弾性材料
化学的な重合や架橋なしに小さな分子から成るゴム状弾性特性を示す材料。
【課題】9〜9000g/モルの分子質量を有する分子を含む、ゴム状弾性を有する材料。この分子の一部または全部は非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの基(結合官能基)を有する。室温でゴム状弾性を示し、所定温度以上では単純な液体のように流れる。本発明材料は熱可逆的(冷却後に再びゴム状弾性特性を示す)、自己修復性で、化学的に架橋したエラストマー野場合には有り得ないリサイクル可能である。一実施例の本発明材料は式(1)の結合基を有する分子から成る(Aは酸素、硫黄、NHで、式(I)の炭素原子は置換されていてもよい)。(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と(ii)単一の結合基を有する分子とから成る材料が好ましい。上記分子は脂肪酸誘導体から得るのが好ましい。
【課題】9〜9000g/モルの分子質量を有する分子を含む、ゴム状弾性を有する材料。この分子の一部または全部は非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの基(結合官能基)を有する。室温でゴム状弾性を示し、所定温度以上では単純な液体のように流れる。本発明材料は熱可逆的(冷却後に再びゴム状弾性特性を示す)、自己修復性で、化学的に架橋したエラストマー野場合には有り得ないリサイクル可能である。一実施例の本発明材料は式(1)の結合基を有する分子から成る(Aは酸素、硫黄、NHで、式(I)の炭素原子は置換されていてもよい)。(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と(ii)単一の結合基を有する分子とから成る材料が好ましい。上記分子は脂肪酸誘導体から得るのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴム状弾性を示す弾性材料に関するものである。より正確には、本発明の弾性材料は非共有結合すなわち物理的結合、例えば水素結合を介して連結された分子から成る。この材料はゴムの特性と同じような特性を有する。この本発明材料は従来のエラストマーとは違って所定温度以上では流体になる。これはこの材料をリサイクルして使用する階段で有利である。
【0002】
エラストマーの定義から、エラストマーは極めて長い時間、寸法安定性を有し且つ極めて大きな変形(100〜600%の伸び)の後に初期形状を回復するものでなければならない。このゴム状弾性特性はさらに、圧縮永久歪で変形された応力の緩和後に確認されなければならない。
【0003】
本発明のゴム状弾性材料は密封継手、断熱材、遮音材料、タイヤ、ケーブル、被覆、靴底、包装材料、コーテング材料(ペイント、化粧品、フィルム)、弾性締付けカラー、真空管、運搬チューブ、可撓ホース、流体のレオロジー添加剤(例えば化粧品)、接着剤またはホットメルト接着剤の添加剤等の製造で使用される。
【背景技術】
【0004】
「ゴム状弾性」という用語は、使用温度で15分間の20%の一軸変形をさせた時に初期寸法の5%未満の圧縮永久歪で初期寸法へ戻る材料を意味する。すなわち、変形前の初期長さがL0の材料が一軸応力下で使用温度で15分間、(Ld-L0)/L0が0.2以上となるように長さLdだけ変形した時に、応力を緩和した後の材料の最終長さLfが(Lf-L0)/L0が0.05以下となる材料であり、(Lf-L0)/L0は0.8以上、さらに好ましくは(Lf-L0)/L0は1以上であるのが好ましい。
【0005】
このゴム状弾性は原則としてポリマー系の特徴であり、従来は無機材料(グラス、金属、酸化物、イオン性固体等)や結晶性または非晶質の分子材料ではゴム状弾性は示されなかった。SBR(スチレン・ブタジエンゴム)またはNBR(ニトリルブタジエンゴム)のような従来のエラストマーは共有結合を介して結合した分子(モノマー)鎖から生じるポリマーであり、このポリマーがさらに架橋している場合もある。
【0006】
エラストマーで作られた物体は、熱可塑性高分子から作られた物体とは決定に違って、決まった形状を有する。例えば、ポリアミド6(熱可塑性高分子)から成る物体は210℃以上では液体であるPA6を射出成形して作られ、冷却することによって物体が得られる。物体を210℃以上に加熱すると、勿体は液体のPA6になり、この液体のPA6は再び成形することができ、射出成形でき、これを繰り返すことができる。熱可塑性エラストマー、例えばポリエーテルブロックアミド(EPR、エチレンプロピレンゴムの略)も存在する。このポリマーもPA6と同様に(所定温度以上では液体で、それ以下では固体で)、成形でき、得られた物体はエラストマー特性を有するが、架橋したエラストマーから成る物体のような決まった形状を有してはいない。
【0007】
架橋または非架橋のエラストマー、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性高分子は全て共有結合を介して互いに結合した分子(モノマー)鎖からなり、巨大分子とよばれ、この巨大分子は少なくとも10000グラム/モルの分子質量を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、非共有結合、例えば水素結合を介して連結された分子から成る弾性特性を有する材料を見出した。この材料は従来のエラストマー材料とは違って、所定温度以上では流体になる。この特性はこの材料の成形およびリサイクル階段で有利である。本明細書では上記の「巨大分子」と区別するために本発明材料を「分子」という用語を用いて説明する。この分子は質量が9000グラム/モル以下、一般には500〜1500グラム/モルの化合物である。
【0009】
スーパー分子(supramolecular)のポリマーを記載した文献がある。すなわち、下記文献には水素結合を介して連結された単位から成るスーパー分子ポリマーが記載されている。
【特許文献1】国際特許出願WO 03 059964号公報
【0010】
上記の単位は下記の(1)と(3)の基の中から選択される少なくとも一つの基と、(1)〜(5)の基の中から選択される第2の基とを有するモノマーまたはプレポリマーである:
【0011】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、Xは任意の基を表し、スーパー分子ポリマーの水素結合は上記の(1)〜(5)の中から選択される互いに同一または異なる2つの基との間で起こる)
【0012】
本発明ポリマーは単独で使用できる。すなわち、本発明ポリマーは基本的にこのポリマーと、任意成分の安定化剤または抗酸化剤との組成物の形しており、必要に応じて他のポリマーまたは他の化合物との混合物の形で使用できる。
【0013】
上記文献には上記エラストマーは記載も示唆もない。上記文献の実施例5の出発材料はTOFAタイプのダイマー酸(松から得られる脂肪酸、TalL0il Fatty Acidの略語)とトリエチレンテトラアミン(TETA)との縮合で得られるポリアミドアミンのCrayamid 115(登録商標)(Mw=約2000〜4000グラム/モル)である。これと尿素とを反応させて2つのイミダゾリドン基を有する化合物が得られる。
【0014】
上記特許文献1(国際特許出願WO 03 059964号公報)に記載のように、上記で使用するダイマー酸中に痕跡量で存在するトリマー酸によって3つのイミダゾリドン基を含む分子が生じる。
しかし、実際に使用するダイマー酸中に痕跡量のトリマー酸が存在し、使用するTETA(商業レベルでは一般に純度は60%)中に不純物が存在するため、Crayamid 115(登録商標)のようなポリアミドアミンと尿素との反応では3つのイミダゾリドン基を有する分子を大量に生じさせることはできない。上記文献に記載の分子はゴム状弾性を示す材料にはならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の対象は、少なくとも3つの結合官能基(group fonctionnel associatif)を有し、各結合官能基は物理的な結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する分子を少なくとも一つ含み、この分子は9〜9000g/モルの分子質量を有し、使用温度でゴム状弾性を有する材料であり、上記のゴム状弾性は上記材料を15分間、一軸方向の応力下で初期長さL0から長さLdへ(Ld−L0)/L0が0.2以上となるように変形させた後に上記の一軸方向の応力を緩和した時に、(Lf−L0)/L0が0.05以下となるような長さLfへ材料が戻る材料と定義される。L0は材料の初期長さ、Ldは一軸応力下で変形した材料の長さ、Lfは一軸応力を緩和した後の材料の最終長さである。物理的な結合としては例えばΠ結合、イオン結合、Van der Waals結合、金属−リガンド配位結合、水素結合が挙げられる。
【0016】
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は2つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は3つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は4つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
【0017】
本発明の一実施例では、(Ld-L0)/L0は0.8以上である。
本発明の一実施例では、(Ld-L0)/L0は1以上である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が三酸(triacid)または二酸(diacid)と三酸との混合物から誘導され、これらの二酸または三酸が少なくとも5つの炭素原子を含む。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が植物起源の分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が12〜100個の炭素原子を含む分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が24〜90個の炭素原子を含む分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子がダイマーまたはトリマーである。
