引き抜き機構
【課題】地面から生えている草を根から引き抜くことができると共に、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高い除草機構等を提供する。
【解決手段】地面から生えている草を引き抜くための除草機構11であって、互いに対面する一対のベルトコンベア2F,2Bを備え、この一対のベルトコンベア2F,2Bを互いに反対方向に周回させることで、地面から生えている草を、前記一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜く、除草機構11とした。一対のベルトコンベア2F,2Bは、地面の近くに配置する巻込側プーリ21F,21Bと、この巻込側プーリ21F,21Bよりも地面から遠くに配置する巻出側プーリ22F,22Bと、前記巻込側プーリ21F,21Bと前記巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けた無端ベルト23F,23Bと、をそれぞれ有している。
【解決手段】地面から生えている草を引き抜くための除草機構11であって、互いに対面する一対のベルトコンベア2F,2Bを備え、この一対のベルトコンベア2F,2Bを互いに反対方向に周回させることで、地面から生えている草を、前記一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜く、除草機構11とした。一対のベルトコンベア2F,2Bは、地面の近くに配置する巻込側プーリ21F,21Bと、この巻込側プーリ21F,21Bよりも地面から遠くに配置する巻出側プーリ22F,22Bと、前記巻込側プーリ21F,21Bと前記巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けた無端ベルト23F,23Bと、をそれぞれ有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構に関する。例えば、地面から生えている草を引き抜くための除草機構や、皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構に関する。
【背景技術】
【0002】
庭や畑などの地面から生えている草を取り除くために様々な方法がある。例えば、古くから、手でむしり取ったり、鎌などの簡単な器具を用いたりしてきた。しかし、このような方法は、手間がかかるばかりか、長時間の中腰・座り作業で苦痛を伴うものであった。
【0003】
この課題を解決するため、例えば、刈払機を用いて草を刈り取ったりしてきた。しかし、農作物付近の草は刈り取りにくいばかりか、草の根が地中に残ってしまうという課題があった。ここで、特許文献1に開示されている「草取り機」を用いれば、農作物付近の草を根から引き抜くことが可能と思われるが、広い範囲の除草をしようとすると作業に時間がかかるものであった。また、特許文献2に開示されている「草抜き機」を用いても草を根から引き抜くことが可能と思われるが、この「草抜き機」は非常に大掛かりなものであり、また、必要以上に地面を掘り起こしてしまうものであった。
【0004】
一方、皮膚から生えている体毛を除毛するために様々な方法がある。例えば従来から、カミソリで剃ったり、除毛クリームで体毛を溶かしたりしてきた。しかし、カミソリで剃る方法は、毛根が残ってしまい除毛効果が長続きしないものであった。また、除毛クリームを用いる方法は、カミソリで剃る場合と比べて除毛効果が長続きしやすいものの、薬品に対して皮膚が敏感な場合には使用できないものであった。
【0005】
上記以外にも、庭や畑などの地面に生えている花などの植物や小さな木などを効率よく引き抜くための装置等が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特開平6−189602号公報
【特許文献2】特開2003−230305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の目的は、基体に根付いて基面から生えている植体を効率よく引き抜くことができる比較的簡単な構成の引き抜き機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構であって、互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、基面から生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜く、引き抜き機構とした。
【0009】
この引き抜き機構は、互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、この一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、基面から生えている植体を一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くものであるため、植体を基面から引き抜きやすいものである。植体は、一対のベルトコンベアにおけるそれぞれのベルトとの摩擦によって、ベルトコンベアの間に巻き込まれて引き抜かれる。
また、上記引き抜き機構は、短時間に多くの植体を引き抜くことができ作業効率が高いものである。さらに、非常に簡単な構成であり、安価に製造することができるものでもある。
ここで、「基体に根付いて基面から生えている植体」は、「一定の広がりのある基本となる物に根付いて、その表面から生えている物体」を指し、例えば、大地に根付いて地面から生えている草、花及び小さな木や、人体に根付いて皮膚から生えている体毛のことを指す。
【0010】
このとき、一対のベルトコンベアが、基面の近くに配置する巻込側プーリと、巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、巻込側プーリと巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分が、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで表面から押さえ込まれて、緊張部分が内側に食い込んでいる、引き抜き機構とすることができる。
【0011】
この引き抜き機構は、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分を、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで無端ベルトの表面から押さえ込んでいるため、無端ベルトの表面同士が強く密着し、これによって植体との摩擦が増えて、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。
【0012】
また、一対のベルトコンベアが、基面の近くに配置する巻込側プーリと、巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、巻込側プーリと巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、無端ベルトが、複数の細ベルトを幅方向に並べたものである、引き抜き機構とすることもできる。
【0013】
この引き抜き機構は、幅方向に隣り合う細ベルトの隙間に植体が挟み込まれることによって、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。
【0014】
また、一対のベルトコンベアが、それぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、互いに相手側に向けて付勢されている、引き抜き機構とすることもできる。
【0015】
この引き抜き機構は、一対のベルトコンベアそれぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、一対のベルトコンベアを互いに相手側に向けて付勢した状態で近接離反自在とするものであり、様々な形状及び太さの植体に対応することができるとともに、引き抜かれた植体の根本に基体の一部が付着している場合(例えば、地面から引き抜かれた草の根元に土や小石が付着している場合)でも、無理な力がかからず安定した動作をすることができるものになる。
【0016】
また、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えた、引き抜き機構とすることもできる。この引き抜き機構は、動力巻込式ともいえるものであって、動力装置を用いて一対のベルトコンベアを周回させるため、作業効率が非常に高いものになる。
【0017】
このとき、一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアのみが動力装置に連結している、引き抜き機構とすることが好ましい。この引き抜き機構は、動力装置に連結している一方のベルトコンベアが周回すると、動力装置に連結していない他方のベルトコンベアは、周回する一方のコンベアに接触従動してこれとは反対方向に周回することになる。これによって、より簡単な構成の引き抜き機構を実現できる。
【0018】
またこのとき、一対のベルトコンベアが、いずれも動力装置に連結しており、互いに同じ速度で反対方向に周回するように構成した、引き抜き機構とすることも好ましい。この引き抜き機構は、無端ベルトと植体との摩擦が増えて、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。一つの動力装置の出力を機構的に割り振って一対のベルトコンベアそれぞれを連結してもよいし、動力装置を二つ設け、それぞれの動力装置に対応させて一対のベルトコンベアを連結してもよい。
【0019】
さらにこのとき、ベルトコンベアの背面側の基面寄りに、無端ベルトと従動する従動車を備えた、引き抜き機構とすることも好ましい。
【0020】
この引き抜き機構は、動力装置の出力を、無端ベルトを介して従動車に伝達することで従動車を回転させることができ、作業者の簡単なサポートによって基面上を自走させることができる引き抜き機構を実現できる。従動車には、例えば、無端ベルトと転がり接触する摩擦車がある。
【0021】
また、引き抜き機構が、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えておらず、一対のベルトコンベアのうち進行方向側のベルトコンベアのみが端部を基面に接した状態で基面上を手押し進行させることで、進行方向側のベルトコンベアを周回させると共に、これと接触従動する他方のベルトコンベアも周回させて、基面に生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くように構成した、引き抜き機構とすることもできる。
【0022】
この引き抜き機構は、手押し巻込式ともいえるものであって、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えることなく基面に生えている植体を引き抜くことができるものであり、簡単な構成で安価に製造できる。
【0023】
また、ベルトコンベアの背面側に、引き抜かれた植体を回収するための回収ボックスを備えた、引き抜き機構とすることもできる。
【0024】
この引き抜き機構は、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜かれた植体を効率的に回収することができるものである。
【0025】
また、引き抜き機構が、地面から生えている草を引き抜くための除草機構とすることもできる。
【0026】
この引き抜き機構は、大地に根付いて地面から生えている草を根から引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0027】
また、引き抜き機構が、皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構とすることもできる。
【0028】
この引き抜き機構は、人体に根付いて皮膚から生えている体毛を毛根から引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0029】
また、引き抜き機構が、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構とすることもできる。
【0030】
この引き抜き機構は、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0031】
また、エンドエフェクタとして用いられる、引き抜き機構とすることもできる。
【0032】
この引き抜き機構は、マジックハンドやロボットアームのエンドエフェクトとして使用され、これによって、天井等の手の届かないところに生えている植体を引き抜くことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、基体に根付いて基面から生えている植体を効率よく引き抜くことができる比較的簡単な構成の引き抜き機構を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図を用いて、本発明の引き抜き機構を、代表例である除草機構と毛抜き機構に基づいて説明する。図1〜図16は除草機構に関するものであり、図17〜図22は毛抜き機構に関するものである。まず、図1〜図16を用いて除草機構について例示説明する。
【0035】
