弁体の試験装置
【課題】アダプタを省スペースでかつ容易に取り付け台に取り付けることができる弁体の試験装置を提供することである。
【解決手段】他方の面202側において突出または没入するクランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bと、他方の面202にレバー支持体220a,220bを持ち、エアシリンダの出力を突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点とし、レバー支持体220a,220bと突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点との間に作用点を持つクランプレバー210a,210bとを含む。突出部材231a,231bが突出することによりクランプレバー210a,210bが移動し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bがアダプタ300と取り付け台200とを密着させる。
【解決手段】他方の面202側において突出または没入するクランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bと、他方の面202にレバー支持体220a,220bを持ち、エアシリンダの出力を突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点とし、レバー支持体220a,220bと突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点との間に作用点を持つクランプレバー210a,210bとを含む。突出部材231a,231bが突出することによりクランプレバー210a,210bが移動し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bがアダプタ300と取り付け台200とを密着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気弁の動作確認のために使用される弁体の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁体に対して、一定期間毎に、正常に駆動が可能か、または弁体の漏れがないか等の試験が行われている。この弁体を試験するための弁体の試験装置については、種々の研究または開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、部品点数が少なく、且つ作業者が手を挟み込むことがなく、安全性の高いワークのチャッキング装置を提供するワークのチャッキング装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載のワークのチャッキング装置は、圧力流体源から供給される圧力流体を方向切換弁を介してチャッキングレバーが接続された流体圧シリンダに切換供給することにより、チャッキングレバーを作動させるワークのチャッキング装置において、流体圧シリンダを、ロッド側室のピストン受圧面積に対しヘッド側室のピストン受圧面積を大きく設定するとともに、方向切換弁からヘッド側室に圧力流体を導入されてチャッキングレバーをチャッキングさせ、またロッド側室に圧力流体を導入されてチャッキングレバーをアンチャックさせる構成とし、流体圧シリンダのロッド側室と方向切換弁とを接続する定常位置と、このロッド側室とヘッド側室とを連通する連通位置とに切り換える連通切換弁を設けたものである。
【0005】
特許文献2には、ブレーキ弁の試験を読み取りや記録間違い等を生じることなく安定して自動的に行うブレーキ弁自動試験装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載のブレーキ弁自動試験装置は、車両等のブレーキ装置に設けられ、ブレーキ弁本体のカム軸を回転させることにより、このカム軸の回転角度に応じて制動に必要な圧力を出力するとともに電気信号を出力するブレーキ弁を試験するブレーキ弁自動試験装置であって、カム軸に係合し、このカム軸を回転させる駆動モータと、該駆動モータによって回転されるカム軸の回転角度に応じて出力される圧力を測定する圧力センサと、駆動モータによって回転されるカム軸の回転角度に応じて開閉される電気接点の開閉を検出する検出部と、駆動モータの駆動を制御する制御部と、圧力センサ及び検出部からの信号に基づいて、カム軸の回転角に応じたブレーキ弁の出力圧及び電気接点の開閉状態を試験結果として求めるデータ処理部とを具備するものである。
【0007】
特許文献3には、少ない構成部品で試験時間の短縮も図ることができる電磁弁試験装置について開示されている。
【0008】
特許文献3記載の電磁弁試験装置は、電磁弁の性能を試験する電磁弁試験装置であって、電磁弁が取り付けられる複数の取り付け台と、取り付け台に取り付けられた電磁弁を駆動させる制御部と、制御部と電磁弁とを接続する電気線と、電磁弁の流体流入側である1次側に作動流体を供給する作動流体供給源と、作動流体供給源と電磁弁とを接続する流体供給経路と、各取り付け台にそれぞれ対応して流体供給経路に設けられ、電磁弁の1次側で当該経路を連通状態と遮断状態とにそれぞれ切り換える1次側切換弁と、各取り付け台にそれぞれ対応して設けられ、電磁弁の1次側圧力をそれぞれ測定する1次側圧力センサとを備え、電磁弁が複数取り付けられている場合に、各1次側切換弁を介して各電磁弁の1次側に一斉に所定の圧力の作動流体を閉じ込めた後に、各1次側圧力センサにより各電磁弁の1次側の圧力降下を測定し、各電磁弁からの作動流体の漏洩の有無を試験するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−300563号公報
【特許文献2】特開平11−165632号公報
【特許文献3】特開2004−125809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のワークのチャッキング装置においては、電磁弁の取り付けの際、電磁弁の取り付け孔に案内棒を挿入する作業や仮固定および本固定の2工程を行わせており、弁体の取り付け時間がかかることとなり、時間のロスが生じていた。
【0011】
また、特許文献2記載のブレーキ弁自動試験装置によれば、圧力の値や接点信号の変化を計器から目視で読み取り、手で記録するような作業員の労力を削減することができるが、ブレーキ弁を取り付ける作業および手間を削減することはできない。
【0012】
さらに、特許文献3記載の電磁弁試験装置によれば、取り付け台に取り付けた複数の電磁弁の漏洩試験を一斉に行うことができるため、試験作業時間を短縮できるという効果を奏する。そして、各取り付け台に取り付けられた複数の電磁弁に対して共通化された1つの作動流体供給源で対応できるため、構成部品点数を少なくすることができるという効果を奏する。
【0013】
しかしながら、一般的に、流体として空気などの圧縮性流体を用いる弁体の試験装置では、試験対象の弁体の応答速度を測定するにあたり、試験対象の弁体と、当該弁体に供給する流圧体をオンおよびオフするための弁体(圧力供給弁体)との間の空気通路を極力短くする必要がある。すなわち、流体の圧縮性による圧力の伝達遅延による影響を限りなく小さくするため、空気通路を短くする必要がある。
また、多様な弁体を同じ試験装置で試験するため、試験装置および試験対象の弁体の間にアダプタを取り付けるように構成されるが、このアダプタ内の流路を短くするとともに、アダプタの取り付けも容易であることが好ましい。
【0014】
以上のことより、アダプタを取り付ける取り付け台の近傍には、弁体へ流体圧を供給する圧力供給弁体が複数配設されており、更にこの圧力供給弁体は試験対象の弁体への流体供給量に対応した大きさが必要であるため、試験対象の弁体が大きくなると圧力供給弁体も大きくなる。従って、アダプタを取り付け台に取り付けるためのスペースが限られてくる。このような狭いスペースでアダプタを試験装置に螺子締結させることは、困難であり、作業者の作業効率が低下し、試験準備に係る時間がかかっていた。
【0015】
本発明の目的は、アダプタを省スペースでかつ容易に取り付け台に取り付けることができる弁体の試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)
一局面に従う弁体の試験装置は、空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う弁体の試験装置であって、平面部を有し、平面部に空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられた配管座面と、試験対象となる弁体を着脱する着脱装置および弁体へ空気を供給する接続配管を有し、かつクランプ受け部材を有するアダプタと、配管座面の平面部上に載置されることにより接続配管口とアダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵され、かつ第1面にアダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する取り付け台と、配管座面の平面部上で、かつ取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置され、弁体への流体の供給を制御する圧力供給弁体と、を含み、アダプタ取り付け装置は、第2面側において突出または没入するエアシリンダと、第2面に支点を持ち、エアシリンダの出力を力点とし、支点と力点との間に作用点を持つクランプレバーと、を含み、エアシリンダが突出することによりクランプレバーが移動し、クランプ受け部材がアダプタと取り付け台とを密着させるものである。
