説明

延伸された弾性不織布

不織ウエブを交差マシン方向、マシン方向あるいはその両方で延伸して、不織ウエブの坪量および/またはデニールを低下させ、弾性不織布を形成させることを含んでなり、この不織ウエブがストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを含んでなり、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分がポリマー成分よりも低弾性のポリマーを含んでなる弾性不織布を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2004年8月3日に出願され、そして引用により本明細書に組み込まれている米国特許暫定出願No.60/598,322への優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、多成分ストランドから製造される不織布と、不織物ウエブを製造する方法と、そしてこの不織ウエブを使用する製品に関する。本発明の不織ウエブは、第1の弾性ポリマー成分と、第2の伸展性であるが低弾性のポリマー成分の少なくとも2つの成分を含む多成分ストランドから製造可能である。
【背景技術】
【0003】
近年、使い捨て衛生用製品における不織布、特に弾性不織布の使用が劇的に成長した。例えば、弾性不織布は、包帯材料、衣類、おむつ、サポーター衣類および女性用衛生用製品に組み込まれてきた。これらの製品の中への弾性成分を組み込むことによって、改善されたフィット、快適性と洩れの抑制がもたらされる。
【0004】
しかしながら、二成分繊維などの弾性繊維を用いて作製される低坪量の不織布を得る、しかるべき方法は、引っ張りおよびこの繊維が最初の長さ/幅に戻ることに対する抵抗のために、不満足なものであるということを本発明者らは判断した。結果として、最終の布において小さい繊維直径を得ることは困難である。弾性不織布は望ましくないほど大きな繊維直径および/またはデニールを有し、劣った均一性と劣った一般的な被覆性を有する布を低坪量で生じ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、特にこれらの不織布の弾性を犠牲にしないならば、弾性不織布に影響を与えるこれらの問題の1つ以上に対する解決策が極めて望ましいということを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも2つのポリマー成分を含んでなり、ここで一方の成分が弾性であり、そして他方の成分が低弾性であるが伸展性である複数のストランドから作製される弾性不織ウエブであって、結合された不織ウエブが二軸延伸にかけられた不織布を使用するものであり、そしてこのようにしてこの分野における種々の問題を克服することができる。この弾性不織ウエブは、場合によっては加熱しながら直接に延伸(交差マシン方向あるいはマシン方向の二軸で)されて、不織ウエブの坪量を低下させる。このような直接延伸は増分延伸および他の非直接延伸方法を包含しない。例えば幅出し機(tenter frame)を使用して、差動速度を用いてウエブをマシン方向(MD)で同時あるいは順次延伸しながら、このウエブを交差マシン方向(CD)で延伸することは、他の方法による延伸と比較して坪量が予期しない、実質的な低下を生じるということを見出した。交差方向は、一般に、布の製造方向の布の長さを呼称するマシン方向に対比して、布の製造方向におおむね直角の方向の布の幅を呼称するものであるということを特記すべきである。坪量の低下は交差方向またはマシン方向での延伸により達成可能であるということも見出された。延伸をマシン方向で行う場合には、この幅を固定した幅に保って、坪量低下を達成しなければならない。加えて、驚くべきことには、本発明の実施においては、他の方法の使用と同一の坪量低下を得るのに、低いパーセンテージの延伸が必要であるということが見出された。例えば、一つの場合、所定の坪量低下を得るのに増分延伸を用いて375%伸びが必要とされるが、直接延伸(二軸、CDあるいはMD)を用いてこの伸びを得る
には、150%以下の伸びが必要であった。同様に、本発明の方法により室温においてリングローラー(増分延伸)を用いる400%の延伸が僅か10%の坪量の減少を生じたのに対して、室温における200%の二軸延伸は30%の坪量の減少を生じた。加えて、坪量が著しく低下(例えば、10%未満あるいはそれに等しい低下)しなくとも、直接延伸の使用は、本発明で示す条件下で弾性(増大した伸張力、減少した残留歪、減少した応力緩和および増大した収縮力)を変化させ、ならびに最終使用に依り望まれる大きな値を延伸後に有するMD/CDあるいはCD/MD(ここでは、延伸方向を非延伸方向により割った比)比のパラメーターを得ることができるということが見出された。例えば、387%の伸びにおける増分延伸は、1および2回の通過の後にMD活性化を伴って50%〜100%の比の増加をもたらし、CD活性化の後に100%を少し超えるCD比の増加を通過数に無関係にもたらすということが判った。本発明の実施においては、MDのみの125%伸びによりほぼ100%の比の増加が得られ(実施例15を参照)、そしてCDのみの105%および138%の伸びによりほぼ100%の比の増加が得られた(実施例10および11を参照)。CDおよびMD延伸は両方とも軟化を生じ、伸張力は通常低下し、そして収縮力は通常低下する。
【0007】