除草機構を示す図1〜図16のうち、図1〜図12は、動力装置を備えた、いわゆる動力巻込式の除草機構に関するものであり、一方、図13〜図16は、動力装置を備えていない、いわゆる手押し巻込式の除草機構に関するものである。
さらに、動力巻込式の除草機構に関する図1〜図12のうち、図1〜図8は第一実施形態の除草機構を説明するための図であり、図9は第二実施形態、図10は第三実施形態、図11及び図12は第四実施形態の除草機構を説明するための図である。
また、手押し巻込式の除草機構に関する図13〜図16のうち、図13〜図15は、第五実施形態の除草機構を説明するための図であり、図16は第六実施形態の除草機構を説明するための図である。
始めに、図1〜図8を用いて、第一実施形態の除草機構(動力巻込式)について例示説明する。
【0036】
[第一実施形態の除草機構]
図1〜図8に示すように、第一実施形態の除草機構11は、一対のベルトコンベア2F,2Bと動力装置としてのエンジン41(図5参照)に加えて、引き寄せ手段としての引っ張りバネ33を備えている。なお、図1〜図3及び図6〜図8において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
【0037】
[ベルトコンベア]
前後に一対存在するベルトコンベア2F,2Bは、それぞれ、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bと、これらプーリに巻掛けた7本の細ベルト231F,231Bからなる無端ベルト23F,23Bとで構成されている。四個のプーリ21F,21B,22F,22Bは、全て同じ直径及び長さである。巻込側プーリ21F,21Bは地面91(図5参照)の近くに、巻出側プーリ22F,22Bは巻込側プーリよりも地面91から遠くに配置され、前後一対のベルトコンベア2F,2Bはそれぞれ斜めに傾いた縦型となっている。
【0038】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに対面している。即ち、一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれにおける巻込側プーリ21F,21Bの回転軸同士は互いに平行で、かつ、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、互いに対面する側で接触している。即ち、それぞれの無端ベルト23F,23B同志が、互いに対面する側で面接触している。
【0039】
7本の細ベルト231F,231Bは、それぞれゴム製であり、幅方向に並べた状態で巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けられている。
【0040】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、その一方(2F)が他方(2B)に対しベルトコンベアの移送方向に沿って変位した位置にある。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係にならないように、前後一対のベルトコンベア2F,2Bを移送方向に沿ってずらして配置してある。本実施形態では、前方側のベルトコンベア2Fを、後方側のベルトコンベア2Bに対して、ベルトコンベアの移送方向に沿って斜め下方側(地面91側)にずらして配置してある。
【0041】
そして、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bの両方の回転軸を軸支する前後の支持フレーム24F,24Bでそれぞれ支えられており、この前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されている。
【0042】
[引き寄せ手段]
また、前後の支持フレーム24F,24B同士は引き寄せ手段としての引っ張りバネ33でも連結されており、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに相手側に向かって付勢されている。
そして、図4に示すように、前方側のベルトコンベア2Fの巻込側プーリ21F近傍における無端ベルト23Fの緊張部分23Tが、後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bによって、無端ベルト23Bを介して、無端ベルト23Fの表面から押さえ込まれて、無端ベルト23Fの緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる。
【0043】
なお、引き寄せ手段を設けることなく、無端ベルト23Fの緊張部分23Tを無端ベルト23Fの表面から巻込側プーリ21Bで押さえ込んで、緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる状態のまま、一対のベルトコンベアの相対位置を上下の連結バー31,32で固定してもよい。しかし、安定した動作のためには、引き寄せ手段を設けることが好ましい。
【0044】
[動力装置]
動力装置としてのエンジン41(図5参照)は、一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与えるためのものである。本実施形態では、エンジン41は、作業者が除草機構11を操作するための操作柄51の上端に取り付けられている。エンジン41の出力軸は、操作柄51の中空状内部空間に通挿した伝動軸52に連結されており、この伝動軸52を介して巻出側プーリ22Bに回転出力が伝達されて後方側のベルトコンベア2Bが周回するように構成されている。前方側のベルトコンベア2Fは、後述するように、周回している後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して周回することになる。
エンジン41が操作柄51の上端に取り付けられているため、草などを巻き込むための一対のベルトコンベア2F,2Bの周辺部分がコンパクトに構成でき、除草対象外の農作物の間に生えた雑草を引き抜くような場合でも使いやすい除草機構となる。
なお、伝動軸52から巻出側プーリ22Bの回転軸への回転出力の伝達は、種々の公知手段を用いることができる。例えば、傘歯車機構や自在接手を用いればよい。本実施形態では、操作柄51が連結される連結ユニット53の内部に傘歯車機構を設けて、伝動軸52から巻出側プーリ22Bの回転軸へ回転出力が伝達されるように構成してある。
また、図1などにおいて、エンジン41と連結している巻出側プーリ22Bには、ほぼ全体にクロスハッチングを施して表示してある。
【0045】
[補助輪]
また、本実施形態では、移動手段としての補助輪61を、後方のベルトコンベア2Bの背面側(前方のベルトコンベア2Fに対面する側と反対側)の左右二箇所に取り付けてある。補助輪61は、前方のベルトコンベア2Fの下端、後方のベルトコンベア2Bの下端及び補助輪61の下端が共に側面視で略一直線上に並ぶように取り付けてある。
補助輪61を取り付けたことによって、地面91上を移動させやすくなり、作業しやすい除草機構11となる。
【0046】
[除草方法]
次に、上記除草機構11を使用して、地面91に生えている草911を引き抜く手順を説明する。まず、エンジン41(図5参照)の図示しないスイッチを入れると出力軸が回転し、この回転出力が操作柄51の中空状内部空間に通挿した伝動軸52を介して巻出側プーリ22Bに伝達され、このプーリが回転する。すると、後方側のベルトコンベア2Bは、前方側のベルトコンベア2Fと対面する側の無端ベルト23Bが、巻込側プーリ21Bから巻出側プーリ22Bに向かって移動する方向に周回を始める。前方側のベルトコンベア2Fの無端ベルト23Fは、後方側のベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bと面接触しており、後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して前方側のベルトコンベア2Fも周回する。このとき、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに反対方向に周回することになる。
作業者は、例えば図5に示すように、操作柄51を肩にかけた状態でハンドル511を把持し、補助輪61で全体を支えながら除草箇所まで除草機構11を進行させる。除草箇所に着いたら、例えば、補助輪61を支点にして巻込側プーリ21F,21Bを地面91に接近させ、この状態で地面91上を前進または後進させる。すると、地面91に生えている草911が、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれる。引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0047】
また、周回しているベルトコンベア2F,2Bを利用して除草機構11を自走させることも可能である。具体的には、図6に示すように、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である前方側のベルトコンベア2Fの端部を地面91に接触させることによって、前方に進むための推進力を得ることができる。
なお、例えば、図7の変形例に示すように補助輪(61)を持たない除草機構11’とすれば、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である後方側のベルトコンベア2Bの端部を地面91に接触させることによって、後方に進むための推進力を得ることもできる。
【0048】
本実施形態では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側に補助輪61を取り付けたが、補助輪61の代わりに、図8に示すような板状のソリ62を取り付けてもよい。
また、後方のベルトコンベア2Bの背面側と前方のベルトコンベア2Fの背面側の両方に補助輪61又は板状のソリ62を取り付けてもよい。
さらに、本実施形態では、四個のプーリ21F,21B,22F,22Bは、全て同じ直径及び長さであったが、それぞれが異なる直径であってもよいし、異なる長さであってもよい。
【0049】
[第二実施形態の除草機構]
次に、第二実施形態の除草機構12(動力巻込式)について図9を用いて例示説明する。図9は同除草機構を前方に自走させている状態を示す右側面図である。この除草機構は、補助輪(61)がない代わりに従動車としての摩擦車7を備えている点で、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは異なる。なお、図9において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。また、以降、前述した第一実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
[摩擦車]
摩擦車7は円筒状でありベルトコンベアの背面側の基面寄りに横に倒れた状態で配設されている。本例では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側にのみ摩擦車7を配設してある。後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bの回転軸と、摩擦車7の回転軸は互いに平行である。摩擦車7の回転軸は支持フレーム24Bに固定された支持片71に軸支されて、摩擦車7が、ベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bと転がり接触するように構成されている。摩擦車7の下端は、側面視で、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの下端同士を結んだ線よりも僅かに地面91側にある。
【0051】
本第二実施形態の除草機構12は、この摩擦車7を利用して除草機構12を自走させることが可能なものである。即ち、前述した第一実施形態同様、動力装置のスイッチを入れて前後一対のベルトコンベア2F,2Bを互いに反対方向に周回させる。すると、後方側のベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bに従動して摩擦車7が回転する(図中[1]、[2])。この摩擦車7の下端を地面91に接触させることによって、前方に進むための推進力(図中[3])を得ることができるのである。
なお、本実施形態では、従動車として摩擦車7を用いたが、これに限定されず、歯車やスプロケット車を用いてもよい。また、エンジン41の回転出力を、巻出側プーリ22Bに伝達する代わりに、従動車としての摩擦車7に伝達させる機構を設けて、エンジン41の回転出力を受けて回転する摩擦車7に、後方側のベルトコンベア2Bを接触従動させてもよい。
【0052】
上記第一実施形態および第二実施形態の除草機構11,12は、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構としても好適に利用できる。即ち、これらの実施形態では、動力装置としてのエンジン41が操作柄51の上端に取り付けられているため、エンジン41を海水に浸けてしまうことなく、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの間にワカメや昆布を巻き込んで引き抜くことができるのである。
【0053】
[第三実施形態の除草機構]