【0017】
弁体の試験装置は、空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う。配管座面の平面部には、空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられている。アダプタは、試験対象となる弁体を着脱する着脱装置および弁体へ空気を供給する接続配管を有する。また、アダプタは、クランプ受け部材を有する。取り付け台は、配管座面の平面部上に載置されることにより接続配管口とアダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵されている。さらに、取り付け台は、第1面にアダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する。圧力供給弁体は、配管座面の略水平面部上で、かつ取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置されており、弁体への流体の供給を制御する。
【0018】
アダプタ取り付け装置は、第2面側において突出または没入するエアシリンダと、第2面に支点を持ち、エアシリンダの出力を力点とし、支点と力点との間に作用点を持つクランプレバーとを含む。アダプタ取り付け装置において、エアシリンダが突出することによりクランプレバーが移動し、クランプ受け部材がアダプタと取り付け台とを密着させる。
【0019】
この場合、弁体の試験装置は、アダプタ取り付け装置を有するので、アダプタ取り付け作業を簡素化することができる。また、特に、支点を取り付け台の第2面側に配置し、さらに、作用点を支点と力点との間に配置させたことにより、取り付け台の第2面側のスペースが少ない場合であっても、アダプタの取り付けを容易に行うことができる。すなわち、圧力供給弁体が取り付け台の第2面側にある場合でも、アダプタの取り付けを容易に行うことができる。
また、エアシリンダを用いているので、空気源から空気を享受し、容易に動力源とすることができる。
【0020】
(2)
クランプレバーは側方に移動可能に設けられ、クランプレバーが側方に移動した場合に、クランプ受け部材に設けられた孔にクランプレバーが貫通してもよい。
【0021】
この場合、クランプレバーをクランプ受け部材の孔に貫通させることにより、アダプタの落下を防止することができる。
【0022】
(3)
弁体の試験装置は、少なくともクランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していることを検知するセンサをさらに備え、センサが非検知の場合には、空気源からの供給を停止してもよく、または前記空気源からの供給が開始されないようにしてもよい。
【0023】
この場合、クランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していない場合に、エアシリンダの駆動を停止することができる。すなわち、クランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していない場合、取り付け台からアダプタが外れる可能性があるため、空気源からの空気の供給を停止または空気源からの供給を開始しないようにする。その結果、弁体の試験時には、確実に取り付け台とアダプタとを密接に取り付けることができる。また、クランプ忘れによるアダプタ落下を防止することができる。
【0024】
(4)
クランプ受け部材は、アダプタに設けられた被係止部材と、クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた被係止部材に係止可能な係止部材とを含んでもよい。
【0025】
この場合、クランプ受け部材は、アダプタに設けられた被係止部材と、クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた被係止部材に係止可能な係止部材とからなるので、アダプタを容易に取り付け台に取り付けることができる。
【0026】
(5)
被係止部材は、棒状部材からなり、係止部材は、長手方向を有する板状部材からなり、一端側がクランプレバーに回動可能に軸支され、他端側が棒状部材と嵌合可能な形状からなってもよい。
【0027】
この場合、取り付け台に設けられるクランプレバーおよびアダプタの間を板状部材からなる係止部材を回動させることで係止させることができる。その結果、取り付け台にアダプタを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る弁体の試験装置の一例を示す模式図
【図2】水平面部を有する試験台テーブル上の状態を示す模式的平面図
【図3】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図4】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図5】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図6】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図7】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図8】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図9】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図10】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図11】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図12】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図13】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図14】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【図15】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【図16】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、鉄道車両等に使用される空気弁の弁体の試験装置について説明を行う。なお、本発明は、鉄道車両の空気弁に限定されるものではなく、他の車両又は車両以外の気体弁および流体弁についても適用することができる。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100の一例を示す模式図である、図1(a)は弁体の試験装置100の正面図を示し、図1(b)は弁体の試験装置100の側面図を示す。
【0031】
図1(a)に示すように、弁体の試験装置100は、試験機本体101および制御ボックス102からなる。制御ボックス102には、制御盤、コンピュータ、キーボード、マウスおよびプリンタ等(図示せず)が設けられている。また、図1(a)に示すように、試験機本体101には、上部に信号灯900a,900bが配設され、液晶ディスプレイおよび計測器800が配設されている。
【0032】
これらの計測器800は、圧力変換器および圧力センサ等が使用されている。例えば、空気圧測定用としてアンプ内蔵型歪ゲージ式圧力変換器等が用いられ、漏れ測定および空気源圧力測定用としてアンプ内蔵型半導体式圧力センサ等が用いられる。また、計測器800には、電気信号を空気圧に変換する電空レギュレータ等も内蔵される。
【0033】
また、図1(b)に示すように、試験機本体101には、水平面部を有する試験台テーブル110が設けられ、その試験台テーブル110上に2台の取り付け台200が設けられる。取り付け台200は、いずれも同一形状のものからなる。また、取り付け台200には、それぞれ個々にアダプタ300が取り付けられる。また、アダプタ300には、個々に試験対象である弁体400が取り付けられる。当該アダプタ300は、弁体400に対応するアダプタであり、弁体の種別が異なることにより、当該弁体に応じたアダプタが取り付けられる。
【0034】
なお、図1においては、取り付け台200が2台の場合について説明を行ったが、これに限定されず、他の任意の数の取り付け台200を設けてもよい。以下、取り付け台200およびアダプタ300の取り付け詳細について説明する。
【0035】
図2は、水平面部を有する試験台テーブル110上の状態を示す模式的平面図である。
【0036】
図2に示すように、試験台テーブル110の上には、主に取り付け台200および圧力供給弁体500が設けられている。取り付け台200には、アダプタ300が取り付けられ、アダプタ300に弁体400が取り付けられている。
【0037】
ここで、圧力供給弁体500は、弁体400の近傍に設けられる。すなわち、一般的に、流体として空気などの圧縮性流体を用いる弁体の試験装置100においては、試験対象の弁体400の応答速度を測定するにあたり、試験対象となる弁体400と、当該弁体400に供給する流圧体をオンおよびオフするための圧力供給弁体500との間の空気通路を極力短くする必要があるからである。すなわち、流体の圧縮性による圧力の伝達遅延による影響を限りなく小さくするため、空気通路を短くする必要がある。その結果、図2に示すように、取り付け台200の近傍には、弁体400へ流圧体を供給する圧力供給弁体500が複数配設(圧力供給弁体510,〜,圧力供給弁体570)されているので、アダプタ300を取り付け台200に取り付けるためのスペースが限られている。また、圧力供給弁体500は、弁体400への流体供給量に対応した大きさが必要であるため、弁体400が大きくなると圧力供給弁体500も大きくなる。
