ州グリーンフィールドのBETE Fog Nozzle社から入手可能な、TF6NN3/16型ステンレススチール(米国管用テーパネジ 0.25インチ)噴霧器ノズルである。運転中、ノズル216から放出する水は、小さな水滴の噴霧の形態をなし、チャンバ内の酸素ガスと接触する。酸素は、水滴内に溶存し、この水滴は落下し、酸素化部組立体チャンバの底のプールに集まる。プールは、高さ約6フィートで直径12インチのチャンバ内の深さ約2フィートのプールであるのが有利である。更に、ノズルの数及び寸法は、通常、所望のスループットが得られるように選択される。実際、スループットパラメータを変更する場合、1つ又は2以上のノズルアレイを選択的に作動させたり作動させないようにするために、1つ又は2以上のバルブ(図示せず)をパイプ215内に取付けるのが良い。
【0058】
スティンガー214は、内部空間212内に取り外し可能に挿入可能であることが有利である。スティンガー214は、その入口端部を酸素化部組立体の頂部に、例えばボルト又は他の固定具で固定することによって、作動のための適所に固定されるのが良い。取り外すことは、例えば、ノズルの清掃、ノズル又はその他の部品の交換等をするために、可酸素化部組立体210の内部及びスティンガー214への接近を可能にするのに有利である。
【0059】
酸素は、調整された酸素供給源によって酸素化部組立体に供給される。酸素ガスは、流れを調整するバルブと望ましくない逆流を防ぐチェックバルブとを含む管路を経由して約300p.s.i.で酸素化部組立体210に供給されるのが有利である。管路内の圧力及び/又は流量は、酸素化部組立体210内の水位の変化に伴って変動する。
【0060】
水は、タンク内部空間212の圧力、この実施例では約300p.s.i.よりも大きい圧力で酸素化部組立体210に供給される。システム運転中、圧力変動が普通生じるけれども、約340p.s.i.の定常状態の水供給圧力が、廃水処理を伴う適用例に対して特に有利である。酸素化部組立体210は、システム内の圧力の監視及び制御を可能にする1つ又はそれ以上の圧力計を含むことが有利である。更に、酸素化部組立体210及びシステムの他の部品は、システム内の望ましくない圧力上昇を防止する1つ又は2以上の安全バルブを含むことが有利である。
【0061】
この実施形態では、流体は、排水管222を通して酸素化部組立体チャンバから出ていき、排水管222は、チャンバの底面の上方に配置された入口端部223を有する。流体をチャンバの(頂部ではなく)底面の近傍から取出すことによって、ガス漏れを回避し、いかなるガスもチャンバから出ていかない。排水管222は、送出部組立体に連結された遠位端を有する流出管路224に連結され、チャンバ内のプールと送出部組立体入口との間の流体用連続流路を生成する。流出管路224は、1つ又は2以上のバルブ、チェックバルブ及び/又はフィルタを含むのが良い。例えば、図3に示すように、流出管路224は、150ミクロンフィルタ226を含む。
【0062】
酸素化部組立体210はまた、操作者が運転中の酸素化部組立体210の内部を見ることを可能にする1つ又は2以上の窓又は点検窓220を含むのが有利である。目視による監視は、例えば、ノズルの作動を検査する(例えば、流体の水滴寸法を監視する、流れの中断を引き起こす目詰まりを検査する等)ため、流体レベルを検査する等のために行われる。
【0063】
この実施例では、チャンバの底部に集まる流体は、約880ppmの溶存ガス含有量を有している。この溶存酸素含有量は、酸素化前にチャンバに入った流体と比較すると、約100倍の酸素含有量の増加を示している。溶存ガス濃度は、システムの運転効率、コスト及び流れ特性に応じた開示している実施形態の運転パラメータ(例えば、流体圧及びガス圧)に従って幅広く変化する。例えば、本装置は、運転パラメータ及びシステムの制限に応じて、約14.7〜3000p.s.i.の範囲にわたるシステム圧力に対し、約40ppm〜8000ppmの範囲にわたる溶存ガス含有量を生じさせることができる。システム内の圧力を低下させることは、達成可能な溶存ガス含有量の低下させることになるが、より低圧であればあるほど、システムのコストを低下させることも指摘すべきである。例えば、システム圧力が、300ポンドp.s.i.レンジから100ポンドp.s.i.レンジまで約200p.s.i.低下した場合、流体の溶存ガス含有量は、約275ppmになるであろう。多くの適用例では、この酸素富化流体は、廃水を曝気するの十分以上のものであり、装置及び運転のコストの低下をもたらす。
【0064】
1つの変形形態として、酸素化部組立体60は、図5に示すように、タンク252の壁の周りに円周方向に配置された複数のノズル250を含んでいても良い。例えば流体入口マニホルド254からノズル250を介して、タンク252に入る流体の流れは、タンク252内の水位を検出するセンサ(図示せず)によって又はタンク252の下に配置されたロードセル(図示せず)によって生成された信号に応答して調整されるバルブ256によって制御されることが有利である。調整された圧力源(図示せず)からの酸素は、頂部からタンク252に入り、酸素富化流体は、タンク底面又はその近傍の流体排出ポート258を介して引き出される。高さが約5フィートで直径が約2フィートのタンク(約100ガロンのタンク寸法)を含む適用例では、約15ガロン毎分の流体流量に対し毎分2〜4ガロンを処理し且つ約90度の挟角αによって構成される液滴コーン(円錐)を生じさせることが可能な4つのノズル250を含むシステムが特に有利である。より大きい流体流量、例えば、60ガロン毎分に対しては、毎分6〜8ガロンを処理する8つのノズルを含むシステムが有利である。
【0065】
酸素富化流体送出部組立体90の1つの実施形態は、酸素化部組立体60のタンクの流出口に連結された流体入口を含む近位端部と、1つ又は2以上の流体出口ノズル303を含む遠位端部とを有する1つ又は2以上の延長ホース301(図3参照)を含むのが良い。ホース長さは、特定の適用例に関連した状況に応じて変化するのが良い。流体出口ノズル303は、出口のところで酸素を流体中に溶存したままにするように寸法決めされた連続流体通路を形成する複数の毛細管、チャネル又はスリットを含むのが有利である。
【0066】
1つの実施形態では、図6Aに示すように、流体出口ノズル303は、複数の流体出口通路308を有するように構成された主本体部分302を含むカラー組立体300を有する。主本体部分302は、それを酸素富化流体送出ホース301の遠位端部に連結させるためのクイック式連結/分離組立体と適合するのが良い。変形例として、図6Bに示すように、主本体部分302は、ホース301の遠位端部を受けるための雌ねじ部分304(1インチあたり約8のねじ山を有するのが有利)を含んでいても良い。ホースからの流体が出口通路308を迂回することを防止するためにホース継手をシールするO−リング306が使用される。有利には、ノズルは、外径約3インチ及び長さ約2インチであり、各々が長さ約1.5インチで直径0.005インチの500までの又はそれ以上の流体出口通路を有するように構成されるのが有利である。流体出口ノズル303内の流体チャネルは、気泡の形成を実質的に防ぎ且つ流体出口ノズル303の出口のところでガス富化流体の層流を形成するように選択された断面積及び長さを有するのが有利であることに注目すべきである。
【0067】
変形例として、図7に示すように、流体出口ノズル303は、集めて又はグループ化して管312にすることができる複数の小さな毛細管310を有するのが有利である。例えば、毛細管310の各々は、約150〜450ミクロンの内径を有するのが良く、それらを約60の毛細管310の集まりの管312として配置されるのが良い。各管312は、60の毛細管310を互いに一緒にしながら60の毛細管310の上にシリカを押出すことによって形成され、その結果、管内に毛細管の束を形成する。管312は、それらの外面が(例えば、エポキシで)互いに固着され、それらが管の束を形成することが有利である。管の束は、長さが約5インチで直径が約1インチであるのが有利である。
【0068】
毛細管入口を洗浄するために、ホースの遠位端部は、水を毛細管入口を通して処理場所に急速に流すことを可能にするために望むように開閉するバルブ(図示せず)を含むのが良い。別の実施形態では、毛細管は、清掃される毛細管に逆流を生じさせるベンチュリ効果を引き起こすことによって洗浄されても良い。変形例として、各管の束を取り換え、個別に洗浄しても良い。
【0069】
図8A−8Eに示す別の1つの実施形態では、流体出口ノズル303は、積み重ねたプレート322を含むプレート組立体320を有するのが良い。プレート322は、その一方の側面の少なくとも一部分に沿ってその縁と孔との間に延びる複数のチャネル324を有する。例えば図9のA〜Fに図示する種々のチャネル形態が適切である。複数の同様のプレート322同士を、縁を整列させて上に重ねて接合させると、それらを貫通する孔328を有するブロック326が形成される。複数のチャネル324が、ブロック326を貫いて孔328まで延びている。孔のない下プレート330及びポート334を含む上プレート332がブロック326の上に取り付けられると、プレナムが形成される。
【0070】
図10に示すように、プレート322は、洗浄するために望むようにプレート322を分離させるように作動可能な組立体350内に配置されるのが良い。運転中に流体に曝されるプレート322の表面は、気泡が核になってそれが成長する部位の数を最小にするために、滑らか(例えば、研磨した結果として)であって、使用に先立ってアルコールで洗浄されるのが有利である。
【0071】
別の実施形態は、平面のプレートを使用するのではなく、流体通路の環状アレイを形成する1つ又は2以上の円錐形プレートを使用するのが良い。円錐形プレートは、小さい方の端部と、広い方の端部と、両端部間の内面及び外面と、内面及び外面の少なくとも一方の上を両端部間に延びる複数のチャネルとを有する。チャネルは、小さい方の端部と広い方の端部との間を直線状に延びていても良いし、曲線状に延びていても良く、チャネルは、内面及び外面に沿って種々の断面形状及び間隔をとることができる。円錐形プレートは、1つの円錐形プレートの外面が他の円錐形プレートの内面内に配置されるように直列的に積み重なり、それにより、チャネルが隣接した内面と外面とによって閉鎖され、隣接した円錐形プレート間に流体通路の環状アレイを形成する。次いで、円錐形プレートは、流体通路の共通の入口位置を形成するために、小さい方の端部が切り落とされる。酸素富化水は、共通入口位置から流入し、流体通路の中を通って流れ、広い方の端部から分散する。円錐形プレートは、広い方の端部が特定の出口表面、例えば平坦な、凹形の又は凸形の出口表面を形成するように設計されるのが良く、それにより、流れ特性を改善し、特定の噴霧パターンを提供し又はその他の特性を変更させるのが良い。変形例として、円錐形プレートは、酸素富化水が、共通入口位置を形成するように切り落とされ且つ整列させた広い方の端部で流入し、小さい方の端部から流出するように構成されていても良い。
【0072】
円錐形プレートが容易に整列し、積み重なり、別個の取付装置がなくても固着するので、円錐形プレートの設計は、組立体を単純化するのに有利である。適切に構成されると、有利なことに、酸素富化水流は、使用中、個々の円錐形プレートを互いに押し、それにより、表面を密着させたままにする。円錐形プレートの設計は、洗浄にとっても有利であり、洗浄は、円錐プレート組立体を逆流洗浄することによって達成される。円錐形プレート組立体の中を通る流れを逆にすることによって、個別の円錐形プレートが強制的に分離され、ごみが洗い流される。
