説明

廃資材の収集積替用ボックス

【課題】 トラックの一度の往復輸送で荷台に廃棄物等が満杯になるまで複数のボックスから収納物を収集して効率良く運搬できる廃資材の収集積替用ボックスを提供する。
【解決手段】 底板2と左右側面板3、4と後部側面板6と前傾させた前傾側面板5とでボックス本体1を形成し、該ボックス本体1の左右側面板3、4の略中央縦に中央吊りフレーム7を側面板の上端縁3a、4aから上に突出状態に固設し、そのフレーム7の両上端部間に横軸体8を架設する。また、ボックス本体1の後部側面板6の上端縁6aの両側に後方に向けて後部吊りフレーム9を突設し、そのフレーム9の両先端部9a、9a間に横軸体10を架設する。さらに、両中央吊りフレーム7の上端部7aと、両後部吊りフレーム9の先端部9aと、前傾側面板5の上端部5a、5aの左右に吊り具30用のフック39が差し込み可能な径を有する吊り輪11、12、13を固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種産業廃棄物や建設資材などを一時的に収納し、その収納物を他所へ移動するために用いる廃資材の収集積替用ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
建設廃材などの産業廃棄物を一時的に収納しておき、その収納物を定期的又は適宜に収納したままでトラックなどに積んで収集し、廃棄物処理場など他所に運搬するためのコンテナボックスが提供されている。
一般に使用させているコンテナボックスは縦2m、横1m、深さ1m程度の直方体型の金属製の箱体から成るものが多く、それらの四隅上部にはフックを掛ける吊り輪が装着されており、産業廃棄物を投入した後、このコンテナボックスをクレーン車で運ぶ場合に、その四隅の吊り輪にクレーンのワイヤー下端に付けたチェーンのフックを掛けて、コンテナボックスを水平に吊り上げてトラックの荷台上に移動し、そのまま廃棄物処理場などに搬送している。
例えば、特許文献1にあるような廃棄物用のコンテナボックスでは、直方体のボックスの四隅にアングル材の上端部にフックを掛けるC型棒材が溶接されており、そのC型棒材にクレーンのワイヤー先端のフックを掛けて吊り上げ移動できるようにしてある。
【特許文献1】特開2003−312774
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1のような従来の廃棄物用のコンテナボックスでは、収納した廃棄物を入れたままでトラックに載せ、そのまま廃棄物処理場に運搬されるものなので、たとえコンテナボックス内に収集した内容物が少ない場合であってもその一箱をトラックに載せて運ばなければならない。したがってその場合は、収納した廃棄物よりもそれを入れたコンテナボックスの方が嵩張って重たくなり、いわば廃棄物そのものよりも入れ物のコンテナボックスを輸送しているようになってしまい、廃棄物そのものを効率良く運搬することができなかった。
即ち、従来の収集運搬過程では、図6に示すように、収納した廃棄物を入れたままのコンテナボックスC4をトラックTに載せ、そのコンテナボックスC4ごと廃棄物処分場Sに運搬するので、トラックTで運搬している間は廃棄物が発生する収集場所(たとえば建設現場K)に3個のコンテナボックスC1、C2、C3が必要な場合、別にもう一箇の運搬交換用のコンテナボックスC4を用意しておかなければならなかった。
また、収集運搬用のトラックの荷台は、通常廃棄物用のコンテナボックス1箱分のスペースしかないものが多く、その場合一度に1箱しか運べないので、廃棄物収集する場所にコンテナボックスを何箱C1、C2、C3も設置してある場合には、その場所Kと廃棄物処理場Sとを3度も往復しなければならず、運搬距離が長距離となり時間もかかって非常に輸送効率が悪かった。
さらに、廃棄物収集する場所におけるコンテナボックスの積み替え交換場所には、収集用とは別にもう一箇の運搬用のコンテナボックスを仮置きするための空間が必要となるので、狭い場所での積み替えが困難となる難点があった。
【0004】
