説明

建築材

【課題】本発明は、従来全く存在しなかった、人の健康を促進する効果を有する建築材を提供する。
【解決手段】動植物プランクトンの化石の粉末を含む遠赤外線放射物質の粉末を建築材の表面に塗布する。常温下で、摩擦、加熱あるいは加圧など外部からの作用を加えることなく、人の健康増進に有効な遠赤外線を建材から放射させることができ、住む人の健康を促進することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築材に関する。さらに詳しくは、床材、壁材、天井材、柱などの建築材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の建築材のうち木材を用いたものは、むくの木を用いたり、合板を用いたりするが、表面は無塗装であったり、伝統的なニス塗り、現状では種々の合成塗料を塗ったものがある。
塗装をする場合でも、それらは、防水性や建材の寿命をもたせるためであったり、見映えを良くするためであり、人の健康を促進するものではない(特許文献1,2)。
【0003】
ところで、近年、遠赤外線が人の健康増進に寄与することが広く知られるようになり、遠赤外線を人体に照射する機能を備えた衣料品などが市販されている。
また、コンクリートなどの建設資材に、遠赤外線を放射する物質を骨材として混入させて建物を構築すると、湿気や結露が抑制されることも知られている。
【0004】
従来より広く使用されている遠赤外線放射物質としては、トルマリンなどの天然鉱物あるいはセラミックスなどの粉末がある。
トルマリンは、微細な粉末にして使用されることで遠赤外線放射機能を発揮するが、摩擦したり、加熱しないと充分な遠赤外線を発生しない。
また、遠赤外線放射セラミックスは常温における遠赤外線放射機能が不充分であり、実用レベルの遠赤外線を発生させるには、トルマリンと同様、加熱などの必要がある。また、粒径が比較的大きいものが多いので、利用できる対象が限定される。
したがって、建築材に実用的な遠赤外線放射機能をもたせたものは、未だ存在しない。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3091106号
【特許文献2】実用新案登録第3091666号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来全く存在しなかった、人の健康を促進する効果を有する建築材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の建築材は、動植物プランクトンの化石の粉末を含む遠赤外線放射物質の粉末を建築材の表面に塗布したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、常温下で、摩擦、加熱あるいは加圧など外部からの作用を加えることなく、人の健康増進に有効な遠赤外線を建材から放射させることができ、住む人の健康を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の建築材は、動植物プランクトンの化石の粉末を含む遠赤外線放射物質の粉末を建築材の表面に塗布したものである。
【0010】
(遠赤外線物質)
本発明に用いる遠赤外線放射物質は、動植物プランクトンの化石の粉末を含むものを使用することが好ましい。動植物プランクトンの化石の粉末を含むものを使用することにより、人や動物の健康増進、植物の成長促進などに効果的な遠赤外線を高い効率で放射させることができるほか、常温において、摩擦、加熱あるいは加圧など外部からの作用を加えることなく、遠赤外線を効率よく発生させることができる。
【0011】
動植物プランクトンの化石としては、約100万年前に深さ200m程度の海中の大陸棚であった場所であって、現在は陸地となっている場所から採取されるものが望ましい。このような動植物プランクトンの化石が遠赤外線を高い効率で放射する機能を有することを本発明者らは調査実験により確認した。
【0012】
前記遠赤外線放射物質の粉末の粒径は0.2〜0.5μmが好適であり、このような粒径に予め加工しておくことにより、後述する天然樹脂を含む水溶液中での均一な分散性を確保できるほか、この水溶液中において水分子との融合が進行し、特定波長の遠赤外線を放射する結晶を自ら形成していく効果もあると推測される。
【0013】
上記の水溶液には、海水に含まれる鉱物質を含有させると、海水の組成と似た組成を有する人体に吸収されやすい波長の遠赤外線、人体に有効な遠赤外線を発生させることができるようになる。海水に含まれる鉱物質とは、マグネシウム、カリウム、酸化チタン、カルシウム、ナトリウムなどをいう。
【0014】
また上記の水溶液には、人体に含まれる鉱物質と同種の鉱物質を含有させると、人体を構成している血液、体液、細胞液に有効な波長の遠赤外線を発生して、人体の生命力を活性化する機能を備えたものとなる。
【0015】
(製法)
本発明の建築材を得る製法を、3例以下に示す。
(第1の製法)
建材に適した材料塊(無機質)に、遠赤外線放射体を水溶液状態に加工したものを含水させ乾燥させて遠赤外線加工材料塊を作成する。これをミクロンパウダー化して接着剤や塗装材に混合して建築材に塗布する。塗布する方法は公知の方法をとくに制限なく採用できる。