【0073】
酸素富化流体供給システムを含む廃水酸素化システムは、図11に示されている自治都市廃水処理プラント400の等の廃水処理システムで使用されるのが良い。特に、本システムは、1つ又は2以上の曝気タンク402又は浄化器タンク404内で使用されるのが良い。本システムのノズル303は、タンクに収容されている廃水に酸素富化流体を供給するために、タンク402及び/又は404内に配置されるのが良いことに注目すべきである。この状況において、タンク内の廃水の酸素化を容易にするために、ノズル303近傍の両タンク402及び/又は404内に1つ又は2以上のミキサー(図示せず)を含めることが望ましい。或いは、ノズル303は、タンク402及び404とは別個に配置されている二次タンク406内に配置されても良い。この状況において、酸素化された水は、二次タンク406に流入し、次いで、この酸素化された水を重力供給方式管路又はポンプと管路との組合せ等の適切な送出システムを介して、連結されたタンク402及び404に送出する。上述したように、内部の廃水の酸素化を容易にするために、1つ又は2以上のミキサー(図示せず)を管路近傍のタンク402及び/又は404に含めるのが望ましい。ノズル303をタンク402及び404内の廃水の外に保つことによって、ノズルは、遙かに清潔に保たれ、従って一般的により効率的に動作するであろう。
【0074】
本発明に関連する好ましい態様として、以下のものをあげることができる。
[1]廃水処理方法であって、
容器を処理ガスで加圧する工程、及び、
廃水を前記容器に噴霧状態で送出して、廃水を所望のガス含有量に富化する工程、及び/又は、
処理すべき廃水の供給部から廃水を引く工程、及び、
廃水を所望のガス含有量で排出し、それを廃水の供給部に戻す工程、
を有する廃水処理方法。
[2]更に、廃水を噴霧する工程、及び/又は、廃水を濾過する工程、を含む上記[1]記載の廃水処理方法。
[3]廃水を濾過する工程は、一連の徐々に細かくなるフィルタ及び/又は150乃至450ミクロンのフィルタを通して廃水を通過させる工程、及び/又は、自浄式フィルタを通して廃水を通過させる工程、を含む上記[2]に記載の廃水処理方法。
[4]更に、前記容器内に配置されたスティンガーを通して前記容器に廃水を送出する工程を有し、前記スティンガーは、廃水を運ぶようになっているパイプと、廃水を前記容器内に噴霧するために前記パイプに作動的に連結された少なくとも1つのノズルと、を有する上記[1]乃至[3]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[5]更に、前記容器の内壁に隣接して配置された少なくとも1つのノズルを通して廃水を前記容器に送出する工程を有し、前記ノズルは、廃水を前記容器に噴霧する、上記[1]乃至[3]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[6]更に、前記流体導管を通して廃水を前記容器から排出する工程と、前記流体導管に連結されたノズルを通して廃水を通過させる工程と、を有する上記[1]乃至[5]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[7]前記廃水を排出する工程は、ホースを介して廃水を通過させる工程を含む、上記[6]に記載の廃水処理方法。
[8]前記ノズルを通して廃水を通過させる工程は、
実質的に層流で気泡の無い流れを形成するように寸法決めされた複数の流体通路を通して廃水を通過させる工程、及び/又は
複数の積み重ねプレートを通して廃水を通過させる工程、を含み、前記複数の積み重ねプレートは、それらの間に流体的に前記流体導管に連結された入口と出口とを有する複数の流体チャネルを構成し、
各々が前記流体導管に流体的に連結された入口と出口とを有する複数の毛細管を通して廃水を通過させる工程、を含む上記[6]に記載の廃水処理方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水をガス富化するためのシステム及び方法に関し、更に詳細には、生物化学的酸素要求量を満たすことを支援するように、多量の酸素冨化水を貯水場、タンク、池、小川等に供給するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、以下の説明及び/又は上述の特許請求の範囲に記載した本発明の様々な側面に関する技術の様々な側面を読者に紹介しようとするものである。ここで説明する内容が、本発明の様々な側面をより理解しやすくするために、背景情報を読者に提供することを助けるものと信じる。従って、これらの説明は、この見方で読むべきであり、従来技術を容認するものではないことを理解すべきである。
【0003】
自然界の水路は、有機物質を同化する能力を有する。有機物質の負荷量がこの同化能力を超えたとき、水資源はこの理由で害される。人的廃棄物であるか産業廃棄物かを問わず、廃棄物は、環境に安全に放出されるように処理される。例えば、自治都市及び工場からの廃水は、河川等の水路に排出される前に処理される。多くの場合、これらの処理は、追加の酸素を生物学的な廃棄物分解プロセスに導入することによって自然界の同化プロセスを促進させている。
【0004】
水の汚れ即ち汚染は、世界中、特に米国で深刻な問題となっている。産業法人及び自治体を含む様々な汚染源が水の汚染の原因となっている。産業法人は、液体又は2相(液体/固体)の廃棄物を間接的に又は直接的に河川及び湖等の環境に排出し、水源を汚染して、環境、魚及び野生生物を害する恐れがある。また、空輸汚染物質が降雨及び流水によって集められて種々の水域に入る恐れがあるので、大気汚染、特に産業大気汚染も問題である。産業廃棄物は、重金属、炭化水素、一般的に有毒な物質及びその他の多くの既知の及び未知の汚染物質を含むことがある。加えて、廃水及び大気汚染は、通常、不十分な廃水処理又は非効率的な産業システム(例えば、非効率的な燃焼、化学反応又はプロセス等)により生じることがある汚染物質からの望ましくない悪臭を放つ。
【0005】
自治体も、かなりの廃棄物を生成している。特に、合流式下水道越流水(CSO)(combined sewer overflows)、汚水用下水道越流水(SSO)(sanitary sewer overflows)及び雨水の排出は、重大な問題を引き起こすことがある。下水は、バクテリア、ウィルス、原生動物(寄生生物)、寄生虫(腸内寄生虫)及び空中浮遊菌(吸入性カビ、菌類)をその他の多くの汚染物質の中で運ぶ。合流式下水道は、初期下水道システムが残っているものであり、雨水流及び汚水を回収する共通のパイプを使用する。降雨又は融雪の期間中、これらの合流式下水道は、溢れると直接近くの小川、河川、湖又は河口域に流れ込むように設計されている。SSO(汚水用下水道越流水)は、分流式汚水用下水道回収システムからの下水排出流であり、下水処理場に達する前に溢れる恐れがある。汚水用下水道は、様々な理由、例えば、不適切な又は劣化したシステム、破損した又は水漏れするパイプ及び/又は地面を通って水漏れパイプに入り込む過剰な雨又は降雪などで越流する恐れがある。最後に、雨水流は、その汚染物質が河川、小川、湖を通って開始有され又は合流式下水道及び汚水用下水道内に回収されるので、上記問題に加わる。雨水は、肥料、農薬、自動車からのオイル及びグリース、排気ガス、大気汚染降下物、動物からのバクテリア、腐った草木及びその他の多くの既知の及び未知の汚染物質を拾い上げる。
【0006】
水質汚染は、多くの産業法人の場合のように現場特定のものであることもあるし、多くのCSO(合流式下水道越流水)、SSO(汚水用下水道越流水)及び雨水流の場合のように現場特定のものでないこともある。ここでの説明は、産業廃棄物及び自治都市廃棄物に限定されていたが、汚染は、種々の現場特定の及び現場特定でない様々な発生源及び蓄積部から生じることがある。例えば、農業廃棄物、農薬及び肥料は、池、小川、灌漑、地下水及び動物や人間の飲用水など、現場特定の水質汚染を生じさせる。
【0007】
今日、最も一般的な廃棄物処理方法は、廃棄物を生物学的に分解する「バグ」と一般に呼ばれる微生物を使用する好気性生物学的分解である。廃水処理適用例において、好気性生物学的分解は、通常、曝気/活性汚泥処理を伴い、この曝気/活性汚泥処理では、処理すべき廃水を収容する1つ又は2以上のタンクに酸素が加えられる。酸素は微生物を支援し、微生物は廃水中の化合物を分解する。微生物が成長して廃棄物を分解し、最終的には、生物化学的酸素要求量(BOD)、即ち、好気性条件の下で分解可能な有機物質の安定化中に微生物が必要とする酸素量を低減することを可能にするために、処理システムにおいて、十分な酸素が入手できなければならない。いくつかのシステムでは、排出流内の窒素レベルを低下するために、更なる酸素が必要とされる。
【0008】
通常、廃棄物処理場は、微生物の成長を支援するために、機械式又は拡散式曝気装置を使用する。機械式曝気装置は、通常、池、タンク又はその他の貯水場の表面のすぐ下に配置されたブレード又はプロペラを使用して、混合によって空気を廃水に誘導する。このようなミキサーは、一般的には、初期投資コストが比較的低いが、かなりの量の運転エネルギーをしばしば必要とする。
【0009】
これに対し、拡散式曝気装置は、気泡を通常貯水場の底部近くから貯水場に吹き込むことによって、空気又は酸素を廃水に導入する。拡散式曝気装置は、設計に応じて、粗い気泡又は細かい気泡のいずれかを生成する。粗い気泡は、大きい穴を有するディフューザを介して生成され、通常、直径4mmから6mmまでの大きさの範囲又はそれ以上の範囲にある。他方、細かい気泡は、小さい穴を有するディフューザを介して生成され、通常、直径0.5mmから2mmまでの大きさの範囲にある。拡散式曝気装置は、通常、機械式曝気装置よりも初期コストが安く、運転コスト及びメンテナンスコストも安くて済む。
【0010】
機械式及び拡散式曝気装置は、気体状態の酸素を液体廃水に移送しながら揮発性有機化合物(VOC)を排除すること及び悪臭問題に対応することを含み、酸素の移送は、主として、気体と液体の境界にわたる拡散の結果として生じる。例えば、純粋な酸素を使用する拡散式曝気装置の場合、気体と液体の境界は、処理場に導入された気泡の外面によって構成される。一般的には、細かい気泡の曝気装置は、細かい気泡と関連した酸素移送に利用可能な総表面積が大きくなるため、粗い気泡の曝気装置及び機械式曝気装置よりも効率的である。細かい気泡による曝気性能は、定期的なメンテナンスが行われない場合には経時的に低下する。
【0011】
しかしながら、依然として、廃水を酸素化するための更なる効率的な装置及び方法が必要とされている。自治都市廃水の要望は、通常、自治都市の人口が増えるにつれて増大する。この増大する要望を満たすために、自治体は、既存の廃水処理施設を拡張するか、又は、更なる廃水処理施設を建設している。いずれの選択においても、更なる用地及び新しい設備が必要とされる。従って、廃水処理に対する要望の増大に対応して既設施設の運転効率を高めることによって、多くの費用を節約するのが良い。
【0012】
自治都市廃水処理プロセスは、例えば、一般的には初期ふるい分け及び浄化を含む1次処理プロセスと、それに続いて配置され、ときに2次プロセスと呼ばれる生物学的処理プロセスとを含むのが典型的である。活性汚泥プロセスに入る廃水は、(いくつかのプロセスでは、その他の方法で除去された懸濁物質が、2次プロセスで働く微生物の餌として利用可能であるように、1次浄化が省略されてもよいけれども)濁物質の約60パーセント、BODの30パーセント及び病原体の約50パーセントが除去される。