【0018】
本発明の一実施例では、上記分子が下記の式(1)の結合基を有する非共有結合を介して連結される:
【0019】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
本発明の一実施例では、Aが酸素である。
本発明の一実施例では、本発明材料は(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と(ii)単一の結合基を有する分子とを含む。
本発明の一実施例では、各分子当り少なくとも3つの結合基を有する少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有す分子全体の数の2倍との差が、物理的結合を形成することができる結合基が単一である分子の数の80%以上である。
本発明の一実施例では、上記の差が100%以上、好ましくは150%以上である。
本発明の一実施例では、材料を構成する分子の分子質量が17〜5000グラム/モル、好ましくは500〜1500グラム/モルである。
【0020】
本発明の一実施例では、非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの結合基を有する分子の各々において、上記の基の少なくとも1つが下記式を有する:
【0021】
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機単位を表す)
本発明の一実施例では、Rは基−CH2-CH2-および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-の中から選択される。
本発明の一実施例では、少なくとも3つの結合基を有する分子の結合基の全てが上記の式(4')である。
【0022】
本発明の一実施例では、非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される:
【0023】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)で、R1およびR2は2−イミダゾリドン末端を有する第二級アミン基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3とR4は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0024】
本発明の一実施例では、非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される:
【0025】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0026】
本発明の一実施例では下記である:
【0027】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
【0028】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
【0029】
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
本発明はさらに、一部または全体が上記材料から成る物体にも関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明はゴム状弾性の特性を示そ材料に関するものである。本発明材料は9〜9000g/モルの質量を有する分子から成り、分子の全てまたは一部は「結合基(group associatif)」とよばれる少なくとも3つの基を有する。この「結合基」自体も物理的結合を介して結合することができる一つ以上の基から成っている。
【0031】
本発明材料は重合も化学的な架橋もしていない小さい分子から成るにもかかわらず、巨大分子が有するゴム状弾性の特性を示す。本発明の一実施例では、この材料は室温ではゴム状弾性を示し、所定温度以上では単なる液体のように流れる材料となる。この材料は熱可逆性を有し、材料を冷却することで再びゴム状弾性特性を示す。この材料は自己補修性(auto-reperable)を有し、潜在的にリサイクル可能である。これは化学的に架橋したエラストマーの場合には決してないことである。この材料を構成している分子の特性に応じて弾性の特性、特に、各温度での緩和時間、クリープ特性、ガラス遷移温度Tg材料が流体可する温度Tf、各種媒体への溶解性、化学的抵抗性の各種のパラメータを変えることができる。
【0032】
本発明材料の上記特性はアジュバント、例えば可塑剤、抗酸化剤、その他を添加することで調整できる。本発明材料は所定溶剤中に溶かすことができる。これは従来の架橋したエラストマーに比べた利点である。
【0033】
本発明の1つの実施例では、本発明材料を構成する分子は下記の式(1)の結合基を有する:
【0034】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
Aは酸素であるのが好ましい。
【0035】
式(1)の基、好ましくはイミダゾリドンを使用することによってユニークな特性を有する弾性材料が得られる。この材料は化学的に重合も架橋もしていない小さい分子から成るが、巨大分子が有するゴム状弾性特性を示す。高温(>180℃)ではこの材料は単純な液体のように流れる。本発明材料は水または湿気の存在下で腫脹ができる。水の添加は上記特性を変化させる手段の一つである。
本発明はさらに、一部分または全体が上記材料から成る物体に関するものでもある。
【0036】
「ゴム状弾性」は材料を伸長または圧縮した時の挙動を観測して確認することができる。材料のテストピースを20%の伸びを受けるように所定温度で15分間、引張応力下に置き、引張応力を放出した時に残った変形量を引張応力前のテストピースと比較する。本発明では残留変形が5%以下である。また、20%の圧縮を15分間加えた後の残留変形も測定する。この残留変形も5%以下である。本発明ではゴム状弾性は使用温度で(Ld-L0)/L0が0.2以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上となるように15分間、材料を変形した後の式(Lt-L0)/L0の値が0.05以下となることで定義される。
L0: 材料の最初の長さ、
Ld: 一軸応力下で変形させた材料の長さ
LF: 上記応力を緩和した後の材料の最終的な長さ。
【0037】
本発明材料を構成する分子は非共有結合性の相互作用を介して連結(s‘associer、結合)可能な基を少なくとも少なくとも3つ有する必要がある。そのため、結合基を正しく選択しなければならないが、媒体の選択も重要である。極性の小さい媒体中では結合基が例えば炭化水素鎖で囲まれ、静電的相互作用は強くなる。逆に、極性媒体中では結合基が例えばポリオキシエチレン鎖で囲まれ、静電的相互作用は弱くなる。本発明の分子は媒体中での会合定数が1000Lmor-1以上、好ましくは10000 Lmor-1以上であるのが好ましい。
【0038】
また、分子結晶の形成を避けるのも好ましい。そのために曲げ易い分子または分枝した分子を使用するか、類似しているが同じでない分子を混合するのが有利であるということを当業者は知っている。
【0039】
本発明材料は例えば少なくとも3つの結合基を有する分子(i)と、2つの結合基を有する分子(ii)と、単一の結合基を有する分子(iii)とから成る。各分子毎に少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有する分子の全数の二倍との差は、単一の結合基を有する分子の数の80%以上である(結合とは非共有結合性の相互作用を介して結合可能な結合を意味する)。この差は100%以上であるのが好ましく、さらには150%以上であるのが好ましい。
【0040】
本発明材料を構成する分子の分子質量は17〜5000グラム/モル、好ましくは500〜1500グラム/モルにするのが有利である。
本発明材料を構成する分子の結合基は上記の式(1)であるのが好ましい。この基は分子上に存在するか、下記式(2')の化合物を下記の式(2'')を有する分子と反応させて得ることができる:
【0041】
式(1)の結合基を上記分子に付けることで本発明の材料を構成する分子を得ることができる。例えば、下記式(3')の化合物を分子上に存在するエポキシ基、酸基または無水物基とアミン基との反応によって付けることができる:
【0042】
式(3')の化合物は式(2')の化合物を下記式のジエチレントリアミンと反応させて得ることができる:
H2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH2
【0043】
式(3')のA=Oの場合に得られるl−β−アミノエチル−2−イミダゾリドン(1−(2−アミノエチル)イミダゾリディン−2−1(CAS番号6281-42-1)ともよばれる)は下記文献にその合成方法とともに記載されている。
【特許文献2】米国特許第2,613,212号明細書
【0044】
非共有結合性の相互作用を介して結合可能な少なくとも3つの結合基を有する各分子の少なくとも1つは下記式を有するのが好ましい:
【0045】
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機の単位を表す)
【0046】
式(4’)上の炭素原子は置換されていてもよい。Rは基−CH2-CH2および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-から選択するのが好ましい。少なくとも3つの結合基を有する分子の全ての結合基が式(4')でのあるが好ましい。
