説明

建築用断熱パネルおよびその製造方法

【課題】 取り扱い施工が容易で、安価かつ堅牢なエコロジータイプの建築用断熱パネルを得る。
【解決手段】 肉厚板状に成形された板状断熱材30又は50の表裏面又は片面に、天然木材を主体とするパネル材20、20を積層接着した3層構造又は2層構造の建築用断熱パネルであって、前記パネル材20は、所定幅の複数の木板片10を幅方向に並設した状態で、幅方向と直交する長手の連結部材12により連結した構造としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間伐材や廃材などによる木材の有効利用を可能とした、エコロジータイプの建築用断熱パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より建物の壁、床などには断熱材が使用されており、その代表格としてグラスウールなどの繊維系断熱材が一般に知られている。
この繊維系断熱材は、例えば外壁板と内壁板間に充填介在させることにより、空間を細分化して空気を封じ込め、対流による熱伝導を防止しようとするものである。
しかし、実質的には微細ながらも空気対流が生じ、断熱効果が低下するという問題があり、また結露などにより腐食などの問題も生じやすい。
また、他の石油系断熱材料などでは、廃棄焼却時、有害化学物質を生成するうえ、廃棄や再生が困難であり、資源の再利用を図ることはできない。
【0003】
一方本出願人は、断熱素材として自然素材を用いることを提案した。これは、断熱材として波形コアを備えた複数の段ボール紙をその波形コアを直交すべく積層接着したものであり(特許文献1参照)、内部に波形コアによる空気層形成により十分な断熱性を備え、安価かつ資源の再生利用を図るうえでも好適な断熱素材である。
なお、段ボール紙だけでなく、炭化コルクなども内部に空気層を形成した断熱材料であり、同じく安価かつ断熱性に富んだ自然素材として用いることができる。
【特許文献1】特開2002−13221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような断熱材を建築物の壁面に沿って建築物用断熱材として用いるためには、従来、建築現場において、外壁板の内面に沿って上記断熱材を固定し、その断熱材の面に内壁板を固定するようにしていた。
【0005】
ところが、このような従来の断熱材の施工方法では、板材と断熱材を別々に施工現場に運搬して取り付け施工するため施工が面倒であり、また、比較的脆弱な構造の上記天然素材による断熱材の取り扱いが面倒で、運搬中や施工中に断熱材が破損したりする問題があった。
【0006】
以上に加え、本出願人(発明者)は、建造物の外壁板又は内壁板として用いる木質系パネル材として間伐材に着目した。
【0007】
間伐材は杉、檜などの人工林の造林育成過程において、いわゆる間引のために伐採された木材で、定常的に生成するものである。しかしながら、これら間伐材を製材した場合には、長尺ではあるものの、細幅の板材しか得られないため、構造材パネルとしては使用できなかった。
このため、薪などの燃料、炭材、その他いわゆるエコ商品としての工芸品など、限られた用途にしか使用できないため、大量発生する間伐材の処理に困窮しているのが現状である。
本出願人は、これら間伐材を建造物用の板材として用いるために、間伐材を幅方向に並設し、この並設状態で幅方向と直交する天然素材による線状若しくは棒状の連結部材により連結し、木板連結パネルを得た。
【0008】
ところが、上記木板連結パネルを、建造物用パネル材として用いる時には、木板連結パネルが幅方向に湾曲し易く、剛性に欠けため、その用途が限定されていた。
【0009】
本発明は、以上の着想に基づきなされたものであり、その目的は、取り扱い施工が容易で、安価かつ堅牢なエコロジータイプの建築用断熱パネルおよびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図を参照して説明する。
すなわち、本発明は、板状に成形された板状断熱材30(50)の表裏面に、天然木材を主体とする表裏のパネル材20、20を積層接着した3層構造の建築用断熱パネルであって、
前記パネル材20は、所定幅の複数の木板片10を幅方向に並設した状態で、該幅方向に貫通する条溝10cが長さ方向に間隔をおいて刻設されており、この各条溝10cに幅方向に直交する長手の連結部材12が圧入嵌合されることにより前記複数の木板片10が連結された構造であることを特徴とする。
幅方向に並設した状態で連結される各木板片10は、幅方向と直交する長手の連結部材12により連結されている。連結部材12は、竹ひごや綿紐のような天然素材による線状若しくは棒状であることが望ましい。