本発明は、フィラメントの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを溶融紡糸することを含み得る、弾性不織ウエブおよび布を製造する方法を一般に指向する。第1の成分は弾性ポリマーから形成され、そして第2の成分は低弾性ポリマーから形成される。溶融紡糸されたストランドは不織ウエブに形成され、引き続いて結合され、延伸されて、不織材料の弾性および物理的性質を許容し得る範囲以下まで低下させずに、不織布の坪量およびデニールを低下させる。これは、予め作製されたサーマルボンド弾性不織布をマシン方向、交差方向、好ましくは両方の方向で機械的に後延伸することにより達成される。不織布は延伸の前あるいは間に予熱可能であるか、あるいは加熱されない。
【0008】
多成分ストランドに関しては、第1および第2の成分は、広範で多様なポリマーのいずれからも誘導可能である。本発明の一つの態様においては、第1のポリマー成分は、弾性ポリウレタン、弾性スチレンブロックコポリマーまたは弾性ポリオレフィンから形成され、そして第2のポリマー成分は第1の成分よりも低弾性であるポリオレフィンから形成される。
【0009】
本発明は、本発明の方法により製造される弾性不織布、ならびに延伸の後に作製される多成分弾性繊維を更に含む。
【0010】
一つの広い観点においては、本発明は、不織ウエブをCD延伸、MD延伸などにより少なくとも一つの方向で、あるいは両方の方向で同時あるいは順次で高い温度で延伸して、ウエブの坪量および/またはデニールを低下させることを含んでなり、不織ウエブがストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを含んでなり、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分が第1のポリマー成分よりも低弾性のポリマーを含んでなる弾性不織布を製造する方法である。このように、一つの広い観点においては、本発明は、不織ウエブを交差マシン方向、マシン方向、あるいは両方の方向で延伸して、不織ウエブの坪量、デニールまたは両方を低下させることを含んでなり、この不織ウエブがストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを含んでなり、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分が第1のポリマー成分よりも低弾性のポリマーを含んでなる弾性不織布を製造する方法である。
【0011】
一つの態様においては、不織ウエブは、ストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡
がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを溶融紡糸し、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分が低弾性のポリマーを含んでなり;多成分ストランドを不織ウエブに形成し;そしてストランドを多点ボンディングして、凝集性の結合された不織ウエブを形成し;そしてこの結合不織布を少なくとも一つの方向で延伸することにより形成可能である。
【0012】
もう一つの広い観点においては、本発明は、多成分ストランドから作製される、延伸され、サーマルボンドされた不織ウエブである。
【0013】
もう一つの広い観点においては、本発明は、複数の層を含んでなり、前記層の少なくとも一つが上述の不織布を含んでなる衣類である。
【0014】
本発明の繊維、物品または衣類は多様な用途で有用性を有する。好適な用途は、例えば、限定ではないが、使い捨て個人用衛生用製品(例えばトレーニングパンツ、おむつ、吸収性アンダーパンツ、失禁用製品、女性用衛生物品など);使い捨て衣類(例えば工業用アパレル、カバーオール、ヘッドカバー、アンダーパンツ、パンツ、シャッツ、手袋、靴下など);感染コントロール/クリーンルーム製品(例えば、手術衣およびドレープ、フェースマスク、ヘッドカバー、手術用キャップおよびフード、靴カバー、ブーツスリッパ、創傷包帯、包帯、滅菌ラップ、ワイパー、白衣、カバーオール、パンツ、エプロン、ジャケット)および、恒久的及び半恒久的用途、例えば寝具類およびシーツ、家具用ダストカバー、アパレル芯地、車カバーおよびスポーツあるいは汎用アパレルを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
不織布は熱可塑性材料を溶融紡糸することにより普通作製される。このような不織布は、「スパンボンド」あるいは「メルトブロー」材料と呼ばれ、そしてこれらのポリマー材料を製造する方法も当分野でよく知られている。経済性が有利であることによって、スパンボンド布が本発明で好ましい。物理的性質の望ましい組み合わせ、特に柔軟性、強度および耐久性の組み合わせを有するスパンボンド材料が製造される一方で、著しい問題に遭遇してきた。本発明で使用される不織布は、通常、コンジュゲート繊維であり、通常、二成分繊維である。一つの態様においては、この不織布はシース/コア構造を有する二成分繊維から作製される。本発明に好適な代表的な二成分の弾性不織布およびこれらの製造方法がAustinによりWO00/08243で示され、引用によりこの明細書に全体で組み込まれている。
【0016】
通気性ならびに弾性の制限された布よりも身体の運動の自由度を与える能力があるために、弾性不織布は、包帯材料、作業着および医療用衣などの衣類、おむつ、サポーター衣類、失禁用製品、おむつ、トレーニングパンツおよび他の個人用衛生用製品などの多様な環境において使用可能である。おむつのバックシート、保護用アパレル、医療用衣およびドレープを形成する物品が本発明に特に関連する。
【0017】
