説明

建設機械

【課題】キャブを旋回フレームに対してチルトアップ可能とする構造を備えた建設機械において、作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止する。
【解決手段】コントローラ85は、キャブ7の上下方向の傾転を検出する第1及び第2ロータリスイッチ36,136とブーム17の上下方向の回転を検出する第3ロータリスイッチ80の出力信号を入力し、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度まで傾転させた場合にキャブ7とブーム17が接触する可能性のある回動角度にブーム17が位置する状態でキャブ7の上方への傾転を開始したときは、第1報知信号を出力してブザー86を第1の態様で作動させ、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度まで傾転したときは、第2報知信号を出力してブザー86を第2の態様で作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械に係わり、特に、キャブを旋回フレームに対してチルトアップ可能とする構造を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
キャブを旋回フレームに対してチルトアップ可能とする構造を備えた油圧ショベル等の建設機械として、例えば特許文献1に記載されたものがある。このものでは、キャブに傾転装置を設けてキャブを旋回フレームに対してチルトアップすることで、キャブ下側の旋回フレーム本体に収められている油圧機器、配線等のメンテナンス作業が容易になる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−240370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された油圧ショベルは、いわゆる小型の油圧ショベルであり、フロント作業機はキャブの前側に取り付けている。また、フロント作業機を上下方向と水平方向に回動可能とするため、フロント作業機が取り付けられる旋回フレームの前部に水平方向に回動可能なスイングポストが設けられ、フロント作業機のブームはスイングポストに上下方向に回動可能に連結されている。このようにフロント作業機を上下方向だけでなく、水平方向にも回動可能とすることにより、上部旋回体を下部走行体に対して所定角度に旋回させ、フロント作業機を上部旋回体の旋回方向と反対方向に同じ角度だけ水平方向に回動させることにより、フロント作業機を下部走行体の履帯の側方外側で履帯と平行に位置させることが可能となり、市街地道路などの狭い作業現場であっても溝掘り等の掘削作業を容易に行うことができる。
【0005】
このような小型の油圧ショベルにおいて、キャブをチルトアップする傾転装置には、キャブをチルトアップしたときにキャブの重量を支える位置保持機能が備わっている。しかし、万が一のことを考慮し、通常、旋回フレームとキャブの間にストッパ装置が設けられ、キャブをメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップしたときにストッパ装置をセットして、キャブの落下を防止する構成となっている。
【0006】
ところで、このようにキャブをチルトアップするとき、フロント作業機がキャブの前側にあるため、フロント作業機のブームが適切な角度まで下がっていない場合には、キャブをチルトアップしたときにキャブがブーム(以下適宜フロント作業機という)と接触し、キャブをメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップすることができない。このとき、特許文献1記載の油圧ショベルでは、キャブをメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップすることができるかどうかを作業員に知らせる手段がないため、作業員の目視によりキャブとフロント作業機の距離やストッパ装置がセットできるかどうかを何度も確認しながらチルトアップを行い、キャブがフロント作業機に接触しそうな場合はキャブをチルトダウンし、フロント作業機のブームの角度を変えてから再度キャブをチルトアップするなどの操作を繰り返す必要があり、作業効率が悪い。
【0007】
一方、フロント作業機の状態を考慮せずにキャブのチルトアップを続けた場合は、キャブとフロント作業機が接触し、フロント作業機とキャブが損傷する可能性がある。
【0008】
また、フロント作業機のブームが適切な角度まで下がっていた場合でも、特許文献1記載の油圧ショベルでは、キャブがストッパ装置を設置できる適切な角度までチルトアップしたことを作業員に知らせる手段がないため、うっかりキャブを適切な角度以上にキャブのチルトアップを続けた場合は、同様にキャブとフロント作業機が接触し、キャブとフロント作業機が損傷する可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、キャブを旋回フレームに対してチルトアップ可能とする構造を備えた建設機械において、作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる建設機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、走行体と旋回体とフロント作業機とを備え、前記旋回体は旋回フレームとキャブとを有し、前記フロント作業機は、ブームと、このブームの先端に上下方向に回動可能に連結されたアームと、このアームの先端に上下方向に回動可能に連結された作業具とを有し、前記旋回フレームはその前部に水平方向に回動可能なスイングポストを有し、前記ブームは前記スイングポストに上下方向に回動可能に連結されている建設機械において、前記キャブを前記旋回フレームに対して傾転可能に連結する回転連結装置と、前記キャブを前記旋回フレームに対して上下方向に傾転させる傾転装置と、前記キャブをメンテナンス作業に適した所定の角度位置に保持するストッパ装置と、前記キャブの上下方向の傾転を検出する第1回転検出装置と、前記ブームの上下方向の回動を検出する第2回転検出装置と、報知装置と、前記第1回転検出装置及び前記第2回転検出装置の出力信号に基づいて、前記キャブを前記所定角度まで傾転させた場合に前記キャブと前記ブームが接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置する状態で、前記キャブが上方へ傾転したときは、第1報知信号を出力して前記報知装置を第1の態様で作動させ、更に前記キャブが前記所定角度まで傾転したときは第2報知信号を出力して前記報知装置を第2の態様で作動させる制御装置とを備えるものとする。
【0011】
このように構成した本発明においては、キャブをメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップした場合にキャブとブームが接触する可能性のある回動角度にブームが位置する状態で、キャブをチルトアップしたときは、報知装置が第1の態様で作動し、キャブをそのままチルトアップするとキャブがブームと接触する可能性があることを作業員に知らせるため、作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる。また、キャブをチルトアップするときは、報知装置が第2の態様で作動して、キャブがメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップしたことを作業員に知らせるめ、これによっても作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる。
【0012】
また、キャブをチルトアップするとき、報知装置が第1の態様で作動し、キャブをそのままチルトアップするとキャブがブームと接触する可能性がある場合は、フロント作業機のブームを一旦下げてから再度キャブをチルトアップするが、このとき、ブームがキャブと接触する可能性のない回動角度まで下がっていない場合は、キャブのチルトアップ開始時に報知装置が直ちに作動し、そのことを作業員に知らせるため、作業員は、キャブとブームの距離やストッパ装置がセットできるかどうかを何度も確認しながらキャブをチルトアップしなくても済み、効率良く、キャブのチルトアップを行うことができる。
【0013】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1回転検出装置は、前記キャブが上方へ傾転するときに第1信号を出力する第1ロータリスイッチと、前記キャブが前記所定角度まで傾転しときに第2信号を出力する第2ロータリスイッチとを有し、前記制御装置は、前記第2回転検出装置の出力信号が、前記キャブが前記所定の角度まで傾転した場合に前記キャブと前記ブームと接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置することを示し、かつ前記第1ロータリスイッチから前記第1信号を入力したときに、前記第1報知信号を出力し、前記第2ロータリスイッチから前記第2信号を入力したときに、前記第2報知信号を出力する。
【0014】
このように第1回転検出装置を第1及び第2ロータリスイッチで構成することにより、ロータリスイッチは比較的安価であるため、安全装置の全体システムを安価に構成することができる。
【0015】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記第2回転検出装置は、前記キャブが前記所定の角度まで傾転した場合に前記キャブと前記ブームが接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置するときに第3信号を出力する第3ロータリスイッチを有し、前記制御装置は、前記第3ロータリスイッチから前記第3信号を入力し、かつ前記第1回転検出装置の出力信号が前記キャブが上方へ傾転したことを示すときに、前記第1報知信号を出力する。
【0016】
このように第2回転検出装置をロータリスイッチで構成することにより、ロータリスイッチは比較的安価であるため、安全装置の全体システムを安価に構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、キャブを旋回フレームに対してチルトアップ可能とする構造を備えた建設機械において、作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる。
【0018】
また、作業員は、キャブとブームの距離やストッパ装置がセットできるかどうかを何度も確認しながらキャブをチルトアップしなくても済むため、効率良く、キャブのチルトアップを行うことができる。
【0019】
更に、第1回転検出装置或いは第2回転検出装置を比較的安価なロータリスイッチで構成したため、安全装置の全体システムを安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる小型油圧ショベルの側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる小型油圧ショベルを上から見た平面図である。
