建物の接続構造
【課題】地震等の際に建物どうしが接離するように変位したり前後に変位した場合に、建物間の隙間を覆うカバー材が破損するのを防止できる建物の接続構造を提供する。
【解決手段】隣り合う建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10と、外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12とを備え、上部カバー材10は、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられ、外壁カバー材11,12は、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能である。
【解決手段】隣り合う建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10と、外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12とを備え、上部カバー材10は、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられ、外壁カバー材11,12は、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物を相互に接続する建物の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
所定間隔の隙間をあけて配列された複数の建物の外壁を相互に接続する外壁の接続構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
この外壁の接続構造は、建物の互いに対向する外壁の一方に取り付けられるブラケットと、前記ブラケットに支持されるとともに前記隙間を塞ぐための接続部材を備えたことを特徴としている。
このような外壁の接続構造によれば、ブラケットに支持される接続部材は、相互に接続されるべき外壁の一方のみに支持されるため、従来のように両端が支持されず、伸縮自在である必要はなくなり、単に、可撓性を有していれば、地震等による横荷重を伝達することがなくなる。
【0003】
また、所定間隔をおいて桁方向に配列された複数の建物の屋根を相互に接続する屋根の接続構造の一例として特許文献2に記載のものが知られている。
この屋根の接続構造は、各屋根の隣接する妻側端縁間に笠木部材が架け渡され、この笠木部材に、桁方向に沿って略水平に延びた垂直変位吸収部と、この垂直変位吸収部の少なくとも一方の端縁から略垂直に延びた水平変位吸収部とが設けられていることを特徴としている。
このような屋根の接続構造によれば、隣接する各建物間に層間変位が生じた場合、各建物における垂直方向の相対的な変位量は垂直変位吸収部で吸収され、垂直方向に延びた水平変位吸収部が桁方向に倒れ込むことにより、桁方向の変位量も吸収されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−326171号公報
【特許文献2】特開平09−177188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記外壁の接続構造では、地震等によって建物どうしが接離するように変位した場合、接続部材(カバー材)の端部と他方の外壁との間に隙間が生じたり、接続部材自体が押し潰されて破損するおそれがある。
また、前記屋根の接続構造では、建物どうしが前後(桁方向と直交する方向)に変位した場合、笠木部材(カバー材)には前後の変位を吸収する吸収部が設けられていないので、笠木部材が破損するおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、地震等の際に建物どうしが接離するように変位したり前後に変位した場合に、建物間の隙間を覆うカバー材が破損するのを防止できる建物の接続構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、図1〜図11に示すように、左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物1,2を相互に接続する建物の接続構造において、
隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2bに取り付けられて、該屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10と、
隣り合う前記建物1,2の外壁31,32に取り付けられて、該外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12とを備え、
前記上部カバー材10は、左右方向に伸縮可能であり、かつ前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、
前記外壁カバー材11,12は、左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10が左右方向に伸縮可能であり、また、隣り合う前記建物1,1の外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12が左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材10および外壁カバー材11,12はこれに追従して伸縮する。
また、上部カバー材10は前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、外壁カバー材11,12は前後方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材10が前後に摺動するとともに、外壁カバー材11,12が前後に伸縮する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10および外壁カバー材11,12)が破損するのを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10は、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、かつ、前記上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられることによって、前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、
前記外壁カバー材11,12は、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10が前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、また、隣り合う前記建物1,1の外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12が上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材10および外壁カバー材11,12はこれに追従して伸縮する。
また、上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が屋根2bに前後に摺動可能に取り付けられており、外壁カバー材11,12が上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって前後方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材10の端部が相対的に前後に摺動するとともに、外壁カバー材11,12が前後に伸縮する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10および外壁カバー材11,12)が破損するのを防止できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記外壁カバー材11,12の左右方向における一端部が一方の前記外壁31に固定され、前記外壁カバー材11,12の他端部が他方の前記外壁32に係脱可能に係合していることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、外壁カバー材11,12の他端部が他方の外壁32に係脱可能に係合しているので、隣り合う建物1,2の施工終了後に、外壁カバー材11,12を容易に取り付けることができ、また、外壁カバー材11,12の他端部を外壁32から外すことによって、建物1,2間の隙間の様子を確認したり、またこの隙間を収納としても使用できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図1、図2、図12、図13に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う前記建物1,2が前後にずれて配置されており、
後方に位置する建物2の前面2aの一部が前方に突出しており、
この突出している突出部3の上端と前方に位置する前記建物1の外壁32との間の隙間を覆う中間カバー材13が略水平に設けられており、
前記中間カバー材13は、前後方向に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、
前記中間カバー材13の左右方向における両端部が、それぞれ前記建物1,2の外壁32と前記突出部3に設けられた支持部40,40に摺動可能に支持されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、突出部3の上端と前方に位置する建物1の外壁32との間の隙間を覆う中間カバー材13が前後方向に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、中間カバー材13はこれに追従して伸縮する。