次に、第三実施形態の除草機構(動力巻込式)13について図10を用いて例示説明する。図10は同除草機構を示す右側面図である。この除草機構は、回収ボックス81と堰板82を備えている点で、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは異なる。なお、図10において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
【0054】
[回収ボックス]
回収ボックス81は上方が開口した箱体であり、ベルトコンベアの背面側に取り付けられている。本例では、斜めに傾いた縦型の一対のベルトコンベア2F,2Bのうち、傾いた方の側である後方側のベルトコンベア2Bの背面側に回収ボックス81を取り付けてある。回収ボックス81は、その上方開口部のベルトコンベア側の縁部811が、無端ベルト23Bと近接するような状態で、後方側のベルトコンベア2Bの上下方向中央部に取り付けられている。
【0055】
[堰板]
堰板82は、回収ボックス81が取り付けられている側のベルトコンベアとは別のベルトコンベアに取り付けられている。本例では、上側が折れ曲がったフード状の堰板82を、前方側のベルトコンベア2Fの上端側(巻出側プーリ22F側)に取り付けてある。堰板82は、その下縁が、無端ベルト23Fと近接するような状態で、前方側のベルトコンベア2Fの上端側に取り付けられている。
【0056】
以下、本第三実施形態13の除草機構について、引き抜かれた草が回収ボックス81に収納される様子を説明する。前述した第一実施形態と同様の手順を経て、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれた草は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれの無端ベルト23F,23Bで挟持されたまま上方(巻込側プーリ21F,21Bから巻出側プーリ22F,22Bに向かう方向)に移送される。そして、上端側(巻出側プーリ22F,22Bの側)で無端ベルト23F,23Bが離間すると、解放された草は、堰板82に遮られて、後方側のベルトコンベア2Bの上端側から回収ボックス81に落下して回収されるのである。
【0057】
[第四実施形態の除草機構]
次に、第四実施形態の除草機構14(動力巻込式)について図11及び図12を用いて例示説明する。図11は同除草機構を示す右側面図であり図12は同除草機構を使用している様子を示す図である。なお、図11において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
本実施形態の除草機構14は、一対のベルトコンベア2F,2Bの位置関係が、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは大きく異なる。なお、補助輪がない点でも第一実施形態の除草機構とは異なる
【0058】
本実施形態は、いわゆる縦型の除草機構である。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係になるように、各巻込側プーリ(21F,21B)と各巻出側プーリ(22F,22B)が配設されている。なお、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。
【0059】
本実施形態の除草機構14は、除草対象ではない農作物910同士が密集している箇所での除草に威力を発揮する。すなわち、図12に示すように、一対のベルトコンベア2F,2Bの巻込側プーリ21F,21Bそれぞれが地面91に対して略平行になるような姿勢をとった場合に、一対のベルトコンベア2F,2Bのそれぞれが地面91に対して垂直になる。これによって、農作物910同士が密集してその間の空間が狭い場合でも、上方から除草機構14を垂直に投入することができ、それら農作物910の間に生えている草911に対して効果的な引き抜き作業ができるのである。刈払機を用いる場合とは異なり、農作物910を傷付けるおそれも少ない。
【0060】
なお、図1の第一実施形態と同様、前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されているが、前後の支持フレーム24F,24B同士を付勢する引き寄せ手段としての引っ張りバネ33は上下二段に設けてある。
【0061】
[第五実施形態の除草機構]
次に、第五実施形態の除草機構15について図13〜図15を用いて例示説明する。本実施形態の除草機構15は、いままで説明した除草機構とは異なり、動力装置を持たないいわゆる手押し巻込式の除草機構である。図13は第五実施形態の除草機構を使用している様子を示す図である。また、図14は同除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図であり、図15は同除草機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
この除草機構は、前述の通り、図5などに例示した第一実施形態の除草機構とは、動力装置としてのエンジン(41)を備えていない点で大きく異なる。なお、補助輪(61)がない点でも第一実施形態の除草機構と異なる。
【0062】
[除草方法]
図13に示すように、本実施形態の除草機構15は、操作柄51があるもののエンジン(41)を備えていない。以下、本除草機構15を使用して、地面に生えている草を引き抜く手順を説明する。
まず、操作柄51のハンドル511を掴んで、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行させようとする方向側のベルトコンベアのみ、その端部を地面に接触させる。具体的には、前方に進行させようとする場合には、図14に示すように前方側のベルトコンベア2Fのみ、後方に進行させようとする場合には、図15に示すように後方側のベルトコンベア2Bのみ、その端部を地面に接触させる。
次に、この状態を確保したまま、本除草機構15を地面91上に手押し進行させる。すると、進行方向側のベルトコンベア(図14では前方側のベルトコンベア2F、図15では後方側のベルトコンベア2B)が周回すると共に、これに接触従動して他方のベルトコンベアが反対方向に周回する。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に地面91に生えている草911が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0063】
なお、本実施形態においては、除草機構を地面上に手押し進行させたが、例えば、重力や磁力を利用して除草機構を進行させる機構を設け、この機構によって地面上を進行させてもよい。
【0064】
[第六実施形態の除草機構]
次に、第六実施形態の除草機構16について図16を用いて例示説明する。図16は同除草機構を示す右側面図である。
本実施形態の除草機構16は、図9に示した第二実施形態の除草機構とは、摩擦車7を備えている点で共通するものの、動力装置としてのエンジン(41)を備えていない点で異なる。また、図14等に示した第五実施形態の除草機構とは、摩擦車7を備えている点で異なる。
【0065】
[除草方法]
以下、図16を用いて、本除草機構を使用して地面に生えている草を引き抜く手順を説明する。
まず、図示しない操作柄のハンドルを掴んで、摩擦車7の下端を地面91に接触させる。次に、この状態を確保したまま、本除草機構16を摩擦車7のない前方側に向かって地面91上に手押し進行させる(図中[1])。すると、摩擦車7が回転し(図中[2])、これに従動して、摩擦車7と接触する後方側のベルトコンベア2Bが周回する(図中[3])。さらに、この後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して、前方側のベルトコンベア2Fが反対方向に周回する(図中[4])。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に地面91に生えている草911が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0066】
以上で、除草機構に関する説明を終える。次に、図17〜図22を用いて毛抜き機構について例示説明する。
【0067】
毛抜き機構を示す図17〜図22のうち、図17〜図20は、動力装置を備えた、いわゆる動力巻込式の毛抜き機構に関するものであり、一方、図21及び図22は、動力装置を備えていない、いわゆる手押し巻込式の毛抜き機構に関するものである。なお、以下に例示説明する毛抜き機構は、前述した除草機構よりも、サイズか小さいものである。
初めに、図17〜図20を用いて、第一実施形態の毛抜き機構(動力巻込式)について例示説明する。
【0068】
[第一実施形態の毛抜き機構]
図17〜図20に示すように、第一実施形態の毛抜き機構17は、一対のベルトコンベアと動力装置としての二つの小型モータに加えて、引き寄せ手段としての引っ張りバネを備えている。なお、以降、前述した除草機構と同様の構成要素については同様の符号を付してある。
【0069】
[ベルトコンベア]
前後に一対存在するベルトコンベア2F,2Bは、それぞれ、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bと、これらプーリに巻掛けた4本の細ベルト231F,231Bからなる無端ベルト23F,23Bとで構成されている。巻込側プーリ21F,21Bは皮膚92の近くに、巻出側プーリ22F,22Bは巻込側プーリよりも皮膚92から遠くに配置され、前後一対のベルトコンベア2F,2Bはそれぞれ斜めに傾いた縦型となっている。
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに対面している。即ち、一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれにおける巻込側プーリ21F,21Bの回転軸同士は互いに平行で、かつ、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。
【0070】
4本の細ベルト231F,231Bは、それぞれゴム製であり、幅方向に並べた状態で巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けられている。
【0071】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、その一方(2F)が他方(2B)に対しベルトコンベアの移送方向に沿って変位した位置にある。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係にならないように、前後一対のベルトコンベア2F,2Bを移送方向に沿ってずらして配置してある。本実施形態では、前方側のベルトコンベア2Fを、後方側のベルトコンベア2Bに対して、ベルトコンベアの移送方向に沿って斜め下方側(皮膚92側)にずらして配置してある。
【0072】
そして、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bの両方の回転軸を軸支する前後の支持フレーム24F,24Bでそれぞれ支えられており、この前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されている。
【0073】
[引き寄せ手段]
また、前後の支持フレーム24F,24B同士は引き寄せ手段としての引っ張りバネ33でも連結されており、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに相手側に向かって付勢されている。
そして、図19に示すように、前方側のベルトコンベア2Fの巻込側プーリ21F近傍における無端ベルト23Fの緊張部分23Tが、後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bによって、無端ベルト23Bを介して、無端ベルト23Fの表面から押さえ込まれて、無端ベルト23Fの緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる。
【0074】
なお、引き寄せ手段を設けることなく、無端ベルト23Fの緊張部分23Tを無端ベルト23Fの表面から巻込側プーリ21Bで押さえ込んで、緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる状態のまま、一対のベルトコンベアの相対位置を上下の連結バー31,32で固定してもよい。しかし、安定した動作のためには、引き寄せ手段を設けることが好ましい。
【0075】
[動力装置]
動力装置は、一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与えるためのものである。図17に示すように、本実施形態では、巻出側プーリ22F,22Bの回転軸に小型モータ42F,42Bをそれぞれ取り付け、いわゆるダイレクトドライブ方式によって一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与える。二つの小型モータ42F,42Bは、互いに同じ速度で反対方向に回転し、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bが、互いに同じ速度で反対方向に周回する。本実施形態では、図20に示すように、右側面視で、前方側の小型モータ42Fは反時計回りに回転し、これと同じ回転速度で後方側の小型モータ42Bは時計回りに回転する。小型モータ42Bは把持部55に設けられたモータ収容部550に収容されており、外部から目視確認できないようになっている。両小型モータ42F,42Bを駆動させるための電源装置は省略してある。
