説明

建物の警備装置

【課題】建物に不審者が侵入したことを確実に知ることができ、かつ、不審者の容貌や不審者がどの部屋に入ったのかも分かる建物の警備装置を提供する。
【解決手段】建物に不審者が侵入したことを検知する防犯センサ4と、この防犯センサ4に制御装置12を介して接続されて、該検知センサ4が異常を検知した際に、建物内の全体を照らす照明装置(照明器具6〜10)とを備える。したがって、建物に不審者が侵入すると、それを防犯センサ4が検知して、照明装置によって建物内の全体を照らすので、建物内外の騒音が大きい場合等でも、不審者が侵入したことを確実に知ることができる。また、照明装置が建物内を照らすので、部屋が暗い場合でも不審者の容貌やその不審者がどの部屋に入ったかを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は住宅などの建物に装備される警備装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防犯センサの一例として、表面に導電部材を形成した板ガラスを建物の開口部に配設し、電源部を導電部材に接続して通電を行い、検知部を導電部材に接続して導電部材の破損による抵抗値の変化を検知することにより建物への不正な侵入を検知するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような防犯センサを備えた防犯システムでは、防犯センサが建物への不正な侵入を検知すると、警報音を発したり、警備会社に通報するようになっている。
【特許文献1】特開2003−187344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、前記従来の防犯システムでは、警報音を発しても建物内外の騒音が大きい場合に、警報音が聞こえないことがある。
また、夜就寝中や使用しておらず暗い部屋等に不審者が侵入した場合、不審者の侵入があったことは分かるが、不審者の容貌や不審者がどの部屋に入ったのかが分からない場合があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、建物に不審者が侵入したことを確実に知ることができ、かつ、不審者の容貌や不審者がどの部屋に入ったのかも分かる建物の警備装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、建物に装備する警備装置であって、
建物に不審者が侵入したことを検知する検知センサ4と、
この検知センサ4に接続されて、該検知センサ4が異常を検知した際に、建物内の全体を照らす照明装置(照明器具6〜10)とを備えたことを特徴とする。
【0006】
ここで、照明装置は、建物内の全体を照らすことができれば、どのような構成でもよい。例えば、2階建ての建物では、1階および2階の各部屋を照らす天井等に設けられた照明器具や廊下、キッチン、浴室、洗面室等を照らす照明器具によって構成すればよく、例えば、デスク等に設置するスタンドは含めなくてもよい。また、リビング等の面積の広い部屋で、複数の照明器具が設置されている場合は、全ての照明器具によって構成せずに、リビングを所定の明るさに照らすことができるに足る照明器具によって構成すればよい。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、建物に不審者が侵入すると、それを検知センサ4が検知して、照明装置によって建物内の全体を照らすので、建物内外の騒音が大きい場合等でも、不審者が侵入したことを確実に知ることができる。
また、照明装置が建物内の全体を照らすので、部屋が暗い場合でも不審者の容貌やその不審者がどの部屋に入ったかを知ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物の警備装置において、
前記照明装置は、建物内に設けられている全ての照明器具6〜10であることを特徴とする。
【0009】
ここで、建物内に設けられている全ての照明器具とは、建物内の各部屋を照らす照明器具、廊下、トイレ、洗面室、キッチン等を照らす全ての照明器具のことを意味している。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、建物に不審者が侵入すると、それを検知センサ4が検知して、建物内に設けられている全ての照明器具6〜10が点灯するので、不審者の侵入をより確実に知ることができる。また、建物内が全ての照明器具6〜10によって照らされるので、不審者が建物内のどこに侵入してもそれを容易に知ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の建物の警備装置において、
前記検知センサ4と照明装置(照明器具6〜10)とは無線で接続されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、検出センサ4と照明装置(照明器具6〜10)とが無線で接続されているので、検出センサを建物内の所望の位置に容易に取付けることができる。また、検出センサを追加する場合も容易に対応できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、建物に不審者が侵入したことを検知する検知センサと、この検知センサに接続されて、該検知センサが異常を検知した際に、建物内を照らす照明装置とを備えているので、建物に不審者が侵入すると、それを検知センサが検知して、照明装置によって建物内を照らすので、建物内外の騒音が大きい場合等でも、不審者が侵入したことを確実に知ることができる。
