説明

建築パネル

【課題】樹脂9の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材8が備える素材の性能を十分に発揮し得る建築パネル、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、建築物躯体面への取付作業が容易で現場での施工性に優れる建築パネル1を提供すること。
【解決手段】ねじが切られた棒状部材2を四角形のプレート3に形成された貫通孔4に挿嵌してプレート表面に立設させた取付部材と、芯材となる樹脂9の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板11に前記プレート3と同形の開口部12が形成され、その下層の樹脂9に円柱状空間13が形成された積層複合材8を備え、前記取付部材を積層複合材8に形成した開口部12から円柱状空間13に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間13の中で回転させることにより、当該取付部材を積層複合材8に固定する建築パネル1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装壁または外装壁として、あるいは天井パネルとして下地材を介してビル等の建築物の躯体面に取り付けられる建築パネルに関し、特に樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材をパネル素材とする建築パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
下地材を介してビル等の建築物の躯体面に取り付けられる建築パネルには、軽量性、高剛性、不燃性、耐食性、耐久性、水密性、および意匠性等の様々な性能が要求されるところ、近年においては、その優れた性質から、樹脂の表面と裏面にアルミ板等の金属板を固着してなる積層複合材をパネル素材とする建築パネルが注目されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
【0003】
一方、近年における建築物の高層化、大型化、あるいは建築費のコスト競争に伴い、建築パネルの取付作業現場においては、作業容易化等の施工性の向上、工期短縮およびコスト削減が喫緊の課題の一つとなっており、従来から様々な取付部材、具体的には建築物の躯体面に設置された下地材に建築パネルを取り付けるための取付部材、ないし当該取付部材を用いた種々の取付工法が提案されてきた。
【0004】
例えば、図18(a)に示すボルト2とナット18を用いて建築パネル1を下地材16、より具体的には、建築物の躯体面に取り付けられたZ形状パネル保持用下地材に固定する工法、(b)に示すビス23を用いて固定する工法、(c)に示すジョイナー27を用いて固定する工法、および(d)に示すリベット28を用いて建築パネルの裏面の金属板と下地材とを固定する工法等がその代表格である。また、建築パネルの強度向上とコスト削減を目的として、建築パネルの背面に補強リブを配した建築パネルの取付構造も示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
しかしながら、図18(a)のボルト2とナット18、(b)のビス23、および(c)のジョイナー27を用いて固定する工法では、ある程度の取付強度、具体的には建築パネルを建築物の躯体面に固定する強度は期待できるが、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れるため、意匠性が求められる建築パネルの美観、ひいては建築物それ自体の美観を損なう問題があった。また、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れるため、当該建築パネルを外装壁用として使用する場合には、雨水が取付部材を経由して躯体面側に浸入する問題があった。
【0006】
一方、(d)のリベット28を用いる工法では、リベット28が建築パネルを貫通して表側に現れないために建築パネルの美観を損なう問題や、躯体面側に雨水が浸入する問題こそ発生しないが、建築物にとって、あるいは建築パネルにとって最重要課題となる取付強度の面で問題があった。
【0007】
すなわち、芯材となる樹脂の表面と裏面にアルミ板等の金属板を固着してなる積層複合材は、軽量性、水密性、意匠性等の建築パネルに要求される様々な性能を満足し得る優れたパネル素材の一つではあるが、その優れた性能を十分に発揮し得る取付工法、あるいは、パネル素材としての性能を十分に発揮し得る建築パネルは皆無であった。
【特許文献1】特開平9−11394号公報
【特許文献2】特開2005−335091号公報
【特許文献3】特開2004−92020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決すべき課題は、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材が備える素材の性能を十分に発揮し得る建築パネル、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、建築物躯体面への取付作業が容易で現場での施工性に優れる建築パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決すべく様々な実験的検討および理論的検討を重ねた結果、以下の技術的知見を得た。
【0010】
(A)積層複合材が備える特徴の一つは、その優れた美観や意匠性にあるところ、積層複合材ないしは積層複合材をパネル素材とする建築パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材が積層複合材を貫通して表側に現れるパネル構造であると、美観を大きく損ない、また、外装壁用パネルの場合には躯体面側に雨水が侵入してしまう。したがって、取付部材を積層複合材の内部に固定して、取付部材が積層複合材を貫通しないパネル構造とするのが望ましいこと。