【0011】
上記の構造において、上記板状断熱材30又は50を挟んで表側パネル材20と裏側パネル材20の木板片10の並設方向が平行であることを特徴としている。
このような構造とすることにより、木板片10の長て方向には剛性があり、幅方向には湾曲可能であって、湾曲した取り付けも可能である。
【0012】
または、上記の構造において、上記板状断熱材30又は50を挟んで表側パネル材20と裏側パネル材20の木板片10の並設方向が直交するものであることを特徴としている。
このような構造とすることにより、断熱パネル40の縦方向及び横方向に、剛性がある。
【0013】
さらに、本発明に係る建築用の断熱パネル42は、図6及び図7に示すように、その中間の複数の板状断熱材30又は50を、木製のスペーサー60を介して並設させた構造とすることを特徴としている。
スペーサー60は、断熱パネル40の厚さ方向の強度を向上させ、且つ、釘や螺子等の金具を打ち込む際の強度を向上させる。
【0014】
さらに、前記板状断熱材30又は50は、段ボール紙又は炭化コルクの類のような天然素材を、所定厚さで板状に成形した構造であることを特徴としている。
【0015】
上記本発明に係る建築用の断熱パネル40によれば、肉厚板状に成形された板状断熱材30又は50の表裏面に、天然木材を主体とする表裏のパネル材20、20を積層接着した3層による一体化構造であるところから、取り扱いが容易であり、運搬中或いは施工作業中に天然素材による板状断熱材が破損したりすることがない。
また、全体として3層構造による剛性があり、建造物内外の断熱性の構造壁材として使用可能である。
さらに、全体として、天然素材によるエコロジー構造であって、廃棄焼却時の公害の発生も殆どない。また、断熱パネル40の外面をなすパネル材20には、木板片10の間に隙間があり、且つ木板片10自体、外気湿度などに応じて伸縮し、並設された木板片10間の隙間も、乾燥時には開き、高湿度時には閉じる方向に拡縮するところから、内部の板状断熱材30又は50が湿気てかびが生えたりする不都合が防止される。
【0016】
さらに、本発明に係る建築用の断熱パネル43は、図8乃至図10に示すように、上記と同様の板状に成形された板状断熱材30(50)の片面に、天然木材を主体とするパネル材20を積層接着した2層構造の建築用断熱パネルであって、前記パネル材20は、上記と同様に、所定幅の複数の木板片10を幅方向に並設した状態で、該幅方向に貫通する条溝10cが長さ方向に間隔をおいて刻設されており、この各条溝10cに幅方向に直交する長手の連結部材12が圧入嵌合されることにより前記複数の木板片10が連結された構造であることを特徴とする。
【0017】
このような2層構造の断熱パネル43は、図10に示すように、例えば、コンクリート構造物を建造する時に、コンクリートを流し込むための捨て殺しの型枠として用いることができる。この場合、断熱パネル43の板状断熱材30(50)の側をコンクリート側とし、コンクリート壁面に一体に固定することにより、コンクリート壁面の外面(又は内面)に断熱パネル層が一体に形成される。
【0018】
また、本発明に係る、上記のような建築用断熱パネルの製造方法では、段ボール紙又は炭化コルクの類を所定厚さで板状に成形した構造の板状断熱材30又は40と、所定幅の複数の木板片10を幅方向に並設した状態で幅方向と直交する線状又は棒状の長手の連結部材12により連結した構造の表裏のパネル材20、20を用意し、前記板状断熱材と前記表裏のパネル材間に接着剤を塗布した状態で、プレス圧着させるようにしたことを特徴としている。
【0019】
このような製造方法により、上記本発明に係る建築用断熱パネルを能率良く製造させることが可能となる。また、接着剤として、酢酸ビニール系接着剤など、無公害性のものを用いることにより、焼却廃棄時に有害ガスがでる等の不都合もない。さらに、中間の板状断熱材30又は40と表裏のパネル材20、20との接着も強固で、構造的に安定している。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明により明らかなように、本発明に係る建築用の断熱パネルによれば、肉厚板状に成形された板状断熱材の表裏面又は片面に、天然木材を主体とするパネル材を積層接着した3層又は2層による一体化構造であるところから、運搬並びに建築現場での取り扱いが容易であり、運搬中或いは施工作業中に天然素材による脆い構造の板状断熱材が破損したりすることがない。
【0021】
また、全体として3層又は2層構造による剛性があり、建造物内外の断熱性の構造壁材として使用可能である。
【0022】
