説明

建物一体型太陽光発電システムの接続モジュール

【解決手段】建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールを開示する。このシステムは、ハウジング、このハウジングに収容された導電部材、及びハウジングの第1面に設けられた第1開口を具備する。太陽電池パネルの正極及び負極に電気接続されたリード端子は、第1開口を通って、ハウジングに収容された導電部材と電気接続する。リード端子及び導電部材を共にクランプするための弾性クリップをシステムがさらに具備するので、リード端子及び導電部材を安定して電気接続する。上述した構成により、本発明の接続モジュールは、従来の溶接作業を超える、時間がかからず生産コストが低いという利点を有する。さらに、太陽電池組立体のリード端子及び導電部材間に堅固で安定した電気接続部が達成されるので、最終製品の信頼性及び歩留まりが大幅に改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物一体型太陽光発電(BIPV)技術の分野に関し、特に建物一体型太陽光発電システム用の接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光エネルギーは一種の再生可能エネルギーである。太陽光エネルギーを電気に変換することは、エネルギー資源を節約し、増大する電力需要を緩和し、環境汚染を低減する。このため、太陽光エネルギー変換技術には人々が大いに関心を寄せている。太陽光エネルギーを利用する従来の方法として、太陽電池組立体(太陽光発電組立体)が支持部を介して完成後の屋根に実装され、この組立体と協働する接続モジュールは、後者の背面に配置されるのが通常である。
【0003】
「建物一体型太陽光発電(BIPV)技術」と称される技術を利用した新たな太陽光エネルギーが、近年促進されてきている。ここで、太陽電池(太陽光発電)製品は、サンルーフ屋根、窓、カーテンウォールガラス等の建物の一部に一体化される。というのは、太陽光を供給し、風や雨から保護しながら、一体化された部品が電気を供給できるからである。上述したBIPV技術において、太陽電池組立体の太陽光発電要素から延びる接続端子(溶接片)は、溶接により、接続モジュールの導電要素との電気接続を形成し、その後、封止剤が塗布されて封止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の接続モジュールは以下の欠点や不利益を有する。第一に、太陽電池組立体からの接続端子(溶接片)と、接続モジュールの導電要素との間の電気接続は、溶接により形成される。溶接は複雑であるので、時間を要し、製造コストが高くなるという結果となる。第二に、溶接工程は、例えば、現場に電源を要したり、溶接用且つ環境温度用のガスは追加コストをもたらす等の、いくつかの場面において要求事項がある。第三に、建物の外観を良好にするために、一体部における接続モジュールの許容体積は極めて狭いのが通常である。このように狭い空間で溶接作業を行うことは、明らかに溶接作業を困難にし、最終製品の歩留まり及び信頼性が減少する。最後に、溶接により形成された接続部が恒久的接続であるので、維持管理、取付け又は補修が必要な場合、接続モジュールから太陽電池組立体を分離することは難しい。
【0005】
本発明は、上述の欠点の少なくとも一側面を克服又は軽減するためになされた。
【0006】
従って、本発明の目的は、容易に実装及び取外し可能な建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、溶接による接合を弾性クリップに置換することにより、太陽電池組立体のリード端子が接続モジュールの導電部材と安定した電気接続部を形成することができる接続モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールは、ハウジング、このハウジングに収容された導電部材、及びハウジングの第1面に設けられた第1開口を具備する。第1開口を通って、太陽電池パネルの正極及び負極に電気接続されたリード端子は、ハウジングに収容された導電部材と電気接続する。接続モジュールは、リード端子及び導電部材を共にクランプするための弾性クリップをさらに具備するので、リード端子及び導電部材を安定して電気接続する。
【0009】
好適には、導電部材はほぼ平坦な逆向きの2側面を有し、弾性クリップは、頂点が開放したほぼ三角形状の断面を有する。断面において、弾性クリップは、底壁と、底壁の両端から底壁に対して鋭角に延びる対向する2つの側壁とを有する。弾性クリップがリード端子をクランプすると、弾性クリップの対向する2側壁は、リード端子と接触し、リード端子に付勢力を印加する。この結果、リード端子及び導電部材は、安定した電気接続部を形成する。
【0010】
或いは、導電部材はほぼ筒状の部分を有し、弾性クリップの断面は、頂上が開放したほぼ三角形状であってもよい。弾性クリップは、底壁と、底壁の両端から底壁に対して鋭角に延びる対向する2側壁とを有する。弾性クリップがリード端子をクランプすると、弾性クリップの底壁及び対向する2側壁は、リード端子により周囲が巻きつけられた導電部材の筒状部の周辺にほぼ正接する。この結果、リード端子及び導電部材は、安定した電気接続部を形成する。
【0011】
さらに、接続モジュールは、第1面の反対側のハウジングに設けられた第2開口と、第2開口を覆うためにハウジングの第2開口に接続されたカバーとをさらに具備する。
【0012】
好適には、カバーがハウジングの第2開口に接続されると、弾性クリップの底壁はカバーの内壁に当接するので、第2開口の方向から離れる方向に弾性クリップが進行することを防止する。
【0013】
一実施形態において、弾性クリップの底壁と内壁との当接部に位置決め機構が設けられるので、カバーを介して弾性クリップの更なる変位を制限する。
【0014】
より具体的には、位置決め機構は、弾性クリップの底壁及びカバーの内壁のうちの一方に設けられた位置決め突起と、弾性クリップの底壁及びカバーの内壁のうちの他方に設けられた位置決め窪みとを具備する。弾性クリップの底壁がカバーの内壁に当接すると、位置決め突起が位置決め窪みに係合し、弾性クリップの変位を制限する。
【0015】
一実施形態において、弾性クリップの2側壁はそれらの端部で曲げ部を形成する。この結果、弾性クリップの2側壁の端部は、互いに離れる方向に延びる。