【0038】
取り付け台200は、クランプレバー210a,210b、レバー支持体220a,220b、クランプシリンダ230a,230bおよび角度調整ボルト240a,240bを含む。角度調整ボルト240a,240bの先端部が、突出部材231a,231bに当接するように、クランプレバー210a,210bに貫通するように設けられたボルト穴に螺合されている。すなわちクランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bの突出量が一定であることから、クランプレバー210a,210bが取り付け台接続部材340a,340bに適切に当接するように角度調整ボルト240a,240bのクランプレバー210a,210bからの突出量を調整することができる。
また、圧力供給弁体500は、複数の圧力供給弁体510,〜,圧力供給弁体570からなる。本実施の形態においては、クランプレバー210a,210bは、断面が矩形状の角柱およびローレット加工等が施された把持部分から構成される。
【0039】
次に、アダプタ300は、弁体チャッキング機構310a,310b、取り付け台接続部材340a,340bを含む。ここで、弁体チャッキング機構310a,310bは、エアクランプ機構からなる。すなわち、弁体チャッキング機構310a,310bが空気源からの空気を用いて作動し、弁体400を保持することができる。また、取り付け台接続部材340a,340bには、それぞれクランプレバー210a,210bを貫通させることが可能な大きさの孔341a,341bが設けられる。孔341a,341bの詳細については、後述する。
【0040】
続いて、図3から図13を用いて試験台テーブル110に取り付け台200を取り付け、順にアダプタ300および弁体400を取り付ける手順について説明を行う。
【0041】
図3,図4,図8,図10,〜,図12は、取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図であり、図5,〜,図7,図9,図13は取り付け手順を説明する模式的平面図である。
【0042】
まず、図3に示すように、試験台テーブル110の内部には、複数の配管P1,P2が設けられている。試験台テーブル110の一端側の上面には、複数の配管P1,P2のそれぞれに対応する接続口C2が設けられている。また図示していないが、試験台テーブル110の下方には他の配管やコック等が配置されている。
【0043】
また、取り付け台200の内部には、複数の配管P11,P12が設けられている。取り付け台200の一方の面201側には、複数の配管P11,P12のそれぞれに対応する接続口C1が設けられている。取り付け台200の下面には、複数の配管P11,P12のそれぞれに対応する接続口C2が設けられている。また、取り付け台200の他方の面202側には、クランプレバー210a,クランプレバー210bが設けられている。
【0044】
図3に示すように、試験台テーブル110の一端側に取り付け台200が矢印F2の方向(鉛直下方向)に移動され、試験台テーブル110に取り付けられる(図4参照)。
【0045】
図3および図4に示すように、取り付け台200の他方の面202側で、かつ試験台テーブル110の上面には、圧力供給弁体500が設けられる。図3〜図13においては、圧力供給弁体500のうち圧力供給弁体510および圧力供給弁体520を例示する。
【0046】
圧力供給弁体510および圧力供給弁体520内には、複数の配管P1,P2が圧力供給弁体510、520内を循環するように配設されている。圧力供給弁体510内の配管P1,P2には、開閉弁511が設けられ、圧力供給弁体520内の配管P1,P2には、開閉弁521が設けられる。
当該開閉弁511および開閉弁521が開閉されることにより複数の配管P1,P2内に空気源からの空気が供給される。具体的に、開閉弁511,521として、小流量回路には直動式小型電磁弁等を使用することができ、大流量回路には、パイロット電磁弁型膜板式開閉弁を用いることができる。
【0047】
続いて、図5に示すように、取り付け台200の一方の面201側からアダプタ300が矢印F3の方向(水平方向)に取り付けられる。この場合、クランプレバー210a,210bは、取り付け台接続部材340a,340bが矢印F3の方向に移動するのを妨害しない位置に配置される。
【0048】
また、図5に示すように、試験台テーブル110には、リミットスイッチS1a,S2aが設けられる。リミットスイッチS1aは、クランプレバー210aが所定の位置にあるか否かを検出し、リミットスイッチS2aは、クランプレバー210bが所定の位置にあるか否かを検出する。リミットスイッチS1a,S2aの働きについては、後述する。
【0049】
次いで、アダプタ300が取り付け台200に対して矢印F3の方向に移動された後、図6に示すように、取り付け台200のクランプレバー210aが矢印−F4の方向に移動され、取り付け台200のクランプレバー210bが矢印F4の方向に移動される。この場合、クランプレバー210aが、アダプタ300の取り付け台接続部材340aの孔341aを貫通する。そして、クランプレバー210aの先端部が、リミットスイッチS1aにより検出され、検出信号を制御ボックス102に与えることにより、クランプレバー210aが差込まれたと判定される。同様に、クランプレバー210bが、アダプタ300の取り付け台接続部材340bの孔341bを貫通する。そして、クランプレバー210bの先端部が、リミットスイッチS2aにより検出され、検出信号を制御ボックス102に与えることにより、クランプレバー210bが差込まれたと判定される。
【0050】
ここで、リミットスイッチS1a,S2aが、クランプレバー210a,210bを検出していない場合には、開閉弁511および開閉弁521が閉状態または、空気源の空気圧縮装置からの空気の供給を制御ボックス102により停止させる。それにより、アダプタ300が取り付け台200に確実に取り付けるまで、空気の供給を開始しないようにすることができる。なお、弁体400が取り付けられていることを別のセンサで検知するようにしている場合は、この別のセンサからの出力をも利用し、両者の検出がONになるまで、制御ボックス102により開閉弁511および開閉弁521を開けない、または空気源のからの空気の供給を開始させないようにしてもよい。更に空気を供給した後に、リミットスイッチS1a,S2aが検知しなくなった場合は、開閉弁511および開閉弁521を閉じて、または空気源の空気圧縮装置からの空気の供給を制御ボックス102により停止させるようにしてもよい。このように構成することで試験作業の安全性を確保できる。
【0051】
さて、アダプタ300の取り付け台接続部材340a,340bが取り付け台200のクランプレバー210a,210bと嵌合され、アダプタ300が取り付け台200に支持される。その結果、アダプタ300の落下を防止することができる。
【0052】
次に、図7に示すように、クランプシリンダ230a,230bが動作する。具体的には、クランプシリンダ230aから突出部材231a(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210aがレバー支持体220aを支点として、矢印R1の方向に回転する。同様に、クランプシリンダ230bの突出部材231b(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210bがレバー支持体220bを支点として、矢印−R1の方向に回転する。
【0053】
この場合、図8に示すように、取り付け台接続部材340aの孔341aが作用点となり、クランプレバー210aが取り付け台接続部材340aの孔341aを矢印F3の方向に移動させる。同様に、取り付け台接続部材340bの孔341bが作用点となり、クランプレバー210bが取り付け台接続部材340bの孔341bを矢印F3の方向に移動させる。
【0054】
また、図8に示すように、アダプタ300内には、複数の配管P21,P22が設けられている。複数の配管P21,P22には、取り付け台200の複数の接続口C1に対向して、複数の接続口C1が設けられている。複数の配管P21,P22には、弁体400に対して複数の接続口C3が設けられている。
【0055】
その結果、図9および図10に示すように、確実に取り付け台200にアダプタ300が押圧して密接に固定され、取り付け台200の複数の接続口C1とアダプタ300の複数の接続口C1とが接続される。
【0056】
さらに、図11に示すように、弁体400を矢印F3の方向から取り付け、アダプタ300のエアクランプ機構である弁体チャッキング機構310a,310bにより押圧して密接に保持させる。
【0057】
その結果、図12および図13に示すように、アダプタ300の複数の配管P21,P22の出口である接続口C3と弁体400の接続口とが接続された状態となる。したがって、取り付け台200およびアダプタ300の接続が、エアクランプ機構からなるので、作業者は、工具が不要となり、ワンタッチの短時間かつ容易に取り付け台200にアダプタ300を取り付け、さらにアダプタ300に弁体400をワンタッチの短時間で取り付けて弁体400の試験を行うことができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