さらに、全体として、天然素材によるエコロジー構造であって、廃棄焼却時の公害の発生も殆どない。
【0023】
また、断熱パネルの外面をなすパネル材には、木板片の間に隙間があり、且つ木板片自体、外気湿度などに応じて伸縮し、並設された木板片間の隙間も、乾燥時には開き、高湿度時には閉じる方向に拡縮するところから、内部の板状断熱材が湿気てかびが生えたりする不都合が防止され、健康的である。
【0024】
さらに、板状断熱材を木製スペーサーを介して設けることにより、断熱パネルの厚さ方向の強度が向上し、釘打ちなどによる固定や金具の打ち込みが容易且つ確実となる。
【0025】
また、本発明に係る建築用断熱パネルを、板状断熱材の片面にパネル材を接着固定した2層構造とし、コンクリート構造物を建造する時に、コンクリートを流し込むための捨て殺しの型枠として用いることにより、コンクリート壁面に板状断熱材が一体に固定され、断熱構造のコンクリート壁を容易に得ることができる。
【0026】
また、本発明に係る上記のような建築用断熱パネルの製造方法では、段ボール紙又は炭化コルクの類を所定厚さで板状に成形した構造の板状断熱材と、所定幅の複数の木板片を幅方向に並設した状態で幅方向と直交する線状又は棒状の長手の連結部材により連結した構造の表裏のパネル材を用い、前記板状断熱材と前記表裏のパネル材間に接着剤を塗布した状態で、プレス圧着させるようにしているため、上記本発明に係る建築用断熱パネルを能率良く製造させることが可能となる。
【0027】
また、プレス圧着時、表裏のパネル材として、例えば、ベニヤ板を用いる時には、中間部等に接着不良部分が生じたり、使用中に温度差などに起因する膨れが生じる恐れがある。ところが、本発明では、上記のように、所定幅の複数の木板片を幅方向に並設した状態で幅方向と直交する線状又は棒状の長手の連結部材により連結した構造の表裏のパネル材を用いているので、一部の木板片の部分に接着不良箇所があったとしても、他の木板片が板状断熱材に接着されている事から、中間の板状断熱材から表裏のパネル材が剥離する等の不都合も無く、また、使用中、中間部のパネル材の部分が膨れるなどの恐れもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態を示している。
図1、2は、本発明に適用したパネル材20を示すものである。図において、パネル材20を構成する各木板片10は、杉、檜、ヒバ、レッドパインなどの間伐材を製材したもので、各木板片10の寸法は、最終的に得られるパネル材20のサイズによって適宜選択されるが、幅略600〜900mm内外、厚さ約10〜30mmであって、長さは略1000〜2400mmの長方形の板材に製材されることが好ましい。
【0029】
図の実施の形態では、製材工程において、各木板片10の幅方向両側部には互いに嵌合する凸部10aおよび凹部10bが形成され、各木板10を幅方向に横一列に整列させた状態で隣合う木板10同士が凹凸嵌合する。
またこれに加え、集合した各木板片10の表面には幅方向を貫通する条溝10cが長さ方向に適宜間隔をおいて刻設されている。
そして、図示のごとく各木板片10を横一列に集合させ、上下方向を固定した状態で、幅方向両側から側圧を加えることにより、一体に接合し、集成される。
【0030】
なお、図においては、凸部10aおよび凹部10bをくさび形に形成したが、他の一般的木材木組に採用される継手形状を採用できる。また、条溝10cの形状を断面略半円形とし連結部材12を丸棒状のもので構成したが、条溝10cの断面形としては蟻溝とし、これに適合した断面形の連結部材12を圧入嵌合することで、成形後は完全抜止めがなされ、連結部材12により各木板10の幅方向への引張り強度が補強される。
【0031】
木板片10としては、間伐材の他、他の製材や廃材を用いることができる。また、木板片10として、上記のような凹凸部のない、普通の長板を並設して用いることができる。
【0032】
また、上記の連結部材12としては、引張り方向に対する剛性に富む材料である竹ひごのほか、柔軟性に富む縄状の部材としてもよい。縄状部材の具体例としては綿紐、麻縄、シュロ縄などの自然素材が掲げられる。
【0033】
次に、以上のパネル材20を用いた断熱パネル40の製作を図3、図4を用いて説明する。
まず、板状断熱材30としては積層段ボール紙が用いられる。この積層段ボール紙は、図3の一部に拡大して示すごとく、硬質紙からなる波形コア32aを中芯としてその上下に硬質紙からなる外皮32bをはりあわせた一般の段ボール32を、その波形コア32a同士が直交するようにして上下に多段に積層接着したもので、積層面に接着剤を塗布して重ね合せた後、プレス成型機により熱圧を加えて所用厚み寸法に加圧一体成形したものである。