【0016】
好適な一実施形態において、ハウジングがほぼ中空の筒形状である場合、ハウジングの少なくとも一端は、閉じた端に形成されるか、或いは外部ケーブルにケーブルコネクタを介して又は直接接続するための穴を具備する。
【0017】
また、カバー及び第2開口の間に、カバー及びハウジング間を封止するシール片がさらに設けられる。
【0018】
一実施形態において、導電部材は、第1導電部材及び第2導電部材を具備する。接続モジュールは、第1及び第2の導電部材間を接続するバイパスダイオードをさらに具備する。
【0019】
任意であるが、導電部材の一端は、ハウジングの一端に接続されたコネクタに挿入されるよう構成されている。そして、導電部材の他端には、バイパスダイオードのピンと嵌合するソケットが設けられている。
【0020】
一実施形態において、弾性クリップは、第1弾性クリップ及び第2弾性クリップを具備する。第1及び第2の弾性クリップは、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子並びに第1及び第2の導電部材を共にクランプする結果、それらの間に安定した電気接続部を形成する。
【0021】
好適には、接続モジュールは、ハウジングの第1面に設けられた別の第1開口をさらに具備する。第1開口及び別の第1開口を通って、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子は、ハウジング内の第1及び第2の導電部材にそれぞれ電気接続されている。
【0022】
上述の構成により、本発明は、従来技術を超えた以下の利点のうち少なくとも一つを提供する。すなわち、第一に、本発明は、溶接工程の代わりに弾性クリップを使用する。これにより、溶接工程に固有の問題、すなわち時間がかかり生産コストが高くなってしまうという問題を回避する。他方、本発明を実施するための要求事項は満たすことが容易であるので、溶接作業に関わる要求事項に関連したコストは著しく減少する。第二に、本発明に係る接続モジュールは、太陽電池組立体のリード端子及び導体部材間の堅固で安定した電気接続を確保しながら、組立作業が容易な建物一体型太陽光発電の部品の小型化の傾向に一致するので、最終製品の信頼性及び歩留まりの増大に寄与する。さらに、弾性クリップを使用することにより、太陽電池組立体間の接続部から接続モジュールを分離することができるので、従来技術の恒久接続と比べて、接続モジュールの内部部材の維持管理及び検査をより便利に遂行することができる。
【0023】
本発明の別の目的は、ハウジングと、ハウジングに収容された接続導体と、ハウジングに収容された円形又は楕円形のクリップとを具備する建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールを提供することである。ハウジングは第1開口を有する。第1開口は、太陽電池パネルの正極又は負極に電気接続されたリード端子の挿入のためにハウジングの第1面に設けられる。クリップは、太陽電池パネルの正極又は負極に電気接続されたリード端子と接続導体とを共にクランプし、安定した電気接続部を形成する。
【0024】
好適には、接続モジュールは、ハウジングの第1面の側面である第2面に第2開口をさらに具備する。
【0025】
さらに、接続モジュールはまた、第2開口を覆うためにハウジングの第2開口に接続されたカバーを具備する。
【0026】
一実施形態において、接続モジュールは、ハウジングに収容された導電部材をさらに具備する。導電部材は、接続導体と電気接続された状態にある。
【0027】
より具体的には、接続導体は、第1接続導体及び第2接続導体を具備する。円形又は楕円形の弾性クリップは、第1クリップ及び第2クリップを具備する。第1及び第2のクリップは、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子と、接続導体とを共にクランプし、安定した電気接続部を形成する。
【0028】
一実施形態において、導電部材は、第1導電部材及び第2導電部材を具備する。接続モジュールは、第1及び第2の導電部材間に接続されたバイパスダイオードをさらに具備する。
【0029】
例示された一実施形態において、導電部材の一端は、ハウジングの一端に接続されたケーブルコネクタに挿入されるよう構成される。そして、導電部材の他端には、バイパスダイオードのピンと嵌合するソケットが設けられる。
【0030】
一実施形態において、接続導体及び導電部材が安定した電気接続部を形成するように、接続導体は導電部材に溶接されるか、或いは導電部材の周囲に巻きつけられ(ラッピングされ)てもよい。
【0031】
好適な一実施形態において、カバーがハウジングの第2開口に接続されると、円形又は楕円形の弾性クリップの一外壁は、カバーの一内壁に当接する。この結果、第2開口の方向に沿ってクリップが離れることを防止するよう、カバーを通ってクリップに付勢力を与える。
【0032】
例示された一実施形態において、導電部材の断面は、ほぼ円形又は半円形である。
【0033】
一実施形態において、ハウジングはほぼ中空の筒の形状をなし、ハウジングの少なくとも一端は、閉じた一端に形成されるか、又はケーブルコネクタを介して又は外部ケーブルに直接接続するための穴が設けられる。
【0034】
好適には、カバー及びハウジング間を封止するために、カバー及び第2開口間にシール片がさらに配置される。
【0035】
任意であるが、第1及び第2の接続導体は、第1及び第2の導体部材からそれぞれ延びており、第1及び第2の導体部材を一体化する。
【0036】
好適な一実施形態において、接続モジュールは、ハウジングの第1面に設けられた別の第1開口を具備する。太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子は、第1開口及び別の第1開口をそれぞれ通して、ハウジング内の第1及び第2の接続導体にそれぞれ電気接続される。
【0037】