【0013】
活性汚泥プロセスは、通常、1つ又は2以上の曝気タンク又は貯め池から構成され、曝気タンク又は貯め池において、酸素が、有機化合物を分解する微生物を活気付けるために添加される。水は、曝気タンクから出た後で活性汚泥/微生物が沈殿する2次浄化装置に入る。水は、この活性汚泥プロセスを通過した後、通常、懸濁物質の約90%及びBODの80パーセントから90パーセントまでが除去される。水は、更に進んだ2次又は3次処理をする又は自然界の水路に戻る準備ができている。この選択は、通常、排出流の水質レベル及びその地域の規制に依存する。
【0014】
変形例として、廃水処理は、シーケンスバッチ式反応器(SBR)で行っても良い。SBR処理は、概略的には、活性汚泥システムと同じであり、活性汚泥システムが幾つかのタンクを使用するのに対し、SBRプロセスが1つのタンクのみで行われる点が異なる。SBRは、硝化作用/脱窒素作用及びリンの除去などの定期的な2次処理又はより進んだ処理プロセスにおいて、活性汚泥プロセスの代替として使用される。SBRは、1日に多数のバッチを処理することができる。SBRは、産業適用例に関しては、1日に1から3バッチを処理し、自治都市適用例に関しては、1日に4から8バッチを処理するのが普通である。
【0015】
SBRの工程には、概略的には、充填、反応、沈殿、デカント(decant)及び待機の5つの個別の段階を含むが、特定の適用例に関連する状況に応じて、これらのSBR段階に対する代替段階があっても良い。充填段階において、廃水が貯め池の底部近くのポートを介して反応器のタンクに入り、その後、入口バルブを閉じる。充填中、曝気及び混合を開始しても良い。反応段階において、入口を閉じ、曝気及び混合を続行し又は開始する。沈殿段階において、残りの懸濁物質が貯め池の底部に沈殿する。デカント段階において、流体を貯め池の表面からデカンタによって除去する。この間、沈殿した汚泥を除去しても良い。待機段階において、反応器は、通常、次のバッチにおける微生物の餌を供給するために、生物資源の一部が貯め池に残っている状態で新しいバッチの廃水を待つ。
【0016】
廃水処理場のオーナー又は操作者は、このような処理場を規制する地方、州及び/又は連邦の法律を遵守しながら、コストを低減する方法を求めている場合が多い。運転コストを低減する1つの方法は、これまでは、運転及びメンテナンスコストの低下を達成するためのエネルギー保全対策を追求することであった。1つの特定の目標は、廃水を曝気するための従来のシステムの運転に関連した実質的な電気及び他のエネルギーコストであった。曝気は、自治都市廃水処理エネルギー消費量の半分以上を占めることがある。しかしながら、これまでより効率的により高いレベルの酸素を廃水に送出するための酸素送出システムの改善に重点が置かれていたが、尚、更なる改良、即ち、廃水処理適用例に関連した多量の酸素を送出する装置及び方法に対する要望がある。更に、非現場特定の水質汚染、例えば、CSO、SSO及び雨水流から生じる小川水質汚染、及び農場の廃水及び悪臭規制などの専門の及び/又は小規模な適用例に適切に対応する柔軟性のある廃棄物処理装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述の問題の1つ又は2以上に対応することができる。本発明の特定の可能性のある態様を例示として以下に述べる。これらの態様は、単に、本発明が取る可能性がある特定の形態の簡単な概要を読者に提供するためのものであり、又、これらの態様は、本発明の範囲を限定することを意図しているものではないことを理解すべきである。実際、本発明は、以下に述べていない様々な態様を包含することができる。
【0018】
ガスを流体に移送するシステムが提供される。1つの実施形態において、本システムは、酸素を廃水に送出するための組立体である。本システムは、水を流体供給部組立体から受け入れ且つ酸素ガスを酸素ガス供給部組立体から受け入れる加圧可能チャンバを含む酸素化部組立体を含む。供給された酸素ガスが、チャンバを大気圧(例えば、300p.s.i.)よりも大きい圧力に加圧し且つ維持することが有利である。水は、チャンバ内で水滴を形成する噴霧器ノズルを介してチャンバに入ることが有利である。水滴がチャンバ内に落ちるとき、酸素が水滴に向って拡散し、水滴は、酸素富化水のプール又は溜まり場としてチャンバの底部に集まる。酸素富化水は、チャンバから取り出され、ホースを介して処理場に送出される。
【0019】
酸素富化すべき水は、タンク、池、湖、小川又は河川などの水源からの比較的に清浄な水であるのが良いことを理解すべきである。いったんこの比較的清浄な水を酸素富化させると、この水を廃水に添加して、廃水の酸素レベルを上げることができる。変形例として、酸素富化すべき水は、処理タンクからの上澄みとしてすくった廃水であっても良い。この上澄みとしてすくった廃水を、本システムが閉塞しないように濾過し、次いで、濾過した廃水を酸素富化させて、廃水タンクに戻し、処理タンク内の廃水の酸素レベルを上げる。
【0020】
有利には、ホースの遠位端は、酸素富化水の排出水が通る1つ又は2以上の毛細管を含む送出ノズルを含むか、又は、送出ノズルに連結される。毛細管は、所望の流量、酸素濃度及びその他の流れ特性、例えば実質的に層流で気泡の無いことが得られるような適切な長さ及び直径に寸法決めするのが良い。毛細管がシリカ製であることが有利であり、約6cmの長さ、約150ミクロン〜450ミクロンの内径であるのが良い。変形例として、毛細管は、様々な金属、合金、ガラス、プラスティック/ポリマー、セラミック、又は他の適切な材料で構成しても良い。約300p.s.i.において約1.5gal/分の酸素富化水流量に対して、約450のこのような毛細管を含む送出ノズルが特に有利である。毛細管は、大気圧で主液に送出されているとき、ガス富化水を安定化させる傾向がある。その結果、毛細管からの排出及び主液との混合中、排出水内に溶存している酸素のガス部分圧が潜在的に高いにもかかわらず、排出流内での核形成及び気泡形成が最小となるか又は生じない。それにより、100パーセントに近づくか又は100パーセントと等しい極めて高い酸素移送効率は、廃水などの主液を酸素化するためのこのアプローチで達成可能である。
【0021】
変形例として、酸素富化水は、プレートベース式送出ノズルシステムに連結されたホースを介して処理場に送出される。プレートベース式ノズルは、複数のチャネルが形成された1つ又は2以上のプレートを含む。チャネルの断面輪郭は、様々な形状、例えば、円形、四角形、方形、楕円形、三角形などとすることができる。各プレート内のチャネルは、プレート内の穴(プレートの上面と下面との間に延びるのが有利)からプレート縁部までプレートの上面の一部分に沿って延びるのが有利である。隣接したプレート間に流体通路を形成するために、1つのプレートの下面をそれに隣接するプレートの上面と合わせるように、プレートを一つ一つ重ねて配置する。更に、穴なし下板を、積み重ねたプレートの下に置きホースと連結するようになっているポートを含む上板を、積み重ねたプレートの上に置くことによって、酸素富化水をホースから受け取り且つ酸素富化水を処理場に送出するように流体通路の各々に供給するプレナムが、積み重ねたプレート内に形成される。
【0022】
特定の適用例に関連した状況に応じて、プレートベース式ノズルシステムに対して幾つかの異なる形状を使用するのが良い。プレートは、関連した適用例に応じて、任意の適切な大きさ又は形状とするのが良い。チャネルは、各プレートにおいてプレートのいずれの側に延びてもよく、それにより、酸素富化水を任意の方向に送出することができる。更に、2つのプレートの隣接した表面は、例えば、2つの別々のプレート上のチャネルを整列させることによって、プレート表面を互いに合わせたときに所望の流体通路形状が生成されるようにプレート内に形成されたチャンネルを有していても良い。
【0023】
プレートベース式送出ノズルシステムの別の実施形態では、流体通路の環状アレイが生成されるように、1つ又は2以上の円錐形プレートを使用するのが良い。円錐形プレートは複数のチャネルを有し、チャネルは、円錐形プレートの小さい方の端部と広い方の端部との間の内面及び外面に沿って直線的に延びる。円錐形プレートは、1つの円錐形プレートの外面が別の円錐形プレートの内面の内側に配置されるように連続的に積み重ねられ、その結果、隣接した円錐形プレート間に流体通路の環状アレイができる。次に、円錐形プレートは、その一端が酸素富化水の共通の入口位置を形成するように切り落とされ、その他端が所望の出口表面(例えば、円錐形、凹形、平坦など)を形成するように構成される。使用中、酸素富化水の流れによって互いに押付けられ、逆方向の水流を用いて、円錐形プレートを分離させ且つ洗浄することができるので、円錐形プレートのデザインによって組立を簡素化することが有利である。
【0024】
1つ又は2以上の送出ノズルを処理場に配置することによって、酸素富化水を処理場に送出して、処理場での酸素レベルを維持又は上げることができることが有利である。例えば、廃水処理反応器において、酸素富化水を反応器内容物に添加して、生物分解活動を支援し、生物化学的酸素要求量などの低減を促進することができる。酸素富化流体供給システムへの供給に使用される水は、送出ノズルが特定の物質によって閉塞を起こす危険性を最小に抑えるために濾過されることが有利である。本システムへの供給に使用される水は、任意の水源、例えば、河川、湖、又はその他の貯水場等の自治都市の水源、廃水処理作業の処理水排出水、処理される廃水の供給源等からくるものとすることができる。
【0025】
処理場に供給される酸素の多くは、高レベルの溶存酸素を有する酸素富化水の形態をなすので、酸素富化水が廃水と混合する際、処理場の酸素化が急速に行われる。酸素富化水の送出は、気泡形成を最小に抑えた状態で行われることが有利であり、その結果、市販の曝気装置で得ることができる効率を上回る酸素化効率が達成される。従って、有利に提供された本システムを、従来の曝気設備の代わりに使用しても良いし、或いは、その補助として使用しても良い。
【0026】
汚水処理に関しては、これまで多くの実施形態を開示したが、ガス富化を必要とする特定の廃水処理適用例に対応するための多くの変形実施形態を検討する。廃水を処理するために水の曝気が必要とされるときは常に、酸素又は空気富化水の所望流量を生成することで評価されるここに開示した実施形態及びその変形実施形態が廃水の酸素含有量を増す増大させることが有利である。液体と気体の界面(即ち気泡)間で拡散を行う従来の曝気技術と比較すると、ここに開示した本実施形態が、主液内の溶存ガスレベルの比較良好な制御を提供しながら、気体枯渇の主液に気体を移送するのに効果的であることが有利である。更に、ここに開示した実施形態が、(より効果的な処理によって及び/又は環境に逃がすか又は気泡として排出される気体の量を低減することによって)廃水及び廃水に適用された気体から悪臭を低減することができることが有利である。
【0027】