以下、図14から図16を用いて第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aについて説明を行う。以下、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aが第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100と異なる点について説明を行う。
【0059】
図14から図16は、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aにおけるアダプタ300aの取り付け手順の一例を示す説明図である。
【0060】
まず、図14に示すように、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aにおいては、第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100のアダプタ300の取り付け台接続部材340a,340bの代わりに、取り付けピン340c,340dを備え、取り付け台200のクランプレバー210a,210bの代わりに、円柱からなるクランプレバー210c,210dを備え、一対の係合部材600を備える。
【0061】
一対の係合部材600の一端側には、孔部610c,610dが設けられており、他端側には、切り欠き620c,620dが設けられている。
【0062】
孔部610c,610dは、円柱からなるクランプレバー210c,210dの外形よりも僅かに大きなサイズで形成されている。また、切り欠き620c,620dは、取り付けピン340c,340dよりも僅かに大きなサイズで形成されている。
【0063】
一対の係合部材600は、孔部610c,610dに取り付けピン340c,340dが挿入される。そして、一対の係合部材600は、矢印R2の方向に取り付けピン340c,340dを軸として回動する。
【0064】
そして、図15に示すように、切り欠き620c,620dが、取り付けピン340c,340dに係合する。
【0065】
次に、第1の実施の形態と同様に、クランプシリンダ230aから突出部材231a(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210cがクランプシリンダ230aを支点として、矢印R1の方向に回転する。同様に、クランプシリンダ230bの突出部材231b(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210dがクランプシリンダ230bを支点として、矢印−R1の方向に回転する。
【0066】
それにより、図16に示すように、円柱からなるクランプレバー210c,210dが矢印F3の方向に移動することにより、孔部610c,610dが矢印F3の方向に引っ張られ、アダプタ300aが取り付け台200aに押圧して密接に固定される。
【0067】
以上のように、本発明に係る弁体400の試験装置100は、クランプレバー210a,210b、クランプシリンダ230a,230bおよび取り付け台接続部材340a,340bを有するので、アダプタ300の取り付け作業を簡素化することができる。
【0068】
また、特に、レバー支持体220a,220bを取り付け台200の他方の面202側に配置し、さらに、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bを、レバー支持体220a,220bと、突出部材231a,231bおよびクランプレバー210a,210bの接点との間に配置させたことにより、取り付け台200の面202側のスペースが少ない場合であっても、アダプタ300の取り付けを容易に行うことができる。すなわち、圧力供給弁体500が取り付け台200の面202側の直近にある場合でも、作業者からみて後ろ側(面202側)に、手を回して工具を用いてボルトなどを締める作業が不要となり、アダプタ300の取り付けを容易に行うことができる。また、クランプシリンダ230a,230bはエアシリンダからなり、空気源から空気を享受し、容易に動力源とすることができる。
【0069】
さらに、クランプレバー210a,210bを取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bに貫通させることにより、アダプタ300の落下を防止することができる。
【0070】
また、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bにクランプレバー210a,210bが貫通していない場合に、空気源からの弁体400への空気の供給を開始しないあるいは供給を停止することにより、クランプせずに空気を供給することによる弁体400の落下等を防止することができ、作業者の安全性が確保できる。
【0071】
また、第2の実施の形態に係る弁体400の試験装置100aによれば、クランプレバー210c,210dに回動自在に設けられた一対の係合部材600の切り欠き620c,620dと、取り付けピン340c,340dとからなるので、アダプタ300aを容易に取り付け台200aに取り付けることができる。
【0072】
なお、本実施の形態においては、図示していないが、アダプタ300を移動させる際に作業者が保持するハンドル等をアダプタ300に設けてもよい。さらに、アダプタ300を取り付け台200に取り付ける際に逆挿防止のピン等を設けてもよい。
【0073】
さらに、本実施の形態においては、一対の係合部材600を別部材としたが、これに限定されず、クランプレバーに回動可能に軸支された部材をクランプレバーに設けてもよく、アダプタに回動可能に軸支された部材をアダプタ側に設けてもよい。
【0074】
また、上記第1および第2のいずれの実施の形態においても、ワンタッチで弁体400の試験を実施することができるので、作業効率を向上させつつ、作業負担を減少させることができる。
【0075】
本発明の実施形態においては、弁体400が弁体に相当し、試験台テーブル110が配管座面に相当し、弁体チャッキング機構310a,310bが着脱装置に相当し、複数の配管P11,P12が接続配管に相当し、取り付け台接続部材340a,340bがクランプ受け部材に相当し、アダプタ300がアダプタに相当し、複数の配管P1,P2が連通配管に相当し、クランプレバー210a,210b、クランプシリンダ230a,230bおよび取り付け台接続部材340a,340bがアダプタ取り付け装置に相当し、取り付け台200が取り付け台に相当し、一方の面201が取り付け台の第1面に相当し、他方の面202が第2面に相当し、圧力供給弁体500が圧力供給弁体に相当し、クランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bがエアシリンダに相当し、レバー支持体220a,220bが支点に相当し、突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点が力点に相当し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bおよび孔部610c,610dが作用点に相当し、クランプレバー210a,〜,210dがクランプレバーに相当し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bおよび孔部610c,610dがクランプ受け部材に設けられた孔に相当し、リミットスイッチS1a,S2aがセンサに相当し、取り付けピン340c,340dが被係止部材に相当し、取り付け台接続部材340a,340bおよび一対の係合部材600が係止部材に相当する。
【0076】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0077】
110 試験台テーブル
200 取り付け台
201 一方の面
202 他方の面
210a,〜,210d クランプレバー
220a,220b レバー支持体
230a,230b クランプシリンダ
231a,231b 突出部材
300 アダプタ
310a,310b 弁体チャッキング機構
340a,340b 取り付け台接続部材
340c,340d 取り付けピン
341a,341b 孔
400 弁体
500 圧力供給弁体
600 一対の係合部材
610c,610d 孔部
S1a,S2a リミットスイッチ
P1,P2,P11,P12 複数の配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気弁の動作確認のために使用される弁体の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁体に対して、一定期間毎に、正常に駆動が可能か、または弁体の漏れがないか等の試験が行われている。この弁体を試験するための弁体の試験装置については、種々の研究または開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、部品点数が少なく、且つ作業者が手を挟み込むことがなく、安全性の高いワークのチャッキング装置を提供するワークのチャッキング装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載のワークのチャッキング装置は、圧力流体源から供給される圧力流体を方向切換弁を介してチャッキングレバーが接続された流体圧シリンダに切換供給することにより、チャッキングレバーを作動させるワークのチャッキング装置において、流体圧シリンダを、ロッド側室のピストン受圧面積に対しヘッド側室のピストン受圧面積を大きく設定するとともに、方向切換弁からヘッド側室に圧力流体を導入されてチャッキングレバーをチャッキングさせ、またロッド側室に圧力流体を導入されてチャッキングレバーをアンチャックさせる構成とし、流体圧シリンダのロッド側室と方向切換弁とを接続する定常位置と、このロッド側室とヘッド側室とを連通する連通位置とに切り換える連通切換弁を設けたものである。