上述の構成により、本発明は、従来技術を超えた以下の利点のうち少なくとも一つを提供する。すなわち、第一に、本発明は、溶接工程の代わりに弾性クリップを使用する。これにより、溶接工程に固有の問題、すなわち、時間がかかり生産コストを高いという結果となる問題を回避する。他方、本発明を実施するための要求事項は合致させることが容易であるので、溶接工程に起因する要求事項に関連したコストは著しく減少する。第二に、本発明に係る接続モジュールは、太陽電池のリード端子及び導体部材間の堅固で安定して電気接続を確保しながら、組立作業が容易な建物一体型太陽光発電の部品の小型化の傾向に一致するので、最終製品の信頼性及び歩留まりの増大に寄与する。さらに、弾性クリップを使用することにより、太陽電池組立体間の接続部から接続モジュールを分離することができるので、従来技術の恒久接続と比べて、接続モジュールの内部部材の維持管理及び検査をより便利に遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1の接続モジュールの分解斜視図である。
【図3】図1の接続モジュールの縦断面図である。
【図4】簡単のためにハウジングを取り外した状態の、図3の接続モジュールの導電部材、弾性クリップ、及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールの正面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った、一実施形態に係る弾性クリップの断面図である。
【図7】図5のA−A線に沿った、別の実施形態に係る弾性クリップの断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る建物一体型太陽光発電の接続モジュールを示す斜視図である。
【図9】図8の接続モジュールの正面図である。
【図10】カバーを取り外した状態の図8の接続モジュールを示す斜視図である。
【図11】簡単のためにハウジングを取り外した状態の、図10の接続モジュールの導電部材、接続導体、及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。
【図12】ハウジングを取り外した状態の、図10の接続モジュールの導電部材、接続導体、弾性クリップ、及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。
【図13】弾性クリップ、リード端子及びカバーの組立過程を示す斜視図である。
【図14】図10のF−F線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。明細書を通じて、同様の要素には同様の参照符合が使用される。これらの実施形態は、例示目的で示されるのであって、本明細書に説明された実施形態に限定するものとして解釈すべきでない。
【0040】
図1ないし図6を参照すると、本発明の一実施形態に係る建物一体型太陽光発電システムの接続モジュール1は、ハウジング2、このハウジングに収容された導電部材3、及びハウジングの例えば(図1における)下面等の一面に設けられた開口6を具備する。開口6を通って、太陽電池パネルの正極又は負極(図示せず)に電気接続されたリード端子4が、ハウジング2に収容された導電部材3に電気接続される。接続モジュールは、リード端子4及び導電部材3が安定した電気接続部を形成するようリード端子4及び導電部材3を共にクランプする弾性クリップ5をさらに具備する。上述の接続モジュールにおいて、ハウジング2は絶縁材料製であってもよい。リード端子4及び導電部材3は共に、銅、アルミニウム等の導電材料製である。
【0041】
図2及び図3を参照すると、ハウジング2はほぼ中空の筒状をなし、ハウジング2の少なくとも一端には、外部ケーブルに直接接続するための孔aが設けられる。例えば、図2及び図3において、ハウジング2の左端は正極ケーブルに接続され、ハウジング2の右端は負極ケーブルに接続される。正極及び負極のケーブルは、建物一体型太陽光発電システムの出力電力を増大させるよう、ケーブルコネクタ(図示せず)を介して隣の接続モジュールの正極及び負極のケーブルにそれぞれ接続される。別の一実施形態において、上述の開口2aでは、ケーブルコネクタ(図示せず)を介して導電部材3が外部ケーブルに接続される。任意であるが、中空筒状のハウジング2の少なくとも一端は、閉鎖端に形成されてもよい。
【0042】
さらに、本発明の一実施形態に係る接続モジュールは、建物の窓パネルの枠内に埋設可能な3次元の筒状をなす。しかし、本発明はこの形態に限定されず、接続モジュールは、窓パネルの枠又はサンルーフ等に収容されるよう、円筒状、角柱状等の適当な形状をなしてもよい。
【0043】
図4ないし図6を参照して、本発明の一実施形態に係る導電部材3、弾性クリップ5及びリード端子4間の接続を説明する。図4は、簡単のためにハウジングを取り外した状態の、図3の接続モジュールの導電部材、弾性クリップ、及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。図5は、本発明の一実施形態に係る建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールの正面図である。図6は、図5のA−A線に沿った、一実施形態に係る弾性クリップの断面図である。
【0044】
図4ないし図6を参照すると、導電部材3は、対向する2つのほぼ平坦な側面31,32を有する。弾性クリップの断面は、例えば先端角が所定角度の、又は頂点が開放したほぼ三角形の形状である。弾性クリップは、底壁51と、底壁51の両端から底壁51に対して鋭角に延びる対向する2つの側壁52,53とを有する。弾性クリップ5は、例えばばね鋼等の金属材料、又は例えばポリウレタンプラスチック等の非金属材料等の弾性材料製である。弾性クリップ5の対向する2側壁52,53は、底壁51の両端から鋭角に延びるので、弾性力の下で、側壁間に配置された部品、例えば導電部材3及びリード端子4にクランプ力を印加する。図5及び図6を参照すると、リード端子4は、弾性クリップ5及び導電部材3間に配置されている。一実施形態において、リード端子4は柔軟性を有し、導電部材3の周囲を少なくとも部分的に包む。従って、弾性クリップ5がリード端子4をクランプすると、弾性クリップ5の対向する2側壁52,53は、リード端子4に接触し、リード端子4に付勢力を印加する。この結果、リード端子4及び導電部材3は安定した電気接続部を形成する。
【0045】