【0047】
式(4')の結合基のAが酸素である分子は、式(3')の下記文献を必要に応じて水素化されていてもよいポリ酸(これ自体は脂肪酸から得られる)のポリカルボキシル基と反応させて得ることができる。Aが酸素である式(4')の結合基を有する分子は酸とジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラアミン(TETA)タイプのアミンと反応させ、次いで式(2')の化合物、例えば尿素と反応させて得ることができる。
【0048】
本発明材料を構成する分子の例としては下記分子を挙げることができる:
【0049】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0050】
式(I)〜式(IV)では下記であるのが好ましい:
【0051】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
【0052】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
【0053】
基R1〜R5は分子の軸線方向または赤道方向の位置にある。
本発明の特定の実施例でリノレン酸がリッチな非水素化脂肪酸のダイマーから得られる化合物では、式(I)および(II)の主成分の化合物は下記(VI、VII)の構造を有する:
【0054】
(ここで、x2=0または1)
物理的結合を形成することができる分子は脂肪酸から作ることができる。すなわち、少なくとも5つの炭素原子を有する飽和または不飽和のカルボン酸、例えば直鎖の二酸、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼレイック酸、セバシン酸、分岐した二酸、例えば3,3-ジメチルグルタル酸、植物起源の脂肪酸のダイマーおよびトリマー、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレイン酸、ステアリン酸、リノレイック酸、特にパイン油、菜種油、とうもろこし油、ヒマワリ油、ダイズ油またはブドウの種子油から作ることができる。
【0055】
「脂肪酸のダイマーまたはトリマー」という用語は同一または互いに異なるモノマーの1つ、2つまたは3つのオリゴマを意味する。飽和または不飽和のカルボン酸は12〜100の炭素原子、好ましくは24〜90の炭素原子を含むのが好ましい。
【0056】
合成は2階段で実行でき、第一段階でダイマー酸をアミン(ジエチレントリアミン(DETA)(x2=0)またはトリエチレンテトラアミン(TETA)(x2=1)にすることができる)と反応させてジアミド(V)を作る。それを第2階段で尿素で処理してジ−イミダゾリドン(VI)を得る。本発明では使用するダイマー酸は所定量のトリマー酸を含むので、この合成方法で得られる材料は2つ以上の2-イミダゾリドン基の存在によって特徴付けられる分子(VII)を一定比率で含む。同様に、使用するダイマー酸が所定量のテトラマー、ペンタマー、2つ以上の酸基を有するその他の分子を含む場合には、上記合成方法で得られる材料は2つ以上の2-イミダゾリドン基の存在で特徴付けられる分子を含むことになる。
【0057】
水素化されていないか、部分的または完全に水素化された天然起源の脂肪酸のダイマーから得られる化合物の場合にも一般に式(I)〜(IV)の各種分子の混合物が得られる。この特徴を用い、合成で使用するダイマー酸およびアミンを適当に選択することで最終材料の特性を自由に変化させることができる。
【0058】
上記の結合基の外に、結合基の例として下記文献に記載のウレイドピリミドンの挙げることもできる。
【特許文献3】米国特許第6,320,018号明細書
【0059】
材料が流体になる温度は分子の種類に依存する。一般には180℃〜270℃の間である。この温度はx1が増加すると増加し、媒体の極性が小さくなると減少する。
【0060】
破断伸びは一定の温度領域で存在し、50〜700%の間にある。この破断伸びは引張り試験片を用いてISO 527に従って測定する。
本発明材料の特性は以下の通り。
本発明材料は60℃でベンジルアルコールに溶ける。
室温で水中に5日間浸した後での水の捕捉率は17重量%である。
本発明材料は飽和または不飽和の炭化水素、例えばドデカン中で膨潤し、これによってガラス遷移温度を下げることができる。膨潤剤は不揮発性のものを選択するのが好ましい。
本発明材料は自己補修性であり、例えば、破断点近くまで伸ばした後、室温で材料の表面を接触させることができ、破断させてから溶着させることができる。その後、再び引張り応力下に置くことができる。
【0061】
本発明の材料は、従来の熱可塑性エラストマーとは違って、高温で分子液体のように流れる。これは射出成形やその他の成形を用いる場合に有利である。すなわち、液性はこの種のプロセスの可能を高くし、金型のより忠実な転写を可能にする。本発明材料はベンジルアルコール中に溶けるが、大部分の溶剤には溶けない。本発明材料は添加剤、特に水、可塑剤を含むことができる。
【0062】
用途としては自己修復性物体を挙げることができる。本発明材料のTgおよびTfは組成を調節することで制御できる。また、緩和時間も可塑剤で調節することができる。
【実施例】
【0063】
実施例1
UT 1008(DA+TETA+尿素)の合成
錨型撹拌器と窒素パージ装置とを備えた温度調節装置付きジャケット付き250ml反応装置中に、15.00g(0.103モル)のTETAと、57.00gのEmpol10O8(登録商標)とを加える。Empol10O8(登録商標)は質量が280±70グラム/モルのモノアシッド3.5%と、二酸(式I、III)89.5%と、三酸(式II、IV)7%と、モノアシッドから誘導されたポリ酸とを含む脂肪酸混合物である。反応は160℃で24時間行う。混合物を130℃に冷却した後、6.60g(0.11モル)の尿素を加える。約5分後に気体のアンモニアが放出され(pHペーパーで確認)、反応媒体が発泡するのが観察される。
アンモニアの放出が減少した時に、温度を5℃ずつ増加し、150℃まで上げる。反応液を撹拌するのが難しくなる。加熱を止めて製品のUT 1008を回収し、錨型撹拌器を取り外す。それを70℃(5mmHgの減圧下)で減圧乾燥器に1週間置いてアムモニアを抜く。得られた材料を130℃でプレスして厚さ1〜3mmのプレートの形にする。このプレートを脱塩蒸留水中に2週間浸す。
【0064】
実施例2
UD 1018(DA+DETA+尿素)の合成
錨型撹拌器と窒素パージ装置とを備えた温度調節装置付きジャケット付き250ml反応装置中に、22.00g(0.194モル)のDETAと、54.40g のEmpol 1018(登録商標)とを入れる。Empol 1018(登録商標)は質量が280±70g/モルのモノアシッド4%と、二酸(式I、III)79%と、三酸(式II、IV)17%と、モノアシッドから誘導されるポリ酸とを含む脂肪酸混合物である。反応は160℃で24時間実行する。その後、混合物を室温まで冷却する。約70mlのクロロホルムを加えて可溶化する。次に、脱塩水(150ml)を反応装置に加える。混合物を撹拌して有機相から過剰なDETAを抽出する。2相分離後、水相を除去する。この操作を二度繰り返す。次に、70℃の強い窒素流下でクロロホルムを蒸発させる。
クロロホルムを蒸発させた後に、混合物を130℃まで加熱してから11.65g(0.194モル)の尿素を加える。約5分後に気体のアンモニアが放出され(pH紙で確認)、反応媒体が発泡するのが観察される。アンモニアの放出が減少したときに温度を5℃ずつ増加させて150℃まで上げる。反応液は撹拌するのが難しくなる。加熱を止めて製品のUD 1018を回収し、錨型撹拌器を取り外す。それを70℃(5mmHgの減圧下)で1週間、減圧乾燥器中に置いてアムモニアを抜く。
【0065】
各階段の後に、130℃のベンジルアルコール中でゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で分析を行って重合がないことおよび化合物の質量が低いこと(Mn<1500g/モル)であることを確認した。
【0066】
小型押出機DACAに150℃で2.5 gのUD 1018を導入し、荷重の変化を温度の関数で記録した。加熱または冷却した時の結果は[図1]に示してある。
[図2]は化合物UDIOI8の赤外スペクトルで、フリーなNH結合の吸収領域(3452cm-1)と、冷却時の結合されたNH結合の吸収領域(3310-3340と3077cm-1)とを示している。連続線T=246℃、不連続線T=148℃、一点鎖線T=65℃。
[図3a]と[図3b]は振動数を関数とした化合物UTIOO8の等温貯蔵モジュラス、G'(v)[図3a]と、ロスモジュラス、G''(v)、[図3b]とを表している。
[図4a]と[図4b]は振動数を関数にした化合物UDIOI8の等温貯蔵モジュラス(G'(v)[図4a]とロスファクタ(tan(□)=G'(v)/G''(v)[図4b])とを表す。[図4a]は各サンプルの幾何形状を考慮して0.1Hzにう標準化したの曲線。
[図5a]と[図5b]はクリープテスト[図5a]と回復テスト[図5b]とを表している。サンプルに強さが次第に増加する応力(σ)を1000秒間加えた後、緩和した。機械的アドミタンス(コンプライアンス)J=変形/応力を時間の関数で表した。変形はそれぞれ1.47%、7.43%、15.1%、30.7%および36.5%である。
[図6]は90℃での破断するまでの化合物UTIOO8の一軸方向への引張応力実験を表す。応力(σ)を変形量(ε)の関数で表した。ここで、ε=(I−I0)/I0。伸長速度は100%/分である。最終変形量は240%である。
化合物UD 1OI8も類似した結果を示した。
[図7a]と[図7b]は90℃での化合物UTI 008の引張り応力サイクル(破断無しの伸長と回復)時の応力σを表す。最高変形量は100%である。変形速度は伸長時には100%/分、回復時には-40%/分である。最初のサイクル後[図7a]には5%の非可逆変形が見られたが、第2サイクル[図7b]では非可逆変形は見られなかった。