この明細書で使用されるように、用語「ストランド」は「繊維」と「フィラメント」の両方に総称的な用語として使用される。この関連で、「フィラメント」は材料の連続的なストランドを指し、「繊維」は有限な長さを有する切断されたあるいは不連続なストランドを意味する。このように、以下の説明は「ストランド」または「繊維」または「フィラメント」を使用する一方で、この説明は3つの用語すべてに等しく適用可能である。
【0018】
特に、弾性不織布に対してこの明細書中下記で述べようとしていることは「化学的」に弾性の繊維として定義されるものである。当分野の熟練者には、これらの繊維と、さもなければ本質的に非弾性の不織布の熱延伸により製造される低弾性の一次元的に弾性の「物理的」あるいは「機械的」に弾性の不織布との区別は容易に明白であろう。
【0019】
手短に言えば、この弾性不織布の作製に使用される二成分ストランドは、通常、第1の成分と第2の成分から構成される。この第1の成分は「弾性」ポリマーであり、これは伸張すると、弾性限界内で変形あるいは延伸する(すなわち、解除されると収縮する)ポリマーを指す。多数の繊維形成性熱可塑性エラストマーが当分野で既知であり、そしてポリウレタン、ブロックコポリエステル、ブロックコポリアミド、スチレン系ブロックポリマーおよびポリオレフィンコポリマーを含むポリオレフィンエラストマーを含む。第1の(内側の)成分用の市販のエラストマーの代表的な例は、以前はKraton Corpにより販売されていたKRATONポリマー;ENGAGEエラストマー(Dupont Dow Elastomersより販売されている)、VERSIFYエラストマー(Dow Chemicalにより製造されている)またはVISTAMAXX(Exxon−MobileCorp.により製造されている)ポリオレフィンエラストマー;およびDEXCOより販売されているVECTORポリマーを含む。他の弾性熱可塑性ポリマーは、Dow Chemicalより販売されているPELLETHANE、BASFより販売されているELASTOLLAN、B.F.Goodrich Companyより販売されているESTANEなどのポリウレタンエラストマー材料(「TPU」);E.I.Du Pont De Nemours Companyより販売されているHYTRELなどのポリエステルエラストマー;Akzo Plasticsより販売されているARNITELなどのポリエーテルエステルエラストマー材料;およびElf Atochem Companyより販売されているPEBAXなどのポリエーテルアミド材料を含む。有利なこととしては、商品名CATALLOYによりMontelより販売されているものなどの異相ブロックコポリマーも本発明で使用される。米国特許第5,594,080号に述べられているポリプロピレンポリマーおよびコポリマーも本発明に好適である。
【0020】
第2の成分もポリマー、好ましくは伸張性であるポリマーである。用途に依って、いかなる熱可塑性の繊維形成性ポリマーも第2の成分として可能である。コスト、剛性、溶融強度、紡糸速度、安定性などが考慮事項である。第2の成分は、第1の成分の形成に使用されるポリマーまたはポリマー組成物と比較して劣った弾性を呈するいかなるポリマーまたはポリマー組成物からも形成され得る。例示の非弾性の繊維形成性熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(LLDPEを含む)、ポリプロピレンおよびポリブテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンおよびこれらのブレンドを含む。第2の成分ポリマーは弾性回復を有し、そしてこの二成分ストランドを延伸したときに弾性限界内で延伸し得る。しかしながら、この第2の成分は、第1の成分ポリマーよりも劣った弾性回復をもたらすように選択される。第2の成分は、また、弾性限界を超えて延伸され、そして引っ張り応力の印加により永久伸び可能であるポリマーでもあり得る。例えば、第2の成分をこれらの表面において有する長い二成分フィラメントが収縮する場合には、第2の成分は、通常、圧縮された形をとり、フィラメントの表面に粗い外観をもたらす。
【0021】
最良の弾性を有するためには、弾性の第1の成分がフィラメント断面の最大部分を占めるようにすることが有利である。一つの態様においては、このストランドを結合されたウエブ環境において使用する場合、この結合されたウエブは、マシン方向基準で少なくとも約65%の二乗平均の回復可能な伸びと、50%伸びおよび一回の引っ張り後の交差方向の回復可能な伸び値を有する。二乗平均の回復可能な伸びは、(マシン方向のパーセント回復)+交差マシン方向のパーセント回復)の和の平方根である。
【0022】
第2の成分として使用される具体的なポリマーに依って、第2の成分は、通常、ストランドの約50重量パーセント未満の量で、一つの態様においては約1と約20パーセントの間およびもう一つの態様においては約5〜10パーセント存在する。
【0023】
一つの観点においては、第2の成分が実質的に弾性でなく、結果としてこのストランドが全体として弾性でない場合、一つの態様においては、第2の成分はこのストランドの延伸時にこのストランドが第2の成分の長さを不可逆的に変えるのに充分な量により弾性となるような量で存在する。
【0024】
第1および第2の成分としての使用に好適な材料は、ストランドの所望の機能に基づいて選択される。好ましくは、本発明の成分中で使用されるポリマーは約5〜約1000のメルトフローを有する。一般に、メルトブロー法は、スパンボンド法よりも高いメルトフローのポリマーを使用する。
【0025】
