説明

引越用保護カバー

【課題】従来の袋状や腹巻き状のものよりもより広い範囲の大きさの被保護物に対応して、それらを有効に保護することができる保護カバーを提供する。
【解決手段】短辺50〜150cm、長辺150〜350cmの長方形の基材シートと、該基材シートの外側であって、一方の短辺に離間して平行に設けられた2本の固定バンド12と、同じく該基材シートの外側であって、他方の短辺の、前記2本の固定バンドと対応する位置に設けられた2本のバンド固定具13と、該基材シートの内側に張設された緩衝用シートとを備える。基材シートは、合成樹脂製フィルムと、その一方の面(内側)に貼付された布地から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭等の引越の際に、家具や大型家電製品等に傷が付くことを防止するために、それらの表面を保護するカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、引越の際に家具や冷蔵庫等の表面を保護するためのカバーとして、緩衝性を有するキルト地(2枚の布の間に綿等を挟み込み、両布をクロスステッチ縫いしたもの)を袋状にしたものが多く使われている。これを家具等の上から被せることにより、それらを保護する。
また、同様に緩衝性を有する素材を筒状にし、ゴム等で伸縮自在としたものも用いられている。こちらは、家具等の回りに腹巻きのように被せてそれらを保護する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-175668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の保護カバーのうち、袋状のものを家具等の上から被せるものは、家具等の被保護物よりも小さいものはもちろん使用できないし、大きすぎても被せた後の取り扱いが不便であるため、被保護物の大きさに応じた多数の種類のものを用意しておかなければならないという問題がある。
また、腹巻き状のものは、或る程度の範囲の大きさ(周囲長)に対応することが可能であるが、小さすぎる被保護物、大きすぎる被保護物に対してはやはり対応できない。
そこで、本発明は、より広い範囲の大きさの被保護物に対応して、それらを有効に保護することができる保護カバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために成された本発明に係る引越用保護カバーは、
a) 短辺50〜150cm、長辺150〜350cmの長方形の基材シートと、
b) 該基材シートの一方の短辺に離間して平行に設けられた2本の固定バンドと、
c) 該基材シートの他方の短辺の、前記2本の固定バンドと対応する位置に設けられた2本のバンド固定具と、
d) 該基材シートの内側に張設された緩衝用シートと
を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る引越用保護カバーは更に、少なくとも前記緩衝用シートを一方の短辺又は他方の短辺から折り返すことができるようにしておき、その折返し部の長さを、基材シートの長辺の長さの1/3〜1の間としておくことが望ましい。この折返し部の緩衝用シートは、前記基材シートの内側に張設されたものであってもよい。すなわち、基材シートと緩衝用シートを全面に貼り合わせたものを用いる場合には、それを折り返すことができるようにしておけばよい。また、この緩衝用シートの折り返し部は、双方の短辺に設けてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る保護カバーは、その緩衝用シートの方を内側(被保護物側)にして被保護物の回りに巻き、固定バンドとバンド固定具により両端を固定する。このため、様々な大きさの被保護物に巻くことができ、それらを保護することができる。
いずれか一方の短辺又は双方の短辺から緩衝用シートを折り返せるようにしておくことにより、保護カバーを被保護物の回りに巻いたときに両短辺の間にできる隙間をその折返し部の緩衝用シートで覆い、その隙間における被保護物の露出を防いで被保護物を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る保護カバーの一実施例の平面図。
【図2】図1の保護カバーの、バンド固定具の拡大斜視図(a)、及び、固定バンドの部分拡大斜視図(b)。
【図3】バンド固定具の別の例を示す拡大斜視図。
【図4】バンド固定具の更に別の例を示す拡大斜視図。
【図5】バンド固定具の更に別の例を示す拡大斜視図。
【図6】折り返し緩衝用シートを設けた保護カバーの一例を示す図。
【図7】保護カバーの短辺端部への固定バンド及びバンド固定具の固定方法の別の例を示す平面図(a)と断面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る保護カバーの一実施例を図1〜図7を用いて説明する。