また、中間カバー材13の左右方向における両端部が、それぞれ建物1,2の外壁32と突出部3に設けられた支持部40,40に摺動可能に支持されているので、地震等の際に建物1,1どうしが前後に変位した場合に、これに追従して中間カバー材13の両端部が相対的に前後に摺動する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(中間カバー材13)が破損するのを防止できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図14および図15に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10の端部は、前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されているので、スライド部材50を屋根1b,2bに摺動可能に取り付けた後、このスライド部材50を取付部51に取り付けることができ、よって、上部カバー材10の端部を容易に屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けることができる。また、上部カバー材10の取付部51からスライド部材50を外すことができるので、上部カバー材10の運搬が容易となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10の両端部はそれぞれ前記屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、上部カバー材10の両端部がそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられているので、左右の屋根1b,2bの高さが異なる場合でも、高さ調整部材16,16Aの高さを調整してその上端部の高さを等しくしたうえで、上部カバー材10の両端部を高さ調整部材16,16Aの上端部に取り付けることによって、上部カバー材10を水平に取り付けることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の建物の接続構造において、
前記それぞれの屋根1b,2bには、それぞれ架台15,15が前後に延在して固定されており、
前記それぞれの架台15,15に、それぞれ前記高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16Aに前記上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、それぞれの屋根1b,2bに固定された架台15,15に、それぞれ高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16Aに上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられているので、屋根1b,2bに上部カバー材10を水平にかつ強固に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地震等の際に建物どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材および外壁カバー材はこれに追従して伸縮し、建物どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材の端部が相対的に前後に摺動し、外壁カバーは前後に伸縮する。
したがって、建物間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材および外壁カバー材)が破損するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る建物の接続構造の一例を示すもので、その概略構成を示す斜視図である。
【図2】同、接続構造の要部を示す斜視図である。
【図3】同、屋根間に上部カバー材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】同、上部カバー材の横断面図である。
【図5】同、(a)は上部カバー材が伸びた状態を示す断面図、(b)は上部カバー材が縮んだ状態を示す断面図である。
【図6】同、上部カバー材の端部と高さ調整部材の上端部との接続構造を示す分解斜視図である。
【図7】同、(a)は一方の高さ調整部材を示す横断面図、(b)は他方の高さ調整部材を示す横断面図である。
【図8】同、(a)はキャップ部材を示す背面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図9】同、外壁間に外壁カバー材を取り付けた状態を示す平断面図である。
【図10】同、(a)は外壁カバー材の要部の斜視図、(b)は外壁カバー材の平断面図である。
【図11】同、(a)は外壁カバー材が伸びた状態を示す平断面図、(b)は外壁カバー材が縮んだ状態を示す平断面図である。
【図12】同、外壁と突出部との間に中間カバー材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図13】同、(a)は中間カバー材が伸びた状態を示す断面図、(b)は中間カバー材が縮んだ状態を示す断面図である。
【図14】同、第1変形例の上部カバー材を屋根間に取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】同、第1変形例の上部カバー材の端部を示す分解断面図である。
【図16】同、第2変形例の上部カバー材を屋根間に取り付けた状態を示す断面図である。
【図17】同、第2変形例の上部カバー材の端部を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る建物の接続構造の一例について説明する。
図1は本発明に係る建物の接続構造を備える建物の概略構成を示す斜視図である。図1において符号1,2は建物を示す。建物1,2はそれぞれ2階立ての住宅であり、左右に所定の隙間を隔てて隣り合っているとともに、前後にずれて配置されている。なお、建物1,2はほぼ同一大きさ、同一形状の建物である。
後方に位置する建物2の前面2aの一部は、前方に突出しており、この突出する突出部3は、2階に設けられた平面視コ字型のバルコニー4とこのバルコニー4の直下に設けられた平面視コ字型の突出壁5とで構成されている。このような突出部3の一方(左方)の側壁面は、建物2の左方の側壁面と面一になっており、突出部3の他方(右方)の側壁面は建物2の前面2aと直交している。
【0024】
なお、突出部3の前壁部は、前方に位置する建物1の前面1aより後方に位置している。また、建物1の前面1aの一部も前方に突出しており、この突出する突出部3は、前記建物2と同様に、2階に設けられた平面視コ字型のバルコニー4とこのバルコニー4の直下に設けられた平面視コ字型の突出壁5とで構成されている。
【0025】
前記建物1,2間の隙間は上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13によって覆われている。
上部カバー材10は、隣り合う建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆うものであり、建物1,2の平面視における長手方向に長尺に形成されている。上部カバー材10の長さは、後方に位置する建物2の前面2aと、前方に位置する建物1の後面1cとの間の距離と等しくなっている。
なお、図3に示すように、屋根1bは屋根2bより若干高くなっている。また、図1に示すように、屋根1b,2bの屋根面はほぼフラットとなっているが、長手方向中央部が若干高く形成され、水勾配が付与されている。
【0026】
上部カバー材10は、図2〜図6に示すように、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能となっている。
すなわち、上部カバー材10は、帯板状の塩ビ鋼板を、折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げることによって上面が山形状に形成されたもので、山形状の上面部10aと、この上面部10aの左右両縁部から下方に鉛直に折曲された側面部10b,10bと、この側面部10b,10bの下端縁部から内側に水平に折曲された下面部10c,10cと、この下面部10c,10cの縁部から上方に鉛直に折曲された起立面部10d,10dと、一方の起立面部10dから外側に水平に折曲されたフランジ部10eとから構成されている。
そして、上部カバー材10は、図5(a)に示すように、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっており、この際、折り曲げ線L3とL4にて、下面部10c,10cが折り曲げられて斜めに立ち上がるようになっている。
一方、上部カバー材10は、図5(b)に示すように、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが内側に閉じるように折り曲げられることによって左右に収縮できるようになっており、この際、折り曲げ線L2とL3にて、側面部10b,10bが折り曲げられて外側に斜めに倒れるようになっている。
【0027】
また、図4に示すように、上部カバー材10の一方(左方)の起立面部10dには、リベット用の孔10e,10eが上部カバー材10の長手方向(図4において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数形成されており、他方(右方)の起立面部10dには、上部カバー材10の長手方向に長尺な長孔10fが同長手方向に所定間隔で複数形成されている(図6参照)。
【0028】
上記構成の上部カバー材10は以下のようにして建物1,2の屋根1b,2bの長手方向に沿う縁部に、屋根1b,2b間の隙間を覆うようにして取り付けられている。
すなわちまず、図3に示すように、屋根1b,2bの縁部上面には、それぞれ架台15,15がビス等の止着材16によって屋根1b,2bにそれぞれ固定されている。架台15は上部カバー材10の長手方向に長尺な中空の直方体状の部材であり、帯板状の合板を断面矩形状に組み立てるとともに、これらを内部に配置された桟材に固定することによって中空の直方体状に形成されている。なお、図3において左側の架台15はその内部構造を省略して記載している。
また、屋根1b,2bに固定された架台15,15は屋根1b,2bの高さの差の分だけ、高さに差が生じている。つまり、左側の架台15の方が高くなっている。
【0029】
前記架台15,15には、高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられている。
高さ調整部材16は、図7(a)に示すように、帯板状の塩ビ鋼板を折曲することによって形成されたものであり、鉛直面部16aと、この鉛直面部16aの上縁部から内側に折曲された水平面部16bと、この水平面部16bの縁部から上方に鉛直に折曲された起立面部16cと、前記鉛直面部16aの下縁部から外側に水平に折曲され、さらに下方に鉛直に折曲され、さらに上方に折り返されてなる水切り部16dとから構成されている。