これらの二成分ストランドは加工用添加物を使用することにより、あるいは使用せずに作製可能である。本発明の実施において、2つ以上のポリマーのブレンドが第1の成分または第2の成分または両方に使用可能である。
【0026】
繊維の特定の形状と最終使用の所望の性質に依って、第1(本発明の弾性成分)および第2の成分は、多成分ストランド内で任意の好適な量で存在し得る。有利な態様においては、第1の成分は繊維の大部分、すなわちストランドの重量基準(「bos」)で約50重量パーセント以上を形成する。例えば、メリットのあることとしては、第1の成分は、多成分ストランド中に約80〜99重量パーセントbosの範囲の量で、例えば約85〜95重量パーセントbosの範囲の量で存在し得る。このような有利な態様においては、非弾性成分は、約50重量パーセントbos未満の量、例えば約1と約20重量パーセントbosの間の量で存在する。このような有利な態様のメリットのある局面においては、第2の成分は、第2の成分として使用される具体的なポリマーに依るが、約5〜15重量パーセントbosの範囲の量で存在し得る。一つの有利な態様においては、約85:15以上あるいはそれに等しいコア:シース重量比、例えば95:5の比を有するシース/コア構造が提供される。
【0027】
この繊維の形状は広く変わることができる。例えば、通常の繊維は円形の断面形状を有するが、時には繊維は三葉状の形状または平らな(すなわち、「リボン」様の)形状などの異なる形状を有する。また、特に延伸および解除される場合には、この繊維は、円形断面のものであっても、非円筒形の3次元形状をとり得る(らせん状あるいはスプリング様繊維を形成する自己バルキー化あるいは自己けん縮性)。
【0028】
この明細書中で開示された本発明の弾性繊維に対しては、この直径は広く変わることができる。この繊維デニールは仕上がった物品の性能に適合するように調整可能である。予期される繊維直径値は、メルトブロー品に対しては約5〜約20ミクロン/フィラメント;スパンボンド品に対しては約10〜約50ミクロン/フィラメント;そして連続巻取りフィラメントに対しては約20〜約200ミクロン/フィラメントである。
【0029】
坪量は、通常、g/mまたはoz/ydに換算した不織布の面積密度を指す。不織布に対する受け入れ可能な坪量は製品における用途により決定される。一般に、与えられた製品により決定される性質に合致する最低の坪量(最低のコスト)が選ばれる。弾性不織布に対しては、一つの問題はある伸びにおける収縮力、あるいはしかるべき伸張での緩和の後、布がどの程度の力を加えることができるかである。坪量を規定するもう一つの問題は被覆性であり、ここでは通常、比較的不透明な布を有することが望ましく、あるいは半透明であるならば、布中の見掛け上の穴は小サイズで均質分布のものでなければならない。使い捨て製品用の不織布業界における最も有用な坪量は1/2〜4.5oz/yd(17〜150g/mあるいはgsm)の範囲である。耐久性あるいは半耐久性製品などの一部の用途は更に大きい坪量を許容し得ることもある。付随的なこととしては、高、
或いは低坪量材料は偶発的にマルチビーム構造で製造され得るということを理解すべきである。すなわち、各々の個別の層が17gsm未満もの坪量を有する、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)複合体布を製造することが有利であり得るが、好ましい最終坪量は少なくとも17gsmであるということが期待される。
【0030】
不織布組成物あるいは物品は、通常、ランダムに中間挿入されているが、織布または編布の場合のように識別可能な方法でランダムに中間挿入されていない個別の繊維またはトレッドの構造を有するウエブまたは布である。
【0031】
第1および第2のポリマー型成分は、限定ではないが、顔料、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、流動促進剤、固形溶剤、粒子状物質およびこの組成物の加工性の増進のために添加される材料を場合によっては含む。
【0032】
本発明に適用可能である弾性材料または弾性様不織布は、通常、マシン方向基準で約65%以上の二乗平均平均の回復可能な伸びおよびウエブの50%伸びおよび一回の引っ張りの後の交差−方向の回復可能な伸び値を有するいかなる材料も指すということを認識すべきである。延伸し、直ちに解除した後に材料が最初の寸法に戻らない程度がパーセント永久歪み(permanent set)である。ASTM試験方法によれば、残留歪および回復は足して100%となる。残留歪は伸張後の残留緩和長さを伸張(伸び)の長さで割ったものと定義される。例えば、200%伸び(起点の1インチゲージから更に2インチ伸張)まで引っ張られ、そして解除された1インチゲージ(長さ)試料は、a)まったく収縮せず、試料は3インチの長さであり、そして100%残留歪((3”終点−1”起点)/2”伸張)を有するか、あるいはb)最初の1インチゲージまで完全に収縮し、そして0%残留歪((1”終点−1”起点)/2”伸張)を有するか、あるいはc)この間のいずれかの値を示す。頻用され、そして実用的な残留歪の測定方法は、伸張から解除した後に回復力または荷重がゼロに達した時の試料上の残存歪(回復)を観察することである。この方法および上記の方法は試料を100%に伸張した時に同一の結果を生じるのみである。例えば、上記の場合におけるように、この試料が200%伸びの後にまったく収縮しないならば、解除時のゼロ荷重における残存歪は200%である。明らかに、この場合には残留歪と回復は足して100%とならない。
【0033】