なお、巻出側プーリ22F,22Bの回転軸の一方にのみ小型モータを取り付けてもよい。この場合、他方のベルトコンベアは、小型モータによって周回している一方のベルトコンベアに接触従動する。
【0076】
[補助輪]
また、本実施形態では、移動手段としての補助輪61を、後方のベルトコンベア2Bの背面側(前方のベルトコンベア2Fに対面する側と反対側)の左右二箇所に取り付けてある。補助輪61は、前方のベルトコンベア2Fの下端、後方のベルトコンベア2Bの下端及び補助輪61の下端が共に側面視で略一直線上に並ぶように取り付けてある。
補助輪を設けたことによって、皮膚上を移動させやすくなり、使いやすい毛抜き機構となる。
【0077】
[毛抜き方法]
次に、上記毛抜き機構17を使用して、皮膚から生えている体毛を引き抜く手順を説明する。まず、小型モータ42F,42Bのスイッチ(図示せず)を入れるとモータの回転軸が回転し、この回転軸と直接的に連結された、巻出側プーリ22Fと巻出側プーリ22Bとが回転する。すると、前方側のベルトコンベア2Fは、後方側のベルトコンベア2Bと対面する側の無端ベルト23Fが巻込側プーリ21Fから巻出側プーリ22Fに向かって移動する方向に周回を始め、後方側のベルトコンベア2Bは、前方側のベルトコンベア2Fと対面する側の無端ベルト23Bが巻込側プーリ21Bから巻出側プーリ22Bに向かって移動する方向に周回を始める。このとき、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに反対方向に周回することになる。
毛抜き機構17の使用者は、例えば、図20に示すように、把持部55を掴み、補助輪61を支点にして巻込側プーリ21F,21Bを皮膚92に接近させ、この状態で皮膚92上を前進または後進させる。すると、皮膚92に生えている体毛921が、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれる。引き抜かれた体毛921は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0078】
また、周回しているベルトコンベア2F,2Bを利用して毛抜き機構を自走させることも可能である。具体的には、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である前方側のベルトコンベア2Fの端部を皮膚に接触させることによって、前方に進むための推進力を得ることができる。
なお、例えば、補助輪61を持たない毛抜き機構とすれば、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である後方側のベルトコンベア2Bの端部を皮膚に接触させることによって、後方に進むための推進力を得ることもできる。
【0079】
本実施形態では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側に補助輪61を取り付けたが、補助輪61の代わりに、板状のソリを取り付けてもよい。また、後方のベルトコンベア2Bの背面側と前方のベルトコンベア2Fの背面側の両方に補助輪61又は板状のソリを取り付けてもよい。
【0080】
[第二実施形態の毛抜き機構]
最後に、第二実施形態の毛抜き機構18について図21及び図22を用いて例示説明する。本実施形態の毛抜き機構は、いわゆる手押し巻込式の毛抜き機構である。図21は第二実施形態の毛抜き機構を前方に手押し進行させている様子を示す図であり、図22は同毛抜き機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。なお、これらの図では、皮膚に生えている体毛(921,図20参照)を省略してある。
この毛抜き機構18は、図20などに例示した第一実施形態の毛抜き機構とは、動力装置としての小型モータ(42F,42B)を備えていない点で大きく異なる。なお、補助輪(61)がない点でも第一実施形態の毛抜き機構と異なる
【0081】
[毛抜き方法]
図21に示すように、本実施形態の毛抜き機構18は、動力装置を備えていない。以下、本毛抜き機構18を使用して、皮膚92に生えている体毛(921)を引き抜く手順を説明する。
まず、把持部55を掴んで、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行させようとする方向側のベルトコンベアのみ、その端部を皮膚92に接触させる。具体的には、前方に進行させようとする場合には、図21に示すように前方側のベルトコンベア2Fのみ、後方に進行させようとする場合には、図22に示すように後方側のベルトコンベア2Bのみ、その端部を皮膚92に接触させる。
次に、この状態を確保したまま、本毛抜き機構18を皮膚上に手押し進行させる。すると、進行方向側のベルトコンベアが周回すると共に、これに接触従動して他方のベルトコンベアが反対方向に周回する。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に皮膚92に生えている体毛(921)が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた体毛(921)は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0082】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0083】
例えば、上記各実施形態では、無端ベルトとして複数の細ベルトを幅方向に並べたものを用いたが、これに限定されず、一本の太ベルトで構成してもよい。しかし、複数の細ベルトを幅方向に並べたものを用いた方が、植体を引き抜きやすくなるため好ましい。
【0084】
また、無端ベルトの材質も特に制限されず、例えば、ゴム製ベルト、金属網、布製のものを用いることができる。しかし、ゴム製ベルトを用いることが、植体を引き抜きやすくなるため好ましい。特に複数の細ベルトを幅方向に並べた無端ベルトとする場合には、ゴム製ベルトを用いると、幅方向に隣り合う細ベルトの隙間に挟み込まれた植体が保持されやすく、より一層、植体を引き抜きやすいものになるため好ましい。
【0085】
さらに、無端ベルトの表面側は平坦であってもよいし凹凸があってもよい。無端ベルトの搬送方向に沿って凹凸線を連続して設けてもよい。これにより、対面する一対のベルトコンベアにおける無端ベルト同士が凹凸線で嵌合して、植体を引き抜きやすいものになる。
【0086】
なお、前記各実施形態では、水平な基面(地面や皮膚)から生えている植体を引き抜く例を説明したが、本発明の引き抜き機構は、畑のウネなどの凹凸がある基面や、傾いている基面、垂直な基面などにも適用が可能である。また、本発明の引き抜き機構は、マジックハンドやロボットアームのエンドエフェクトとして使用可能なものであり、これによって、天井等の手の届かないところに生えている植体を引き抜くことができる。
【0087】
また、本発明の引き抜き機構は、以下の用途にも応用展開が可能な実用性の高いものである。例えば、果実等の樹の実を樹から取る用途、イカの下足を抜く用途、魚の鱗を剥がす用途、肉鶏の羽をむしり取る用途、などに幅広く応用展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第一実施形態の除草機構(引き抜き機構)示す右側面図である。
【図2】図1の除草機構の正面図である。
【図3】図1の除草機構の左側面図である。
【図4】図1におけるP部の拡大図である。
【図5】図1の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図6】図1の除草機構を前方に自走させている状態を示す図である。
【図7】図1の除草機構の変形例を後方に自走させている状態を示す図である。
【図8】図1の除草機構の別の変形例を示す右側面図である。
【図9】第二実施形態の除草機構を前方に自走させている状態を示す右側面図である。
【図10】第三実施形態の除草機構を示す右側面図である。
【図11】第四実施形態の除草機構を示す右側面図である。
【図12】図11の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図13】第五実施形態の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図14】図13の除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図15】図13の除草機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図16】第六実施形態の除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図17】第一実施形態の毛抜き機構(引き抜き機構)を示す右側面図である。
【図18】図17の毛抜き機構を示す正面図である。
【図19】図17におけるQ部の拡大図である。
【図20】図17の毛抜き機構を使用している様子を示す図である。
【図21】第二実施形態の毛抜き機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図22】図21の毛抜き機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
11〜16 除草機構(引き抜き機構)
17,18 毛抜き機構(引き抜き機構)
2F,2B ベルトコンベア
21F,21B 巻込側プーリ
22F,22B 巻出側プーリ
23F,23B 無端ベルト
23T 無端ベルトの緊張部分
24F,24B 支持フレーム
33 引っ張りバネ(引き寄せ手段)
41 エンジン(動力装置)
42F,42B 小型モータ(動力装置)
7 摩擦車(従動車)
81 回収ボックス
91 地面(基面)
911 草(植体)
92 皮膚(基面)
921 体毛(植体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構に関する。例えば、地面から生えている草を引き抜くための除草機構や、皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構に関する。
【背景技術】
【0002】
庭や畑などの地面から生えている草を取り除くために様々な方法がある。例えば、古くから、手でむしり取ったり、鎌などの簡単な器具を用いたりしてきた。しかし、このような方法は、手間がかかるばかりか、長時間の中腰・座り作業で苦痛を伴うものであった。
【0003】
この課題を解決するため、例えば、刈払機を用いて草を刈り取ったりしてきた。しかし、農作物付近の草は刈り取りにくいばかりか、草の根が地中に残ってしまうという課題があった。ここで、特許文献1に開示されている「草取り機」を用いれば、農作物付近の草を根から引き抜くことが可能と思われるが、広い範囲の除草をしようとすると作業に時間がかかるものであった。また、特許文献2に開示されている「草抜き機」を用いても草を根から引き抜くことが可能と思われるが、この「草抜き機」は非常に大掛かりなものであり、また、必要以上に地面を掘り起こしてしまうものであった。
【0004】
一方、皮膚から生えている体毛を除毛するために様々な方法がある。例えば従来から、カミソリで剃ったり、除毛クリームで体毛を溶かしたりしてきた。しかし、カミソリで剃る方法は、毛根が残ってしまい除毛効果が長続きしないものであった。また、除毛クリームを用いる方法は、カミソリで剃る場合と比べて除毛効果が長続きしやすいものの、薬品に対して皮膚が敏感な場合には使用できないものであった。
【0005】
上記以外にも、庭や畑などの地面に生えている花などの植物や小さな木などを効率よく引き抜くための装置等が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特開平6−189602号公報
【特許文献2】特開2003−230305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の目的は、基体に根付いて基面から生えている植体を効率よく引き抜くことができる比較的簡単な構成の引き抜き機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構であって、互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、基面から生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜く、引き抜き機構とした。
【0009】
この引き抜き機構は、互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、この一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、基面から生えている植体を一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くものであるため、植体を基面から引き抜きやすいものである。植体は、一対のベルトコンベアにおけるそれぞれのベルトとの摩擦によって、ベルトコンベアの間に巻き込まれて引き抜かれる。
また、上記引き抜き機構は、短時間に多くの植体を引き抜くことができ作業効率が高いものである。さらに、非常に簡単な構成であり、安価に製造することができるものでもある。