そこで本発明は、廃棄物などの収納物の収集するボックスを、廃棄物などの収集場所での収納量に必要な数だけボックスを設置するだけで、トラックでの収集移動に使う運搬交換用のボックスを別に用意する必要がなく、また、廃棄物などの収集場所にボックスが何箱もある場合でも一台のトラックでそれらの各ボックスに収集された廃棄物などの収納物が荷台に満杯にまるまで一度の往復で効率よく収集運搬でき、さらにボックス内の収納物のトラックへの積み替えの作業が極めて容易となる産業廃棄物などの廃資材の収集積替用ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の廃資材の収集積替用ボックスにおける請求項1に記載の発明は、長方形の底板と該底板の長手側辺縁に直立した左右側面板と前記底板の短手側辺縁に直立した後部側面板と前記底板の短手側辺縁前部に上開き傾斜面を形成した前傾側面板とで上面開放型の金属板製のボックス本体を形成する。
そして、前記ボックス本体の前記左右側面板の略中央縦に金属製の中央吊りフレームをその上端部が該側面板の上端縁から上に突出状態に固設するとともに該中央吊りフレームの両上端部間に金属製の横軸体を架設し、さらに前記ボックス本体の前記後部側面板の上端縁の両側に後方に向けて金属製の後部吊りフレームを突設するとともに該後部吊りフレームの両先端部間に金属製の横軸体を架設する。
また、前記両中央吊りフレームの上端部と両後部吊りフレームの先端部と前記前傾側面板の上端部の左右に吊り具用のフックが差し込み可能な径を有する金属製の吊り輪を固着したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記傾斜側面板の板面を垂直線に対して約45度の角度で前傾させたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記前傾側面板の上端縁を左右側面板の上端縁の高さよりも低く形成するとともに前記左右側面板の前記前傾側面板寄りの上端縁部分を途中から該上端縁部分の前端まで該前端が前記前傾側面板の上端縁に同じ高さで直線的に接続するように斜め下がり状態に形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、上記各発明において、前記底板の上板面に長手方向に平行で複数略等間隔の直隆条を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、上記各発明において、前記中央吊りフレーム及び後部吊りフレームの突出基部とその基部附近の各垂直側面板部分とにフレーム補強板を固着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の廃資材の収集積替用ボックスは上記構成なので、ボックス本体に設けた各横軸体及び各吊り輪にクランプ爪による持ち上を行うビアブ車やワイヤーに掛けて吊り上げを行うクレーン車(ユニック車を含む)に備わるクレーンやクランプ爪を掛けて、中央吊りフレームの先端部に設けた各横軸体と各吊り輪でボックス本体の底板を水平状態にしてボックスを移動し、また両後部吊りフレームの先端部に設けた各横軸体と各吊り輪で底板を略垂直状態に吊り上げてボックスを傾けて収納物を排出させることが可能となる。
そして両後部吊りフレームを吊ったとき、ボックス本体の前記前傾側面板は前傾しているので、ボックス内の収納物は下向き傾斜となった前記傾斜側面板面を滑って残らずに全てトラックに荷台に放出される。
【0011】
その際、請求項2に記載の発明では、前記傾斜側面板の板面が約45度の角度で前傾しているのでたとえ、ボックス本体の底板が完全に垂直に吊られていない場合であっても、前記傾斜側面板面が下向き傾斜となるので確実に傾斜側面板を滑って収納物の全てが残らずに荷台に放出可能となる。
また、請求項3に記載の発明は、前記前傾側面板の上端縁が低いのでその分早く収納物を荷台に放出させることが可能となる。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記底板に形成した平行な隆条が収納物を前記前傾側面板の方向に向けて真っ直ぐに案内し、収納物を荷台に向けて円滑に放出させることができるようになる。