[図8]はUT 1008のクリープ実験を表す。変形は100%で、24時間継続した。変形速度は50%/分で、温度は70℃である。
[図9]は室温での水によるUT1OO8Bの腫潤実験を表す。
【0067】
腫潤
2つの亜鈴型形引張応力テストピース(亜鈴間距離25mm)を室温で96時間、ドデカンの存在下に置いてドデカンで約10%腫潤したもの(テストピース1)と約15%腫潤したもの(テストピース2)とを作った。96時間後、サンプルを紙上で乾燥し、秤量して腫潤度を測定した。測定された重量腫潤度は以下の通りであった:
テストピース1: 8.6%
テストピース2: 12.8%
機械的試験を実行する前に各サンプルを密閉容器中に60℃で12時間維持した。
【0068】
引張りテスト
テストピース1(ドデカン8.6%)
【0069】
[図10a]と[図10b]は、8.6%のドデカンを添加した化合物UD1O18に25℃で一軸方向に引張応力を加えた重量テストの結果を表す。(a)破断前(サイクル1〜3)、(b)破断まで(サイクル4)および(c)破断と再付着を連続(サイクル5、6)。応力は上記定義の変形量の関数で表してある。伸長速度は+100%/分(サイクル1、2)、+40%/分(サイクル3〜6)である。破断変形は570%である。
【0070】
テストピース2(ドデカン12.8%)
【0071】
[図11]は12.8%のドデカンを添加した化合物UD1018に25℃での一軸方向へ引張応力を加えた上記テストの結果を表す。(a)破断前(サイクル1〜3)、(b)破断まで(サイクル4)および(c)破断と再付着を連続(サイクル5)。応力は上記定義の変形量の関数で表してある。伸長速度は+40%/分である。破断変形は635%である。
【0072】
[図12]は一軸方向の引張応力テスト時にテストピースの表面上にマークした寸法L0xe0の矩形領域の寸法変化を表す図である。L/L0は引張り軸線に沿った変形量、e/e0は引張軸線に直角な方向の変形量であり、(L0/L)/(e/e0)2 =1を判定基準として、定容変形であることが確認される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】小型押出機で加熱または冷却した時の荷重変化を温度の関数で記録した図。
【図2】化合物UD1O18の赤外スペクトル。
【図3】図3a、bは振動数を関数とした化合物UT1OO8の等温貯蔵モジュラスG'(v)およびロスモジュラスG''(v)。
【図4】図4a、bは振動数を関数にした化合物UD1O18の等温貯蔵モジュラスG'(v)とロスファクタ(tan(□)=G'(v)/G''(v)。
【図5】図5a、bはクリープテストおよび回復テストを表す図。
【図6】90℃で破断するまでの化合物UT1OO8の一軸方向引張応力実験での応力(σ)を変形量(ε)の関数で表した図。
【図7】図7a、bは90℃での化合物UT1008の引張り応力サイクル(破断無しの伸長と回復)時の応力σを表す図。
【図8】UT1008のクリープ実験を表す図。
【図9】室温での水によるUT1OO8Bの腫潤実験を表す図。
【図10】図10a、bは8.6%のドデカンを添加した化合物UD1O18に25℃で一軸方向に引張応力を加えた荷重テスト結果を表す図。
【図11】図11a、bは12.8%のドデカンを添加した化合物UD1018に25℃での一軸方向へ引張応力を加えたテスト結果を表す図。
【技術分野】
【0001】
本発明はゴム状弾性を示す弾性材料に関するものである。より正確には、本発明の弾性材料は非共有結合すなわち物理的結合、例えば水素結合を介して連結された分子から成る。この材料はゴムの特性と同じような特性を有する。この本発明材料は従来のエラストマーとは違って所定温度以上では流体になる。これはこの材料をリサイクルして使用する階段で有利である。
【0002】
エラストマーの定義から、エラストマーは極めて長い時間、寸法安定性を有し且つ極めて大きな変形(100〜600%の伸び)の後に初期形状を回復するものでなければならない。このゴム状弾性特性はさらに、圧縮永久歪で変形された応力の緩和後に確認されなければならない。
【0003】
本発明のゴム状弾性材料は密封継手、断熱材、遮音材料、タイヤ、ケーブル、被覆、靴底、包装材料、コーテング材料(ペイント、化粧品、フィルム)、弾性締付けカラー、真空管、運搬チューブ、可撓ホース、流体のレオロジー添加剤(例えば化粧品)、接着剤またはホットメルト接着剤の添加剤等の製造で使用される。
【背景技術】
【0004】
「ゴム状弾性」という用語は、使用温度で15分間の20%の一軸変形をさせた時に初期寸法の5%未満の圧縮永久歪で初期寸法へ戻る材料を意味する。すなわち、変形前の初期長さがL0の材料が一軸応力下で使用温度で15分間、(Ld-L0)/L0が0.2以上となるように長さLdだけ変形した時に、応力を緩和した後の材料の最終長さLfが(Lf-L0)/L0が0.05以下となる材料であり、(Lf-L0)/L0は0.8以上、さらに好ましくは(Lf-L0)/L0は1以上であるのが好ましい。
【0005】
このゴム状弾性は原則としてポリマー系の特徴であり、従来は無機材料(グラス、金属、酸化物、イオン性固体等)や結晶性または非晶質の分子材料ではゴム状弾性は示されなかった。SBR(スチレン・ブタジエンゴム)またはNBR(ニトリルブタジエンゴム)のような従来のエラストマーは共有結合を介して結合した分子(モノマー)鎖から生じるポリマーであり、このポリマーがさらに架橋している場合もある。
【0006】
エラストマーで作られた物体は、熱可塑性高分子から作られた物体とは決定に違って、決まった形状を有する。例えば、ポリアミド6(熱可塑性高分子)から成る物体は210℃以上では液体であるPA6を射出成形して作られ、冷却することによって物体が得られる。物体を210℃以上に加熱すると、勿体は液体のPA6になり、この液体のPA6は再び成形することができ、射出成形でき、これを繰り返すことができる。熱可塑性エラストマー、例えばポリエーテルブロックアミド(EPR、エチレンプロピレンゴムの略)も存在する。このポリマーもPA6と同様に(所定温度以上では液体で、それ以下では固体で)、成形でき、得られた物体はエラストマー特性を有するが、架橋したエラストマーから成る物体のような決まった形状を有してはいない。
【0007】
架橋または非架橋のエラストマー、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性高分子は全て共有結合を介して互いに結合した分子(モノマー)鎖からなり、巨大分子とよばれ、この巨大分子は少なくとも10000グラム/モルの分子質量を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、非共有結合、例えば水素結合を介して連結された分子から成る弾性特性を有する材料を見出した。この材料は従来のエラストマー材料とは違って、所定温度以上では流体になる。この特性はこの材料の成形およびリサイクル階段で有利である。本明細書では上記の「巨大分子」と区別するために本発明材料を「分子」という用語を用いて説明する。この分子は質量が9000グラム/モル以下、一般には500〜1500グラム/モルの化合物である。
【0009】
スーパー分子(supramolecular)のポリマーを記載した文献がある。すなわち、下記文献には水素結合を介して連結された単位から成るスーパー分子ポリマーが記載されている。
【特許文献1】国際特許出願WO 03 059964号公報
【0010】
上記の単位は下記の(1)と(3)の基の中から選択される少なくとも一つの基と、(1)〜(5)の基の中から選択される第2の基とを有するモノマーまたはプレポリマーである:
【0011】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、Xは任意の基を表し、スーパー分子ポリマーの水素結合は上記の(1)〜(5)の中から選択される互いに同一または異なる2つの基との間で起こる)
【0012】
本発明ポリマーは単独で使用できる。すなわち、本発明ポリマーは基本的にこのポリマーと、任意成分の安定化剤または抗酸化剤との組成物の形しており、必要に応じて他のポリマーまたは他の化合物との混合物の形で使用できる。
【0013】
上記文献には上記エラストマーは記載も示唆もない。上記文献の実施例5の出発材料はTOFAタイプのダイマー酸(松から得られる脂肪酸、TalL0il Fatty Acidの略語)とトリエチレンテトラアミン(TETA)との縮合で得られるポリアミドアミンのCrayamid 115(登録商標)(Mw=約2000〜4000グラム/モル)である。これと尿素とを反応させて2つのイミダゾリドン基を有する化合物が得られる。
【0014】
上記特許文献1(国際特許出願WO 03 059964号公報)に記載のように、上記で使用するダイマー酸中に痕跡量で存在するトリマー酸によって3つのイミダゾリドン基を含む分子が生じる。
しかし、実際に使用するダイマー酸中に痕跡量のトリマー酸が存在し、使用するTETA(商業レベルでは一般に純度は60%)中に不純物が存在するため、Crayamid 115(登録商標)のようなポリアミドアミンと尿素との反応では3つのイミダゾリドン基を有する分子を大量に生じさせることはできない。上記文献に記載の分子はゴム状弾性を示す材料にはならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の対象は、少なくとも3つの結合官能基(group fonctionnel associatif)を有し、各結合官能基は物理的な結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する分子を少なくとも一つ含み、この分子は9〜9000g/モルの分子質量を有し、使用温度でゴム状弾性を有する材料であり、上記のゴム状弾性は上記材料を15分間、一軸方向の応力下で初期長さL0から長さLdへ(Ld−L0)/L0が0.2以上となるように変形させた後に上記の一軸方向の応力を緩和した時に、(Lf−L0)/L0が0.05以下となるような長さLfへ材料が戻る材料と定義される。L0は材料の初期長さ、Ldは一軸応力下で変形した材料の長さ、Lfは一軸応力を緩和した後の材料の最終長さである。物理的な結合としては例えばΠ結合、イオン結合、Van der Waals結合、金属−リガンド配位結合、水素結合が挙げられる。