【実施例】
【0010】
本実施例の保護カバー10は、本体11、本体の一方の短辺に設けられた2本の固定バンド12、及び、本体の他方の短辺に設けられた、両固定バンド12に対応する2本のバンド固定具13から成る。
【0011】
本実施例では、本体11は、短辺の長さが100cm、長辺の長さが220cmである基材シートと、その基材シートの一方の面に固定された厚さ約0.5cmの緩衝用シートから成る。基材シートは、合成樹脂製のフィルムと、その内側(緩衝用シート側)に貼付された布から成る。布は、合成樹脂製のフィルムの外側に貼付してもよい。なお、基材シートは、合成樹脂製フィルムだけで構成されていてもよいし、布だけで構成されていてもよい。基材シートの合成樹脂製フィルムとしては、例えば厚さ25μmのPETを用いることができる。布としてはPE/ソフトクロスを用いることができる。また、緩衝用シートとしては、厚さ5mmのPE/ミナフォーム(酒井化学工業株式会社の登録商標)等の発泡シートやスポンジシートを用いることができる。
【0012】
上記固定バンド12やバンド固定具13は本体11の基材シート側の面に固定されている。
固定バンド12は、幅3cm、長さ160cmの2枚の不織布を縫合して成る帯であり、その一端約10cmが本体11に縫合により固定されている(図2(b))。
【0013】
バンド固定具13は、図2(a)に示すように、固定バンド12と同様の素材から成る本体部13aと、本体部の先端に固定されたD字形の金属製の固定環13b(いわゆる「Dカン」)から成る。
固定バンド12は、このDカン13bの孔に挿通し、結ぶことによってバンド固定具13に固定する。
【0014】
バンド固定具13の別の例を図3に示す。この例ではDカンが二重(いわゆる「ダブルDカン」)となっており、これらの間に固定バンド12を差し込むことにより固定バンド12を固定する。
【0015】
なお、図2の例及び図3の例では、Dカン13b及びダブルDカンは共に本体11から外に出ることがないようにしておき、それらが被保護物に当たって被保護物を傷つけることがないようにしておく。
【0016】
バンド固定具13の更に別の例を図4に示す。この例ではバンド固定具13は固定バンド12と同じく単なる2枚の不織布の帯であり、2つの帯を結ぶことによって保護カバー10を被保護物の周囲に固定する。
【0017】
バンド固定具13の更に別の例を図5に示す。この例は、通しバー13c付のDカン13bを用いたものであり、固定バンド12をこれらの間をくぐらせることにより、両者を固定する。
【0018】
保護カバー10の一方の短辺から緩衝用シートの折り返し部を設けた例を図6に示す。この例では、バンド固定具13を設けた側の短辺から本体11を折り返し、その折返し部14の長さを全長の約2/3〜3/4程度(約150cm)としたものである。本保護カバー10を被保護物の周囲に巻いた後、保護カバー10の両短辺の間にできる隙間にこの折返し部14を広げて覆うことにより、被保護物の露出を防ぎ、被保護物の全周を保護することができるようになる。
【0019】
このように折返し部14を設けた場合、バンド固定具13の金具(Dカン13b等)が被保護物に当たることがなくなるので、バンド固定具13を本体11の端(短辺)に設けてもよい。この場合、図7に示すように、バンド固定具13のベルトを本体11を折り返した部分の中で固定することにより、外観がスッキリしたものとなる。固定バンド11の方についても同様である。
【符号の説明】
【0020】
10…保護カバー
11…本体
12…固定バンド
13…バンド固定具
14…折返し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 短辺50〜150cm、長辺150〜350cmの長方形の基材シートと、
b) 該基材シートの一方の短辺に離間して平行に設けられた2本の固定バンドと、
c) 該基材シートの他方の短辺の、前記2本の固定バンドと対応する位置に設けられた2本のバンド固定具と、
d) 該基材シートの内側に張設された緩衝用シートと
を備えることを特徴とする引越用保護カバー。
【請求項2】
前記バンド固定具が、前記固定バンドを挿通するD字形の金属製の環を備えるものである請求項1に記載の引越用保護カバー。
【請求項3】
前記基材シートの少なくとも一方の短辺に、少なくとも緩衝用シートを折り返した折返し部を設けた請求項1又は2に記載の引越用保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−75721(P2013−75721A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240907(P2011−240907)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000133157)株式会社TANAーX (28)
【Fターム(参考)】