弾性クリップ5、導電部材3及びリード端子4間の接続部の好適な一実施形態を図6に連結して説明したが、本発明はこの実施形態に限定されない。図7を参照すると、別の実施形態において、導電部材3は、リード端子4により包まれるほぼ筒状部を有する。上述した実施形態と同様に、弾性クリップ5の断面は頂点が開放したほぼ三角形状であり、弾性クリップ5は、底壁と、底壁の両端から底壁に対して鋭角に延びる対向する2側壁を有する。弾性クリップ5がリード端子4をクランプすると、弾性クリップの底壁及び2側壁は、導電部材の筒状部の周囲にほぼ正接する。この結果、リード端子4及び導電部材3は、安定した電気接続部を形成する。
【0046】
弾性クリップ5、導電部材3及びリード端子4の配置を開示する上述の典型的な実施形態は、例示目的であり、弾性クリップ5及びリード端子4が安定した電気接続部を形成するよう弾性クリップ5がリード端子4に接触してリード端子4に付勢力を印加する様々な変形点、変更点を有してもよい。換言すると、本発明の図面に示された各部品の精確な構造は、例示の構成に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。例えば、弾性クリップ5の断面は、リード端子4及び導電部材3が安定した電気接続部を形成するように、弾性クリップ5及びリード端子4が良好に接触し、付勢力がリード端子4に印加される限り、如何なる形状であってもよい。そして、可能な全ての変形例の中で、縦長の構造(図4参照)に対する制限はない。
【0047】
図1及び図2を参照すると、接続モジュール1は、ハウジング2の下面の反対側、すなわちハウジング2の上面に配置された開口8をさらに具備する。さらに、接続モジュールは、開口8を覆うためにハウジング2の開口8に接続されたカバー7を有してもよい。開口8を通って、リード端子4に接触子且つリード端子4に付勢力を印加するよう、弾性クリップ5をハウジング2内に設置することができる。これにより、リード端子4及び弾性クリップ5は、安定した電気接続部を形成する。開口8を覆う、ハウジング2の開口8に接続されたカバー7により、開口8の側面は、湿気、熱及び他の環境要素から接続モジュールの内部部品を保護するために封止される。開口8は不可欠なものではなく、弾性クリップ5が下面の開口6を通ってハウジング2内に設置される場合、開口8を省略できることに留意されたい。
【0048】
上述の実施形態において、カバー7がハウジング2の開口8に接続されると、弾性クリップ5はカバー7と係合状態になくてもよい。或いは、図6に示された別の実施形態において、カバー7がハウジング2の開口8に接続されると、弾性クリップ5の下壁51はカバー7の内壁に当接するので、弾性クリップは、第2開口の方向に沿って離れることが防止される。
【0049】
さらに、弾性クリップ5の下壁51及びカバー7の内壁は、カバー7によって弾性クリップ5の変位をさらに制限するように、位置決め機構によって互いに係合できる。図6を参照すると、例示的な位置決め機構は、弾性クリップ5の内壁51の内側に設けられた位置決め突起54と、カバー7の内壁に設けられた位置決め窪み55とを具備する。弾性クリップ5の下壁51がカバー7の内壁に当接すると、位置決め突起54は、図6の左右方向及び図面に直交する方向等の方向に沿った弾性クリップ5の変位を制限するように、位置決め窪み55と係合する。上述の実施形態において、位置決め突起54は弾性クリップ5の下壁51の内側に設けられ、位置決め窪み55はカバー7の内壁に設けられているが、本発明は、このような配置に限定するものでない。或いは、位置決め突起54がカバー7の内壁に設けられる一方、位置決め窪み55が弾性クリップ5の下壁51の内側に設けられてもよい。さらに、位置決め突起54及び位置決め窪み55が十字パターンに形成され、その結果、十字形状を有する位置決め窪み55が位置決め突起54に係合する際に、十字が延びる2方向への弾性クリップ5の変位が制限される。図6を参照すると、弾性クリップ5の2側壁52,53はそれらの端部に曲げ部56を形成するので、弾性クリップ5の2側壁52,53の端部は互いに離れる方向に延びる。2側壁52,53の端部が曲げ部56に形成されているが、リード端子4及び導電部材3の側面31の引っ掻き又は損傷が回避されるなら、側壁52,53の端部は曲げられなくてもよい。
【0050】
図6に示される実施形態において、封止片9は、カバー7及びハウジング2間にシール部を形成するよう、カバー7及び開口8間にさらに設けられる。一実施形態において、図6に示されるように、カバー7は逆U形状であり、下部71及び平行な2側壁部72を有する。対応して、ハウジング2には、カバー7の側壁部72を収容するスロット21が設けられる。ハウジング2のスロット21及びカバー7の側壁部72間には、それらの間を封止する封止片9が設けられることが好ましい。本実施形態において、ハウジング2のスロット21及びカバー7の側壁部72の間に封止片9が設けられて図示されるが、本発明はこの形態に限定されない。通常の技術者であれば理解できるように、ハウジング2及びカバー7間の気密封止が確保される限り、カバー7及び開口8間の任意の位置に封止片9を配置してもよい。
【0051】
図6を参照すると、カバー7の側壁部72には、ハウジング2に形成された留め穴22に対応するように留め突起73が設けられる。留め突起73は弾性変形するので、側壁72はハウジング2のスロット21内に挿入できる。留め突起73は、留め穴22に到達すると、元の形状に戻り、留め穴22内に入る。この結果、カバー7は、開口8を封止するためにハウジング2に接続される。ねじ及びヒンジ等の多様な接続手段によって開口8を封止するように、カバー7がハウジング2に接続されてもよいことに留意されたい。
【0052】
図3及び図4を参照すると、一実施形態において、導電部材3は、第1導電部材3’及び第2導電部材3”を有する。接続モジュール1は、2個の導電部材3',3”間に接続されたバイパスダイオード10をさらに具備する。図3及び図4に示されるように、弾性クリップ5の付勢動作の下で、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子4は、第1及び第2の導電部材3',3”にそれぞれ接続される。第1及び第2の導電部材3',3”の2端は、正極接続ケーブル又は負極接続ケーブル(図示せず)に接合されてもよい。好適な一実施形態において、各電極接続ケーブルは、建物一体型太陽光発電モジュールの出力電力を増大させるよう、コネクタ又は他の接続ケーブルを介して隣の太陽電池モジュールに直列接続されてもよい。最も外側のモジュールの正極及び負極の接続ケーブルは、所定電圧の出力電力を発生するので、太陽電池モジュール全体の電力を出力する。バイパスダイオード10は、1個の太陽電池が故障した場合に別の電流経路を提供するよう、太陽電池で発生した電流の向きと逆向きに配置される。