高さ調整部材16Aは、高さ調整部材16とほぼ同様の構成であり、起立面部16cから内側に水平に折曲されたフランジ部16eが形成されている点が異なる。
また、高さ調整部材16の起立面部16cには、リベット用の孔16f,16fが高さ調整部材16の長手方向(図7において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数形成されており、高さ調整部材16Aの起立面部16cには、高さ調整部材16の長手方向に長尺な長孔16gが同長手方向に所定間隔で複数形成されている(図6参照)。
また、高さ調整部材16,16Aの水平面部16b,16bには、水密材としてのEPDMゴム17,17が高さ調整部材16の長手方向に沿って設けられている。
【0030】
そして、図3に示すように、高さ調整部材16は、左側の架台15の側面に、鉛直面部16aを当接してビス18によって固定され、高さ調整部材16Aは、右側の架台15の側面に、鉛直面部16aを当接してビス18によって固定されている。高さ調整部材16,16Aはそれぞれ架台15,15より上方に突出して固定されているが、高さ調整部材16Aの架台15から突出長さが、高さ調整部材16の架台15からの突出長さより長くなっている。これによって、高さ調整部材16,16Aはその上端部の高さを合せて配置され、水平面部16b,16bの高さは等しくなっている。
【0031】
高さが調整された高さ調整部材16,16Aに、以下のようにして、前記上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられている。
すなわち、図3に示すように、高さ調整部材16,16Aの上方から上部カバー材10が被され、上部カバー材10の下面部10c,10cが、高さ調整部材16,16Aの水平面部16b,16bに上方から当接されている。水平面部16b,16bの上面に設けられているEPDMゴム17,17は下面部10c,10cに密着されている。
また、上部カバー材10の一方の起立面部10dが、高さ調整部材16の起立面部16cにそれぞれのリベット用の孔を合致させて当接され、この孔にリベット20が打ち込まれることによって、上部カバー材10の一方の起立面部10dが高さ調整部材16の起立面部16cに固定されている。つまり、上部カバー材10の一端部が高さ調整部材16に取り付け固定されている。
また、図3および図6に示すように、上部カバー材10の他方の起立面部10dが高さ調整部材16Aの起立面部16cに長孔10f,16gを合致させて当接されている。起立面部10d,16cは、ナット付きプレート21と、プレートワッシャ22で挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22から長孔10f,16gを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、上部カバー材10の他端部(起立面部10d)が高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
【0032】
上記のようにして、上部カバー材10の両端部はそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられている。そして、上部カバー材10と高さ調整部材16,16Aを、前後方向に接続する場合、図2に示すように、ジョイナー24,25が使用されている。ジョイナー24はその横断面形状が、上部カバー材10とほぼ等しく、隣接する上部カバー材10,10の接続部の内側にはめ込まれることで、上部カバー材10,10を接続している。ジョイナー25はその横断面形状が、高さ調整部材16(16A)とほぼ等しく、隣接する高さ調整部材16(16A),16(16A)の接続部の内側にはめ込まれることで、高さ調整部材16(16A),16(16A)を接続している。
また、上部カバー材10と高さ調整部材16(16A)の長さ方向の端部には、キャップ部材26がはめ込まれている。
このキャップ部材26は、図8に示すように、山形状の上面部26aと、側面部26b,26bと前面部26cとを備え、側面部26bの裏面にEPDMゴム26d,26dが取り付けられ、前面部26cの裏面にEPDMゴム26eが取り付けられている。
そして、このキャップ部材26は、図2に示すように、上部カバー材10と高さ調整部材16(16A)の端部に外側からはめ込まれている。この状態において、EPDMゴム26e,26eが高さ調整部材16,16Aの鉛直面部16a,16aに密着している。
【0033】
前記外壁カバー材11,12は、図1および図2に示すように、隣り合う建物1,2の外壁間の隙間を覆うものであり、上下に長尺なものとなっている。
外壁カバー材11は、図2および図10に示すように、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって、前後左右に伸縮可能となっている。すなわち、外壁カバー材11は、帯板状の塩ビ鋼板を折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げることによって、略波板状に形成されたもので、その左右両縁部にはそれぞれ平板部11a,11aが形成されている。一方の平板部11aは、右側の建物2の外壁31に固定されるものである。他方の平板部11aには切欠部が平板部11aの長手方向に所定間隔で形成されており、この切欠部に対向して挟み板11bが平板部11aと板厚方向に所定の隙間をもって形成されている。
【0034】
そして、外壁カバー材11は、図11(a)に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっている。
一方、外壁カバー材11は、図11(b)に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮できるようになっている。
さらに、外壁カバー材11は、折り曲げ線S1〜S5にて、前後に折り曲げられることによって、前後に収縮できるようになっている。
【0035】
上記構成の外壁カバー材11は以下のようにして建物1,2の外壁31,32に、これら外壁31,32の隙間を覆うようにして取り付けられている。
すなわち、図9および図11に示すように、外壁31,32にはそれぞれ断面L型の長尺な取付金物33,33がビス34によって固定されている。
外壁カバー材11の一方の平板部11aは、取付金物33に当接されたうえで、ビス35によって該取付金物33に固定されている。これによって、外壁カバー材11の左右方向における一端部が一方の外壁31に取付金物33を介して固定されている。
【0036】
また、外壁カバー材11の他方の平板部11aと挟み板11bとの間に、取付金物33が挟み込まれている。これによって、外壁カバー材11の他端部が他方の外壁32に取付金物33を介して係脱可能に係合している。一端部が固定された外壁カバー材11の他端部を取付金物33に係脱可能に係合する場合、外壁カバー材11を折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げることによって収縮させたうえで、平板部11aと挟み板11bとの間を取付金物33に対向させ、弾性復帰させることによって、平板部11aと挟み板11bとの間に取付金物33を挿入すればよい。また、外壁カバー材11をバルコニー4より上方から降下させて外壁31,32間に配置するとともに、平板部11aと挟み板11bとの間を取付金物33に係合させ、その後、外壁カバー材11の一端部の平板部11aを取付金物33に固定してもよい。
なお、外壁カバー材11の端部と外壁31,32との間には、シール材36が充填されており、このシール材36と取付金物33との間にバックアップ材37が設けられている。
【0037】
外壁カバー材12は、図1に示すように、前記外壁カバー材11より奥まった位置で、建物1,2の外壁31,32に、これら外壁31,32の隙間を覆うようにして取り付けられている。外壁カバー材12の構成および取付構造は、前記外壁カバー材11と等しいのでその説明を省略する。
また、建物1,2の後面側において、外壁31,32の間の隙間は、前記外壁カバー材11より長く、断面形状が外壁カバー材11と等しい外壁カバー材によって、同様にして覆われている。
【0038】
前記中間カバー材13は、後方に位置する建物2の突出部3の上端と、前方に位置する建物1の外壁32との間の隙間を覆うものであり、前後に長尺なものとなっている。
中間カバー材13は、図2、図12、図13に示すように、前後方向(図12および図13において紙面と直交する方向)に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって、左右方向に伸縮可能となっている。すなわち、中間カバー材13は、帯板状の塩ビ鋼板を折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げることによって、略波板状に形成されたもので、その左右両縁部にはそれぞれ平板部13a,13aが形成されている。
【0039】
そして、中間カバー材13は、図13(a)に示すように、折り曲げ線T3、T4にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっている。
一方、中間カバー材13は、図13(b)に示すように、折り曲げ線T1〜T4にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮できるようになっている。
【0040】
前記外壁32には断面L形の支持部40がビス41によって固定されており、突出部3にも断面L形の支持部40がビス41によって固定されている。これら支持部40,40は等しい高さに配置されている。
これら支持部40,40には、中間カバー材13の両縁部の平板部13a,13aが前後および左右方向に摺動可能に設けられて、支持されている。
なお、中間カバー材13の一端部と外壁32との間、中間カバー材13の他端部と突出部3との間には、それぞれシール部材42が充填されており、このシール材42と支持部40との間にバックアップ材43が設けられている。
【0041】
図1および図2に示すように、建物1,2間の隙間は上述したような上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13によって覆われている。そして、図2に示すように、外壁カバー材11の上端部には端部キャップ44が被され、水平カバー材13の前端部にはコーナキャップ45が被されたうえで、これらキャップ44,45がビスによって連結されている。なお、外壁カバー材11の下端部には基礎水切り46が取り付けられ、この基礎水切り46の下面に防鼠パイプ47が設けられている。