【図3】油圧ショベルの上部旋回体内部の機器配置を示す平面図である。
【図4】外装カバーを取り外した上部旋回体を右側から見た側面図である。
【図5】外装カバーを取り外しかつキャブを上方に傾転(チルトアップ)した状態で上部旋回体を右側から見た側面図である。
【図6】キャブを上方に傾転(チルトアップ)した状態で上部旋回体を斜め左前側から見た斜視図である。
【図7】回転連結装置の拡大斜視図である。
【図8】傾転装置の斜視図である。
【図9】キャブをチルトアップしたときの状態を上部旋回体を左側から見た図であって、キャブのストッパ装置部分の表面板の一部を欠損して示す図である。
【図10】ストッパ装置の拡大図である。
【図11】図7に示した回転連結装置のロータリスイッチ部分を拡大して示す図である。
【図12】スイングポストとブームの連結部(ロータリスイッチ部分)を拡大して示す図であって、ブームをチルトダウンした状態を示す図である。
【図13】スイングポストとブームの連結部(ロータリスイッチ部分)を拡大して示す図であって、ブームをチルトアップした状態を示す図である。
【図14】第1及び第2ロータリスイッチの回転レバーの動作状態を示す図である。
【図15】第3ロータリスイッチの回転レバーの動作状態を示す図である。
【図16】油圧ショベルの安全装置の全体構成を示す図である。
【図17】コントローラの処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態に係わる建設機械である小型油圧ショベルの基本構成を図1〜図3を用いて説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係わる小型油圧ショベルの側面図であり、図2は、同油圧ショベルを上から見た平面図である。以下の説明では、図1に示す油圧ショベルのキャブ内の運転席に着座した作業員を基準として、前側、後側、右側、左側という。
【0023】
図1及び図2において、この油圧ショベルは、下部走行体1と、上部旋回体2と、フロント作業機3とを備えている。下部走行体1は右・左の走行装置1R,1Lを有し、走行装置1R,1Lは、それぞれ、上部旋回体2の下側に位置する図示しないトラックフレーム本体の右・左の脚部と一体の右・左のトラックフレーム部分9R,9Lと、右・左のトラックフレーム部分9R,9Lを取り巻く右・左の履帯10R,10Lと、右・左のトラックフレーム部分9R,9Lの後端側に取り付けられた右・左の駆動輪11R,11L及び走行用油圧モータ12R,12Lとを有し、走行用油圧モータ12R,12Lで駆動輪11R,11Lを駆動することで履帯10R,10Lを駆動し、走行を行うようになっている。トラックフレーム本体9の前方側にはブレード用油圧シリンダ13により上下動する排土用のブレード14が設けられている。上部旋回体2は下部走行体1上に旋回可能に搭載され、図示しない旋回用油圧モータにより旋回駆動される。
【0024】
上部旋回体2は、基礎下部構造をなす旋回フレーム4と、この旋回フレーム4の先端部に垂直ピン(図示せず)を中心にして水平方向に回動可能に取付けられたスイングポスト5と、旋回フレーム4上に設けられ内部に運転室を形成するキャブ7と、旋回フレーム7上のキャブ7以外の大部分を覆う外装カバー8とを備えている。スイングポスト5は、旋回フレーム4に設けられたスイング用油圧シリンダ15(図2)に、連結ピン16を介してピン結合されており、スイング用油圧シリンダ15の伸縮でスイングポスト5全体が垂直ピンの軸心まわりに回動することによって、フロント作業機3が右・左にスイングするようになっている。フロント作業機3は、ブーム17と、ブーム17に上下方向に回動可能に連結されたアーム18と、アーム18に上下方向に回動可能に連結されたバケット19とを備え、ブーム17はスイングポスト5に上下方向に回動可能に連結されている。ブーム17、アーム18及びバケット19は、それぞれブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、及びバケット用油圧シリンダ22により駆動され、上下方向に回動する。
【0025】
図3は、油圧ショベルの上部旋回体内部の機器配置を示す平面図である。この図3において、旋回フレーム4は、底板4Aと、この底板4Aの上面側に立設され前後方向に延びた右・左の縦板4B,4Cと、これら縦板4B,4Cの前端部に設けられ、スイングポスト5を接続する支持ブラケット4Dと、底板4Aの前側に位置し左右方向に延びた前梁4Eと、縦板4B,4Cの後側に設けられ左右方向に延びた中梁4Fと、前梁4Eと中梁4Fとの間に設けられたアンダーカバー4Gと、前梁4Eの左端から中梁4Fの後方側まで円弧状に張り渡された左サイドフレーム4Hと、前梁4Eの右端から中梁4Fの後方側まで円弧状に張り渡された右サイドフレーム4Iと、前梁4Eの左端と中梁4Fの左端との間で左サイドフレーム4H上に立設された左サイドガード部材4J等で構成されている。
【0026】
旋回フレーム4の後側には、エンジン23が横置き状態で配置され、エンジン23の左側には、エンジン23によって駆動する油圧ポンプ24が配置され、エンジン23の右側には、ラジエータやオイルクーラ等の熱交換器25が配置されている。また、熱交換器25の前側には作動油タンク26が配置され、この作動油タンク26の前側には燃料タンク27が配置され、この燃料タンク27の上側にはバッテリ(図示せず)が配置されている。また、旋回フレーム4の左側(言い換えれば、キャブ7の下側)には、油圧ポンプ24から複数の油圧アクチュエータ(詳細には、上記右・左走行用油圧モータ11R,11L、ブレード用油圧シリンダ13、旋回用油圧モータ(図示せず)、スイング用油圧シリンダ15、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、及びバケット用油圧シリンダ22)への圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブを含むコントロールバルブユニット28が配置されている。