【0053】
好適な一実施形態において、導電部材3の一端はハウジング2の一端に接続されたケーブルコネクタに挿入されるよう構成され、導電部材3の他端にはバイパスダイオード10のピン10a,10bと嵌合するソケット30が設けられている。図4に示される導電部材3の一端は筒形状を有するが、本発明はその形態に限定されず、例えば角柱状等の他の形状も可能である。
【0054】
図2及び図4を参照すると、上述の実施形態において、弾性クリップ5は第1及び第2の弾性クリップ5',5”を有し、これら2個のクリップは、2個のリード端子4並びに第1及び第2の導電部材3',3”をそれぞれ共にクランプする。この結果、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子4は、第1及び第2の導電部材3',3”と安定した電気接続状態にある。
【0055】
さらに、図1ないし図3に示されるように、接続モジュールは、ハウジング2の下面に設けられた別の開口6’をさらに具備する。開口6及び別の開口6’を通って、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子4は、ハウジング2内の第1及び第2の導電部材3',3”と電気接続される。開口6及び別の開口6’に対応して、ハウジング2の側面に2個の開口8が設けられる。
【0056】
上述の実施形態では、開口6及び別の開口6’を介して2個のリード端子4が第1及び第2の導電部材3',3”にそれぞれ接続されているが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、開口6及び別の開口6’は単一の開口に置換されてもよい。この単一開口を通って、2個のリード端子4がハウジング2の導電部材3',3”にそれぞれ接続される。
【0057】
上述したことから明白であるように、本発明は、建物一体型太陽光発電システム用の改良された接続モジュールを提供する。従来技術と比較すると、本発明は溶接工程の代わりに弾性クリップを使用しているので、溶接工程に伴う問題、すなわち時間がかかり生産コストが高くなってしまうという問題を回避する。他方、本発明を実施するための要求事項は満たすことが容易であるので、溶接作業に関わる要求事項に関連したコストは著しく減少する。第二に、本発明に係る接続モジュールは、太陽電池組立体のリード端子及び導体部材間の堅固で安定した電気接続を確保しながら、組立作業が容易な建物一体型太陽光発電の部品の小型化の傾向に一致するので、最終製品の信頼性及び歩留まりの増大に寄与する。さらに、弾性クリップを使用することにより、太陽電池組立体間の接続部から接続モジュールを分離することができるので、従来技術の恒久接続と比べて、接続モジュールの内部部材の維持管理及び検査をより便利に遂行することができる。
【0058】
図面を参照して本発明の種々の実施形態を説明したが、当業者であれば、図面に開示されたこれらの実施形態は、本発明を実施する態様の例示であることを理解すべきである。本発明はこれら具体的な実施形態に限定されないと理解すべきである。同様に、明細書中に使用される方向を示す用語、例えば、「上」、「下」、「上面」、「下面」等は、関連する図面の上部又は下部に対応するものの、反対の角度又は横から見た場合に「下」、「上」、「左」、「右」に対応するであろう任意の方向を指してもよい。
【0059】
図8ないし図14を参照すると、本発明の第2実施形態に係る建物一体型太陽光発電システムの接続モジュール101は、ハウジング102、接続導体110及び円形弾性クリップ105を具備する。ハウジング102は第1開口106を有し、第1開口106は、例えば太陽電池パネルの正極又は負極に電気接続されたリード端子104の挿入のためにハウジングの(図1における)下面等の面に設けられる。接続導体110はハウジング102に収容される。円形弾性クリップ105はハウジング102に収容される。このクリップ105は、安定した電気接続部を形成するようリード端子104及び接続導体110を共にクランプする。上述した接続モジュールにおいて、ハウジング102は絶縁材料製であってもよい。リード端子104及び接続導体110は共に、銅、アルミニウム等の導電材料製である。
【0060】
図8には弾性クリップ105が円形断面を有する筒として図示されているが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、弾性クリップ105の断面は楕円であってもよい。弾性クリップ105は、ゴム、シリコーン等の弾性材料で構成されてもよい。従って、クリップ105は、クリップ105への外力の印加が無くなった後、元の形状に回復することができる。
【0061】
図8ないし図10を参照すると、接続モジュール101は、ハウジング102の下面の一側、例えば図10における側面に配置された別の開口108をさらに具備する。さらに、接続モジュールは、開口108を覆うためにハウジング102の開口108に接続されたカバー107を有してもよい。図14に示されるように、カバー107がハウジング102の開口108に接続されると、円形又は楕円形の弾性クリップ105の外壁が、カバー107の内壁に当接する。この結果、カバー107を介してクリップ105に付勢力を印加し、クリップ105が開口108の方向に沿って離れることを防止する。
【0062】
カバー107は、ねじ、ヒンジ、留め金等の多様な接続手段によって開口108を封止するようハウジング102に接続されてもよい。ハウジング102の開口108を覆うよう開口108に接続されたカバー107により、開口108の側面は、湿気、熱及び他の環境要素から接続モジュールの内部部品を保護するために封止される。開口108は不可欠なものではなく、弾性クリップ105が下面の開口106を通ってハウジング102内に設置される場合、開口108を省略できることに留意されたい。
【0063】
図14に示される実施形態において、封止片9は、カバー107及びハウジング102間にシール部を形成するよう、カバー107及び開口108間にさらに設けられる。外見上、カバー107及び開口108間の気密封止が確保される限り、カバー107及び開口108間の任意の位置に封止片9を配置してもよい。
【0064】