とりわけ上述の利点を認識すると、様々な実施形態を農業及び養殖漁業における水処理に用いることができる。例えば、動物飼育場、特に養豚場では、通常、集中した区域にかなりの廃棄物が発生して、廃棄物管理、悪臭管理及び水質汚染が問題になっている。作物が栽培・耕作される場所では、肥料及び農薬は、例えば、降雨で作物及び土地が流失することによって水を汚染する恐れがある。これら水質に関する問題は、悪臭が関連することによって悪化し、即ち、標準的な曝気技術がその問題の一因となっている。同様に、海洋タンク、養魚場、及び孵化場では、通常、比較的小さいタンク、プール又は水域に海洋生物が集中しており、そこでは水質及び酸素化が問題になる恐れがある。従来の処理技術が不十分で、経費が掛かり過ぎ又は一般的に望ましくない可能性がある、これらのような特化された適用例において、ここで開示した実施形態が、柔軟性があり且つ潜在的に経済的な水処理の解決策を提供することが有利である。経費を低減するために、純粋酸素ではなく、大気又は圧縮空気を使用しても良い。例えば、河川、池及び湖など、大規模な水域を曝気するために装置が使用される場合には、空気圧縮機を使用して、より経済的にするのが良い。また、開示した実施形態は、処理場間で移動することができる移動式配備システムとして設計しても良いし、或いは後付け式としても良い。移動式配備システムは、トラック、トレーラ、船又はその他の船舶、ヘリコプタなどの飛行機、上述したように台車又は任意適当な移動装置に取外し可能に取付けられても良いし、固定的に取り付けられても良い。このように、移動システムは、柔軟性があり且つ現場を特定しない適用例及び/又は緊急適用例に対して著しく有利であろう。
【0028】
様々な適用例では、特定の汚染物質に対応するため、水又は廃水を浄化するため又は一般的に水又は廃水の所望の特性を獲得するために、空気又は酸素以外の他の気体を必要とすることがある。例えば、有機化合物を、炭素源として溶存している一酸化炭素と合成するための特定の生物反応器においては、嫌気性のバクテリアが使用される。一酸化炭素及び酸素は両方とも、二酸化炭素とは異なり、やや水に溶けにくい。その結果、気泡発生又は混合など、従来の技術では、一酸化炭素を、嫌気性バクテリアの代謝容量に追随するに十分供給できない恐れがある。これとは対照的に、現在開示している実施形態を適用する変形システムでは、比較的高い移送効率で、有利には100%に近い効率で、水又は廃水を一酸化炭素で富化することができる。
【0029】
また、開示している実施形態は、多くの適用例において経費が掛かり且つ望ましくないことがある気体損失を低減する。従来技術では、液体を通る気体が気泡化することが多く、又、気体の気泡が液体から出るときにガスから液体への転移が最小のものとなり、かなりのガス損失が発生する。現在開示している技術では、効率的な気体から液体への転移が得られ、且つ、その転移は、主液、即ち、池、貯水場などの主水環境から分離して行われ、VOC及び悪臭が駆逐される。主水内の気体の溶存限度を越えないことを条件として、気泡は本質的に除去され、ガス富化水だけが主水に送られる。更に、転移速度は、従来の技術を制限してしまう相対的に低い拡散速度ではなく、主として開示した実施形態の流量に依存する。また、気泡のかなりの低減及び改善された気体から液体への転移は、不完全な気体から液体への転移のために部分的には廃水によって又は(例えば、他の気体が気泡になって廃水を通る従来の技術において)部分的には気体の悪臭によって部分的に引き起こされる望ましくない悪臭を抑制するのに有利である。
【0030】
従って、別の実施形態では、オゾン、一酸化炭素、塩素ガス、不活性ガス又はその他の有益な気体を効果的に採用するのが良い。例えば、オゾンを使用して、汚染物質を酸化させて、それを液体から除外することによって、水などの液体を消毒又は殺菌することができる。とりわけ、鉛及びシアン化合物などの汚染物質は、効果的にオゾン処理して液体から除外しても良いし、不溶性の混合物にしても良く、オゾン処理から生じた余剰オゾンは、通常、普通の酸素に還元される。また、オゾンを使用して、アルミニウム陽極化処理、合成ポリマー及びコラーゲンなどの天然繊維の架橋処理及び製紙で行われる漂白処理などの物質生成及び処理に関連した汚染及び廃棄物を低減することができる。陽極化処理においては、オゾン飽和溶剤を酸の代わりに使用することができ、その結果、廃棄物の毒性が低減される。別の実施例として、水素ガス富化水を使用して、地下水内の塩化溶剤の分解を促進することができる。変形例として、その他の気体、例えば、オゾン、塩素又は特定の有機生命体に対して有毒な気体で富化された水を開水域で使用して、五大湖の廃水口を詰まらせるゼブラ軟体動物の根絶など、特定の問題を処理することができる。
【0031】
本発明の実施形態では、ノズルからの排出流内ですぐに核生成されることなしに、主環境に送出すべき気体で高度に富化された液体の送出が可能であるので、空の貯水場、主液体を問わず、主環境の気体濃度を、高圧環境レベルまで上げることができる。その結果、この効果を利用する多くの適用例が現在可能である。幾つかの例を以下に示す。
【0032】
廃水処理において、主液の空気又は酸素濃度を高圧気体濃度まで上げると、結果的に、主液にヘテロ核が生成される。この核生成は、通常、微視的大きさのものを含め、懸濁粒子に起こるものである。これらの粒子に気泡が成長すると、その後、結果的に、粒子が気泡の浮力によって主液の上層又は表面まで上方に運ばれ、粒子が浮遊する。次に、主液の表面の上澄み処理を行なって、粒子物質を除去することができる。この方法は、例えば、主液底部での曝気拡散プレートで単に主液に気泡を発生されることよりも効率的である。予め形成された気泡は、本発明の実施形態によって形成されるヘテロ核生成処理の有利な効率性と比較可能な効率性では小さな粒子には付着しない。
【0033】
主液の酸素濃度を高圧環境レベルまで上げるために本発明の実施形態を用いることは、多くの酸化処理において有利である。例えば、汚染水内の重金属及び硫化物の除去は、過酸化物の添加で開始することができるが、本発明の実施形態によって提供されるように水の高酸素濃度によって促進させることができ、その結果、過酸化物の必要性が低減される。これは、残留過酸化物は生物には有害であるので有利である。
【0034】
酵母、菌類又はバクテリアが所望の生成物又は結果を出すために酸素を必要とする多くの生物反応器において、主液において多量の酸素を供給する能力によって生成物又は結果の歩留まりが上がる。生物反応器においては生物の更に高い濃度を支援することができ、生成物の形成の速度が、酸素濃度に依存する場合、その速度は、本発明の実施形態によって得られる酸素量の増加とともに上がる。この適用例において、多量の酸素は、結果的に過度の核生成及び泡の形成が生じるレベルを下回るように調整されることになる。
【0035】
嫌気性生物反応器において、一酸化炭素は、有機分子の生合成の炭素源として使用することができる。本発明の実施形態を適用すれば、高圧環境レベルを含め、多量の一酸化炭素が主液において達成可能であり、その結果、生物生成物の反応速度を加速させることができる。反応速度が速くなれば、この処理は更に効率的で及び更に経済的なものになる。
【0036】
飲料業界において、二酸化炭素などの気体による飲料の高度の過飽和が望ましい場合が多い。本発明の実施形態を使用して、二酸化炭素、空気又は酸素などの気体で高度に過飽和された飲料を配給することができる。ガス富化液は、通常のシロップと混合されるガス富化水として、又は、最終ガス富化飲料として配給することができる。通常のディスペンサーの使用と比較すると、本発明の実施形態によって得られるガス富化飲料の方が、泡分が少ない上に多量の気体の保持期間が長い。また、泡分が少なければ飲料用コップ又はカップへの充填が迅速に処理されることになる。
【0037】
温泉業界及び家庭においては、本発明の実施形態を使用して、風呂又はシャワーにおいて提供される高度の気体過飽和状態の水を送出することができる。最も経済的な気体は空気であるが、酸素又は純粋酸素で富化された空気を使用すると、皮膚に触れたときに多量の酸素を与えることができる。多量の酸素は、コラーゲン合成の促進、皮膚低酸素症の軽減及び微生物の酸化殺虫処理に効果的なものとすることができる。更に、皮膚に接触したときに水の中で起こる細かい泡立ちによって、独自の爽快感が得られる。空気及び酸素に加えて、又、水の中の多量の二酸化炭素を皮膚血管の血管拡張が望ましい特定の適用例に使用することができる。また、一酸化炭素及び酸素など、気体の混合物が有益な場合も考えられる。
【0038】
大気圧での主液内の多量の酸素が各実施形態で達成可能であり且つ有利である実施例がこの他にも数多くある。例えば、空気で富化された水は、表面の高圧水洗浄を促進することができ、又、0℃を上回る温度における人工降雪を容易にすることができ、窒素又は一酸化炭素などの不活性ガスで富化された水を使用して、より効率的に消火を行なうことができる。
【0039】
本発明の実施形態は、広範囲な液体と共に使用することができる。例えば、アルコール、油、ガソリン及びディーゼル燃料などの液体燃料は、酸素で富化することができ、小さなオリフィスを介して分配される場合、その後の燃料の燃焼及び酸化がより完全なものになる。燃料中の既存の酸素は、触媒として機能すること及び/又は燃焼はより高い温度で進行することができる。燃料内の酸素の存在(燃料内の酸素の溶解度は、水の場合よりもはるかに大きい)に加えて、小さなオリフィスによる細かいミストの生成を用いて、気体環境(例えば、空気)で浮遊する微視的気泡を生成することができる。この微視的気泡は、液体が最初に分解して小さな水滴になり、各水滴内の気体の核形成によって微視的気泡が生成される。微視的気泡の壁を備える燃料の薄い皮膜によって、燃料のより完全な燃焼を容易にするための非常に広範な表面積が得られる。その結果、燃料効率が上がり、望ましくない反応物質、生成物及び粒子物質の放出が低減されることになる。
【0040】
また、本発明の実施形態を使用して、液体内の多量の気体が大気圧において有利である化学又は生物反応を促進できることが明らかである。通常の液体に加えて、ポリマー及び金属などの固体の液体溶解生成物は、本発明の実施形態を使用して気体で富化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による酸素富化流体供給システムを含む、廃水を酸素化するシステムの例示的な実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明による酸素富化流体供給システムの例示的な実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明による例示的な流体供給用台車及び例示的な酸素化用台車を含む、酸素富化流体供給システムの例示的な実施形態の図である。
【図4】本発明による例示的な酸素化部組立体の断面図である。
【図5】本発明による別の酸素化部組立体の断面図である。
【図6A】ガス富化流体送出ノズルの1つの実施形態の端面図である。
【図6B】図6Aのノズルの断面図である。
【図7】ガス富化流体送出ノズルの別の実施形態の端面図及びノズルの1部の拡大端面図である。
【図8A】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8B】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8C】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8D】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図8E】ガス富化流体送出ノズル、特にプレートベース式ノズルを示す別の実施形態を示す図である。
【図9】AからFは、図8Aから図8Eで示すノズルのようなプレートベース式ノズルと関連して使用される例示的なチャネル配置を示す図である。