【0027】
旋回フレーム4の後部には、エンジン23を跨ぐように支持部材43が設けられており、この支持部材43は旋回フレーム4の一部を構成している。支持部材43は、後述する床フレーム29の後部取付板29C(図4及び図5参照)を取り付けるための上板43Aと、この上板43Aを支持する左前支柱43B、左後支柱43C、右前支柱43D、及び右後支柱43Eとで構成されている。支持部材43の上板43Aには、床フレーム29の後部取付板29Dの取付穴に対応して複数のボルト穴43Aaが形成され、後部取付板34の取付穴に挿通したボルト(図示せず)を支持部材43のボルト穴43Aaに螺合することにより、後部取付板34を支持部材43に着脱可能に固定できるようになっている。
【0028】
図4は、外装カバー8を取り外した上部旋回体2を右側から見た側面図であり、図5は、外装カバー8を取り外しかつキャブ7を上方に傾転(チルトアップ)した状態で上部旋回体2を右側から見た側面図である。図4及び図5では、主要構成部材を分かりやすく示すため、エンジン、燃料タンク等、旋回フレーム4上に配置した機器を取り外している。
【0029】
図4及び図5において、キャブ7は下部に床フレーム29を有し、床フレーム29は、ベースとなる運転席に着座した作業員の足乗せ場となる足乗せ板29Aと、足乗せ板29Aの後端から上向きに立ち上げるように設けられてエンジン23を部分的に覆う隔壁板29Bと、隔壁板29Bの上端部分に設けられた後部取付板29Cと、足乗せ板29Aの右側端部から立ち上がった側面板29Dとで大略構成されている。床フレーム29の前端部と旋回フレーム4の前梁4E(図3参照)との間には、キャブ7を旋回フレーム4に対してキャブ7の前側を支点として傾転可能に連結する回転連結装置53が設けられ、キャブ7の床フレーム29の側面板29Dと旋回フレーム4の支持部材43の右前支柱43Dとの間には、キャブ7を旋回フレーム4に対して上下方向に傾転させる傾転装置60が設けられている。また、キャブ7の床フレーム19の足乗せ板29Aの底面と旋回フレーム4の左サイドガード部材4J(図3参照)との間には、キャブ7を傾転装置60によってメンテナンス作業に適した所定角度(例えば40°程度)まで傾転させたときに、その角度位置にキャブ7を保持しキャブ7の落下を防ぐストッパ装置70が設けられている。
【0030】
なお、本明細書では、傾転装置60によりキャブ7を上方に傾転することを「チルトアップ」といい、下方に傾転することを「チルトダウン」という。
【0031】
図6は、キャブ7を上方に傾転(チルトアップ)した状態で上部旋回体2を斜め左前側から見た斜視図であり、図7は回転連結装置53の拡大斜視図である。
【0032】
図6及び図7において、回転連結装置53は、キャブ7の床フレーム29の前端部下面にボルトあるいは溶接等により取付けられる床フレーム側支持梁30と、旋回フレーム4の前梁4Eの上面にボルト或いは溶接等により取付けられる旋回フレーム側支持梁40とを有している。床フレーム側支持梁30は断面L字状のアングル材であり、縦板部分30aと横板部分30bとで構成されている。旋回フレーム側支持梁40は一枚の平板である。床フレーム側支持梁30の横板部分30bの下面には、左右に2対のU字型の床側ブラケット部材100,101が取り付けられている。ブラケット部材100は横板部材30bの下面に溶接により取付けられ、ブラケット部材101は横板部材30bの下面にボルト41a,41bにより取付けられている。旋回フレーム側支持梁40の上面にはフレーム側ブラケット部材104がボルト45a,45bにより取付けられ、フレーム側ブラケット部材105がボルト42a,42bにより取付けられている。床側ブラケット部材100、101とフレーム側ブラケット部材104,105とはピン102,103で連結され、これによりキャビン7は旋回フレーム4に対し傾転可能に支持されている。ピン102,103の軸心は旋回フレーム4のチルトアップ回転中心と一致する。
【0033】
図8は、傾転装置60の斜視図である。傾転装置60は、取付ブラケット61とガイドレール63とねじ軸64と移動部材65を有し、ガイドレール63の基端は取付ブラケット61に連結ピン62により上下方向に回動可能に取付けられ、取付ブラケット61は旋回フレーム4側の支持部材51にボルト止めされている。ガイドレール63は基端側(取付ブラケット61側)と自由端側の間で移動部材65を直線的に案内するためのものである。ねじ軸64は外周にねじ山が刻設された棒状体であり、ガイドレール63の各レール間に設けられ、移動部材65に形成された螺合穴67に螺合している。ガイドレール63の自由端側には先端連結板68が設けられ、この先端連結板68にねじ軸64がスラスト軸受を介して回動可能に支持されている。ねじ軸64の他端は自由端となっている。移動部材65はガイドレール63の各レール間を移動可能に配置され、他端を側面板54に取付けられたスリーブ55に挿通し、この状態でボルト66により螺着され、抜き止めされている。ねじ軸64の先端側には六角形の工具連結部69が設けられ、ねじ軸64に固着されている。工具連結部69はボルトをしめるレンチ等のねじ締め工具を外部から連結できるようになっている。これによりねじ軸64をレンチで回転駆動することができ、螺合した移動部材65をガイドレール63に沿って移動させることができる。