【0005】
特許文献2には、ブレーキ弁の試験を読み取りや記録間違い等を生じることなく安定して自動的に行うブレーキ弁自動試験装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載のブレーキ弁自動試験装置は、車両等のブレーキ装置に設けられ、ブレーキ弁本体のカム軸を回転させることにより、このカム軸の回転角度に応じて制動に必要な圧力を出力するとともに電気信号を出力するブレーキ弁を試験するブレーキ弁自動試験装置であって、カム軸に係合し、このカム軸を回転させる駆動モータと、該駆動モータによって回転されるカム軸の回転角度に応じて出力される圧力を測定する圧力センサと、駆動モータによって回転されるカム軸の回転角度に応じて開閉される電気接点の開閉を検出する検出部と、駆動モータの駆動を制御する制御部と、圧力センサ及び検出部からの信号に基づいて、カム軸の回転角に応じたブレーキ弁の出力圧及び電気接点の開閉状態を試験結果として求めるデータ処理部とを具備するものである。
【0007】
特許文献3には、少ない構成部品で試験時間の短縮も図ることができる電磁弁試験装置について開示されている。
【0008】
特許文献3記載の電磁弁試験装置は、電磁弁の性能を試験する電磁弁試験装置であって、電磁弁が取り付けられる複数の取り付け台と、取り付け台に取り付けられた電磁弁を駆動させる制御部と、制御部と電磁弁とを接続する電気線と、電磁弁の流体流入側である1次側に作動流体を供給する作動流体供給源と、作動流体供給源と電磁弁とを接続する流体供給経路と、各取り付け台にそれぞれ対応して流体供給経路に設けられ、電磁弁の1次側で当該経路を連通状態と遮断状態とにそれぞれ切り換える1次側切換弁と、各取り付け台にそれぞれ対応して設けられ、電磁弁の1次側圧力をそれぞれ測定する1次側圧力センサとを備え、電磁弁が複数取り付けられている場合に、各1次側切換弁を介して各電磁弁の1次側に一斉に所定の圧力の作動流体を閉じ込めた後に、各1次側圧力センサにより各電磁弁の1次側の圧力降下を測定し、各電磁弁からの作動流体の漏洩の有無を試験するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−300563号公報
【特許文献2】特開平11−165632号公報
【特許文献3】特開2004−125809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のワークのチャッキング装置においては、電磁弁の取り付けの際、電磁弁の取り付け孔に案内棒を挿入する作業や仮固定および本固定の2工程を行わせており、弁体の取り付け時間がかかることとなり、時間のロスが生じていた。
【0011】
また、特許文献2記載のブレーキ弁自動試験装置によれば、圧力の値や接点信号の変化を計器から目視で読み取り、手で記録するような作業員の労力を削減することができるが、ブレーキ弁を取り付ける作業および手間を削減することはできない。
【0012】
さらに、特許文献3記載の電磁弁試験装置によれば、取り付け台に取り付けた複数の電磁弁の漏洩試験を一斉に行うことができるため、試験作業時間を短縮できるという効果を奏する。そして、各取り付け台に取り付けられた複数の電磁弁に対して共通化された1つの作動流体供給源で対応できるため、構成部品点数を少なくすることができるという効果を奏する。
【0013】
しかしながら、一般的に、流体として空気などの圧縮性流体を用いる弁体の試験装置では、試験対象の弁体の応答速度を測定するにあたり、試験対象の弁体と、当該弁体に供給する流圧体をオンおよびオフするための弁体(圧力供給弁体)との間の空気通路を極力短くする必要がある。すなわち、流体の圧縮性による圧力の伝達遅延による影響を限りなく小さくするため、空気通路を短くする必要がある。
また、多様な弁体を同じ試験装置で試験するため、試験装置および試験対象の弁体の間にアダプタを取り付けるように構成されるが、このアダプタ内の流路を短くするとともに、アダプタの取り付けも容易であることが好ましい。
【0014】
以上のことより、アダプタを取り付ける取り付け台の近傍には、弁体へ流体圧を供給する圧力供給弁体が複数配設されており、更にこの圧力供給弁体は試験対象の弁体への流体供給量に対応した大きさが必要であるため、試験対象の弁体が大きくなると圧力供給弁体も大きくなる。従って、アダプタを取り付け台に取り付けるためのスペースが限られてくる。このような狭いスペースでアダプタを試験装置に螺子締結させることは、困難であり、作業者の作業効率が低下し、試験準備に係る時間がかかっていた。
【0015】
本発明の目的は、アダプタを省スペースでかつ容易に取り付け台に取り付けることができる弁体の試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)
一局面に従う弁体の試験装置は、空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う弁体の試験装置であって、平面部を有し、平面部に空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられた配管座面と、試験対象となる弁体を着脱する着脱装置および弁体へ空気を供給する接続配管を有し、かつクランプ受け部材を有するアダプタと、配管座面の平面部上に載置されることにより接続配管口とアダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵され、かつ第1面にアダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する取り付け台と、配管座面の平面部上で、かつ取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置され、弁体への流体の供給を制御する圧力供給弁体と、を含み、アダプタ取り付け装置は、第2面側において突出または没入するエアシリンダと、第2面に支点を持ち、エアシリンダの出力を力点とし、支点と力点との間に作用点を持つクランプレバーと、を含み、エアシリンダが突出することによりクランプレバーが移動し、クランプ受け部材がアダプタと取り付け台とを密着させるものである。
【0017】
弁体の試験装置は、空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う。配管座面の平面部には、空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられている。アダプタは、試験対象となる弁体を着脱する着脱装置および弁体へ空気を供給する接続配管を有する。また、アダプタは、クランプ受け部材を有する。取り付け台は、配管座面の平面部上に載置されることにより接続配管口とアダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵されている。さらに、取り付け台は、第1面にアダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する。圧力供給弁体は、配管座面の略水平面部上で、かつ取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置されており、弁体への流体の供給を制御する。
【0018】
アダプタ取り付け装置は、第2面側において突出または没入するエアシリンダと、第2面に支点を持ち、エアシリンダの出力を力点とし、支点と力点との間に作用点を持つクランプレバーとを含む。アダプタ取り付け装置において、エアシリンダが突出することによりクランプレバーが移動し、クランプ受け部材がアダプタと取り付け台とを密着させる。
【0019】
この場合、弁体の試験装置は、アダプタ取り付け装置を有するので、アダプタ取り付け作業を簡素化することができる。また、特に、支点を取り付け台の第2面側に配置し、さらに、作用点を支点と力点との間に配置させたことにより、取り付け台の第2面側のスペースが少ない場合であっても、アダプタの取り付けを容易に行うことができる。すなわち、圧力供給弁体が取り付け台の第2面側にある場合でも、アダプタの取り付けを容易に行うことができる。
また、エアシリンダを用いているので、空気源から空気を享受し、容易に動力源とすることができる。
【0020】
(2)
クランプレバーは側方に移動可能に設けられ、クランプレバーが側方に移動した場合に、クランプ受け部材に設けられた孔にクランプレバーが貫通してもよい。
【0021】
この場合、クランプレバーをクランプ受け部材の孔に貫通させることにより、アダプタの落下を防止することができる。
【0022】
(3)
弁体の試験装置は、少なくともクランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していることを検知するセンサをさらに備え、センサが非検知の場合には、空気源からの供給を停止してもよく、または前記空気源からの供給が開始されないようにしてもよい。
【0023】
この場合、クランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していない場合に、エアシリンダの駆動を停止することができる。すなわち、クランプ受け部材の孔にクランプレバーが貫通していない場合、取り付け台からアダプタが外れる可能性があるため、空気源からの空気の供給を停止または空気源からの供給を開始しないようにする。その結果、弁体の試験時には、確実に取り付け台とアダプタとを密接に取り付けることができる。また、クランプ忘れによるアダプタ落下を防止することができる。