また、外壁カバー材12の上下端部にはそれぞれ端部キャップ48,48が被されてビスによって固定されている。
【0042】
本実施の形態の建物の接続構造では、地震等の際に建物どうしが接離するように左右に変位した場合、図5に示すように、これに追従して上部カバー材10は、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、また、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが内側に閉じるように折り曲げられることによって左右に収縮する。
また、外壁カバー材11,12は、図11に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、また、折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮する。
さらに、中間カバー材13は、図13に示すように、折り曲げ線T3、T4にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、さらに、中間カバー材13の両端部の平板部13a,13aが支持部40,40上を内側に向けて摺動し、また、折り曲げ線T1〜T4にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮する。
【0043】
一方、地震等の際に建物どうしが前後に変位した場合、これに追従して上部カバー材10の他端部(起立面部10d)が前後に摺動する。
また、外壁カバー材11,12は、折り曲げ線S1〜S5にて、前後に折り曲がることによって、前後に収縮する。
さらに、中間カバー材13は、その両縁部の平板部13a,13aが支持部40,40上を前後に摺動する。
したがって、建物間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13)が破損するのを防止できる。
【0044】
また、外壁カバー材11,12の他端部が他方の外壁32に取付金物33を介して係脱可能に係合しているので、隣り合う建物1,2の施工終了後に、外壁カバー材11,12を容易に取り付けることができ、また、外壁カバー材11,12の他端部を外壁32から外すことによって、建物1,2間の隙間の様子を確認したり、またこの隙間を収納としても使用できる。
【0045】
さらに、上部カバー材10の両端部がそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16を介して取り付けられているので、左右の屋根1b,2bの高さが異なる場合でも、高さ調整部材16,16の高さを調整してその上端部の高さを等しくしたうえで、上部カバー材10の両端部を高さ調整部材16,16の上端部に取り付けることによって、上部カバー材10を水平に取り付けることができる。
また、それぞれの屋根1b,2bに固定された架台15,15に、それぞれ高さ調整部材16,16がその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16に上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられているので、屋根1b,2bに上部カバー材10を水平にかつ強固に取り付けることができる。
【0046】
次に、上部カバー材10の変形例について説明する。
図14および図15は、上部カバー材10の第1変形例を示すものである。これらの図に示す上部カバー材10が、図3および図4に示す上部カバー材10と異なる点は、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに高さ調整部材16,16を介して前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されている点である。なお、図3および図4に示す上部カバー材10と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図14および図15に示すように、スライド部材50は、断面略L字形の長尺(図14および図15において紙面と直交する方向に長尺)なもので、その起立面部50aには、スライド部材50の長手方向に長尺な長孔50bが当該長手方向に所定間隔で複数形成されている。
前記取付部51は、上部カバー材10の側面部10bで構成されており、この取付部51の下端部には水切り51aが形成されている。取付部51にスライド部材50がビス52によって取り付けられている。
【0048】
そして、スライド部材50の起立面部50aが高さ調整部材16Aの起立面部16cに長孔50b,16gを合致させて当接されている。起立面部50a,16cは、ナット付きプレート21と、プレートワッシャ22および平座金22aで挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22および平座金22aから長孔16g,50bを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、スライド部材50が高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
なお、上部カバー材10の右端部のスライド部材50も同様にして、高さ調整部材16に前後に摺動可能に取り付けられている。
【0049】
本例では、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されているので、スライド部材50,50を屋根1b,2bに高さ調整部材16,16A摺動可能に取り付けた後、このスライド部材50,50を取付部51,51に取り付けることができ、上部カバー材10の端部を容易に屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けることができる。また、上部カバー材10の取付部51,51からスライド部材50,50を外すことができるので、上部カバー材10の運搬が容易となる。
【0050】
図16および図17は、上部カバー材10の第2変形例を示すものである。これらの図に示す上部カバー材10が、図3および図4に示す上部カバー材10と異なる点は、上部カバー材10の下面の構成である。なお、図3および図4に示す上部カバー材10と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図15および図16に示すように、上部カバー材10の下面部10c,10cの縁部から下方に鉛直に折曲された垂下面部10hを備えており、この垂下面部10hに長孔10fが形成されている。
一方、高さ調整部材16の水平面部16bの縁部にナット付きプレート21が直角に固定されている。
【0051】
そして、上部カバー材10の垂下面部10hが、ナット付きプレート21に、そのナットと長孔10fを合致させて当接されている。垂下面部10hは、ナット付きプレート21とプレートワッシャ22および平座金22aで挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22および平座金22aから長孔10fを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、上部カバー材10の垂下面部10hが高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
なお、上部カバー材10の右端部にも同様にして、垂下面部10hが形成され、同様にして高さ調整部材16に前後に摺動可能に取り付けられている。
また、高さ調整部材16の水平面部16bと上部カバー材10の下面部10cとの間にはEPDMゴム53が充填されている。
【0052】
本例では、図3および図4に示す構造に比して、構成部材を削減できるという利点がある。
【符号の説明】
【0053】
1,2 建物
3 突出部
10 上部カバー材
11,12 外壁カバー材
13 中間カバー材
15 架台
16,16A 高さ調整部材
31,32 外壁
40 支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物を相互に接続する建物の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
所定間隔の隙間をあけて配列された複数の建物の外壁を相互に接続する外壁の接続構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
この外壁の接続構造は、建物の互いに対向する外壁の一方に取り付けられるブラケットと、前記ブラケットに支持されるとともに前記隙間を塞ぐための接続部材を備えたことを特徴としている。
このような外壁の接続構造によれば、ブラケットに支持される接続部材は、相互に接続されるべき外壁の一方のみに支持されるため、従来のように両端が支持されず、伸縮自在である必要はなくなり、単に、可撓性を有していれば、地震等による横荷重を伝達することがなくなる。
【0003】
また、所定間隔をおいて桁方向に配列された複数の建物の屋根を相互に接続する屋根の接続構造の一例として特許文献2に記載のものが知られている。
この屋根の接続構造は、各屋根の隣接する妻側端縁間に笠木部材が架け渡され、この笠木部材に、桁方向に沿って略水平に延びた垂直変位吸収部と、この垂直変位吸収部の少なくとも一方の端縁から略垂直に延びた水平変位吸収部とが設けられていることを特徴としている。
このような屋根の接続構造によれば、隣接する各建物間に層間変位が生じた場合、各建物における垂直方向の相対的な変位量は垂直変位吸収部で吸収され、垂直方向に延びた水平変位吸収部が桁方向に倒れ込むことにより、桁方向の変位量も吸収されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−326171号公報
【特許文献2】特開平09−177188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記外壁の接続構造では、地震等によって建物どうしが接離するように変位した場合、接続部材(カバー材)の端部と他方の外壁との間に隙間が生じたり、接続部材自体が押し潰されて破損するおそれがある。