【0034】
図9は、キャブ7をチルトアップしたときの状態を上部旋回体2を左側から見た図であって、キャブ7のストッパ装置部分の表面板の一部を欠損して示す図である。図10はストッパ装置の拡大図である。
【0035】
ストッパ装置70は、ベース金具71と、ストッパ金具72と、ストッパ受け金具73と、回り止め金具74とを有している。ベース金具71は旋回フレーム4の左サイドガード部材4J(図3参照)にボルトで取り付けられ、ストッパ金具72はベース金具71の上端部分に回転可能にピン結合されている。ストッパ受け金具73は床フレーム29の足乗せ板29Aの裏面にボルトで取り付けられ、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度に傾転したときに、ストッパ金具72を受ける形状を有している。回り止め金具74はストッパ金具72のベース金具71との連結点近傍の位置でストッパ金具72に回転可能にピン結合されている。ベース金具71の上端面には円弧形状の凹面が形成され、回り止め金具74の先端には円弧形状の凸面が形成され、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップし、作業員がストッパ金具72をストッパ受け金具73内にセットしたとき、回り止め金具74が図示の如くベース金具71の円弧状の凹面に入り込んで停止する。これによりストッパ金具72の図示時計回りの回転を阻止し、万一、キャブ7が下方に傾転しようとしたときに、その傾転を防止するようになっている。作業員が回り止め金具74を反時計方向に回転させると、回り止め金具74はベース金具71の円弧状の凹面から容易に離脱し、ストッパ金具72を自由に回動させセット状態を解除することができる。
【0036】
図4及び図5に戻り、キャブ7をチルトアップする場合には、床フレーム29の後部取付板29Cと旋回フレーム4の支持部材43の上板43Aを連結しているボルトをはずし、傾転装置60のねじ軸64の先端側にある六角形の工具連結部69にレンチ等を連結し、ねじ軸64を回転駆動する。これにより移動部材65はガイドレール63に沿って図4、図5及び図8に示される矢印C方向に移動し、傾転装置60は連結ピン62を中心に上方向に回動し、同時に移動部材65が取付けられた側面板29Dを備える床フレーム29及びキャブ7は回転連結装置53を中心に、図4に示す通常位置から図4、図5及び図8で矢印A方向として示される上側ないし前側にむけてチルトアップする。キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度(例えば40°)まで傾転すると、図9に示すようにをストッパ装置70をセットし、その角度位置にキャブ7を保持しキャブ7の万が一の落下を防止する。
【0037】
このようにキャブ7をチルトアップし、ストッパ装置70をセットしてキャブ7の落下を防止した状態で、メンテナンス作業員は、キャブ7の下側に配設されたエンジン23、油圧ポンプ24、コントロールバルブユニット28等の点検、整備、修理等のメンテナンス作業を行う。各種作業が終わった後、レンチでねじ軸64を逆方向に回動駆動することにより、移動部材65は図4、図5及び図8に示される矢印D方向に移動し、傾転装置60は連結ピン62を中心に下方向に回動し、同時に移動部材65が取付けられた側面板29Dを備える床フレーム29及びキャブ7は回転連結装置53を中心に図4、図5及び図8で矢印B方向として示される下側方向にチルトダウンする。そして、キャブ7が図4に示す通常位置に戻った後、床フレーム29の後部取付板29Cと旋回フレーム4の支持部材43の上板43Aボルト止めすることにより、キャブ7は旋回フレーム4上に再び固定され、メンテナンス作業が終了する。
【0038】
次に、本発明の特徴となる部分について説明する。
図11は、図7に示した回転連結装置53のロータリスイッチ部分を拡大して示す図であり、図12及び図13は、スイングポスト5とブーム17の連結部(ロータリスイッチ部分)を拡大して示す図である。図12はブームをチルトダウンした状態、図13はブームをチルトアップした状態を示している。
【0039】
図11〜図13において、本実施の形態における油圧ショベルにおいては、安全装置として、回転連結装置53の部位に、キャブ7の上下方向の傾転を検出する第1及び第2ロータリスイッチ36,136(第1回転検出装置)が設けられ、スイングポスト5とブーム17の連結部に、ブーム17の上下方向の回動を検出する第3ロータリスイッチ80(第2回転検出装置)が設けられている。
【0040】
第1及び第2ロータリスイッチ36,136について説明する。
【0041】
図11において、床フレーム側支持梁30の縦板部分30aに取付金具34がボルト46a、46bにより取付けられ、その取付金具34に第1ロータリスイッチ36がボルト48により取付けられている。取付金具34は縦板部分30aに対する取付板部分34aと、この取付板部分34aに立上部34cを介してつながり、取付板部分34aと異なる高さに位置するロータリスイッチ36の取付板部分34bとを有し、取付金具34は取付板部分34bでボルト46a,46bにより床フレーム側支持梁30の縦板部分30aに取り付けられている。
【0042】