図11、図12及び図14を参照すると、一実施形態において、接続モジュール101は、ハウジング102に収容された導電材料製の導電部材103をさらに有する。導電部材103は、接続導体110と電気接続状態にある。好適な一実施形態において、接続導体110は、第1接続導体110’及び第2接続導体110”を有する。円形又は楕円形の弾性クリップ105は、第1クリップ105’及び第2クリップ105”を有する。第1及び第2のクリップは、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子104と接続導体110とをクランプし、安定した電気接続部を形成する。
【0065】
図11及び図12を参照すると、一実施形態において、導電部材103は、第1導電部材103’及び第2導電部材103”を有する。接続モジュール101は、第1及び第2の導電部材103’,103”間に接続されたバイパスダイオード111をさらに具備する。
【0066】
図11を参照すると、好適な一実施形態において、導電部材103の一端は、ハウジング102の一端に接続されたケーブルコネクタ(図示せず)に挿入されるよう構成されている。そして、導電部材103の他端には、バイパスダイオード111のピン111a,111bと嵌合するソケット130が設けられている。図11に示される導電部材103の一端は筒形状を有するが、本発明はその形態に限定されず、例えば角柱状等の他の形状も可能である。
【0067】
図14を参照すると、一実施形態において、接続導体110は導電部材103の周囲に巻きつけられるので、接続導体110及び導電部材103は安定した電気接続部を形成する。代替として、接続導体110は、同様に安定した電気接続を形成するよう導電部材103上に溶接されてもよい。溶接作業の例には、レーザ溶接、半田付け及びアーク溶接がある。
【0068】
図14を参照すると、実施形態によっては、導電部材103の断面はほぼ半円形である。本発明はその形態に限定されず、導電部材103の断面形状は、例えば円形等の他の形態をとってもよい。
【0069】
図8ないし図10を参照すると、ハウジング102はほぼ中空の筒形状をなし、ハウジング102の少なくとも一端には、外部ケーブルに直接接続するための孔102aが設けられる。例えば、図9及び図10において、ハウジング102の左端は正極ケーブルに接続され、ハウジング102の右端は負極ケーブルに接続されてもよい。正極及び負極のケーブルは、建物一体型太陽光発電の出力電力を増大させるよう、ケーブルコネクタ(図示せず)を介して隣の接続モジュール内の正極及び負極のケーブルにそれぞれ接続されてもよい。或いは、上述した開口102aにおいて、導電部材103は、ケーブルコネクタ(図示せず)を介して外部ケーブルに接続されてもよい。任意であるが、中空の筒形状のハウジング102の少なくとも一端は、閉じた端に形成されてもよい。
【0070】
以下、図11ないし図14と併せて、接続導体110、導電部材103、弾性クリップ105及びリード端子104間の接続関係を説明する。これらの図面において、図11は、図10の接続モジュールの導電部材、接続導体及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。ここで、簡単のためにハウジングが取り外されている。図12は、ハウジングを取り外した状態の、図10の接続モジュールの導電部材、接続導体、弾性クリップ、及びリード端子間の接続関係を示す斜視図である。図13は、弾性クリップ、リード端子及びカバーの組立過程を示す斜視図である。図14は、図9のF−F線に沿った断面図である。
【0071】
第一に、接続導体110は、開口106を通ってハウジング102内に配置される。次に、好適な一実施形態では、接続導体110が導電部材103上に溶接されるか、導電部材103の周囲に巻きつけられるので、接続導体110及び導電部材103は安定した電気接続部を形成する。次に、太陽電池パネルの正極又は負極に接続されたリード端子104は開口106を通ってハウジング102内に配置されるので、リード端子104の一側は接続導体110と接触状態にある。次に、円形又は楕円形の弾性クリップ105は開口108を通ってハウジング102上に配置されるので、クリップ105はリード端子104の他側に接触する。最後に、カバー107が開口108に接続されるので、クリップ105の外壁及びカバー107の内壁は、開口108の方向に沿ってクリップ105が離れることを防止するためにカバー107を介してクリップ105に付勢力を印加するよう、互いに当接する。クリップ105の付勢力の下で、太陽電池パネルの正極又は負極に電気接続されたリード端子104及び接続導体110は、安定した電気接続部を形成するよう互いにクランプされる。
【0072】
上述した弾性クリップ105、接続導体110及びリード端子104用の接続態様は、限定するものではなく、例示するものと考えられる。当業者であれば、前述の実施形態に基づき、多くの変形、変更をすることができる。そのような変形には、リード端子104及び接続導体103が所望の安定した電気接続部を形成するように、弾性クリップ105がリード端子104に結合され、リード端子104に付勢力が印加されるものがある。図面に詳細に示された他の部品に関しても、本発明を限定するのではなく、例示目的である。例えば、弾性クリップ105(図12参照)の固有弾性力がリード端子に対して付勢力として作用し、そのため、リード端子104及び導電部材103間に良好な電気接続部を形成する限り、弾性クリップ105の縦長の構造に対する制限はない。
【0073】
好適な一実施形態において、図10に示されるように、接続モジュールは、ハウジング102の下面に設けられた別の開口106’をさらに具備する。太陽電池パネルの正極及び負極にそれぞれ接続された2個のリード端子104は、開口106及び別の開口106’を通って、ハウジング102内の第1及び第2の接続導体110’,110”に電気接続される。さらに、好適な実施形態において、導電部材103は2個の導電部材103’,103”を有する。接続モジュールは、2個の導電部材103’,103”間に接続されたバイパスダイオード111をさらに具備する。図11及び図12に示されるように、弾性クリップ105からの付勢力の下で、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子104は、ハウジング102内の第1及び第2の接続導体110’,110”に電気接続される。第1及び第2の接続導体110’,110”が第1及び第2の導電部材103',103”に電気接続されるので、2個のリード端子104は、第1及び第2の導電部材103',103”に電気接続する。