【0011】
(B)建築物の躯体面に設置された下地材に、積層複合材ないしは積層複合材をパネル素材とする建築パネルを取り付ける作業現場においては、取付作業の容易化、工期短縮等が喫緊の課題となっているところ、取付部材が積層複合材の内部にあらかじめ固定されているパネル構造であれば、いちいち作業現場において取付部材を積層複合材ないしは積層複合材をパネル素材とする建築パネルに取り付ける必要がないので、パネルの取付作業が容易化かつ短縮され、現場での施工性も向上すること。なお、近年においては、いちいち取付部材を積層複合材ないしは積層複合材をパネル素材とする建築パネルに取り付ける必要のないリベットを用いた工法が主流ではあるが、前記したとおり、この工法では取付強度の面で問題が残る。
【0012】
(C)取付部材を積層複合材に固定するにあたっては、その固定作業の容易化についても図る必要があるところ、積層複合材の裏面の金属板に所定の形の開口部を、その下層の樹脂に円柱状空間を形成しておけば、取付部材を積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間の中で回転させるだけで、当該取付部材を極めて容易に積層複合材に固定することができるので、このようなパネル構造とするのが望ましいこと。換言すると、円柱状空間の中で回転させるだけで積層複合材に固定することができる構造の取付部材を用いるのが望ましいこと。
【0013】
(D)そして、このようなパネル構造を実現する取付部材としては、ボルト、ねじ、およびスタッドに代表されるねじが切られた棒状部材と、貫通孔が形成されたプレートとからなり、前記貫通孔に棒状部材を挿嵌して当該棒状部材をプレート表面に立設させた取付部材とするのが望ましいこと。あるいは、スタッドに代表されるねじが切られた棒状部材をプレートに溶接して前記棒状部材をプレート表面に立設させた取付部材とするのが望ましいこと。
【0014】
(E)前記取付部材が積層複合材にしっかりと固定されないと、建築パネルの躯体面への取付強度についても確保することができないところ、取付強度を確保する観点から、前記プレートの形状、および積層複合材の裏面の金属板に形成する開口部の形状としては、なるべく四角形とするのが望ましいこと。
【0015】
(F)内装壁用、外装壁用、あるいは天井用等の用途に応じて積層複合材に枠体や中桟を取り付け、当該枠体等を下地材にビス止めすることによってもパネル取付作業の容易化が図られるところ、この場合には枠体や中桟を積層複合材に取り付けるための取付部材が必要となるが、前記した積層複合材ないしは積層複合材をパネル素材とする建築パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材は、このような場合にも適用できること。すなわち、前記した取付部材を用いることによって、枠体や中桟を容易に積層複合材に取り付けることができること。
【0016】
上記の知見に基づき、本発明者は、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材の性能を十分に発揮し得る建築パネル、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、取付作業が容易で建築現場での施工性に優れる建築パネルに想到した。その要旨とするところは以下のとおりである。
【0017】
(1)ねじが切られた棒状部材を四角形のプレートに形成された貫通孔に挿嵌してプレート表面に立設させた取付部材と、芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に前記プレートと同形の開口部が形成され、その下層の樹脂に円柱状空間が形成された積層複合材を備え、前記取付部材を積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間の中で回転させることにより、当該取付部材を積層複合材に固定する建築パネル。
【0018】
(2)ねじが切られた棒状部材をプレートに溶接してプレート表面に立設させた取付部材と、芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に前記プレートと同形の開口部が形成され、その下層の樹脂に円柱状空間が形成された積層複合材を備え、前記取付部材を積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間の中で回転させることにより、当該取付部材を積層複合材に固定する建築パネル。
【発明の効果】
【0019】
(A)本発明に係る建築パネルは、当該パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材、あるいは枠体や中桟を積層複合材に取り付けるための取付部材が積層複合材の内部に固定されて、積層複合材を貫通しないパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネルは、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る建築パネルとは異なり、建築パネルや建築物の美観を損なうことはない。
また、外装壁用として本発明に係る建築パネルを使用する場合には、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る建築パネルとは異なり、雨水が取付部材を経由して躯体面側に浸入することはない。
【0020】
(B)本発明に係る建築パネルは、当該パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材、あるいは枠体や中桟を積層複合材に取り付けるための取付部材が積層複合材の内部にあらかじめ固定されたパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネルによれば、いちいち作業現場において取付部材を積層複合材に取り付けなければならない従来技術に係る建築パネルと比較して、建築物躯体面への取付作業を容易化かつ短縮することができる。
