説明

強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物

本発明は、強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物に関し、酸化剤、可燃剤、接着剤および添加剤を含む。本発明の組成物は、酸化剤がカリウム塩とストロンチウム塩の混合物であり、カリウム塩酸化剤の含有量が全組成物の20質量%より多く35質量%以下であり、ストロンチウム塩酸化剤の含有量が全組成物の30質量%以上48質量%未満である。本発明のエアロゾル消火組成物において、すべての成分の平均粒径は50μm以下である。本発明の消火組成物によって強電類電気設備を有する空間における火を消火した後、本発明のエアロゾル消火組成物はその強電類電気設備の絶縁電気抵抗が20MΩ以上であると確保できる。本発明のエアロゾル消火組成物は、従来技術よりさらに合理的であり、環境に優しく、強電類電気設備に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火組成物の技術分野に属し、相対的に密閉された空間においてA,B類火災を消し止めるエアロゾル消火組成物に関し、特に強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
90年代から出現したエアロゾル消火技術は、酸化剤と燃料との激しい酸化還元反応に基づいて、生成する活性抑制剤の化学反応により火炎中のフリーラジカル燃焼連鎖反応を破壊する消火技術である。当該技術は、無毒、無腐食、非導電、高い容積効率、長い貯蔵周期、全面埋没、全方位的消火などの特徴を有するので、注目を集めている。前世紀末から現在までの十数年間、エアロゾル技術は迅速に発展され、関連する特許も次々と現れて尽きない。エアロゾル消火技術は、主にホットエアロゾル消火技術、コールドエアロゾル消火技術、およびウォーターミスト消火技術の3種類がある。その中、ホットエアロゾル消火技術には、煙火薬類のホットエアロゾル消火技術と水類ホットエアロゾルとが含まれている。
【0003】
現在の大多数の煙火薬類のホットエアロゾル消火技術は、酸化剤、可燃剤、接着剤および燃焼速度節剤からなる固体物質に基づいた煙火薬類の消火剤である。煙火薬類のホットエアロゾル消火剤は、ハロンの代替品として、消火効率が高く、消火設備の構造が簡単で、耐圧容器が不要で、消火装置がモジュール化および組合せが可能で、常温常圧での保存ができ、メンテナンスが便利で、消火剤の貯蔵期間が長く、コストが低く、オゾン消耗値ODP=0であり、且つ温室効果値GWPが比較的に低く、コストパフォーマンスが高いなど、他の種類の消火剤より著しく優れるため、マーケットへの進入が有利になり、ハロン代替計画の実施を促進する。
【0004】
本発明以前の従来技術において、煙火薬類のホットエアロゾル消火剤における酸化剤の選択において、成分選択原則の大部分の要求を満足できるため、硝酸類アルカリ金属塩、特に硝酸カリウムが、大多数の煙火薬類ホットエアロゾル消火技術において最も好ましい酸化剤とされている。そのうち、硝酸カリウム1成分を酸化剤とするエアロゾル消火組成物の従来技術において、最多に具現されたのは、ロシアのシリーズ特許群を始めとするホットエアロゾル消火剤技術、例えば、RU2230726,RU2184587,RU2214848,RU2150310,RU2108124,RU2091106,RU2076761,RU2151135,RU2116095,RU2006239,RU2022589などの特許、及び、WO0158530,WO9733653,WO9423800,US5831209,US6042664,US6264772,US5573555,US6116348などの世界の他の国家の特許であり、次は、硝酸カリウム及び/又は過塩素酸カリウムをメインとし、及び/又は他のアルカリ金属、アルカリ土類金属の硝酸塩、炭酸塩をアシストとする二成分又は多成分の酸化剤を選択対象とするエアロゾル消火組成物、例えば、CA2250325,DE19915352,UA7773,EP0561035,WO2005023370,RU2157271,RU2098156,US20020121622,US5423385,US5492180,US5425426,US6277296などの世界の各国の特許である。
【0005】
可燃剤の選択においては、成分選択原則を満足する物質の範囲が比較的広く、通常は、負酸素平衡の設計を満足することを前提に、要求を満たす有機又は無機可燃剤を選択し、例えば、RU218458,RU2214848,US20010011567,US6264772,RU2157271,RU2050878,US5831209,WO9733653,EP0561035などの特許で公開されている可燃剤などを選択する。水類ホットエアロゾル消火剤技術としては、酸化剤、可燃剤は、高酸素平衡の設計を満足することを前提に、気体、水分及び金属固体微粒子が生成できる硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸グアニジンなどの成分を選択し、例えば、US6277296,US6093269,US6045726,US6019861,US5613562などの特許に開示された内容である。