また、請求項5に記載の発明は、フレーム補強板により前記中央吊りフレーム及び後部吊りフレームの突出基部とその基部附近の各垂直側面板部分が補強されるので、収納物の全体重量が大きくても各フレームの湾曲変形や破壊を防ぎ安全に収納物の積み替え作業を行うことが可能となる。
【0012】
そして、廃棄物などの収集場所にボックスを何箱も設置してある場合、従来のコンテナボックスではその廃棄物収集場所と廃棄物処理場とを廃棄物をボックスに入れたまま何度も往復しなければならず処理に長時間かかり運賃コストが大きかったが、本発明のボックスでは上記の如く収納物を荷台に容易に排出させることが可能となり、ボックス内の収納物のトラックへの積み替えの作業を極めて容易に行えるようになった。
この結果、廃棄物などの収集場所での収納量に必要な数だけボックスを設置するだけで、トラックでの収集移動に使う運搬交換用のボックスを別に用意する必要がなく、また、廃棄物などの収集場所にボックスが何箱もある場合でも一台のトラックでそのトラックの荷台が廃棄物用コンテナ1箱分のスペースしかなくても、それらの各ボックスに収集された廃棄物などの収納物を各ボックスからトラックに移し変えつつ荷台に満杯にまるまで処理場との一度の往復で複数も各ボックスの収集を行うことが可能となった。
このようにトラックでの運搬は、ボックスを伴わず、移送すべき収納物のみを運搬することができるようになったので、これまでになく優れた運搬効率を上げることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の最良の形態を以下の実施例により説明する。
本発明の資材の収集積替用ボックスは、図1に示すように、底板2と、左右側面板3、4と、後部側面板6と、前傾側面板5とで上面開放型の金属板製のボックス本体1を形成する。
前記底板2は、長方形の板面に長手方向に平行に複数略等間隔で1cmから2cm程度の高さで凸型の隆条28を形成する。
前記左右側面板3、4は、1m程度に高さに前記底板2の長手側辺縁に直立させる。
前記後部側面板6は、前記左右側面板3、4と同様に1m程度に高さに前記底板2の短手側辺縁に直立させ前記左右側面板3、4と固定する。
前記前傾側面板5は、1m程度に長さに前記底板2の短手側辺縁前部にその板面5bを垂直線に対して上開きに約45度の角度で前傾させて前記左右側面板3、4と固定する。
【0014】
前記前傾側面板5の上部は、約45度の角度の前傾なので1m程度に長さとすると、図1に示すように、前記前傾側面板5の上端縁5aが左右側面板3、4の上端縁3a、4aの高さよりも低くなる。
この高さに合わせて、前記左右側面板3、4の前記前傾側面板5寄りの上端縁部分3b、4bを途中から該上端縁部分3b、4bの前端まで該前端が前記前傾側面板5の上端縁5aに直線的に接続するように斜め下がり状態に形成する。
【0015】
そして、前記ボックス本体1の前記左右側面板3、4の略中央縦に角パイプ金属製の中央吊りフレーム7を最下部は底板2部分から上端部7aが該側面板の上端縁3a、4aから上に20cm程度突出状態に固設し、その中央吊りフレーム7の両上端部7a、7a間に丸パイプ金属製の横軸体8を架設する。
その両中央吊りフレーム7の上端部7a、7aに吊り具30用のフック39が差し込み可能な径を有する金属製の吊り輪11を固着する。
【0016】
また、前記ボックス本体1の前記後部側面板6の上端縁6a、6aの両側に水平後方に向けて角パイプ金属製の後部吊りフレーム9を突設し、その後部吊りフレーム9の両先端部9a、9a間に金属製の横軸体10を架設する。
その両後部吊りフレーム9の先端部9a、9aに、上記両中央吊りフレーム7に設けた吊り輪11と同様な吊り具30用のフック39が差し込み可能な径を有する金属製の吊り輪12を固着する。
また、前傾側面板5の上端部5a、5aの左右にも上記両中央吊りフレーム7に設けた吊り輪11と同様な吊り具30用のフック39が差し込み可能な径を有する金属製の吊り輪13を固着する。