それに反して、非弾性不織布はこれらの基準に合致しない。特に、非弾性不織布は、最初の長さの50%まで伸張すると50%未満の、更にあり得ることとしては25%未満の回復を示すと予期される。更に、非弾性不織布は、通常、破断前に広範な降伏を示す引っ張り曲線により記述される。この関連において、この不織布は、小さな伸張において応力の急速な増加と、それに続く降伏点における、そして不織布破断までの継続した伸張時における最大に近い、ほぼ一定の応力を示す。破断の前に、試料のいかなる解除も大部分広範に延ばされた、完全には回復しない不織布を生じる。
【0034】
不織布ウエブは当分野で知られている方法により本発明の多成分ストランドから製造可能である。スパンボンド法として知られている類の方法は不織布ウエブを形成するための最も普通の方法である。種々のタイプのスパンボンド法の例がKinneyへの米国特許第3,338,992号、Dorschnerへの米国特許第3,692,613号、Matsukiへの米国特許第3,802,817号、Appelへの米国特許第4,405,297号、Balkへの米国特許第4,812,112号およびBrignolaらへの米国特許第5,665,300号で述べられている。一般に、これらのスパンボンド法は、
a)紡糸口金からストランドを押し出し;
b)溶融ストランドの固化を急速に行うためにおおむね冷却されている空気の流れによりこのストランドを急冷し;
c)このフィラメントを空気流中で空気圧により引っ張ることによるか、あるいはテキスタイル繊維業界で普通に使用されるタイプの機械的延伸ロールのまわりに巻き付けることにより印加可能である引っ張り張力により急冷域を通しこれらを進行させることにより、このフィラメントを繊維化し;
d)穴のあいた表面上でこの延伸ストランドをウエブとして捕集し;そして
e)ゆるいストランドのウエブを結合して布とする
ことを含む。
【0035】
このボンディング法は、凝集性のウエブ構造を付与すると当分野で知られている任意のサーマルボンド、ケミカルボンドあるいはメカニカルボンド処理であることができる。サーマルポイントボンドが本発明の実施において有利に使用され得る。種々のサーマルポイントボンド法が既知であり、最も好ましいのはポイントボンドパターンの付いたカレンダーロールの使用である。連続あるいは不連続パターンを使用する通常の態様によっては当分野で既知のいかなるパターンも使用し得る。好ましくは、この結合は6と30パーセントの間を被覆し、最も好ましくは、この層の16パーセントが被覆される。これらのパーセント範囲にしたがってこのウエブを結合することによって、このフィラメントは、布の強度と完全性を維持しながら、延伸の全範囲にわたって延びるようにされる。本発明の代替の局面においては、ウエブ内でストランドを交絡あるいは相互巻き付けるようにする結合法は使用され得る。からみ合わせあるいは相互巻き付きに依存する例示の結合法は水流からみ合わせ(hydroentanglement)である。
【0036】
多成分ストランドの製造が可能な紡糸口金と押し出し系を準備すれば、このタイプのスパンボンド法がすべて本発明の弾性布の作製に使用可能である。しかしながら、一つの好ましい方法は、成形表面下に在る真空により改善されたウエブレイダウンを提供することを含む。この方法は成形表面に対して連続的に増大するストランド速度をもたらし、そこで弾性ストランドが跳ね返る機会を殆どもたらさない。
【0037】
メルトブロー法として知られるもう一つの類の方法も本発明の不織布の製造に使用可能である。ウエブ形成へのこのアプローチがNRL Report 4364「Manufacture of Superfine Organic Fibers」by V.A.Wendt,E.L.Boone,and C.D.FluhartyおよびBuntinらへの米国特許第3,849,241号で述べられている。慣用のメルトブロー法は以下のことを一般に含む。
a)紡糸口金からストランドを押し出す。
b)高速の加熱空気流を用いて、紡糸口金の直下でこのポリマー流を同時に急冷および細線化する。一般に、このストランドをこの手段により極めて小さい直径まで延伸する。しかしながら、空気容積と速度を低下させることにより、普通のテキスタイル繊維に類似のデニールのストランドを製造することが可能である。
c)穴のあいた表面上で延伸ストランドをウエブに捕集する。メルトブローウエブは種々の手段により結合可能であるが、しばしばこのウエブ中のフィラメントの絡み合い又はエラストマーの場合における自然結合は、ウエブをロール上に巻き取ることができるように充分な引っ張り強さをもたらす。サーマルボンド法は本発明の実施において有利に使用される。
【0038】
米国特許第5,290,626号に述べられているものなどの二成分ストランドの押し出しを提供するいかなるメルトブロー法も本発明の実施に使用可能である。
【0039】
本発明の布は、当分野により認識されている方法による静電防止剤、撥アルコール剤などの他の処理でも処理され得る。
【0040】