ここで、「基体に根付いて基面から生えている植体」は、「一定の広がりのある基本となる物に根付いて、その表面から生えている物体」を指し、例えば、大地に根付いて地面から生えている草、花及び小さな木や、人体に根付いて皮膚から生えている体毛のことを指す。
【0010】
このとき、一対のベルトコンベアが、基面の近くに配置する巻込側プーリと、巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、巻込側プーリと巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分が、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで表面から押さえ込まれて、緊張部分が内側に食い込んでいる、引き抜き機構とすることができる。
【0011】
この引き抜き機構は、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分を、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで無端ベルトの表面から押さえ込んでいるため、無端ベルトの表面同士が強く密着し、これによって植体との摩擦が増えて、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。
【0012】
また、一対のベルトコンベアが、基面の近くに配置する巻込側プーリと、巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、巻込側プーリと巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、無端ベルトが、複数の細ベルトを幅方向に並べたものである、引き抜き機構とすることもできる。
【0013】
この引き抜き機構は、幅方向に隣り合う細ベルトの隙間に植体が挟み込まれることによって、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。
【0014】
また、一対のベルトコンベアが、それぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、互いに相手側に向けて付勢されている、引き抜き機構とすることもできる。
【0015】
この引き抜き機構は、一対のベルトコンベアそれぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、一対のベルトコンベアを互いに相手側に向けて付勢した状態で近接離反自在とするものであり、様々な形状及び太さの植体に対応することができるとともに、引き抜かれた植体の根本に基体の一部が付着している場合(例えば、地面から引き抜かれた草の根元に土や小石が付着している場合)でも、無理な力がかからず安定した動作をすることができるものになる。
【0016】
また、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えた、引き抜き機構とすることもできる。この引き抜き機構は、動力巻込式ともいえるものであって、動力装置を用いて一対のベルトコンベアを周回させるため、作業効率が非常に高いものになる。
【0017】
このとき、一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアのみが動力装置に連結している、引き抜き機構とすることが好ましい。この引き抜き機構は、動力装置に連結している一方のベルトコンベアが周回すると、動力装置に連結していない他方のベルトコンベアは、周回する一方のコンベアに接触従動してこれとは反対方向に周回することになる。これによって、より簡単な構成の引き抜き機構を実現できる。
【0018】
またこのとき、一対のベルトコンベアが、いずれも動力装置に連結しており、互いに同じ速度で反対方向に周回するように構成した、引き抜き機構とすることも好ましい。この引き抜き機構は、無端ベルトと植体との摩擦が増えて、より一層、植体を引き抜きやすいものになる。一つの動力装置の出力を機構的に割り振って一対のベルトコンベアそれぞれを連結してもよいし、動力装置を二つ設け、それぞれの動力装置に対応させて一対のベルトコンベアを連結してもよい。
【0019】
さらにこのとき、ベルトコンベアの背面側の基面寄りに、無端ベルトと従動する従動車を備えた、引き抜き機構とすることも好ましい。
【0020】
この引き抜き機構は、動力装置の出力を、無端ベルトを介して従動車に伝達することで従動車を回転させることができ、作業者の簡単なサポートによって基面上を自走させることができる引き抜き機構を実現できる。従動車には、例えば、無端ベルトと転がり接触する摩擦車がある。
【0021】
また、引き抜き機構が、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えておらず、一対のベルトコンベアのうち進行方向側のベルトコンベアのみが端部を基面に接した状態で基面上を手押し進行させることで、進行方向側のベルトコンベアを周回させると共に、これと接触従動する他方のベルトコンベアも周回させて、基面に生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くように構成した、引き抜き機構とすることもできる。
【0022】
この引き抜き機構は、手押し巻込式ともいえるものであって、一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えることなく基面に生えている植体を引き抜くことができるものであり、簡単な構成で安価に製造できる。
【0023】
また、ベルトコンベアの背面側に、引き抜かれた植体を回収するための回収ボックスを備えた、引き抜き機構とすることもできる。
【0024】
この引き抜き機構は、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜かれた植体を効率的に回収することができるものである。
【0025】
また、引き抜き機構が、地面から生えている草を引き抜くための除草機構とすることもできる。
【0026】
この引き抜き機構は、大地に根付いて地面から生えている草を根から引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0027】
また、引き抜き機構が、皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構とすることもできる。
【0028】
この引き抜き機構は、人体に根付いて皮膚から生えている体毛を毛根から引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0029】
また、引き抜き機構が、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構とすることもできる。
【0030】
この引き抜き機構は、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くことができるとともに、比較的簡単な構成でありながら作業効率が高いものである。
【0031】
また、エンドエフェクタとして用いられる、引き抜き機構とすることもできる。
【0032】
この引き抜き機構は、マジックハンドやロボットアームのエンドエフェクトとして使用され、これによって、天井等の手の届かないところに生えている植体を引き抜くことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、基体に根付いて基面から生えている植体を効率よく引き抜くことができる比較的簡単な構成の引き抜き機構を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図を用いて、本発明の引き抜き機構を、代表例である除草機構と毛抜き機構に基づいて説明する。図1〜図16は除草機構に関するものであり、図17〜図22は毛抜き機構に関するものである。まず、図1〜図16を用いて除草機構について例示説明する。
【0035】
除草機構を示す図1〜図16のうち、図1〜図12は、動力装置を備えた、いわゆる動力巻込式の除草機構に関するものであり、一方、図13〜図16は、動力装置を備えていない、いわゆる手押し巻込式の除草機構に関するものである。
さらに、動力巻込式の除草機構に関する図1〜図12のうち、図1〜図8は第一実施形態の除草機構を説明するための図であり、図9は第二実施形態、図10は第三実施形態、図11及び図12は第四実施形態の除草機構を説明するための図である。
また、手押し巻込式の除草機構に関する図13〜図16のうち、図13〜図15は、第五実施形態の除草機構を説明するための図であり、図16は第六実施形態の除草機構を説明するための図である。
始めに、図1〜図8を用いて、第一実施形態の除草機構(動力巻込式)について例示説明する。
【0036】
[第一実施形態の除草機構]
図1〜図8に示すように、第一実施形態の除草機構11は、一対のベルトコンベア2F,2Bと動力装置としてのエンジン41(図5参照)に加えて、引き寄せ手段としての引っ張りバネ33を備えている。なお、図1〜図3及び図6〜図8において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
【0037】
[ベルトコンベア]
前後に一対存在するベルトコンベア2F,2Bは、それぞれ、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bと、これらプーリに巻掛けた7本の細ベルト231F,231Bからなる無端ベルト23F,23Bとで構成されている。四個のプーリ21F,21B,22F,22Bは、全て同じ直径及び長さである。巻込側プーリ21F,21Bは地面91(図5参照)の近くに、巻出側プーリ22F,22Bは巻込側プーリよりも地面91から遠くに配置され、前後一対のベルトコンベア2F,2Bはそれぞれ斜めに傾いた縦型となっている。
【0038】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに対面している。即ち、一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれにおける巻込側プーリ21F,21Bの回転軸同士は互いに平行で、かつ、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、互いに対面する側で接触している。即ち、それぞれの無端ベルト23F,23B同志が、互いに対面する側で面接触している。
【0039】
7本の細ベルト231F,231Bは、それぞれゴム製であり、幅方向に並べた状態で巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けられている。
【0040】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、その一方(2F)が他方(2B)に対しベルトコンベアの移送方向に沿って変位した位置にある。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係にならないように、前後一対のベルトコンベア2F,2Bを移送方向に沿ってずらして配置してある。本実施形態では、前方側のベルトコンベア2Fを、後方側のベルトコンベア2Bに対して、ベルトコンベアの移送方向に沿って斜め下方側(地面91側)にずらして配置してある。
【0041】
そして、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bの両方の回転軸を軸支する前後の支持フレーム24F,24Bでそれぞれ支えられており、この前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されている。
【0042】
[引き寄せ手段]
また、前後の支持フレーム24F,24B同士は引き寄せ手段としての引っ張りバネ33でも連結されており、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに相手側に向かって付勢されている。
そして、図4に示すように、前方側のベルトコンベア2Fの巻込側プーリ21F近傍における無端ベルト23Fの緊張部分23Tが、後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bによって、無端ベルト23Bを介して、無端ベルト23Fの表面から押さえ込まれて、無端ベルト23Fの緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる。
【0043】
なお、引き寄せ手段を設けることなく、無端ベルト23Fの緊張部分23Tを無端ベルト23Fの表面から巻込側プーリ21Bで押さえ込んで、緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる状態のまま、一対のベルトコンベアの相対位置を上下の連結バー31,32で固定してもよい。しかし、安定した動作のためには、引き寄せ手段を設けることが好ましい。
【0044】
[動力装置]