【0021】
(C)本発明に係る建築パネルは、ねじが切られた棒状部材をプレートに形成された貫通孔に挿嵌してプレート表面に立設させた取付部材、あるいはねじが切られた棒状部材をプレートに溶接してプレート表面に立設させた取付部材を、積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、円柱状空間の中で当該取付部材を回転させるだけで、当該取付部材を積層複合材に固定することができるパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネルは、当該パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材、あるいは枠体や中桟を積層複合材に取り付けるための取付部材を極めて容易に積層複合材に固定することができ、これにより建築物躯体面への取付作業を容易化かつ短縮することができる。
【0022】
(D)本発明に係る建築パネルは、ねじが切られた棒状部材を四角形のプレートに形成された貫通孔に挿嵌してプレート表面に立設させた取付部材、あるいはねじが切られた棒状部材をプレートに溶接してプレート表面に立設させた取付部材を、積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、円柱状空間の中で当該取付部材を回転させて、当該取付部材が備えるプレートを円柱状空間に張り出させて、当該取付部材が備える棒状部材2を外側から引っ張ってもプレート3が開口部ないし円柱状空間から抜け出ないようにして、取付部材を積層複合材に固定するパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネルは、当該パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材、あるいは、枠体や中桟を積層複合材に取り付けるための取付部材を強固に積層複合材に固定することができ、これにより建築パネルの躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
【0023】
(E)すなわち、本発明に係る建築パネルは、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材の性能を最大限に発揮し得る画期的な建築パネルであり、建築業界、パネル業界に与える経済的効用は極めて甚大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図1〜図6を主に参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る建築パネル1は、内装壁用の壁面パネル、外装壁用の壁面パネル、あるいは天井パネルとして使用することができる建築パネルであって、(1)当該パネルを建築物の躯体面に設置された下地材に取り付けるための取付部材と、(2)芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に前記プレートと同形の開口部が形成され、その下層の樹脂に円柱状空間が形成された積層複合材8を備える。
【0025】
本発明に係る建築パネル1を構成する取付部材は、(a)ねじが切られた棒状部材2をプレート3に形成された貫通孔4に挿嵌して当該棒状部材2をプレート表面に立設させたタイプのものと、(b)ねじが切られた棒状部材2をプレート3に溶接して当該棒状部材2をプレート表面に立設させたタイプのものを用いることができる。
なお、ねじが切られた棒状部材2としては、前者の場合にはボルト、ねじ、およびスタッドを、後者の場合にはスタッドを挙げることができる。
【0026】
図1は前者のタイプの一例を示す模式図であり、図1(a)はプレート3の平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図1(a)、(b)に示すようにこのタイプのプレート3には、ねじが切られた棒状部材2であるボルトを挿通する貫通孔4が形成され、当該貫通孔4の内側側面にはネジ溝5が形成されている。そして、当該ネジ溝5に沿って棒状部材2を回転させることにより、当該棒状部材2をプレート表面に立設させる。図2(a)は棒状部材2を挿通したプレート3の平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【0027】
図19は前者のタイプの別の一例を示す模式図であり、図19(a)はプレート3の平面図、(b)は(a)のA2−A2断面図、(c)は棒状部材2を挿通したプレート3の断面図である。この場合についてもプレート3には、ねじが切られた棒状部材2であるねじを挿通する貫通孔4が形成され、当該貫通孔4の内側側面にはネジ溝5が形成されている。そして、当該ネジ溝5に沿って棒状部材2を回転させることにより、当該棒状部材2をプレート表面に立設させる。
【0028】
図20は前者のタイプのさらに別の一例を示す模式図であり、図20(a)はプレート3の平面図、(b)は(a)のA3−A3断面図、(c)は棒状部材2を挿通したプレート3の断面図である。この場合についてもプレート3には、ねじが切られた棒状部材2であるねじを挿通する貫通孔4が形成されており、当該貫通孔4に棒状部材2を挿入することにより、当該棒状部材2をプレート表面に立設させる。
【0029】
図21は前者のタイプのさらに他の一例を示す模式図であり、図21(a)はプレート3の平面図、(b)は(a)のA4−A4断面図、(c)は棒状部材2を挿通したプレート3の断面図である。この場合についてもプレート3には、ねじが切られた棒状部材2であるスタッド(セルスタッド)を挿通する貫通孔4が形成されており、当該貫通孔4に図中の下側から棒状部材2を圧入することにより、当該棒状部材2をプレート表面に立設させる。
【0030】