また、照明装置が建物内を照らすので、部屋が暗い場合でも不審者の容貌やその不審者がどの部屋に入ったかを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る建物の警備装置の実施の形態を示すもので、図1は警備装置が設けられた建物の一部を破断して示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、建物は2階建ての住宅である。この住宅は周知の木質パネル工法によって構築されている。
建物の1階には、居間1が設けられており、この居間1に面する外壁2には窓3が設けられている。この窓3には、防犯センサ(検知センサ)4が設けられている。この防犯センサ4は、不審者が窓3を開けたり、破ったりして建物内に侵入した際に、これを検知できるものであれば、どのようなセンサであってもよい。また、防犯センサ4は窓3に取り付けてもよいし、それ以外の建物内の壁や、天井等に設けてもよい。さらに、防犯センサ4は、1階に複数の窓がある場合は、それら全ての窓のうちの一つでも不審者が開けたり、破ったりして建物内に侵入した場合に、これを検知できるように構成する。また、防犯センサ4は、窓3以外の窓や、玄関、勝手口などの不審者が侵入する恐れがある部位に全て設けてもよい。
【0016】
建物1には、建物内の全体を照らす照明装置が設けられている。この照明装置は複数の照明器具によって構成されている。照明器具6は居間1の天井に取り付けられている。照明器具7,8は階段5に沿う壁に取り付けられ、照明器具9は2階の廊下の天井に取り付けられている。また、照明器具10は、2階の寝室11の天井に取り付けられている。
これら照明器具6〜10は、図2に示すように、制御装置12を介して前記防犯センサ4・・・に接続されている。この防犯センサ4・・・と制御装置12との接続は有線で行ってもよいし、無線で行ってもよい。また、制御装置12と照明器具6〜10の接続も有線で行ってもよいし、無線で行ってもよい。また、制御装置12と玄関ポーチ灯や門柱灯等とを接続してもよい。
【0017】
制御装置12は、防犯センサ4・・・が異常を検知した際に、つまり不審者が窓3等を開けたり破ったりした際に、この防犯センサ4・・・から検知信号が入力され、これに基づいて照明器具6〜10にこれらを一斉に点灯させるような点灯信号を出力するようになっている。
また、この制御装置12は、照明器具6〜10から所定の照明器具を選択し、選択された照明器具を点灯するようにしてもよい。この場合、制御装置12にどの照明器具を点灯させるか、つまりどの照明器具に点灯信号を出力するかを予め制御装置12に設けられた選択ボタン等によって選択しておけばよい。
さらに、この制御装置12には、どの防犯センサ4が異常を検知したかを表示する表示部が設けられている。この表示部は例えば、液晶画面等によって構成されており、この液晶画面に異常を検知した防犯センサ4の位置を表示できるようになっている。したがって、この制御装置12を確認することによって、不審者がどこから侵入したかを容易に確認することができる。
なお、前記防犯センサ4が不審者を検知すると同時に、これを制御装置12によって外部の警備会社に通報したり、また、建物内の各部屋や建物の周囲や外壁等に、制御装置12に接続されたCCDカメラ等の撮影手段を設けておき、前記防犯センサ4が不審者を検知すると同時に、撮影手段がそれを撮影し、記録するとともに、制御装置12に設けられた液晶画面等に映し出すように構成してもよい。
【0018】
上記のような構成の警備装置では、建物に不審者が侵入すると、それを防犯センサ4が検知して、照明器具6〜10によって建物内を全て一斉に照らすので、建物内外の騒音が大きい場合等でも、不審者が侵入したことを確実に知ることができる。
また、照明器具6〜10が建物内を一斉に照らすので、部屋が暗い場合でも不審者の容貌やその不審者がどの部屋に入ったかを知ることができる。
さらに、防犯センサ4と制御装置12、制御装置12と照明器具6〜10とを無線で接続することによって、防犯センサ4や照明器具6〜10を建物内の所望の位置に容易に取付けることができる。また、防犯センサ4や照明器具を追加する場合も容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る建物の警備装置の実施の形態を示すもので、警備装置が設けられた建物の一部を破断して示す斜視図である。
【図2】同、警備装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0020】
4 防犯センサ(検知センサ)
6〜10 照明器具
12 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に装備する警備装置であって、
建物に不審者が侵入したことを検知する検知センサと、
この検知センサに接続されて、該検知センサが異常を検知した際に、建物内の全体を照らす照明装置とを備えたことを特徴とする建物の警備装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建物の警備装置において、
前記照明装置は、建物内に設けられている全ての照明器具であることを特徴とする建物の警備装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物の警備装置において、
前記検知センサと前記照明装置とは無線で接続されていることを特徴とする建物の警備装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−241375(P2007−241375A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59188(P2006−59188)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000137649)株式会社ミサワホーム総合研究所 (4)
【Fターム(参考)】