【0016】
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は2つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は3つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
本発明の一実施例では、本発明材料は9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は4つの物理的結合を形成できる少なくとも一つの基を有する。
【0017】
本発明の一実施例では、(Ld-L0)/L0は0.8以上である。
本発明の一実施例では、(Ld-L0)/L0は1以上である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が三酸(triacid)または二酸(diacid)と三酸との混合物から誘導され、これらの二酸または三酸が少なくとも5つの炭素原子を含む。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が植物起源の分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が12〜100個の炭素原子を含む分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子が24〜90個の炭素原子を含む分子である。
本発明の一実施例では、上記の物理的結合を形成することができる分子がダイマーまたはトリマーである。
【0018】
本発明の一実施例では、上記分子が下記の式(1)の結合基を有する非共有結合を介して連結される:
【0019】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
本発明の一実施例では、Aが酸素である。
本発明の一実施例では、本発明材料は(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と(ii)単一の結合基を有する分子とを含む。
本発明の一実施例では、各分子当り少なくとも3つの結合基を有する少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有す分子全体の数の2倍との差が、物理的結合を形成することができる結合基が単一である分子の数の80%以上である。
本発明の一実施例では、上記の差が100%以上、好ましくは150%以上である。
本発明の一実施例では、材料を構成する分子の分子質量が17〜5000グラム/モル、好ましくは500〜1500グラム/モルである。
【0020】
本発明の一実施例では、非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの結合基を有する分子の各々において、上記の基の少なくとも1つが下記式を有する:
【0021】
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機単位を表す)
本発明の一実施例では、Rは基−CH2-CH2-および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-の中から選択される。
本発明の一実施例では、少なくとも3つの結合基を有する分子の結合基の全てが上記の式(4')である。
【0022】
本発明の一実施例では、非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される:
【0023】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)で、R1およびR2は2−イミダゾリドン末端を有する第二級アミン基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3とR4は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0024】
本発明の一実施例では、非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される:
【0025】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0026】
本発明の一実施例では下記である:
【0027】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
【0028】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
【0029】
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
本発明はさらに、一部または全体が上記材料から成る物体にも関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明はゴム状弾性の特性を示そ材料に関するものである。本発明材料は9〜9000g/モルの質量を有する分子から成り、分子の全てまたは一部は「結合基(group associatif)」とよばれる少なくとも3つの基を有する。この「結合基」自体も物理的結合を介して結合することができる一つ以上の基から成っている。
【0031】
本発明材料は重合も化学的な架橋もしていない小さい分子から成るにもかかわらず、巨大分子が有するゴム状弾性の特性を示す。本発明の一実施例では、この材料は室温ではゴム状弾性を示し、所定温度以上では単なる液体のように流れる材料となる。この材料は熱可逆性を有し、材料を冷却することで再びゴム状弾性特性を示す。この材料は自己補修性(auto-reperable)を有し、潜在的にリサイクル可能である。これは化学的に架橋したエラストマーの場合には決してないことである。この材料を構成している分子の特性に応じて弾性の特性、特に、各温度での緩和時間、クリープ特性、ガラス遷移温度Tg材料が流体可する温度Tf、各種媒体への溶解性、化学的抵抗性の各種のパラメータを変えることができる。
【0032】
本発明材料の上記特性はアジュバント、例えば可塑剤、抗酸化剤、その他を添加することで調整できる。本発明材料は所定溶剤中に溶かすことができる。これは従来の架橋したエラストマーに比べた利点である。
【0033】
本発明の1つの実施例では、本発明材料を構成する分子は下記の式(1)の結合基を有する:
【0034】
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
Aは酸素であるのが好ましい。
【0035】
式(1)の基、好ましくはイミダゾリドンを使用することによってユニークな特性を有する弾性材料が得られる。この材料は化学的に重合も架橋もしていない小さい分子から成るが、巨大分子が有するゴム状弾性特性を示す。高温(>180℃)ではこの材料は単純な液体のように流れる。本発明材料は水または湿気の存在下で腫脹ができる。水の添加は上記特性を変化させる手段の一つである。
本発明はさらに、一部分または全体が上記材料から成る物体に関するものでもある。
【0036】
「ゴム状弾性」は材料を伸長または圧縮した時の挙動を観測して確認することができる。材料のテストピースを20%の伸びを受けるように所定温度で15分間、引張応力下に置き、引張応力を放出した時に残った変形量を引張応力前のテストピースと比較する。本発明では残留変形が5%以下である。また、20%の圧縮を15分間加えた後の残留変形も測定する。この残留変形も5%以下である。本発明ではゴム状弾性は使用温度で(Ld-L0)/L0が0.2以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上となるように15分間、材料を変形した後の式(Lt-L0)/L0の値が0.05以下となることで定義される。
L0: 材料の最初の長さ、
Ld: 一軸応力下で変形させた材料の長さ
LF: 上記応力を緩和した後の材料の最終的な長さ。
【0037】
本発明材料を構成する分子は非共有結合性の相互作用を介して連結(s‘associer、結合)可能な基を少なくとも少なくとも3つ有する必要がある。そのため、結合基を正しく選択しなければならないが、媒体の選択も重要である。極性の小さい媒体中では結合基が例えば炭化水素鎖で囲まれ、静電的相互作用は強くなる。逆に、極性媒体中では結合基が例えばポリオキシエチレン鎖で囲まれ、静電的相互作用は弱くなる。本発明の分子は媒体中での会合定数が1000Lmor-1以上、好ましくは10000 Lmor-1以上であるのが好ましい。
【0038】
また、分子結晶の形成を避けるのも好ましい。そのために曲げ易い分子または分枝した分子を使用するか、類似しているが同じでない分子を混合するのが有利であるということを当業者は知っている。
【0039】
本発明材料は例えば少なくとも3つの結合基を有する分子(i)と、2つの結合基を有する分子(ii)と、単一の結合基を有する分子(iii)とから成る。各分子毎に少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有する分子の全数の二倍との差は、単一の結合基を有する分子の数の80%以上である(結合とは非共有結合性の相互作用を介して結合可能な結合を意味する)。この差は100%以上であるのが好ましく、さらには150%以上であるのが好ましい。
【0040】
本発明材料を構成する分子の分子質量は17〜5000グラム/モル、好ましくは500〜1500グラム/モルにするのが有利である。
本発明材料を構成する分子の結合基は上記の式(1)であるのが好ましい。この基は分子上に存在するか、下記式(2')の化合物を下記の式(2'')を有する分子と反応させて得ることができる:
【0041】
式(1)の結合基を上記分子に付けることで本発明の材料を構成する分子を得ることができる。例えば、下記式(3')の化合物を分子上に存在するエポキシ基、酸基または無水物基とアミン基との反応によって付けることができる:
【0042】
式(3')の化合物は式(2')の化合物を下記式のジエチレントリアミンと反応させて得ることができる:
H2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH2
【0043】
式(3')のA=Oの場合に得られるl−β−アミノエチル−2−イミダゾリドン(1−(2−アミノエチル)イミダゾリディン−2−1(CAS番号6281-42-1)ともよばれる)は下記文献にその合成方法とともに記載されている。
【特許文献2】米国特許第2,613,212号明細書
【0044】
非共有結合性の相互作用を介して結合可能な少なくとも3つの結合基を有する各分子の少なくとも1つは下記式を有するのが好ましい:
【0045】
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機の単位を表す)
【0046】
式(4’)上の炭素原子は置換されていてもよい。Rは基−CH2-CH2および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-から選択するのが好ましい。少なくとも3つの結合基を有する分子の全ての結合基が式(4')でのあるが好ましい。
【0047】
式(4')の結合基のAが酸素である分子は、式(3')の下記文献を必要に応じて水素化されていてもよいポリ酸(これ自体は脂肪酸から得られる)のポリカルボキシル基と反応させて得ることができる。Aが酸素である式(4')の結合基を有する分子は酸とジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラアミン(TETA)タイプのアミンと反応させ、次いで式(2')の化合物、例えば尿素と反応させて得ることができる。
【0048】
本発明材料を構成する分子の例としては下記分子を挙げることができる:
【0049】
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【0050】
式(I)〜式(IV)では下記であるのが好ましい:
【0051】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
【0052】
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
【0053】
基R1〜R5は分子の軸線方向または赤道方向の位置にある。
本発明の特定の実施例でリノレン酸がリッチな非水素化脂肪酸のダイマーから得られる化合物では、式(I)および(II)の主成分の化合物は下記(VI、VII)の構造を有する:
【0054】
(ここで、x2=0または1)
物理的結合を形成することができる分子は脂肪酸から作ることができる。すなわち、少なくとも5つの炭素原子を有する飽和または不飽和のカルボン酸、例えば直鎖の二酸、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼレイック酸、セバシン酸、分岐した二酸、例えば3,3-ジメチルグルタル酸、植物起源の脂肪酸のダイマーおよびトリマー、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレイン酸、ステアリン酸、リノレイック酸、特にパイン油、菜種油、とうもろこし油、ヒマワリ油、ダイズ油またはブドウの種子油から作ることができる。
【0055】
「脂肪酸のダイマーまたはトリマー」という用語は同一または互いに異なるモノマーの1つ、2つまたは3つのオリゴマを意味する。飽和または不飽和のカルボン酸は12〜100の炭素原子、好ましくは24〜90の炭素原子を含むのが好ましい。
【0056】
合成は2階段で実行でき、第一段階でダイマー酸をアミン(ジエチレントリアミン(DETA)(x2=0)またはトリエチレンテトラアミン(TETA)(x2=1)にすることができる)と反応させてジアミド(V)を作る。それを第2階段で尿素で処理してジ−イミダゾリドン(VI)を得る。本発明では使用するダイマー酸は所定量のトリマー酸を含むので、この合成方法で得られる材料は2つ以上の2-イミダゾリドン基の存在によって特徴付けられる分子(VII)を一定比率で含む。同様に、使用するダイマー酸が所定量のテトラマー、ペンタマー、2つ以上の酸基を有するその他の分子を含む場合には、上記合成方法で得られる材料は2つ以上の2-イミダゾリドン基の存在で特徴付けられる分子を含むことになる。
【0057】
水素化されていないか、部分的または完全に水素化された天然起源の脂肪酸のダイマーから得られる化合物の場合にも一般に式(I)〜(IV)の各種分子の混合物が得られる。この特徴を用い、合成で使用するダイマー酸およびアミンを適当に選択することで最終材料の特性を自由に変化させることができる。
【0058】
上記の結合基の外に、結合基の例として下記文献に記載のウレイドピリミドンの挙げることもできる。
【特許文献3】米国特許第6,320,018号明細書
【0059】
材料が流体になる温度は分子の種類に依存する。一般には180℃〜270℃の間である。この温度はx1が増加すると増加し、媒体の極性が小さくなると減少する。
【0060】
破断伸びは一定の温度領域で存在し、50〜700%の間にある。この破断伸びは引張り試験片を用いてISO 527に従って測定する。
本発明材料の特性は以下の通り。
本発明材料は60℃でベンジルアルコールに溶ける。
室温で水中に5日間浸した後での水の捕捉率は17重量%である。
本発明材料は飽和または不飽和の炭化水素、例えばドデカン中で膨潤し、これによってガラス遷移温度を下げることができる。膨潤剤は不揮発性のものを選択するのが好ましい。
本発明材料は自己補修性であり、例えば、破断点近くまで伸ばした後、室温で材料の表面を接触させることができ、破断させてから溶着させることができる。その後、再び引張り応力下に置くことができる。
【0061】
本発明の材料は、従来の熱可塑性エラストマーとは違って、高温で分子液体のように流れる。これは射出成形やその他の成形を用いる場合に有利である。すなわち、液性はこの種のプロセスの可能を高くし、金型のより忠実な転写を可能にする。本発明材料はベンジルアルコール中に溶けるが、大部分の溶剤には溶けない。本発明材料は添加剤、特に水、可塑剤を含むことができる。
【0062】
用途としては自己修復性物体を挙げることができる。本発明材料のTgおよびTfは組成を調節することで制御できる。また、緩和時間も可塑剤で調節することができる。
【実施例】
【0063】
実施例1
UT 1008(DA+TETA+尿素)の合成
錨型撹拌器と窒素パージ装置とを備えた温度調節装置付きジャケット付き250ml反応装置中に、15.00g(0.103モル)のTETAと、57.00gのEmpol10O8(登録商標)とを加える。Empol10O8(登録商標)は質量が280±70グラム/モルのモノアシッド3.5%と、二酸(式I、III)89.5%と、三酸(式II、IV)7%と、モノアシッドから誘導されたポリ酸とを含む脂肪酸混合物である。反応は160℃で24時間行う。混合物を130℃に冷却した後、6.60g(0.11モル)の尿素を加える。約5分後に気体のアンモニアが放出され(pHペーパーで確認)、反応媒体が発泡するのが観察される。
アンモニアの放出が減少した時に、温度を5℃ずつ増加し、150℃まで上げる。反応液を撹拌するのが難しくなる。加熱を止めて製品のUT 1008を回収し、錨型撹拌器を取り外す。それを70℃(5mmHgの減圧下)で減圧乾燥器に1週間置いてアムモニアを抜く。得られた材料を130℃でプレスして厚さ1〜3mmのプレートの形にする。このプレートを脱塩蒸留水中に2週間浸す。
【0064】
実施例2
UD 1018(DA+DETA+尿素)の合成
錨型撹拌器と窒素パージ装置とを備えた温度調節装置付きジャケット付き250ml反応装置中に、22.00g(0.194モル)のDETAと、54.40g のEmpol 1018(登録商標)とを入れる。Empol 1018(登録商標)は質量が280±70g/モルのモノアシッド4%と、二酸(式I、III)79%と、三酸(式II、IV)17%と、モノアシッドから誘導されるポリ酸とを含む脂肪酸混合物である。反応は160℃で24時間実行する。その後、混合物を室温まで冷却する。約70mlのクロロホルムを加えて可溶化する。次に、脱塩水(150ml)を反応装置に加える。混合物を撹拌して有機相から過剰なDETAを抽出する。2相分離後、水相を除去する。この操作を二度繰り返す。次に、70℃の強い窒素流下でクロロホルムを蒸発させる。
クロロホルムを蒸発させた後に、混合物を130℃まで加熱してから11.65g(0.194モル)の尿素を加える。約5分後に気体のアンモニアが放出され(pH紙で確認)、反応媒体が発泡するのが観察される。アンモニアの放出が減少したときに温度を5℃ずつ増加させて150℃まで上げる。反応液は撹拌するのが難しくなる。加熱を止めて製品のUD 1018を回収し、錨型撹拌器を取り外す。それを70℃(5mmHgの減圧下)で1週間、減圧乾燥器中に置いてアムモニアを抜く。
【0065】
各階段の後に、130℃のベンジルアルコール中でゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で分析を行って重合がないことおよび化合物の質量が低いこと(Mn<1500g/モル)であることを確認した。
【0066】
小型押出機DACAに150℃で2.5 gのUD 1018を導入し、荷重の変化を温度の関数で記録した。加熱または冷却した時の結果は[図1]に示してある。
[図2]は化合物UDIOI8の赤外スペクトルで、フリーなNH結合の吸収領域(3452cm-1)と、冷却時の結合されたNH結合の吸収領域(3310-3340と3077cm-1)とを示している。連続線T=246℃、不連続線T=148℃、一点鎖線T=65℃。