動力装置としてのエンジン41(図5参照)は、一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与えるためのものである。本実施形態では、エンジン41は、作業者が除草機構11を操作するための操作柄51の上端に取り付けられている。エンジン41の出力軸は、操作柄51の中空状内部空間に通挿した伝動軸52に連結されており、この伝動軸52を介して巻出側プーリ22Bに回転出力が伝達されて後方側のベルトコンベア2Bが周回するように構成されている。前方側のベルトコンベア2Fは、後述するように、周回している後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して周回することになる。
エンジン41が操作柄51の上端に取り付けられているため、草などを巻き込むための一対のベルトコンベア2F,2Bの周辺部分がコンパクトに構成でき、除草対象外の農作物の間に生えた雑草を引き抜くような場合でも使いやすい除草機構となる。
なお、伝動軸52から巻出側プーリ22Bの回転軸への回転出力の伝達は、種々の公知手段を用いることができる。例えば、傘歯車機構や自在接手を用いればよい。本実施形態では、操作柄51が連結される連結ユニット53の内部に傘歯車機構を設けて、伝動軸52から巻出側プーリ22Bの回転軸へ回転出力が伝達されるように構成してある。
また、図1などにおいて、エンジン41と連結している巻出側プーリ22Bには、ほぼ全体にクロスハッチングを施して表示してある。
【0045】
[補助輪]
また、本実施形態では、移動手段としての補助輪61を、後方のベルトコンベア2Bの背面側(前方のベルトコンベア2Fに対面する側と反対側)の左右二箇所に取り付けてある。補助輪61は、前方のベルトコンベア2Fの下端、後方のベルトコンベア2Bの下端及び補助輪61の下端が共に側面視で略一直線上に並ぶように取り付けてある。
補助輪61を取り付けたことによって、地面91上を移動させやすくなり、作業しやすい除草機構11となる。
【0046】
[除草方法]
次に、上記除草機構11を使用して、地面91に生えている草911を引き抜く手順を説明する。まず、エンジン41(図5参照)の図示しないスイッチを入れると出力軸が回転し、この回転出力が操作柄51の中空状内部空間に通挿した伝動軸52を介して巻出側プーリ22Bに伝達され、このプーリが回転する。すると、後方側のベルトコンベア2Bは、前方側のベルトコンベア2Fと対面する側の無端ベルト23Bが、巻込側プーリ21Bから巻出側プーリ22Bに向かって移動する方向に周回を始める。前方側のベルトコンベア2Fの無端ベルト23Fは、後方側のベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bと面接触しており、後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して前方側のベルトコンベア2Fも周回する。このとき、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに反対方向に周回することになる。
作業者は、例えば図5に示すように、操作柄51を肩にかけた状態でハンドル511を把持し、補助輪61で全体を支えながら除草箇所まで除草機構11を進行させる。除草箇所に着いたら、例えば、補助輪61を支点にして巻込側プーリ21F,21Bを地面91に接近させ、この状態で地面91上を前進または後進させる。すると、地面91に生えている草911が、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれる。引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0047】
また、周回しているベルトコンベア2F,2Bを利用して除草機構11を自走させることも可能である。具体的には、図6に示すように、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である前方側のベルトコンベア2Fの端部を地面91に接触させることによって、前方に進むための推進力を得ることができる。
なお、例えば、図7の変形例に示すように補助輪(61)を持たない除草機構11’とすれば、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である後方側のベルトコンベア2Bの端部を地面91に接触させることによって、後方に進むための推進力を得ることもできる。
【0048】
本実施形態では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側に補助輪61を取り付けたが、補助輪61の代わりに、図8に示すような板状のソリ62を取り付けてもよい。
また、後方のベルトコンベア2Bの背面側と前方のベルトコンベア2Fの背面側の両方に補助輪61又は板状のソリ62を取り付けてもよい。
さらに、本実施形態では、四個のプーリ21F,21B,22F,22Bは、全て同じ直径及び長さであったが、それぞれが異なる直径であってもよいし、異なる長さであってもよい。
【0049】
[第二実施形態の除草機構]
次に、第二実施形態の除草機構12(動力巻込式)について図9を用いて例示説明する。図9は同除草機構を前方に自走させている状態を示す右側面図である。この除草機構は、補助輪(61)がない代わりに従動車としての摩擦車7を備えている点で、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは異なる。なお、図9において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。また、以降、前述した第一実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
[摩擦車]
摩擦車7は円筒状でありベルトコンベアの背面側の基面寄りに横に倒れた状態で配設されている。本例では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側にのみ摩擦車7を配設してある。後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bの回転軸と、摩擦車7の回転軸は互いに平行である。摩擦車7の回転軸は支持フレーム24Bに固定された支持片71に軸支されて、摩擦車7が、ベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bと転がり接触するように構成されている。摩擦車7の下端は、側面視で、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの下端同士を結んだ線よりも僅かに地面91側にある。
【0051】
本第二実施形態の除草機構12は、この摩擦車7を利用して除草機構12を自走させることが可能なものである。即ち、前述した第一実施形態同様、動力装置のスイッチを入れて前後一対のベルトコンベア2F,2Bを互いに反対方向に周回させる。すると、後方側のベルトコンベア2Bの無端ベルト23Bに従動して摩擦車7が回転する(図中[1]、[2])。この摩擦車7の下端を地面91に接触させることによって、前方に進むための推進力(図中[3])を得ることができるのである。
なお、本実施形態では、従動車として摩擦車7を用いたが、これに限定されず、歯車やスプロケット車を用いてもよい。また、エンジン41の回転出力を、巻出側プーリ22Bに伝達する代わりに、従動車としての摩擦車7に伝達させる機構を設けて、エンジン41の回転出力を受けて回転する摩擦車7に、後方側のベルトコンベア2Bを接触従動させてもよい。
【0052】
上記第一実施形態および第二実施形態の除草機構11,12は、海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構としても好適に利用できる。即ち、これらの実施形態では、動力装置としてのエンジン41が操作柄51の上端に取り付けられているため、エンジン41を海水に浸けてしまうことなく、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの間にワカメや昆布を巻き込んで引き抜くことができるのである。
【0053】
[第三実施形態の除草機構]
次に、第三実施形態の除草機構(動力巻込式)13について図10を用いて例示説明する。図10は同除草機構を示す右側面図である。この除草機構は、回収ボックス81と堰板82を備えている点で、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは異なる。なお、図10において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
【0054】
[回収ボックス]
回収ボックス81は上方が開口した箱体であり、ベルトコンベアの背面側に取り付けられている。本例では、斜めに傾いた縦型の一対のベルトコンベア2F,2Bのうち、傾いた方の側である後方側のベルトコンベア2Bの背面側に回収ボックス81を取り付けてある。回収ボックス81は、その上方開口部のベルトコンベア側の縁部811が、無端ベルト23Bと近接するような状態で、後方側のベルトコンベア2Bの上下方向中央部に取り付けられている。
【0055】
[堰板]
堰板82は、回収ボックス81が取り付けられている側のベルトコンベアとは別のベルトコンベアに取り付けられている。本例では、上側が折れ曲がったフード状の堰板82を、前方側のベルトコンベア2Fの上端側(巻出側プーリ22F側)に取り付けてある。堰板82は、その下縁が、無端ベルト23Fと近接するような状態で、前方側のベルトコンベア2Fの上端側に取り付けられている。
【0056】
以下、本第三実施形態13の除草機構について、引き抜かれた草が回収ボックス81に収納される様子を説明する。前述した第一実施形態と同様の手順を経て、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれた草は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれの無端ベルト23F,23Bで挟持されたまま上方(巻込側プーリ21F,21Bから巻出側プーリ22F,22Bに向かう方向)に移送される。そして、上端側(巻出側プーリ22F,22Bの側)で無端ベルト23F,23Bが離間すると、解放された草は、堰板82に遮られて、後方側のベルトコンベア2Bの上端側から回収ボックス81に落下して回収されるのである。
【0057】
[第四実施形態の除草機構]
次に、第四実施形態の除草機構14(動力巻込式)について図11及び図12を用いて例示説明する。図11は同除草機構を示す右側面図であり図12は同除草機構を使用している様子を示す図である。なお、図11において、動力装置としてのエンジンは表示されていない。
本実施形態の除草機構14は、一対のベルトコンベア2F,2Bの位置関係が、図1等に示した第一実施形態の除草機構とは大きく異なる。なお、補助輪がない点でも第一実施形態の除草機構とは異なる
【0058】
本実施形態は、いわゆる縦型の除草機構である。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係になるように、各巻込側プーリ(21F,21B)と各巻出側プーリ(22F,22B)が配設されている。なお、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。
【0059】
本実施形態の除草機構14は、除草対象ではない農作物910同士が密集している箇所での除草に威力を発揮する。すなわち、図12に示すように、一対のベルトコンベア2F,2Bの巻込側プーリ21F,21Bそれぞれが地面91に対して略平行になるような姿勢をとった場合に、一対のベルトコンベア2F,2Bのそれぞれが地面91に対して垂直になる。これによって、農作物910同士が密集してその間の空間が狭い場合でも、上方から除草機構14を垂直に投入することができ、それら農作物910の間に生えている草911に対して効果的な引き抜き作業ができるのである。刈払機を用いる場合とは異なり、農作物910を傷付けるおそれも少ない。
【0060】
なお、図1の第一実施形態と同様、前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されているが、前後の支持フレーム24F,24B同士を付勢する引き寄せ手段としての引っ張りバネ33は上下二段に設けてある。
【0061】
[第五実施形態の除草機構]
次に、第五実施形態の除草機構15について図13〜図15を用いて例示説明する。本実施形態の除草機構15は、いままで説明した除草機構とは異なり、動力装置を持たないいわゆる手押し巻込式の除草機構である。図13は第五実施形態の除草機構を使用している様子を示す図である。また、図14は同除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図であり、図15は同除草機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
この除草機構は、前述の通り、図5などに例示した第一実施形態の除草機構とは、動力装置としてのエンジン(41)を備えていない点で大きく異なる。なお、補助輪(61)がない点でも第一実施形態の除草機構と異なる。
【0062】
[除草方法]
図13に示すように、本実施形態の除草機構15は、操作柄51があるもののエンジン(41)を備えていない。以下、本除草機構15を使用して、地面に生えている草を引き抜く手順を説明する。