また、前記屋根の接続構造では、建物どうしが前後(桁方向と直交する方向)に変位した場合、笠木部材(カバー材)には前後の変位を吸収する吸収部が設けられていないので、笠木部材が破損するおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、地震等の際に建物どうしが接離するように変位したり前後に変位した場合に、建物間の隙間を覆うカバー材が破損するのを防止できる建物の接続構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、図1〜図11に示すように、左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物1,2を相互に接続する建物の接続構造において、
隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2bに取り付けられて、該屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10と、
隣り合う前記建物1,2の外壁31,32に取り付けられて、該外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12とを備え、
前記上部カバー材10は、左右方向に伸縮可能であり、かつ前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、
前記外壁カバー材11,12は、左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10が左右方向に伸縮可能であり、また、隣り合う前記建物1,1の外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12が左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材10および外壁カバー材11,12はこれに追従して伸縮する。
また、上部カバー材10は前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、外壁カバー材11,12は前後方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材10が前後に摺動するとともに、外壁カバー材11,12が前後に伸縮する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10および外壁カバー材11,12)が破損するのを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10は、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、かつ、前記上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられることによって、前後方向に摺動可能に前記屋根1b,2bに取り付けられ、
前記外壁カバー材11,12は、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、隣り合う前記建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆う上部カバー材10が前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、また、隣り合う前記建物1,1の外壁31,32間の隙間を覆う外壁カバー材11,12が上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材10および外壁カバー材11,12はこれに追従して伸縮する。
また、上部カバー材10の左右方向における少なくとも一端部が屋根2bに前後に摺動可能に取り付けられており、外壁カバー材11,12が上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって前後方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材10の端部が相対的に前後に摺動するとともに、外壁カバー材11,12が前後に伸縮する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10および外壁カバー材11,12)が破損するのを防止できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記外壁カバー材11,12の左右方向における一端部が一方の前記外壁31に固定され、前記外壁カバー材11,12の他端部が他方の前記外壁32に係脱可能に係合していることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、外壁カバー材11,12の他端部が他方の外壁32に係脱可能に係合しているので、隣り合う建物1,2の施工終了後に、外壁カバー材11,12を容易に取り付けることができ、また、外壁カバー材11,12の他端部を外壁32から外すことによって、建物1,2間の隙間の様子を確認したり、またこの隙間を収納としても使用できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図1、図2、図12、図13に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う前記建物1,2が前後にずれて配置されており、
後方に位置する建物2の前面2aの一部が前方に突出しており、
この突出している突出部3の上端と前方に位置する前記建物1の外壁32との間の隙間を覆う中間カバー材13が略水平に設けられており、
前記中間カバー材13は、前後方向に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、
前記中間カバー材13の左右方向における両端部が、それぞれ前記建物1,2の外壁32と前記突出部3に設けられた支持部40,40に摺動可能に支持されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、突出部3の上端と前方に位置する建物1の外壁32との間の隙間を覆う中間カバー材13が前後方向に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であるので、地震等の際に建物1,2どうしが接離するように変位した場合に、中間カバー材13はこれに追従して伸縮する。
また、中間カバー材13の左右方向における両端部が、それぞれ建物1,2の外壁32と突出部3に設けられた支持部40,40に摺動可能に支持されているので、地震等の際に建物1,1どうしが前後に変位した場合に、これに追従して中間カバー材13の両端部が相対的に前後に摺動する。
したがって、建物1,2間の隙間を覆うカバー材(中間カバー材13)が破損するのを防止できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図14および図15に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10の端部は、前記屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されているので、スライド部材50を屋根1b,2bに摺動可能に取り付けた後、このスライド部材50を取付部51に取り付けることができ、よって、上部カバー材10の端部を容易に屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けることができる。また、上部カバー材10の取付部51からスライド部材50を外すことができるので、上部カバー材10の運搬が容易となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材10の両端部はそれぞれ前記屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、上部カバー材10の両端部がそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられているので、左右の屋根1b,2bの高さが異なる場合でも、高さ調整部材16,16Aの高さを調整してその上端部の高さを等しくしたうえで、上部カバー材10の両端部を高さ調整部材16,16Aの上端部に取り付けることによって、上部カバー材10を水平に取り付けることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の建物の接続構造において、
前記それぞれの屋根1b,2bには、それぞれ架台15,15が前後に延在して固定されており、
前記それぞれの架台15,15に、それぞれ前記高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16Aに前記上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、それぞれの屋根1b,2bに固定された架台15,15に、それぞれ高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16Aに上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられているので、屋根1b,2bに上部カバー材10を水平にかつ強固に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地震等の際に建物どうしが接離するように変位した場合に、上部カバー材および外壁カバー材はこれに追従して伸縮し、建物どうしが前後に変位した場合に、これに追従して上部カバー材の端部が相対的に前後に摺動し、外壁カバーは前後に伸縮する。
したがって、建物間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材および外壁カバー材)が破損するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る建物の接続構造の一例を示すもので、その概略構成を示す斜視図である。
【図2】同、接続構造の要部を示す斜視図である。
【図3】同、屋根間に上部カバー材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】同、上部カバー材の横断面図である。
【図5】同、(a)は上部カバー材が伸びた状態を示す断面図、(b)は上部カバー材が縮んだ状態を示す断面図である。