第1ロータリスイッチ36は取付板部分36aを備えたスイッチ本体38と、このスイッチ本体38に対して回動可能に取付けられた回転レバー37とを有し、第1ロータリスイッチ36は取付板部分36aでボルト48により取付金具34の取付板部分34bに取り付けられている。スイッチ本体38からは配線39が伸びている。
【0043】
第1ロータリスイッチ36の取付位置は取付板部分34bの高さ(立上部34cの高さ)と第1ロータリスイッチ36の取付板部分36aの位置によって決まり、第1ロータリスイッチ36は、その高さ及び位置を適宜設定することにより、回転レバー37の回転中心が旋回フレーム4に対するキャブ7のチルトアップ回転中心であるピン102,103の軸心に一致するように、つまり第1ロータリスイッチ36はチルトアップ回転中心(ピン102,103の軸心)とほぼ同軸に位置するように取り付けられている。
【0044】
旋回フレーム4の旋回フレーム側支持梁40の上面には、回転レバー37に対向しかつ回転レバー37から所定の隙間をあけて、ストッパプレート35が設けられ、回転レバー37はキャブ7をチルトアップするときに、ストッパプレート35と係合する。ストッパプレート35はボルト47a,47bにより旋回フレーム側支持梁40に取り付けられている。
【0045】
第2ロータリスイッチ136も第1ロータリスイッチ36と同様に構成され、かつ床フレーム側支持梁30の縦板部分30aに第1ロータリスイッチ36と同様に取り付けられている。また、第1ロータリスイッチ36の場合と同様、ストッパプレート135が設けられている。図中、第2ロータリスイッチ136に係わる構成部品には、第1ロータリスイッチ36の構成部品の参照番号を100番台の数字に変更した参照番号を付している。
【0046】
図14は第1及び第2ロータリスイッチ36,136の回転レバー37,137の動作状態を示す図である。
【0047】
第1ロータリスイッチ36は回転レバー37がストッパプレート35に接触していないフリー状態(以下適宜定常状態という)において接点を閉じる通常閉のスイッチであり、回転レバー37がストッパプレート35に接触していない定常状態にあるときの回転レバー37の角度を0°とすると、回転レバー37は0°〜90°の範囲で回転可能であり、かつ90°から0°の方向に自動復帰する構成となっている。また、第1ロータリスイッチ36は、図14の左側に示すように、回転レバー37がαの回転範囲にあるときは接点閉の状態を保ってONであり、回転レバー37の回転角度がそれ以上になると接点を開いてOFFとなる。αは、キャブ7のチルトアップの開始を検出するための角度であり、例えば0°〜±5°程度である。
【0048】
第2ロータリスイッチ136も第1ロータリスイッチ36と同様の通常閉のスイッチである。また、第2ロータリスイッチ136は、図14の右側に示すように、回転レバー137がβの回転範囲にあるときは接点閉の状態を保ってONであり、回転レバー37の回転角度がそれ以上になると接点を開いてOFFとなる。βは、メンテナンス作業に適したキャブ7の傾転角度であり、例えば20°±5°程度である。
【0049】
以上の構成の結果、メンテナンス作業のためキャブ7を図4に示す通常位置からチルトアップさせるとき、第1及び第2ロータリスイッチ36,136の回転レバー37,137がストッパプレート35,135に係合して押されて回転し、第1ロータリスイッチ36の回転角度がα(0°〜±5°程)の範囲を超えると接点が開いて、第1ロータリスイッチ36はONからOFFに切り換わり、キャブ7を更にチルトアップし、第2ロータリスイッチ136の回転角度がβ(20°〜±5°)の範囲を超えると接点が開いて、第2ロータリスイッチ136もONからOFFに切り換わる。
【0050】
第3ロータリスイッチ80(第2回転検出装置)について説明する。
図12及び図13において、ブーム17の基端にはブーム17と一体に回転するピン111が取り付けられ、スイングポスト5の上端にはピン111が回転可能に挿入されるボス112が設けられ、ブーム17はピン111をボス112に挿入することによりスイングポスト5に対して上下方向に回動可能に連結されている。
【0051】
第3ロータリスイッチ80の基本構成は、第1及び第2ロータリスイッチ36,136と同じであり、スイッチ本体81と回転レバー82とを有している。スイッチ本体81は、回転レバー82の回転中心がピン111の軸心に一致するように、つまり第3ロータリスイッチ80の回転中心がブーム17の回動中心(ピン111の軸心)とほぼ同軸に位置するように、ボルト84a,84bによってピン111の端面に取り付けられている。スイングポスト5のボス112の端面にはストッパピン83が取り付けられ、ブーム17が上方に回動するとき、ストッパピン83に第3ロータリスイッチ80の回転レバー82が係合する。
【0052】
図15は第3ロータリスイッチ80の回転レバー82の動作状態を示す図である。
【0053】
第3ロータリスイッチ80は回転レバー82がストッパピン83に接触していないフリー状態(以下適宜定常状態という)において接点を閉じる通常閉のスイッチであり、回転レバー82がストッパピン83に接触していない定常状態にあるときの回転レバー82の角度を0°とすると、回転レバー82は0〜90度の範囲で回転可能である。また、第3ロータリスイッチ80は、回転レバー82が0°にある(回転レバー82が非回転である)ときは、接点を閉じてONであり、回転レバー82が回転し、回転角度が0°を超えると接点を開いてOFFとなる。
【0054】