【0024】
(4)
クランプ受け部材は、アダプタに設けられた被係止部材と、クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた被係止部材に係止可能な係止部材とを含んでもよい。
【0025】
この場合、クランプ受け部材は、アダプタに設けられた被係止部材と、クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた被係止部材に係止可能な係止部材とからなるので、アダプタを容易に取り付け台に取り付けることができる。
【0026】
(5)
被係止部材は、棒状部材からなり、係止部材は、長手方向を有する板状部材からなり、一端側がクランプレバーに回動可能に軸支され、他端側が棒状部材と嵌合可能な形状からなってもよい。
【0027】
この場合、取り付け台に設けられるクランプレバーおよびアダプタの間を板状部材からなる係止部材を回動させることで係止させることができる。その結果、取り付け台にアダプタを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る弁体の試験装置の一例を示す模式図
【図2】水平面部を有する試験台テーブル上の状態を示す模式的平面図
【図3】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図4】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図5】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図6】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図7】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図8】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図9】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図10】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図11】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図12】取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図
【図13】取り付け手順を説明する模式的平面図
【図14】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【図15】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【図16】第2の実施の形態に係る弁体の試験装置におけるアダプタの取り付け手順の一例を示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、鉄道車両等に使用される空気弁の弁体の試験装置について説明を行う。なお、本発明は、鉄道車両の空気弁に限定されるものではなく、他の車両又は車両以外の気体弁および流体弁についても適用することができる。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100の一例を示す模式図である、図1(a)は弁体の試験装置100の正面図を示し、図1(b)は弁体の試験装置100の側面図を示す。
【0031】
図1(a)に示すように、弁体の試験装置100は、試験機本体101および制御ボックス102からなる。制御ボックス102には、制御盤、コンピュータ、キーボード、マウスおよびプリンタ等(図示せず)が設けられている。また、図1(a)に示すように、試験機本体101には、上部に信号灯900a,900bが配設され、液晶ディスプレイおよび計測器800が配設されている。
【0032】
これらの計測器800は、圧力変換器および圧力センサ等が使用されている。例えば、空気圧測定用としてアンプ内蔵型歪ゲージ式圧力変換器等が用いられ、漏れ測定および空気源圧力測定用としてアンプ内蔵型半導体式圧力センサ等が用いられる。また、計測器800には、電気信号を空気圧に変換する電空レギュレータ等も内蔵される。
【0033】
また、図1(b)に示すように、試験機本体101には、水平面部を有する試験台テーブル110が設けられ、その試験台テーブル110上に2台の取り付け台200が設けられる。取り付け台200は、いずれも同一形状のものからなる。また、取り付け台200には、それぞれ個々にアダプタ300が取り付けられる。また、アダプタ300には、個々に試験対象である弁体400が取り付けられる。当該アダプタ300は、弁体400に対応するアダプタであり、弁体の種別が異なることにより、当該弁体に応じたアダプタが取り付けられる。
【0034】
なお、図1においては、取り付け台200が2台の場合について説明を行ったが、これに限定されず、他の任意の数の取り付け台200を設けてもよい。以下、取り付け台200およびアダプタ300の取り付け詳細について説明する。
【0035】
図2は、水平面部を有する試験台テーブル110上の状態を示す模式的平面図である。
【0036】
図2に示すように、試験台テーブル110の上には、主に取り付け台200および圧力供給弁体500が設けられている。取り付け台200には、アダプタ300が取り付けられ、アダプタ300に弁体400が取り付けられている。
【0037】
ここで、圧力供給弁体500は、弁体400の近傍に設けられる。すなわち、一般的に、流体として空気などの圧縮性流体を用いる弁体の試験装置100においては、試験対象の弁体400の応答速度を測定するにあたり、試験対象となる弁体400と、当該弁体400に供給する流圧体をオンおよびオフするための圧力供給弁体500との間の空気通路を極力短くする必要があるからである。すなわち、流体の圧縮性による圧力の伝達遅延による影響を限りなく小さくするため、空気通路を短くする必要がある。その結果、図2に示すように、取り付け台200の近傍には、弁体400へ流圧体を供給する圧力供給弁体500が複数配設(圧力供給弁体510,〜,圧力供給弁体570)されているので、アダプタ300を取り付け台200に取り付けるためのスペースが限られている。また、圧力供給弁体500は、弁体400への流体供給量に対応した大きさが必要であるため、弁体400が大きくなると圧力供給弁体500も大きくなる。
【0038】
取り付け台200は、クランプレバー210a,210b、レバー支持体220a,220b、クランプシリンダ230a,230bおよび角度調整ボルト240a,240bを含む。角度調整ボルト240a,240bの先端部が、突出部材231a,231bに当接するように、クランプレバー210a,210bに貫通するように設けられたボルト穴に螺合されている。すなわちクランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bの突出量が一定であることから、クランプレバー210a,210bが取り付け台接続部材340a,340bに適切に当接するように角度調整ボルト240a,240bのクランプレバー210a,210bからの突出量を調整することができる。
また、圧力供給弁体500は、複数の圧力供給弁体510,〜,圧力供給弁体570からなる。本実施の形態においては、クランプレバー210a,210bは、断面が矩形状の角柱およびローレット加工等が施された把持部分から構成される。
【0039】
次に、アダプタ300は、弁体チャッキング機構310a,310b、取り付け台接続部材340a,340bを含む。ここで、弁体チャッキング機構310a,310bは、エアクランプ機構からなる。すなわち、弁体チャッキング機構310a,310bが空気源からの空気を用いて作動し、弁体400を保持することができる。また、取り付け台接続部材340a,340bには、それぞれクランプレバー210a,210bを貫通させることが可能な大きさの孔341a,341bが設けられる。孔341a,341bの詳細については、後述する。
【0040】
続いて、図3から図13を用いて試験台テーブル110に取り付け台200を取り付け、順にアダプタ300および弁体400を取り付ける手順について説明を行う。
【0041】
図3,図4,図8,図10,〜,図12は、取り付け手順を説明する一部切り欠き説明図であり、図5,〜,図7,図9,図13は取り付け手順を説明する模式的平面図である。
【0042】
まず、図3に示すように、試験台テーブル110の内部には、複数の配管P1,P2が設けられている。試験台テーブル110の一端側の上面には、複数の配管P1,P2のそれぞれに対応する接続口C2が設けられている。また図示していないが、試験台テーブル110の下方には他の配管やコック等が配置されている。
【0043】
また、取り付け台200の内部には、複数の配管P11,P12が設けられている。取り付け台200の一方の面201側には、複数の配管P11,P12のそれぞれに対応する接続口C1が設けられている。取り付け台200の下面には、複数の配管P11,P12のそれぞれに対応する接続口C2が設けられている。また、取り付け台200の他方の面202側には、クランプレバー210a,クランプレバー210bが設けられている。
【0044】
図3に示すように、試験台テーブル110の一端側に取り付け台200が矢印F2の方向(鉛直下方向)に移動され、試験台テーブル110に取り付けられる(図4参照)。
【0045】
図3および図4に示すように、取り付け台200の他方の面202側で、かつ試験台テーブル110の上面には、圧力供給弁体500が設けられる。図3〜図13においては、圧力供給弁体500のうち圧力供給弁体510および圧力供給弁体520を例示する。