【図6】同、上部カバー材の端部と高さ調整部材の上端部との接続構造を示す分解斜視図である。
【図7】同、(a)は一方の高さ調整部材を示す横断面図、(b)は他方の高さ調整部材を示す横断面図である。
【図8】同、(a)はキャップ部材を示す背面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図9】同、外壁間に外壁カバー材を取り付けた状態を示す平断面図である。
【図10】同、(a)は外壁カバー材の要部の斜視図、(b)は外壁カバー材の平断面図である。
【図11】同、(a)は外壁カバー材が伸びた状態を示す平断面図、(b)は外壁カバー材が縮んだ状態を示す平断面図である。
【図12】同、外壁と突出部との間に中間カバー材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図13】同、(a)は中間カバー材が伸びた状態を示す断面図、(b)は中間カバー材が縮んだ状態を示す断面図である。
【図14】同、第1変形例の上部カバー材を屋根間に取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】同、第1変形例の上部カバー材の端部を示す分解断面図である。
【図16】同、第2変形例の上部カバー材を屋根間に取り付けた状態を示す断面図である。
【図17】同、第2変形例の上部カバー材の端部を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る建物の接続構造の一例について説明する。
図1は本発明に係る建物の接続構造を備える建物の概略構成を示す斜視図である。図1において符号1,2は建物を示す。建物1,2はそれぞれ2階立ての住宅であり、左右に所定の隙間を隔てて隣り合っているとともに、前後にずれて配置されている。なお、建物1,2はほぼ同一大きさ、同一形状の建物である。
後方に位置する建物2の前面2aの一部は、前方に突出しており、この突出する突出部3は、2階に設けられた平面視コ字型のバルコニー4とこのバルコニー4の直下に設けられた平面視コ字型の突出壁5とで構成されている。このような突出部3の一方(左方)の側壁面は、建物2の左方の側壁面と面一になっており、突出部3の他方(右方)の側壁面は建物2の前面2aと直交している。
【0024】
なお、突出部3の前壁部は、前方に位置する建物1の前面1aより後方に位置している。また、建物1の前面1aの一部も前方に突出しており、この突出する突出部3は、前記建物2と同様に、2階に設けられた平面視コ字型のバルコニー4とこのバルコニー4の直下に設けられた平面視コ字型の突出壁5とで構成されている。
【0025】
前記建物1,2間の隙間は上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13によって覆われている。
上部カバー材10は、隣り合う建物1,2の屋根1b,2b間の隙間を覆うものであり、建物1,2の平面視における長手方向に長尺に形成されている。上部カバー材10の長さは、後方に位置する建物2の前面2aと、前方に位置する建物1の後面1cとの間の距離と等しくなっている。
なお、図3に示すように、屋根1bは屋根2bより若干高くなっている。また、図1に示すように、屋根1b,2bの屋根面はほぼフラットとなっているが、長手方向中央部が若干高く形成され、水勾配が付与されている。
【0026】
上部カバー材10は、図2〜図6に示すように、前後方向に延在する折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能となっている。
すなわち、上部カバー材10は、帯板状の塩ビ鋼板を、折り曲げ線L1〜L4にて折り曲げることによって上面が山形状に形成されたもので、山形状の上面部10aと、この上面部10aの左右両縁部から下方に鉛直に折曲された側面部10b,10bと、この側面部10b,10bの下端縁部から内側に水平に折曲された下面部10c,10cと、この下面部10c,10cの縁部から上方に鉛直に折曲された起立面部10d,10dと、一方の起立面部10dから外側に水平に折曲されたフランジ部10eとから構成されている。
そして、上部カバー材10は、図5(a)に示すように、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっており、この際、折り曲げ線L3とL4にて、下面部10c,10cが折り曲げられて斜めに立ち上がるようになっている。
一方、上部カバー材10は、図5(b)に示すように、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが内側に閉じるように折り曲げられることによって左右に収縮できるようになっており、この際、折り曲げ線L2とL3にて、側面部10b,10bが折り曲げられて外側に斜めに倒れるようになっている。
【0027】
また、図4に示すように、上部カバー材10の一方(左方)の起立面部10dには、リベット用の孔10e,10eが上部カバー材10の長手方向(図4において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数形成されており、他方(右方)の起立面部10dには、上部カバー材10の長手方向に長尺な長孔10fが同長手方向に所定間隔で複数形成されている(図6参照)。
【0028】
上記構成の上部カバー材10は以下のようにして建物1,2の屋根1b,2bの長手方向に沿う縁部に、屋根1b,2b間の隙間を覆うようにして取り付けられている。
すなわちまず、図3に示すように、屋根1b,2bの縁部上面には、それぞれ架台15,15がビス等の止着材16によって屋根1b,2bにそれぞれ固定されている。架台15は上部カバー材10の長手方向に長尺な中空の直方体状の部材であり、帯板状の合板を断面矩形状に組み立てるとともに、これらを内部に配置された桟材に固定することによって中空の直方体状に形成されている。なお、図3において左側の架台15はその内部構造を省略して記載している。
また、屋根1b,2bに固定された架台15,15は屋根1b,2bの高さの差の分だけ、高さに差が生じている。つまり、左側の架台15の方が高くなっている。
【0029】
前記架台15,15には、高さ調整部材16,16Aがその上端部の高さを合せて取り付けられている。
高さ調整部材16は、図7(a)に示すように、帯板状の塩ビ鋼板を折曲することによって形成されたものであり、鉛直面部16aと、この鉛直面部16aの上縁部から内側に折曲された水平面部16bと、この水平面部16bの縁部から上方に鉛直に折曲された起立面部16cと、前記鉛直面部16aの下縁部から外側に水平に折曲され、さらに下方に鉛直に折曲され、さらに上方に折り返されてなる水切り部16dとから構成されている。
高さ調整部材16Aは、高さ調整部材16とほぼ同様の構成であり、起立面部16cから内側に水平に折曲されたフランジ部16eが形成されている点が異なる。
また、高さ調整部材16の起立面部16cには、リベット用の孔16f,16fが高さ調整部材16の長手方向(図7において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数形成されており、高さ調整部材16Aの起立面部16cには、高さ調整部材16の長手方向に長尺な長孔16gが同長手方向に所定間隔で複数形成されている(図6参照)。
また、高さ調整部材16,16Aの水平面部16b,16bには、水密材としてのEPDMゴム17,17が高さ調整部材16の長手方向に沿って設けられている。
【0030】
そして、図3に示すように、高さ調整部材16は、左側の架台15の側面に、鉛直面部16aを当接してビス18によって固定され、高さ調整部材16Aは、右側の架台15の側面に、鉛直面部16aを当接してビス18によって固定されている。高さ調整部材16,16Aはそれぞれ架台15,15より上方に突出して固定されているが、高さ調整部材16Aの架台15から突出長さが、高さ調整部材16の架台15からの突出長さより長くなっている。これによって、高さ調整部材16,16Aはその上端部の高さを合せて配置され、水平面部16b,16bの高さは等しくなっている。
【0031】
高さが調整された高さ調整部材16,16Aに、以下のようにして、前記上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられている。
すなわち、図3に示すように、高さ調整部材16,16Aの上方から上部カバー材10が被され、上部カバー材10の下面部10c,10cが、高さ調整部材16,16Aの水平面部16b,16bに上方から当接されている。水平面部16b,16bの上面に設けられているEPDMゴム17,17は下面部10c,10cに密着されている。
また、上部カバー材10の一方の起立面部10dが、高さ調整部材16の起立面部16cにそれぞれのリベット用の孔を合致させて当接され、この孔にリベット20が打ち込まれることによって、上部カバー材10の一方の起立面部10dが高さ調整部材16の起立面部16cに固定されている。つまり、上部カバー材10の一端部が高さ調整部材16に取り付け固定されている。
また、図3および図6に示すように、上部カバー材10の他方の起立面部10dが高さ調整部材16Aの起立面部16cに長孔10f,16gを合致させて当接されている。起立面部10d,16cは、ナット付きプレート21と、プレートワッシャ22で挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22から長孔10f,16gを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、上部カバー材10の他端部(起立面部10d)が高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
【0032】
上記のようにして、上部カバー材10の両端部はそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16Aを介して取り付けられている。そして、上部カバー材10と高さ調整部材16,16Aを、前後方向に接続する場合、図2に示すように、ジョイナー24,25が使用されている。ジョイナー24はその横断面形状が、上部カバー材10とほぼ等しく、隣接する上部カバー材10,10の接続部の内側にはめ込まれることで、上部カバー材10,10を接続している。ジョイナー25はその横断面形状が、高さ調整部材16(16A)とほぼ等しく、隣接する高さ調整部材16(16A),16(16A)の接続部の内側にはめ込まれることで、高さ調整部材16(16A),16(16A)を接続している。