そして、図1に示すように、前記中央吊りフレーム7及び後部吊りフレーム9の突出基部とその基部附近の各垂直側面板部分とにフレーム補強板21、23を固着し、さらに前記中央吊りフレーム7及び後部吊りフレーム9と前記両横軸体8、10の突出基部とその基部附近の各フレーム部分とに横軸体補強板22、24を固着する。
さらに前記ボックス本体1の周囲に、開口上縁には、上縁補強フレーム15、上縁補強フレーム16を、また後ろコーナー補強フレーム17、水平補強アングル18、後ろコーナー補強アングル19、水平補強アングル20などの鉄製アングルを固着し、前記ボックス本体1全体の強度を高める。
また、底板2下の前後には底上脚14を平行に設けて、フォークリフトのフォーク爪が差し込めるようにする。
【0017】
(使用方法)
次ぎに、本発明の使用方法を説明する
本発明は、図2の(イ)に示すように、置き場にあったボックスをビアブ車27に備わるクランプ爪25で中央吊りフレーム7の横軸体8を掴み、収納物が入ったボックス本体1を水平状態で持ち上げ、荷台上に運び底板2を一旦水平に下ろし、次に前記後部吊りフレーム9の横軸体10をクランプ爪25で掴み直す。そして、クランプ爪25で横軸体10を持ち上げることで、図2の(ロ)に示すように、ボックス本体1を傾けて、図3の(ハ)に示すように、前傾側面板5から内容物Hを荷台上に排出する。
このとき、前傾側面板5が上開きに約45度の角度で前傾させてある場合、底板2の前端部14が荷台に接した状態(図2の(ロ)に示す吊り角度が45度よりも小さい状態)から、さらに底板2の前端部14が荷台から離れ、前記前傾側面板5の上端部5a、5a又はその上端部5a、5aの設けた吊り輪13が荷台に接している状態(図3の(ハ)に示す吊り角度が45度よりも大きい状態)となると前記前傾側面板5の傾斜面5bから収納物Hが荷台上に滑り落ちる。
【0018】
さらに、前記前傾側面板5の吊り輪13が荷台に接している状態で、さらに吊り角度を上げつつクランプ爪25で前記後部吊りフレーム9の横軸体10を荷台の後ろに向けてそのまま水平方向に移動する(図3の(ハ)に示す吊り角度が45度よりも大きい状態)と、さらに傾斜面5bから収納物Hが荷台上に続いて滑り落ち、さらに前記前傾側面板5の吊り輪13が荷台から離れると、前記前傾側面板5の角度が下向き45度に近づき、全ての収納物Hが荷台上に排出される。
このとき、収納物Hは水平方向の移動で荷台の前から後ろに分散される。
そして、荷台の前の方の収納物Hの上に、空の前記後部吊りフレーム9の横軸体10を吊ったままボックス本体1を移動し、前記前傾側面板5の上端部5a、5aを下ろして、前記後部吊りフレーム9の横軸体10を後ろに向けて移動すると、ボックス本体1が水平状態に収納物Hの上に載る。
そこで再度クランプ爪25で中央吊りフレーム7の横軸体8を掴み、収納物がないボックス本体1を水平状態で持ち上げて元の置き場の戻す。
【0019】
次に、別の置き場のボックスをビアブ車27に備わるクランプ爪25で中央吊りフレーム7の横軸体8を掴み、収納物が入ったボックス本体1を水平状態で持ち上げ、荷台の前に下ろした収納物の上に運び底板2を一旦水平に下ろし、次に前記後部吊りフレーム9の横軸体10をクランプ爪25で掴み直す。そして、クランプ爪25で横軸体10を持ち上げることで、図2の(ロ)に示すように、ボックス本体1を傾けて、図3の(ハ)に示すように、前傾側面板5から内容物Hを荷台上に排出する。
このとき、前傾側面板5が上開きに約45度の角度で前傾させてある場合、底板2の前端部14が荷台に接した状態から、さらに底板2の前端部14が荷台から離れ、前記前傾側面板5の上端部5a、5a又はその上端部5a、5aの設けた吊り輪13が荷台に接している状態となると前記前傾側面板5の傾斜面5bから収納物Hが荷台上に滑り落ちる。
【0020】