【0006】
上記のこれらのホットエアロゾル消火特許技術は共に、消火効率が高く、値段が低く、メンテナンスが便利である等の特徴で、近年の消火のホット製品の1つになっている。しかしながら、実際の製品のマーケット化応用と開発作業の展開に伴って、上記従来技術及び製品には、徐々に多くの問題が現れている。最近の大量の応用と研究によって、硝酸カリウムをメインとする一成分或いは多成分酸化剤の消火剤は、消火効率が高いけれども、生成する水酸化カリウムの強塩基性導電物質が、保護される空間と物体に二次損害を与える問題があることが示された。特に水類ホットエアロゾル消火剤において、生成する水分が金属酸化物とより容易に強塩基性導電物質を形成して、メータールーム、コントロールルーム、発電機室、電池キャビネット、通信基地局、変圧器ステーションの火災に対しては、消火した後、普通電気設備も損壊され又は腐食されて、補うことができない結果を引き起こす。また、生成される亜酸化窒素が速くに分解されなければ、人に神経的毒性が生じることもある。
【0007】
この現状に基づいて、一部の研究部門と製造業者は、近年相次いで消火効率と二次損害問題を共に配慮したホットエアロゾル消火技術案も提案されている。例えば、CN200510105449号特許出願には、硝酸ストロンチウムを唯一の酸化剤とするエアロゾル消火剤の技術案が公開されているが、当該技術案の最大の欠点は、普通電気設備に対する二次損害をある程度低下させるが、同時に消火剤の消火効能も大幅に低下させることである。US5613562,US5609210号特許の消火組成物において、硝酸ストロンチウムを酸化剤として使用する水類ホットエアロゾル技術に属する。その主な作用は、パワー源として炭素フッ素結合、炭化水素フッ素結合を含有する第2種類の消火液体を気化した後、火事場に噴射することであるが、生成したフッ化水素酸は劇毒であるばかりか、腐食性も大きい。
【0008】
US6019861号特許の消火組成物にも硝酸カリウム又は硝酸ストロンチウム成分が含有されているが、これらは添加剤又は補助酸化剤として使用されるのみであり、その主な酸化剤は、相安定処理を必ず行った硝酸アンモニウムである。硝酸カリウム又は硝酸ストロンチウムの主な役目は、高品質の膨張性気体を提供することにあり、消火技術での使用において、より低い温度のメリットがあるが、同時に、燃焼速度と気体生成速度に影響を及ぼす。US6093269号特許においては高酸素平衡の花火気体発生剤が提供され、その中の高濃度硝酸ストロンチウムの作用は、酸素/燃焼の中性平衡を維持し、主に自動車、銃推進器、膨張装置、安全エアバッグの推進剤組成物に用いられる。
【0009】
本発明の技術主題と接近する従来技術のCN1739820A,CN1150952C,CN1222331Cに開示されており、ここでCN1150952C及びCN1222331Cは、本願の発明者らの先行出願特許技術である。当該2つの技術の不足点は、消火効能と電気設備への腐食性問題のバランスの観点において、異なる電気設備の絶縁性への要求に対して、種類別の設計が行われていない点である。これは、異なる類別の電気設備が、静電気集積又は酸塩基性の腐食による異なる危険性の絶縁電気抵抗値の降下に対して堪えられる能力が異なるからである。
【0010】
例えば、発電機、モータ、高・低圧電器、電力網、ケーブルなどの強電類電気装置に対しては、絶縁電気抵抗≧1MΩ乃至<20MΩが一般的に要求される(中華人民共和国電力業シリーズ標準、例えばDL/T5161.7−2002「電気装置取付工程質量検証及び評定規定(回転電機施工質量検証)」などを参照可能)。通信、コンピュータ、車両電気装置、医療電気設備などの普通電気設備に対しては、絶縁電気抵抗≧20MΩ乃至<100MΩが一般的に要求される(中華人民共和国電子業シリーズ標準、中華人民共和国通信業シリーズ標準、中華人民共和国コンピュータ業シリーズ標準、例えばGB6649−86「半導体集積回路総規範」、IPC9201「表面絶縁電気抵抗ハンドブック」などを参照可能)。計器やメータ及びそれに用いられる基板、印刷回路基板などの精密電気設備に対しては、絶縁電気抵抗≧100MΩが一般的に要求される(中華人民共和国電子業シリーズ標準、国際印刷回路業シリーズ標準など、例えばIPC−CC−830B「印刷版組み立て電気絶縁性能および質量ハンドブック」、GB4793「電子測量計器安全要求」、GJB1717−93「通用印刷回路基板コネクタ総規範」などを参照可能)。
【0011】
異なる電気設備により絶縁電気抵抗への要求が異なるので、異なる電気設備に対して同一の配合の消火組成物を用いることには、消火効能及びコストが不適当であるという問題が存在する。よって、本発明者らの先行特許を含めて、その製剤中の成分及びその含有量の設計が完璧ではなく、ある技術的特性パラメータを改善する必要がある。本発明以前の従来技術において、上記の技術以外に、電気設備への二次損害を防止及び低下するとともに、消火効能が低下させないエアロゾル消火組成物における専門技術は発見されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、従来技術よりもさらに合理的な、環境に優しい、強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物を提供することにある。