まず、操作柄51のハンドル511を掴んで、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行させようとする方向側のベルトコンベアのみ、その端部を地面に接触させる。具体的には、前方に進行させようとする場合には、図14に示すように前方側のベルトコンベア2Fのみ、後方に進行させようとする場合には、図15に示すように後方側のベルトコンベア2Bのみ、その端部を地面に接触させる。
次に、この状態を確保したまま、本除草機構15を地面91上に手押し進行させる。すると、進行方向側のベルトコンベア(図14では前方側のベルトコンベア2F、図15では後方側のベルトコンベア2B)が周回すると共に、これに接触従動して他方のベルトコンベアが反対方向に周回する。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に地面91に生えている草911が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0063】
なお、本実施形態においては、除草機構を地面上に手押し進行させたが、例えば、重力や磁力を利用して除草機構を進行させる機構を設け、この機構によって地面上を進行させてもよい。
【0064】
[第六実施形態の除草機構]
次に、第六実施形態の除草機構16について図16を用いて例示説明する。図16は同除草機構を示す右側面図である。
本実施形態の除草機構16は、図9に示した第二実施形態の除草機構とは、摩擦車7を備えている点で共通するものの、動力装置としてのエンジン(41)を備えていない点で異なる。また、図14等に示した第五実施形態の除草機構とは、摩擦車7を備えている点で異なる。
【0065】
[除草方法]
以下、図16を用いて、本除草機構を使用して地面に生えている草を引き抜く手順を説明する。
まず、図示しない操作柄のハンドルを掴んで、摩擦車7の下端を地面91に接触させる。次に、この状態を確保したまま、本除草機構16を摩擦車7のない前方側に向かって地面91上に手押し進行させる(図中[1])。すると、摩擦車7が回転し(図中[2])、これに従動して、摩擦車7と接触する後方側のベルトコンベア2Bが周回する(図中[3])。さらに、この後方側のベルトコンベア2Bに接触従動して、前方側のベルトコンベア2Fが反対方向に周回する(図中[4])。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に地面91に生えている草911が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた草911は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0066】
以上で、除草機構に関する説明を終える。次に、図17〜図22を用いて毛抜き機構について例示説明する。
【0067】
毛抜き機構を示す図17〜図22のうち、図17〜図20は、動力装置を備えた、いわゆる動力巻込式の毛抜き機構に関するものであり、一方、図21及び図22は、動力装置を備えていない、いわゆる手押し巻込式の毛抜き機構に関するものである。なお、以下に例示説明する毛抜き機構は、前述した除草機構よりも、サイズか小さいものである。
初めに、図17〜図20を用いて、第一実施形態の毛抜き機構(動力巻込式)について例示説明する。
【0068】
[第一実施形態の毛抜き機構]
図17〜図20に示すように、第一実施形態の毛抜き機構17は、一対のベルトコンベアと動力装置としての二つの小型モータに加えて、引き寄せ手段としての引っ張りバネを備えている。なお、以降、前述した除草機構と同様の構成要素については同様の符号を付してある。
【0069】
[ベルトコンベア]
前後に一対存在するベルトコンベア2F,2Bは、それぞれ、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bと、これらプーリに巻掛けた4本の細ベルト231F,231Bからなる無端ベルト23F,23Bとで構成されている。巻込側プーリ21F,21Bは皮膚92の近くに、巻出側プーリ22F,22Bは巻込側プーリよりも皮膚92から遠くに配置され、前後一対のベルトコンベア2F,2Bはそれぞれ斜めに傾いた縦型となっている。
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに対面している。即ち、一対のベルトコンベア2F,2Bそれぞれにおける巻込側プーリ21F,21Bの回転軸同士は互いに平行で、かつ、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含んだ平面と、他方のベルトコンベア(2B)における巻込側プーリ(21B)と巻出側プーリ(22B)の回転軸を共に含んだ平面とは互いに平行である。
【0070】
4本の細ベルト231F,231Bは、それぞれゴム製であり、幅方向に並べた状態で巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bに巻掛けられている。
【0071】
また、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、その一方(2F)が他方(2B)に対しベルトコンベアの移送方向に沿って変位した位置にある。即ち、前後一対のベルトコンベア2F,2Bにおけるそれぞれの巻込側プーリ21F,21Bの回転軸を共に含む平面と、一方のベルトコンベア(2F)における巻込側プーリ(21F)と巻出側プーリ(22F)の回転軸を共に含む平面とが垂直関係にならないように、前後一対のベルトコンベア2F,2Bを移送方向に沿ってずらして配置してある。本実施形態では、前方側のベルトコンベア2Fを、後方側のベルトコンベア2Bに対して、ベルトコンベアの移送方向に沿って斜め下方側(皮膚92側)にずらして配置してある。
【0072】
そして、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは、巻込側プーリ21F,21Bと巻出側プーリ22F,22Bの両方の回転軸を軸支する前後の支持フレーム24F,24Bでそれぞれ支えられており、この前後の支持フレーム24F,24B同士は上下の連結バー31,32で近接離反自在に連結されている。
【0073】
[引き寄せ手段]
また、前後の支持フレーム24F,24B同士は引き寄せ手段としての引っ張りバネ33でも連結されており、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに相手側に向かって付勢されている。
そして、図19に示すように、前方側のベルトコンベア2Fの巻込側プーリ21F近傍における無端ベルト23Fの緊張部分23Tが、後方側のベルトコンベア2Bの巻込側プーリ21Bによって、無端ベルト23Bを介して、無端ベルト23Fの表面から押さえ込まれて、無端ベルト23Fの緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる。
【0074】
なお、引き寄せ手段を設けることなく、無端ベルト23Fの緊張部分23Tを無端ベルト23Fの表面から巻込側プーリ21Bで押さえ込んで、緊張部分23Tが前方側のベルトコンベア2Fの内側に食い込んでいる状態のまま、一対のベルトコンベアの相対位置を上下の連結バー31,32で固定してもよい。しかし、安定した動作のためには、引き寄せ手段を設けることが好ましい。
【0075】
[動力装置]
動力装置は、一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与えるためのものである。図17に示すように、本実施形態では、巻出側プーリ22F,22Bの回転軸に小型モータ42F,42Bをそれぞれ取り付け、いわゆるダイレクトドライブ方式によって一対のベルトコンベア2F,2Bに周回動力を与える。二つの小型モータ42F,42Bは、互いに同じ速度で反対方向に回転し、これによって、一対のベルトコンベア2F,2Bが、互いに同じ速度で反対方向に周回する。本実施形態では、図20に示すように、右側面視で、前方側の小型モータ42Fは反時計回りに回転し、これと同じ回転速度で後方側の小型モータ42Bは時計回りに回転する。小型モータ42Bは把持部55に設けられたモータ収容部550に収容されており、外部から目視確認できないようになっている。両小型モータ42F,42Bを駆動させるための電源装置は省略してある。
なお、巻出側プーリ22F,22Bの回転軸の一方にのみ小型モータを取り付けてもよい。この場合、他方のベルトコンベアは、小型モータによって周回している一方のベルトコンベアに接触従動する。
【0076】
[補助輪]
また、本実施形態では、移動手段としての補助輪61を、後方のベルトコンベア2Bの背面側(前方のベルトコンベア2Fに対面する側と反対側)の左右二箇所に取り付けてある。補助輪61は、前方のベルトコンベア2Fの下端、後方のベルトコンベア2Bの下端及び補助輪61の下端が共に側面視で略一直線上に並ぶように取り付けてある。
補助輪を設けたことによって、皮膚上を移動させやすくなり、使いやすい毛抜き機構となる。
【0077】
[毛抜き方法]
次に、上記毛抜き機構17を使用して、皮膚から生えている体毛を引き抜く手順を説明する。まず、小型モータ42F,42Bのスイッチ(図示せず)を入れるとモータの回転軸が回転し、この回転軸と直接的に連結された、巻出側プーリ22Fと巻出側プーリ22Bとが回転する。すると、前方側のベルトコンベア2Fは、後方側のベルトコンベア2Bと対面する側の無端ベルト23Fが巻込側プーリ21Fから巻出側プーリ22Fに向かって移動する方向に周回を始め、後方側のベルトコンベア2Bは、前方側のベルトコンベア2Fと対面する側の無端ベルト23Bが巻込側プーリ21Bから巻出側プーリ22Bに向かって移動する方向に周回を始める。このとき、前後一対のベルトコンベア2F,2Bは互いに反対方向に周回することになる。
毛抜き機構17の使用者は、例えば、図20に示すように、把持部55を掴み、補助輪61を支点にして巻込側プーリ21F,21Bを皮膚92に接近させ、この状態で皮膚92上を前進または後進させる。すると、皮膚92に生えている体毛921が、互いに反対方向に周回している一対のベルトコンベア2F,2Bの間に巻き込んで引き抜かれる。引き抜かれた体毛921は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0078】
また、周回しているベルトコンベア2F,2Bを利用して毛抜き機構を自走させることも可能である。具体的には、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である前方側のベルトコンベア2Fの端部を皮膚に接触させることによって、前方に進むための推進力を得ることができる。
なお、例えば、補助輪61を持たない毛抜き機構とすれば、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行方向側である後方側のベルトコンベア2Bの端部を皮膚に接触させることによって、後方に進むための推進力を得ることもできる。
【0079】
本実施形態では、後方側のベルトコンベア2Bの背面側に補助輪61を取り付けたが、補助輪61の代わりに、板状のソリを取り付けてもよい。また、後方のベルトコンベア2Bの背面側と前方のベルトコンベア2Fの背面側の両方に補助輪61又は板状のソリを取り付けてもよい。
【0080】
[第二実施形態の毛抜き機構]
最後に、第二実施形態の毛抜き機構18について図21及び図22を用いて例示説明する。本実施形態の毛抜き機構は、いわゆる手押し巻込式の毛抜き機構である。図21は第二実施形態の毛抜き機構を前方に手押し進行させている様子を示す図であり、図22は同毛抜き機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。なお、これらの図では、皮膚に生えている体毛(921,図20参照)を省略してある。
この毛抜き機構18は、図20などに例示した第一実施形態の毛抜き機構とは、動力装置としての小型モータ(42F,42B)を備えていない点で大きく異なる。なお、補助輪(61)がない点でも第一実施形態の毛抜き機構と異なる
【0081】
[毛抜き方法]
図21に示すように、本実施形態の毛抜き機構18は、動力装置を備えていない。以下、本毛抜き機構18を使用して、皮膚92に生えている体毛(921)を引き抜く手順を説明する。
まず、把持部55を掴んで、一対のベルトコンベア2F,2Bのうち進行させようとする方向側のベルトコンベアのみ、その端部を皮膚92に接触させる。具体的には、前方に進行させようとする場合には、図21に示すように前方側のベルトコンベア2Fのみ、後方に進行させようとする場合には、図22に示すように後方側のベルトコンベア2Bのみ、その端部を皮膚92に接触させる。
次に、この状態を確保したまま、本毛抜き機構18を皮膚上に手押し進行させる。すると、進行方向側のベルトコンベアが周回すると共に、これに接触従動して他方のベルトコンベアが反対方向に周回する。この一対のベルトコンベア2F,2Bの間に皮膚92に生えている体毛(921)が巻き込まれて引き抜かれる。
引き抜かれた体毛(921)は、前後一対のベルトコンベア2F,2Bの無端ベルト23F,23Bの間に挟み込まれて巻出側プーリ22F,22Bの側まで移送され、そこから排出されるのである。
【0082】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0083】
例えば、上記各実施形態では、無端ベルトとして複数の細ベルトを幅方向に並べたものを用いたが、これに限定されず、一本の太ベルトで構成してもよい。しかし、複数の細ベルトを幅方向に並べたものを用いた方が、植体を引き抜きやすくなるため好ましい。