図22は後者のタイプの一例を示す模式図であり、図22(a)はプレート3の平面図、(b)は(a)のA5−A5断面図、(c)は棒状部材2の立面図、(d)は棒状部材2を溶接したプレート3の立面図である。図22(a)〜(d)に示すように後者のタイプの取付部材は、ねじが切られた棒状部材2であるスタッド(CDスタッド)をプレート3に溶接することにより、当該棒状部材2をプレート表面に立設させる。
【0031】
プレート3の材質としては、前者のタイプの取付部材を用いる場合には、プラスチック、強化プラスチック、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン等の非鉄金属等を用いることができるが、建築パネルに求められる耐食性、耐久性等の観点からはステンレス鋼を用いるのが望ましい。
一方、後者のタイプの取付部材を用いる場合には、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウムを用いることができるが、溶接性、耐食性、耐久性等の観点からはステンレス鋼を用いるのが望ましい。
【0032】
棒状部材2の材質についても、前者のタイプの取付部材を用いる場合には、プラスチック、強化プラスチック、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン等の非鉄金属等を用いることができるが、建築パネルに求められる耐食性、耐久性等の観点からはステンレス製を用いるのが望ましい。
一方、後者のタイプの取付部材を用いる場合には、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウムを用いることができるが、溶接性、耐食性、耐久性等の観点からはステンレス鋼を用いるのが望ましい。
【0033】
本発明に係る建築パネル1を構成する積層複合材8は、図3(b)の断面図に示すように、芯材となる樹脂9の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材である。図3(a)は積層複合材8の平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。なお、図3(a)は、芯材となる樹脂9に形成された円柱状空間13を透視した平面図となっており、図中の点線は円柱状空間13の側壁を示している。
【0034】
積層複合材8の材質としては、パネル用素材として市販されている種々のものを用いることができる。例えば、市場を流通している積層複合材8の例としては、不燃性の無機フィラーを混入したポリオレフィン系樹脂を主成分とする厚さ2〜7mmの樹脂、あるいは、厚さ2〜7mmのソリッドプラスチック板や発泡プラスチック板等を芯材として、その表面と裏面に板厚0.3〜0.5mmのアルミニウム板を固着したアルミ積層複合材を用いることができる。ただし、樹脂の厚さや金属板の厚さについては、特に限定されるものではない。
また、金属板としてチタンやステンレス鋼を使用するチタン積層複合材やステンレス積層複合材を用いる場合には、アルミ積層複合材よりも優れた耐食性を発揮することができ、経済性がより重視される場合には鋼板を使用することもできる。
なお、表面の金属板10と裏面の金属板11には異なる素材の金属板を用いることもできるが、膨張率の差に起因する歪や捻れ等が発生するおそれがあるので、表面の金属板10と裏面の金属板11には同素材の金属板を用いるのが好ましい。
【0035】
積層複合材8の裏面の金属板11には図3(a)に示すように前記プレート3と同形の開口部12が形成され、その下層の樹脂9には図3(b)に示すように円柱状空間13が形成される。裏面の金属板11ならびにその下層の樹脂9を切削する機械器具については特に問わないが、例えば、マシニングセンタを用いることができる。
【0036】
以下、ねじが切られた棒状部材2とプレート3からなる取付部材を積層複合材8に固定する手順について説明する。
先ず、棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材を、積層複合材8に形成した開口部12から円柱状空間13の中に挿入して載置する。より具体的には、棒状部材2の軸部が開口部12から突出するように、そして棒状部材2が円柱状空間13の中に立設するように、棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材を円柱状空間13の中に挿入して載置する。図3(c)はこの状態を示す断面図であり、図4(a)はこの状態を示す平面図である。
【0037】
次に、円柱状空間13に挿入した取付部材を、棒状部材2の軸心を軸として円柱状空間13の中で所定の角度回転させて積層複合材8に固定する。図4(b)は棒状部材2を指先で摘んで時計方向に所定の角度回転させた状態を示す平面図である。なお、当該図は、芯材となる樹脂に形成された円柱状空間13、および当該円柱状空間13の中に挿入されたプレート3の角を透視した平面図となっており、当該図に示すように、プレート3が備える4つの角が円柱状空間13に張り出すことによって、取付部材が積層複合材8に強固に固定される。換言すると、棒状部材2を外側から引っ張ってもプレート3が開口部12に引っかかって開口部12ないし円柱状空間13から抜け出ない位置になるまで取付部材を回転させて、取付部材を積層複合材8に固定する。
【0038】
ただし、プレート3が備える4つの角が円柱状空間13に張り出すとはいっても、プレート3が備える4つの角と積層複合材8との接触面積がなるべく大きくなるように、すなわち、図4(b)において斜線で示した領域がなるべく大きくなるように取付部材を回転させる。したがって、取付部材を回転させたときにプレート3が最適な位置で固定されるように、プレート3には図4(a)〜(c)に示すようなストッパ6を設けるのが望ましい。図4(c)は取付部材が積層複合材8に固定された状態を示す平面図である。
【0039】