[図3a]と[図3b]は振動数を関数とした化合物UTIOO8の等温貯蔵モジュラス、G'(v)[図3a]と、ロスモジュラス、G''(v)、[図3b]とを表している。
[図4a]と[図4b]は振動数を関数にした化合物UDIOI8の等温貯蔵モジュラス(G'(v)[図4a]とロスファクタ(tan(□)=G'(v)/G''(v)[図4b])とを表す。[図4a]は各サンプルの幾何形状を考慮して0.1Hzにう標準化したの曲線。
[図5a]と[図5b]はクリープテスト[図5a]と回復テスト[図5b]とを表している。サンプルに強さが次第に増加する応力(σ)を1000秒間加えた後、緩和した。機械的アドミタンス(コンプライアンス)J=変形/応力を時間の関数で表した。変形はそれぞれ1.47%、7.43%、15.1%、30.7%および36.5%である。
[図6]は90℃での破断するまでの化合物UTIOO8の一軸方向への引張応力実験を表す。応力(σ)を変形量(ε)の関数で表した。ここで、ε=(I−I0)/I0。伸長速度は100%/分である。最終変形量は240%である。
化合物UD 1OI8も類似した結果を示した。
[図7a]と[図7b]は90℃での化合物UTI 008の引張り応力サイクル(破断無しの伸長と回復)時の応力σを表す。最高変形量は100%である。変形速度は伸長時には100%/分、回復時には-40%/分である。最初のサイクル後[図7a]には5%の非可逆変形が見られたが、第2サイクル[図7b]では非可逆変形は見られなかった。
[図8]はUT 1008のクリープ実験を表す。変形は100%で、24時間継続した。変形速度は50%/分で、温度は70℃である。
[図9]は室温での水によるUT1OO8Bの腫潤実験を表す。
【0067】
腫潤
2つの亜鈴型形引張応力テストピース(亜鈴間距離25mm)を室温で96時間、ドデカンの存在下に置いてドデカンで約10%腫潤したもの(テストピース1)と約15%腫潤したもの(テストピース2)とを作った。96時間後、サンプルを紙上で乾燥し、秤量して腫潤度を測定した。測定された重量腫潤度は以下の通りであった:
テストピース1: 8.6%
テストピース2: 12.8%
機械的試験を実行する前に各サンプルを密閉容器中に60℃で12時間維持した。
【0068】
引張りテスト
テストピース1(ドデカン8.6%)
【0069】
[図10a]と[図10b]は、8.6%のドデカンを添加した化合物UD1O18に25℃で一軸方向に引張応力を加えた重量テストの結果を表す。(a)破断前(サイクル1〜3)、(b)破断まで(サイクル4)および(c)破断と再付着を連続(サイクル5、6)。応力は上記定義の変形量の関数で表してある。伸長速度は+100%/分(サイクル1、2)、+40%/分(サイクル3〜6)である。破断変形は570%である。
【0070】
テストピース2(ドデカン12.8%)
【0071】
[図11]は12.8%のドデカンを添加した化合物UD1018に25℃での一軸方向へ引張応力を加えた上記テストの結果を表す。(a)破断前(サイクル1〜3)、(b)破断まで(サイクル4)および(c)破断と再付着を連続(サイクル5)。応力は上記定義の変形量の関数で表してある。伸長速度は+40%/分である。破断変形は635%である。
【0072】
[図12]は一軸方向の引張応力テスト時にテストピースの表面上にマークした寸法L0xe0の矩形領域の寸法変化を表す図である。L/L0は引張り軸線に沿った変形量、e/e0は引張軸線に直角な方向の変形量であり、(L0/L)/(e/e0)2 =1を判定基準として、定容変形であることが確認される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】小型押出機で加熱または冷却した時の荷重変化を温度の関数で記録した図。
【図2】化合物UD1O18の赤外スペクトル。
【図3】図3a、bは振動数を関数とした化合物UT1OO8の等温貯蔵モジュラスG'(v)およびロスモジュラスG''(v)。
【図4】図4a、bは振動数を関数にした化合物UD1O18の等温貯蔵モジュラスG'(v)とロスファクタ(tan(□)=G'(v)/G''(v)。
【図5】図5a、bはクリープテストおよび回復テストを表す図。
【図6】90℃で破断するまでの化合物UT1OO8の一軸方向引張応力実験での応力(σ)を変形量(ε)の関数で表した図。
【図7】図7a、bは90℃での化合物UT1008の引張り応力サイクル(破断無しの伸長と回復)時の応力σを表す図。
【図8】UT1008のクリープ実験を表す図。
【図9】室温での水によるUT1OO8Bの腫潤実験を表す図。
【図10】図10a、bは8.6%のドデカンを添加した化合物UD1O18に25℃で一軸方向に引張応力を加えた荷重テスト結果を表す図。
【図11】図11a、bは12.8%のドデカンを添加した化合物UD1018に25℃での一軸方向へ引張応力を加えたテスト結果を表す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの結合官能基(group fonctionnel associatif)を有し、各結合官能基は物理的な結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する分子を少なくとも一つ含み、この分子は9〜9000g/モルの分子質量を有し、使用温度でゴム状弾性を有する材料(上記のゴム状弾性は、L0は材料の初期長さ、Ldは一軸応力下で変形した材料の長さ、Lfは一軸応力を緩和した後の材料の最終長さとした時に、上記材料を15分間、一軸方向の応力下で初期長さL0から長さLdへ(Ld−L0)/L0が0.2以上となるように変形させた後に上記の一軸方向の応力を緩和した時に、(Lf−L0)/L0が0.05以下となるような長さLfへ材料が戻る材料と定義される)
【請求項2】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は2つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項3】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、各分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は3つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項4】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、各分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は4つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項5】
(Ld-L0)/L0が0.8以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料。
【請求項6】
(Ld-L0)/L0が1以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料。
【請求項7】
物理的結合を形成することができる分子が三酸(triacid)または二酸(diacid)と三酸との混合物から誘導され、これらの二酸または三酸が少なくとも5つの炭素原子を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の材料。
【請求項8】
物理的結合を形成することができる分子が植物起源の分子である請求項1〜7のいずれか一項に記載の材料。
【請求項9】
物理的結合を形成することができる分子が12〜100個の炭素原子を含む分子である請求項1〜8のいずれか一項に記載の材料。
【請求項10】
物理的結合を形成することができる分子が24〜90個の炭素原子を含む分子である請求項1〜9のいずれか一項に記載の材料。
【請求項11】
物理的結合を形成することができる分子がダイマーまたはトリマーである請求項1〜10のいずれか一項に記載の材料。
【請求項12】
上記分子が下記の式(1)の結合基を有する非共有結合を介して連結されている請求項1に記載の材料:
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
【請求項13】
Aが酸素である請求項12に記載の材料。
【請求項14】
(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と、(ii)単一の結合基を有する分子とを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の材料。
【請求項15】
各分子当り少なくとも3つの結合基を有する少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有す分子全体の数の2倍との差が、物理的結合を形成することができる結合基が単一である分子の数の80%以上である請求項14に記載の材料。
【請求項16】
上記の差が100%以上である請求項15に記載の材料。
【請求項17】
上記の差が150%以上である請求項16に記載の材料。
【請求項18】
材料を構成する分子の分子質量が17〜5000グラム/モルである請求項1〜17のいずれか一項に記載の材料。
【請求項19】
材料を構成する分子の分子質量が500〜1500グラム/モルである請求項1〜18のいずれか一項に記載の材料。
【請求項20】
非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの結合基を有する分子の各々において、上記の基の少なくとも1つが下記式を有する請求項1〜19のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機単位を表す)
【請求項21】
Rが基−CH2-CH2-および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-の中から選択される請求項20に記載の材料。