【図10】図8Aから図8Eで示すノズルのようなプレートベース式ノズルと関連して使用される例示的な取付具組立体を示す図である。
【図11】本発明による酸素富化流体供給システムを含む廃水酸素化システムに使用される廃水処理場を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明は、本発明の種々の態様を表す特定の実施形態を示している。明瞭にするために、実際の装置の全ての特徴部分を本明細書で説明してはいない。本発明の実際の任意の実施形態を展開させることに関連して、適用例によって異なる特定の目標を達成するために、多くの適用例に特有の決定を行わなければならないことを理解すべきである。更にまた、その様な展開の努力はいずれも、複雑で時間がかかるかも知れないが、本開示の利益を得る当業者にとっては、日常的な作業に過ぎないことを理解されるであろう。
【0043】
明瞭さと便宜上の理由から、本明細書では、種々の実施形態を、CSO処理、SSO処理及び雨水排出を含む自治都市廃水処理に一般的に係わる適用例を内容として説明する。しかし、本発明はまた、他の適用例、例えば、石油、食品、紙パルプ及び紙、鉄鋼産業等における産業廃水処理、湖及び河川の修復工事及び/又は廃水処理、化学廃水処理、埋め立て廃水処理、地下水処理、飲用水のオゾン消毒、農業又は水栽培用水処理、(例えば農場での)悪臭制御等にも有用である。また、本発明のシステムを、水又はその他の流体中のガス、例えば酸素のレベルを上昇させるために使用することができるけれども、明瞭さと便宜上の理由で、本明細書では、廃水適用例のみを説明する。
【0044】
下記に説明するガス供給部組立体によって供給されるガスは、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、空気、塩素ガス及び/又はその他の処理ガスを含み、下記に説明するガス富化部組立体は、有利には、以下に説明する流体供給部組立体によって供給される流体の溶存ガス含有量を上昇させることが可能なガス吸収部組立体を含むことを理解されたい。しかしながら、明瞭且つ簡潔にするために、本明細書では例示として、酸素ガスの使用法を主に説明する。
【0045】
次に図面を参照すると、廃水処理システムが示されており、この廃水処理システムにおいては、図1に示すように、流入廃水が、一次処理のために反応器10に配給される。有利には、廃水は、好気性生物分解処理を実行する微生物を含む。微生物の活性を支援するために、廃水は酸素化される。その様な酸素化のために、従来の曝気システム20、例えば、ミキサー又はディフューザと、酸素富化流体供給システム30とを図示しているけれども、酸素富化流体供給システム30が単独で使用されていも良いし、或いは、それが従来の曝気システム20と組み合わせて使用されても良いことを理解すべきである。酸素富化流体供給システム30、又は、曝気システム20及び酸素富化流体供給システム30が、反応器10のBODを満たすために運転されることが有利である。初期ふるい分け及び浄化の後、さらに処理を進めるために、反応器10からの廃水は、典型的には、二次浄化器40に移送される。第2の酸素富化流体供給システム50が、浄化器40内の酸素レベルを上昇させ又は維持して、微生物の活性を支援するために使用され、この第2の酸素富化流体供給システム50も、単独で使用されていも良いし、従来の曝気システム(図1に示さず)と組み合わせて使用されても良い。所定のレベルの懸濁物質及びBODを達成するのに十分な処理がなされた後、上澄み処理水が排出流として除去され、沈殿汚泥の一部又は全部が処分のために除去され、残余の汚泥は、反応器10に戻され、処理のために新しい流入廃水に併合される。
【0046】
図2に示すように、酸素富化流体供給システム30の1つの例示的な実施形態は、ガス供給部組立体、例えば酸素ガス供給部組立体70と流体供給部組立体80の両方に作動的に連結されたガス富化部組立体、例えば酸素化部組立体60を含む。酸素化部組立体60は、有利には、流体供給部組立体80によって供給された流体の溶存酸素含有量を上げることが可能な酸素吸収部組立体を含む。酸素化部組立体60から排出される酸素富化流体は、所定の処理場所への移送のために、酸素富化流体送出部組立体90に供給されるのが有利である。
【0047】
流体の溶存酸素レベルは、様々な方法で記述される。例えば、溶存酸素レベルは、所定酸素分圧(pO2)の飽和溶液において達成される酸素の濃度よって記述される。また、溶存酸素レベルは、流体1リットルあたりの酸素のミリグラム数によって記述されても良いし、流体中の酸素のppmによって記述されても良い。
【0048】
図3に示すように、酸素富化流体供給システム30の現在組立てられている1つの実施形態は、酸素化用台車200に作動的に連結された流体供給用台車100を含む。台車100及び200は、酸素富化流体供給システム30の種々の構成部品を搭載し、酸素富化流体供給システム30が移動できるのに十分なほど小さくても良いことを示している。勿論、システム30の実際の大きさ及びシステム30の移動性の有無は、主に所定の装置の要件に依存する。例えば、酸素富化流体供給システム30が、自治都市廃水処理設備の反応器10を曝気する唯一の手段として使用される場合は、システム30はその敷地の固定設備として実施されることになろう。しかしながら、酸素富化流体供給システム30が、池の曝気に使用されたり、産業用或いは自治都市用廃水処理設備の補助的な曝気装置として使用されたりする場合には、システム30の種々の構成部品を、移動可能な台車又は台の上に取付けたり、トレーラー又は自動車(図示せず)にさえ搭載したりすることが有利であろう。
【0049】
水は、反応器タンク10、貯蔵タンク、自治都市の上水道管路等の水源から管路102を通じて、又は、タンク、池、河川又はその他の水源から水を汲み上げるポンプによって、流体供給用台車100に供給される。廃水処理を伴う適用例について、水は毎分約5〜約200ガロンの流量で流入することが有利であるが、流量は、適用例に応じて、多くても良いし、少なくても良い。より詳細には、多くの適用例について、毎分約60ガロンの流量が特に有利である。供給された水は、固体粒子を除去するために、濾過されるのが有利である。この機能を提供するために、フィルタ104及び106等の1つ又は2以上のフィルタが管路102に連結される。多数のフィルタは、特定の適用例に関連する状況に応じて、直列に連結しても良いし、並列に連結しても良いことを理解すべきである。以下に説明するように、流入水から粒子状物質を効果的に除去するために、直列のフィルタを使用するのが良い。また、処理工程を中断せずに1つ又は2以上のフィルタを修理することができるように、フィルタ又はフィルタの組を並列に連結することも有利である。
【0050】
廃水処理適用例においては、少なくとも1つのフィルタ(例えば約150から450ミクロンのフィルタ)が特に有利であるけれども、使用されるフィルタの型式及び数が酸素化すべき水源に大きく依存することを理解すべきである。例えば、貯蔵タンクからの比較的清浄な水を酸素化する場合は、例えば150ミクロンのフィルタ等の単一フィルタは、粒子物質を除去するのに十分である。しかしながら、廃水を反応器10から無造作に取って、それを酸素富化流体供給システム30に導入する場合には、粗いフィルタ(例えば、450ミクロン)及び中間フィルタ(例えば、300ミクロン)等の付加的なフィルタを使用して、大きな粒子状物質を取り除いた後、部分的に濾過した水を比較的細かいフィルタ、例えば150ミクロンフィルタに導入するのが良い。市販のフィルタの例として、サンドフィルタ、カートリッジフィルタ及びバッグフィルタがあり、これらのフィルタは、自己洗浄式のものであっても良いし、綿、プラスチック、金属又は繊維フィルタ要素等の使い捨て要素を含んでいても良い。また、フィルタの寸法は、通常、酸素化された流体を送出するのに使用する毛細管と同じであるか、それよりも小さくなるように選択される。
【0051】
図3に示すように、濾過された水は、有利には、フィルタ104及び106の流体排出ポートに連結された管路110を介し、貯蔵タンク108、例えば、300ガロンタンクに供給される。有利には、電気バルブ等のバルブ111が、タンク108への流量をタンク108内の水位に基づいて制御することを助けるように、タンク108への供給用管路110に作動的に連結される。このような制御は、例えば、タンク108内の水位を制御するために取り付けられた1つ又は2以上のレベルセンサによって発生させた信号又はタンク108に作動的に連結されたロードセルによって発生させた信号に応答して起こる。また、タンク108は、安全のための機械停止用の高水位センサ及び低水位センサを含むのが良い。
【0052】
流体は、タンク108から出て、(例えば、重力供給方式により)一次管路112を通って、モータ116によって駆動されるポンプ114に達する。ポンプ114は、流体を管路118を介して酸素化用台車200に供給する。流体は、追加の粒子物質を除去するために、ポンプ114の前後で濾過されるのが良い。図3に示すように、管路118は、酸素化用台車200に設置された150ミクロンフィルタ202を含む。加えて、ポンプ114は、それによって生じた脈動を低下させるための組立体115、例えばアキュミュレータに作動的に連結され、その結果、ポンプの運転中、流体は、一定の連続した流量で酸素化用台車200に供給される。
【0053】
ポンプ114は、連続的に運転しても、間欠的に運転しても良く、特定の適用例に関連する状況に応じて、可変流を供給したり、一定流を供給したりするのが良い。特に有利なポンプの一実施例は、ミネソタ州ミネアポリスのCATポンプ社から販売されている#60AG6020型ポンプである。酸素化のために酸素化用台車200に供給される流れの量を調整するために、酸素化用台車200に供給される流体が通る管路118は、必要に応じて流れの所定の部分をバイパス管路204を介してタンク108に戻すべく迂回させるように作動可能な調整バルブ119、例えば電気バルブを含むのが良い。酸素化用台車への供給管路118は、酸素化用台車からポンプ114及びタンク108に戻るガス又は液体の望ましくない流れを防止するチェックバルブ121を含むことが有利である。
【0054】
本システムはまた、酸素化部組立体を迂回させる洗浄管路230をタンクと送出部組立体との間に含むのが良い。洗浄管路230は、酸素化部組立体が待機モードになっている時、汚水がシステム内に逆流することを防ぐように水を通過させる。図3に示すように、洗浄管路230はまた、管路110と224との間に流体通路を備えることが有利である。
【0055】
酸素化用台車200は、有利には、内部空間212を有する加圧可能容器210を含み、内部空間212内には、水がポンプ114から供給され、ガスがガス供給部組立体(図示せず)から供給される。水は、供給管路118から、容器210の内部空間212にその頂部から延びている片持ち式の「スティンガー」214(図4参照)を経て容器210に入る。スティンガー214は、供給管路118と流体的に連通している内腔(図示せず)を有する、長さ約3フィートの1.5インチ管215を含むことが有利である。スティンガー214は、流体ポートを形成する1つ又は2以上ノズル216を含み、この流体ポートの中を通して、流体がスティンガーの内腔を出て内部空間212に入る。1つの実施形態では、各ノズルは、略円錐形の輪郭を形成するように巻いている豚の尾の一般形態を取る。
【0056】