積層複合材の裏面の金属板11に形成する開口部12の形状、およびこれと同形のプレート3の形状としては、プレート3を円柱状空間13の中で所定の角度回転させたときに、当該プレート3の一部が円柱状空間13に張り出す形状であれば良いので、例えば、楕円形、長円形、半円形、弓形、三角形、四角形、台形、星形、十文字形等を用いることができるが、取付強度、引張強度を確保する観点からは、菱形、平行四辺形等の四角形とするのが望ましい。より好ましくは、2本の対角線の長さが異なる菱形、平行四辺形等の四角形とするのが望ましい。図4(b)の内部を透視した平面図に示すように、プレート3を円柱状空間13の中で回転させたときに、円柱状空間13に2つの角が深く張り出すのでプレート3が開口部12から抜けにくくなり、これにより満足すべき引張荷重強度を得ることができ、躯体面15への取付強度を確保することができる。
また、開口部12とプレート3のサイズとしては特に限定されるものではないが、相対的にプレート3のサイズを開口部12より小さくする必要があるので、図4(a)に示すように若干のクリアランスを設けることが望ましい。
【0040】
図4(a)〜(c)においては、プレート3の備える2つの角が円柱状空間13の側壁と接触するように、プレート3の長い方の対角線の長さと円柱状空間13の直径を一致させているが、このようにすると円柱状空間13に挿入したときのプレート3のぐらつきが小さくなり、取付部材をより強固に積層複合材8に固定することができる。
【0041】
プレート3の形状としては、図4(a)〜(c)に示すようにプレート3の角を丸めるのが望ましい。このようにすると、プレート3と円柱状空間13の側壁との接触面積を十分確保することができ、円柱状空間13に挿入したときのプレート3のぐらつきがより小さくなり、取付部材をより強固に積層複合材8に固定することができる。また、プレート3を円柱状空間13の中で回転させやすくなり、積層複合材8への取付作業が容易となる。
【0042】
プレート3の板厚としては、図3(c)に示すようにプレートの板厚7と円柱状空間の高さ14を極力一致させるのが望ましい。このようにすると、プレート3と積層複合材8との接触面積を十分確保することができ、取付部材をより強固に積層複合材8に固定することができる。したがって、建築パネルの躯体面15への取付強度を十分に確保することができる。より好ましくは、プレートの板厚7と円柱状空間の高さ14とが完全に同一であると、円柱状空間13の中でプレート3を回転させることが困難となるので、プレート3が摺動可能な程度にプレートの板厚7よりも円柱状空間の高さ14が若干高くなるようにするのが望ましい。プレートの板厚7よりも円柱状空間の高さ14が若干高くても、プレート3に前記したストッパ6を形成することにより、プレート3をしっかりと積層複合材8に固定することができる。
【0043】
円柱状空間13を形成する位置、より具体的には樹脂9のどの部分に円柱状空間13を形成するかに関しては、図3(b)に示す位置に限定されるものではない。
例えば、図5(a)のE−E断面に示すように、上から裏面の金属板11→円柱状空間13→表面の金属板10のように円柱状空間13を形成してもよい。
また、図5(b)のF−F断面に示すように、上から裏面の金属板11→円柱状空間13→樹脂9→表面の金属板10のように円柱状空間13を形成してもよい。
あるいは、図5(c)のG−G断面に示すように、上から裏面の金属板11→樹脂9→円柱状空間13→表面の金属板10のように円柱状空間13を形成してもよい。
ただし、金属製のプレート3を使用する場合、特に、表面の金属板10や裏面の金属板11と種類の異なる金属製のプレート3を使用する場合には、図3(b)のD−D断面に示すように、上から裏面の金属板11→樹脂9→円柱状空間13→樹脂9→表面の金属板10のように円柱状空間13を形成するのが望ましい。この場合には、金属製のプレート3が樹脂9に挟まれる形となり、表面の金属板10と裏面の金属板11とに金属製のプレート3が接触しないので接触腐食作用が発生することはない。
【0044】
図4(b)においては、プレート3を時計方向に回転させているが、回転方向については、時計方向、反時計方向を問わず、棒状部材2を摘んで回転させたときに棒状部材2のねじが緩まない方向に回転させるのが望ましい。換言すると、前記したようにプレート3には棒状部材2を挿通する貫通孔4が形成され、当該貫通孔4の内側側面にはネジ溝5が形成されるが、円柱状空間13の中で棒状部材2を挿通したプレート3を回転させたときに棒状部材2のねじが締まる方向のネジ溝5を形成するのが望ましく、このようなネジ溝5に適合する棒状部材2を選択するのが望ましい。なお、これに関しては、ねじが切られた棒状部材2をプレート3に形成された貫通孔4に挿嵌してプレート表面に当該棒状部材2を立設させた取付部材を用いる場合に望ましい条件であり、ねじが切られた棒状部材2をプレート3に溶接して当該棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材を用いる場合については、ねじが緩むことがないので、この限りでない。
【0045】
図6は建築物の躯体面15に設置された下地材16への本発明に係る建築パネル1の取り付け例を示す断面図である。
図6に示す本発明に係る建築パネル1は、当該パネル1を建築物の躯体面15に設置された下地材16に取り付けるための取付部材が、積層複合材8の内部に固定されたパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネル1は、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る建築パネルとは異なり、建築パネルや建築物の美観を損なうことはない。また、外装壁用として本発明に係る建築パネル1を使用する場合には、取付部材が建築パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る建築パネルとは異なり、雨水が取付部材を経由して躯体面側に浸入することはない。
【0046】