不織ウエブを結合した後、この材料は場合によって高い温度で二軸延伸されて、坪量の低下に影響を及ぼす。通常、延伸は、交差方向での幅出し機延伸をマシン方向での差動速度延伸と組み合わせて使用するか、あるいはその後で使用することにより行われる。例えば、サーモポイントボンドされた弾性不織ウエブが好適なコンベヤーにより慣用の幅出し装置又はフレームの形の布延伸手段に供給される。第1の位置において、2つのエンドレスチェーンは、ウエブの縁部分を搭載されたフックまたはクランプにより係合させ、そしてこのように係合された布を第2の位置まで同時に搬送し、そしてこの布ウエブを搬送方向に対して横に延伸する。延伸時ウエブも約20℃(室温)の温度まで、一つの態様においては約40℃まで、そしてもう一つの態様においては約60℃まで加熱され得る。最適の加熱温度選択は、なかんずく、布の速度、繊維の構造、使用される材料および所望の最終性質(坪量および弾性)の複雑な関数である。一般に、ウエブの温度(外部温度はこれよりも高い)は、ウエブのサーモポイントボンドに使用可能な温度未満であるか、あるいはこれにほぼ等しい。いかなる入手可能な形の幅出し機も本発明の実施で使用され得る。しかしながら、選択される幅出し機は、ウエブにわたって均一な空気流れをもたらすものでなければならない。この幅出し機は、30%もの過剰供給を可能として、布を加工時に緩和して、制御された収縮を可能とする手段も設けられていなければならない。幅出し機は、これに熱空気を循環させるための分離した手段を設けた連続的なチャンバーあるいは域から構成され得、そして本発明の実施を含むしかるべき環境においては循環空気の温度を変えることが望ましいこともある。一般に、ウエブはこの段階の間に少なくとも50%延伸される。一つの態様においては、ウエブは幅出し機を用いて少なくとも100%延伸される。
【0041】
横方向の延伸の前、後あるいはそれと同時に、ウエブは、通常、ローラーの差動速度を用いてマシン方向で延伸される。この関連で、「二軸」延伸は最終的にCDおよびMDの両方での延伸を指す。例えば、供給ローラーと巻き取りローラーの間の速度に2×の差がある場合には、ウエブの100%延伸がマシン方向で行われる。他の延伸パ−セントが本発明の実施において使用され得る。ウエブは、また、マシン方向の延伸時に交差方向延伸時の温度とおおむね同一の温度での加熱にかけられ得るということを認識しなければならない。
【0042】
所望の延伸および坪量を行うには、延伸を単一段階で行うことができるということ、あるいは多数回の延伸により行うことができるということを認識すべきである。例えば、不織布を単一での200%の延伸(3×の全延伸を得るために)の代わりに、100%の延伸にかけ、続いて50%の延伸にかけることができる。
【0043】
二軸延伸に続いて不織ウエブの坪量を少なくとも10%低下させる。一つの態様においては、坪量を少なくとも20%低下させる。もう一つの態様においては、坪量を約30%、更にはそれ以上低下させる。
【実施例】
【0044】
本発明は次の非限定的な例により更に例示される。前出の例は本発明を例示するものであり、そして本発明の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきでない。
【0045】
下記の実施例に対する性質の測定を次の方法で行った。試験した実際の試料または切断し、秤量し、そして既知の面積に正規化した多数個の10×10cmの片のいずれかにより坪量を測定した。試料のランダムな面積にわたる顕微鏡試験により繊維直径を求め、データを得、そして平均した。引っ張り試験機を使用して、下記に詳述する例示の不織スパンレイド布について応力対歪を測定することにより、引っ張り試験を行った。表に記すように、試料をMDあるいはCD方向のいずれかでウエブから別々に切断した。表に示すす
べての値は3.0"幅の等価の50gsm布に正規化したものであった。
【0046】
引っ張り試験
引っ張り試験機(インストロンまたはツビック)を使用して、伸張力、収縮力、残留歪および応力緩和を求めた。2+−サイクルの応力/歪プログラムを使用した。各サイクルは試料を100%まで伸張し、次に500%/分の速度で0%まで直ちに戻した。サイクルの間あるいは評価の前に待ちを設けなかった。第2サイクルの伸張の終わりに測定した力から100%伸びにおける伸張力を求めた。第2サイクルにおける試料の収縮時の力を記録することにより、収縮力(50あるいは30%のいずれかにおいて)を求めた。第2サイクルにおける収縮段階時の0荷重での試料の%伸びに対する値から残留歪を測定した。この伸びから残留歪を上述のように直接に求めた。50%までの伸びを行い(これも500%/分で)、伸張の終点における力を測定し、50%での伸張を1分間保持し、次に1分後に残存する力を求めることにより、第2サイクルの終点のすぐ後に応力緩和を求めた。応力緩和(SR)をSR=100%×(力(起点、50%)−力(1分、50%))/(力(起点、50%))により計算する。
【0047】
実施例VO−V13および1−6
93%/7%w/wでポリエチレンシース(ASPUN 6811Aポリエチレン)付きのコポリマープロピレン−エチレンエラストマーの50gsmシース/コア(「S/C」)繊維の試料を作製した。これらの試料を岩本延伸機により40℃において0、100、150および200%で二軸延伸(MDおよびCDの両方で同時に)した。この試料の2つを0.149"係合のCDリングローラーを用いて両方の方向で一時にリングロールにかけた。単一の試料をインストロン試験機により2サイクルの100%伸張/回復試験を用いてMDおよびCD方向の両方で測定した。ここで示すすべての値は3”幅×50gsmの布に正規化したものである。残留歪を第2サイクル収縮曲線によりベースラインの交点の拡大Y軸の図から求めた。50%伸張および1分間保持を用いて、生の引っ張りデータから応力緩和を求めて、いかなるマシンコンプライアンスアーチファクトも除去した。結果を表1〜4に示す。
【0048】
すべての試料に対して、顕微鏡的な定性的観察を行い、次の一般的な効果を得た。
*二軸延伸は繊維直径と布密度を減少させる。
*二軸延伸は形成直後のしわを粗く(リブの間の間隔の大きい)て浅い(しわの深さの小さい)なものとせしめる。
*増分延伸(二軸延伸後の)は微細(密)なしわを回復させるが、このしわは無延伸の紡糸直後のしわと比較してなお浅い。