図12は、キャブ7を傾転装置60によってメンテナンス作業に適した所定角度まで傾転させたときに、キャブ7がブーム17に接触しない回動角度範囲のうち最上の角度位置にブーム17があるときの状態を示しており、図15に実線で示す回動レバー82は図12に示す位置にある場合を示している。ブーム17を下方に回動させ、ブーム17が図12に示す位置を超えたとき、回動レバー82がストッパピン83に当たらなくなり、第3ロータリスイッチ80は接点を閉じてOFFからONに切り換わる。逆に、ブームを上方に回動させ、ブーム17が図12に示す位置を超えたとき、回動レバー82がストッパピン83に当たり、第3ロータリスイッチ80は接点を開いてONからOFFに切り換わる。
【0055】
図16は油圧ショベルの安全装置の全体構成を示す図である。安全装置は、前述した第1及び第2ロータリスイッチ36,136と、第3ロータリスイッチ80と、コントローラ85(制御装置)と、ブザー86(報知装置)とを有している。コントローラ85は、第1及び第2ロータリスイッチ36,136と第3ロータリスイッチ80の出力信号に基づいて、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度まで傾転させた場合にキャブ7とブーム17が接触する可能性のある回動角度にブーム17が位置する状態で、キャブ7が図4に示す通常位置から上方へ傾転したときは、第1報知信号を出力してブザー86を第1の態様で作動させ、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度まで傾転したときは、第2報知信号を出力してブザー86を第2の態様で作動させる。
【0056】
図17はコントローラ85の処理内容を示すフローチャートである。
コントローラ85は、第1及び第2ロータリスイッチ36,136と,第3ロータリスイッチ80の出力信号を入力し、第1ロータリスイッチ36が閉(ON)から開(OFF)に切り換わると、キャブ7のチルトアップが開始されたと判断する(ステップS100)。次いで、第3ロータリスイッチ80が閉(ON)であるかどうかを判定し(ステップS110)、第3ロータリスイッチ80が開(OFF)である場合は、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップさせたときにキャブ7がブーム17と接触する可能性があるため、第1報知信号を出力し(ステップS120)、ブザー86を例えば連続的に(第1の態様で)吹鳴して、キャブ7をそのままチルトアップするとキャブ7がブーム17と接触する可能性があることを作業員に知らせる。次いで、第1ロータリスイッチ36が閉(ON)となったかどうかを判定し(ステップS130)、第1ロータリスイッチ36が閉(ON)になり、キャブ7が最所の位置までチルトダウンしたことを確認すると、第1報知信号の出力を停止し(ステップS140),ブザー86の吹鳴を停止する。
【0057】
一方、キャブ7のチルトアップを開始したとき、ステップS110の判定で、第3ロータリスイッチ80が閉(ON)である場合は、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップさせてもキャブ7がブーム17と接触する可能性がないため、ブザー86を吹鳴せず、キャブ7をチルトアップするがままとする。次いで、第2ロータリスイッチ136が開(OFF)となったかどうかを判定し(ステップS150)、第2ロータリスイッチ136が開(OFF)となると、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップしたため、第2報知信号を出力し(ステップS160)、ブザー86を例えば数回断続的に(第2の態様で)吹鳴して、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップしたことを作業員に知らせる。
【0058】
以上のように構成した本実施の形態によれば、キャブ7をメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップした場合にキャブ7とブーム17が接触する可能性のある回動角度にブーム17が位置する状態で、キャブ7が図4に示す通常位置からチルトアップしたときは、ブザー86(報知装置)が例えば連続的に(第1の態様で)吹鳴して、キャブ7をそのままチルトアップするとキャブ7がブーム17と接触する可能性があることを作業員に知らせるため、作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる。また、キャブ7をチルトアップするときは、ブザー86(報知装置)が例えば数回断続的に(第2の態様で)吹鳴して、キャブ7がメンテナンス作業に適した所定角度までチルトアップしたことを作業員に知らせるめ、これによっても作業員が気付かずにキャブのチルトアップを続けてキャブとフロント作業機が接触することを防止することができる。
【0059】
また、キャブ7のチルトアップを開始したとき、ブザー86(報知装置)が例えば連続的に(第1の態様で)吹鳴し、キャブ7をそのままチルトアップするとキャブ7がブーム17と接触する可能性がある場合は、フロント作業機3のブーム17を一旦下げてから再度キャブ7をチルトアップするが、このとき、ブーム17がキャブ7と接触する可能性のない回動角度まで下がっていない場合は、キャブ7のチルトアップ開始時にブザー86(報知装置)が直ちに吹鳴し、そのことを作業員に知らせるため、作業員は、キャブ7とブーム17の距離やストッパ装置70がセットできるかどうかを何度も確認しながらキャブ7をチルトアップしなくても済み、効率良く、キャブ7のチルトアップを行うことができる。
【0060】