【0013】
本願の発明者らは、近年、ホットエアロゾル消火技術に対して深く検討したところ、効果的な消火濃度が消火製剤の質量及び消火製剤成分自身固有の物理化学特性により決定されること、更に、消火剤の燃焼速度が酸素平衡の設計、酸化剤、可燃剤の選択などの要素に関連することを発見した。本発明の目的に達成するため、(1)点火性、安全性及び化学適合性を十分に考慮した下で消火能力を設計、(2)負酸素平衡の設計原則の下で、カリウム塩だけを含むものではない酸化剤の設計を採用、(3)組成物の成分をできるだけ簡略化し、必要でない有害物質の生成を回避するなどの方面からさらに深い研究を行う必要がある。
【0014】
本願の発明者らは、酸化剤および可燃剤の選別、燃焼反応速度調整試験、消火エアロゾル残留量試験、冷却技術試験、消火剤微粉末技術試験、固体微粒子吸湿性絶縁性試験などを何回も行って、最終的に、本発明の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物の技術案を決定するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物は、酸化剤、可燃剤、接着剤および添加剤を含み、ここで、消火組成物中の酸化剤はカリウム塩酸化剤とストロンチウム塩酸化剤の混合物であり、可燃剤は硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、硝酸ジアミノグアニジンの一種又は多種の組み合わせであり、添加剤はアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、カーボン粉末、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カリウム長石の一種又は多種の組み合わせであり、接着剤はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂の一種又は多種の組み合わせであり、且つ、消火組成物中の各成分の質量%は、
カリウム塩酸化剤:20%より多く〜35%以下、
ストロンチウム塩酸化剤:30%以上〜48%未満、
可燃剤:10%〜25%、
添加剤:2%〜10%、
接着剤:2%〜10%である。
【0016】
本発明の消火組成物において用いることが可能なストロンチウム塩は、硝酸ストロンチウム、メタケイ酸ストロンチウム、メタリン酸ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、タングステン酸ストロンチウム、過マンガン酸ストロンチウム、セレン酸ストロンチウム、モリブデン酸ストロンチウムの一種又は多種の組み合わせであり;カリウム塩は、硝酸カリウム、過塩素酸カリウム、炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、二クロム酸カリウム、クエン酸カリウム、重炭酸カリウムであり、これらは、重炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硝酸バリウム、硝酸セシウム中の一種又は多種の組み合わせにより部分的に又は全部代替されてもよい。
【0017】
本発明の消火組成物において用いることが可能な可燃剤は、ペンタアミノテトラゾール及びその塩、ビステトラゾール及びその塩、ジアゾアミノテトラゾール及びその塩、ジアミノテトラゾールダイマー及びその塩中の一種又は多種の組み合わせであってもよい。
【0018】
本発明の消火組成物において用いることが可能な添加剤は、カテコール硼酸カリウム及びその塩、ヒドロキシ安息香酸及びその塩、安息香酸及びその塩、パルミチン酸及びその塩、硝酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、酸化銅、酸化鉄、フタロシアニン銅、フェリシアン化カリウム、ヘキサメチレンテトラアミン中の一種又は多種の組み合わせであってもよい。
【0019】
本発明の消火組成物において用いることが可能な接着剤は、ポリテトラフロロエチレン、エチレン重合体、ニトロセルロース、トリアルデヒドグリセリド、ポリ酢酸ビニル、メラミン樹脂中の一種又は多種の組み合わせであってもよい。
本発明の消火組成物中の酸化剤、可燃剤、添加剤、接着剤の粒子の最大平均粒径は50μm以下である。
【0020】
本発明の一の好ましい実施方式によれば、エアロゾル消火組成物は、
硝酸カリウム:21%〜35%、
硝酸ストロンチウム:30%〜47%、
硝酸グアニジン:10%〜25%、
アルミニウム粉末:2%〜10%、
フェノール樹脂:2%〜10%を含む。
【0021】
本発明の他の一の好ましい実施方式によれば、エアロゾル消火組成物は、
重炭酸カリウム:21%〜35%、
メタケイ酸ストロンチウム:30%〜47%、
ジアゾアミノテトラゾール又はその塩:10%〜25%、
パルミチン酸又はその塩:2%〜10%、
エポキシ樹脂:2%〜10%を含む。
【0022】