【請求項22】
少なくとも3つの結合基を有する分子の結合基の全てが上記の式(4')である請求項20または21に記載の材料。
【請求項23】
非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される請求項1〜22のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)で、R1およびR2は2−イミダゾリドン末端を有する第二級アミン基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3とR4は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【請求項24】
非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される請求項1〜22のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【請求項25】
下記である請求項23または24に記載の材料:
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
【請求項26】
一部または全体が請求項1〜25のいずれか一項に記載の材料から成る物体。
【請求項27】
結合の官能基がウレイドピリミドンである請求項1に記載の材料。
【請求項28】
密封継手、断熱材、遮音材料、タイヤ、ケーブル、被覆材料、靴底材料、包装材料、コーテング(ペイント、化粧品、フィルム)、弾性締付けカラー、真空管、輸送チューブ、可撓性ホース、レオロジー添加剤、流体、接着剤およびホットメルト接着の製造での請求項1〜25のいずれか一項に記載の材料の使用。
【請求項1】
少なくとも3つの結合官能基(group fonctionnel associatif)を有し、各結合官能基は物理的な結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する分子を少なくとも一つ含み、この分子は9〜9000g/モルの分子質量を有し、使用温度でゴム状弾性を有する材料(上記のゴム状弾性は、L0は材料の初期長さ、Ldは一軸応力下で変形した材料の長さ、Lfは一軸応力を緩和した後の材料の最終長さとした時に、上記材料を15分間、一軸方向の応力下で初期長さL0から長さLdへ(Ld−L0)/L0が0.2以上となるように変形させた後に上記の一軸方向の応力を緩和した時に、(Lf−L0)/L0が0.05以下となるような長さLfへ材料が戻る材料と定義される)
【請求項2】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、この分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は2つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項3】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、各分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は3つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項4】
9〜9000グラム/モルの分子質量を有する少なくとも一つの分子から成り、各分子は少なくとも3つの結合官能基を有し、各結合官能基は4つの物理的結合を形成することができる少なくとも一つの基を有する請求項1に記載の材料。
【請求項5】
(Ld-L0)/L0が0.8以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料。
【請求項6】
(Ld-L0)/L0が1以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料。
【請求項7】
物理的結合を形成することができる分子が三酸(triacid)または二酸(diacid)と三酸との混合物から誘導され、これらの二酸または三酸が少なくとも5つの炭素原子を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の材料。
【請求項8】
物理的結合を形成することができる分子が植物起源の分子である請求項1〜7のいずれか一項に記載の材料。
【請求項9】
物理的結合を形成することができる分子が12〜100個の炭素原子を含む分子である請求項1〜8のいずれか一項に記載の材料。
【請求項10】
物理的結合を形成することができる分子が24〜90個の炭素原子を含む分子である請求項1〜9のいずれか一項に記載の材料。
【請求項11】
物理的結合を形成することができる分子がダイマーまたはトリマーである請求項1〜10のいずれか一項に記載の材料。
【請求項12】
上記分子が下記の式(1)の結合基を有する非共有結合を介して連結されている請求項1に記載の材料:
(ここで、Aは酸素、硫黄またはNHを表し、式(1)中の炭素原子は置換されていてもよい)
【請求項13】
Aが酸素である請求項12に記載の材料。
【請求項14】
(i)少なくとも3つの結合基を有する分子と、(ii)単一の結合基を有する分子とを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の材料。
【請求項15】
各分子当り少なくとも3つの結合基を有する少なくとも3つの結合基を有する分子に属する結合基の数と少なくとも3つの結合基を有す分子全体の数の2倍との差が、物理的結合を形成することができる結合基が単一である分子の数の80%以上である請求項14に記載の材料。
【請求項16】
上記の差が100%以上である請求項15に記載の材料。
【請求項17】
上記の差が150%以上である請求項16に記載の材料。
【請求項18】
材料を構成する分子の分子質量が17〜5000グラム/モルである請求項1〜17のいずれか一項に記載の材料。
【請求項19】
材料を構成する分子の分子質量が500〜1500グラム/モルである請求項1〜18のいずれか一項に記載の材料。
【請求項20】
非共有結合性の相互作用で結合可能な少なくとも3つの結合基を有する分子の各々において、上記の基の少なくとも1つが下記式を有する請求項1〜19のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、AおよびA’は酸素、硫黄またはNHを表し、Rは14〜300グラム/モルの質量を有する有機単位を表す)
【請求項21】
Rが基−CH2-CH2-および基-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-の中から選択される請求項20に記載の材料。
【請求項22】
少なくとも3つの結合基を有する分子の結合基の全てが上記の式(4')である請求項20または21に記載の材料。
【請求項23】
非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される請求項1〜22のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)で、R1およびR2は2−イミダゾリドン末端を有する第二級アミン基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3とR4は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【請求項24】
非共有結合を介して連結される分子が下記の中から選択される請求項1〜22のいずれか一項に記載の材料:
(ここで、(A,B)=(R2、R3)または(R3、R2)、(C,D)=(R6、R5)または(R5、R6)で、R1、R2、R5は2−イミダゾリドン末端を有する第2アミド基で終わる飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、R3、R4、R6は飽和または不飽和の炭化水素鎖である)
【請求項25】
下記である請求項23または24に記載の材料:
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y1=0または1、z1=0または1)
(ここで、n1=5〜8、x1=0または1、y2=0または1、z2=0または1、y'2=0または1、z'2=0または1)
R3、R4、R6=-(CH2)Z3-(CH=CH)X3-(CH2)n3-CH3
(ここで、n3=1〜5、x3=0または1、z3=0または1)
【請求項26】
一部または全体が請求項1〜25のいずれか一項に記載の材料から成る物体。
【請求項27】
結合の官能基がウレイドピリミドンである請求項1に記載の材料。
【請求項28】
密封継手、断熱材、遮音材料、タイヤ、ケーブル、被覆材料、靴底材料、包装材料、コーテング(ペイント、化粧品、フィルム)、弾性締付けカラー、真空管、輸送チューブ、可撓性ホース、レオロジー添加剤、流体、接着剤およびホットメルト接着の製造での請求項1〜25のいずれか一項に記載の材料の使用。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−530064(P2008−530064A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554608(P2007−554608)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000355
【国際公開番号】WO2006/087475
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000355
【国際公開番号】WO2006/087475
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】
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