スティンガー214は、その長手方向軸線の周囲に配置された複数のノズル216を含む1つ又は2以上のノズルアレイ218を含む。開示している実施形態では、各ノズルアレイ218は、スティンガー214の長手方向軸線の周囲に円周方向に等間隔に配置された6つのノズル216を含む。スティンガー214は、その長手方向軸線に沿って間隔をおいて配置された複数のノズルアレイ218を含むのが良い。図4の実施形態に示すように、スティンガー214は、それに沿って約6インチ間隔をおいて配置された6つの6ノズルアレイを含む。有利には、アレイのノズルは、各ノズルの流体出口領域のいかなる重なりも最小になるように互いに円周方向にオフセットしているのが良い。これにより、隣接したノズルからの水滴間の干渉を最小にし、従って、より小さな水滴の生成を容易にして、液体へのガス移送を最適化する。変形例として、水滴間の干渉を最小化する傘(図示せず)を1つ又は2以上のノズルアレイの上に取付けても良い。
【0057】
各ノズル216は、噴霧器ノズルを含むことが有利である。特定の適用例に関連した状況に応じて、任意の市販の噴霧器ノズルを使用することができる。特に好適な1つのノズルは、マサチューセッツ州グリーンフィールドのBETE Fog Nozzle社から入手可能な、TF6NN3/16型ステンレススチール(米国管用テーパネジ 0.25インチ)噴霧器ノズルである。運転中、ノズル216から放出する水は、小さな水滴の噴霧の形態をなし、チャンバ内の酸素ガスと接触する。酸素は、水滴内に溶存し、この水滴は落下し、酸素化部組立体チャンバの底のプールに集まる。プールは、高さ約6フィートで直径12インチのチャンバ内の深さ約2フィートのプールであるのが有利である。更に、ノズルの数及び寸法は、通常、所望のスループットが得られるように選択される。実際、スループットパラメータを変更する場合、1つ又は2以上のノズルアレイを選択的に作動させたり作動させないようにするために、1つ又は2以上のバルブ(図示せず)をパイプ215内に取付けるのが良い。
【0058】
スティンガー214は、内部空間212内に取り外し可能に挿入可能であることが有利である。スティンガー214は、その入口端部を酸素化部組立体の頂部に、例えばボルト又は他の固定具で固定することによって、作動のための適所に固定されるのが良い。取り外すことは、例えば、ノズルの清掃、ノズル又はその他の部品の交換等をするために、可酸素化部組立体210の内部及びスティンガー214への接近を可能にするのに有利である。
【0059】
酸素は、調整された酸素供給源によって酸素化部組立体に供給される。酸素ガスは、流れを調整するバルブと望ましくない逆流を防ぐチェックバルブとを含む管路を経由して約300p.s.i.で酸素化部組立体210に供給されるのが有利である。管路内の圧力及び/又は流量は、酸素化部組立体210内の水位の変化に伴って変動する。
【0060】
水は、タンク内部空間212の圧力、この実施例では約300p.s.i.よりも大きい圧力で酸素化部組立体210に供給される。システム運転中、圧力変動が普通生じるけれども、約340p.s.i.の定常状態の水供給圧力が、廃水処理を伴う適用例に対して特に有利である。酸素化部組立体210は、システム内の圧力の監視及び制御を可能にする1つ又はそれ以上の圧力計を含むことが有利である。更に、酸素化部組立体210及びシステムの他の部品は、システム内の望ましくない圧力上昇を防止する1つ又は2以上の安全バルブを含むことが有利である。
【0061】
この実施形態では、流体は、排水管222を通して酸素化部組立体チャンバから出ていき、排水管222は、チャンバの底面の上方に配置された入口端部223を有する。流体をチャンバの(頂部ではなく)底面の近傍から取出すことによって、ガス漏れを回避し、いかなるガスもチャンバから出ていかない。排水管222は、送出部組立体に連結された遠位端を有する流出管路224に連結され、チャンバ内のプールと送出部組立体入口との間の流体用連続流路を生成する。流出管路224は、1つ又は2以上のバルブ、チェックバルブ及び/又はフィルタを含むのが良い。例えば、図3に示すように、流出管路224は、150ミクロンフィルタ226を含む。
【0062】
酸素化部組立体210はまた、操作者が運転中の酸素化部組立体210の内部を見ることを可能にする1つ又は2以上の窓又は点検窓220を含むのが有利である。目視による監視は、例えば、ノズルの作動を検査する(例えば、流体の水滴寸法を監視する、流れの中断を引き起こす目詰まりを検査する等)ため、流体レベルを検査する等のために行われる。
【0063】
この実施例では、チャンバの底部に集まる流体は、約880ppmの溶存ガス含有量を有している。この溶存酸素含有量は、酸素化前にチャンバに入った流体と比較すると、約100倍の酸素含有量の増加を示している。溶存ガス濃度は、システムの運転効率、コスト及び流れ特性に応じた開示している実施形態の運転パラメータ(例えば、流体圧及びガス圧)に従って幅広く変化する。例えば、本装置は、運転パラメータ及びシステムの制限に応じて、約14.7〜3000p.s.i.の範囲にわたるシステム圧力に対し、約40ppm〜8000ppmの範囲にわたる溶存ガス含有量を生じさせることができる。システム内の圧力を低下させることは、達成可能な溶存ガス含有量の低下させることになるが、より低圧であればあるほど、システムのコストを低下させることも指摘すべきである。例えば、システム圧力が、300ポンドp.s.i.レンジから100ポンドp.s.i.レンジまで約200p.s.i.低下した場合、流体の溶存ガス含有量は、約275ppmになるであろう。多くの適用例では、この酸素富化流体は、廃水を曝気するの十分以上のものであり、装置及び運転のコストの低下をもたらす。
【0064】
1つの変形形態として、酸素化部組立体60は、図5に示すように、タンク252の壁の周りに円周方向に配置された複数のノズル250を含んでいても良い。例えば流体入口マニホルド254からノズル250を介して、タンク252に入る流体の流れは、タンク252内の水位を検出するセンサ(図示せず)によって又はタンク252の下に配置されたロードセル(図示せず)によって生成された信号に応答して調整されるバルブ256によって制御されることが有利である。調整された圧力源(図示せず)からの酸素は、頂部からタンク252に入り、酸素富化流体は、タンク底面又はその近傍の流体排出ポート258を介して引き出される。高さが約5フィートで直径が約2フィートのタンク(約100ガロンのタンク寸法)を含む適用例では、約15ガロン毎分の流体流量に対し毎分2〜4ガロンを処理し且つ約90度の挟角αによって構成される液滴コーン(円錐)を生じさせることが可能な4つのノズル250を含むシステムが特に有利である。より大きい流体流量、例えば、60ガロン毎分に対しては、毎分6〜8ガロンを処理する8つのノズルを含むシステムが有利である。
【0065】
酸素富化流体送出部組立体90の1つの実施形態は、酸素化部組立体60のタンクの流出口に連結された流体入口を含む近位端部と、1つ又は2以上の流体出口ノズル303を含む遠位端部とを有する1つ又は2以上の延長ホース301(図3参照)を含むのが良い。ホース長さは、特定の適用例に関連した状況に応じて変化するのが良い。流体出口ノズル303は、出口のところで酸素を流体中に溶存したままにするように寸法決めされた連続流体通路を形成する複数の毛細管、チャネル又はスリットを含むのが有利である。
【0066】
1つの実施形態では、図6Aに示すように、流体出口ノズル303は、複数の流体出口通路308を有するように構成された主本体部分302を含むカラー組立体300を有する。主本体部分302は、それを酸素富化流体送出ホース301の遠位端部に連結させるためのクイック式連結/分離組立体と適合するのが良い。変形例として、図6Bに示すように、主本体部分302は、ホース301の遠位端部を受けるための雌ねじ部分304(1インチあたり約8のねじ山を有するのが有利)を含んでいても良い。ホースからの流体が出口通路308を迂回することを防止するためにホース継手をシールするO−リング306が使用される。有利には、ノズルは、外径約3インチ及び長さ約2インチであり、各々が長さ約1.5インチで直径0.005インチの500までの又はそれ以上の流体出口通路を有するように構成されるのが有利である。流体出口ノズル303内の流体チャネルは、気泡の形成を実質的に防ぎ且つ流体出口ノズル303の出口のところでガス富化流体の層流を形成するように選択された断面積及び長さを有するのが有利であることに注目すべきである。
【0067】
変形例として、図7に示すように、流体出口ノズル303は、集めて又はグループ化して管312にすることができる複数の小さな毛細管310を有するのが有利である。例えば、毛細管310の各々は、約150〜450ミクロンの内径を有するのが良く、それらを約60の毛細管310の集まりの管312として配置されるのが良い。各管312は、60の毛細管310を互いに一緒にしながら60の毛細管310の上にシリカを押出すことによって形成され、その結果、管内に毛細管の束を形成する。管312は、それらの外面が(例えば、エポキシで)互いに固着され、それらが管の束を形成することが有利である。管の束は、長さが約5インチで直径が約1インチであるのが有利である。
【0068】
毛細管入口を洗浄するために、ホースの遠位端部は、水を毛細管入口を通して処理場所に急速に流すことを可能にするために望むように開閉するバルブ(図示せず)を含むのが良い。別の実施形態では、毛細管は、清掃される毛細管に逆流を生じさせるベンチュリ効果を引き起こすことによって洗浄されても良い。変形例として、各管の束を取り換え、個別に洗浄しても良い。
【0069】
図8A−8Eに示す別の1つの実施形態では、流体出口ノズル303は、積み重ねたプレート322を含むプレート組立体320を有するのが良い。プレート322は、その一方の側面の少なくとも一部分に沿ってその縁と孔との間に延びる複数のチャネル324を有する。例えば図9のA〜Fに図示する種々のチャネル形態が適切である。複数の同様のプレート322同士を、縁を整列させて上に重ねて接合させると、それらを貫通する孔328を有するブロック326が形成される。複数のチャネル324が、ブロック326を貫いて孔328まで延びている。孔のない下プレート330及びポート334を含む上プレート332がブロック326の上に取り付けられると、プレナムが形成される。
【0070】
図10に示すように、プレート322は、洗浄するために望むようにプレート322を分離させるように作動可能な組立体350内に配置されるのが良い。運転中に流体に曝されるプレート322の表面は、気泡が核になってそれが成長する部位の数を最小にするために、滑らか(例えば、研磨した結果として)であって、使用に先立ってアルコールで洗浄されるのが有利である。
【0071】
別の実施形態は、平面のプレートを使用するのではなく、流体通路の環状アレイを形成する1つ又は2以上の円錐形プレートを使用するのが良い。円錐形プレートは、小さい方の端部と、広い方の端部と、両端部間の内面及び外面と、内面及び外面の少なくとも一方の上を両端部間に延びる複数のチャネルとを有する。チャネルは、小さい方の端部と広い方の端部との間を直線状に延びていても良いし、曲線状に延びていても良く、チャネルは、内面及び外面に沿って種々の断面形状及び間隔をとることができる。円錐形プレートは、1つの円錐形プレートの外面が他の円錐形プレートの内面内に配置されるように直列的に積み重なり、それにより、チャネルが隣接した内面と外面とによって閉鎖され、隣接した円錐形プレート間に流体通路の環状アレイを形成する。次いで、円錐形プレートは、流体通路の共通の入口位置を形成するために、小さい方の端部が切り落とされる。酸素富化水は、共通入口位置から流入し、流体通路の中を通って流れ、広い方の端部から分散する。円錐形プレートは、広い方の端部が特定の出口表面、例えば平坦な、凹形の又は凸形の出口表面を形成するように設計されるのが良く、それにより、流れ特性を改善し、特定の噴霧パターンを提供し又はその他の特性を変更させるのが良い。変形例として、円錐形プレートは、酸素富化水が、共通入口位置を形成するように切り落とされ且つ整列させた広い方の端部で流入し、小さい方の端部から流出するように構成されていても良い。
