説明

強化ボールグリッドアレイパッケージ

【課題】たわみによるボールグリッドアレイと印刷回路板との間の接続欠陥を解決する。
【解決手段】
表面接続体(101)のアレイを有する基板(106)を備え、該基板(106)は、該基板(106)の直線的な外周を越えて延びる、取り付け要素(103)を持つコーナー特徴部(102)を有する装置である。コーナー特徴部により、パッケージのアレイに加えられる応力のほとんどを受け取る応力中心距離が実現され、それにより、BGAパッケージ100のアレイのコーナーに加えられる応力を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールグリッドアレイパッケージに係る。
【背景技術】
【0002】
ボールグリッドアレイ(本明細書では「BGA」)パッケージは既知であり、多くの電子用途で一般的に使用されている。印刷回路板(本明細書では「PCB」)の製造及び試験中、BGAの存在から起こる欠陥が発生することは既知である。欠陥は一般的に、BGAパッケージに対するPCBのたわみを生じ、それにより、グリッド内のボールの1つ又は複数をPCBから分離させる衝撃、振動及び熱応力のせいであることが確認されている。ボール分離による欠陥が、BGAパッケージのコーナーで、厚いBGAパッケージタイプの場合に最も一般的であることもさらに確認されている。厚いBGAパッケージは薄いBGAパッケージより剛直であって、PCBのたわみと同程度にはたわまないことが既知であるため、これは確認されている欠陥状態と一致する。
【0003】
本願と同じく本願出願人に譲渡され、2006年4月27日に出願された「改良型ボールグリッドアレイパッケージ(Improved Ball Grid Array Package)」と題する米国特許出願第11/405337号には、一定のボール分離欠陥を好ましい状態に変えるために、アレイ内に犠牲ボールを使用することを教示している。多くの場合、犠牲ボールは欠陥問題を解決するが、場合によっては、アレイ内の犠牲ボールが、アレイ内の残りのボール用の信号ルーティングを困難にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、信号ルーティングをより困難にすることなく、ボール分離欠陥に対処する改良型BGAパッケージが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明装置は、上記した課題を解決するためになされたものであって、要するに、表面接続体(101)のアレイを有する基板(106)を備え、該基板(106)は、該基板(106)の直線的な外周を越えて延びる、取り付け要素(103)を持つコーナー特徴部(102)を有する装置である。
また、本発明装置は、前記各取り付け要素(103)を、少なくとも1つの表面接続体(101)としてよい。
さらに、前記各取り付け要素(103)は、ピン接続体(105)としてよい。
さらにまた、前記取り付け要素(103)は、ほぼ半球形の表面接続体(101)としてよい。
また、本発明装置は、前記コーナー特徴部(102)と前記取り付け要素(103)との間に配置される平面特徴部(104)をさらに備えるようにしてよい。
さらに、前記取り付け要素(103)は、ほぼ円筒形の表面接続体であるものとして良い。
またさらに、前記直線的基板を取り付ける印刷回路板(「PCB」)をさらに備えるものとして良い。
【0006】
添付の図面と組み合わせた以下の詳細な説明から本発明が教示するところを理解することができ、異なった図面の同様の参照番号は、同一の又は同様の要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明において、本教示による実施形態の理解を得るために、限定のためではなく説明のために、具体的な詳細を開示する例示的な実施形態を述べる。しかしながら、本開示の利益を受けた当業者には、本明細書に開示される具体的な詳細から逸脱する本教示による他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内にあることは、明らかであろう。さらに、例示的な実施形態の説明を曖昧にしないために、既知の装置及び方法の説明を省略するであろう。そのような方法及び装置は、明らかに本教示の範囲内にある。
【0008】
図面の図1を特に参照すると、本教示によるBGAパッケージ100であって、半導体技術の分野では一般的に知られているような、通常は1mmを超える「厚い」BGA基板106から構成されるBGAパッケージ100の斜視図が示される。アレイの表面接続体101を担持するBGAパッケージの基板106は、ほぼ直線的又は正方形の形状を有する。特定の実施形態では、表面接続体101は、ほぼ半球形であり、当業者にはボールグリッドアレイの「ボール」と呼ばれている。表面接続体101は、円筒形又は半楕円形であってもよく、それでも本教示によるパッケージ構造から利益を得るであろう。
【0009】