【0046】
圧力供給弁体510および圧力供給弁体520内には、複数の配管P1,P2が圧力供給弁体510、520内を循環するように配設されている。圧力供給弁体510内の配管P1,P2には、開閉弁511が設けられ、圧力供給弁体520内の配管P1,P2には、開閉弁521が設けられる。
当該開閉弁511および開閉弁521が開閉されることにより複数の配管P1,P2内に空気源からの空気が供給される。具体的に、開閉弁511,521として、小流量回路には直動式小型電磁弁等を使用することができ、大流量回路には、パイロット電磁弁型膜板式開閉弁を用いることができる。
【0047】
続いて、図5に示すように、取り付け台200の一方の面201側からアダプタ300が矢印F3の方向(水平方向)に取り付けられる。この場合、クランプレバー210a,210bは、取り付け台接続部材340a,340bが矢印F3の方向に移動するのを妨害しない位置に配置される。
【0048】
また、図5に示すように、試験台テーブル110には、リミットスイッチS1a,S2aが設けられる。リミットスイッチS1aは、クランプレバー210aが所定の位置にあるか否かを検出し、リミットスイッチS2aは、クランプレバー210bが所定の位置にあるか否かを検出する。リミットスイッチS1a,S2aの働きについては、後述する。
【0049】
次いで、アダプタ300が取り付け台200に対して矢印F3の方向に移動された後、図6に示すように、取り付け台200のクランプレバー210aが矢印−F4の方向に移動され、取り付け台200のクランプレバー210bが矢印F4の方向に移動される。この場合、クランプレバー210aが、アダプタ300の取り付け台接続部材340aの孔341aを貫通する。そして、クランプレバー210aの先端部が、リミットスイッチS1aにより検出され、検出信号を制御ボックス102に与えることにより、クランプレバー210aが差込まれたと判定される。同様に、クランプレバー210bが、アダプタ300の取り付け台接続部材340bの孔341bを貫通する。そして、クランプレバー210bの先端部が、リミットスイッチS2aにより検出され、検出信号を制御ボックス102に与えることにより、クランプレバー210bが差込まれたと判定される。
【0050】
ここで、リミットスイッチS1a,S2aが、クランプレバー210a,210bを検出していない場合には、開閉弁511および開閉弁521が閉状態または、空気源の空気圧縮装置からの空気の供給を制御ボックス102により停止させる。それにより、アダプタ300が取り付け台200に確実に取り付けるまで、空気の供給を開始しないようにすることができる。なお、弁体400が取り付けられていることを別のセンサで検知するようにしている場合は、この別のセンサからの出力をも利用し、両者の検出がONになるまで、制御ボックス102により開閉弁511および開閉弁521を開けない、または空気源のからの空気の供給を開始させないようにしてもよい。更に空気を供給した後に、リミットスイッチS1a,S2aが検知しなくなった場合は、開閉弁511および開閉弁521を閉じて、または空気源の空気圧縮装置からの空気の供給を制御ボックス102により停止させるようにしてもよい。このように構成することで試験作業の安全性を確保できる。
【0051】
さて、アダプタ300の取り付け台接続部材340a,340bが取り付け台200のクランプレバー210a,210bと嵌合され、アダプタ300が取り付け台200に支持される。その結果、アダプタ300の落下を防止することができる。
【0052】
次に、図7に示すように、クランプシリンダ230a,230bが動作する。具体的には、クランプシリンダ230aから突出部材231a(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210aがレバー支持体220aを支点として、矢印R1の方向に回転する。同様に、クランプシリンダ230bの突出部材231b(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210bがレバー支持体220bを支点として、矢印−R1の方向に回転する。
【0053】
この場合、図8に示すように、取り付け台接続部材340aの孔341aが作用点となり、クランプレバー210aが取り付け台接続部材340aの孔341aを矢印F3の方向に移動させる。同様に、取り付け台接続部材340bの孔341bが作用点となり、クランプレバー210bが取り付け台接続部材340bの孔341bを矢印F3の方向に移動させる。
【0054】
また、図8に示すように、アダプタ300内には、複数の配管P21,P22が設けられている。複数の配管P21,P22には、取り付け台200の複数の接続口C1に対向して、複数の接続口C1が設けられている。複数の配管P21,P22には、弁体400に対して複数の接続口C3が設けられている。
【0055】
その結果、図9および図10に示すように、確実に取り付け台200にアダプタ300が押圧して密接に固定され、取り付け台200の複数の接続口C1とアダプタ300の複数の接続口C1とが接続される。
【0056】
さらに、図11に示すように、弁体400を矢印F3の方向から取り付け、アダプタ300のエアクランプ機構である弁体チャッキング機構310a,310bにより押圧して密接に保持させる。
【0057】
その結果、図12および図13に示すように、アダプタ300の複数の配管P21,P22の出口である接続口C3と弁体400の接続口とが接続された状態となる。したがって、取り付け台200およびアダプタ300の接続が、エアクランプ機構からなるので、作業者は、工具が不要となり、ワンタッチの短時間かつ容易に取り付け台200にアダプタ300を取り付け、さらにアダプタ300に弁体400をワンタッチの短時間で取り付けて弁体400の試験を行うことができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
以下、図14から図16を用いて第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aについて説明を行う。以下、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aが第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100と異なる点について説明を行う。
【0059】
図14から図16は、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aにおけるアダプタ300aの取り付け手順の一例を示す説明図である。
【0060】
まず、図14に示すように、第2の実施の形態に係る弁体の試験装置100aにおいては、第1の実施の形態に係る弁体の試験装置100のアダプタ300の取り付け台接続部材340a,340bの代わりに、取り付けピン340c,340dを備え、取り付け台200のクランプレバー210a,210bの代わりに、円柱からなるクランプレバー210c,210dを備え、一対の係合部材600を備える。
【0061】
一対の係合部材600の一端側には、孔部610c,610dが設けられており、他端側には、切り欠き620c,620dが設けられている。
【0062】
孔部610c,610dは、円柱からなるクランプレバー210c,210dの外形よりも僅かに大きなサイズで形成されている。また、切り欠き620c,620dは、取り付けピン340c,340dよりも僅かに大きなサイズで形成されている。
【0063】
一対の係合部材600は、孔部610c,610dに取り付けピン340c,340dが挿入される。そして、一対の係合部材600は、矢印R2の方向に取り付けピン340c,340dを軸として回動する。
【0064】
そして、図15に示すように、切り欠き620c,620dが、取り付けピン340c,340dに係合する。
【0065】
次に、第1の実施の形態と同様に、クランプシリンダ230aから突出部材231a(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210cがクランプシリンダ230aを支点として、矢印R1の方向に回転する。同様に、クランプシリンダ230bの突出部材231b(図9参照)が突出し、それにより、クランプレバー210dがクランプシリンダ230bを支点として、矢印−R1の方向に回転する。
【0066】
それにより、図16に示すように、円柱からなるクランプレバー210c,210dが矢印F3の方向に移動することにより、孔部610c,610dが矢印F3の方向に引っ張られ、アダプタ300aが取り付け台200aに押圧して密接に固定される。
【0067】
以上のように、本発明に係る弁体400の試験装置100は、クランプレバー210a,210b、クランプシリンダ230a,230bおよび取り付け台接続部材340a,340bを有するので、アダプタ300の取り付け作業を簡素化することができる。
【0068】
また、特に、レバー支持体220a,220bを取り付け台200の他方の面202側に配置し、さらに、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bを、レバー支持体220a,220bと、突出部材231a,231bおよびクランプレバー210a,210bの接点との間に配置させたことにより、取り付け台200の面202側のスペースが少ない場合であっても、アダプタ300の取り付けを容易に行うことができる。すなわち、圧力供給弁体500が取り付け台200の面202側の直近にある場合でも、作業者からみて後ろ側(面202側)に、手を回して工具を用いてボルトなどを締める作業が不要となり、アダプタ300の取り付けを容易に行うことができる。また、クランプシリンダ230a,230bはエアシリンダからなり、空気源から空気を享受し、容易に動力源とすることができる。