さらに、前記前傾側面板5の吊り輪13が荷台に接している状態で、さらに吊り角度を上げつつクランプ爪25で前記後部吊りフレーム9の横軸体10を荷台の後ろに向けてそのまま水平方向に移動すると、さらに傾斜面5bから収納物Hが荷台上に続いて滑り落ち、さらに前記前傾側面板5の吊り輪13が荷台から離れると、前記前傾側面板5の角度が下向き45度に近づき、全ての収納物Hが荷台上に排出される。
このとき、収納物Hは水平方向の移動で荷台の前から後ろに分散される。
そして、荷台の前方の収納物Hの上に、空の前記後部吊りフレーム9の横軸体10を吊ったままボックス本体1を移動し、前記前傾側面板5の上端部5a、5aを下ろして、前記後部吊りフレーム9の横軸体10を後ろに向けて移動すると、ボックス本体1が水平状態に収納物Hの上に載る。
そこで再度クランプ爪25で中央吊りフレーム7の横軸体8を掴み、収納物がないボックス本体1を水平状態で持ち上げて元の置き場の戻す。
以下同様に繰り返して荷台が満杯になったら、図5に示すように廃棄物処理場Sに運ぶ。
【0021】
なお、クレーン付トラック31による場合は備わるフック29で金属製の吊り輪11、12、13を吊って上記作業工程と同様に、中央吊りフレーム7の吊り輪11を吊り、収納物が入ったボックス本体1を水平状態で持ち上げ、荷台上に運び底板2を一旦水平に下ろし、次に前記後部吊りフレーム9の吊り輪12を吊り直す。そして、後部吊りフレーム9を持ち上げることで、図4に示すように、ボックス本体1を傾けて、前傾側面板5から内容物Hを荷台上に排出する。
運び底板2を水平に吊る方法で安全に四点吊りにする場合には、前記後部吊りフレーム9の吊り輪12、12と前傾側面板5の上端部5a、5aの左右の吊り輪13、13にチェーン掛けする。
【0022】
以上のように、トラックTが数箇所のボックスの置き場を巡って、収納されている収納物Hをボックスから荷台に積み替えて荷台が満杯になったら、図5に示すように、その収納物Hを廃棄物処理場Sへ運ぶ。
【0023】
従来では、図6に示すように、廃棄物収集場所KにボックスB1、B2、B3を何箱も設置してある場合、その廃棄物収集場所Kと廃棄物処理場Sを何度も往復しなければならずその往路O 復路Fを合算すると運搬に長時間かかり運賃コストが大きかった。
また従来では、図6に示すように、そのような廃棄物用のコンテナボックスC4では、収納した廃棄物を入れたままでトラックに載せ、そのコンテナボックスC4ごと処理場に運搬しなければならないので、トラックTで運搬している間は廃棄物収集場所Kに別の廃棄物用のコンテナボックスC1、C2、C3を用意しておかなければならず少なくとも一箇所に2箱はコンテナボックスを必要としていた。さらに、収集運搬用のトラックの荷台は、通常廃棄物用のコンテナボックス1箱分のスペースしかないものが多く、一度に1箱しか運べないので、廃棄物収集場所Kにコンテナボックスを何箱C1、C2、C3も設置してある場合、その廃棄物収集場所Kと廃棄物処理場Sを何度も往復しなければならず時間的な面でも、また運搬距離の面においても非常に輸送効率が悪かった。
【0024】
しかし本発明では、上記のように、トラックTの荷台には、廃棄物用コンテナ1箱分のスペースしかなくても、収集積替用ボックスBbから収納物HをトラックTに移し変えつつ、トラックTが満杯になるまで、一度に数箇所の収集を行うことが可能となったので、回収効率を極めて大きく高めることが可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の資材を収集積替用ボックスは上記構造であり、大型のものでは各種産業廃棄物や各種建設資材を収集して積替でき、また小型のものでは家庭から排出される生活ゴミなどの収集に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の資材を収集積替用ボックスの斜視図である。
【図2】トラックのビアブ車による収集手順を示し、(イ)はトラックの荷台にボックスを下ろした状態、(ロ)は荷台上でボックスを傾け収納物が一部排出された状態を示す各側面図である。
【図3】図2に続いて収集手順を示し、(ハ)は収納物が半分ほど排出された状態、(ニ)は収納物を殆ど排出された状態を示す各側面図である。