本発明のまた一の好ましい実施方式によれば、エアロゾル消火組成物は、
炭酸カリウム:21%〜35%、
メタリン酸ストロンチウム:30%〜47%、
硝酸グアニジン:10%〜25%、
安息香酸:2%〜10%、
ポリテトラフロロエチレン:2%〜10%を含む。
【0023】
本発明の更に一の好ましい実施方式によれば、エアロゾル消火組成物は、
亜硝酸カリウム:21%〜35%、
ヨウ化ストロンチウム:30%〜47%、
ペンタアミノテトラゾール又はその塩:10%〜25%、
アルミニウム粉末:2%〜10%、
エポキシ樹脂:2%〜10%を含む。
【0024】
本発明のエアロゾル消火組成物で強電類電気設備を有する消火空間の火災を消し止めた後、その強電類電気設備の絶縁電気抵抗は≧1MΩ乃至<20MΩである。
【発明の効果】
【0025】
本願の発明者らが、酸化剤、可燃剤、接着剤、添加剤成分と配合割合に対して繰り返し選別、試験を行って、確定された強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物の技術案は、繰り返し試験により、消火後の強電類電気設備の絶縁電気抵抗がいずれも≧1MΩであると証明され、国家の相関標準規定にかなっている。従来技術と比べて、本発明は、消火後に強電類電気設備に二次損害を齎さない目的を達成するばかりではなく、同時に、あるべき消火効能も確保され、新世代の専用的な高効率エアロゾル消火組成物である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0026】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
下記の表に示す配合に従い、本発明の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物を調製し、且つ、以下の説明に基づいて沈殿物の絶縁電気抵抗を測定した。
【0027】
【表1】

【0028】
注:
1、アクリル樹脂:西安樹脂工場製104型;ポリテトラフロロエチレン:四川成光工場製粒子型;エポキシ樹脂:大連斉化工場製E51型;フェノール樹脂:浙江杭州順祥製F−23型
2、エアロゾル消火剤の沈殿物の絶縁電気抵抗は、GB499.1−2007.10.2条に従って測定した。試験設備には、試験ケース(1M(1×1×1m))、測量範囲が0.1MΩ〜500MΩの高抵抗計(上海精密計器工場製ZC36型高抵抗計)、ペトリ皿、精密天秤及びエアロゾル発生器が含められる。
【0029】
3、試験プレートは、100×100×1mmの白色PVC試験プレートであり、圧力機により5Mpaの圧力下で、エアロゾル発生剤100gを直径40mm、高さ100mmの試薬カートリッジに押入れ、電気起動器を取り付け、その後、試薬カートリッジを小型発生器に取り付け、発生器内には冷却剤を加えない。
4、試験のとき、洗浄した試験プレートをピンセットでペトリ皿に置き、ペトリ皿を試験ケース中央の高さ250mmの試験台に平らに放置する。発生器を試験ケースの一隅に置き、噴口を試験プレートに対して背にして、起動線を接続し、試験ケースのドアを閉鎖する。装置を起動すると同時にストップウオッチで計時する。20min後、試験プレートが放置されているペトリ皿を取り出し、温度35℃、湿度90%の恒温恒湿ケースに入れ、30minキープして、試験プレートを取り出して直ちに電気抵抗を測る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤、可燃剤、接着剤および添加剤を含み、強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物であって、
消火組成物中の酸化剤がカリウム塩酸化剤とストロンチウム塩酸化剤との混合物であり、可燃剤が硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、硝酸ジアミノグアニジンの一種又は多種の組み合わせであり、添加剤がアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、カーボン粉末、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カリウム長石の一種又は多種の組み合わせであり、接着剤がフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂の一種又は多種の組み合わせであり、且つ、消火組成物中の各成分の質量%が、
カリウム塩酸化剤:20%以上〜35%未満、
ストロンチウム塩酸化剤:30%以上〜48%未満、
可燃剤:10%〜25%、
添加剤:2%〜10%、
接着剤:2%〜10%
であることを特徴とする、強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項2】
ストロンチウム塩が、硝酸ストロンチウム、メタケイ酸ストロンチウム、メタリン酸ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、タングステン酸ストロンチウム、過マンガン酸ストロンチウム、セレン酸ストロンチウム、モリブデン酸ストロンチウムの一種又は多種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項3】