また、キャブ7の上下方向の傾転を検出する手段(第1回転検出装置)を比較的安価なロータリスイッチ(第1及び第2ロータリスイッチ36,136)で構成し、ブーム17の上下方向の回動を検出する手段(第2回転検出装置)も同様に比較的安価なロータリスイッチ(第3ロータリスイッチ80)で構成したため、安全装置の全体システムを安価に構成することができる。
<その他>
なお、以上に説明した実施の形態は本発明の精神の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、第1及び第2回転検出装置をそれぞれロータリスイッチを用いて構成したが、第1及び第2回転検出装置の少なくとも一方を回転センサを用いて構成し、その信号をコントローラで判定し、キャブ7の上下方向の必要な傾転角度或いはブーム17の上下方向の必要な回動角度を検出してもよい。また、回転連結装置53、傾転装置60、ストッパ装置70はそれぞれの機能を果たし得る限り、その他の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 フロント作業機
4 旋回フレーム
4A 底板
4B,4C 右・左の縦板
4D 支持ブラケット
4E 前梁
4F 中梁
4G アンダーカバー
4H 左サイドフレーム
4I 右サイドフレーム
4J 左サイドガード部材4J
5 スイングポスト
7 キャブ
17 ブーム
18 アーム
19 バケット
23 エンジン
24 油圧ポンプ
25 熱交換器
26 作動油タンク
27 燃料タンク
28 コントロールバルブユニット
29 床フレーム
29A 足乗せ板
29D 側面板
30 床フレーム側支持梁
34 取付金具
35 ストッパプレート
36 第1ロータリスイッチ(第1回転検出装置)
37 回転レバー
38 スイッチ本体
40 旋回フレーム側支持梁
43 支持部材
43D 右前支柱
53 回転連結装置
60 傾転装置
61 取付ブラケット
62 連結ピン
63 ガイドレール
64 ねじ軸
65 移動部材
66 ボルト
67 螺合穴
69 工具連結部
70 ストッパ装置
71 ベース金具
72 ストッパ金具
73 ストッパ受け金具
74 回り止め金具
80 第3ロータリスイッチ(第2回転検出装置)
81 スイッチ本体
82 回転レバー
83 ストッパピン
84a,84b ボルト
100,101 床側ブラケット部材
102,103 ピン
104,105 フレーム側ブラケット部材
111 ピン
112 ボス
135 ストッパプレート
136 第2ロータリスイッチ(第1回転検出装置)
137 回転レバー
138 スイッチ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と旋回体とフロント作業機とを備え、
前記旋回体は旋回フレームとキャブとを有し、
前記フロント作業機は、ブームと、このブームの先端に上下方向に回動可能に連結されたアームと、このアームの先端に上下方向に回動可能に連結された作業具とを有し、
前記旋回フレームはその前部に水平方向に回動可能なスイングポストを有し、
前記ブームは前記スイングポストに上下方向に回動可能に連結されている建設機械において、
前記キャブを前記旋回フレームに対して傾転可能に連結する回転連結装置と、
前記キャブを前記旋回フレームに対して上下方向に傾転させる傾転装置と、
前記キャブをメンテナンス作業に適した所定の角度位置に保持するストッパ装置と、
前記キャブの上下方向の傾転を検出する第1回転検出装置と、
前記ブームの上下方向の回動を検出する第2回転検出装置と、
報知装置と、
前記第1回転検出装置及び前記第2回転検出装置の出力信号に基づいて、前記キャブを前記所定角度まで傾転させた場合に前記キャブと前記ブームが接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置する状態で、前記キャブが上方へ傾転したときは、第1報知信号を出力して前記報知装置を第1の態様で作動させ、更に前記キャブが前記所定角度まで傾転したときは第2報知信号を出力して前記報知装置を第2の態様で作動させる制御装置とを備えることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械において、
前記第1回転検出装置は、前記キャブが上方へ傾転するときに第1信号を出力する第1ロータリスイッチと、前記キャブが前記所定角度まで傾転したときに第2信号を出力する第2ロータリスイッチとを有し、
前記制御装置は、前記第2回転検出装置の出力信号が、前記キャブが前記所定の角度まで傾転した場合に前記キャブと前記ブームと接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置することを示し、かつ前記第1ロータリスイッチから前記第1信号を入力したときに、前記第1報知信号を出力し、前記第2ロータリスイッチから前記第2信号を入力したときに、前記第2報知信号を出力することを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2記載の建設機械において、
前記第2回転検出装置は、前記キャブが前記所定の角度まで傾転した場合に前記キャブと前記ブームが接触する可能性のある回動角度に前記ブームが位置するときに第3信号を出力する第3ロータリスイッチを有し、
前記制御装置は、前記第3ロータリスイッチから前記第3信号を入力し、かつ前記第1回転検出装置の出力信号が前記キャブが上方へ傾転したことを示すときに、前記第1報知信号を出力することを特徴とする建設機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate