説明

建設機械の干渉防止装置

【課題】 干渉防止装置を有する建設機械の作業範囲を広げる。
【解決手段】 作業装置10の先端部に回動可能に軸支され、運転室3に接近および離間する作業用アタッチメント13と、作業用アタッチメント13の回動支点P1の位置を検出する位置検出手段21,22と、作業用アタッチメント13の回動姿勢を検出する姿勢検出手段23,24と、位置検出手段21,22および姿勢検出手段23,24による検出結果に基づき、回動支点P1を中心とし、回動支点P1から最も離れた作業用アタッチメント13の部位P2までの長さrを半径とする基準円R上にあって、かつ、作業用アタッチメント13を運転室側へ回動させた際に、この回動方向の最も先端にある作業用アタッチメントの部位P3と回動支点P1とを結ぶ基準線L上にある点を干渉危険点Qとして設定する設定手段20と、設定手段20により設定された干渉危険点Qに基づき、作業用アタッチメント13が運転室3に接近する動作を制限する制限手段25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用アタッチメントと運転室との干渉を防止する建設機械の干渉防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機体の前部に運転室を設け、この運転室の前方で回動操作される作業装置を有する建設機械にあっては、作業装置先端部の作業用アタッチメントと運転室との干渉を防止するために干渉防止装置を備えたものがある(例えば特許文献1参照)。これによれば、ブームおよびアームの回動角を検出してアーム先端部のバケットの回動支点の位置を演算し、この回動支点を中心に、回動支点からバケット先端までの長さを半径として基準円を設定する。そして、この基準円が運転室の外側に設定した干渉防止領域に一定以上近づくと、バケットの運転室への接近動作を制限する。
【0003】
【特許文献1】特開平9−256403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記公報記載の装置では、バケットの回動姿勢に拘わらず、バケットの回動支点を中心にした基準円に基づきバケットの運転室への接近動作を制限するため、作業範囲が狭くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による建設機械の干渉防止装置は、作業装置の先端部に回動可能に軸支され、運転室に接近および離間する作業用アタッチメントと、作業用アタッチメントの回動支点の位置を検出する位置検出手段と、作業用アタッチメントの回動姿勢を検出する姿勢検出手段と、位置検出手段および姿勢検出手段による検出結果に基づき、回動支点を中心とし、回動支点から最も離れた作業用アタッチメントの部位までの長さを半径とする基準円上にあって、かつ、作業用アタッチメントを運転室側へ回動させた際に、この回動方向の最も先端にある前記作業用アタッチメントの部位と回動支点とを結ぶ基準線上にある点を干渉危険点として設定する設定手段と、設定手段により設定された干渉危険点に基づき、作業用アタッチメントが運転室に接近する動作を制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
作業用アタッチメントを運転室側へ回動させた際に、基準線と鉛直線とのなす角が所定値以上になると、基準円に基づき作業用アタッチメントの接近動作を制限するようにしてもよい。
作業用アタッチメントは開閉可能な開閉部材を有し、開閉部材の開閉動作時に回動支点から最も離れる作業用アタッチメントの部位、および、回動方向の最も先端にある作業用アタッチメントの部位に基づき干渉危険点を設定することもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業用アタッチメントの回動支点を中心とし、回動支点から最も離れた作業用アタッチメントの部位までの長さを半径とする基準円上にあって、かつ、作業用アタッチメントを運転室側へ回動させた際に、この回動方向の最も先端にある作業用アタッチメントの部位と回動支点とを結ぶ基準線上にある点を干渉危険点として設定し、この干渉危険点に基づき作業用アタッチメントの運転室への接近動作を制限するようにした。これにより作業用アタッチメントの作業範囲が広がり、作業効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図7を参照して本発明による干渉防止装置の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る干渉防止装置を有する建設機械の側面図である。この建設機械は油圧ショベルをベースマシンとし、走行体1と、走行体1の上部に旋回可能に設けられた旋回体2と、旋回体2に回動可能に軸支された多間接型の作業装置10とを有する。旋回体2の前部には運転室3(キャブともいう)が設けられている。
【0008】
作業装置10は、運転室3の側方に回動可能に軸支されたブーム11と、ブーム先端部に回動可能に軸支されたアーム12と、アーム先端部に回動可能に軸支されたフォークグラップル13(以下、単にグラップルと称す)とを有する。ブーム11はブームシリンダ11aの駆動により俯仰し、アーム12はアームシリンダ12aにより俯仰する。グラップル13はシリンダ13aの駆動により前後方向に揺動するとともに、図示しないシリンダの駆動により先端のフォーク部14を開閉する。このフォーク部14の開閉により解体作業等において対象物を把持する。なお、図ではフォーク部14を閉じた状態を示している。アーム先端部の作業用アタッチメントは種々のもの(例えばバケット等)に変更可能である。
【0009】
このような建設機械では、作業装置10が運転室3の前方で鉛直面に沿って前後方向に回動するため、グラップル13がキャブ3に干渉するおそれがある。これを防止するため、本実施の形態ではキャブ3の周囲に予め斜線で示すような干渉防止領域Aを設定するとともに、グラップル13の周囲に以下のように干渉危険点Qを設定し、干渉危険点Qが干渉防止領域Aに一定以上近づくと作業装置10の接近動作を制限する。
【0010】
図2は図1のグラップル13の拡大図である。図中、実線はフォーク部14を開放した状態を、点線はフォーク部14を閉じた状態を示す。ここで、アーム先端部のグラップル13の回動支点をP1、フォーク部14を開閉したときに回動支点P1から最も離れたグラップル13の部位(図ではフォーク部14先端)を基準点P2とする。また、フォーク部14の回動方向端部が最もキャブ3に近づくような姿勢(図ではフォーク部14の開放姿勢)を想定し、この姿勢でグラップル13をキャブ3側に揺動させたとき、フォーク部14の回動方向の最も先端にある部位を基準点P3とし、基準点P3と回動支点P1とを結ぶ直線を基準線Lとする。基準点P3および基準線Lはグラップル13の揺動に伴い移動する。なお、図では基準線Lを鉛直線で示している。本実施の形態では、回動支点P1を中心に基準点P2を通る半径rの円(基準円)Rを描き、この基準円Rと基準線Lとの交点Qを干渉危険点に設定する。
【0011】
換言すれば、基準線Lを回動支点P1を通過する鉛直線としたとき、フォーク部14を開放した状態でグラップル13をキャブ3側に揺動させた際に、鉛直線を最も早く通過する点が基準点P3であり、回動支点P1を中心とした半径rの円Rと鉛直線との交点Qが干渉危険点である。なお、基準線Lと鉛直線とのなす角を基準角θA(図ではθA=0)、そのときの鉛直線に対するグラップル13の回動角θをθ1とすると、回動角θと基準角θAとの関係はθA=θ−θ1となる。θ1は設計値として求まる値であり、回動角θを検出すれば基準角θAを演算することができ、干渉危険点Qを求めることができる。
【0012】
干渉危険点Qはフォーク部14の開閉に拘わらずグラップル13の回動角θに応じて設定され、グラップル13の回動に伴い干渉危険点Qが移動する。すなわち図3に示すようにグラップル13が前方に揺動するとそれに伴い干渉危険点Qも前方に移動する。このためグラップル13が干渉防止領域Aに接近すると、その分、干渉危険点Qも干渉防止領域Aに接近する。この場合、図4のQ1に示すように、少なくとも基準角度θA1が90°以下であれば(θA1≦90°)、グラップル13のいかなる部位よりも干渉危険点Qの方が干渉危険領域Aに近い。そこで、この場合には干渉危険点Qと干渉危険領域Aとの距離h(=hQ)を求め、この距離hに基づき作業装置10の動作を制限する。
【0013】
一方、図4のQ2に示すように、基準角度θA2が90°より大きい場合(θA2>90°)には、干渉危険点Qよりもフォーク部14の方が干渉危険領域Aに近づくおそれがある。例えばフォーク部先端の基準点P2が干渉危険領域Aに最も近づくことがある。そこで、この場合には安全を見込んで回動支点P1を中心とした基準円Rと干渉危険領域Aとの距離h(=hR)を求め、この距離hに基づき作業装置10の動作を制限する。
【0014】
図5は、本実施の形態に係る干渉防止装置の構成を示すブロック図である。コントローラ20には旋回体2に対するブーム11の角度を検出するブーム角センサ21と、ブーム11に対するアーム12の角度を検出するアーム角センサ22と、アーム12に対するグラップル13の角度を検出する角度センサ23と、アーム先端部に装着されたグラップル13の形状情報、すなわち回動支点P1からのグラップル13の最大長さ(図2のrに相当)と図2の回動角θ1とを入力するアタッチメント情報入力部24がそれぞれ接続されている。コントローラ20ではこれらからの入力信号に基づき後述する処理を実行し、電磁弁25および警報装置26にそれぞれ制御信号を出力する。
【0015】
電磁弁25は例えばブーム駆動用操作レバー、アーム駆動用操作レバー、グラップル駆動用操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を供給する各パイロット回路にそれぞれ介装される。この電磁弁25を切り換えることでパイロット圧の供給を許容または禁止し、グラップル13がキャブ3へ近づくような動作を制限する。警報装置26は例えばブザーやランプであり、警報装置26の作動によりグラップル13がキャブ3に一定以上接近した旨を作業員に報知する。
【0016】
図6はコントローラ20で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、メモリには、キャブの2前面および上面から所定距離(30cm程度)離れた領域を干渉危険領域Aとして予め予め記憶している。まず、ステップS1でセンサ21〜23および入力部24からの信号を読み込み、ステップS2で角度センサ21,22の検出値および予め設定されたブーム長さ、アーム長さを用いてグラップル13の回動支点P1(x1,y1)の位置を演算する。ステップS3では角度センサ23の検出値θとアタッチメント情報入力部24から入力された半径r,回動角θ1を用いて前述したように回動支点P1に対する干渉危険点Q(x2,y2)の位置を演算する。すなわち回動支点P1を通過する鉛直線とのなす角がθA(=θ−θ1)である基準線Lと、回動支点P1を中心とした半径rの円弧との交点を演算する。
【0017】
ステップS4では基準角θAが90°より大きいか否か、すなわち回動支点P1のx座標(x1)が干渉危険点Qのx座標(x2)より大きく、かつ、回動支点P1のy座標(y1)が干渉危険点Qのy座標(y2)より小さいか否かを判定する。ステップS4が否定されるとステップS5に進む。この場合、干渉危険点Qが干渉危険領域Aの最も近くに位置するため、ステップS5で干渉危険点Qと予め予め設定された干渉危険領域Aとの距離hQを演算し、この距離hQを距離hに代入する。一方、ステップS4が肯定されるとステップS6に進む。この場合、干渉危険点Qよりもフォーク部14の方が干渉危険領域Aに最も近づくおそれがあるため、ステップS6で回動支点P1を中心にした半径rの基準円Rと干渉危険領域Aとの距離hRを演算し、この距離hRを距離hに代入する。
【0018】
次いで、ステップS7で距離hが予め設定した所定値ha(例えば0)以下か否かを判定する。ステップS7が肯定されるとステップS8に進み、電磁弁25に制御信号を出力してグラップル13がキャブ3に近づくような動作を禁止する。この場合、グラップル13がキャブ3から離れるような動作は許容される。次いで、ステップS9で警報装置26を作動する。一方、ステップS7が否定されるとステップS10に進み、電磁弁25に制御信号を出力してグラップル13がキャブ3に近づくような動作を許容する。次いで、ステップS11で警報装置26の作動を停止する。
【0019】
次に、本実施の形態に係る干渉防止装置の動作をより具体的に説明する。グラップル13を用いて解体作業等を行うとき、図4に示すようにグラップル13のキャブ側への回動方向に干渉危険点Qが設定される(ステップS3)。この干渉危険点Qは、グラップル13の回動角θが変化しない限りフォーク部14が開閉しても変化せず、図3(b)に示すようにグラップル13がキャブ側に揺動するとそれに伴い干渉危険点Qもキャブ側に移動する。
【0020】
このとき干渉危険点Qを通過する基準線Lと鉛直線とのなす角が90°以下で(図4のQ1)、干渉危険点Qと干渉危険領域Aとの距離hが所定値haより大きければ、グラップル13がキャブ3に干渉するおそれはない。このため、回動支点P1を中心にした円Rが干渉危険領域Aに干渉したとしても、作業装置10の動作は制限されることなく許容され、解体作業の作業範囲が広がる(ステップS10,ステップS11)。干渉危険点Qが干渉危険領域Aに接近し、距離hが所定値ha以下になると警報装置26が作動し、電磁弁25の切換によりグラップル13のキャブ3への接近動作が禁止される(ステップS8,ステップS9)。これによりグラップル13とキャブ3の干渉を防止することができる。
【0021】
一方、干渉危険点Qを通過する基準線Lと鉛直線とのなす角が90°より大きい場合(図6のQ2)、回動支点P1を中心にした基準円Rと干渉危険領域Aとの距離hが所定値haより大きければ、作業装置10の動作は制限されることなく許容される(ステップS10,ステップS11)。基準円Rが干渉危険領域にA接近し、距離hが所定値ha以下になると警報装置26が作動し、電磁弁25の切換によりグラップル13のキャブ3への接近動作が禁止される(ステップS8,ステップS9)。これにより干渉危険点Qよりもフォーク部14の方が干渉危険領域Aに近づいた場合であっても、グラップル13とキャブ3との干渉を確実に防止することができる。
【0022】
以上の実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)グラップル13をキャブ側へ回動させた際に、その回動方向の最も先端にあるグラップル13の部位(基準点P3)とグラップル13の回動支点P1とを結んだ直線L上で、かつ、グラップル13の回動支点P1を中心にグラップルの最外部(基準点P2)を半径とした円R上の点を干渉危険点Qとして設定した。そして、この干渉危険点Qと干渉危険領域Aとの距離h(=hQ)に基づき作業装置10のキャブ3への接近動作を制限するようにした。これによりグラップル13の回動姿勢を考慮して作業装置10の動作が制限され、回動支点P1の位置のみで作業装置10の動作を制限する場合に比べ、作業範囲を広げることができる。
【0023】
(2)基準線Lと鉛直線とのなす角θAが90°より大きいとき、回動支点P1を中心にした基準円Rと干渉危険領域Aとの距離h(=hR)に基づき作業装置10のキャブへ3の接近動作を制限するようにした。これにより干渉危険点Qよりもフォーク部14の方が干渉危険領域Aに接近した場合であっても、グラップル13とキャブ3との干渉を確実に防止することができる。
(3)フォーク部14の開閉時の姿勢変化を考慮して干渉危険点Qを設定し、一旦設定した干渉危険点Qがフォーク部14の開閉により変化しないので、フォーク部14の姿勢変化に拘わらずグラップル13とキャブ3との干渉を確実に防止することができる。
【0024】
なお、上記実施の形態では、干渉危険点Qと干渉危険領域Aの距離hが所定値ha以下になると作業装置10のキャブ3への接近動作を禁止するようにしたが、距離hが所定値ha以下になるとまず接近動作を減速させ、次いで距離hが所定値hb(<ha)以下になると接近動作を禁止するようにしてもよい。すなわち接近動作を制限するとは、接近動作を禁止する場合と減速する場合の両方を含む。
【0025】
本実施の形態の干渉防止装置は、開閉可能な開閉部材としてのフォーク部14を有するグラップル13に適用したが、作業装置10の先端部に回動可能に軸支されてキャブ2に接近および離間する他の作業用アタッチメントにも適用できる。その一例を図7に示す。図7では干渉防止装置をブレーカ50に適用している。この場合、ブレーカ50の回動支点P1を中心に最外部P2までの距離rを半径とした円Rと、ブレーカ50の回動方向の最も先端にある部位P3と回動支点P1とを通る直線Lとの交点を干渉危険点Qとして設定し、干渉危険点Qに基づきブレーカ50の動作を制限すればよい。
【0026】
なお、上記実施の形態では、基準角θAを演算する際に必要な回動角θ1を入力部24から入力し、この回動角θ1を用いて干渉危険点Qを設定するようにしたが、設定手段の構成はこれに限らない。例えば、フォーク部14を開放した状態でグラップル13をキャブ側に回動し、その回動方向の先端部P3が図2に示すように回動支点P1の鉛直下方に位置するように先端部P3の位置を目視しながら回動量を調整する。この状態で、例えば運転室に設けた入力スイッチを操作し、そのときの角度センサ23の検出値θをθ1としてメモリに記憶し、この回動角θ1を用いて干渉危険点Qを設定するようにしてもよい。これにより回動角θ1が設計値からずれていたとしても、正確な回動角θ1を入力することができる。
【0027】
ブーム角センサ21,アーム角センサ22により回動支点P1の位置を検出するようにしたが、他の位置検出手段を用いてもよい。入力部24から入力された角度θ1と角度センサ23により検出された回動角θにより基準角θAを求めたが、他の姿勢検出手段によりグラップル13等の回動姿勢を検出してもよい。電磁弁25の代わりに電磁比例弁等、他の制限手段を用いてもよい。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の干渉防止装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る干渉防止装置を有する建設機械の側面図。
【図2】図1の要部拡大図であり、干渉危険点の設定を説明する図。
【図3】図1の建設機械の動作を示す図。
【図4】異なる設定領域における干渉危険点を示す図。
【図5】本実施の形態に係る干渉防止装置の構成を示すブロック図。
【図6】図5のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0029】
3 運転室
10 作業装置
13 グラップル
14 フォーク部
20 コントローラ
21 ブーム角センサ
22 アーム角センサ
23 角度センサ
24 アタッチメント情報入力部
25 電磁弁
Q 干渉危険点
A 干渉危険領域
P1 回動支点
P2,P3 基準点
L 基準線
R 基準円

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置の先端部に回動可能に軸支され、運転室に接近および離間する作業用アタッチメントと、
前記作業用アタッチメントの回動支点の位置を検出する位置検出手段と、
前記作業用アタッチメントの回動姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記位置検出手段および前記姿勢検出手段による検出結果に基づき、前記回動支点を中心とし、前記回動支点から最も離れた前記作業用アタッチメントの部位までの長さを半径とする基準円上にあって、かつ、前記作業用アタッチメントを運転室側へ回動させた際に、この回動方向の最も先端にある前記作業用アタッチメントの部位と前記回動支点とを結ぶ基準線上にある点を干渉危険点として設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された干渉危険点に基づき、前記作業用アタッチメントが運転室に接近する動作を制限する制限手段とを備えることを特徴とする建設機械の干渉防止装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の干渉防止装置において、
前記制限手段は、前記作業用アタッチメントを運転室側へ回動させた際に、前記基準線と鉛直線とのなす角が所定値以上になると、前記基準円に基づき前記作業用アタッチメントが運転室に接近する動作を制限することを特徴とする建設機械の干渉防止装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械の干渉防止装置において、
前記作業用アタッチメントは開閉可能な開閉部材を有し、
前記設定手段は、前記開閉部材の開閉動作時に前記回動支点から最も離れる前記作業用アタッチメントの部位、および、回動方向の最も先端にある前記作業用アタッチメントの部位に基づき前記干渉危険点を設定することを特徴とする建設機械の干渉防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−22486(P2006−22486A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199068(P2004−199068)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】