【0072】
円錐形プレートが容易に整列し、積み重なり、別個の取付装置がなくても固着するので、円錐形プレートの設計は、組立体を単純化するのに有利である。適切に構成されると、有利なことに、酸素富化水流は、使用中、個々の円錐形プレートを互いに押し、それにより、表面を密着させたままにする。円錐形プレートの設計は、洗浄にとっても有利であり、洗浄は、円錐プレート組立体を逆流洗浄することによって達成される。円錐形プレート組立体の中を通る流れを逆にすることによって、個別の円錐形プレートが強制的に分離され、ごみが洗い流される。
【0073】
酸素富化流体供給システムを含む廃水酸素化システムは、図11に示されている自治都市廃水処理プラント400の等の廃水処理システムで使用されるのが良い。特に、本システムは、1つ又は2以上の曝気タンク402又は浄化器タンク404内で使用されるのが良い。本システムのノズル303は、タンクに収容されている廃水に酸素富化流体を供給するために、タンク402及び/又は404内に配置されるのが良いことに注目すべきである。この状況において、タンク内の廃水の酸素化を容易にするために、ノズル303近傍の両タンク402及び/又は404内に1つ又は2以上のミキサー(図示せず)を含めることが望ましい。或いは、ノズル303は、タンク402及び404とは別個に配置されている二次タンク406内に配置されても良い。この状況において、酸素化された水は、二次タンク406に流入し、次いで、この酸素化された水を重力供給方式管路又はポンプと管路との組合せ等の適切な送出システムを介して、連結されたタンク402及び404に送出する。上述したように、内部の廃水の酸素化を容易にするために、1つ又は2以上のミキサー(図示せず)を管路近傍のタンク402及び/又は404に含めるのが望ましい。ノズル303をタンク402及び404内の廃水の外に保つことによって、ノズルは、遙かに清潔に保たれ、従って一般的により効率的に動作するであろう。
【0074】
本発明に関連する好ましい態様として、以下のものをあげることができる。
[1]廃水処理方法であって、
容器を処理ガスで加圧する工程、及び、
廃水を前記容器に噴霧状態で送出して、廃水を所望のガス含有量に富化する工程、及び/又は、
処理すべき廃水の供給部から廃水を引く工程、及び、
廃水を所望のガス含有量で排出し、それを廃水の供給部に戻す工程、
を有する廃水処理方法。
[2]更に、廃水を噴霧する工程、及び/又は、廃水を濾過する工程、を含む上記[1]記載の廃水処理方法。
[3]廃水を濾過する工程は、一連の徐々に細かくなるフィルタ及び/又は150乃至450ミクロンのフィルタを通して廃水を通過させる工程、及び/又は、自浄式フィルタを通して廃水を通過させる工程、を含む上記[2]に記載の廃水処理方法。
[4]更に、前記容器内に配置されたスティンガーを通して前記容器に廃水を送出する工程を有し、前記スティンガーは、廃水を運ぶようになっているパイプと、廃水を前記容器内に噴霧するために前記パイプに作動的に連結された少なくとも1つのノズルと、を有する上記[1]乃至[3]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[5]更に、前記容器の内壁に隣接して配置された少なくとも1つのノズルを通して廃水を前記容器に送出する工程を有し、前記ノズルは、廃水を前記容器に噴霧する、上記[1]乃至[3]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[6]更に、前記流体導管を通して廃水を前記容器から排出する工程と、前記流体導管に連結されたノズルを通して廃水を通過させる工程と、を有する上記[1]乃至[5]の何れか1項に記載の廃水処理方法。
[7]前記廃水を排出する工程は、ホースを介して廃水を通過させる工程を含む、上記[6]に記載の廃水処理方法。
[8]前記ノズルを通して廃水を通過させる工程は、
実質的に層流で気泡の無い流れを形成するように寸法決めされた複数の流体通路を通して廃水を通過させる工程、及び/又は
複数の積み重ねプレートを通して廃水を通過させる工程、を含み、前記複数の積み重ねプレートは、それらの間に流体的に前記流体導管に連結された入口と出口とを有する複数の流体チャネルを構成し、
各々が前記流体導管に流体的に連結された入口と出口とを有する複数の毛細管を通して廃水を通過させる工程、を含む上記[6]に記載の廃水処理方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水及び処理ガスを受け入れ、ガス富化流体を発生させるよう構成されたガス富化部組立体と、
前記ガス富化流体を前記ガス富化部組立体から受け入れるために前記ガス富化部組立体に連結され、前記ガス富化流体を実質的に気泡の無い仕方で送出する送出部組立体と、を有することを特徴とする廃水処理装置。
【請求項2】
廃水は、自治都市の貯水場水、産業廃水、湖水/池水、河川/小川の水、下水、雨水流、地下水、養殖用水、海洋養殖水、農業用水、農薬、肥料、重金属及び/又は微生物を有する、請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
前記処理ガスは、空気、酸素、オゾン、水素、塩素及び/又は一酸化炭素を含む、請求項1又は2に記載の廃水処理装置。
【請求項4】
前記ガス富化流体は、前記処理ガスによって過飽和にされている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項5】
前記ガス富化部組立体は、前記処理ガスを所望のガス含有量まで廃水の中に実質的に溶存させるよう構成され、前記所望のガス含有量は、前記ガス富化部組立体の動作圧力と共に増大する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項6】
前記所望のガス含有量の範囲は、約100乃至300psiの動作圧力に対して、約275乃至880ppmである、請求項5に記載の廃水処理装置。
【請求項7】
前記ガス富化部組立体は、
ガス入口とガス富化流体出口とを有する加圧可能なチャンバーと、
前記加圧可能チャンバー内に配置され、廃水を受け入れ且つ廃水を前記加圧可能チャンバー内に噴霧するよう構成されている噴霧器組立体と、を有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項8】
前記噴霧器組立体は、
加圧可能チャンバーの頂部から内部空間に延びる片持ち式のパイプであって、前記パイプの長手方向軸線の周囲に配置された、廃水を前記加圧可能チャンバー中に噴霧する少なくとも複数のノズルを有するパイプ、及び/又は、
前記加圧可能チャンバーの内壁に隣接して配置され、廃水を前記加圧可能チャンバー内に噴霧するよう構成された少なくとも1つのノズル、を有する請求項7に記載の排水処理装置。
【請求項9】
前記送出部組立体は、流体導管と、この流体導管に連結されたノズルと、を有する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項10】
前記流体導管は、ホースを有する、請求項9に記載の廃水処理装置。
【請求項11】
前記ノズルは、前記ガス富化流体を実質的に気泡の無い仕方で排出するように構成された複数の流体通路を有する、請求項9又は10に記載の廃水処理装置。
【請求項12】
前記流体通路は、前記流体通路の過度の閉塞を防止しながら、層流を形成し且つ前記ガス富化流体内の処理ガスの溶存ガス含有量を実質的に維持するように構成された横断面積と長さとを有し、及び/又は、円筒形の前記導管は、好ましくは、約1.5インチの長さと約0.005インチの直径とを有する、請求項11に記載の廃水処理装置。
【請求項13】
前記ノズルは、複数の積み重ねプレートを有し、これらの積み重ねプレートは、それらの間に複数の流体チャネルを形成し、これらの流体チャネルは、前記流体導管に流体的に連結された入口と、ガス富化流体を排出する出口と、を有する請求項9乃至12の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項14】
前記積み重ねプレートは、実質的に平坦なセクション及び/又は実質的に円錐状のセクションを有する、請求項13に記載の廃水処理装置。
【請求項15】
前記ノズルは、複数の毛細管を有し、この毛細管の各々が、前記流体導管に流体的に連結された入口と、前記ガス富化流体を排出する出口と、を有する請求項9乃至14の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項16】
前記毛細管は、約150乃至450ミクロンの内径を有し、及び/又は、複数の毛細管束にグループ化されている、請求項15に記載の廃水処理装置。
【請求項17】
前記毛細管束は、この毛細管束の周りに配置された結合材料を有する、請求項15に記載の廃水処理装置。
【請求項18】
更に、前記ガス富化部組立体に連結された少なくとも1つのフィルタ組立体を含む、請求項1乃至17の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項19】
前記フィルタ組立体は、廃水が流れる方向に沿ってフィルタの粗さが小さくなるように構成された一連のフィルタ及び/又は150ミクロンのフィルタ及び/又は自浄式フィルタを有する、請求項18に記載の廃水処理装置。
【請求項20】
前記フィルタ組立体は、前記ガス富化部組立体と廃水入口との間に配置され、及び/又は、前記ガス富化流体を濾過するために前記送出部組立体に流体的に連結されている、請求項18又は19に記載の廃水処理装置。
【請求項21】
更に、前記ガス富化部組立体に連結され且つ前記送出部組立体に連結された制御システムを含み、この制御システムは、少なくとも、前記ガス富化部組立体から入る廃水流量及び処理ガス流量の制御と、前記送出部組立体を介してガス富化部組立体に出るガス富化廃水流量の制御とを提供する、請求項1乃至20の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項22】
廃水供給部及び処理ガス供給部を有し、廃水を処理ガスの所望のガス含有量まで実質的に気泡の無い仕方で富化させるよう構成されたガス富化部組立体と、
前記ガス富化部組立体から廃水を受け入れ、それを排出するように前記ガス富化部組立体に連結され、所望のガス含有量を実質的に維持し且つ気泡の形成を実質的になくすように構成された送出部組立体と、を有することを特徴とする廃水処理設備。
【請求項23】
更に、前記ガス富化部組立体及び前記送出部組立体を支持するように構成された取付部組立体を有する、請求項22に記載の廃水処理設備。
【請求項24】
前記取付組立体は、固定の廃水処理場に固定的に取り付けられるように、及び/又は、移動式配備システムに連結されるように構成されている、請求項23に記載の廃水処理設備。
【請求項25】
前記移動式配備システムは、モータ駆動式車両を有する、請求項24に記載の廃水処理設備。
【請求項26】