【図4】トラックがクレーン車である場合の使用状態を示す側面図である。
【図5】本発明の収集積替用ボックスによるトラックでの収集運搬過程を示す各概念図である。
【図6】従来のコンテナボックスによるトラックでの収集運搬過程を示す各概念図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ボックス本体
2 底板
3 左側面板
3a 左側面板の上端縁
4 右側面板
4a 右側面板の上端縁
5 前傾側面板
5a 前傾側面板の上端縁
5b 前傾側面板の傾斜面
7 中央吊りフレーム
7a 中央吊りフレームの上端部
8 横軸体
6 後部側面板
6a 後部側面板の上端縁
9 後部吊りフレーム
9a 後部吊りフレームの先端部
10 横軸体
11、12、13 吊り輪
14 底上脚
15 上縁補強フレーム
16 上縁補強フレーム
17 後ろコーナー補強フレーム
18 水平補強アングル
19 後ろコーナー補強アングル
20 水平補強アングル
21、23 フレーム補強板
22、24 横軸体補強板
25 クランプ
26 吊りワイヤー
27 ビアブ車
28 隆条
29 フック
30 チェーン
31 クレーン車
B1、B2、B3 本発明の廃資材の収集積替用ボックス
C1、C2、C3、C4 従来のコンテナボックス
H 廃棄物
S 廃棄物処理場
K 作業現場
T トラック
O 往路
F 復路





【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の底板と該底板の長手側辺縁に直立した左右側面板と前記底板の短手側辺縁に直立した後部側面板と前記底板の短手側辺縁前部に上開き傾斜面を形成した前傾側面板とで上面開放型の金属板製のボックス本体を形成し、
前記ボックス本体の前記左右側面板の略中央縦に金属製の中央吊りフレームをその上端部が該側面板の上端縁から上に突出状態に固設するとともに該中央吊りフレームの両上端部間に金属製の横軸体を架設し、
前記ボックス本体の前記後部側面板の上端縁の両側に後方に向けて金属製の後部吊りフレームを突設するとともに該後部吊りフレームの両先端部間に金属製の横軸体を架設し、
前記両中央吊りフレームの上端部と両後部吊りフレームの先端部と前記前傾側面板の上端部の左右に吊り具用のフックが差し込み可能な径を有する金属製の吊り輪を固着したことを特徴とする廃資材の収集積替用ボックス。
【請求項2】
傾斜側面板の板面を垂直線に対して約45度の角度で前傾させたことを特徴とする請求項1に記載の廃資材の収集積替用ボックス。
【請求項3】
前傾側面板の上端縁を左右側面板の上端縁の高さよりも低く形成するとともに前記左右側面板の前記前傾側面板寄りの上端縁部分を途中から該上端縁部分の前端まで該前端が前記前傾側面板の上端縁に同じ高さで直線的に接続するように斜め下がり状態に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の廃資材の収集積替用ボックス。
【請求項4】
底板の上板面に長手方向に平行で複数略等間隔の隆条を形成したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載の廃資材の収集積替用ボックス。
【請求項5】
中央吊りフレーム及び後部吊りフレームの突出基部とその基部附近の各垂直側面板部分とにフレーム補強板を固着したことを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載の廃資材の収集積替用ボックス。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−290732(P2007−290732A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119254(P2006−119254)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(506141292)有限会社 USジャパン (1)
【Fターム(参考)】