基板106の各コーナーにコーナー特徴部102がある。特定の実施形態では、コーナー特徴部102は、別のほぼ直線形状のBGAパッケージコーナーの延長である。各コーナー特徴部102は、BGAパッケージ100の、アレイの表面接続体101を担持する部分のほぼ直線的な外周を越えて延びる。各コーナー特徴部102は、取り付け要素103を備える。好ましくは、取り付け要素103と組み合わされたコーナー特徴部102の延長により、言わばレバーアームとなり、パッケージのアレイに加えられる応力のほとんどを受け取る応力中心距離が実現され、それにより、BGAパッケージ100のアレイのコーナーに加えられる応力を減少させることができる。
【0010】
簡略化のために、取り付け要素103の多数の実施形態のすべてが図1に示されている。しかしながら、当業者であれば、実際の用例において、各コーナー特徴部102の取り付け要素103が、通常は同一の実施形態であることは理解できる。
【0011】
本教示による取り付け要素103の第1の実施形態は、1つ又は複数の表面接続体101である。好ましくは、各コーナー特徴部102上に表面接続体101を有する取り付け要素103は、パッケージ100に追加的な取り付け強度を与えると共に、それらは、ICパッケージ製造処理のすでに一部である表面接続体と一致しているため、ICパッケージ製造処理において実装することが簡単である。各コーナー特徴部102上の表面接続体101のサイズ及び数が増すほど、それだけ高い追加強度をコーナー特徴部102がパッケージ100全体に加える。
【0012】
本教示による取り付け要素103の第2の実施形態は、第1の実施形態に似ているが、コーナー特徴部102と1つ又は複数の表面接続体101との間に配置された平面特徴部104が追加されている。特定の実施形態では、平面特徴部104は金属で形成されるが、平面特徴部104は導電性である必要がないため、他の材料も適当である。好ましくは、平面特徴部104は、取り付け強度を増すために、コーナー特徴部102への取り付け表面積を追加する。平面特徴部104は、アレイの表面接続体101で従来から使用されているパッドに似た大型のパッドである。本教示による平面特徴部104は大型であり、コーナー特徴部102上の1つ又は複数の表面接続体に取り付けられる。好ましくは、平面特徴部104は大型であり、基板106への付着強度をより高める。
【0013】
本教示による取り付け要素103の第3の実施形態は、ピン接続体105である。ピン接続体105は、PCBへの従来型貫通ピン取り付けを使用する。具体的には、貫通ピン接続体105は、BGAを取り付けるPCB内の環状の金属被覆バイアによって受け取られ、3つの実施形態のうちで最高の追加強度を与える。好ましくは、各コーナー特徴部102上にピン接続体105を有する取り付け要素103は、パッケージ100に最良の取り付け強度を与え、また、従来通りであるためにICパッケージ製造処理での実装が簡単であるが、追加ステップを必要とする。
【0014】
既知の欠陥状態の影響を受けにくい一方で、アレイの信号の非抑制的な接続ルート選択も可能にする強化BGAパッケージを説明する添付図面を参照した実施例により、本発明が教示する技術思想を説明した。本教示の利益を与えられた当業者には、異なったタイプの取り付け要素103等の本教示の他の変化、応用及び実施形態が頭に浮かぶであろうし、それらは添付の特許請求の範囲内にあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本教示による3つの実施形態の各々の例を含む、本教示によるICパッケージの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面接続体(101)のアレイを有する基板(106)を備え、該基板(106)は、該基板(106)の直線的な外周を越えて延びる、取り付け要素(103)を持つコーナー特徴部(102)を有する装置。
【請求項2】
前記各取り付け要素(103)は、少なくとも1つの表面接続体(101)である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記各取り付け要素(103)は、ピン接続体(105)である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記取り付け要素(103)は、ほぼ半球形の表面接続体(101)である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コーナー特徴部(102)と前記取り付け要素(103)との間に配置される平面特徴部(104)をさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記取り付け要素(103)は、ほぼ円筒形の表面接続体である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記直線的基板を取り付ける印刷回路板をさらに備える、請求項1に記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−160135(P2008−160135A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332731(P2007−332731)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】