【0016】
上記第1の製法において、遠赤外線放射体は、上記粉末を原材料として、この0.2〜0.5μmの粉末を天然樹脂を含む水溶液中で、特別な攪拌作業を行い均一な分散状態の水溶液として完成させたものである。この遠赤外線放射体の粒状径は、5〜50nmの超微粒子として完全に水と一体化し、固形ではなく水性の概念となる。つまり、水と遠赤外線放射体は緩やかな蒸発以外に分離することはできない。
【0017】
用いる液は、水いわゆる純粋ではなく、電離する水であれば適用できる。植物樹脂や海水を溶かした水などを使用する。
建材に適した材料塊(無機質)とは、石膏、セメント、土壁材、珪藻土など吸収性がある物質であれば使用可能である。有機質としては、木材片、モミガラ、ケナフ等の植物繊維等も使用することができる。
ミクロンパウダー化とは、0.5〜10μ程度の範囲を指す。このミクロンパウダー化の方法は材料塊を小石状に粉砕し、複数のパイプ内に装填して陽圧空気を用いパイプから噴射した小石状塊を衝突させて、粉砕を繰返すことにより作成できる。
【0018】
(第2の製法)
上記のミクロンパウダーに植物樹脂を混合して活着効果を持たせ、これを表面加工する方法。
植物樹脂とは、海藻類(ワカメ、コンブ、ヒジキなど)やゴムの木やモチノキ等がある。
特に植物系の樹脂は多糖類からなり、樹皮成分の多糖類は細胞と細胞の間を接合する役割から水分乾燥により硬化し、結合力を維持する性格がある。
この特長を生かして、ミクロンパウダー自体に安定して分散している遠赤外線放射体の経時的風化による離脱(水分に溶出したりする)や、凝集(水分移動により凝集する)を防止し、放射機能を維持する。
また、接着剤や塗料を使用しない建材表面への遠赤外線加工方法として、水分吸収がある建材に使用する。
【0019】
(第3の製法)
加熱蒸着法としてナノパウダー化した放射体を蒸発させ、その過程で共に蒸発する遠赤外線放射蒸発物に建材表層を暴露させて、遠赤外線機能を定着させる加工方法。
遠赤外線放射体超微粒子を含む水溶液を、沸騰する状態で維持し、その蒸気を建材表面に接触させて、建材の反対面を冷却しておくことにより熱移動(電磁波吸収)の過程で遠赤外線放射体の微粒子を蒸気と共に建材構成分子間に移動させ、定着させる方法。この方法により建材深部までの遠赤外線放射機能が高レベルに維持できる。
【0020】
(利点)
人の脳波に良い影響を与える電磁波は、脳細胞を構成する水分(細胞構造水)や脳内を満たしている水分(髄液や血液の基となっている水分:細胞間水)に固有の分子振動エネルギーとして吸収されたとき、水分子が電気的にマイナスに片寄り、酸化要因(活性酸素や酸化老廃物)を加水分解して消去できる波長域である。
この波長域は遠赤外線波長に属し、中でも6〜14ミクロンが有効に作用する。
【0021】
遠赤外線は電波と同じく電磁波であるので、相手の固有吸収波長と同じ波長を放射しないとエネルギー出力がいかに多くとも吸収されず、効果作用にならない。
水の吸収波長は4〜1000ミクロンの遠赤外線波長中6.27ミクロンが最大で、6〜14ミクロンにある。
この波長を水が吸収することで、水は電気的に還元し活性化する。水の活性化は水の再現性を意味し、再現性は酸化老化要因である酸素による酸化を還元し、その酸化毒性を消去する効果がある。
この作用が脳に働いた場合、脳の酸化が是正され脳の機能性が円滑になるために、精神的リラックスが得られ、脳における身体の生理的支配野における機能いわゆる恒常性が改善される。
このことは、各種代謝異常の改善や抵抗力を強化して健全な体質を作る効果(メリット)となる。
また脳以外にも全身に水分がある以上、各部の細胞組織にも有効に作用し酸化物質消去や結構改善等有効に作用する。
【0022】
電磁波はエネルギーである。エネルギ−の授受は、接触伝搬、滞留伝搬、そして放射と吸収に分けることができ、放射の形で伝搬する電磁波は吸収できる相手に対し、もっともロスが少なくそのエネルギーを非接触にて伝搬できる。非接触であるからこそ建材に活用して空間の活性が可能なのである。この空間に水蒸気もあり、人(水分構成体として)も存在し、恩恵にあずかることができる。
【0023】
(効果)
遠赤外線放射物質として、動植物プランクトンの化石の粉末を含むものを使用することにより、人の健康増進に有効な遠赤外線を高い効率で放射させることができ、常温下で、摩擦、加熱あるいは加圧など外部からの作用を加えることなく、遠赤外線を効率的に発生させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動植物プランクトンの化石の粉末を含む遠赤外線放射物質の粉末を建築材の表面に塗布した
ことを特徴とする建築材。

【公開番号】特開2007−56484(P2007−56484A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240777(P2005−240777)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(300011863)東洋テックス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】