この接着に用いられる接着剤としては、前記と同様な理由により酢酸ビニール系接着剤を用いると同時に、人体に無害な防虫、防腐剤などを含有させておくことが望ましい。
【0034】
上記積層段ボール紙による板状断熱材30の表裏に接着剤を塗布し、ついでこの表裏に上記パネル材20を配置し、プレス機によって熱圧を加えることで、一体の建築用断熱パネル40が完成する。
この接着に用いる接着剤も、前記と同様の理由で酢酸ビニール系接着剤を選択することが好ましい。
【0035】
また、上記表裏の各パネル材20の板状断熱材30に対する接着面は、図示のごとく連結部材12の嵌合面(裏面)を接着面とすることが好ましい。その理由は、断熱パネル40の仕上り状態では表面側に木目が整然と配列され、また、長手の連結部材12が、断熱パネル40の内部に位置し、接着により固化されることから、これが外部に突出するという危険がないからである。さらに、板状断熱材30を挟んで表裏パネル材20の接合方向を直交させる方が好ましい。その理由は、一般の積層合板と同様に、表裏の接合方向を異ならせることで強度に等方性をもたらすためである。
【0036】
また、板状断熱材30を挟んで表裏パネル材20の接合方向を平行とさせることもできる。このような構造により、断熱パネル40を湾曲させた状態で用いることができる。
【0037】
さらに、図においては断熱パネル40の一部しか示していないが、実際の製造にあたっては、建築用材として好適な縦横厚さ寸法に成形されるほか、成形後に用途に応じてカットし、定尺のパネルに成形される。板状断熱材30は、予め定寸に形成されたものを、適宜接合若しくは並設して用いることができる。
【0038】
以上の断熱パネル40は、その表裏面のパネル材20に形成された柾目、または板目などの木理の風合を生かして断熱兼用の内装パネルとして建物の内壁、断熱床に用いることができるほか、強度も十分あるので、例えば2×4形式などのパネル建込式木質系住宅の壁材や床材などの構造材としても十分な用途に供することができる。
【0039】
図5は、本発明の第2の実施形態を示すものである。この断熱パネル41は、その板状断熱材50として、炭化コルクの板材を用いているほかは、前記第1の実施形態と同様である。
炭化コルクは、コルクの樹皮が地中で炭化して得られたものである。炭化コルクを用いた断熱パネル41は、前記実施形態と同様に断熱性に富み、前記実施形態と同様に建物の内壁や断熱床、あるいは壁や床などの構造材としての用途に供することができる。
【0040】
図6及び図7は、本発明の第3の実施形態を示している。この断熱パネル42では、複数の板状断熱材30(50)が、木製のスペーサー60を挟んで並設された構造である。スペーサー60は、板状断熱材30(50)と略同厚の角材により構成されている。断熱パネル42におけるスペーサー60の設置位置と連結部材12の設置位置とは、厚さ方向に同一位置とされている。連結部材12は、板状断熱材30(50)の表面側に設けられる。
【0041】
このような構造では、断熱パネル42の厚さ方向の強度が向上し、板状断熱材30(50)が潰されたりする恐れがない。また、釘打ちなどにより、断熱パネル42を固定し、あるいは、板状断熱材30(50)に金具等を打ち込む際に、スペーサー60部分に金具を打ち込むことにより、その固定が強固となる。さらに、表面側に設けられた連結部材12を目安として金具を打ち込むことにより、金具は背部のスペーサー60部分に確実に打ち込み固定される。
【0042】
図8乃至図10は、本発明の第4の実施形態を示している。この断熱パネル43は2層構造になり、板状断熱材30(50)の片面に、パネル材20がプレスにより接着固定されている。
【0043】
このような2層構造の断熱パネル43は、例えば、図10に示されるように、コンクリート構造物を建造する時に、コンクリート70を流し込むための捨て殺しの型枠として用いる。この場合、断熱パネル43の板状断熱材30(50)の側をコンクリート側とし、コンクリート壁面に一体に固定することにより、コンクリート壁面の外面(又は内面)に断熱パネル層が一体に形成されることになる。図において、71は対向する型枠であり、72は内外型枠間を保持する保持棒である。
【0044】
上記第3又は第4の実施形態において、上記第2又は第3の実施形態に対応する箇所には共通の符号を付して、その詳細な説明は省略した。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に適応するパネル材の分解斜視図である。