*増分延伸は接合点を破断せしめ、そして繊維は接合点で破断する(これらの試料は過剰結合されていることもある)。二軸延伸%が増加する(そして布が薄くなる)にしたがって、増分延伸損傷は特に厳しい。
*一度以上の増分延伸は接合点を厳しく損傷することがある。
*増分延伸は繊維直径を著しく低下させるようには見えないが、特に非二軸延伸試料の場合には布密度を若干低下させる。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
試料を単一の二軸伸張(MDおよびCDの両方において100%)においても延伸下での温度の関数として試験した。
【0053】
【表4】

【0054】
実施例:7−16:製造に使用可能な差動駆動および幅出し機によるMDまたはCDのいずれかでの延伸
下記の実施例を2.5メートルの製造ラインにより製造し、そして引き続いて差動駆動系(MD延伸用)または幅出し機(CD延伸用)によりMDあるいはCD方向のいずれかで延伸した。
【0055】
差動駆動系の説明
この系はローラーの組であり、そして2.5メートル幅のウエブを取り込み、そしてこれをこの系のなかで異なる速度で動かして、延伸(増加する速度)または緩和(減少する速度)のいずれかを行うことが可能なように駆動される。この系は各々多数個のロールを持つ3つの駆動領域を有し、そしてウエブの設定速度を制御し、そしてスリップを回避するように駆動される。MD延伸時に減少し得、そして多分減少すると思われる交差方向の幅を維持するための手段は設けられていない。この駆動ユニットとロールは加熱可能である。
【0056】
幅出し機の説明
幅出し機は温度制御および延伸を変えるための多数の領域における設備である。基本的には、試料を僅かに延伸しながら、あるいは延伸せずに予熱する最初の領域があり、続いて試料を加熱下で延伸するのに使用される領域、最終延伸の温度への平衡化を更に可能とさせる保持領域および更に高い温度または更に低い温度のいずれかでウエブの幅を低下させ得る最終の緩和領域がある。全体の工程はほぼ一定のMD速度で行われ、したがってMD配向はCD伸張時に認識可能に緩和するようにはされていない。
【0057】
実施例7
50gsmの布をコアエラストマーとしてPELLETHANE 210275A弾性ポリウレタンおよび繊維グレードのポリエチレンシースをベースとする93/7コア/シース二成分弾性繊維から作製し、そしてこのサーモポイントボンドされたウエブをCD幅出し機の中に直接に供給した。開始時の平衡温度を80〜90℃に設定した。延伸と緩和段階をそれぞれ95および100℃の温度で行った。最初、このウエブは1.8メートルであり、最終的には4.4メートル幅であった。終点での坪量は25gsmであった。元の材料に対するこの繊維の線密度は3.9デシテックス(dtex)(平均でグラム/10、000メートルまたは〜22ミクロン直径繊維)であり、そしてCDで幅出しされた材料は2.14デシテックス(〜16.5ミクロン直径)の低下された密度を有するものであった。
【0058】
実施例8−14
オフラインのCDのみの延伸実験を行って、幅出し機内の種々の領域において温度および延伸の影響を試験した。使用される弾性不織布を製造ラインにより延伸トライアルの前に製造した。この材料は、コアとしてPELLETHANE 2102 75A弾性ポリウレタン、シースとして繊維グレードのポリエチレンを用いるスパンボンドベースの90/10コア/シース二成分繊維であった。坪量は50gsmであり、そして最初の幅は2と2.1メートルの間であった。表5はこの試料に対して使用される温度および延伸プロフィールを示す。表6は最初のウエブおよび延伸されたウエブに対して得られる(上記のように)引っ張り測定値の一部を示す。
【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
表6中のデータから、本発明のCD幅出し延伸は出発の弾性不織布の坪量の低減で有効であるということが明らかである。坪量は、増大する延伸比のみならず増大する温度によって最も強く低下する。残留歪は、>120℃の温度(この布に対する最適の結合温度)で劣化し、結合温度、特にそれ以下において改善される。Rf(50)の比(延伸された配向またはCDを非延伸の配向またはMDにより割ったもの)は、坪量の減少または延伸率の増加と同様な増加を示す。ある用途においては、この2つの配向に対して引っ張り特性のバランスが望ましい(比1)。このように、本発明の適用を使用して、このバランス
を改善することができる。
【0062】
MD差動延伸−実施例15および16
実施例15および16は差動延伸系によりMD方向のみで延伸されたものであった。弾性コアとしてPELLETHANE 2102 75A弾性ポリウレタン、シースとしてASPUN6811Aポリエチレン(両方の材料はThe Dow Chemical Coにより販売されている)から製造される、120gsmのスパンボンドベースの95/5コア/シース二成分繊維から実施例15を作製した。実施例15を2.25(1.5×1.0×1.5)の全延伸比に対して1.5/1.0/1.5のプロフィールにより60℃の温度で延伸した。弾性コアとしてのPELLETHANE 2102 75A弾性ポリウレタン、シースとしてのスパンボンドグレードのポリプロピレンから製造される、〜40gsmのスパンボンドベースの97/3コア/シース二成分繊維から実施例16を作製する。実施例16を1.43の全延伸比に対して1.3/1.0/1.1のプロフィールで延伸した。表7はこれらの本発明の延伸された試料とこれらの対応するコントロールに対する性質を示す。上述のように、これらの実施例は幅が固定されず、したがって幅はMD延伸(坪量の減少は観察されない)に大部分合うように低下した。