【0069】
さらに、クランプレバー210a,210bを取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bに貫通させることにより、アダプタ300の落下を防止することができる。
【0070】
また、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bにクランプレバー210a,210bが貫通していない場合に、空気源からの弁体400への空気の供給を開始しないあるいは供給を停止することにより、クランプせずに空気を供給することによる弁体400の落下等を防止することができ、作業者の安全性が確保できる。
【0071】
また、第2の実施の形態に係る弁体400の試験装置100aによれば、クランプレバー210c,210dに回動自在に設けられた一対の係合部材600の切り欠き620c,620dと、取り付けピン340c,340dとからなるので、アダプタ300aを容易に取り付け台200aに取り付けることができる。
【0072】
なお、本実施の形態においては、図示していないが、アダプタ300を移動させる際に作業者が保持するハンドル等をアダプタ300に設けてもよい。さらに、アダプタ300を取り付け台200に取り付ける際に逆挿防止のピン等を設けてもよい。
【0073】
さらに、本実施の形態においては、一対の係合部材600を別部材としたが、これに限定されず、クランプレバーに回動可能に軸支された部材をクランプレバーに設けてもよく、アダプタに回動可能に軸支された部材をアダプタ側に設けてもよい。
【0074】
また、上記第1および第2のいずれの実施の形態においても、ワンタッチで弁体400の試験を実施することができるので、作業効率を向上させつつ、作業負担を減少させることができる。
【0075】
本発明の実施形態においては、弁体400が弁体に相当し、試験台テーブル110が配管座面に相当し、弁体チャッキング機構310a,310bが着脱装置に相当し、複数の配管P11,P12が接続配管に相当し、取り付け台接続部材340a,340bがクランプ受け部材に相当し、アダプタ300がアダプタに相当し、複数の配管P1,P2が連通配管に相当し、クランプレバー210a,210b、クランプシリンダ230a,230bおよび取り付け台接続部材340a,340bがアダプタ取り付け装置に相当し、取り付け台200が取り付け台に相当し、一方の面201が取り付け台の第1面に相当し、他方の面202が第2面に相当し、圧力供給弁体500が圧力供給弁体に相当し、クランプシリンダ230a,230bの突出部材231a,231bがエアシリンダに相当し、レバー支持体220a,220bが支点に相当し、突出部材231a,231bとクランプレバー210a,210bとの接点が力点に相当し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bおよび孔部610c,610dが作用点に相当し、クランプレバー210a,〜,210dがクランプレバーに相当し、取り付け台接続部材340a,340bの孔341a,341bおよび孔部610c,610dがクランプ受け部材に設けられた孔に相当し、リミットスイッチS1a,S2aがセンサに相当し、取り付けピン340c,340dが被係止部材に相当し、取り付け台接続部材340a,340bおよび一対の係合部材600が係止部材に相当する。
【0076】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0077】
110 試験台テーブル
200 取り付け台
201 一方の面
202 他方の面
210a,〜,210d クランプレバー
220a,220b レバー支持体
230a,230b クランプシリンダ
231a,231b 突出部材
300 アダプタ
310a,310b 弁体チャッキング機構
340a,340b 取り付け台接続部材
340c,340d 取り付けピン
341a,341b 孔
400 弁体
500 圧力供給弁体
600 一対の係合部材
610c,610d 孔部
S1a,S2a リミットスイッチ
P1,P2,P11,P12 複数の配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う弁体の試験装置であって、
平面部を有し、前記平面部に前記空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられた配管座面と、
試験対象となる前記弁体を着脱する着脱装置および前記弁体へ前記空気を供給する接続配管を有し、かつクランプ受け部材を有するアダプタと、
前記配管座面の平面部上に載置されることにより前記接続配管口と前記アダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵され、かつ第1面に前記アダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する取り付け台と、
前記配管座面の平面部上で、かつ前記取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置され、前記弁体への流体の供給を制御する圧力供給弁体と、を含み、
前記アダプタ取り付け装置は、
前記第2面側において突出または没入するエアシリンダと、
前記第2面に支点を持ち、前記エアシリンダの出力を力点とし、前記支点と前記力点との間に作用点を持つクランプレバーと、を含み、
前記エアシリンダが突出することにより前記クランプレバーが移動し、前記クランプ受け部材が前記アダプタと前記取り付け台とを密着させる、弁体の試験装置。
【請求項2】
前記クランプレバーは側方に移動可能に設けられ、前記クランプレバーが側方に移動した場合に、前記クランプ受け部材に設けられた孔に前記クランプレバーが貫通する、弁体の試験装置。
【請求項3】
少なくとも前記クランプ受け部材の孔に前記クランプレバーが貫通していることを検知するセンサをさらに備え、
前記センサが非検知の場合には、前記空気源からの供給を停止する、または前記空気源からの供給が開始されない、請求項2記載の弁体の試験装置。
【請求項4】
前記クランプ受け部材は、前記アダプタに設けられた被係止部材と、前記クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた前記被係止部材に係止可能な係止部材とを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の弁体の試験装置。
【請求項5】
前記被係止部材は、棒状部材からなり、前記係止部材は、長手方向を有する板状部材からなり、一端側が前記クランプレバーに回動可能に軸支され、他端側が前記棒状部材と嵌合可能な形状からなる請求項4記載の弁体の試験装置。
【請求項1】
空気源から供給される空気を用いて弁体の試験を行う弁体の試験装置であって、
平面部を有し、前記平面部に前記空気源から空気を流通させる接続配管口が設けられた配管座面と、
試験対象となる前記弁体を着脱する着脱装置および前記弁体へ前記空気を供給する接続配管を有し、かつクランプ受け部材を有するアダプタと、
前記配管座面の平面部上に載置されることにより前記接続配管口と前記アダプタの接続配管とを連通する連通配管が内蔵され、かつ第1面に前記アダプタを取り付けるアダプタ取り付け装置を有する取り付け台と、
前記配管座面の平面部上で、かつ前記取り付け台の第1面と逆側の第2面側に配置され、前記弁体への流体の供給を制御する圧力供給弁体と、を含み、
前記アダプタ取り付け装置は、
前記第2面側において突出または没入するエアシリンダと、
前記第2面に支点を持ち、前記エアシリンダの出力を力点とし、前記支点と前記力点との間に作用点を持つクランプレバーと、を含み、
前記エアシリンダが突出することにより前記クランプレバーが移動し、前記クランプ受け部材が前記アダプタと前記取り付け台とを密着させる、弁体の試験装置。
【請求項2】
前記クランプレバーは側方に移動可能に設けられ、前記クランプレバーが側方に移動した場合に、前記クランプ受け部材に設けられた孔に前記クランプレバーが貫通する、弁体の試験装置。
【請求項3】
少なくとも前記クランプ受け部材の孔に前記クランプレバーが貫通していることを検知するセンサをさらに備え、
前記センサが非検知の場合には、前記空気源からの供給を停止する、または前記空気源からの供給が開始されない、請求項2記載の弁体の試験装置。
【請求項4】
前記クランプ受け部材は、前記アダプタに設けられた被係止部材と、前記クランプレバーの作用点に回動自在に設けられた前記被係止部材に係止可能な係止部材とを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の弁体の試験装置。
【請求項5】
前記被係止部材は、棒状部材からなり、前記係止部材は、長手方向を有する板状部材からなり、一端側が前記クランプレバーに回動可能に軸支され、他端側が前記棒状部材と嵌合可能な形状からなる請求項4記載の弁体の試験装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−38894(P2011−38894A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186409(P2009−186409)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]