【図2】同組立状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る断熱パネルの第1の実施形態の分解斜視図である。
【図4】同組立状態を示す斜視図である。
【図5】同断熱パネルの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る断熱パネルの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図7】同分解斜視図である。
【図8】本発明に係る断熱パネルの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図9】同分解斜視図である。
【図10】同使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 木板片
10a 凸部
10b 凹部
10c 条溝
12 連結部材
20 パネル材
30 板状断熱材(積層段ボール紙)
40、41、42、43 断熱パネル
50 板状断熱材(板状炭化コルク)
60 スペーサー
70 コンクリート
71 型枠
72 保持棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に成形された板状断熱材の表裏面に、天然木材を主体とする表裏のパネル材を積層接着した建築用断熱パネルであって、
前記パネル材は、所定幅の複数の木板片を幅方向に並設した状態で、該幅方向に貫通する条溝が長さ方向に間隔をおいて刻設されており、この各条溝に幅方向に直交する長手の連結部材が圧入嵌合されることにより前記複数の木板片が連結された構造であることを特徴とする建築用断熱パネル。
【請求項2】
前記板状断熱材を挟んで表側パネル材と裏側パネル材の木板片の並設方向が平行であることを特徴とする請求項1記載の建築用断熱パネル。
【請求項3】
前記板状断熱材を挟んで表側パネル材と裏側パネル材の木板片の並設方向が直交するものであることを特徴とする請求項1記載の建築用断熱パネル。
【請求項4】
板状に成形された板状断熱材の片面に、天然木材を主体とするパネル材を積層接着した建築用断熱パネルであって、
前記パネル材は、所定幅の複数の木板片を幅方向に並設した状態で、該幅方向に貫通する条溝が長さ方向に間隔をおいて刻設されており、この各条溝に幅方向に直交する長手の連結部材が圧入嵌合されることにより前記複数の木板片が連結された構造であることを特徴とする建築用断熱パネル。
【請求項5】
前記板状断熱材は、複数の板状断熱材が木製のスペーサーを挟んで並設された構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建築用断熱パネル。
【請求項6】
前記板状断熱材は、段ボール紙又は炭化コルクの類を、所定厚さで板状に成形した構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建築用断熱パネル。
【請求項7】
請求項4に記載の建築用断熱パネルを構成する板状断熱材の外面が、コンクリート構造物のコンクリート壁面に一体に固定されていることを特徴とする建築用断熱パネル。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の建築用断熱パネルの製造方法において、段ボール紙又は炭化コルクの類を所定厚さで板状に成形した構造の板状断熱材と、所定幅の複数の木板片を幅方向に並設した状態で、該幅方向に貫通する条溝を長さ方向に間隔をおいて刻設し、この各条溝に幅方向に直交する長手の連結部材を圧入嵌合させることにより前記複数の木板片を連結させた構造のパネル材を用い、前記板状断熱材と前記パネル材間に接着剤を塗布した状態で、プレス圧着させるようにしたことを特徴とする建築用断熱パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−2563(P2006−2563A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229567(P2005−229567)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【分割の表示】特願2002−352707(P2002−352707)の分割
【原出願日】平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願人】(593096538)富士環境システム株式会社 (3)
【出願人】(302066939)上尾工業株式会社 (1)
【出願人】(300088854)影山木材 株式会社 (1)
【出願人】(500106248)
【Fターム(参考)】