【0074】
その上、第1及び第2の導電部材103',103”の2端は、正極接続ケーブル又は負極接続ケーブル(図示せず)に接合されてもよい。好適な一実施形態において、各電極接続ケーブルは、出力電力を増大させるよう、コネクタ又は他の接続ケーブルを介して隣の太陽電池モジュールに直列接続されてもよい。最も外側のモジュールの正極及び負極の接続ケーブルは、所定電圧の出力電力を発生するので、太陽電池モジュール全体の電力を出力する。バイパスダイオード111は、1個の太陽電池が故障した場合に別の電流経路を提供するよう、太陽電池で発生した電流の向きと逆向きに配置される。図10を参照すると、開口106及び別の開口106’に対応する2個の開口108が、ハウジング102の側面に設けられている。
【0075】
図12及び図13を参照すると、上述の実施形態において、弾性クリップ105は、第1弾性クリップ105’及び第2弾性クリップ105”を具備する。2個の弾性クリップは、太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個のリード端子104が第1及び第2の接続導体110’,110”と安定した電気接続状態にあるように、2個のリード端子104並びに第1及び第2の導電部材110,110’をそれぞれ共にクランプする。
【0076】
上述の実施形態では、2個のリード端子104が開口106及び別の開口106’を通って第1及び第2の接続導体110’,110”に接続されているが、本発明にこの形態に限定されない。例えば、開口106及び別の開口106’は単一の開口に置換されてもよい。単一の開口を通って、2個のリード端子104がハウジング102の接続導体110’,110”に接続される。
【0077】
さらに、好適な実施形態では、接続導体110が導電部材103に溶接されるか巻きつけられてそれらの間に安定した電気接続を形成するが、これは端に例示に過ぎず、限定することを意図したものではない。例えば、第1及び第2接続導体110,110’は、第1及び第2の導電部材103’,103”からそれぞれ延びて後者に一体化してもよい。
【0078】
また、本発明の接続モジュールは、建物内の窓パネルの枠内に埋設可能な3次元の筒状をなす。しかし、本発明はこの形態に限定されず、接続モジュールは、窓パネルの枠又はサンルーフ等に収容されるよう、円筒状、角柱状等の適当な形状をなしてもよい。
【0079】
上述したことから明白であるように、本発明は、建物一体型太陽光発電システム用の改良された接続モジュールを提供する。従来技術と比較すると、本発明は溶接工程の代わりに弾性クリップを使用しているので、溶接工程に伴う問題、すなわち時間がかかり生産コストが高くなってしまうという問題を回避する。同時に、本発明は、溶接工程で考慮しなければならない要求事項をなくす。このため、それら要求事項を満たすための対応する費用が削減される。第二に、本発明に係る接続モジュールは、太陽電池組立体のリード端子及び導体部材間の堅固で安定した電気接続を確保しながら、組立作業が容易な建物一体型太陽光発電の部品の小型化の傾向に一致するので、最終製品の信頼性及び歩留まりの増大に寄与する。さらに、弾性クリップを使用することにより、太陽電池組立体間の接続部から接続モジュールを分離することができるので、従来技術の恒久接続と比べて、接続モジュールの内部部材の維持管理及び検査をより便利に遂行することができる。
【0080】
図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明したが、当業者であれば、図面に開示されたこれらの実施形態は、本発明を実施する態様の例示であることを認識すべきである。本発明はこれら具体的な実施形態に限定されないと理解すべきである。同様に、明細書中に使用される方向を示す用語、例えば、「上」、「下」、「上面」、「下面」等は、関連する図面の上部又は下部に対応するものの、反対の角度又は横から見た場合に「下」、「上」、「左」、「右」に対応するであろう任意の方向を指してもよい。
【0081】
いくつかの例示的実施形態を図示し説明したが、当業者であれば、本会時の原理及び真髄から逸脱することなく、これらの実施形態に種々の変更を加えることができることを理解するであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物で定義される。
【符号の説明】
【0082】
1 接続モジュール
2 ハウジング
3 導電部材
3’ 第1導電部材
3” 第2導電部材
31,32 ほぼ平坦な側面
4 リード端子
5 弾性クリップ
51 底壁
52,53 側壁
6 開口(第1開口)
7 カバー
8 開口(第2開口)
9 封止片
10 バイパスダイオード
54 位置決め突起
55 位置決め窪み
56 曲げ部
101 接続モジュール
102 ハウジング
103 導電部材
103’ 第1導電部材
103” 第2導電部材
104 リード端子
105 弾性クリップ
105’ 第1弾性クリップ
105” 第2弾性クリップ
107 カバー
110 接続導体
110’ 第1接続導体
110” 第2接続導体
111 バイパスダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングに収容された導電部材と、
前記ハウジングの第1面に設けられた第1開口と、
弾性クリップと
を具備する、建物一体型太陽光発電システムの接続モジュールであって、
太陽電池パネルの正極及び負極に電気接続されたリード端子は、前記第1開口を通って、前記ハウジングに収容された前記導電部材と電気接続し、
前記リード端子及び前記導電部材を共にクランプするための前記弾性クリップにより、前記リード端子及び前記導電部材を安定して電気接続することを特徴とする接続モジュール。
【請求項2】
前記導電部材はほぼ平坦な逆向きの2側面を有し、
前記弾性クリップの断面は、頂点が開放したほぼ三角形状をなし、
前記弾性クリップは、底壁と、該底壁の両端から該底壁に対して鋭角に延びる対向する2側壁とを有し、