図6に示す本発明に係る建築パネル1は、当該パネル1を建築物の躯体面15に設置された下地材16に取り付けるための取付部材が、積層複合材8の内部にあらかじめ固定されたパネル構造である。したがって、従来技術に係る建築パネルであれば、いちいち作業現場において取付部材を積層複合材に取り付けなければならないが、本発明に係る建築パネル1によれば、下地材16にねじが切られた棒状部材2を挿通してナット18を締める作業をするだけで、建築パネル1を躯体面15に固定することができる。すなわち、本発明に係る建築パネル1によれば、建築物躯体面への取付作業を容易化かつ短縮することができる。
【0047】
また、図6に示す本発明に係る建築パネル1は、前記したようにねじが切られた棒状部材2をプレート3に形成された貫通孔4に挿嵌して当該棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材、あるいはねじが切られた棒状部材2をプレート3に溶接して当該棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材を、積層複合材8に形成した開口部12から円柱状空間13に挿入し、円柱状空間13の中で当該取付部材を所定の角度回転させることにより積層複合材8に固定するパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネル1は、当該パネルを建築物の躯体面15に設置された下地材16に取り付けるための取付部材を極めて容易に積層複合材8に固定することができ、これによっても建築物躯体面への取付作業を容易化かつ短縮することができる。
【0048】
そして、図6に示す本発明に係る建築パネル1は、ねじが切られた棒状部材2をプレート3に形成された貫通孔4に挿嵌して当該棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材、あるいはねじが切られた棒状部材2をプレート3に溶接して当該棒状部材2をプレート表面に立設させた取付部材を、積層複合材8に形成した開口部12から円柱状空間13に挿入し、円柱状空間13の中で当該取付部材を回転させて、当該取付部材が備えるプレートを円柱状空間13に張り出させて、当該取付部材が備える棒状部材2を外側から引っ張ってもプレート3が開口部ないし円柱状空間から抜け出ないようにして、取付部材を積層複合材8に固定するパネル構造である。したがって、本発明に係る建築パネル1は、当該パネルを建築物の躯体面15に設置された下地材16に取り付けるための取付部材を強固に積層複合材8に固定することができ、これにより建築パネルの躯体面15への取付強度を十分に確保することができる。
【0049】
以上説明したように本発明に係る建築パネル1は、樹脂9の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材8が備える素材の性能を最大限に発揮し得る建築パネルであり、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、建築物躯体面15への取付作業が容易で現場での施工性に優れる建築パネルであり、建築業界、パネル業界に与える経済的効用は極めて甚大である。
【0050】
以上説明した本発明に係る建築パネル1は、上記方法によって積層複合材8に固定された取付部材を用いて、本発明に係る建築パネル1を建築物の躯体面15に設置された下地材16に取り付ける態様のものである。
【0051】
次に説明する本発明に係る建築パネル1は、上記構成に中桟20や枠体19を加えた態様の建築パネルであり、上記態様と同様の手段によって積層複合材8に固定された取付部材を用いて中桟20や枠体19を積層複合材8に固定する態様の建築パネルである。以下、図7〜図17を参照して、この態様の建築パネル1について説明する。
【0052】
図7は本発明に係る外装壁用の建築パネルの一例を示す模式図、図8は図7のA−A断面図、図9は図7のB−B断面図である。図7〜図9に示すように外装壁用として使用される本発明に係る建築パネル1は、積層複合材8に枠体19と中桟20を取り付けた構造である。なお、内装壁用の場合には枠体19を取り付けないのが一般的であるが、枠体19を取り付けても構わない。
【0053】
取付部材が備える棒状部材2を挿通して積層複合材8の裏面周縁に固定される枠体19について説明する。枠体19には図7〜図9に示すようにねじが切られた棒状部材2を挿通する貫通孔が複数形成されており、当該形成された貫通孔にねじが切られた棒状部材2を挿通してナット18を締めることにより、積層複合材8の裏面周縁に枠体19が固定される。前記したようにパネル取り付けの作業現場、特に外装壁の作業現場においては取付作業の容易化、工期短縮等が喫緊の課題となっているところ、本発明に係る建築パネル1を外装壁として使用する場合には、積層複合材8の裏面周縁に枠体19を取り付けておき、当該枠体19を下地材16にビス止めすることによりパネル取付作業の容易化が図られる。また、積層複合材8の裏面周縁に枠体19を取り付けることにより、建築パネル1に求められる高剛性が向上し、躯体面15への取付強度も増大できる。
【0054】
内装壁として本発明に係る建築パネル1を使用する場合には、風雨に晒されることのない屋内空間が作業現場であり、また屋内での取り付けとなることから、外装壁用パネルほどは作業効率の向上とパネルの高剛性や取付強度は求められない。このため、内装壁として本発明に係る建築パネル1を使用する場合には、必ずしも積層複合材8の裏面周縁に枠体19を取り付ける必要がない。
【0055】
枠体19の材質については特に限定されるものではないが、建築パネル1に求められる耐食性、耐久性等の観点からはステンレスを用いるのが望ましい。また、建築パネル1に求められる軽量性、加工性等の観点からはアルミニウムを用いるのが望ましい。
【0056】
図10は外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネル1の右方から見た断面図である。同じく、図11は外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネル1の上方から見た断面図である。図10〜図11に示す例においては、アンカー17によって建築物の躯体面15に下地材16が取り付けられており、下地材16に枠体19をビス止めすることによって建築パネル1を躯体面15に固定している。なお、躯体面15への雨水侵入を阻止するために、建築パネル1と建築パネル1との間にシール21を施している。