また、上部カバー材10と高さ調整部材16(16A)の長さ方向の端部には、キャップ部材26がはめ込まれている。
このキャップ部材26は、図8に示すように、山形状の上面部26aと、側面部26b,26bと前面部26cとを備え、側面部26bの裏面にEPDMゴム26d,26dが取り付けられ、前面部26cの裏面にEPDMゴム26eが取り付けられている。
そして、このキャップ部材26は、図2に示すように、上部カバー材10と高さ調整部材16(16A)の端部に外側からはめ込まれている。この状態において、EPDMゴム26e,26eが高さ調整部材16,16Aの鉛直面部16a,16aに密着している。
【0033】
前記外壁カバー材11,12は、図1および図2に示すように、隣り合う建物1,2の外壁間の隙間を覆うものであり、上下に長尺なものとなっている。
外壁カバー材11は、図2および図10に示すように、上下方向に延在する折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げ可能であることによって、前後左右に伸縮可能となっている。すなわち、外壁カバー材11は、帯板状の塩ビ鋼板を折り曲げ線S1〜S5にて折り曲げることによって、略波板状に形成されたもので、その左右両縁部にはそれぞれ平板部11a,11aが形成されている。一方の平板部11aは、右側の建物2の外壁31に固定されるものである。他方の平板部11aには切欠部が平板部11aの長手方向に所定間隔で形成されており、この切欠部に対向して挟み板11bが平板部11aと板厚方向に所定の隙間をもって形成されている。
【0034】
そして、外壁カバー材11は、図11(a)に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっている。
一方、外壁カバー材11は、図11(b)に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮できるようになっている。
さらに、外壁カバー材11は、折り曲げ線S1〜S5にて、前後に折り曲げられることによって、前後に収縮できるようになっている。
【0035】
上記構成の外壁カバー材11は以下のようにして建物1,2の外壁31,32に、これら外壁31,32の隙間を覆うようにして取り付けられている。
すなわち、図9および図11に示すように、外壁31,32にはそれぞれ断面L型の長尺な取付金物33,33がビス34によって固定されている。
外壁カバー材11の一方の平板部11aは、取付金物33に当接されたうえで、ビス35によって該取付金物33に固定されている。これによって、外壁カバー材11の左右方向における一端部が一方の外壁31に取付金物33を介して固定されている。
【0036】
また、外壁カバー材11の他方の平板部11aと挟み板11bとの間に、取付金物33が挟み込まれている。これによって、外壁カバー材11の他端部が他方の外壁32に取付金物33を介して係脱可能に係合している。一端部が固定された外壁カバー材11の他端部を取付金物33に係脱可能に係合する場合、外壁カバー材11を折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げることによって収縮させたうえで、平板部11aと挟み板11bとの間を取付金物33に対向させ、弾性復帰させることによって、平板部11aと挟み板11bとの間に取付金物33を挿入すればよい。また、外壁カバー材11をバルコニー4より上方から降下させて外壁31,32間に配置するとともに、平板部11aと挟み板11bとの間を取付金物33に係合させ、その後、外壁カバー材11の一端部の平板部11aを取付金物33に固定してもよい。
なお、外壁カバー材11の端部と外壁31,32との間には、シール材36が充填されており、このシール材36と取付金物33との間にバックアップ材37が設けられている。
【0037】
外壁カバー材12は、図1に示すように、前記外壁カバー材11より奥まった位置で、建物1,2の外壁31,32に、これら外壁31,32の隙間を覆うようにして取り付けられている。外壁カバー材12の構成および取付構造は、前記外壁カバー材11と等しいのでその説明を省略する。
また、建物1,2の後面側において、外壁31,32の間の隙間は、前記外壁カバー材11より長く、断面形状が外壁カバー材11と等しい外壁カバー材によって、同様にして覆われている。
【0038】
前記中間カバー材13は、後方に位置する建物2の突出部3の上端と、前方に位置する建物1の外壁32との間の隙間を覆うものであり、前後に長尺なものとなっている。
中間カバー材13は、図2、図12、図13に示すように、前後方向(図12および図13において紙面と直交する方向)に延在する折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げ可能であることによって、左右方向に伸縮可能となっている。すなわち、中間カバー材13は、帯板状の塩ビ鋼板を折り曲げ線T1〜T4にて折り曲げることによって、略波板状に形成されたもので、その左右両縁部にはそれぞれ平板部13a,13aが形成されている。
【0039】
そして、中間カバー材13は、図13(a)に示すように、折り曲げ線T3、T4にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張できるようになっている。
一方、中間カバー材13は、図13(b)に示すように、折り曲げ線T1〜T4にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮できるようになっている。
【0040】
前記外壁32には断面L形の支持部40がビス41によって固定されており、突出部3にも断面L形の支持部40がビス41によって固定されている。これら支持部40,40は等しい高さに配置されている。
これら支持部40,40には、中間カバー材13の両縁部の平板部13a,13aが前後および左右方向に摺動可能に設けられて、支持されている。
なお、中間カバー材13の一端部と外壁32との間、中間カバー材13の他端部と突出部3との間には、それぞれシール部材42が充填されており、このシール材42と支持部40との間にバックアップ材43が設けられている。
【0041】
図1および図2に示すように、建物1,2間の隙間は上述したような上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13によって覆われている。そして、図2に示すように、外壁カバー材11の上端部には端部キャップ44が被され、水平カバー材13の前端部にはコーナキャップ45が被されたうえで、これらキャップ44,45がビスによって連結されている。なお、外壁カバー材11の下端部には基礎水切り46が取り付けられ、この基礎水切り46の下面に防鼠パイプ47が設けられている。
また、外壁カバー材12の上下端部にはそれぞれ端部キャップ48,48が被されてビスによって固定されている。
【0042】
本実施の形態の建物の接続構造では、地震等の際に建物どうしが接離するように左右に変位した場合、図5に示すように、これに追従して上部カバー材10は、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、また、折り曲げ線L1とL2にて、上面部10aと側面部10b,10bが内側に閉じるように折り曲げられることによって左右に収縮する。
また、外壁カバー材11,12は、図11に示すように、折り曲げ線S1〜S5にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、また、折り曲げ線S1〜S5にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮する。
さらに、中間カバー材13は、図13に示すように、折り曲げ線T3、T4にて、外側に開くように折り曲げられることによって、左右に伸張し、さらに、中間カバー材13の両端部の平板部13a,13aが支持部40,40上を内側に向けて摺動し、また、折り曲げ線T1〜T4にて、内側に折り畳むように折り曲げられることによって収縮する。
【0043】
一方、地震等の際に建物どうしが前後に変位した場合、これに追従して上部カバー材10の他端部(起立面部10d)が前後に摺動する。
また、外壁カバー材11,12は、折り曲げ線S1〜S5にて、前後に折り曲がることによって、前後に収縮する。
さらに、中間カバー材13は、その両縁部の平板部13a,13aが支持部40,40上を前後に摺動する。
したがって、建物間の隙間を覆うカバー材(上部カバー材10、外壁カバー材11,12、中間カバー材13)が破損するのを防止できる。
【0044】
また、外壁カバー材11,12の他端部が他方の外壁32に取付金物33を介して係脱可能に係合しているので、隣り合う建物1,2の施工終了後に、外壁カバー材11,12を容易に取り付けることができ、また、外壁カバー材11,12の他端部を外壁32から外すことによって、建物1,2間の隙間の様子を確認したり、またこの隙間を収納としても使用できる。
【0045】
さらに、上部カバー材10の両端部がそれぞれ屋根1b,2bに高さ調整部材16,16を介して取り付けられているので、左右の屋根1b,2bの高さが異なる場合でも、高さ調整部材16,16の高さを調整してその上端部の高さを等しくしたうえで、上部カバー材10の両端部を高さ調整部材16,16の上端部に取り付けることによって、上部カバー材10を水平に取り付けることができる。
また、それぞれの屋根1b,2bに固定された架台15,15に、それぞれ高さ調整部材16,16がその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材16,16に上部カバー材10の両端部がそれぞれ取り付けられているので、屋根1b,2bに上部カバー材10を水平にかつ強固に取り付けることができる。
【0046】
次に、上部カバー材10の変形例について説明する。
図14および図15は、上部カバー材10の第1変形例を示すものである。これらの図に示す上部カバー材10が、図3および図4に示す上部カバー材10と異なる点は、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに高さ調整部材16,16を介して前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されている点である。なお、図3および図4に示す上部カバー材10と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図14および図15に示すように、スライド部材50は、断面略L字形の長尺(図14および図15において紙面と直交する方向に長尺)なもので、その起立面部50aには、スライド部材50の長手方向に長尺な長孔50bが当該長手方向に所定間隔で複数形成されている。