【0063】
【表7】

【0064】
表7に示すデータは、延伸された配向の引っ張り特性が直交する配向(このMD延伸の場合このMD/CD比)についてこれらの両方の場合で殆ど100%改善されているということを示す。ある用途、例えば構成において一次元弾性のみを使用する以前の市販の材料などは、引っ張り性質の大きな差からメリットを得ることができる。これらの材料はこれらに類似しているが、両方の方向で若干の弾性を有する。MD延伸は残留歪(CD残留歪も低下するという事実を示さない)を低下(改善)するのによいということもこの表から判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織ウエブを交差マシン方向、マシン方向あるいはその両方で延伸して、不織ウエブの坪量、デニールあるいはその両方を低下させ、弾性不織布を形成させることを含んでなり、
不織ウエブがストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを含んでなり、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分が第1のポリマー成分よりも低弾性のポリマーを含んでなる弾性不織布を製造する方法。
【請求項2】
ウエブが交差方向とマシン方向で同時に延伸される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ウエブが幅出し機を用いて交差方向で延伸され、差動ローラー速度を用いてマシン方向で延伸され、あるいは両方で延伸される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ストランドの長さに沿って長手方向に同一の拡がりを持つ第1および第2のポリマー成分を有する複数の多成分ストランドを溶融紡糸し、前記第1の成分が弾性ポリマーを含んでなり、そして前記第2のポリマー成分が低弾性のポリマーを含んでなり;
多成分ストランドを不織ウエブに形成し;そして
ストランドを結合または相互巻き付けして、凝集性の結合された不織ウエブを形成することにより不織ウエブが形成される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
不織ウエブがスパンボンド法により製造される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
延伸を少なくとも一つの方向で少なくとも50%伸びまで行って、坪量で少なくとも20%の低減を得る請求項1に記載の方法。
【請求項7】
延伸を一つの方向でのみ少なくとも50%伸びまで行って、直交する配向よりも延伸された配向について50%伸張における収縮力の比(Rf(50))において非延伸ウエブでの同一の比に比して少なくとも20%の増加を得る請求項1に記載の方法。
【請求項8】
延伸する前に不織ウエブがサーマルボンディングされたものである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該方法が増分延伸段階を存在させずに行われる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
延伸が20℃とスパンボンドウエブのサーマルボンディング温度の間のウエブ温度において行われる請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1のポリマー成分が弾性ポリウレタン、弾性ポリエチレンコポリマー、弾性ポリプロピレンコポリマー、弾性スチレン系ブロックポリマーまたはこれらのブレンドを含んでなり、そして第2のポリマー成分がこの弾性ポリマーよりも低弾性であるポリオレフィンを含んでなる請求項4に記載の方法。
【請求項12】
第2のポリマー成分がポリプロピレン、ポリエチレンまたはこれらのブレンドである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
溶融紡糸が第1および第2のポリマー成分をストランド断面中で配列し、シース/コア構造を形成することを含んでなる請求項4に記載の方法。
【請求項14】
溶融紡糸が第1および第2のポリマー成分をストランド断面中で配列し、チップ付き多葉状構造のポリマー成分を形成することを含んでなる請求項4に記載の方法。
【請求項15】
多成分ストランドの少なくとも一部がシース/コア構造を有する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の方法により作製される不織布。
【請求項17】
請求項1に記載の方法により形成される少なくとも一つの層を含んでなる多層複合体。
【請求項18】
請求項1により製造される材料により少なくとも一部製造される物品。

【公表番号】特表2008−509295(P2008−509295A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524999(P2007−524999)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/027775
【国際公開番号】WO2006/017674
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(505141565)アドバンスド・デザイン・コンセプト・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (5)
【Fターム(参考)】