【0057】
外装壁として取り付けられる建築パネルには水密性が要求されるところ、躯体面15への雨水侵入を阻止する観点からは、図10〜図11に示すように、積層複合材8の裏面周縁に固定される枠体19と積層複合材8の間、かつ、枠体19を積層複合材8に固定する棒状部材2の位置よりも外縁側の部位に止水材22を備えることが望ましい。なお、止水材22としては特に限定されるものではないが、例えばブチルを用いることができる。
【0058】
図12は従来技術に係る建築パネルの止水材22の配置を示す模式図である。この例においては、本発明に係る建築パネル1と同様に、積層複合材8に枠体19を取り付け、当該枠体19を下地材16にビス止めすることによって躯体面15に建築パネル1を固定している。また、本発明に係る建築パネル1と同様に、枠体19と積層複合材8の間に止水材22を備えている。
【0059】
しかし、図12に示す従来技術に係る建築パネル1においては、枠体19を積層複合材8に取り付けるためのリベット28が止水材22よりもパネルの縁側に配置されていることから、図12のA点から侵入した雨水は、その裏面上方に位置するリベット28に浸入してから、その後方に配置された止水材22によって躯体面15への侵入が阻止される構造である。同様に、図12のB点から侵入した雨水は、その裏面下方に位置するリベット28に浸入してから、その後方に配置された止水材22によって躯体面15への侵入が阻止される構造である。
【0060】
すなわち、従来技術に係る建築パネル1は、枠体19を積層複合材8に取り付けるための取付部材に雨水が浸入してから、その後方に配置された止水材22によって、はじめて躯体面15への雨水侵入が阻止される構造設計であるため、たとえ防錆性に優れた取付部材を使用したとしても、建築パネルに要求される水密性を完全に満足できるものではなかった。いったん取付部材に錆が生じてしまうと、積層複合材8と枠体19との取付強度が低下することから、枠体19によって積層複合材8に固定されている止水材22は容易に積層複合材8から剥離し、それ以降は止水材としての役割を果たすことはできない。
【0061】
これに対して本発明に係る建築パネル1においては、図10〜図11に示すように、枠体19を積層複合材8に固定する棒状部材2より外縁側の部位に止水材22が配置されているため、図10のC点から侵入しようとする雨水は止水材22によって浸入を阻止され、その上方に位置する棒状部材2に至ることはない。同様に図10のD点から侵入しようとする雨水は止水材22によって浸入を阻止され、その下方に位置する棒状部材2に至ることはない。
【0062】
図13は内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネル1の右方から見た断面図である。同じく、図14は内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネル1の上方から見た断面図である。この例においては、内装壁として本発明に係る建築パネル1が使用されることから、積層複合材8の裏面周縁に枠体19が取り付けられていない。なお、内装壁用パネルの場合には風雨に晒されることのない屋内空間が作業現場であり、また屋内での取り付けとなることから、外装壁用パネルほどは作業効率の向上とパネルの高剛性や取付強度は求められない。したがって、内装壁として本発明に係る建築パネル1を使用する場合には、必ずしも積層複合材8の裏面周縁に枠体19を取り付ける必要がないのであって、枠体19を取り付けても構わない。
【0063】
図15は建築物の躯体面15に設置される下地材16の一般的な形状を示す説明図であって、(a)は外装壁用、(b)は内装壁用の下地材16を示す断面図である。図15(a)、(b)に示すように建築物の躯体面15に設置される下地材16は、一般にZ形の形状をしており、下地材16の先端部分においては刃部24が鉛直方向に突き出している。
【0064】
外装壁として取り付けられる建築パネルはもちろんのこと、内装壁として取り付けられる建築パネルにも取付作業の容易化、工期短縮等が求められるところ、本発明に係る建築パネル1においては、図10および図13に示すように、積層複合材8の裏面に固定される中桟20と積層複合材8の間に凹部を形成し、当該凹部に建築物の躯体面15に設置された下地材16の刃部24を挿入して、取付作業の容易化を図っている。図10および図13に示すように、中桟20と積層複合材8の間に凹部を形成した建築パネル1は、鉛直方向に突き出している刃部24に容易に引っ掛けることができるので、刃部24に引っ掛けた建築パネル1を躯体面15に固定する作業は非常に容易である。
【0065】
中桟20と積層複合材8の間に形成する凹部の構造については特に限定されるものではなく、下地材16の刃部24を受け入れる構造であれば、どのような形態でも構わない。例えば、図10および図13に示す中桟20は、ステンレスやアルミニウム等の薄板を折り曲げ成形して、断面形状を柄の部分と器の部分とからなる柄杓形とし、当該柄の部分にボルト2を挿通する複数の貫通孔を形成し、当該貫通孔に棒状部材2を挿通してナット18を締めて積層複合材8の裏面に固定された中桟20であるが、図10および図13に示すように器の部分の深さを場所によって異ならせることにより、より具体的には柄側の深さよりも下地材16の刃部24が挿入される側の深さを浅くすることにより、中桟20と積層複合材8の間に下地材16の刃部24を受け入れる凹部が形成される。また、図13に示すように器の部分の底の長さを刃部24の長さと一致させれば、建築パネル1を刃部24に引っ掛けたときの安定度が増して、建築パネル1を躯体面15に固定する作業がさらに容易となる。
【0066】