前記弾性クリップが前記リード端子をクランプすると、前記弾性クリップの前記対向する2側壁が前記リード端子と接触して前記リード端子に付勢力を印加する結果、前記リード端子及び前記導電部材は、安定した電気接続部を形成することを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項3】
前記導電部材はほぼ筒状の部分を有し、
前記弾性クリップの断面は、頂上が開放したほぼ三角形状をなし、
前記弾性クリップは、底壁と、該底壁の両端から該底壁に対して鋭角に延びる対向する2側壁とを有し、
前記弾性クリップが前記リード端子をクランプすると、前記弾性クリップの前記底壁及び前記対向する2側壁が前記リード端子により周囲が巻きつけられた前記導電部材の筒状部の周辺にほぼ正接する結果、前記リード端子及び前記導電部材は、安定した電気接続部を形成することを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記第1面の反対側の前記ハウジングに設けられた第2開口と、
該第2開口を覆うために前記ハウジングの前記第2開口に接続されたカバーと
をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記カバーが前記ハウジングの前記第2開口に接続されると、前記弾性クリップの前記底壁が前記カバーの内壁に当接する結果、前記第2開口の方向から離れる方向に前記弾性クリップが進行することを防止することを特徴とする請求項4記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記弾性クリップの前記底壁及び前記カバーの前記内壁が位置決め機構により互いに係合する結果、前記カバーを介して前記弾性クリップの更なる変位を制限することを特徴とする請求項5記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記位置決め機構は、前記弾性クリップの前記底壁及び前記カバーの前記内壁のうちの一方に設けられた位置決め突起と、前記弾性クリップの前記底壁及び前記カバーの前記内壁のうちの他方に設けられた位置決め窪みとを具備し、
前記弾性クリップの前記底壁が前記カバーの前記内壁に当接すると、前記位置決め突起が前記位置決め窪みに係合し、前記弾性クリップの変位を制限することを特徴とする請求項6記載の接続モジュール。
【請求項8】
前記弾性クリップの前記2側壁は該2側壁の端部で曲げ部を形成する結果、前記弾性クリップの前記2側壁の前記端部は、互いに離れる方向に延びることを特徴とする請求項2又は3記載の接続モジュール。
【請求項9】
前記ハウジングがほぼ中空の筒形状をなし、
前記ハウジングの少なくとも一端は、閉じた端に形成されるか、或いは外部ケーブルにケーブルコネクタを介して又は直接接続するための穴を具備することを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項10】
前記カバー及び前記第2開口の間に、前記カバー及び前記ハウジング間を封止するシール片がさらに設けられることを特徴とする請求項4記載の接続モジュール。
【請求項11】
前記導電部材は、第1導電部材及び第2導電部材を具備し、
前記接続モジュールは、前記第1及び第2の導電部材間を接続するバイパスダイオードをさらに具備することを特徴とする請求項1又は9記載の接続モジュール。
【請求項12】
前記導電部材の一端は、前記ハウジングの一端に接続されたコネクタに挿入されるよう構成され、
前記導電部材の他端には、前記バイパスダイオードのピンと嵌合するソケットが設けられていることを特徴とする請求項11記載の接続モジュール。
【請求項13】
前記弾性クリップは、第1弾性クリップ及び第2弾性クリップを具備し、
該第1及び第2の弾性クリップは、前記太陽電池パネルの正極及び負極に接続された2個の前記リード端子並びに前記第1及び第2の導電部材を共にクランプする結果、前記リード端子並びに前記第1及び第2の導電部材の間に安定した電気接続部を形成することを特徴とする請求項11又は12記載の接続モジュール。
【請求項14】
前記接続モジュールは、前記ハウジングの前記第1面に設けられた別の第1開口をさらに具備し、
前記太陽電池パネルの正極及び負極に接続された前記2個のリード端子は、前記第1開口及び前記別の第1開口を通って、前記ハウジング内の前記第1及び第2の導電部材にそれぞれ電気接続されていることを特徴とする請求項13記載の接続モジュール。
【請求項15】
前記弾性クリップは、前記ハウジングに収容された円形又は楕円形のクリップであることを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項16】
前記導体部材は、第1接続導体及び第2接続導体を具備し、
前記円形又は楕円形の弾性クリップは、第1クリップ及び第2クリップを具備し、
該第1及び第2のクリップは、前記太陽電池パネルの正極及び負極に接続された前記2個のリード端子及び前記接続導体を共にクランプする結果、安定した電気接続部を形成することを特徴とする請求項15記載の接続モジュール。
【請求項17】
前記接続導体及び導電部材が安定した電気接続部を形成するように、前記接続導体は前記導電部材に溶接されるか、或いは前記導電部材の周囲に巻きつけられることを特徴とする請求項15記載の接続モジュール。
【請求項18】
前記カバーが前記ハウジングの前記第2開口に接続されると、前記円形又は楕円形の弾性クリップの一外壁が前記カバーの一内壁に当接する結果、前記第2開口の方向に沿って前記クリップが離れることを防止するよう、前記カバーを通って前記クリップに付勢力を与えることを特徴とする請求項15記載の接続モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−507845(P2012−507845A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533874(P2011−533874)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054744
【国際公開番号】WO2010/049886
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508079120)タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】