カリウム塩が、硝酸カリウム、過塩素酸カリウム、炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、二クロム酸カリウム、クエン酸カリウム、重炭酸カリウム中の一種又は多種の組み合わせであってよいことを特徴とする、請求項1に記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項4】
カリウム塩酸化剤が、重炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硝酸バリウム、硝酸セシウム中の一種又は多種の組み合わせにより部分的に又は全部代替されてもよいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項5】
可燃剤が、ペンタアミノテトラゾール及びその塩、ビステトラゾール及びその塩、ジアゾアミノテトラゾール及びその塩、ジアミノテトラゾールダイマー及びその塩中の一種又は多種の組み合わせであってよいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項6】
添加剤が、ピロカテコール硼酸カリウム及びその塩、ヒドロキシ安息香酸及びその塩、安息香酸及びその塩、パルミチン酸及びその塩、硝酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、酸化銅、酸化鉄、フタロシアニン銅、フェリシアン化カリウム、ヘキサメチレンテトラアミン中の一種又は多種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項7】
接着剤が、ポリテトラフロロエチレン、エチレン重合体、ニトロセルロース、トリアルデヒドグリセリド、ポリ酢酸ビニル、メラミン樹脂中の一種又は多種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項8】
酸化剤、可燃剤、接着剤、添加剤の粒子の最大平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項9】
強電類電気設備を有する消火空間の火災をエアロゾル消火組成物を用いて消し止めた後、当該強電類電気設備の絶縁電気抵抗が1MΩより大きいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項10】
硝酸カリウム:21%〜35%、
硝酸ストロンチウム:30%〜47%、
硝酸グアニジン:10%〜25%、
アルミニウム粉末:2%〜10%、
フェノール樹脂:2%〜10%
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項11】
重炭酸カリウム:21%〜35%、
メタケイ酸ストロンチウム:30%〜47%、
ジアゾアミノテトラゾール又はその塩:10%〜25%、
パルミチン酸又はその塩:2%〜10%、
エポキシ樹脂:2%〜10%
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項12】
炭酸カリウム:21%〜35%、
メタリン酸ストロンチウム:30%〜47%、
硝酸グアニジン:10%〜25%、
安息香酸:2%〜10%、
ポリテトラフロロエチレン:2%〜10%
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。
【請求項13】
亜硝酸カリウム:21%〜35%、
ヨウ化ストロンチウム:30%〜47%、
ペンタアミノテトラゾール又はその塩:10%〜25%、
アルミニウム粉末:2%〜10%、
エポキシ樹脂:2%〜10%
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の強電類電気設備に適用するエアロゾル消火組成物。

【公表番号】特表2010−532686(P2010−532686A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515335(P2010−515335)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【国際出願番号】PCT/CN2007/003211
【国際公開番号】WO2009/006766
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510009290)シャンシー ジェイ アンド アール ファイア ファイティング カンパニー リミテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】SHAANXI J&R FIRE FIGHTING CO., LTD
【住所又は居所原語表記】7th Floor Qingyang International Building,65# Keji 2nd Road,Gaoxin District, Xi’an ,Shaanxi 710075 China
【Fターム(参考)】