前記移動式配備システムは、モータ駆動式車両の後で牽引されるように構成されたトレーラを有する、請求項24又は25に記載の廃水処理設備。
【請求項27】
更に、前記ガス富化部組立体に処理ガスを供給するように構成された処理ガス供給部を有する、請求項22乃至25の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項28】
前記ガス富化部組立体は、
ガス入口及びガス富化流体出口を有する加圧可能なチャンバーと、
前記加圧可能なチャンバー内に配置され、廃水を受け取り且つ廃水を前記加圧可能なチャンバーに噴霧するように構成されている噴霧器組立体と、を有する請求項22乃至26の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項29】
前記送出部組立体は、流体導管と、前記流体導管に連結されたノズルと、を有する請求項22乃至27の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項30】
前記ノズルは、廃水を所望のガス含有量で実質的に気泡の無い仕方で排出するよう構成された流体通路を有する、請求項29に記載の廃水処理設備。
【請求項31】
更に、廃水を濾過するための少なくとも1つのフィルタを有する、請求項22乃至29の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項32】
更に、前記ガス富化部組立体及び前記送出部組立体に連結されている制御システムを有し、この制御システムは、少なくとも、所望のガス含有量の制御と、前記送出部組立体を通して排出される廃水の出口流量の制御と、を行う請求項22乃至30の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項1】
廃水及び処理ガスを受け入れ、ガス富化流体を発生させるよう構成されたガス富化部組立体と、
前記ガス富化流体を前記ガス富化部組立体から受け入れるために前記ガス富化部組立体に連結され、前記ガス富化流体を実質的に気泡の無い仕方で送出する送出部組立体と、を有することを特徴とする廃水処理装置。
【請求項2】
廃水は、自治都市の貯水場水、産業廃水、湖水/池水、河川/小川の水、下水、雨水流、地下水、養殖用水、海洋養殖水、農業用水、農薬、肥料、重金属及び/又は微生物を有する、請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
前記処理ガスは、空気、酸素、オゾン、水素、塩素及び/又は一酸化炭素を含む、請求項1又は2に記載の廃水処理装置。
【請求項4】
前記ガス富化流体は、前記処理ガスによって過飽和にされている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項5】
前記ガス富化部組立体は、前記処理ガスを所望のガス含有量まで廃水の中に実質的に溶存させるよう構成され、前記所望のガス含有量は、前記ガス富化部組立体の動作圧力と共に増大する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項6】
前記所望のガス含有量の範囲は、約100乃至300psiの動作圧力に対して、約275乃至880ppmである、請求項5に記載の廃水処理装置。
【請求項7】
前記ガス富化部組立体は、
ガス入口とガス富化流体出口とを有する加圧可能なチャンバーと、
前記加圧可能チャンバー内に配置され、廃水を受け入れ且つ廃水を前記加圧可能チャンバー内に噴霧するよう構成されている噴霧器組立体と、を有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項8】
前記噴霧器組立体は、
加圧可能チャンバーの頂部から内部空間に延びる片持ち式のパイプであって、前記パイプの長手方向軸線の周囲に配置された、廃水を前記加圧可能チャンバー中に噴霧する少なくとも複数のノズルを有するパイプ、及び/又は、
前記加圧可能チャンバーの内壁に隣接して配置され、廃水を前記加圧可能チャンバー内に噴霧するよう構成された少なくとも1つのノズル、を有する請求項7に記載の排水処理装置。
【請求項9】
前記送出部組立体は、流体導管と、この流体導管に連結されたノズルと、を有する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項10】
前記流体導管は、ホースを有する、請求項9に記載の廃水処理装置。
【請求項11】
前記ノズルは、前記ガス富化流体を実質的に気泡の無い仕方で排出するように構成された複数の流体通路を有する、請求項9又は10に記載の廃水処理装置。
【請求項12】
前記流体通路は、前記流体通路の過度の閉塞を防止しながら、層流を形成し且つ前記ガス富化流体内の処理ガスの溶存ガス含有量を実質的に維持するように構成された横断面積と長さとを有し、及び/又は、円筒形の前記導管は、好ましくは、約1.5インチの長さと約0.005インチの直径とを有する、請求項11に記載の廃水処理装置。
【請求項13】
前記ノズルは、複数の積み重ねプレートを有し、これらの積み重ねプレートは、それらの間に複数の流体チャネルを形成し、これらの流体チャネルは、前記流体導管に流体的に連結された入口と、ガス富化流体を排出する出口と、を有する請求項9乃至12の何れか1項に記載の排水処理装置。
【請求項14】
前記積み重ねプレートは、実質的に平坦なセクション及び/又は実質的に円錐状のセクションを有する、請求項13に記載の廃水処理装置。
【請求項15】
前記ノズルは、複数の毛細管を有し、この毛細管の各々が、前記流体導管に流体的に連結された入口と、前記ガス富化流体を排出する出口と、を有する請求項9乃至14の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項16】
前記毛細管は、約150乃至450ミクロンの内径を有し、及び/又は、複数の毛細管束にグループ化されている、請求項15に記載の廃水処理装置。
【請求項17】
前記毛細管束は、この毛細管束の周りに配置された結合材料を有する、請求項15に記載の廃水処理装置。
【請求項18】
更に、前記ガス富化部組立体に連結された少なくとも1つのフィルタ組立体を含む、請求項1乃至17の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項19】
前記フィルタ組立体は、廃水が流れる方向に沿ってフィルタの粗さが小さくなるように構成された一連のフィルタ及び/又は150ミクロンのフィルタ及び/又は自浄式フィルタを有する、請求項18に記載の廃水処理装置。
【請求項20】
前記フィルタ組立体は、前記ガス富化部組立体と廃水入口との間に配置され、及び/又は、前記ガス富化流体を濾過するために前記送出部組立体に流体的に連結されている、請求項18又は19に記載の廃水処理装置。
【請求項21】
更に、前記ガス富化部組立体に連結され且つ前記送出部組立体に連結された制御システムを含み、この制御システムは、少なくとも、前記ガス富化部組立体から入る廃水流量及び処理ガス流量の制御と、前記送出部組立体を介してガス富化部組立体に出るガス富化廃水流量の制御とを提供する、請求項1乃至20の何れか1項に記載の廃水処理装置。
【請求項22】
廃水供給部及び処理ガス供給部を有し、廃水を処理ガスの所望のガス含有量まで実質的に気泡の無い仕方で富化させるよう構成されたガス富化部組立体と、
前記ガス富化部組立体から廃水を受け入れ、それを排出するように前記ガス富化部組立体に連結され、所望のガス含有量を実質的に維持し且つ気泡の形成を実質的になくすように構成された送出部組立体と、を有することを特徴とする廃水処理設備。
【請求項23】
更に、前記ガス富化部組立体及び前記送出部組立体を支持するように構成された取付部組立体を有する、請求項22に記載の廃水処理設備。
【請求項24】
前記取付組立体は、固定の廃水処理場に固定的に取り付けられるように、及び/又は、移動式配備システムに連結されるように構成されている、請求項23に記載の廃水処理設備。
【請求項25】
前記移動式配備システムは、モータ駆動式車両を有する、請求項24に記載の廃水処理設備。
【請求項26】
前記移動式配備システムは、モータ駆動式車両の後で牽引されるように構成されたトレーラを有する、請求項24又は25に記載の廃水処理設備。
【請求項27】
更に、前記ガス富化部組立体に処理ガスを供給するように構成された処理ガス供給部を有する、請求項22乃至25の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項28】
前記ガス富化部組立体は、
ガス入口及びガス富化流体出口を有する加圧可能なチャンバーと、
前記加圧可能なチャンバー内に配置され、廃水を受け取り且つ廃水を前記加圧可能なチャンバーに噴霧するように構成されている噴霧器組立体と、を有する請求項22乃至26の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項29】
前記送出部組立体は、流体導管と、前記流体導管に連結されたノズルと、を有する請求項22乃至27の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項30】
前記ノズルは、廃水を所望のガス含有量で実質的に気泡の無い仕方で排出するよう構成された流体通路を有する、請求項29に記載の廃水処理設備。
【請求項31】
更に、廃水を濾過するための少なくとも1つのフィルタを有する、請求項22乃至29の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【請求項32】
更に、前記ガス富化部組立体及び前記送出部組立体に連結されている制御システムを有し、この制御システムは、少なくとも、所望のガス含有量の制御と、前記送出部組立体を通して排出される廃水の出口流量の制御と、を行う請求項22乃至30の何れか1項に記載の廃水処理設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−166192(P2012−166192A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39888(P2012−39888)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2002−517196(P2002−517196)の分割
【原出願日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【出願人】(500558698)シアロックス インコーポレイテッド (6)
【出願人】(503048589)ダイナモックス インコーポレイテッド (1)
【出願人】(501030142)ウェイン ステイト ユニヴァーシティ (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2002−517196(P2002−517196)の分割
【原出願日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【出願人】(500558698)シアロックス インコーポレイテッド (6)
【出願人】(503048589)ダイナモックス インコーポレイテッド (1)
【出願人】(501030142)ウェイン ステイト ユニヴァーシティ (7)
【Fターム(参考)】
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