前記取付部51は、上部カバー材10の側面部10bで構成されており、この取付部51の下端部には水切り51aが形成されている。取付部51にスライド部材50がビス52によって取り付けられている。
【0048】
そして、スライド部材50の起立面部50aが高さ調整部材16Aの起立面部16cに長孔50b,16gを合致させて当接されている。起立面部50a,16cは、ナット付きプレート21と、プレートワッシャ22および平座金22aで挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22および平座金22aから長孔16g,50bを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、スライド部材50が高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
なお、上部カバー材10の右端部のスライド部材50も同様にして、高さ調整部材16に前後に摺動可能に取り付けられている。
【0049】
本例では、上部カバー材10の端部が、屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材50と、このスライド部材50が取り付けられる取付部51とから構成されているので、スライド部材50,50を屋根1b,2bに高さ調整部材16,16A摺動可能に取り付けた後、このスライド部材50,50を取付部51,51に取り付けることができ、上部カバー材10の端部を容易に屋根1b,2bに前後に摺動可能に取り付けることができる。また、上部カバー材10の取付部51,51からスライド部材50,50を外すことができるので、上部カバー材10の運搬が容易となる。
【0050】
図16および図17は、上部カバー材10の第2変形例を示すものである。これらの図に示す上部カバー材10が、図3および図4に示す上部カバー材10と異なる点は、上部カバー材10の下面の構成である。なお、図3および図4に示す上部カバー材10と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図15および図16に示すように、上部カバー材10の下面部10c,10cの縁部から下方に鉛直に折曲された垂下面部10hを備えており、この垂下面部10hに長孔10fが形成されている。
一方、高さ調整部材16の水平面部16bの縁部にナット付きプレート21が直角に固定されている。
【0051】
そして、上部カバー材10の垂下面部10hが、ナット付きプレート21に、そのナットと長孔10fを合致させて当接されている。垂下面部10hは、ナット付きプレート21とプレートワッシャ22および平座金22aで挟み込まれており、ボルト23がプレートワッシャ22および平座金22aから長孔10fを通されて、ナット付きプレート21のナットに螺合されている。これによって、上部カバー材10の垂下面部10hが高さ調整部材16Aに前後に摺動可能に取り付けられている。
なお、上部カバー材10の右端部にも同様にして、垂下面部10hが形成され、同様にして高さ調整部材16に前後に摺動可能に取り付けられている。
また、高さ調整部材16の水平面部16bと上部カバー材10の下面部10cとの間にはEPDMゴム53が充填されている。
【0052】
本例では、図3および図4に示す構造に比して、構成部材を削減できるという利点がある。
【符号の説明】
【0053】
1,2 建物
3 突出部
10 上部カバー材
11,12 外壁カバー材
13 中間カバー材
15 架台
16,16A 高さ調整部材
31,32 外壁
40 支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物を相互に接続する建物の接続構造において、
隣り合う前記建物の屋根に取り付けられて、該屋根間の隙間を覆う上部カバー材と、
隣り合う前記建物の外壁に取り付けられて、該外壁間の隙間を覆う外壁カバー材とを備え、
前記上部カバー材は、左右方向に伸縮可能であり、かつ前後方向に摺動可能に前記屋根に取り付けられ、
前記外壁カバー材は、左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材は、前後方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、かつ、前記上部カバー材の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根に前後に摺動可能に取り付けられることによって、前後方向に摺動可能に前記屋根に取り付けられ、
前記外壁カバー材は、上下方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物の接続構造において、
前記外壁カバー材の左右方向における一端部が一方の前記外壁に固定され、前記外壁カバー材の他端部が他方の前記外壁に係脱可能に係合していることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う前記建物が前後にずれて配置されており、
後方に位置する建物の前面の一部が前方に突出しており、
この突出している突出部の上端と前方に位置する前記建物の外壁との間の隙間を覆う中間カバー材が略水平に設けられており、
前記中間カバー材は、前後方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、
前記中間カバー材の左右方向における両端部が、それぞれ前記建物の外壁と前記突出部に設けられた支持部に摺動可能に支持されていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材の端部は、前記屋根に前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材と、このスライド部材が取り付けられる取付部とから構成されていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材の両端部はそれぞれ前記屋根に高さ調整部材を介して取り付けられていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項7】
請求項6に記載の建物の接続構造において、
前記それぞれの屋根には、それぞれ架台が前後に延在して固定されており、
前記それぞれの架台に、それぞれ前記高さ調整部材がその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材に前記上部カバー材の両端部がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項1】
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う建物を相互に接続する建物の接続構造において、
隣り合う前記建物の屋根に取り付けられて、該屋根間の隙間を覆う上部カバー材と、
隣り合う前記建物の外壁に取り付けられて、該外壁間の隙間を覆う外壁カバー材とを備え、
前記上部カバー材は、左右方向に伸縮可能であり、かつ前後方向に摺動可能に前記屋根に取り付けられ、
前記外壁カバー材は、左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材は、前後方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、かつ、前記上部カバー材の左右方向における少なくとも一端部が前記屋根に前後に摺動可能に取り付けられることによって、前後方向に摺動可能に前記屋根に取り付けられ、
前記外壁カバー材は、上下方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右および前後方向に伸縮可能であることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物の接続構造において、
前記外壁カバー材の左右方向における一端部が一方の前記外壁に固定され、前記外壁カバー材の他端部が他方の前記外壁に係脱可能に係合していることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
左右に所定の隙間を隔てて隣り合う前記建物が前後にずれて配置されており、
後方に位置する建物の前面の一部が前方に突出しており、
この突出している突出部の上端と前方に位置する前記建物の外壁との間の隙間を覆う中間カバー材が略水平に設けられており、
前記中間カバー材は、前後方向に延在する折り曲げ線にて折り曲げ可能であることによって左右方向に伸縮可能であり、
前記中間カバー材の左右方向における両端部が、それぞれ前記建物の外壁と前記突出部に設けられた支持部に摺動可能に支持されていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材の端部は、前記屋根に前後に摺動可能に取り付けられるスライド部材と、このスライド部材が取り付けられる取付部とから構成されていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物の接続構造において、
前記上部カバー材の両端部はそれぞれ前記屋根に高さ調整部材を介して取り付けられていることを特徴とする建物の接続構造。
【請求項7】
請求項6に記載の建物の接続構造において、
前記それぞれの屋根には、それぞれ架台が前後に延在して固定されており、
前記それぞれの架台に、それぞれ前記高さ調整部材がその上端部の高さを合せて取り付けられており、これら高さ調整部材に前記上部カバー材の両端部がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする建物の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−17615(P2012−17615A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156285(P2010−156285)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]