【0084】
また、無端ベルトの材質も特に制限されず、例えば、ゴム製ベルト、金属網、布製のものを用いることができる。しかし、ゴム製ベルトを用いることが、植体を引き抜きやすくなるため好ましい。特に複数の細ベルトを幅方向に並べた無端ベルトとする場合には、ゴム製ベルトを用いると、幅方向に隣り合う細ベルトの隙間に挟み込まれた植体が保持されやすく、より一層、植体を引き抜きやすいものになるため好ましい。
【0085】
さらに、無端ベルトの表面側は平坦であってもよいし凹凸があってもよい。無端ベルトの搬送方向に沿って凹凸線を連続して設けてもよい。これにより、対面する一対のベルトコンベアにおける無端ベルト同士が凹凸線で嵌合して、植体を引き抜きやすいものになる。
【0086】
なお、前記各実施形態では、水平な基面(地面や皮膚)から生えている植体を引き抜く例を説明したが、本発明の引き抜き機構は、畑のウネなどの凹凸がある基面や、傾いている基面、垂直な基面などにも適用が可能である。また、本発明の引き抜き機構は、マジックハンドやロボットアームのエンドエフェクトとして使用可能なものであり、これによって、天井等の手の届かないところに生えている植体を引き抜くことができる。
【0087】
また、本発明の引き抜き機構は、以下の用途にも応用展開が可能な実用性の高いものである。例えば、果実等の樹の実を樹から取る用途、イカの下足を抜く用途、魚の鱗を剥がす用途、肉鶏の羽をむしり取る用途、などに幅広く応用展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第一実施形態の除草機構(引き抜き機構)示す右側面図である。
【図2】図1の除草機構の正面図である。
【図3】図1の除草機構の左側面図である。
【図4】図1におけるP部の拡大図である。
【図5】図1の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図6】図1の除草機構を前方に自走させている状態を示す図である。
【図7】図1の除草機構の変形例を後方に自走させている状態を示す図である。
【図8】図1の除草機構の別の変形例を示す右側面図である。
【図9】第二実施形態の除草機構を前方に自走させている状態を示す右側面図である。
【図10】第三実施形態の除草機構を示す右側面図である。
【図11】第四実施形態の除草機構を示す右側面図である。
【図12】図11の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図13】第五実施形態の除草機構を使用している様子を示す図である。
【図14】図13の除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図15】図13の除草機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図16】第六実施形態の除草機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図17】第一実施形態の毛抜き機構(引き抜き機構)を示す右側面図である。
【図18】図17の毛抜き機構を示す正面図である。
【図19】図17におけるQ部の拡大図である。
【図20】図17の毛抜き機構を使用している様子を示す図である。
【図21】第二実施形態の毛抜き機構を前方に手押し進行させている様子を示す図である。
【図22】図21の毛抜き機構を後方に手押し進行させている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
11〜16 除草機構(引き抜き機構)
17,18 毛抜き機構(引き抜き機構)
2F,2B ベルトコンベア
21F,21B 巻込側プーリ
22F,22B 巻出側プーリ
23F,23B 無端ベルト
23T 無端ベルトの緊張部分
24F,24B 支持フレーム
33 引っ張りバネ(引き寄せ手段)
41 エンジン(動力装置)
42F,42B 小型モータ(動力装置)
7 摩擦車(従動車)
81 回収ボックス
91 地面(基面)
911 草(植体)
92 皮膚(基面)
921 体毛(植体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構であって、
互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、
この一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、
基面から生えている植体を、前記一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜く、
引き抜き機構。
【請求項2】
一対のベルトコンベアが、
基面の近くに配置する巻込側プーリと、この巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、前記巻込側プーリと前記巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、
一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分が、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで表面から押さえ込まれて、前記緊張部分が内側に食い込んでいる、
請求項1記載の引き抜き機構。
【請求項3】
一対のベルトコンベアが、
基面の近くに配置する巻込側プーリと、この巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、前記巻込側プーリと前記巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、
前記無端ベルトが、
複数の細ベルトを幅方向に並べたものである、
請求項1又は2記載の引き抜き機構。
【請求項4】
一対のベルトコンベアが、
それぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、互いに相手側に向けて付勢されている、
請求項1〜3いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項5】
一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えた、
請求項1〜4いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項6】
一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアのみが動力装置に連結している、
請求項5記載の引き抜き機構。
【請求項7】
一対のベルトコンベアが、いずれも動力装置に連結しており、互いに同じ速度で反対方向に周回するように構成した、
請求項5記載の引き抜き機構。
【請求項8】
ベルトコンベアの背面側の基面寄りに、
無端ベルトと従動する従動車を備えた、
請求項5〜7いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項9】
引き抜き機構が、
一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えておらず、
一対のベルトコンベアのうち進行方向側のベルトコンベアのみが端部を基面に接した状態で基面上を手押し進行させることで、進行方向側のベルトコンベアを周回させると共に、これと接触従動する他方のベルトコンベアも周回させて、
基面に生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くように構成した、
請求項1〜4いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項10】
ベルトコンベアの背面側に、
引き抜かれた植体を回収するための回収ボックスを備えた、
請求項1〜9いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項11】
引き抜き機構が、
地面から生えている草を引き抜くための除草機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項12】
引き抜き機構が、
皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項13】
引き抜き機構が、
海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項14】
エンドエフェクタとして用いられる、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項1】
基体に根付いて基面から生えている植体を引き抜くための引き抜き機構であって、
互いに対面する一対のベルトコンベアを備え、
この一対のベルトコンベアを互いに反対方向に周回させることで、
基面から生えている植体を、前記一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜く、
引き抜き機構。
【請求項2】
一対のベルトコンベアが、
基面の近くに配置する巻込側プーリと、この巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、前記巻込側プーリと前記巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、
一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの巻込側プーリ近傍における無端ベルトの緊張部分が、他方のベルトコンベアの巻込側プーリで表面から押さえ込まれて、前記緊張部分が内側に食い込んでいる、
請求項1記載の引き抜き機構。
【請求項3】
一対のベルトコンベアが、
基面の近くに配置する巻込側プーリと、この巻込側プーリよりも基面から遠くに配置する巻出側プーリと、前記巻込側プーリと前記巻出側プーリに巻掛けた無端ベルトと、をそれぞれ有しており、
前記無端ベルトが、
複数の細ベルトを幅方向に並べたものである、
請求項1又は2記載の引き抜き機構。
【請求項4】
一対のベルトコンベアが、
それぞれを支持する支持フレーム同士を引き寄せ手段で連結することで、互いに相手側に向けて付勢されている、
請求項1〜3いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項5】
一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えた、
請求項1〜4いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項6】
一対のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアのみが動力装置に連結している、
請求項5記載の引き抜き機構。
【請求項7】
一対のベルトコンベアが、いずれも動力装置に連結しており、互いに同じ速度で反対方向に周回するように構成した、
請求項5記載の引き抜き機構。
【請求項8】
ベルトコンベアの背面側の基面寄りに、
無端ベルトと従動する従動車を備えた、
請求項5〜7いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項9】
引き抜き機構が、
一対のベルトコンベアを周回させるための動力装置を備えておらず、
一対のベルトコンベアのうち進行方向側のベルトコンベアのみが端部を基面に接した状態で基面上を手押し進行させることで、進行方向側のベルトコンベアを周回させると共に、これと接触従動する他方のベルトコンベアも周回させて、
基面に生えている植体を、一対のベルトコンベアの間に巻き込んで引き抜くように構成した、
請求項1〜4いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項10】
ベルトコンベアの背面側に、
引き抜かれた植体を回収するための回収ボックスを備えた、
請求項1〜9いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項11】
引き抜き機構が、
地面から生えている草を引き抜くための除草機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項12】
引き抜き機構が、
皮膚から生えている体毛を引き抜くための毛抜き機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項13】
引き抜き機構が、
海中底面から生えているワカメや昆布を引き抜くための採取機構である、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【請求項14】
エンドエフェクタとして用いられる、
請求項1〜10いずれか記載の引き抜き機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−207379(P2009−207379A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51848(P2008−51848)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】
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