図16は天井の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの斜め下方から見た斜視図である。また、図17は天井の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの横から見た断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る建築パネルを構成するプレートの模式図であり、(a)はプレートの平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】本発明に係る建築パネルを構成するプレートとボルトの模式図であり、(a)はボルトを挿通したプレートの平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図3】本発明に係る建築パネルを構成する積層複合材の模式図であり、(a)は積層複合材の平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)はボルトを挿通したプレートを載置したときのC−C断面図である。
【図4】プレートとボルトを積層複合材に固定する手順を説明する模式図であり、(a)はボルトを挿通したプレートを積層複合材に形成した開口部から円柱状空間の中に挿入して載置した状態を示す平面図、(b)はプレートとボルトを円柱状空間の中で回転させた状態を示す平面図、(c)はプレートとボルトが積層複合材に固定された状態を示す平面図である。
【図5】(a)〜(c)は積層複合材に形成する円柱状空間の他の3態様を示す断面図である。
【図6】建築物の躯体面に設置された下地材への取り付け例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る外装壁用の建築パネルの一例を示す模式図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】図7のB−B断面図である。
【図10】外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの右方から見た断面図である。
【図11】外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの上方から見た断面図である。
【図12】従来技術に係る建築パネルの止水材の配置を示す模式図である。
【図13】内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの右方から見た断面図である。
【図14】内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの上方から見た断面図である。
【図15】建築物の躯体面に設置される下地材の一般的な形状を示す説明図であり、(a)は外装壁用、(b)は内装壁用の下地材を示す断面図である。
【図16】天井の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの斜め下方から見た斜視図である。
【図17】天井の施工例を示す模式図であり、施工した建築パネルの横から見た断面図である。
【図18】従来技術に係る建築パネルの取付工法を示す模式図であり、(a)はボルトとナット、(b)はビス、(c)はジョイナー、(d)はリベットを用いた取付工法を示す模式図である。
【図19】本発明に係る建築パネルを構成する取付部材の一例を示す模式図である。
【図20】本発明に係る建築パネルを構成する取付部材の一例を示す模式図である。
【図21】本発明に係る建築パネルを構成する取付部材の一例を示す模式図である。
【図22】本発明に係る建築パネルを構成する取付部材の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
1 建築パネル 2 棒状部材
3 プレート 4 貫通孔
5 ネジ溝 6 ストッパ
7 プレートの板厚 8 積層複合材
9 樹脂 10 表面の金属板
11 裏面の金属板 12 開口部
13 円柱状空間 14 円柱状空間の高さ
15 躯体面 16 下地材
17 アンカー 18 ナット
19 枠体 20 中桟
21 シール 22 止水材
23 ビス 24 刃部
25 スペーサ 26 目板
27 ジョイナー 28 リベット
29 吊ボルト 30 クリップ
31 野縁 32 野縁受け
33 ハンガー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじが切られた棒状部材を四角形のプレートに形成された貫通孔に挿嵌してプレート表面に立設させた取付部材と、
芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に前記プレートと同形の開口部が形成され、その下層の樹脂に円柱状空間が形成された積層複合材を備え、
前記取付部材を積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間の中で回転させることにより、当該取付部材を積層複合材に固定する建築パネル。

【請求項2】
ねじが切られた棒状部材をプレートに溶接してプレート表面に立設させた取付部材と、
芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に前記プレートと同形の開口部が形成され、その下層の樹脂に円柱状空間が形成された積層複合材を備え、
前記取付部材を積層複合材に形成した開口部から円柱状空間に挿入し、挿入した取付部材を円柱状空間の中で回転させることにより、当該取付部材を積層複合材に固定する建築パネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−127344(P2009−127344A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305284(P2007−305284)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(599032903)有限会社 アロウコンサルタント (2)
【Fターム(参考)】